JP4904647B2 - 非接触式ic記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触式IC記録媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、情報記録媒体である磁気記録媒体に代わる記録媒体として、記録媒体中にマイクロプロセッサやRAM、ROM等の半導体メモリを含むICモジュールを搭載してなる所謂IC記録媒体が、情報記録容量が非常に大きいこと及び高セキュリティ性を有することから種々開発されてきている。
【0003】
このようなIC記録媒体は、端末とのアクセス方法によって、接触式IC記録媒体と非接触式IC記録媒体の2種類に分類される。接触式IC記録媒体は端末と通信する際、記録媒体の接点を端末の接点と合わせ、接触させる必要があるので、通信作業が面倒であり、通信速度が遅い。更に記録媒体の接点が記録媒体の表面に露出しているので、接点が汚され、壊され易い欠点がある。
一方、非接触式IC記録媒体は電磁結合、電磁誘導またはマイクロ波を用いて端末と情報通信するので、接点を持たない。よって、通信作業が容易であり、接点が壊されて通信が出来なくなるような心配がない。そのため、非接触式IC記録媒体の開発が最近盛んに行われている。
【0004】
この種の非接触式IC記録媒体を製造する方法としては、従来から熱ラミネート方式または樹脂射出成形方式、樹脂充填方式等が使用されている。熱ラミネート方式は例えば、薄い樹脂板の一部を搭載しようとするICモジュールの形状に予め削り出し、そこにICモジュールを埋め込んでから、その上下面をカード基材とオーバーシートとで貼り合わせ、熱ラミネートして成形する方法である。このような方法では、従来の熱ラミネートによる一般的なプラスチックカードの製造技術の応用ができ、出来上がる記録媒体も従来のカードと近い物性等を持つため、更なる改良・開発が続けられている。
【0005】
しかし、上記したような方法は、製造工程が複雑であり、特に樹脂板にICモジュール埋設用の凹部を削り出すのに時間がかかり、製造コストが高くなる問題がある。また、形状の異なるICモジュールヘ対応するには、それぞれの形状に合致する凹部を削らなければならず、非常に手間等がかかり、種々のICモジュールへのフレキシブルな対応に欠けているところがある。更に熱ラミネートの際、記録媒体表面を平坦化にするため、150℃以上の熱及び圧力を加えなければならないが、IC等の電子部品によってはこの熱及び圧力により壊される場合もある。
【0006】
一方、樹脂射出成形方式により非接触式IC記録媒体を製造する方法としては、例えば受送信アンテナコイル付きのICモジュールを固定する土台を射出成形により成形し、受送信アンテナコイル付きのICモジュールをこの土台に設置・固定した後、再び射出成形をして記録媒体形状にする提案が従来よりなされているが、記録媒体形状にするのに2回の射出工程を必要とするため生産効率上あまり好ましいとは言えない。また、射出成形時の熱及び高圧により、モジュールが壊れてしまったり、できた記録媒体が反ったりすることがあるので、非接触式IC記録媒体の製造において、最適な方法とは言えない。
【0007】
他方、樹脂充填方式は例えば、基材上に受送信アンテナコイル付きのICモジュールを配置してからこのICモジュールを埋め込むように樹脂を充填し、センターコアを形成し、しかる後このセンターコア上にオーバーシートを貼り合わせて記録媒体を製造する方法である。樹脂充填方式は記録媒体形状にするための加工の際、IC等の電子部品に与える熱及び圧力などのダメージが少ないため、特殊な加工方法として開発されている。このような樹脂充填方式においては、使用する樹脂が熱可塑性樹脂であるか、熱硬化型樹脂であるか、UV硬化型樹脂であるかによって、いくつか異なる製造方法が開発されている。特に湿気硬化型反応性ホットメルトポリウレタン樹脂を用いて記録媒体を製造する方法は、加工工程が簡略で、出来上がる記録媒体の物性がよいということから、注目されている。
【0008】
しかし、湿気硬化型ホットメルトポリウレタン樹脂は硬化反応の進行につれ、下記[化1]式に示したように副反応物質として二酸化炭素が発生し、しかもセンターコアを構成するホットメルト樹脂がガス透過しない基材及びオーバーシートに挟まれているので、二酸化炭素ガスが基材またはオーバーシートとセンターコアとの界面に溜まり、記録媒体の表面に膨れが生じてしまう問題がある。
