以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
まず本発明の実施形態の説明に先立ち、図1〜図9を参照しながら本発明の適用対象である画像形成装置について説明する。
この画像形成装置は、システム制御ユニット1、画像読取ユニット(スキャナ)2、画像処理ユニット3、画像書き込みユニット4、操作部ユニット5、複写機機構部6、画像表示ユニット7、ドラムユニット8、中間転写部9、現像部10、給紙部11、及び定着部12を備えている。ここで、操作部ユニット5と、画像表示ユニット7とを個別に設ける代わりに、切替えて使用することのできる1つのユニットとして構成してもよい。
画像読取ユニット2により、原稿を光源により照射しながら原稿を走査して、原稿からの反射光を読み取り、画像データを画像処理ユニット3に送る。画像処理ユニット3では、スキャナγ補正、色変換、主走査変倍、画像分離、加工、エリア処理、階調補正処理などの画像処理を行なった画像データを画像書き込みユニット4へ送る。
画像書き込みユニット4では、画像データに応じてLD(レーザダイオード)の駆動を変調する。ドラムユニット8では一様に帯電された回転する感光体ドラムに前記LDからのレーザビームにより潜像を書き込み、現像部10によりトナーを付着させて顕像化させる。
感光体ドラム上に作られた画像は、中間転写部9の中間転写ユニットの転写ベルト上に再転写される。中間転写ベルト上にはフルカラーコピーの場合4色(Bk、C、M、Y)のトナーが順次重ねられる。フルカラーコピーの場合にはBk、C、M、Yの4色作像・転写工程が終了した時点で中間転写ベルトとタイミングを合わせて、給紙部11より転写紙が給紙され、紙転写部で中間転写ベルトから4色同時に転写紙にトナーが転写される。トナーが転写された転写紙は搬送部を経て定着部12に送られ、定着ローラと加圧ローラによって熱定着され排紙される。
また、コピーモード等のユーザが設定するものは、操作部ユニット5によって入力される。設定されたコピーモード等の操作モードはシステム制御ユニット1へ送られ、システム制御ユニット1では設定されたコピーモードを実行するための制御処理を行う。この時、システム制御ユニット1から、画像読取ユニット2、画像処理ユニット3、画像書き込みユニット4、画像表示ユニット7等のユニットに対し制御指示を行う。
画像表示ユニット7に画像読取ユニット2から読み取った画像を表示するには、システム制御ユニット1からの制御指示により、画像読取ユニット2が原稿画像の読み取りをスタートし、画像読取ユニット2からの画像信号に対して、画像処理ユニット3において画像表示装置で表示するのに適した画像処理を行った後、画像表示ユニット7に原稿の画像データを出力する。
図2は画像表示ユニット7の回路構成を示すブロック図である。画像処理ユニット7は、FIFO(ラインバッファ)71、DRAM(画像データ格納用メモリ)72、CPU73、VRAM(ビデオメモリ)74、LCDコントローラ75、LCD(液晶パネル)76、ROM77、SRAM78、シリアル通信ドライバ79、画像データバッファ(ドライバ/レシーバ)80、及びキーボード81からなる。
画像処理ユニット3から出力された画像データは、画像表示ユニット7の画像データバッファ80を介してFIFO71に入力され、CPU73内蔵のDMAコントローラによって、画像データ格納用のDRAM72に格納される。CPU73には、システム制御ユニット1から画像データ制御信号がコマンドライン経由でシリアル通信ドライバ79に入力され、有効画像データ(有効画像領域の画像データ)のみをDRAM72に格納するように制御する。DRAM72に格納された有効画像データは、CPU73によってVRAM74にDMA転送される。このとき、CPU73によってDRAM72内の画像データの任意の部分の転送、拡大・縮小・間引き、回転(縦横変換・正逆変換)などの処理を行うことも可能である。また、複数の画像を縮小し、プレビュー表示することも可能である。VRAM74に転送された画像データは、LCDコントローラ75の制御によりLCD76に表示される。
図3は画像表示ユニット7の外観、つまり図2のLCD76及びキーボード81の外観の平面図である。この図に示すように、画像表示ユニット7は平面視が略矩形であり、その中央部にディスプレイ309が配置され、その下側に各種キーが配置されている。ディスプレイ309には、原稿の画像、原稿の目安寸法を示すスケール310、及びカーソル311が表示される。各種キーとしては、原稿読取を開始するためのスタートキー301、表示倍率を指定するための画面倍率指定キー302、ディスプレイ309上のカーソル311を移動させるカーソルキー303、カーソル311が示している点を指定する点指定キー304、エリア指定時に始点と終点を結ぶための閉じるキー306、最後に入力した点を取り消すためのクリアキー307、指定したすべての点を取り消すためのオールクリアキー308がある。
また、矩形の枠の下面にはディスプレイ309の明るさを調整するための明るさ調整つまみ312、及びディスプレイ309のコントラストを調整するためのコントラスト調整つまみ313が設けられている。画像表示ユニット7は、表示されている原稿画像のエリアや原稿色等の指定などのディスプレイエディター機能を有する。
