JP4905199B2 - シリンダボアの測定方法及び測定装置 - Google Patents
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真円度や円筒度を測定する上述の測定方法は、シリンダボアの上方から測定用センサを挿入するため、シリンダヘッドを外してシリンダブロック単体の状態で真円度等の測定を行うものであり、かつ、測定が常温の状態で行われるものである。そのため、求められた測定結果は、シリンダヘッドの締結されたエンジン組み立て状態における真円度等とは異なるものとなり、エンジン作動中の熱膨張等による真円度の変化については全く考慮されていなかった。
この測定装置20を、主軸受部の隣り合う凹部に第2基準部材20Bを嵌め込み、シリンダボア2の内周面に第1基準部材20Aを当接するようにしてシリンダブロック1上に設置し、測定用センサ24を取付けたスプライン軸29をシリンダボア2に挿入して真円度等の計測を実行する。測定されたデータはコンピュータ100に送られて、ここで演算処理が実行され、真円度及び円筒度が求められる。これにより、エンジンの組み立て状態におけるエンジン作動時の状態を再現し、シリンダヘッドの締結や冷却水の高温化などに伴う、内部応力あるいは熱膨張の影響を反映した真円度等を測定することができる。
本発明は、シリンダボアの真円度あるいは円筒度を測定するにあたり、シリンダヘッドのみならずベアリングキャップ部材をシリンダブロックに組み付けて測定し、エンジン作動状態により一層近似させた真円度の測定データを得ることを課題とする。
「エンジンのシリンダブロックに形成されたシリンダボアの真円度を、回転可能かつ往復動可能に支持される測定用センサを備えた測定装置により測定する測定方法であって、
前記シリンダブロックは、その一側に主軸受部の一方を形成する複数の半円形状の凹部を備えており、
前記シリンダブロックの一側には、主軸受部の他方を形成する半円形状の凹部を備えた複数のベアリングキャップ部材を、前記シリンダブロックの他側にはシリンダヘッドを、それぞれ締結してシリンダ組立体を構成し、かつ、前記シリンダ組立体を前記ベアリングキャップ部材が上方に位置するよう台上に設置し、さらに、
前記シリンダブロックの下部に形成された隣接する前記半円形状の凹部に、載置用ブロックを掛け渡して設置するとともに、前記測定装置を載置用ブロック上に載置し、前記測定装置の測定用センサを前記シリンダ組立体の上方から前記シリンダボアに挿入して真円度を測定する」
ことを特徴とする測定方法となっている。
載置用ブロック上に載置される測定装置自体は、ベアリングキャップ部材の間の、クランクシャフトの軸方向とは直角方向に延びる空間に収まるように小型に構成されている。測定装置には回転可能かつ往復動可能に支持される測定用センサが取付けてあり、この測定センサを上方からシリンダボアに挿入することにより、シリンダブロックにシリンダヘッド及びベアリングキャップ部材を締結した状態で、真円度を測定することができる。したがって、シリンダヘッドのみならずベアリングキャップ部材の締め付けに伴うシリンダボアの変形を直接反映した真円度のデータが得られ、エンジンの実態に即した真円度等を知ることが可能となる。
まず、水冷式の直列エンジンにおけるシリンダブロック周辺の構造を、図1及び図2に基づいて概略的に述べる。図1は、シリンダブロックにシリンダヘッドとベアリングキャップ部材とを組み付けたエンジンの縦断面図であり、図2は、ベアリングキャップ部材を締結したシリンダブロックを下方から見たA−A矢視図となっている。なお、図3には、ラダーフレームを組み付けたエンジンのシリンダブロックの断面図及びラダーフレームを下方から見た図を示す。
シリンダボア2の形成されているシリンダブロック1には、エンジン作動時と同じように、シリンダヘッド3とベアリングキャップ部材8とが締結ボルト4等により強固に固着されている。この状態では、シリンダボア周辺にはボルトの締め付けに起因する内部応力が生じており、真円度の測定結果は、その応力の影響を反映したものとなる。
図5に示すように、本発明の測定装置20は基台23を備え、基台23には、測定用センサ24をシリンダボア2の内週面に沿って回転させ、また、シリンダボア2の軸方向に往復動させる駆動機構25が載置されている。基台23の中央部下方には、長手方向の両側面が平行に形成された軸受ボス部23Aが設けられるとともに、基台23の両端には、作業者が測定装置20を把持してシリンダ組立体上に設置するための取っ手27が固着されている。