【0009】
【化1】
Figure 0004904647
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような問題点に着目してなされたもので、表面性がよく、耐熱変化特性が高く、層間接着強度が強く、かつ経時変化による表面膨れが発生せずに非常に良好な外観が保てるようにした非接触式IC記録媒体及び搭載するICモジュール等の電機部品へのダメージが小さく、また搭載する各種のICモジュールへフレキシブルに対応可能で、効率のよい非接触式IC記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような目的を達成するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、反応性ホットメルト樹脂からなるセンターコア中に少なくともICモジュールが埋設されてなる非接触式IC記録媒体の製造方法において、基材上に少なくともICモジュールを配置するか、或いは基材上に設けた末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと潜在性硬化剤とからなる反応性ホットメルト樹脂からなる層或いはシート上に少なくともICモジュールを配置した後、前記反応性ホットメルト樹脂を塗布し、塗布された層を冷却して固化させ、しかる後にその上にオーバーシートを載置し、前記反応性ホットメルト樹脂を再活性し、熱プレスして貼り合わせることを特徴とする非接触式IC積層体の製造方法である。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の非接触式IC記録媒体の製造方法において、反応性ホットメルト樹脂は、脂肪族系のイソシアネート化合物とポリオール化合物がイソシアネート化合物のNCO官能基とポリオール官能基OHとの割合(NCO/OH)が1.2〜1.5で反応してなるウレタンプレポリマーと潜在性硬化剤からなることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の非接触式IC記録媒体の製造方法において、潜在性硬化剤は1級アミンをカルボニル基でブロックしたシッフ塩基であることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の非接触式IC記録媒体の製造方法において、潜在性硬化剤は2級アミンをカルボニル基でブロックしたエナミンであることを特徴とする。
【0015】
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の非接触式IC記録媒体の製造方法において、潜在性硬化剤は芳香族のアルデヒドと脂肪族アミンとの脱水反応からなるアルジミンであることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の非接触式IC記録媒体の製造方法において、センターコアの一方の面には基材が、他方の面にはオーバーシートが積層されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明を詳細に説明する。図1と図2は本発明の実施形態に係る非接触式IC記録媒体の断面構成説明図である。
【0019】
図1に示す非接触式IC記録媒体10は、少なくともICモジュール3が埋設されてなるセンターコア12の一方の面には基材11が、他方の面にはオーバーシート13がそれぞれ積層され、一体化されている。2は受送信アンテナコイルである。
【0020】
基材11は非接触式IC記録媒体10の表面に印刷等を施すための、或いは受送信アンテナコイル2やICモジュール3等を固定するためのベースとなる部材である。
この基材11としては、強度のある紙や合成紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ(3ヒドロキシプチレート−3ヒドロキシヴァリレート)、ポリビニルアルコール等の合成樹脂類、天然樹脂類、更にセラミックス等の単体またはこれらを組み合わせてなる複合体が使用できる。そしてこのような基材11の一方の表面には、受送信アンテナコイル2とICモジュール3が後述するセンターコア12中に埋設されるように配置してある。
【0021】
