JP4904717B2 - 破断分割装置及び破断分割方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば内燃機関に用いられるコンロッドのような、開口部が設けられ、破断分割面を予定する破断予定部が当該開口部の周縁に形成されたワークを破断分割するための破断分割装置及び破断分割方法に関する。
例えば、自動車等のエンジンに用いられているコネクティングロッド(Connecting Rod:以下、単に「コンロッド」と称する。)は、エンジンにおいてピストンとクランクシャフトとを連結するために用いられている。このコネクティングロッドは、ピストンのピストンピンが挿入される開口部が形成された小端部と、クランクシャフトが挿入される開口部が形成され、破断分割面で分割された大端部と、当該小端部及び大端部を連結するロッド部と、を有している(図1参照)。
この分割式のコンロッドを製造する方法としては、先ず、小端部、大端部及びロッド部を、例えば、ニッケルクロム鋼やクロムモリブデン鋼等の特殊鋼を用いて鍛造成形等により一体的に形成し、次いで、大端部の開口部の内周面に破断分断面を予定するためのノッチを形成し、その後、当該ノッチを基準として、破断分割面でコンロッドの大端部で破断分割する方法が知られている。
この大端部を破断分割するコンロッドの製造方法は、コンロッドを一体的に形成可能であると共に、大端部を組み立てる際に、破断分割面に機械加工等を行うことなく、当該破断分割面を位置合わせ面としてそのまま用いることが可能であるため、生産性向上やコストダウンの観点において優れている。
このコンロッドの大端部を破断分割する装置として、ノッチに係合し、破断分割方向に対して直交方向に沿ってノッチ自体を押圧する第1の押圧部材と、大端部の開口部を破断分割方向に拡張させる第2の押圧部材と、を備えたものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の装置として、破断チップを大端部の開口部に食い込ませて破断予定部に形成しながら、拡張用金型を開口部内で破断分割方向に向かって拡張させるものが従来から知られている(例えば、特許文献2参照)。
以上のような装置では、破断予定部自体に押圧力を直接的に作用させることにより、破断起点をコントロールして、コンロッドの大端部が変形した状態で破断分割されるのを防止している。
しかしながら、破断分割の対象となるコンロッドの大端部が左右非対称な形状であったり、大端部の開口部周縁に破断予定部より強度が弱い部分(例えば、著しく薄肉な部分や、開口部から外周面までの距離が極端に短い部分)が存在する場合には、破断予定部に直接的に力を作用させても、破断予定部に応力を巧く集中させることが出来ず、所望する破断分割面でコンロッドを破断分割することが出来ないという問題があった。
特開平5−200633号公報 特開平6−91438号公報
本発明は、所望する破断分割面でワークを破断分割することが可能な破断分割装置及び破断分割方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、開口部が設けられ、破断分割面を予定する破断予定部が前記開口部の周縁に形成されたワークを破断分割する破断分割装置であって、前記ワークの前記開口部に挿入される治具と、前記開口部に挿入された前記治具を拡張させて、前記開口部を拡げ、前記ワークを破断分割する拡張手段と、を備え、前記治具は、前記開口部の内周面において前記破断予定部に実質的に隣接した部分である隣接部分に接触する支持用接触部と、前記開口部の内周面における前記破断予定部及び前記隣接部分以外の部分の少なくとも一部に接触する押圧用接触部と、を有する破断分割装置が提供される。
また、上記目的を達成するために、本発明によれば、開口部が設けられ、破断分割面を予定する破断予定部が前記開口部の周縁に形成されたワークを破断分割する破断分割方法であって、前記ワークの前記開口部に治具を挿入する挿入ステップと、前記開口部に挿入された前記治具を、前記開口部の内周面において前記破断予定部に実質的に隣接した隣接部分に接触させると共に、前記開口部の内周面における前記破断予定部及び前記隣接部分以外の部分の少なくとも一部に接触させた状態で、前記治具を拡張させて、前記ワークを破断させる拡張ステップと、を備えた破断分割方法が提供される。
