JP4903751B2 - 抗酸化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、沖縄に生育する植物由来の生理活性物質を利用した抗酸化剤、又はNO産生抑制剤や、これらを有効成分とする医薬組成物、食品又は飲料、鮮度保持剤、化粧料に関する。
従来から、沖縄に自生している植物について抗酸化活性作用等の有効成分を含有する優れた天然資源の開発が行なわれている。例えば、薬用されているウコンの根茎を適用し食味を改善した加工食品(例えば、特許文献1参照。)や、また、食材として利用されていない植物繊維を利用した抗酸化性植物繊維やその加工食品(例えば、特許文献2参照。)や、グアバの葉、月桃、ヨモギ、茶葉等を使用し発酵処理により薬効を増進し食味を改善した加工食品(例えば、特許文献3参照。)等が開発されている。
また、哺乳類の細胞内において、一酸化窒素(NO)は重要な作用を有することが分かっている。NO合成酵素(nitric oxide synthetase、NOS)の触媒作用によってL−アルギニンからL−シトルリンとNOが産生される。ここで、NOSは、恒常型(constitutive NOS、cNOS)と誘導型(inducible NOS、iNOS)に分類され、cNOSは、血管内皮細胞や胃粘膜細胞において恒常的に低濃度のNOを産生する恒常型触媒作用を有し、他方、iNOSは、マクロファージや好中球などの炎症に関与する細胞、肝細胞や血管平滑筋において、リポポリサッカライド(LPS)、サイトカイン又は病原体等の刺激によって活性化されて非恒常的に多量のNOを産生する誘導型触媒作用を有する。例えば、生体内のマクロファージが病原体からの刺激を受けると、iNOSの発現量が増加し、L−アルギニンからNO産生が促進されることが明らかにされている。産生されたNOは、腫瘍細胞のミトコンドリア系内の電子伝達系酵素に作用してその活性を阻害し(免疫応答調節作用)、感染を阻害する。生体内でのNOの他の有効な作用としては、血管を弛緩させ血圧低下させたり、あるいは多核白血球や血小板の接着を阻止して血小板の凝集を妨ぐことが挙げられる。
しかしながら、腎炎、肝障害や潰瘍性大腸炎、または慢性関節リウマチ、更にはアレルギー性疾患等の炎症性疾患によって、マクロファージから高濃度のNOが産生されると、NOによって周辺組織が傷害され、自己免疫現象と類似の症状が発現することがあり、例えば、敗血症を患っている場合には、大量のNOの産生により心筋収縮力によるショック症状(敗血症性ショック)が引き起こされる等、別の疾患の発症を誘発することもある。NOの過剰産生による組織や細胞の傷害、又は誘発される疾患の発現を防ぐため、NOが有効な濃度で生体内に存在するようにNOの産生を抑制する必要がある場合がある。このため、NOの産生に関与するNOSの作用を阻害するNOS阻害剤や、NO産生抑制剤の開発が進められており、代表的なNOS阻害剤としては、NG−モノメチル−L−アルギニン(L−NMMA)やNG−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル(L−NAME)等のL−アルギニン誘導体(ここで、NGは、グアニジノ基のN原子にニトロ基などが付いていることを表す。)等、基質であるL−アルギニンの構造式と類似の構造式を有する化合物が挙げられる。iNOS誘導阻害剤としては、コルチコステロイドやセリン、システイン・プロテアーゼ阻害剤等があり、あるいは天然物由来のiNOS誘導阻害に基づくNO産生抑制作用を有する、月桂樹由来セスキテルペンのコスツノライド(costunolide)やデヒドロコスツラクトン(dehydrocostus lactone)(例えば、非特許文献1参照。)、ルバーブ由来スチルベンのルハポンチゲニン(rhapontigenin)、ピシアタンノール(piceatannol)、レスベラトロール(resveratrol)(例えば、非特許文献2参照。)、タクシャ由来トリテルペンのアリソール(alisol)F(例えば、非特許文献3参照。)等も報告されている。
