JP3781235B2 - コンロッドのクラッキング方法およびクラッキング装置 - Google Patents

コンロッドのクラッキング方法およびクラッキング装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストンエンジンに用いられるコンロッドの加工に関し、とくに、軸部の大端部にキャップ部を一体成形したコンロッドにおいて、軸部からキャップ部を破断分離するのに利用されるコンロッドのクラッキング方法およびクラッキング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンロッド(コネクティングロッド)は、軸部の一端に、クランクシャフトに連結する大端部を有すると共に、軸部の他端に、ピストンに連結する小端部を有し、大端部には、クランクシャフトへの装着とともにボルトで固定されるキャップ部を備えている。この種のコンロッドを製造するには、軸部とキャップ部を別体で成形することも多いが、軸部にキャップ部を一体成形し、軸部からキャップ部を分離することが行われており、とくに近年では、軸部からキャップ部を破断により分離するクラッキング方法が採用されている。このクラッキング方法によれば、合せ面が一致するので組付け精度が高いものとなり、また、分離を経済的に行うことができる。
【0003】
従来におけるコンロッドのクラッキング方法としては、大端部の大端穴の内側に2つのダイを配置し、両ダイを衝撃的に離間させることによりキャップ部を破断分離するものや、2つのダイの間にくさびを打ち込んでキャップ部を破断分離するものがあり、後者の技術は例えば特開昭61−27304号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したようなコンロッドのクラッキング方法にあっては、大端部の大端穴の内側に軸部の軸線方向の負荷を与えてキャップ部を破断分離することから、大端部に歪みが生じることがあり、また、一度に1個か2個しか処理することができないという問題があり、このような問題を解決することが課題であった。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、軸部の大端部にキャップ部を一体成形したコンロッドにおいて、軸部からキャップ部を破断分離するに際し、大端部の歪みをほとんど無くすことができ、また、一度に多数のコンロッドを処理をすることが可能であるコンロッドのクラッキング方法およびクラッキング装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるコンロッドのクラッキング方法は、請求項1として、軸部の大端部にキャップ部を一体成形したコンロッドに対し、半径方向に拡張収縮可能な加圧用ホースを用い、大端部の大端穴に挿通した加圧用ホースに加圧用液体を加圧充填し、加圧用ホースの直径を拡張させて大端部の大端穴の内側面全体を加圧することにより軸部からキャップ部を破断分離する構成とし、請求項2として、コンロッドの大端部の大端穴の内側面に、軸部からキャップ部を破断分離する際の破断促進用の溝が形成してある構成とし、請求項3として、コンロッドの軸部およびキャップ部を保持した状態にして軸部からキャップ部を破断分離する構成としており、上記の構成を課題を解決するための手段としている。
【0007】
上記の構成において、コンロッドは、例えば、鍛造材、鋳造材、焼結材、焼結鍛造材および粉末押出し材から選択したものを用いることができる。また、破断分離を行う前に、コンロッドを脆化域まで冷却したり、ショットピーニングを施したりすることも良く、破断分離を行う前および後のいずれか一方でコンロッドに熱処理を行うことも良い。加圧用の液体としては、水や油を用いることができる。さらに、破断促進用の溝は、コンロッドの成形とともに形成したり、コンロッドの成形後に形成したりすることができ、後者の場合には、例えば、機械加工やレーザ加工で形成することができる。
【0008】
本発明に係わるコンロッドのクラッキング装置は、請求項4として、軸部の大端部にキャップ部を一体成形したコンロッドに対し、キャップ部側を保持する一方の治具と、軸部側を保持する他方の治具と、大端部の大端穴に挿通可能な直径から大端穴よりも大きい直径に至る範囲で半径方向に拡張収縮可能な加圧用ホースと、加圧用ホースに加圧用液体を加圧供給する液体供給手段を備えた構成とし、請求項5として、一方の治具を所定間隔で複数配置すると共に、これらの治具に対応する他方の治具を備え、複数のコンロッドの各大端穴に連続的に挿通される加圧用ホースを備えた構成とし、請求項6として、加圧用ホースが、ゴム層とその外側の合成繊維層を備えている構成としており、上記の構成を課題を解決するための手段としている。