本発明では、ワークの開口部内において治具を拡張させる際に、当該開口部の内周面において破断予定部に実質的に隣接した隣接部分に支持用接触部を接触させると共に、当該開口部の内周面における破断予定部及び隣接部分以外の部分の少なくとも一部に押圧用接触部を接触させる。そして、ワークの開口部を拡張して破断分割させる際に、押圧用接触部によりワークを破断分割方向に押圧すると共に、支持用接触部により開口部の内周面における隣接部分を支持する。
これにより、治具の拡張時に、開口部周縁において破断予定部に応力を集中させることが出来るので、所望する破断分割面でワークを破断分割することが出来る。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態におけるコンロッドを示す平面図である。先ず、本発明の実施形態において破断分割の対象となるコンロッド1について説明すると、図1に示すように、開口部2aが形成された小端部2と、開口部3aが形成された大端部3と、小端部2及び大端部3を連結するロッド部6と、から構成されている。このコンロッド1は、例えばニッケルクロム鋼やクロムモリブデン鋼等の特殊鋼を用いて鍛造成形等により一体的に形成した後に、破断分割面4を予定するために、大端部3の開口部3aの内周面に、例えばレーザ加工やブローチ加工等によりV字形状やU字形状の溝等のノッチ5(破断予定部)を形成したものである。
なお、破断分割面4を予定するためのノッチ5の代わりに、例えば、浸炭焼入等を用いて破断分割面4を予定していない部分の硬度を高くすることにより、ノッチ5に対応する部分の硬度を相対的に弱くすることにより、破断分割面4を予定しても良い。或いは、破断分割面4を予定するためのノッチ5の代わりに、例えば、小端部2、大端部3及びロッド部6の一体形成時に、ノッチ5に相当する部分に意図的に鍛造欠陥を作り、当該部分の強度を弱くすることにより、破断分割面4を予定しても良い。
図2は本発明の実施形態に係る破断分割装置の全体を示す平面図、図3は図2のIII-III線に沿った断面図、図4Aは図2に示す破断分割装置に用いられる押し治具の断面図、図4Bは大端部の開口部と押し治具の突起部の曲率半径の関係を示す図、図4Cは図4Aに示す押し治具の側面図、図5は本発明の実施形態に係る破断分割装置の押し治具を拡張させた状態を示す部分拡大平面図、図6Aは本発明の実施形態に係る破断分割方法による大端部の開口部周縁における応力分布グラフ、図6Bは従来の破断分割方法による大端部の開口部周縁における応力分布グラフである。
本発明の実施形態に係る破断分割装置10は、ノッチ5を基準としてコンロッド1の大端部3を破断分割し、その結果として大端部3を破断分割面4で破断分割するための装置である。この破断分割装置10は、図2及び図3に示すように、コンロッド1の大端部3の開口部3aに挿入される第1及び第2の治具21、25から成る押し治具20と、押し治具20に形成された凹部24、28に嵌合して第1及び第2の治具21、25を相互に離遠させて、押し治具20を開口部3a内で拡張させる楔30と、押し治具20を拡張させるために楔30を移動させる破断用シリンダ40と、楔の作用により相互に離縁する第1及び第2の治具21、25を支持し、装置基板90上で摺動可能に配置された第1及び第2のテーブル50、60と、コンロッド1の小端部2の開口部2aに挿入されるピン70と、ピン70及び押し治具20がそれぞれ挿入されたコンロッド1を固定する2つの固定用シリンダ80と、を備えている。
本実施形態に係る破断分割装置10の押し治具20は、大端部3の開口部3aに挿入された際に、開口部3aの半分の内周面(図2において右半分の内周面)に対向する第1の治具21と、当該開口部3aの残り半分の内周面(図2において左半分の内周面)に対向する第2の治具25と、から構成されている。
第1の治具21は、図4Aに示すように、複数の突起部が外周面から径方向に向かって突出した略半円状の断面形状を有している。この第1の治具21の外周面に設けられた複数の突起部は、2つの押圧用突起部22と、2つの支持用突起部23と、から構成されている。
2つの押圧用突起部22は、図4Aに示す第1の治具21のX−Y断面において、曲線表面部21aの中央寄り2箇所に形成されている。