その他、3,6−アンヒドロガラクトピラノース、そのアルデヒド体、その抱水体及びそれらの2−O−メチル化体や、これらの化合物を末端に有する可溶性の糖化合物から選ばれる化合物を含有する抗酸化剤が知られており、更に、これらの化合物が寒天、アガロース及びカラゲナン由来のものが好ましいことが明らかにされている(例えば、特許文献4参照。)。また、特定のトリテルペン成分、特にカンラン科の植物の有機溶媒抽出エキスに含有されるトリテルペン成分を有効成分として含有する一酸化窒素産生抑制剤(例えば、特許文献5参照。)や、合成により、又は白屈菜のメタノールエキスから単離して得られるケリドニン、コリノリン、サンギナリン、プロトピン、コリダリン、ベルベリン誘導体等を有効成分として含有する一酸化窒素産生抑制剤(例えば、特許文献6参照。)等が知られている。
特開平11−289973号公報 特開2002−204674号公報 特開2002−330725号公報 WO99/24447号パンフレット 特開2002−234834号公報 特開平11−310530号公報 Matsuda H., Kageura T., ToguchidaI., UedaH., Morikawa T., Yoshikawa M.著 Life Sciences, 66巻, p. 2151-2157、2000年 Matsuda H., Kageura T., MorikawaT., Toguchida I., Harima S., Yoshikawa M.著 Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters, 10巻, p. 323-327、2000年 Matsuda H., Kageura T., ToguchidaI., Murakami T., Kishi A., YoshikawaM.著 Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters, 9巻, p. 3081-3086、1999年
本発明の課題は、植物由来成分として容易に入手でき、生体に対し副作用が少なく安全性が高い抗酸化剤や、NO産生抑制剤、これらを用いた医薬組成物、食品又は飲料、鮮度保持剤、化粧料を提供することである。
本発明者らは、沖縄に生育する植物の有効活用を目的とし、抗酸化活性やNO産生抑制活性を指標に、沖縄に生育する植物及び/又はその処理物についてスクリーニングを行った結果、抗酸化活性やNO産生抑制活性を有する植物を多数見い出し、これらの植物及び/又はその処理物を含有する抗酸化剤や、NO産生抑制剤、これらを用いた食品又は飲料等に関する本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、リュウキュウマツ(P.luchuensis)及び/又はその処理物を有効成分として含有することを特徴とするNO産生抑制剤に関する。
本発明の抗酸化剤は下記の(1)〜(36)の植物及び/又はその処理物から選ばれた一種又は二種以上を有効成分として含有するものである。
本発明の抗酸化剤における(1)〜(36)の植物としては以下のものである。
(1)クワ科のフィカス属(Ficus)又はモールス属(Morus)に属する植物
(2)セリ科のフォエニキュラム属(Foeniculum)、ペイセダヌム属(Peucedanum)、アンゼリカ属(Angelica)又はブプレウルム属(Bupleurum)に属する植物
(3)キク科のエミリア属(Emilia)、アルテミシア属(Artemisia)、ヨウンギア属(Youngia)、ビデンス属(Bidens)、クラッソセオハルム属(Crassoceohalum)又はクラッソステフィウム属(Crossostephium)に属する植物
(4)ザクロソウ科のテラゴニア属(Teragonia)に属する植物
(5)ドクダミ科のホウッツィニア属(Houttuynia)に属する植物
(6)マメ科のビグナ属(Vigna)に属する植物
(7)アブラナ科のラファナス属(Raphanus)に属する植物
(8)ミカン科のシトラス属(Citrus)に属する植物
(9)ヒルガオ科のイポモエア属(Ipomoea)に属する植物
(10)スミレ科のビオラ属(Viola)に属する植物
(11)イネ科のシムボポゴン属(Cymbopogon)に属する植物