載置ブロック21は、図7に示されるとおり、その両端部21Aの下面21Bが、主軸受部に設置する際の基準面となるよう、シリンダブロック1の主軸受部の半円形状凹部71に合致する半円形状であり、上面は平面をなしている。側面図から分かるように、載置ブロック21は、中心軸(主軸受部の軸心を通る軸)に対して片側が切り落された形状をなし、したがって、中心軸に対して非対称であって寸法Xが寸法Yよりも長い形状である。載置ブロック21の中央部には、測定装置20を載置するため、平行な両壁21Cを備えた断面が略矩形の凹所21Dが設けられている。また、凹所21Dの下方には、測定装置20のスプライン軸29に取付けたハウジング34、測定用センサ24が通過する貫通孔21Eが形成されている。
図1に関して説明したように、シリンダボア2の真円度を測定する際には、エンジンのシリンダブロック1にシリンダヘッド3を締め付けるとともに、ベアリングキャップ部材8をキャップボルト82で締結する。そして、このシリンダ組立体9を、ベアリングキャップ部材8を上方にして台上に設置し、載置ブロック21を主軸受部7の間に掛け渡す。こうした準備の後、シリンダ組立体9に高温の流体をポンプ13によって供給する。所定の時間が経過し、流体の出入口の温度差及びシリンダブロック1の温度が安定した時に、作業者が本発明の測定装置20の取っ手27を手で保持し、ベアリングキャップ部材8の間の載置ブロック21に上方から載置する。
2 シリンダボア
3 シリンダヘッド
4 締結ボルト
7 主軸受部
8 ベアリングキャップ部材
82 キャップボルト
9 シリンダ組立体
20 測定装置
21 載置ブロック
22 基準部材
23 基台
24 測定用センサ
25 駆動機構
29 スプライン軸
30 送りねじ軸(操作軸)
32、34 ボールスプライン機構
35 スプライン軸回転駆動モータ
38 送りねじ軸駆動モータ
39、40 ロータリーエンコーダ
Claims (6)
- エンジンのシリンダブロックに形成されたシリンダボアの真円度を、回転可能かつ往復動可能に支持される測定用センサを備えた測定装置により測定する測定方法であって、
前記シリンダブロックは、その一側に主軸受部の一方を形成する複数の半円形状の凹部を備えており、
前記シリンダブロックの一側には、主軸受部の他方を形成する半円形状の凹部を備えた複数のベアリングキャップ部材を、前記シリンダブロックの他側にはシリンダヘッドを、それぞれ締結してシリンダ組立体を構成し、かつ、前記シリンダ組立体を前記ベアリングキャップ部材が上方に位置するよう台上に設置し、さらに、
前記シリンダブロックの下部に形成された隣接する前記半円形状の凹部に、載置用ブロックを掛け渡して設置するとともに、前記測定装置を載置用ブロック上に載置し、前記測定装置の測定用センサを前記シリンダ組立体の上方から前記シリンダボアに挿入して真円度を測定することを特徴とする測定方法。 - 前記シリンダブロック及び前記シリンダヘッドがウォータージャケットを有しており、前記ウォータージャケットに高温の流体を送り込んで測定する請求項1に記載の測定方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の測定方法で使用される載置用ブロックであって、両端部の下面には、前記シリンダブロックの一側に形成された前記半円形状の凹部に合致する基準面が形成されるとともに、中央部には、前記測定用センサが通過する透孔が形成される載置用ブロック。
- 上面に前記測定装置を位置決めする凹所が形成された請求項3に記載の載置用ブロック。
- 請求項1乃至請求項2に記載の測定方法で使用される測定装置であって、
前記測定装置は、前記シリンダボアに挿入される測定用センサを、前記シリンダボアの内周面に沿って回転させるとともに前記シリンダボアの軸線方向に往復動させる駆動機構と、その駆動機構を保持する基台とを有し、さらに、
前記基台には、前記シリンダボアの内周面と合致する基準面を形成した基準部材が取付けられている測定装置。 - 前記駆動機構は、前記測定用センサを取付けたボールスプライン機構が嵌め込まれるスプライン軸と、前記ボールスプライン機構を、送りねじ機構によって前記シリンダボアの軸方向に往復動させる操作軸とを有している請求項5に記載の測定装置。
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