【0009】
なお、請求項6の構成における加圧用ホースは、合成繊維層として、例えばポリアミドイミド(デュポン社製のケブラー)などを用いることができ、また、膨脹率が過大になると軸部とキャップ部を破断した際に分離部分を変形させてしまう恐れがあるので、膨脹率は約20%以下とするのが良い。また、合成繊維層の外側に、膨張を妨げない範囲でエンジニアプラスチック等の耐摩耗性材をコーティングすることが好ましい。
【0011】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わるコンロッドのクラッキング方法では、軸部の大端部にキャップ部を一体成形したコンロッドに対し、半径方向に拡張収縮可能な加圧用ホースを用い、大端部の大端穴に挿通した加圧用ホースに加圧用液体を加圧充填し、加圧用ホースの直径を拡張させて大端部の大端穴の内側面全体を加圧するので、内側面全体に一定の静圧が負荷され、大端部に歪みをほとんど生じさせずに軸部からキャップ部を破断分離させることとなり、また、加圧用ホースを用いるので、複数のコンロッドに対する加圧および破断分離が可能となる。
【0012】
本発明の請求項2に係わるコンロッドのクラッキング方法では、コンロッドの大端部の大端穴の内側面に溝が形成してあるので、大端穴の内側面全体を加圧した際に溝によって破断が促進され、軸部とキャップ部とが所定の位置で確実に分離される。
【0013】
本発明の請求項3に係わるコンロッドのクラッキング方法では、コンロッドの軸部およびキャップ部を保持した状態にして軸部からキャップ部を破断分離するので、破断した際に軸部やキャップ部が飛散するような事態が阻止される。
【0014】
本発明の請求項4に係わるコンロッドのクラッキング装置では、軸部の大端部にキャップ部を一体成形したコンロッドに対し、一方の治具でコンロッドのキャップ部側を保持すると共に、他方の治具でコンロッドの軸部側を保持し、コンロッドの大端部の大端穴に加圧用ホースを挿通させた状態にして、液体供給手段により加圧用ホースに加圧用液体を加圧供給する。このとき、当該コンロッドのクラッキング装置では、加圧用ホースが、大端部の大端穴に挿通可能な直径から大端穴よりも大きい直径に至る範囲で半径方向に拡張収縮可能であるので、加圧用液体の加圧供給により加圧用ホースが拡張し、この加圧用ホースで大端穴の内側面全体を加圧し、内側面全体に一定の静圧を負荷し、大端部に歪みをほとんど生じさせずに軸部からキャップ部を破断分離する。また、一方および他方の治具でコンロッドのキャップ部側および軸部側を保持しているので、破断した際に軸部やキャップ部が飛散するような事態が阻止される。
【0015】
本発明の請求項5に係わるコンロッドのクラッキング装置では、所定間隔で配置した複数の一方の治具とこれらの治具に対応する他方の治具とで複数のコンロッドを保持し、各コンロッドの大端穴に加圧用ホースを連続的に挿通させて、加圧用ホースに加圧用液体を供給する。これにより、複数のコンロッドに対して、軸部からのキャップ部の破断分離が一度に行われる。
【0016】
本発明の請求項6に係わるコンロッドのクラッキング装置では、ゴム層とその外側の合成繊維層を備えた加圧用ホースとしたので、大端部の大端穴に挿通可能な直径から大端穴よりも大きい直径に至る範囲で半径方向に拡張収縮可能な加圧用ホースとなり、且つ軸部からキャップ部を破断分離させる液体の圧力(例えば約1500気圧)に耐えるものとなる。
【0018】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わるコンロッドのクラッキング方法によれば、軸部の大端部にキャップ部を一体成形したコンロッドにおいて、軸部からキャップ部を破断分離するに際し、加圧用液体が加圧供給される加圧用ホースにより大端部の大端穴の内側面全体に一定の静圧を負荷して破断分離を行うことから、大端部に歪みをほとんど発生させずに軸部からキャップ部を破断分離することができ、コンロッドの品質向上に貢献することができる。また、加圧用ホースを用いることから、1つの加圧源を用いて、複数のコンロッドに対する圧力供給系を構成することが容易であるとともに多数のコンロッドの破断分離を一度で行うことが可能であり、設備の簡略化や生産性の大幅な向上などを図ることができる。
【0019】
本発明の請求項2に係わるコンロッドのクラッキング方法によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるうえに、コンロッドの大端部の大端穴の内側面に破断促進用の溝を形成したことにより、軸部とキャップ部を所定の位置で確実に分離することができ、コンロッドの品質のさらなる向上に貢献することができる。