(12)フウロウソウ科のゼラニウム属(Geranium)に属する植物
(13)イグサ科のジュンカス属(Juncus)に属する植物
(14)ナス科のソラヌム属(Solanum)に属する植物
(15)クマツヅラ科のクレロデンドルム属(Clerodendrum)、スタシタルフェタ属(Stachytarpheta)(チリメンアガボソウ)、ビテックス属(Vitex)又はランタナ属(Lantana)に属する植物
(16)イソマツ科のリモニウム属(Limonium)に属する植物
(17)ウリノキ科のアランギウム属(Alangium)に属する植物
(18)オオバコ科のプランタゴ属(Plantago)に属する植物
(19)ユリ科のスミラックス属(Smilax)に属する植物
(20)オシダ科のシルトミウム属(Cyrtomium)に属する植物
(21)シクンシ科のテルミナリア属(Terminalia)に属する植物
(22)バラ科のプルナス属(Prunus)又はルブス属(Rubus)に属する植物
(23)タデ科のルメックス属(Rumex)又はポリゴナム属(Polygonum)に属する植物
(24)アカネ科のガーデニア属(Gardenia)に属する植物
(25)ショウガ科のアルピニア属(Alpinia)に属する植物
(26)トウダイグサ科のユーホルビア属(Euphorbia)又はリシナス属(Ricinus)に属する植物
(27)ソテツ科のシカス属(Cycas)に属する植物
(28)シノブ科のネフィロレピス属(Nephrolepis)に属する植物
(29)キョウチクトウ科のカサランタス属(Catharanthus)に属する植物
(30)イラクサ科のボエメリア属(Boehmeria)に属する植物
(31)ウラボシ科のレピソルス属(Lepisorus)に属する植物
(32)パパヤ科のカリカ属(Carica)に属する植物
(33)ヒガンバナ科のクリヌム属(Crinum)に属する植物
(34)ツバキ科のテルンストロエミア属(Ternstroemia)又はカメリア属(Camellia)に属する植物
(35)マツ科のピヌス属(Pinus)に属する植物
(36)ノボタン科のメラストマ属(Melastoma)に属する植物
かかる(1)〜(36)の植物として、沖縄で自生する以下植物を好ましいものとして挙げることができる。
(1)クワ科のフィカス属(Ficus)に属する植物としては、好ましくはイヌビワ(F.erecta Thunb)、オオイタビ(F.pumila L.)又はガジュマル(F.microcarpa L.f.)を挙げることができ、モールス属(Morus)に属する植物としては、好ましくはシマグワ(M.astralis Poir.)を挙げることができる。
(2)セリ科のフォエニキュラム属(Foeniculum)に属する植物としては、好ましくはウイキョウ(F.vvlgare Mill)を挙げることができ、ペイセダヌム属(Peucedanum)に属する植物としては好ましくはボタンボウフウ(P.japonicum Thunb)を挙げることができ、アンゼリカ属(Angelica)に属する植物としては好ましくはハマウド(A.japonica A.Gray)を挙げることができ、ブプレウルム属(Bupleurum)に属する植物としては好ましくはミシマサイコ(B.falcatum L.)を挙げることができる。
(3)キク科のエミリア属(Emilia)に属する植物としては好ましくはウスベニニガナ(E.sonchifolia A.DC.)を挙げることができ、アルテミシア属(Artemisia)に属する植物としては好ましくはリュウキュウヨモギ(A.campestris L.)、ニシヨモギ(A.princeps Pamp.var.orientalis Hara)を挙げることができ、ヨウンギア属(Youngia)に属する植物としては好ましくはオニタビラコ(Y.japonica DC.)を挙げることができ、ビデンス属(Bidens)に属する植物としては好ましくはタチアワユキセンダングサ(B.pilosa L.var.radiata Scherff)を挙げることができ、クラッソセオハルム属(Crassoceohalum)に属する植物としては好ましくはベニバナホロギク(C.crepidioides S.Moore)を挙げることができ、クラッソステフィウム属(Crossostephium)に属する植物としては好ましくはモクビャッコウ(C.chinense Mak.)を挙げることができる。