各押圧用突起部22の外周面の曲率半径R1は、図4Bに示すように、大端部3の開口部3aの内周面の曲率半径r以下となっている(R1≦r)。これにより、開口部3a内で押し治具20を拡張させた際に、図4Aに示すX−Y断面において、第1の治具21の押圧用突起部22を開口部3aの内周面に点接触させることが可能となっている。
また、各押圧用突起部22は、図4Cに示すように、大端部3の開口部3aに対する押し治具20の挿入方向(同図におけるZ方向)に沿って、第1の治具21の外周面に延在している。これにより、押し治具21を開口部3a内で拡張させた際に、第1の治具21の押圧用突起部22を開口部3aの内周面に線接触させることが可能となっている。
これに対し、2つの支持用突起部23は、図4Aに示す第1の治具21のX−Y断面において、曲線表面部21aの両端寄り2箇所に形成されている。この支持用突起部23は、大端部3の開口部3a内で押し治具20が拡張した際に、当該開口部3aの内周面においてノッチ5に実質的に隣接する部分である隣接部分に接触することが可能となっている。なお、この支持用突起部23がノッチ5自体に接触することはない。
各支持用突起部23の外周面の曲率半径R2は、特に図示しないが、上述の押圧用突起部22と同様に、大端部3の開口部3aの内周面の曲率半径r以下となっている(R2≦r)。これにより、開口部3a内で押し治具20を拡張させた際に、図4Aに示すX−Y断面において、第1の治具21の支持用突起部23を開口部3aの内周面に点接触させることが可能となっている。
また、各支持用突起部23は、図4Cに示すように、大端部3の開口部3aに対する押し治具20の挿入方向(同図におけるZ方向)に沿って、第1の治具21の外周面に延在している。これにより、押し治具20を開口部3a内で拡張させた際に、第1の治具21の支持用突起部23を開口部3aの内周面に線接触させることが可能となっている。
さらに、この第1の治具21には、図3に示すような鉛直方向に対して傾斜した斜面を有する凹部24が、第2の治具25に対向する面に形成されている。この凹部24に楔30が挿入されることにより、楔の作用により第1及び第2の治具21、25の間を押し広げることが可能となっている。
第2の治具25も、第1の治具20と同様に、図4Aに示すように、複数の突起部が外周面から径方向に向かって突出した略半円状の断面形状を有している。この第2の治具25の外周面に形成された複数の突起部は、2つの押圧用突起部26と、2つの支持用突起部27と、から構成されている。
2つの押圧用突起部26は、図4Aに示す第2の治具25のX−Y断面において、曲線表面部25aの中央寄り2箇所に形成されている。
各押圧用突起部26の外周面の曲率半径R3も、特に図示しないが、大端部3の開口部3の内周面の曲率半径r以下となっている(R3≦r)。これにより、押し治具20を開口部3a内で拡張させた際に、図4Aに示すX−Y断面において、第2の治具25の押圧用突起部26を開口部3aの内周面に点接触させることが可能となっている。
また、各押圧用突起部26は、図4Cに示すように、大端部3の開口部3aに対する押し治具20の挿入方向に沿って(同図におけるZ方向)、第2の治具25の外周面に延在している。これにより、押し治具21を開口部3a内で拡張させた際に、第2の治具25の押圧用突起部26を開口部3aの内周面に線接触させることが可能となっている。
これに対し、2つの支持用突起部27は、図4Aに示す第2の治具25のX−Y断面において、曲線表面部21aの両端寄り2箇所に形成されている。この支持用突起部27は、大端部3の開口部3a内で押し治具20が拡張した際に、当該開口部3aの内周面においてノッチ5に実質的に隣接する部分である隣接部分に接触することが可能となっている。なお、この支持用突起部27がノッチ5自体に接触することはない。
各支持用突起部27の外周面の曲率半径R4は、特に図示しないが、上述の押圧用突起部26と同様に、大端部3の開口部3aの内周面の曲率半径r以下となっている(R4≦r)。これにより、開口部3a内で押し治具20を拡張させた際に、図4Aに示すX−Y断面において、第2の治具25の支持用突起部27を開口部3aの内周面に点接触させることが可能となっている。
また、各支持用突起部23は、図4Cに示すように、大端部3の開口部3aに対する押し治具20の挿入方向(同図におけるZ方向)に沿って、第2の治具25の外周面に延在している。これにより、押し治具20を開口部3a内で拡張させた際に、第2の治具25の支持用突起部27を開口部3aの内周面に線接触させることが可能となっている。
