JP4903952B2 - タイヤ加硫用金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加硫用ブラダ−の膨らみ方を適正化し、ブラダーと生タイヤとの間の空気溜まりを抑制したタイヤ加硫用金型、及びそれにより成形された空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、空気入りタイヤを加硫成形するためのタイヤ加硫用金型には、ゴムなどの弾性材料からなる膨縮自在な加硫用ブラダーが用いられており、この加硫用ブラダーは、加熱加圧媒体(通常スチームまたはスチームと不活性ガスとの混合気体)の供給によって生タイヤの内腔面に接して膨張し、これによって生タイヤの外面を金型面に押圧することによりタイヤを加硫成形する。
【0003】
そしてこの加硫用ブラダーaとして、内圧0.4kPaを充填した初期状態における膨らみ形状が、壺状をなす壺形タイプa1(図5(A)に示す)、及び円筒状をなす筒状タイプa2、a3(図5(B)、(C)に示す)のものが、一般に用いられている。
【0004】
なお壺形タイプa1とは、両端部b、b間を継ぐブラダー主部cの略全体が円弧状に湾曲するものをいい、筒状タイプa2、a3とは、前記ブラダー主部cにおいて金型面のトレッド成形部に面する胴部c1が円筒状をなすものをいう。又筒状タイプa2、a3には、前記胴部c1に連なる上下の側壁部c2の胴部c1との交わり角度αが略直角なもの、或いは鈍角としたものがある。なお同図には、上端部bが閉じたオートフォームプレス用のブラダーを例示しているが、上端部bが下端部bと同様に開口したセンタポスト用のものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこれら従来のものは、加硫内圧充填に際し、高さが増す方向に膨張する傾向が強く、従って、ブラダーaは膨張に際してまず生タイヤのビード部と接触しやすくなる。その結果、生タイヤとブラダーaとの間に残る空気の抜けが悪くなり、これが原因して空気溜まりが発生し、タイヤの品質を損ねるという問題がある。特に偏平率30〜50%の偏平タイヤでは、バットレス部分の曲率半径が非常に小さくいため、空気溜まりの発生はより顕著となる。
【0006】
なお、前記空気溜まりを防止するため、従来、前記ブラダーaの外周面に、多数の空気抜き用の溝が凹設されているが、タイヤとの離形性やブラダーの耐久強度などの観点から、前記溝の大きさにも限界があり、この溝だけで空気溜まりを抑制することは難しいものであった。
【0007】
そこで本発明は、内圧0.4kPaの初期状態において、前記胴部と側壁部との交わり角度が65〜85゜となる加硫用ブラダーを用いることを基本として、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部の順に、加硫用ブラダーを生タイヤに接触させることができ、空気溜まりの発生を抑えタイヤ品質の低下を抑制しうるタイヤ加硫用金型の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、タイヤ加硫用金型に配された生タイヤの内腔面に接して膨張し、この生タイヤを金型面に押圧することによりタイヤを成形するための加硫用ブラダ−を具えるタイヤ加硫用金型であって、
前記加硫用ブラダーは、内圧0.4kPaを充填した初期状態におけるタイヤ軸を含む子午線断面において、前記生タイヤのトレッド部に面する筒状の胴部と、その両端で半径方向内方に巾を減じるテーパ状をなす側壁部とを有するブラダ主部を具え、
かつ前記胴部と側壁部との交わり角度を65〜85゜とすることにより、該加硫用ブラダーは、加硫内圧充填とともに、前記生タイヤのトレッド部から、サイドウォール部をへて、ビード部の順に生タイヤと接触することを特徴としている。
【0009】
又請求項2の発明では、成形されるタイヤは、偏平率30〜50%の偏平タイヤであることを特徴としている。
【0010】
又請求項3の発明は、空気入りタイヤであって前記請求項1又は2に記載のタイヤ用加硫金型を用いて成形したことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本実施形態のタイヤ加硫用金型1の主要部を示す子午線断面である。
【0012】
図1において、タイヤ加硫用金型1は、生タイヤTを収納する金型本体2と、加熱加圧媒体の充填により生タイヤTを前記金型本体2の成形面Sに押圧して成形する加硫用ブラダ−3とを具える。なお本例では、加硫後のタイヤ取出しに際し、上部からラム(図示しない)で押し込むことによって前記加硫用ブラダ−3が、バグウェル4内に収容されるオートフォームプレス式のものを例示している。
【0013】
又本例では、前記金型本体2として、例えば上下に分離可能な上型9Aと下型9Bとからなる2ピースモールドタイプのものを例示しており、この上型9A、下型9Bは、生タイヤTのトレッド部Ttとサイドウォール部Tsとビード部Tbとをそれぞれ成形するトレッド成形部Stとサイドウォール成形部Ssとビード成形部Sbとからなる主部10、及び前記ビード部Tbを受けて保持するビード座11を具えている。
【0014】
そして、金型開放状態において投入されかつ下のビード座11に保持される生タイヤTに対し、上下の主部10、10が、タイヤ赤道に向かって相対移動することにより、金型が閉止されタイヤの成形が行われる。なお下のビード座11は、前記バグウェル4に係止され、このバグウェル4及び下の主部10に対して上方に向かって相対移動可能に保持されている。
【0015】
又前記加硫用ブラダ−3は、周知の如く、ゴムなどの弾性材料からなる膨縮自在な袋状体であり、材料として耐食性に優れかつ空気不透過性の高いブチルゴムなどが一般に使用される。
【0016】