【0020】
本発明の請求項3に係わるコンロッドのクラッキング方法によれば、請求項1および2と同様の効果を得ることができるうえに、コンロッドの軸部およびキャップ部を保持した状態にして破断分離を行うことにより、破断した際に軸部やキャップ部が飛散するような事態を阻止することができ、安全性の確保や作業性の向上などを実現することができる。
【0021】
本発明の請求項4に係わるコンロッドのクラッキング装置によれば、軸部の大端部にキャップ部を一体成形したコンロッドに対して、加圧用液体が加圧供給される加圧用ホースにより大端部の大端穴の内側面全体に一定の静圧を負荷することとなり、大端部に歪みをほとんど発生させずに軸部からキャップ部を破断分離することができ、コンロッドの品質向上に貢献することができる。また、加圧用ホースを用いることから、1つの加圧源を用いて、多数のコンロッドの破断分離を一度で行うことが可能であると共に、コンロッドの軸部およびキャップ部を保持する一方および他方の治具により、破断した際に軸部やキャップ部が飛散するような事態を阻止することができ、安全性の確保や作業性の向上などを実現することができる。
【0022】
本発明の請求項5に係わるコンロッドのクラッキング装置によれば、請求項4と同様の効果を得ることができるうえに、とくに、所定間隔で配置した複数の一方の治具と、これらの治具に対応する他方の治具と、複数のコンロッドの各大端穴に連続的に挿通する加圧用ホースと、液体供給手段の採用により、多数のコンロッドに対して軸部からのキャップ部の破断分離を一度に行うことができ、これにより、設備の簡略化や生産性の大幅な向上、低コスト化などを実現することができる。
【0023】
本発明の請求項6に係わるコンロッドのクラッキング装置によれば、請求項4および5と同様の効果を得ることができるうえに、ゴム層とその外側の合成繊維層を備えた加圧用ホースを採用したことにより、大端部の大端穴に挿通可能な直径から大端穴よりも大きい直径に至る範囲で半径方向に拡張収縮可能であり、且つ軸部からキャップ部を破断分離させる液体の圧力に充分耐え得る加圧用ホースとなり、この加圧用ホースによって軸部とキャップ部の良好な破断分離を行うことができる。
【0024】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明に係わるコンロッドのクラッキング方法およびクラッキング装置の一実施例を説明する。
【0025】
図1(a)に示すコンロッド(コンロッド素材)Cは、軸部1の一端に、図示しないピストンへの連結部である小端部2を有すると共に、軸部1の他端に、図示しないクランクシャフトへの連結部である大端部3を有しており、大端部3にはキャップ部4が一体成形してある。また、小端部2には小端穴2aが形成してあり、大端部3には大端穴3aが形成してある。
【0026】
上記のコンロッドCは、例えば、鍛造材、鋳造材、焼結材、焼結鍛造材および粉末押出し材から選択したものが用いられており、大端穴3aの内側面には、軸部1とキャップ部4との境界となる2か所に、破断促進用の溝5,5が形成してある。この溝5は、コンロッドCの成形段階あるいは成形後に形成することができ、機械加工やレーザ加工などで形成される。
【0027】
そして、コンロッドCは、脆化域までの冷却、ショットピーニングあるいは適宜の熱処理が施されたのち、本発明のクラッキング方法により、図1(b)に示すように、軸部1の軸線方向に大端穴3aが2分される状態に破断され、軸部1とキャップ部4に分離される。その後、コンロッドCは、必要に応じて熱処理等が施され、クランクシャフトへの装着時において、軸部1にボルトでキャップ部4を固定する。
【0028】
上記のコンロッドCのクラッキング方法においては、図2および図3にも示すクラッキング装置が適用される。図示のクラッキング装置は、コンロッドCのキャップ部4側を保持する一方の治具6と、コンロッドCの軸部1側を保持する他方の治具7と、加圧用ホース8と、加圧用ホース8に加圧用液体を加圧供給する液体供給手段9を備えている。
【0029】
一方の治具6は、帯状の基板10の上面に、所定の間隔で複数個が配置してあり、キャップ部4を保持する上向き凹部6aと、半円形に切り欠いたホース挿通部6b,6bを有している。他方の治具7は、一方の治具6毎に設けてあり、一方の治具6の上向き凹部6aとともに大端部3を収容する下向き凹部7aと、半円形に切り欠いたホース挿通部(図3に片側のみ図示)7bと、軸部1を途中から上方に突出させる開口部7cを有している。他方の治具7は、図示しないボルト類によって一方の治具6に固定されると共に、取外しも自在であり、固定した状態においては、コンロッドCの破断分離に対処し得るように、下向き凹部7aの内面とコンロッドCとの間に上下の隙間Sを形成するようになっている。