(4)ザクロソウ科のテラゴニア属(Teragonia)に属する植物としては好ましくはツルナ(T.tetragonioides O.K.)を挙げることができる。
(5)ドクダミ科のホウッツィニア属(Houttuynia)に属する植物としては好ましくはドクダミ(H.cordata Thunb)を挙げることができる。
(6)マメ科のビグナ属(Vigna)に属する植物としては好ましくはハマアズキ(V.marina (Burm.)Merr.)を挙げることができる。
(7)アブラナ科のラファナス属(Raphanus)に属する植物としては好ましくはハマダイコン(R.sativus L.var.hortensis)を挙げることができる。
(8)ミカン科のシトラス属(Citrus)に属する植物としては好ましくはヒラミレモン(C.depressa Hayata)を挙げることができる。
(9)ヒルガオ科のイポモエア属(Ipomoea)に属する植物としては好ましくはヨウサイ(I.aquatica Forskal)、グンバイヒルガオ(I.pes-caprae R.Br.)を挙げることができる。
(10)スミレ科のビオラ属(Viola)に属する植物としては好ましくはリュウキュウコスミレ(V.yeoensis Makino var.pseudo-japonica(Nakai)Hashimoto)を挙げることができる。
(11)イネ科のシムボポゴン属(Cymbopogon)に属する植物としては好ましくはレモングラス(C.citratus stapf)を挙げることができる。
(12)フウロウソウ科のゼラニウム属(Geranium)に属する植物としては好ましくはアメリカフウロウ(G.carolinianum L.)を挙げることができる。
(13)イグサ科のジュンカス属(Juncus)に属する植物としては好ましくはイ(J.effusus L.var.decipiens Buchen)を挙げることができる。
(14)ナス科のソラヌム属(Solanum)に属する植物としては好ましくはイヌホウズキ(S.nigrum L.)、メジロホウズキ(S.biflorum Lour.)を挙げることができる。
(15)クマツヅラ科のクレロデンドルム属(Clerodendrum)に属する植物としては好ましくはイボタクサギ(Cl.inerme (L.)Gaertn)を挙げることができ、スタシタルフェタ属(Stachytarpheta)に属する植物としては好ましくはチリメンナガボソウ(S.dichotoma Vahl)を挙げることができ、ビテックス属(Vitex)に属する植物としては好ましくはハマゴウ(V.rotundifolia L.f)を挙げることができ、ランタナ属(Lantana)に属する植物としては好ましくはランタナ(L.camara L.var.aculeateMoldenke)を挙げることができる。
(16)イソマツ科のリモニウム属(Limonium)に属する植物としては好ましくはウコンイソマツ(L.wrightii O.K.)を挙げることができる。
(17)ウリノキ科のアランギウム属(Alangium)に属する植物としては好ましくはウリノキ(A.platanifoliumHarms var.trilobum Ohwi)を挙げることができる。
(18)オオバコ科のプランタゴ属(Plantago)に属する植物としては好ましくはオオバコ(P.asiatica L.)を挙げることができる。
(19)ユリ科のスミラックス属(Smilax)に属する植物としては好ましくはオキナワサルトリイバラ(S.china L.var.kuru Sakaguchi ex Yamamoto)を挙げることができる。
(20)オシダ科のシルトミウム属(Cyrtomium)に属する植物としては好ましくはオニヤブソテツ(C.falcatum(L.f)Presl)を挙げることができる。
(21)シクンシ科のテルミナリア属(Terminalia)に属するとしては好ましくはモモタマナ(T.catappa L.)を挙げることができる。