基材11にはセンターコア12との接着性を向上させるため、その表面に易接着処理例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、樹脂塗布処理等を施してもよい。また基材の他方の表面は記録媒体の表面となるが、この表面の全面または一部に通常の機能性薄膜層例えば、保護層、磁気記録層、可視記録層、絵柄層等を設けてもよい。
【0022】
基材11上に配置する受送信アンテナコイル2は受信または送信用のコイルからなり、導電性インキによる印刷方法、化学腐食によるエッチング方法、電線の形状加工による巻き線方法などによって形成したものである。
また、ICモジュール3はデータ蓄積用のICメモリ、更に場合によってはデータ演算等に用いるためのCPU、エネルギー供給用の電池等からなる。ICモジュール3は非接触式IC記録媒体の外観、形状等に影響を及ぼさないようにするため、できるだけ薄型のものを用いる方が好ましい。受送信アンテナコイル2とICモジュール3の接続方法としてはワイヤボンディング方法、異方性導電フィルムまたは異方性導電インキにより接続する方法等を使用することができる。また、取り扱い易さ、低コストの観点から、これらの受送信アンテナコイル2とICモジュール3を一体化したプリント基板型のアンテナ一体型ICモジュール基板1を用いてもよい。(図2参照)
【0023】
一方、本発明においては、ICモジュール3等を埋め込むセンターコア12は、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと潜在性硬化剤からなる反応性ホットメルト樹脂で形成する。
【0024】
一般的に、反応性ホットメルト樹脂は、比較的低い温度(150℃以下)に加熱されると、樹脂が溶融状態となって塗布加工でき、更に流動性及び表面レベリング性を有するものである。この反応性ホットメルト樹脂を使用しICモジュール等が配置された基材上にICモジュール等の厚さ以上で塗布すると、ICモジュール等が反応性ホットメルト樹脂中に埋設された状態で平滑な樹脂表面を有する樹脂層(センターコア)が得られる。このこの反応性ホットメルト樹脂からなる樹脂層の上にオーバーシートを貼り合わせてラミネートすると、平滑な表面を有する記録媒体が得られる。
【0025】
一般的に、ホットメルト樹脂としては、エチレンビニル酸共重合体(EVA)、ポリオレフイン、ポリエステル、熱可塑性ゴム(TPR),アクリルアミド(PA)、変性ゴム、ポリウレタン等があるが、これらを用い、基材上にセンターコアを形成すべく塗布する場合、それらの樹脂の軟化温度より高い温度まで加熱し、溶融しなければならない。即ち、塗布の作業温度は樹脂の軟化温度より高くする必要がある。
【0026】
従って、プラスチック等の耐熱性が低い基材を使用する場合、作業温度があまり高くなると、基材が熱に耐えられず、変形してしまうことがある。よって、塗布加工にとっては軟化温度の低い樹脂が好ましい。しかし、軟化温度の低いホットメルト樹脂は耐熱性が弱く、加工された記録媒体が容易に熱変形を生じるといった問題点がある。
【0027】
一方、反応性ホットメルト樹脂、例えば湿気硬化型反応性ホットメルトポリウレタン樹脂は基材等の上に一旦塗布加工されると空気中の水分等と反応し、架橋して硬化する。硬化した樹脂は非常に耐熱性がよくなり、しかも基材との接着性強度が反応の進行につれて更に強くなり、叙述のような耐熱性の問題や熱変形性の問題はなくなる。
【0028】
しかし、前で述べたように、[化1]式に示したような湿気硬化型のホットメルトポリウレタン樹脂は、そのイソシアネート基が直接に水と反応してポリアミンを生成する際、副生成物としての二酸化炭素ガスが発生する。従って、この反応性ホットメルト樹脂からなる層をセンターコアとし、この両面を基材とオーバーシートで挟み、ラミネートして一体化すると、反応性ホットメルト樹脂から発生した二酸化炭素が逃げ出すことができなくなり、基材またはオーバーシートとホットメルト樹脂の間に溜まり、一体化されてなる記録媒体の表面に膨れが生じ、外観が損なわれてしまう。
【0029】
そこで、本発明ではICモジュール3等を埋設するセンターコア12を構成する反応性ホットメルト樹脂を、末端にイソシアネート基を有するポリウレタンポリマーと潜在性硬化剤からなるものとすることにより、叙上のような問題点を解消する。