この加硫用ブラダ−3は、図2に示すように、両端部20、20間をブラダー主部21で継いだ、本例では下開放をなし、開口する下の端部20には、この開口を囲むリング状のフランジ20Aが突出している。なおフランジ20Aが、例えばバグウェル4の上端等に取り付くことにより、加硫用ブラダ−3は、バグウェル4内に収容可能に保持される。又上の端部20は、加硫後のタイヤ取出しに際して下降するラムが嵌合する凹部20Bが凹設される。
【0017】
次に、ブラダー主部21は、トレッド部Ttに面する筒状の胴部21Aと、その両端から前記上下の端部20、20にのびる側壁部21Bとを有する。
【0018】
そして、本発明では、内圧0.4kPaを充填した初期状態Y1(図1、2に示す)におけるタイヤ軸を含む子午線断面において、ブラダー主部21は、
▲1▼ 前記胴部21Aが、円筒状をなすこと、
▲2▼ 前記側壁部21Bが、前記胴部21Aの両端から半径方向内方に向かって巾Wを減じる向きにテーパ状にのびること、及び
▲3▼ 前記胴部21Aと側壁部21Bとの交わり角度αが65〜85゜の鋭角をなすこと、
に特徴を有している。
【0019】
このような初期状態Y1において、前記膨らみ形状を有する加硫用ブラダ−3は、前記初期状態Y1から内圧がさらに高まると、図3(A)に示すように、まず胴部21Aが、その中央側から両端に向かって半径方向外方に膨張しはじめ、トレッド部Ttの内面と接触する。さらに内圧が高まると、図3(B)に示すように、側壁部21Bが、前記胴部21Aの両端側から順次タイヤ軸方向(高さ方向)に膨張しはじめ、サイドウォール部Tsをへてビード部Tbへと接触していく。
【0020】
即ち加硫用ブラダ−3は、生タイヤTとの間の空気を押し出しながら膨張でき、空気溜まりの発生を抑え、この空気溜まりに起因するタイヤ変形(成形不良)や加硫不足などの品質低下を抑制することが可能となる。
【0021】
ここで、前記交わり角度αが65°未満、或いは85°を越えると、空気溜まりの抑制効果が損なわれ、品質低下を充分に抑えることができなくなる。
【0022】
又加硫用ブラダ−3では、初期状態Y1において、前記両端部20、20間の巾W0は、生タイヤTのビード巾Wbよりも小に設定されている。
【0023】
又図4に、タイヤ加硫用金型1がセンタポスト式である場合の、加硫用ブラダ−3の一例を示す。係る場合、加硫用ブラダ−3は、上下開放の袋状体であり、上下の端部20には、その開口を囲むリング状のフランジ20Aがそれぞれ突出している。なお上のフランジ20Aは、例えばセンタポスト30上端に固定金具30Aを介して取り付き、又下のフランジ20Aは、例えば前記センタポスト30を上下に摺動自在に支持するシリンダ31の上端に固定金具31Aを介して取り付けられる。
【0024】
又前記金型本体2としては、前記トレッド成形部Stを周方向に分割された複数のセグメントで構成する割りモールドタイプのものを使用しうる。
【0025】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0026】
【実施例】
表1の仕様の加硫用ブラダ−を用い、タイヤサイズが、285/30ZR20(偏平率30%),245/40ZR18(偏平率40%),245/50ZR17(偏平率50%)のタイヤを、それぞれ10000本づつ加硫成形するともに、その全数を目視検査し、空気溜まりに起因するタイヤ変形の不良発生率を比較した。なお加硫用ブラダ−の外周面には、従来的な排気溝(巾1.3mm×深さ0.7mm)を設けている。
【0027】
【表1】
【0028】
実施例のものは、空気溜まりに起因する不良発生率を低く抑えうることが確認できた。
【0029】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、内圧0.4kPaの初期状態において、胴部と側壁部との交わり角度が65〜85゜となる加硫用ブラダーを用いているため、加硫内圧充填とともにトレッド部からサイドウォール部をへてビード部の順に、加硫用ブラダーを生タイヤに接触させることができ、空気溜まりの発生を抑えタイヤ品質の低下を抑制しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ加硫用金型の一実施例を示す断面図である。
【図2】初期状態における加硫用ブラダーの膨らみ形状を、生タイヤとともに示す断面図である。
【図3】(A)、(B)は、初期状態から内圧が上昇する際の加硫用ブラダーの膨らみ状態を説明する断面図である。
【図4】加硫用ブラダーの他の例を示す断面図である。
【図5】(A)〜(C)は、従来の加硫用ブラダーの膨らみ形状を示す線図である。
【符号の説明】
1 タイヤ加硫用金型
3 加硫用ブラダ−
21 ブラダー主部
21A 胴部
21B 側壁部
α 交わり角度
T 生タイヤ
Claims (3)
- タイヤ加硫用金型に配された生タイヤの内腔面に接して膨張し、この生タイヤを金型面に押圧することによりタイヤを成形するための加硫用ブラダ−を具えるタイヤ加硫用金型であって、
前記加硫用ブラダーは、内圧0.4kPaを充填した初期状態におけるタイヤ軸を含む子午線断面において、前記生タイヤのトレッド部に面する筒状の胴部と、その両端で半径方向内方に巾を減じるテーパ状をなす側壁部とを有するブラダ主部を具え、
かつ前記胴部と側壁部との交わり角度を65〜85゜とすることにより、該加硫用ブラダーは、加硫内圧充填とともに、前記生タイヤのトレッド部から、サイドウォール部をへて、ビード部の順に生タイヤと接触することを特徴とするタイヤ加硫用金型。 - タイヤは、偏平率30〜50%の偏平タイヤであることを特徴とする請求項1記載のタイヤ加硫用金型。
- 請求項1又は2のタイヤ用加硫金型を用いて成形した空気入りタイヤ。
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