図4は操作部ユニット5の外観を示す平面図である。操作部ユニット5は、テンキー41、モードクリア/予熱キー42、割り込みキー43、画質調整キー44、プログラムキー45、プリントスタートキー46、クリア/ストップキー47、エリア加工キー48、輝度調整つまみ49、LCD(液晶パネル)上に配置されたタッチパネル50、及び両面原稿モード選択キー51を有する。
テンキー41はコピー枚数などの数値入力を行う場合に使用する。モードクリア/予熱キー42は設定したモードを取り消して初期設定に戻す場合や、一定時間以上の連続押下で予熱状態とする設定を行う場合に使用する。割り込みキー43はコピー中の割り込みや、別の原稿のコピーを行う場合に使用する。画質調整キー44は画質の調整を行うときに使用する。プログラムキー45はよく使用するモードの登録や呼出を行う場合に使用する。プリントスタートキー46はコピー開始を指示するためのキーである。クリア/ストップキー47は入力した数値をクリアする場合や、コピー途中でコピーを中断する場合に使用する。エリア加工キー48は画像表示ユニット7(ディスプレイエディター)上で、エリア加工・編集等のモードを使用する場合に使用する。輝度調整つまみ49はLCDの画面の明るさを調整する。また、タッチパネル50はLCD上に表示された各種のキーの範囲と同じ範囲にキーエリアを設定して、タッチパネルが前記設定された範囲内の押下を検出すると、その設定されたキーの処理を行う。両面原稿モード選択キー51はユーザが両面原稿の表示方向及び白紙状態の確認・変更設定を選択する場合に使用する。
図5は操作部ユニット5のLCD上に形成されるタッチパネルキーの一例を示す平面図である。この図に示すように、LCD上には、カラーモード、自動濃度、マニュアル濃度、画質モード、自動用紙選択、用紙トレイ、用紙自動変倍、等倍、ソート、スタック等のモード選択表示があり、さらにクリエイト、カラー加工、両面、変倍等のサブ画面選択表示もある。各表示の大きさと同様の大きさのキーがタッチパネル50上に設定されている。
図6に図5の変倍キー押下による画面展開の一例を示す。変倍キーが押下されると、画面下方から変倍設定画面がスクロールアップされる。変倍設定画面には定型変倍(予め変倍率が設定されている変倍モード)用のキーが設定されている。例えば71%の部分のタッチパネルキーを押下すると、変倍率71%が選択される。またこの画面には定型変倍以外の変倍モードを選択するため、ズームキー、寸法変倍キー、独立変倍/拡大連写キーが画面左側に設定されている。
図7はタッチパネル検出回路を示す図である。コントローラ501は、検出/測定端子とX/Y端子に供給する2値信号の値及びタッチパネル50の各端子X1,X2、Y1,Y2を図8示すように設定して、タッチパネル50の押下位置を検出する。端子Y2は抵抗Rを介して+5Vの電源にプルアップされている。
検出/測定端子及びX/Y端子が0のときは、オア回路502の出力がL(低電位)、インバータ512の出力がH(高電位)になり、アナログスイッチ503がオン、アナログスイッチ504がオフとなってゲート505及び506がZ(ハイインピーダンス状態)になり、端子X2がZになるとともに端子X1がA/Dコンバータ507の入力側Vinに接続される。さらに、インバータ508及び509の出力がHになってゲート510及び511がオンし、端子Y2がLになって端子Y1がHになる。
また、検出/測定端子が0でX/Y端子が1のときには、オア回路502の出力及びインバータ509の出力がHになってアナログスイッチ504がオン、アナログスイッチ503がオフとなり、ゲート505及び506がオンして端子X2がLになる。そして、インバータ508の出力がLになってゲート510及び511がZとなり、端子Y2がZになる。さらに、端子X1がHになって端子Y1がA/Dコンバータ507の入力側Vinに接続される。
検出/測定端子が1になったときにはオア回路502の出力がHになってアナログスイッチ504がオン、アナログスイッチ503がオフとなり、ゲート505及び506がオンして端子X2がLになる。そして、インバータ508の出力がLになってゲート510及び511がZとなり、端子Y2がZになる。さらに、インバータ509の出力がLになって端子X1がLになり、端子Y1がA/Dコンバータ507の入力側Vinに接続される。このとき、端子Y2は抵抗Rでプルアップされているため、タッチパネルキー50がオフであれば、A/Dコンバータ507の入力側VinがHとなり、タッチパネルキー50がオンすれば、A/Dコンバータ507の入力側Vinが0Vになる。
従って、コントローラ501は、A/Dコンバータ507の出力からタッチパネルキー50のオン/オフ状態を確認する。コントローラ501は、タッチパネルキー50のオン状態を検知すると、検出/測定端子を0として測定モードを切り替え、X/Y端子を1としてX方向位置を入力する。このとき、端子X1が+5Vで端子X2が0Vになり、タッチパネルキー50の押下位置の電位が端子Y1を通してA/Dコンバータ507によりデジタル値に変換されてコントローラ501に入力される。また、コントローラ501は、X/Y端子を0としてY方向位置を入力する。このとき、端子Y1が+5Vで端子Y2が0Vになり、タッチパネルキー50の押下位置の電位が端子X1を通してA/Dコンバータ507によりデジタル値に変換されてコントローラ501に入力される。このようにしてタッチパネルキー50の押下位置が検出される。