そして、特に上記反応性ホットメルト樹脂(以下、本反応性ホットメルト樹脂という)を、脂肪族系のイソシアネート化合物とポリオール化合物が反応してなり、かつイソシアネート化合物のNCO官能基とポリオール官能基OHとの割合(NCO/OH)が1.2〜1.5であるウレタンプレポリマーと潜在性硬化剤からなるものとすることにより、記録媒体表面の膨れをより抑制することを可能とする。NCO官能基とポリオール官能基OHとの割合が1以下になると、樹脂中にNCO官能基が残らず、硬化できなくなる。また、割合が高すぎると硬化反応が激しくなり、CO2等の反応ガスが発生する可能性が高くなる。
【0030】
また、潜在性硬化剤をカルボニル基でブロックした第一級アミンの脱水縮合化合物、例えばシッフ塩基とすることにより、二酸化炭素が生じない湿気硬化型反応性ホットメルト樹脂とすることができる。さらに、またカルボニル基でブロックした第一級アミンの脱水縮合化合物はイソシアネート基と反応するのが速いため、安定に貯蔵するのが難しいが、カルボニル基でブロックした2級アミンのエナミンや、芳香族のアルデヒッドと脂肪族アミンとの脱水反応からなるアルジミンを潜在性硬化剤として用いることによって、貯蔵安定性を向上することができる。
【0031】
基材11上にセンターコア12、更にはオーバーシート13を積層するには、ICモジュール3等と基材11の間に本反応性ホットメルト樹脂を塗布するか、或いは本反応性ホットメルト樹脂からなるシートを基材11上に載置してから、その上にICモジュール3等を設置し、更に本反応性ホットメルト樹脂を塗布するか、或いは本反応性ホットメルト樹脂からなるシートを載置し、更にオーバーシートを載置し、ラミネートすれば、より平滑な表面の積層体が得られる。
また、ICモジュール等が配置された基材上に本反応性ホットメルト樹脂からなるシートを載置し、更にオーバーシートを重ね合わせた状態でラミネートしてもよい。
いずれの場合も、センターコア12となる本反応性ホットメルト樹脂シートの厚さとしては、これと基材11とオーバーシート13の厚さを合わせると、記録媒体として必要な厚さになるように設定する。
【0032】
基材11上に、図1に示すように受送信用アンテナコイル2やICモジュール3をセンターコア12中に埋設する際、または図2に示すようにアンテナ付き一体型ICモジュール基板1をセンターコア12中に埋設する際には、アンテナコイル2とICモジュール3またはアンテナ付きICモジュール基板1等を基板11や本反応性ホットメルト樹脂層、或いは本反応性ホットメルト樹脂からなるシート上に融着或いは接着等の手段により一旦仮に載置してから、本反応性ホットメルト樹脂を塗布したり本反応性ホットメルト樹脂からなるシートの載置を行う。
また、基材に予め導電性インキで受送信アンテナコイルをスクリーン印刷等により設けておいてもよい。
【0033】
更に、ICモジュール3や受送信アンテナコイル2を配置した基材11上に本反応性ホットメルト樹脂を塗布する場合、ICモジュール3や受送信アンテナコイル2を本反応性ホットメルト樹脂で埋め込むように塗布してから、樹脂のオープンタイム以内にオーバーシート13を貼り合わせてラミネートして記録媒体形状にしてもよいし、ICモジュール3や受送信アンテナコイル2をホットメルト樹脂中に埋め込んでから、その上にオーバーシート13を載置した後、ホットメルト樹脂を再活性し、ラミネートして記録媒体形状にしてもよい。
また、基材11上に設置されたICモジュール3や受送信アンテナコイル2等の上に本反応性ホットメルト樹脂からなるシートを用いて埋め込む場合、ICモジュール3や受送信アンテナコイル2等の上にそのシートを載置し、更にオーバーシート13を載置した後、本反応性ホットメルト樹脂からなるシートを再活性し、ラミネートして記録媒体形状にしてもよい。更に本反応性ホットメルト樹脂と本反応性ホットメルト樹脂からなるシートを併せて用いる場合も、これらをICモジュールや受送信アンテナコイル等を設置した基材上の所定位置に塗布、或いは載置し再活性してから、オーバーシートと共にラミネート記録媒体形状にしてもよい。
【0034】
センターコア12の上に載置するオーバーシート13としては基材11と同じ材質のものでも、異なる材質のものでもよい。例えば、強度のある紙や合成紙、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ(3ヒドロキシプチレート−3ヒドロキシヴァリレート)、ポリビニルアルコール等の合成樹脂類、天然樹脂類、セラミックス等を単独または組み合わせた複合体として用いることができる。しかし、基材11とオーバーシート13が延伸処理された結晶性樹脂ポリマーである場合、記録媒体の反りなどの変形を防ぐため、基材11とオーバーシート13としては同じ材質のものを用い、かつ基材11とオーバーシート13の延伸配向を揃えた方が好ましい。