さらに、この第2の治具25にも、楔30が挿入される凹部28が形成されているが、図3に示すように、この凹部28には、第1の治具21の凹部24のような斜面は形成されていない。
本実施形態に係る破断分割装置10の楔30は、図3に示すように、押し治具20の第1の治具21に形成された凹部24の斜面に対応するような、鉛直方向に対して傾斜した斜面を有している。この楔30は、第1及び第2の治具21、25にそれぞれ形成された凹部24、28に挿入されており、さらにその下端部が、装置基板90に形成された開口91を介して、例えば、油圧シリンダ等を有する破断用シリンダ40に連結されている。そして、破断用シリンダ40が、楔30を鉛直下向きに引き寄せるように駆動すると、楔30の斜面が第1の治具21の凹部24の斜面に当接して摺動し、第1の治具21と第2の治具25との間を押し広げるように作用する。
このように楔30の作用により押し広げられる第1の治具21及び第2の治具25は、それぞれ第1のテーブル50及び第2のテーブル60に、例えばボルト締結等の手法により固定されている。この第1の治具21を支持する第1のテーブル50は、特に図示しないガイドレール等を介在させて装置基板90上に支持されており、楔30の押し広げ作用に伴って、図2及び図3に示すX軸正方向に摺動可能となっている。第2の治具25を支持する第2のテーブル60も同様に、特に図示しないガイドレール等を介在させて装置基板90上に支持されており、楔30の押し広げ作用に伴って、図2及び図3に示すX軸負方向に摺動可能となっている。
ピン70は、図2及び図3に示すように、コンロッド1の小端部2の開口部2aの内径より若干小さな直径を有し、当該開口部2aに挿入可能となっている。また、このピン70は、ボルト締結等の手法により装置基板90に固定されている。
固定用シリンダ80は、装置基板90上に配置された、例えばエアシリンダ等を有しており、小端部2の開口部2aにピン70が挿入され、大端部3の開口部3aに押し治具20が挿入されたコンロッド1の左右肩部を押圧して、当該コンロッド1を固定することが可能となっている。
次に作用について説明する。
先ず、破断用シリンダ40を十分に上昇させると共に、いずれの固定用シリンダ80も十分に収縮させた状態で、図2及び図3に示すように、小端部2の開口部2aにピン70を挿入し、大端部3の開口部3aに押し治具20を挿入し、この状態で、2つの固定用シリンダ80を駆動させて、大端部3の左右肩部を押し付け、破断分割装置10にコンロッド1を固定する。
次に、楔30を鉛直下向きに引き寄せるように破断用シリンダ40を駆動させ、楔30が、第1及び第2の治具21、25の凹部24、28に対して楔として作用し、第1の治具21と第2の治具25との間を押し広げて、大端部3の開口部3aの内部に挿入された押し治具20を拡張させる。この押し治具20の拡張により大端部3の開口部3aが拡げられ、周囲より強度の弱いノッチ5をきっかけとして、破断分割面4が破断限界を超えて、予定されていた当該破断分割面4で大端部3が破断分割される。
この押し治具20の拡張時において、図5に示すように、第1及び第2の治具21、25に設けられた各押圧用突起部22、26が、大端部3の開口部3aの内周面を破断分割方向に向かって押圧する。これと同時に、当該第1及び第2の治具21、25に設けられた各支持用突起部23、27が、開口部3aの内周面においてノッチ5に実質的に隣接する部分を支持する。なお、押圧用突起部22、26及び支持用突起部23、27が開口部3aの内周面に接触した状態において、第1及び第2の治具の突起部22、23、26及び27以外の外周面は、開口部3aの内周面に対して非接触な状態となっている。
即ち、本実施形態では、押し治具20の拡張時に、第1及び第2の治具21、25の外周面において突起部22、23、26及び27のみを大端部3の開口部3aの内周面に接触させ、支持用突起部23、27でノッチ5近傍の隣接部分を支持しながら、押圧用突起部22、26で開口部3aを押圧する。
本実施形態では、押し治具20の拡張時に、支持用突起部23、27でノッチ5近傍の隣接部分を支持しながら、大端部3の開口部3aを拡げることにより、図6Aに示すように、開口部3aの周縁において、ノッチ5が形成されていない部分と比較して、ノッチ5が形成されている部分(同図における90°及び270°)に発生する応力を相対的に大きくすることが出来(同図における応力差:Δσ)、ノッチ5に応力を集中させることが出来る。