図9は操作部ユニッ5の回路構成を示すブロック図である。CPU104からのアドレス信号はアドレスラッチ105に取り込まれ、ここでCPU104からの信号により制御される。アドレスラッチ105からのアドレス信号は、その一部がアドレスデコーダ106でデコードされて、LCDコントローラ101、ROM107、LEDドライバ108などの各ICへのチップセレクト信号となり、メモリマップの作成に使用される。また、アドレスラッチ105からのアドレス信号は、ROM107等のメモリやLCDコントローラ101に入力されてアドレス指定に使用される。
また、CPU104はデータバスを介してメモリやLCDコントローラ101に接続されており、これらとデータの双方向通信を行う。LCDコントローラ101には、タッチパネル50、LCDモジュールからなるLCD102、LCDドライバ108、キーボード109、データ表示用のROM110及びRAM111等が接続されている。LCDコントローラ101は、キーボード109からの信号やタッチパネル50からの信号に基づいて、ROM110及びRAM111のデータから表示データを作成してLCD102上の表示を制御する。
さらに、CPU104は、光トランシーバ112を介して光ファイバー用コネクタが接続されており、外部と双方向通信を行う。CPU104は、外部から光トランシーバ112を介してコマンドを受け取ると、LCD102上の表示内容を決定して、予めROM107に記憶されている画面データであるCGROM用コードをRAM111上に展開し、LCDコントローラ101がそのCGROM用コードをROM110により多数のビットパターンに変換してLCD102上に表示させる。また、CPU104はシステムリセット部113を介してアドレスデコーダ106とデータの送受を行う。
図10は本発明の実施形態の画像読取装置の概略構成を示す断面図である。この画像読取装置の上部にはシートスルー方式のADF21が設けられ、下部には縮小光学読取装置22が設けられている。
ADF21は、原稿を載置するための原稿トレイ211と、原稿の画像を読み取り、アナログの電気信号に変換するCIS(Contact Image Sensor:密着型イメージセンサ)213と、読取後の原稿が排出される排紙トレイ212とを備えている。また、ピックアップローラ214、搬送ドラム215、及び排紙ローラ216などからなる原稿搬送機構を備え、原稿トレイ211に載置された原稿をCIS213に対向する位置を経て排紙トレイ212へ搬送するように構成されている。
縮小光学読取装置22は、キセノンランプ221とミラーを有する第1キャリッジ222と、2枚のミラーを有する第2キャリッジ223と、レンズ224と、3ラインCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)センサ225と、3ラインCCDセンサ225及び3ラインCCDセンサ225からの信号を処理する信号処理部を搭載したセンサボードユニット226と、第1キャリッジ222及び第2キャリッジ223を駆動する図示しない駆動部を備えている。また、縮小光学読取装置22の上面には、第1コンタクトガラス227及び第2コンタクトガラス228が設けられている。
この画像読取装置は、原稿を静止させて原稿の片面の画像を読み取る原稿静止読取モード、ADF21により原稿を搬送させながら原稿の片面の画像を読み取る原稿走行読取モード、ADF21により原稿を搬送させながら、原稿の両面の画像を読み取る原稿両面読取モードで、原稿の画像の読取を行えるように構成されている。これらの読取モードは、図示しない設定入力部(後述する図12の操作部489に対応)より設定される。
原稿静止読取モードでは縮小光学読取装置22内の3ラインCCDセンサ225によって読取を行い、原稿走行読取モードではADF21内のCIS213或いは縮小光学読取装置22内の3ラインCCDセンサ225によって読取を行う。また、原稿両面読取モードでは、ADF21内のCIS213、及び縮小光学読取装置22内の3ラインCCDセンサ225の双方を同時に用いて読取を行う。
原稿静止読取モードでは、原稿を下向きにして第2コンタクトガラス228上に載置する。この原稿の画像を読み取るとき、第1キャリッジ222は、光源であるキセノンランプ221を点灯させ原稿下面に光を照射させながら、第2コンタクトガラス228に沿って、左から右に一定速度で移動する。第2キャリッジ223は、第1キャリッジ222の移動速度の1/2の速度で第1キャリッジ222に追従する。原稿からの反射光は第1キャリッジ222のミラーを介し、第2キャリッジの2枚のミラーを介し、レンズ224により3ラインCCDセンサ225に結像する。3ラインCCDセンサ225では結像した光信号をアナログの画像信号に変換し、センサボードユニット226の信号処理部はアナログの画像信号に後述する所定の処理を施し、外部へ出力する。
原稿走行読取モードは、縮小光学読取装置22の第1キャリッジ223が第1コンタクトガラス227の下方位置に固定された状態で、ADF21の原稿トレイ211に積載された原稿を原稿搬送機構により搬送し、第1コンタクトガラス227上を通過する際に原稿の表面を読み取るか、又はADF21のCIS213に対向する位置を通過するときに原稿の裏面を読み取る。どちらの面を読み取るかは、図示していない設定入力部より設定され、片面の画像データのみが処理される。原稿の表面を読み取る場合は、原稿静止読取モードと同様、原稿からの反射光は第1キャリッジ222のミラーを介し、第2キャリッジ223の2枚のミラーを介し、レンズ224により3ラインCCDセンサ225に結像する。原稿の裏面をCIS213で読み取る場合、CIS213内のLED光源により原稿を照明し、原稿からの反射光をCIS213内のセルフォック(登録商標)レンズアレイでセンサ素子に集光してアナログの画像信号に変換する。この画像信号はCIS213内で、別途、図19に示す通り、所定の処理を施され、外部へ出力される。