【0035】
オーバーシート13の表面も基材11と同様に、センターコア12との接着性を向上させるため、センターコア12と貼り合わせる表面側に、易接着処理を施した方が好ましい。更に、そのもう一方側に要求特性に応じて、基材表面の全面または一部に通常の機能性薄膜層例えば、保護層、磁気記録層、可視記録層、絵柄層等を設けてもよい。
【0036】
また、本反応性ホットメルト樹脂を塗布する場合、塗布された層を冷却して固化させると、作業の簡略化を図ることができる。その固化するタイミングは樹脂選定の重要なファクターの一つである。樹脂の溶融粘度が低ければ流動性が良くなり、容易に塗布できる。しかし、塗布して冷却されるまで、溶融状の樹脂の流動により塗布層の厚さ及び形状が変化し、制御が出来なくなることがある。従って樹脂の粘度(120℃時)としては、例えば50000CPS〜2000CPSのものを用いた方がよい。この粘度範囲内の樹脂であると比較的容易に塗布することができ、かつ塗布したときの樹脂層の形状及び厚さを維持することが出来る。
【0037】
また、ラミネート方法としては、前にも述べたように、反応性ホットメルト樹脂のオープンタイム以内にラミネートを行う方法か、オープンタイムにかかわらず、ホットメルト樹脂を再活性してラミネートを行う方法を用いることができる。
【0038】
基材とセンターコアとオーバーシートをラミネートし記録媒体形状にする場合、熱プレスすることによって、記録媒体の表面平滑性を更に向上することが出来る。この場合は例えば、本反応性ホットメルト樹脂に温度が50℃〜130℃まで、圧力が1〜15kg/cm2のプレス条件で操作する。あまり温度及び圧力が高すぎると、センターコア12を構成する本反応性ホットメルト樹脂が基材11とオーバーシート13の間から流出してしまい、記録媒体の厚さが変わってしまうことになる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて更に説明する。
(実施例1)
基材11として、寸法30×20cm、厚さ約0.1mmの二軸延伸PETシートを用い、この一方の表面にプラズマ易接着処理を施して、導電性インキにより受送信用アンテナコイル2を形成し、更に導電性接着剤を介して最大厚さが0.5mmのデータ蓄積メモリからなICモジュール3をアンテナコイル2と接続させて設置した。そして末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと2級アミンをカルボニル基でブロックしたエナミンからなる潜在性硬化剤からなり、130℃に加熱された反応性ホットメルト樹脂混合物(軟化温度65℃、オープンタイム5min)をTダイコータにて膜厚が0.58mmとなるようにしてアンテナコイル2とICモジュール3を設置した基材11上に塗布した。その後樹脂のオープンタイム以内に、基材11と同じ配向方向を持つ二軸延伸のPETシート(寸法30×20cm、厚さ約0.1mm)をオーバーシート13として、基材11と配向方向が合うように貼り合わせてラミネートした。
【0040】
以上の作業により、厚さが0.78mmで、ICモジュール3と受送信用アンテナコイル2を埋設した反応性ホットメルト樹脂からなるセンターコアシートを有するの積層体が得られた。次にこの積層体をカードサイズに断裁して図1に示すような構成の非接触式IC記録媒体10を得た。この非接触式IC記録媒体10は表面性が良く、良好な外観であった。更に通信テストしたところ、支障がなく通信が出来た。
【0041】
(実施例2)
基材11として白色非晶性ポリエステルPETG(ダウンケミカル社製)とポリカボネート(PC)のアロイ樹脂シート(寸法30×20cm、厚さ約0 .2mm)を用い、この一方の表面にコロナ放電により易接着処理を施した。次に上記の基材11上に、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとアルジミンかならなる反応性ホットメルト樹脂(軟化温度55℃、オープンタイム8min)を120℃に加熱し、厚さ0.1mmとなるように全面塗布した。