これに対し、突起部を一切設けていない円柱状の押し治具を用いた従来の装置では、図6Bに示すように、開口部3aの周縁において、ノッチ5が形成されていない部分と比較して、ノッチが形成されている部分(同図における90°及び270°)にそれ程大きな応力を発生させることは出来ず(同図における応力差:Δσ、Δσ<Δσ)、ノッチ5に応力を十分に集中させることは出来ない。
なお、図6A及び図6Bにおいて、横軸の目盛りは、大端部3の開口部3a周縁におけるロッド部6の連結部分を基準とした位置を示している。例えば、この横軸における「90°」及び「270°」は、開口部3a周縁においてノッチ5が形成された部分を示している。これに対し、横軸における「0°」は、開口部3a周縁においてロッド部6が連結している部分を示し、横軸における「180°」は、開口部3a周縁においてロッド連結部の反対側の部分を示している。図5中に、図6A及び図6Bの横軸と開口部3a周縁における位置の関係を示す。
また、本実施形態では、押し治具20の拡張時に、図5におけるX−Y断面において、大端部3の開口部3aの内周面に対して、突起部22、23、26及び27を点接触させる。これにより、肉厚が薄い部位等から他の部位へ応力を分散させ、ノッチ5が形成されていない部分の応力ピークを下げることが出来るので、コンロッド1の大端部が捻れや割れを伴いながら破断分割されるのを防止することが出来る。
一般的に、コンロッド1の破断分割では、大端部3の開口部3aに形成された2つのノッチ5のうちの何れか一方が先に破断する。このため、突起部を一切設けていない円柱状の押し治具を用いた従来の装置では、押し治具の拡張時に、押し治具の断面(図5に示す押し治具20のX−Y断面に相当)における押し治具と開口部の内周面との接触点が、一方のノッチ5が破断する前後で変化するため、その後の他方のノッチ5の破断に対して悪影響を及ぼす場合がある。
これに対し、本実施形態では、押し治具20の拡張時に、図5におけるX−Y断面において、大端部3の開口部3aの内周面に対して、常時、突起部22、23、26及び27で点接触している。そのため、X−Y断面における押し治具20と開口部3aの内周面との接触点は、一方のノッチ5が破断する前後で変化することがなく、他方のノッチ5も所望する破断分割面4に沿って分割することが出来る。
さらに、本実施形態では、各突起部22、23、26、27が、押し治具20の挿入方向に沿って、第1及び第2の治具21、25の外周面に延在していることにより、押し治具20の拡張時に、コンロッド1の大端部3が、押し治具20の挿入方向に対して変形するのを防止することが出来る。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上述の実施形態では、小端部、大端部及びロッド部が一体的に形成されたタイプのコンロッドについて破断分割装置を適用した場合について説明したが、本発明においては特にこれに限定されない。例えば、小端部及びロッド部の結合体に対して大端部を別体で形成したタイプのコンロッドに本発明を適用しても良い。或いは、大端部が別体で形成されたコンロッドにおいて、大端部が左右非対称な形状であったり、大端部が開口部周縁にノッチより強度が弱い部分(例えば、著しく薄肉な部分や、開口部から大端部外周面までの距離が極端に短い部分)が存在する場合にも、本発明を適用することが出来る。本発明では、以上のようなタイプのコンロッドに対しても、応力をノッチに巧く集中させることが出来、所望する破断分割面でコンロッドの大端部を破断分割することが出来る。
また、上述の実施形態では、第1及び第2の治具21、25にそれぞれ4つの突起部22、23、26及び27を設けたが、本発明においては特にこれに限定されず、例えば4つ以上の突起部を設けても良い。
図1は、本発明の実施形態におけるコンロッドを示す平面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る破断分割装置の全体を示す平面図である。 図3は、図2のIII-III線に沿った断面図である。 図4Aは、図2に示す破断分割装置に用いられる押し治具の断面図である。 図4Bは、大端部の開口部と押し治具の突起部の曲率半径の関係を示す図である。 図4Cは、図4Aに示す押し治具の側面図である。 図5は、本発明の実施形態に係る破断分割装置の押し治具を拡張させた状態を示す部分拡大平面図である。 図6Aは、本発明の実施形態に係る破断分割方法による大端部の開口部周縁における応力分布グラフである。 図6Bは、従来の破断分割方法による大端部の開口部周縁における応力分布グラフである。