原稿両面読取モードは、ADF21の原稿トレイ211に積載された原稿を原稿搬送機構により搬送し、一回の原稿搬送で3ラインCCDセンサ225とCIS213の両方で表裏両面の画像を読み取り、両面の画像データを処理する。ここで、どちらの面を表面又は裏面とするかは、図示していない設定入力部より設定が可能である。
図11は図10の画像読取装置を含む画像複写装置の電気的構成を示すブロック図である。この複写装置は、表面画像読取部451と、裏面画像読取部452と、画像データ処理部440と、画像コントロール部441とを備えている。また、図示を省略したが、画像形成部及び用紙搬送部が接続される。
画像データ処理部440は、それぞれがバス461に接続されたデータ変換部453及び454、CPU455、CPUメモリ456、メモリ制御部457、並びに画像処理部459を備えている。また、メモリ制御部457にはメモリ458が接続され、画像処理部459には出力画像処理部471が接続され、出力画像処理部471にはLDドライバ472が接続されている。
画像コントロール部441は、CPU483と、CPU483に接続されたノースブリッジ484と、それぞれがノースブリッジ484に接続された画像コントローラ481、メモリ485及びサウスブリッジ486と、サウスブリッジ486に接続されたI/Oコントローラ487とを備えている。画像コントローラ481にはHDD(ハードディスク)482が接続され、I/Oコントローラ487には操作部489、記憶媒体490、連結インタフェース491、及びLANインタフェース492が接続されている。また、サウスブリッジ486のバスにはオプションスロット488が接続されている。
表面画像読取部451で読み取られた原稿表面の画像データと、裏面画像読取部452で読み取られた原稿裏面の画像データは、画像データ処理部440へ送られる。ここでは、原稿表面の画像はCCDにより読み取り、原稿裏面の画像はCISにより読み取る設定とする。この設定の場合、表面画像読取部451は図10のCCD225及び信号処理部226に対応し、裏面画像読取部452は図10のCIS213に対応する。そして、信号処理部226は、CCD225からのアナログの画像信号を必要なレベルに増幅し、サンプリングし、デジタルの画像データに変換する。
データ変換部453,454は、本発明の特徴とする間引き処理手段である。操作部489の設定により、間引き処理を実行するかしないかをCPU483で決定して、制御信号により画像処理部459を介してCPUバス461によりデータ変換部453,454に伝えられ、設定に対応した間引き処理を実行し、後段の画像処理部459に読み取らせる。
データ変換部453から出力された表面画像データ、及びデータ変換部454から出力された裏面画像データは、メモリ制御部457の制御により、メモリ458に一旦書き込まれ、その後に読み出される。メモリ制御部457が本発明(特許請求の範囲)における「書き込み制御手段」及び「読み出し制御手段」に対応する。
図12は、図11のメモリ制御部457、メモリ458、及び画像処理部459の入出力データ及び動作クロックの関係を示す図である。データ変換部453,454から供給される表面画像データ及び裏面画像データは、それぞれの画像データクロックで予め定められた表面画像データ記憶領域458a、裏面画像データ記憶領域458bにパラレルに書き込まれる。書き込まれた表面画像データ及び裏面画像データは、画像処理部459の動作クロックにより、表面画像データ、裏面画像データの順番でシリアル(シーケンシャル)に読み出され、画像処理部459に入力される。ここで、画像処理部459の動作クロックは、画像データクロックより高速で動作するため、パラレルに書き込まれた表裏の画像データをシーケンシャルに読み出し、画像処理を行う。
先ず間引き処理が行われない通常モード時について図13及び図14を用いて説明する。これらの図は、メモリ458に対する表面画像データ及び裏面画像データの書き込みタイミング及び読み出しタイミングの詳細を示す図である。ここで、表面画像データとは、操作部489にて原稿の表面であることが指定された面を読み取った画像データであり、メモリ458からの読み出し順序は表面画像データが先になる。
まず図13Aに示すように、表裏の画像データは、予め決められた表面画像データ記憶領域458a、裏面画像データ記憶領域458bに各画像データクロックに同期して表裏独立に書き込みが開始される。
次いで図13Bに示すように、表面画像データが一定量書き込まれた時点で、画像処理部459の動作クロックに同期して、表面画像データ記憶領域458aからの読み出しを開始する。ここで、一定量書き込まれたことはメモリ制御部457で行われる書き込みライン数の計数値により判定する。以後、図13Cに示すように、表面画像データ記憶領域458aに対する書き込み及び読み出しが続き、表面画像データ全ての書き込みが終了する。また、この動作と並行して、裏面画像データの裏面画像データ記憶領域458bに対する書き込みが続き、表面画像データの書き込み終了とほぼ同時に終了する。