【0030】
加圧用ホース8は、ゴム層8aとその外側の合成繊維層8bを備えたものであって、合成繊維層8bには例えばポリアミドイミド(デュポン社製のケブラー)を用いており、図3(b)に示すように、大端部3の大端穴3aに挿通可能な直径D1から大端穴3aよりも大きい直径D2に至る範囲で半径方向に拡張収縮可能であると共に、軸部1からキャップ部4を破断分離させる液体の圧力(例えば約1500気圧)に耐え得るものとなっている。また、加圧用ホース8は、膨脹率が過大になると軸部1とキャップ部4を破断した際に分離部分を変形させてしまう恐れがあるので、膨脹率は約20%以下としている。
【0031】
液体供給手段9は、加圧用液体を蓄えたタンクや加圧用のポンプなどを備えると共に、加圧用ホース8の各端部に接続する配管11,12を備えており、加圧用ホース8に対して加圧用液体の加圧供給および回収を行う。なお、加圧用液体としては、水あるいは油が用いられる。
【0032】
次に、上記クラッキング装置の動作とともに本発明に係わるコンロッドのクラッキング方法を説明する。
【0033】
軸部1にキャップ部4が一体成形され且つ大端穴3aに溝5を形成したコンロッドCは、下向きにしたキャップ部4を一方の治具6に装着したのち、一方の治具6に他方の治具7を固定することにより、キャップ部4および軸部1が保持された状態となる。そして、全ての治具6,7にコンロッドCを装着したのち、各コンロッドCの大端穴3aに加圧用ホース8を連続的に挿通させ、加圧用ホース8を液体供給手段9に接続する。
【0034】
その後、加圧用ホース8に加圧用液体を加圧供給すると、加圧用ホース8がその直径を増大させるように拡張し、この加圧用ホース8で大端穴3aの内側面全体を加圧する。つまり、大端穴3aの内側面全体には一定の静圧が負荷されることとなる。このように加圧が行われると、コンロッドCは、溝5,5の部分から破断が生じ、大端部3に歪みがほとんど生じることなく軸部1からキャップ部4が破断分離する。この破断分離は、各治具6,7で保持したコンロッドCにおいてほぼ一斉に行われる。
【0035】
このとき、当該クラッキング装置では、一方および他方の治具6,7でコンロッドCのキャップ部4側および軸部1側を保持しているので、破断した際に軸部1やキャップ部4が飛散するようなことは全くない。
【0036】
このように、当該クラッキング装置およびクラッキング方法では、コンロッドCの精度を維持しつつ良好に破断分離を行うと共に、多数のコンロッドCを一度に且つ安全に処理し得ることとなる。
【0037】
上記の如くコンロッドCの破断分離を行ったのちには、加圧用液体を排出して加圧用ホース8を収縮させると共に、加圧用ホース8を各治具6,7から抜き取り、一方の治具6から他方の治具7を取り外せば、分離した軸部1とキャップ部4を簡単に取り出すことができる。
【0038】
なお、上記実施例では、一方の治具6毎に他方の治具7を設けた構成を例示したが、例えば、複数の一方の治具6に対応する他方の治具として、図3中に仮想線で示すように各コンロッドCの小端部2の小端穴2aに連続的に挿通される他方の治具17を用いることができ、このような他方の治具17を用いれば、分離した複数の軸部1を一斉に取り出すことが可能となり、作業性のさらなる向上を図ることができる。また、上記実施例の複数の他方の治具7を基板類で連結した構成とすれば、治具6,7の固定作業の迅速化を図ることも可能である。
【0039】
(実施例A)
図1(a)に示すようなコンロッドCをS45Cで成形したのち、機械加工により破断促進用の溝5,5を形成した。そして、天然ゴムから成るゴム層8aとポリアミドイミド製の合成繊維布から成る合成繊維層8bを有する加圧用ホース8、および治具6,7を用い、加圧用ホース8に1000気圧の水圧をかけてコンロッドCのクラッキングを行った。一回に10本のコンロッドCをクラッキングすることができた。
【0040】
(実施例B)
図1(a)に示すようなコンロッドCをFCD40で成形したのち、COレーザ加工機により破断促進用の溝5,5を形成した。実施例1と同様の加圧用ホース8の外側にSCr40の相手金を設け、加圧用ホース8に1200気圧の水圧をかけてコンロッドCのクラッキングを行った。一回に5本のコンロッドCをクラッキングすることができた。
【0041】
(実施例C)