(22)バラ科のプルナス属(Prunus)に属する植物としては好ましくはカンヒザクラ(P.campanulata Maxim)を挙げることができ、ルブス属(Rubus)に属する植物としては好ましくはナワシロヘビイチゴ(R.parvifolius L.)を挙げることができる。
(23)タデ科のルメックス属(Rumex)に属する植物としては好ましくはギシギシ(R.Japonicus Houttuyn)を挙げることができ、ポリゴナム属(Polygonum)に属する植物としては好ましくはツルソバ(P.chinense L.)を挙げることができる。
(24)アカネ科のガーデニア属(Gardenia)に属する植物としては好ましくはクチナシ(G.jasminoides Ellis f.grandiflora Makino)を挙げることができる。
(25)ショウガ科のアルピニア属(Alpinia)に属する植物としては好ましくはゲットウ(A.apeciosa K.Schum.)を挙げることができる。
(26)トウダイグサ科のユーホルビア属(Euphorbia)に属する植物としては好ましくはショウジョウソウ(E.heterophylla L.)を挙げることができ、リシナス属(Ricinus)に属する植物としては好ましくはトウゴマ(R.communis)を挙げることができる。
(27)ソテツ科のシカス属(Cycas)に属する植物としては好ましくはソテツ(C.revoluta Thunb.)を挙げることができる。
(28)シノブ科のネフィロレピス属(Nephrolepis)に属する植物としては好ましくはタマシダ(N.auriculata(L.)Trimen)を挙げることができる。
(29)キョウチクトウ科のカサランタス属(Catharanthus)に属する植物としては好ましくはニチニチソウ(C.roseus G.Don)を挙げることができる。
(30)イラクサ科のボエメリア属(Boehmeria)に属する植物としては好ましくはノカラムシ(B.nivea Gaudich.F,viridula Hatusima)を挙げることができる。
(31)ウラボシ科のレピソルス属(Lepisorus)に属する植物としては好ましくはノキシノブ(L.thunbergianus Ching)を挙げることができる。
(32)パパヤ科のカリカ属(Carica)に属する植物としては好ましくはパパヤ(C.papaya L.)を挙げることができる。
(33)ヒガンバナ科のクリヌム属(Crinum)に属する植物としては好ましくはハマオモト(C.asiaticum L.Var.Japonicum Baker)を挙げることができる。
(34)ツバキ科のテルンストロエミア属(Ternstroemia)に属する植物としては好ましくはモッコク(T.japonica Thunb)を挙げることができ、カメリア属(Camellia)に属する植物としては好ましくはヤブツバキ(C.japonica L.)を挙げることができる。
(35)マツ科のピヌス属(Pinus)に属する植物としては好ましくはリュウキュウマツ(P.luchuensis Mayr)を挙げることができる。
(36)ノボタン科のメラストマ属(Melastoma)に属する植物としては好ましくはノボタン(M.candidum D.Don)を挙げることができる。
上記植物における使用部位は、根、根茎等の地下部や、茎、樹皮、幹、葉、花、果実等の地上部であってもよく、これらは特に、粉砕したものが好ましく、例えば、粒径3mm以下、好ましくは0.5〜1.0mmの粒径まで粉砕したものが好ましい。3mm以下の粒径とすることにより、有効成分を容易に抽出することができ、0.5〜1.0mmの範囲の粒径であれば、かかる効果がより顕著に得られる。また、植物の生体を粉砕した粉砕物そのままであってもよいが、これらを処理した処理物であってもよい。かかる処理物としては、葉などの植物体に、切断、乾燥、抽出、凍結、加熱、酵素、発酵等の各処理を1又は2以上施したものを挙げることができ、具体的には、植物を粉砕した粉砕処理物、これを乾燥、例えば、常温で風乾した乾燥処理物、あるいは40℃前後で、1〜2日加熱乾燥した加熱乾燥処理物、また、植物の粉砕処理物又は植物の乾燥処理物を溶媒を用いて室温又は加温下において抽出した抽出処理物、更に、これらを凍結乾燥した凍結乾燥処理物等であってもよい。