次いで、図12Dに示すように、表面画像データの読み出しが終了し、さらに一定時間(詳細は後述)経過後、図14Aに示すように、裏面画像データの読み出しを開始する。そして、図14B及びCに示すように、裏面画像データの読み出しが続き、それが終了することで、一回(原稿1枚の表裏)の読取に対するメモリ動作が終了する。
以上のように、メモリ制御部457で表裏の画像データの流れをシーケンシャルに変換し、画像処理部459で一連の画像処理を行う。ここで、表裏の画像データは、読取デバイスの種類の違いでγ特性やMTF(Modulation Transfer Function)特性、色フィルタの分光分布等または光源(キセノン光源、LED光源)の違いによりの画像特性が異なっている場合があり、その場合はそれぞれの画像データに適切な画像処理を施すために、処理パラメータを表裏の画像データに応じて変更する必要がある。本実施形態では、画像処理部459が各画像データの処理パラメータをレジスタに持つ構成になっており、以下の手順で処理パラメータを変更する。
まず、表面画像データ記憶領域458aから読み出した表面画像データの画像処理が全て終了した後、裏面画像データ用の処理パラメータに変更する。表面画像データの画像処理終了のタイミングは、画像処理部459内に設けたラインカウンタのカウント値が最終ラインになったことをCPU455が判断することで検出する。CPU455は、表面画像データの画像処理終了のタイミングを検出すると、CPUメモリ456に記憶されている裏面画像データ用の処理パラメータを画像処理部459のレジスタに設定する。さらに、CPU455は、裏面画像データ用の処理パラメータの設定終了後、メモリ制御部457に裏面画像データ読み出しを指示し、読み出しを開始させる。この裏面読み出しを開始するタイミングは、上記の場合は各動作をCPU455が判断しているが、動作時間が予め想定される場合は固定の時間で管理しても構わない。
次に間引き処理が行われない通常モード時の連続画像読取について図15及び図16を用いて説明する。ここで、図15は原稿の両面読取を複数枚の原稿に対し連続的に行う場合のメモリ458に対する表面画像データ及び裏面画像データの書き込みタイミング及び読み出しタイミングの詳細を示す図であり、図16はそれらのタイミングとともに処理パラメータの設定タイミングを示す図である。
図15Aに示すように、表面画像データの読み出しが終了し、裏面画像データの読み出しが行われているときに、CPU455は、原稿トレイ211の原稿センサ(図示せず)の出力に基づいて次の原稿の有無を判断し、次の原稿がある場合、次の原稿の読取が可能なタイミングであるか否かを判断する。次の原稿の読取が可能なタイミングであるか否かは、例えばメモリ制御部457に設けた読み出しラインカウンタのカウント値が一定値を超えているか否か、或いは画像処理部459に設けたラインカウンタのカウント値が一定値を超えているか否か、或いは画像コントロール部441の処理が終了しているか否かによりに判断する。そして、読取が可能なタイミングになっていれば、表面画像読取部451及び裏面画像読取部452に対し、読取動作の開始を指示する。表面画像読取部451及び裏面画像読取部452からの画像データは、それぞれデータ変換部453及び454を経てメモリ458に書き込まれる。
以後、図15Bに示すように、裏面画像データの読み出しと、次の原稿の表面画像データ及び裏面画像データの書き込みが続けられ、図15Cに示すように、裏面画像データの読み出しが終了する。これらの動作と並行して、読み出された裏面画像データに対する画像処理を画像処理部459で実行する。
画像処理部459にて全ての裏面画像データの画像処理が終了したとき、表面画像データ用の処理パラメータに変更する。裏面画像データの画像処理終了のタイミングは、画像処理部459内に設けたラインカウンタのカウント値が最終ラインになったことをCPU455が判断することで検出する。CPU455は、処理パラメータの変更を終え、表面画像データが一定量書き込まれたことを検出したときに、メモリ制御部457に対し、画像処理部459の動作クロックに同期して、表面画像データ記憶領域458aからの読み出しの開始を指示する。これにより、図15Dに示すように、表面画像データの読み出しが始まる。次の動作は図13Cと同じである。
図16に示すように、最初に期間T0で最初に処理する表面画像データに対応する処理パラメータを設定した後に、表面画像データ及び裏面画像データを、表面画像データが少し早いタイミングで、並行して書き込むとともに、表面画像データの書き込み中にその読み出しを開始し、読み出された表面画像データを画像処理する。次いで、全ての表面画像データの画像処理が終了した後に、期間T1内で裏面画像データに対応する処理パラメータを設定してから、期間T1の終了後に裏面画像データの読み出しを開始する。そして、裏面画像データの読み出しの途中から並行して次の原稿の表面画像データの書き込みを開始するとともに、読み出された裏面画像データを画像処理し、全ての裏面画像データの画像処理が終了した後に、期間T2内で表面画像データに対応する処理パラメータを設定する。以後は、期間T1、T2における処理パラメータの設定と同様、原稿の片面全体の画像処理が終了したとき、次の片面の画像データ用の処理パラメータを設定し、その後に次の片面の画像データの読み出しを開始している。