図1(a)に示すようなコンロッドCをAl−4重量%,Fe−2重量%,Ni−15重量%,Cr−5重量%,Siの急冷凝固粉の燃結鍛造品で成形すると共に、粉末段階で破断促進用の溝5,5を形成した。実施例1と同様の加圧用ホース8を用い、加圧用ホース8に700気圧の水圧をかけてコンロッドCのクラッキングを行った。一回に20本のコンロッドCをクラッキングすることができた。
【0042】
(比較例A)
図4(a)に示すように、実施例Aと同じ素材で溝5を有するコンロッドCを成形し、大端穴3a内に配置され且つ互いに離間動作をする2つのダイ20,21を備えたクラッキング装置を用い、約10tonの圧力をかけてコンロッドCのクラッキングを行った。一回に2本のコンロッドCをクラッキングした。
【0043】
(比較例B)
図4(b)に示すように、実施例Bと同じ素材で溝5を有するコンロッドCを成形し、大端穴3a内に圧入されるマンドレル22を備えたクラッキング装置を用い、約9tonの圧力をかけてコンロッドCのクラッキングを行った。一回に1本のコンロッドCをクラッキングした。
【0044】
(比較例C)
図4(c)に示すように、実施例Cと同じ素材で溝5を有するコンロッドCを成形し、大端穴3a内に配置され且つ互いに離間動作をする2対の加圧ピン23a,23b,24a,24bを備えたクラッキング装置を用い、約6tonの圧力をかけてコンロッドCのクラッキングを行った。一回に1本のコンロッドCをクラッキングした。
【0045】
上記の実施例A〜Cおよび比較例A〜Cでクラッキングを行った各コンロッドCについて、大端穴3aの真円度の測定を行った。なお、各大端穴3aは、コンロッドCの成形段階で真円である。以上の結果を次の表に示す。
【0046】
Figure 0003781235
【0047】
表からも明らかなように、本発明に係わるコンロッドのクラッキング方法およびクラッキング装置(実施例A〜C)によれば、従来のクラッキング装置を用いた比較例A〜Cに比べて、クラッキング後の大端部3の歪みが大幅に小さくなっていることが判明し、しかも、一回に多くのコンロッドCを処理し得ることが明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるコンロッドのクラッキング方法およびクラッキング装置の一実施例を説明する図であって、クラッキング前の断面図(a)およびクラッキング後の断面図(b)である。
【図2】クラッキング装置の全体を示す説明図である。
【図3】クラッキング装置を説明する斜視図(a)および加圧用ホースの断面図(b)である。
【図4】比較例Aのコンロッドとクラッキング装置を説明する正面図(a)、比較例Bのコンロッドとクラッキング装置を説明する正面図(b)、比較例Cのコンロッドとクラッキング装置を説明する正面図(c)である。
【符号の説明】
C コンロッド
1 軸部
3 大端部
3a 大端穴
4 キャップ部
5 溝
6 一方の治具
7 17 他方の治具
8 加圧用ホース
8a ゴム層
8b 合成繊維層
9 液体供給手段

Claims (6)

  1. 軸部の大端部にキャップ部を一体成形したコンロッドに対し、半径方向に拡張収縮可能な加圧用ホースを用い、大端部の大端穴に挿通した加圧用ホースに加圧用液体を加圧充填し、加圧用ホースの直径を拡張させて大端部の大端穴の内側面全体を加圧することにより軸部からキャップ部を破断分離することを特徴とするコンロッドのクラッキング方法。
  2. コンロッドの大端部の大端穴の内側面に、軸部からキャップ部を破断分離する際の破断促進用の溝が形成してあることを特徴とする請求項1に記載のコンロッドのクラッキング方法。
  3. コンロッドの軸部およびキャップ部を保持した状態にして軸部からキャップ部を破断分離することを特徴とする請求項1または2に記載のコンロッドのクラッキング方法。
  4. 軸部の大端部にキャップ部を一体成形したコンロッドに対し、キャップ部側を保持する一方の治具と、軸部側を保持する他方の治具と、大端部の大端穴に挿通可能な直径から大端穴よりも大きい直径に至る範囲で半径方向に拡張収縮可能な加圧用ホースと、加圧用ホースに加圧用液体を加圧供給する液体供給手段を備えたことを特徴とするコンロッドのクラッキング装置。
  5. 一方の治具を所定間隔で複数配置すると共に、これらの治具に対応する他方の治具を備え、複数のコンロッドの各大端穴に連続的に挿通される加圧用ホースを備えたことを特徴とする請求項4に記載のコンロッドのクラッキング装置。
  6. 加圧用ホースが、ゴム層とその外側の合成繊維層を備えていることを特徴とする請求項4または5に記載のコンロッドのクラッキング装置。
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