かかる抽出処理に使用する溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級1価アルコールや、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール、ヘキサン等の非極性溶媒の一種又は二種以上を用いることができる。好ましい抽出方法の例としては、水濃度0〜100容量%のメチルアルコール、エチルアルコール等を用い、0〜80℃で30分〜5日等、好ましくはエチルアルコールを用い、室温で24時間抽出した後濾過する方法等である。かかる抽出処理によって得られた抽出処理物をそのまま、あるいは溶媒を除去した後凍結乾燥した凍結乾燥処理物を本発明の抗酸化剤として使用することができ、また、必要に応じてこれらの抽出物を複数種混合したり、溶媒と混合し混合液としたものも使用することができる。
本発明の抗酸化剤は優れた抗酸化活性を有するものであって、活性酸素の消去作用を有し、活性酸素が起因となる疾病の治療または予防に有用である。ここで、生体内で生成される活性酸素としては、ミトコンドリア等の電子伝達系から漏出するスーパーオキシドや、過酸化水素、銅や鉄等の遷移金属が触媒することによるヒドロキシラジカル、好中球や単球等によって生成される感染防御のための次亜塩素酸、アルギニンの分解により生成するNO等がある。一方、これらの活性酸素に対して、活性酸素消去系としての酵素、低分子化合物があり、生体内において生成と消去のバランスが保たれているが、なんらかの原因でバランスがくずれ活性酸素生成量が過剰になったり、あるいは、大気や食品等から体内に活性酸素が摂取されると、かかる過剰な活性酸素が炎症性疾患、糖尿病、がん、動脈硬化、神経疾患、虚血再潅流障害等の要因となっている。本発明の抗酸化剤はこれらの疾病の予防、治療等に好適に使用することができる。
かかる抗酸化活性の強度はβカロテン法、DPPH法、ロダン鉄法等により測定することができる。ここで、DPPH法とは、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)を利用したラジカル消去能の測定による方法であり、ラジカルを容易に捕捉することにより黒紫色が退色するDPPHを使用し、被検体を加えた液にDPPHを添加すると即時に酸化され、吸光度の変化はラジカルを捕捉したDPPHの量に相当することから、吸光度の変化を測定しDPPHによるラジカル消費率を求める方法である。このラジカル消費率は、その値が小さいものほど、即ち、DPPHの消費量が少ないものほどサンプルのラジカル捕捉反応(酸化反応)が高速に進行したことを示し、被検体の抗酸化活性が高いことを表す。
本発明の抗酸化剤の抗酸化活性の測定は、DPPH法を適用し以下のようにして行うことができる。植物の葉、茎、根等を粉砕し、例えば、粒径3mm以下、好ましくは0.5〜1.0mmの粒径まで粉砕し、サンプル1mgにつき1mLの50%エタノールにより、室温で抽出した抽出物にDPPHを添加して30秒後における吸光度を測定する。この測定した吸光度とDPPH添加前における吸光度との差を、植物の抽出液無添加のコントロールにおける吸光度の減少を100として換算した吸光度の減少率、即ち、ラジカル消費率として求めることができる。このようにして得られた本発明の抗酸化剤のラジカル消費率がコントロールに対して50%以下の優れた抗酸化活性を示す好ましい植物及び/又はその処理物としては、クワ科のフィカス属に属するオオイタビ(F. pumila)、好ましくはその葉、セリ科のブプレウルム属に属するミシマサイコ(B.falcatum)、好ましくはその葉、キク科のアルテミシア属に属するリュウキュウヨモギ(A.campestris)、好ましくはその葉、ヨウンギア属に属するオニタビラコ(Y.japonica)、好ましくはその葉、クラッソステフィウム属に属するモクビャッコウ(C.chinense)、好ましくはその茎、ミカン科のシトラス属に属するヒラミレモン(C.depressa)、好ましくはその葉、ヒルガオ科のイポモエア属に属するグンバイヒルガオ(I.pes-caprae)、好ましくはその葉又は茎、クマツヅラ科のクレロデンドルム属に属するイボタクサギ(C.inerme)、好ましくはその茎、イソマツ科のリモニウム属に属するウコンイソマツ(L.wrightii)、好ましくはその葉又は茎、ウリノキ科のアランギウム属に属するウリノキ(A.platanifolium)、好ましくはその葉又は茎、シクンシ科のテルミナリア属に属するモモタマナ(T.catappa)、好ましくはその葉、バラ科のルブス属に属するナワシロヘビイチゴ(R.parvifolius)、好ましくはその葉、タデ科のポリゴナム属(Polygonum)に属するツルソバ(P.chinense L.)、好ましくはその葉又は根、トウダイグサ科のリシナス属に属するトウゴマ(R.communis)、好ましくはその葉、茎又は根、パパヤ科のカリカ属に属するパパヤ(C.papaya)、好ましくはその葉、ツバキ科のテルンストロエミア属に属するモッコク(T.japonica)、好ましくはその茎、カメリア属に属するヤブツバキ(C.japonica)、好ましくはその葉又は茎、マツ科のピヌス属に属するリュウキュウマツ(P.luchuensis)、好ましくはその葉、ノボタン科のメラストマ属に属するノボタン(M.candidum)、好ましくはその葉を挙げることができ、これらの植物及び/又はその処理物が有するDPPH法によるラジカル消費率を、表1に示す。本発明の抗酸化剤の服用量は、必要に応じ、その形態、投与方法、使用目的及び服用者の年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではないが、一般には抗酸化剤中に含有される有効成分の量が成人1日当り10μg〜200mg/kgである。但し、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。
本発明のNO産生抑制剤は、上述の本発明の抗酸化剤において記載した上記(1)〜(36)の植物及び/又はその処理物から選ばれた一種又は二種以上を有効成分として含有するものであれば、特に限定されるものではなく、かかる(1)〜(36)の植物として、上述の本発明の抗酸化剤において記載した植物と同様の植物を好ましいものとして挙げることができる。本発明のNO産生抑制剤は、生体内で種々の要因により過剰に発現し過剰なNOを生産するiNOSの発現を抑制することによりNO産生抑制するものであり、NO産生抑制を必要とする疾病の治療および予防に有効であり、特に、マクロファージのNO産生を抑制し、マクロファージのNO産生に起因する疾病、炎症、がん等の治療、予防に有用である。本発明のNO産生抑制剤が効能を有するNO産生に起因する疾病としては、例えば、毒性ショックや、LPSやIFN−γ等のサイトカインによる治療等による全身性血圧低下、血圧応答低下、自己免疫疾患、炎症、関節炎、リウマチ性関節炎、糖尿病、炎症性腸疾患、血管機能不全、病因性血管拡張、組織損傷、心臓血管系虚血、痛感過敏症、脳虚血、血管新生を伴う疾病、がん等を例示することができる。
かかるNO産生抑制作用は、化学発光法や電極法、電子スピン共鳴(ESR)法、Griess法等により測定することができる。Griess法はNOの代謝物であるNO とGriess試薬(スルファニルアミドとN−(1−ナフチル)エチレンジアミン)とのジアゾ化カップリング反応により生成する赤色のアゾ化合物について吸光度を測定してその量を検出し、アゾ化合物の生成量からNO 量を算出し、コントロールにおけるNO 量の算出値を100として換算してNO 量の生成率、即ち、NO生成率を求める方法であり、被検体のNO産生作用の評価の指標とするものである。