次に等倍読取時の生産性向上について図17及び図18を用いて説明する。まずこれらの図を用いた説明の前に生産性向上の概要について説明する。図11の操作部489の図示せぬ解像度選択画面において、等倍読取(600dpi)よりも低解像度の読取が選択された場合、低解像度モードとなり、図11のデータ変換部453,454での低解像度選択に応じた間引き処理を実行する。間引き処理はライン同期信号をデータ変換部453,454内に設けたラインカウンタのカウントにより、例えば300dpi解像度が選択された場合は2ラインに対して1ラインを間引く処理を実行し、200dpi設定であれば3ラインに対して2ラインを間引く処理を実行する。この様に間引かれた画像データがメモリ制御部457に入力される。画像データは間引かれているので通常読取モードに比べて300dpiでは表裏の2枚分の画像データを取り込むことが可能となる。読み出し時には、画像データの読み出しの順番を間引かない場合と変えて処理パラメータの切換回数を通常モード時よりも低減することにより、即ち例えば300dpiならば2回に1回の切換にすることにより、処理パラメータの切換回数(累積切換時間)が少なくなり、間引き処理との相乗効果によりメモリ書き込み間隔、即ち原稿読取間隔を詰めることが可能となり等倍読取時においても生産性の向上がはかれる。
図17は低解像モード時の連続画像読取時のメモリ458に対する表面画像データ及び裏面画像データの書き込みタイミング及び読み出しタイミングの詳細を示す図である。
まず図17A〜Bに示すように、原稿表裏の画像データは、予め決められた表面画像データ記憶領域458a、裏面画像データ記憶領域458bに各画像データクロックに同期して1枚目の表裏独立の書き込みが開始される。低解像度モードでは、前段のデータ変換部453,454で間引き処理が行われるため、画像データは容量が少なくなった状態で書き込まれる。本例では300dpiに間引き処理された場合、即ち2枚の原稿画像データを書き込み、読み出す例となっているが、操作部設定により200dpiの間引き処理が行われた場合は3枚の原稿画像データを書き込み、読み出すことも可能である。1枚目の表面、裏面の間引き後の画像データの書き込み中に、書き込み済みの1枚目の表面画像データの読み出しを開始する。
即ち図17Bに示すように、1枚目の表面画像データが一定量書き込まれた時点で、画像処理部459の動作クロックに同期して、1枚目の表面画像データ記憶領域458aからの読み出しを開始する。ここで、一定量書き込まれたことはメモリ制御部457で行われる書き込みライン数の計数値により判定する。
その後、図17Cに示すように、表面画像データ記憶領域458aに対する2枚目の表面画像データの間引き後の書き込み及び読み出しが続き、その後、裏面画像データ記憶領域458bに対する2枚目の裏面画像データの間引き後の書き込みが行われる。そして、図17Dに示すように、1枚目と2枚目の表面画像データ全ての書き込みが終了し、1枚目と2枚目の表面画像データの読み出しが終了する。
その後、図17Dに示すとおり、1枚目の裏面画像データの裏面画像データ記憶領域458bからの読み出しが開始される。その途中において、図17Eに示すとおり、3枚目の表面画像データの書き込みが行われ、その後は同様に3枚目の裏面画像データが書き込まれる。また、その途中に、2枚目の裏面画像データの読み出しが開始され、終了する。以後は、図17B〜Eと同様な動作を繰り返すことで、連続して原稿の両面画像データの間引き後の書き込み、読み出しを行う。
図18は上記のタイミングとともに処理パラメータの設定タイミングを示す図である。最初に期間T0で最初に処理する表面画像データに対応する処理パラメータを設定した後に、1枚目と2枚目の表面画像データ及び裏面画像データを、表面画像データが少し早いタイミングで、並行して書き込むとともに、1枚目の表面画像データの書き込み中にその読み出しを開始し、読み出された1枚目の表面画像データと2枚目の表面画像データを画像処理する。次いで、全ての表面画像データの画像処理が終了した後に、期間T1内で裏面画像データに対応する処理パラメータを設定してから、期間T1の終了後に1枚目の裏面画像データの読み出しを開始する。終了後は引き続き2枚目の読み出しを開始する。全ての裏面画像データの画像処理が終了した後に、期間T2内で表面画像データに対応する処理パラメータを設定する。以後は、期間T1、T2における処理パラメータの設定と同様、2枚の原稿の片面の画像処理が終了したとき毎に、その反対面の画像データ用の処理パラメータを設定し、その後に2枚一組で画像データの読み出しを開始している。
これにより、図16の通常モードに比べて、画像処理パラメータ切換回数を半分に減らすことができるので、切換時間が短くなる。間引き処理を実行してメモリに書き込んでいることにより、読み出しのデータ量が少なくなるので、読み出し時間が低減する。読み出し時間が低減されるので、図18に示すように1枚目と2枚目のメモリ書き込み間隔を短くすることができる。これは即ち、読取間隔を短縮できることを意味するので、一定時間内の読取枚数が増加し生産性の向上が図れることになる。
このように複数枚の両面原稿の読取時の生産性向上は達成されるが、図16と図18のタイミングチャートの比較により、両面1枚原稿の場合は、1枚目の表面画像データの書き込み開始から1枚目の裏面画像データの画像処理終了までの時間が長くなり、効率が悪くなることがわかる。