その上に銅箔エッチングアンテナコイルとデータ蓄積メモリ及びCPUからなるICモジュール基板1(基板はポリイミドで、最大厚さが0.3mm)を設置し、更に末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとアルジミンからなるを120℃まで加熱し、Tダイコータにて膜厚が0.30mmとなるように塗布した。その後、基材11と同組成のPETGとPCのアロイシート(寸法30×20cm、厚さ約0.2mm)をオーバーシートとして積層し、貼り合わせて一体化した。続いてこのシート積層体を100℃/5kgの圧力で再活性して熱プレスラミネートを行った。以上の作業により得られた、ICモジュール基板1を埋設したセンターコア12を有し、厚さが0.8mmのシート積層体を3×7cmのサイズのタグ形状に断裁して図2に示すような構成の実施例2に係る非接触式IC記録媒体(タグ)を得た。
【0042】
以上で得られた非接触式IC記録媒体は表面性が良く、耐熱変化特性が高く、かつ経時による表面膨れが発生せず、非常に良好な外観が保たれていた。更に通信テストしたところ、支障がなく通信が出来た。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、基材上とオーバーシートの間に、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと潜在性硬化剤からなる反応性ホットメルト樹脂を用いて充填し、ラミネートすることにより、効率よく低コストでかつ耐熱変化特性が高く、層間接着強度が強い非接触式IC記録媒体を容易に製造することが出来る。
また、種々の潜在性硬化剤を使用することにより、表面膨れが発生せず、表面の平坦性がよく、外観が優れる非接触IC記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る非接触式IC記録媒体の断面構成説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態係る非接触式IC記録媒体の断面構成説明図である。
【符号の説明】
10、20…非接触式ICカード
1…ICモジュール基板
2…受送信アンテナコイル
3…ICモジュール
11…基材
12…センターコア
13…オーバーシート

Claims (6)

  1. 反応性ホットメルト樹脂からなるセンターコア中に少なくともICモジュールが埋設されてなる非接触式IC記録媒体の製造方法において、基材上に少なくともICモジュールを配置するか、或いは基材上に設けた末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと潜在性硬化剤とからなる反応性ホットメルト樹脂からなる層或いはシート上に少なくともICモジュールを配置した後、前記反応性ホットメルト樹脂を塗布し、塗布された層を冷却して固化させ、しかる後にその上にオーバーシートを載置し、前記反応性ホットメルト樹脂を再活性し、熱プレスして貼り合わせることを特徴とする非接触式IC積層体の製造方法。
  2. 反応性ホットメルト樹脂は、脂肪族系のイソシアネート化合物とポリオール化合物がイソシアネート化合物のNCO官能基とポリオール官能基OHとの割合(NCO/OH)が1.2〜1.5で反応してなるウレタンプレポリマーと潜在性硬化剤からなることを特徴とする請求項1に記載の非接触式IC記録媒体の製造方法。
  3. 潜在性硬化剤は1級アミンをカルボニル基でブロックしたシッフ塩基であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非接触IC式記録媒体の製造方法。
  4. 潜在性硬化剤は2級アミンをカルボニル基でブロックしたエナミンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非接触式IC記録媒体の製造方法。
  5. 潜在性硬化剤は芳香族のアルデヒドと脂肪族アミンとの脱水反応からなるアルジミンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非接触式IC記録媒体の製造方法。
  6. センターコアの一方の面には基材が、他方の面にはオーバーシートが積層されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の非接触式IC記録媒体の製造方法。
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