符号の説明
1…コンロッド
2…小端部
2a…開口部
3…大端部
3a…開口部
4…破断分割面
5…ノッチ
6…ロッド部
10…破断分割装置
20…押し治具
21…第1の治具
21a…曲線表面部
22…押圧用突起部
23…支持用突起部
24…凹部
25…第2の治具
25a…曲線表面部
26…支持用突起部
27…押圧用突起部
28…凹部
30…楔
40…破断用シリンダ
50、60…テーブル
70…ピン
80…固定用シリンダ
90…装置基板

Claims (4)

  1. 円形状の開口部が設けられ、破断分割面を予定する破断予定部が前記開口部の内周面の対向する位置に形成されたワークを破断分割する破断分割装置であって、
    前記ワークの前記開口部に挿入したときに前記開口部の内周面にそれぞれ対向する外周面を有する一対の治具と、
    前記開口部に挿入された一対の前記治具を、前記ワークを破断分割させる破断分割方向に沿って相互に離反させて、前記開口部を拡げ、前記ワークを破断分割する離反手段と、を備え、
    それぞれの前記治具は、
    前記治具の外周面から前記開口部の内周面に向かって突出するように設けられ、前記開口部の内周面において前記破断予定部に実質的に隣接した部分である隣接部分に接触する支持用突起部と、
    前記治具の外周面から前記開口部の内周面に向かって段差を有して突出するように設けられ、前記開口部の内周面の曲率半径以下の曲率半径を有する外周面が、前記開口部の内周面における前記破断予定部及び前記隣接部分以外の部分の少なくとも一部に接触する少なくとも2つの押圧用突起部と、を有し、
    前記離反手段による一対の前記治具の離反によって、前記支持用突起部と前記押圧用突起部が前記破断分割方向に沿って一体的に移動し、
    それぞれの前記押圧用突起部は、前記開口部の内周面において、前記破断分割方向に沿った前記開口部の中心軸上の部分に非接触であり、当該中心軸の両側で接触する破断分割装置。
  2. 前記押圧用突起部及び前記支持用突起部は、前記開口部に対する前記治具の挿入方向に沿って、前記治具の外周面に延在している請求項1記載の破断分割装置。
  3. 円形状の開口部が設けられ、破断分割面を予定する破断予定部が前記開口部の内周面の対向する位置に形成されたワークを破断分割する破断分割方法であって、
    前記ワークの前記開口部に挿入したときに前記開口部の内周面にそれぞれ対向する外周面を有するとともに、支持用突起部及び少なくとも2つの押圧用突起部をそれぞれ有する一対の治具を前記ワークの前記開口部に挿入する挿入ステップと、
    前記治具の外周面から前記開口部の内周面に向かって突出するように設けられた前記支持用突起部を、前記開口部の内周面において前記破断予定部に実質的に隣接した隣接部分に接触させると共に、前記治具の外周面から前記開口部の内周面に向かって段差を有して突出するように設けられ、曲率半径が前記開口部の内周面の曲率半径以下の外周面を有する前記押圧用突起部を、前記開口部の内周面において、前記ワークを破断分割させる破断分割方向に沿った前記開口部の中心軸上の部分に接触させずに、前記開口部の内周面における前記破断予定部及び前記隣接部分以外の部分の少なくとも一部であって、前記中心軸の両側の部分に接触させた状態で、一対の前記治具を、前記破断分割方向に沿って相互に離反させる離反ステップと、を備え、
    前記離反ステップにおいて、前記支持用突起部と前記押圧用突起部を、前記破断分割方向に沿って一体的に移動させる破断分割方法。
  4. 前記離反ステップにおいて、前記押圧用突起部及び前記支持用突起部は、前記開口部に対する前記治具の挿入方向に沿って前記治具の外周面に延在しており、前記治具を前記開口部の内周面に実質的に線接触させた状態で、一対の前記治具を、前記破断分割方向に沿って相互に離反させる請求項3記載の破断分割方法。
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