そこで、図16に示されている通常モードと図18に示されている低解像モードとを切り換えることによって対応する。ADFで原稿を1枚搬送した時に図示せぬ原稿後端検知センサの出力により1枚原稿か複数枚原稿かを判断し、1枚原稿の場合は通常モード動作とし、複数枚原稿の場合は低解像度モードとする。また、操作部589からの読取原稿枚数設定と画像密度設定(記憶メモリの格納枚数)によって、通常モードと低解像モードの生産性の高い方を予め選択できるようにした。この選択切換は予め読取原稿枚数と読取密度による上記各モードでの生産性データがCPUメモリ456に記憶されており、CPU455が比較して生産性の高い方のモードを選択し、その動作を実行するようになっている。
図11の説明に戻る。画像処理部459で処理された画像データは、画像コントロール部441に転送される。転送された画像データはプリンタ出力に合わせて、画像コントローラ481やCPU483で画像データの変換を施され、再度、画像データ処理部440の画像処理部459を経て、出力画像処理部471、LDドライバ472に送られる。LDドライバ472は、入力された画像データに応じてLDを駆動し、レーザ光を図示しない画像形成部の感光体に照射させる。感光体には静電潜像が形成され、転写、定着を経てプリント画像が出力される。なお、ここでは、画像データ処理部440におけるプリンタ出力に関する処理部として、出力画像処理部471とLDドライバ472を設けているが、他の構成でも構わない。
ここで、画像コントローラ部441での画像データ変換(回転、集約等)に時間がかかる場合がある。また、スキャナ動作(画像蓄積)においても、画像フォーマット変換(JPEG、PDF等への変換)に費やす時間が更にかかる場合がある。これらの場合は、画像コントロール部441での原稿の1面の画像データ変換処理完了又は完了予測を画像データ処理部440に通知し、表裏画像読取の開始や、メモリ制御部457のコントロールに反映させることが好適である。
図19は図11のCIS213(図12の裏面画像読取部452)の電気的構成を示すブロック図である。
それぞれがLEDからなる第1光源255及び第2光源256で照明された原稿からの反射光は、図示せぬセルフォック(登録商標)レンズアレイでR、G、Bのラインセンサ241,242,243に等倍結像される。
R、G、Bのラインセンサ241,242,243はCMOSからなる。CCDでも構成可能であるが、CMOSセンサの場合はCCDシフトレジスタがないのでライン間隔を狭くできて1ライン間隔の構成が取りやすいという利点がある。R、G、Bのラインセンサ241,242,243は副走査方向にRGB順に並んでおり、ここでは1ライン間隔の例を示す。
各ラインセンサは複数チップ毎(3チップ)のチャンネル(8ch)に分かれ、それぞれ8chのR、G、B用のA/Dコンバータ244,245,246にて複数チップ毎に並列処理されて,並列画像データとしてデータ並べ替え処理部247に入力される。データ並べ替え処理部247では各色並列データをRGB各色1ラインの直列データに変換する。1ラインに直列変換された画像データはシェーディング補正部248に入力されて照明系の光量不均一やセンサ画素出力バラツキが補正される。
シェーディング補正後の画像データは、前段と後段にそれぞれ第1RBデータバス切換部249、第2RBデータバス切換部251を有したライン間補正部250に入力される。RBデータバス切換の動作は後述するが、この出力は画像補正処理部252に入力され、補正後の各RGB画像データがLVDS信号にて本体側の画像処理部へ送られる。
画像補正処理部252は、つなぎ目補正部258、スキャナγ補正部258、色補正部260からなり、CISユニット213内で処理を行い、CIS特有の画像補正処理を施すことで、更なる高画質化が可能である。
各ラインセンサの主走査方向にセンサチップが複数並んでいるというCISの構造上、チップとチップの間に1画素の隙間が空いてしまう。つなぎ目補正部258はこの隙間の1画素を両端のチップの画像データから補正する処理である。スキャナγ補正部259では反射率リニアデータをルックアップテーブル方式でチップ毎或いは画素毎に補正することにより、複数チップから構成されているCIS特有のチップや画素の個別のバラツキを補正する。色補正部260は3次元ルックアップテーブルでチップ毎或いは画素毎に補正する。
CIS制御部254は光源制御、各補正処理制御、ADF制御部とのシリアル通信等のCIS全体の制御を行う。第1RBデータバス切換部249、及び第2データバス切換部251の切換制御もCIS制御部からコントロールする。
ライン間補正のRBデータバス切換について説明する。図19のRGBのラインセンサ241,242,243が並んでいる場所に原稿搬送方向P(下向き矢印)で示すように、R→G→Bの順に画像データが読み込まれる場合、第1RBデータバス切換部249は実線で示す方向に画像データを送る。この場合はスルーとなっており、切換を行わない状態である。ライン間隔は1ラインなので、ライン間補正部250ではBデータに関しては遅延させずに通し、Rデータに関してはライン間補正メモリ1で2ライン遅延させ、Gデータに関してはライン間補正メモリ2で1ライン遅延させることで、RGB同一ラインの読取とする。第2RBデータバス切換部251は実線で示す方向に画像データを送る。この場合もスルーとなっており、切換を行わない状態である。
一方、図19のRGBのラインセンサ241,242,243が並んでいる場所に原稿搬送方向Q(上向き矢印)で示すように、B→G→Rの順に画像データが読み込まれる場合、第1RBデータバス切換部249は点線で示す方向に画像データを送る。この場合は図示せぬセレクタ回路によって画像データバスが切り換えられ、Rデータ、Bデータがそれぞれライン間補正部250のB入力、R入力へ切り換えられる。ライン間隔は1ラインなので、ライン間補正部250ではBデータに関してはライン間補正メモリ1で2ライン遅延させ、Gデータに関してはライン間補正メモリ2で1ライン遅延させ、Rデータに関しては遅延させずに通すことで、RGB同一ラインの読取とする。この場合は第2RBデータバス切換部251は点線で示す方向に図示せぬセレクタ回路によって切り換えられる。この切り換えによって後段の画像補正処理部252に適正なRGB入力が行える。
画像補正処理部252内の色補正部260はチップ間の色味バラツキをチップ毎または画素毎に補正する。この補正によってシェーディング補正で取れないセンサフィルタの分光分布のバラツキを補正できるので、スジ、ムラによる画像劣化原因を除去することができる。また、センサフィルタのロットの変わり目等によるチップ毎のバラツキがあっても補正可能となり高画質化が図れる。色補正部260においては同一ラインのRGBデータが必要であるので、CISユニット213内で色補正を行うためライン間補正部250が必要となる。
本実施形態ではライン間隔を1ラインとしてライン間補正部250のライン間補正メモリ1は2ライン分のメモリ、ライン間補正メモリ2は1ライン分のメモリのみを持つ構成とした。このため等倍速度での読取構成となっている。これにより拡大時のライン間補正メモリの増加の必要がなく、また縮小及びズーム変倍での1ライン以内のドット補正回路が必要なくなるので、コストダウンが図れる。変倍は後段の図11の画像処理部459の電子変倍で対応する。原稿走査が等倍速度のみでよい場合は、駆動モータの加速トルクが一定となり、モータのコストダウンが図れる。さらに対応速度が等倍のみとなるので、モータ電流の最適化が行い易くなり、速度リップルが低減して画像読取品質が改善できる。
以上詳細に説明したように、本実施形態は下記(1)〜(7)の効果を有する。
(1)原稿の表裏両面を等倍で読み取った場合でも、画像データの画像密度が低解像度出力に設定されている場合は、間引き処理を実行して、等倍時の表裏1枚分の容量のメモリ458に1枚目と2枚目の両面画像データを書き込めるようにすることで、メモリ容量を増大させずに2枚分の両面画像データを記憶することができる。
(2)2枚分の両面画像データを記憶したメモリ458から1枚目の表面画像データ、2枚目の表面画像データの順に読み出し、画像処理を実行してから、裏面の画像処理パラメータに切換えて、1枚目の裏面画像データ、2枚目の裏面画像データの順に読み出すように、2枚分の両面画像データの読み出し順序を変更するとともに、表面と裏面の画像処理パラメータの切換回数を1/2にしてパラメータ設定時間の短縮を可能とし、生産性を向上させることができる。
(3)原稿表面の読取手段451が縮小系CCDデバイスであり、裏面の読取手段452がCMOSセンサからなるCISデバイスであるため、イメージセンサの種類が異なるが、MTF補正やγ補正の画像処理パラメータを変えることにより表面と裏面の画像品質を同じにすることができる。また、カラー読取手段の場合は表面と裏面で色フィルタの分光分布が異なっていても、画像処理パラメータを変えることにより、表面と裏面の画像品質を同じにすることができる。
(4)表面の読取手段451の光源がキセノン光源であり、裏面の読取手段452の光源がLED光源であるため、光源の分光分布が異なるが、画像処理パラメータを変えることにより、表面と裏面の色再現性を同等にすることができる。
(5)画像処理部459の動作クロックをメモリ制御部457の読み出しクロックとすることにより、画像処理部459の最大動作クロックに設定することで構成上、動作クロックとして最大限の生産性向上を実現することができる。
(6)メモリ458からの読み出し中に次の原稿の画像データの書き込みを行うことにより、記憶領域を有効利用して生産性を向上させることができる。
(7)2枚分の両面画像データを記憶したメモリ458から2枚分の表面画像データを読み出し、その画像処理終了後に裏面の画像処理パラメータに切り換えて、2枚分の裏面画像データを読み出し、その画像処理を行う第1モードと、原稿1枚毎に表面画像データの読み出し、その画像処理、裏面の画像処理パラメータへの切り換え、表面画像データの読み出し、その画像処理を実行する第2モードを持ち、読取対象原稿が1枚の場合は第2モード、複数枚の場合は第1モードを、ADFの原稿センサの出力、或いは操作部489からの読取原稿枚数設定と画像密度設定(記憶メモリの格納枚数)を基に選択することにより、原稿の枚数に関係なく高い生産性を得ることができる。
なお、本発明は、画像蓄積装置(画像ファイリング装置)、及びデジタル複合機などの画像形成装置に適用することもできる。
213・・・CIS、226・・・CCD、451・・・表面画像読取手段、452・・・裏面画像読取手段、453,454・・・データ変換部、455・・・CPU、457・・・メモリ制御部、458・・・メモリ、459・・・画像処理部、489・・・操作部。