本発明のNO産生抑制剤として優れたNO産生抑制作用を有する好ましい植物及び/又はその処理物としては、クワ科のフィカス属に属するイヌビワ(F.erecta)、好ましくはその葉、オオイタビ(F.pumila)、好ましくはその葉又は実、ガジュマル(F.microcarpa)、好ましくはその葉、モールス属に属するシマグワ(M.astralis)、好ましくはその葉又は茎、セリ科のフォエニキュラム属に属するウイキョウ(F.vvlgare)、好ましくはその葉又は根、ペイセダヌム属に属するボタンボウフウ(P.japonicum)、好ましくはその葉又は根、アンゼリカ属に属するハマウド(A.japonica)、好ましくはその葉、ブプレウルム属に属するミシマサイコ(B.falcatum)、好ましくはその葉、キク科のエミリア属に属するウスベニニガナ(E.sonchifolia)、好ましくはその葉又は茎、アルテミシア属に属するリュウキュウヨモギ(A.campestris)、好ましくはその葉、茎、花又は根、ニシヨモギ(A.princeps)、好ましくはその葉、ヨウンギア属に属するオニタビラコ(Y.japonica)、好ましくはその葉又は花、ビデンス属に属するタチアワユキセンダングサ(B.pilosa)、好ましくはその葉、クラッソセオハルム属に属するベニバナホロギク(C.crepidioides)、好ましくはその葉、クラッソステフィウム属に属するモクビャッコウ(C.chinense)、好ましくはその葉、ザクロソウ科のテラゴニア属に属するツルナ(T.tetragonioides)、好ましくはその葉、ドクダミ科のホウッツィニア属に属するドクダミ(H.cordata)、好ましくはその葉、マメ科のビグナ属に属するハマアズキ(V.marina)、好ましくはその葉又は茎、アブラナ科のラファナス属に属するハマダイコン(R.sativus)、好ましくはその葉、ミカン科のシトラス属に属するヒラミレモン(C.depressa)、好ましくはその葉又は茎、ヒルガオ科のイポモエア属に属するヨウサイ(I.aquatica)、好ましくはその葉、スミレ科のビオラ属に属するリュウキュウコスミレ(V.yeoensis)、好ましくはその葉、イネ科のシムボポゴン属に属するレモングラス(C.citratus)、好ましくはその葉、フウロウソウ科のゼラニウム属に属するアメリカフウロウ(G. carolinianum)、好ましくはその葉、イグサ科のジュンカス属に属するイ(J.effusus)、好ましくはその葉、ナス科のソラヌム属に属するイヌホウズキ(S.nigrum)、好ましくはその葉又は茎、メジロホウズキ(S.biflorum)、好ましくはその葉、クマツヅラ科のクレロデンドルム属に属するイボタクサギ(C.inerme)、好ましくはその葉、スタシタルフェタ属に属するチリメンナガボソウ(S.dichotoma)、好ましくはその葉、ビテックス属に属するハマゴウ(V.rotundifolia)、好ましくはその葉又は実、ランタナ属に属するランタナ(L.camara)、好ましくはその葉又は茎であり、イソマツ科のリモニウム属に属するウコンイソマツ(L.wrightii)、好ましくはその葉又は茎、ウリノキ科のアランギウム属に属するウリノキ(A.platanifolium)、好ましくはその葉又は茎、オオバコ科のプランタゴ属に属するオオバコ(P.asiatica)、好ましくはその葉、ユリ科のスミラックス属に属するオキナワサルトリイバラ(S.china)、好ましくはその葉、オシダ科のシルトミウム属に属するオニヤブソテツ(C.falcatum)、好ましくはその葉、シクンシ科のテルミナリア属に属するモモタマナ(T.catappa)、好ましくはその葉、バラ科のプルナス属に属するカンヒザクラ(P.campanulata)、好ましくはその葉、ルブス属に属するナワシロヘビイチゴ(R.parvifolius)、好ましくはその葉、タデ科のルメックス属に属するギシギシ(R.Japonicus)、好ましくはその葉、ポリゴナム属に属するツルソバ(P.chinense)、好ましくはその葉又は根、アカネ科のガーデニア属に属するクチナシ(G.jasminoides)、好ましくはその葉、ショウガ科のアルピニア属に属するゲットウ(A.apeciosa)、好ましくはその葉、トウダイグサ科のユーホルビア属に属するショウジョウソウ(E.heterophylla)、好ましくはその葉又は花、リシナス属に属するトウゴマ(R.communis)、好ましくはその葉又は実、ソテツ科のシカス属に属するソテツ(C.revoluta)、好ましくはその葉、シノブ科のネフィロレピス属に属するタマシダ(N.auriculata)、好ましくはその葉、キョウチクトウ科のカサランタス属に属するニチニチソウ(C.roseus)、好ましくはその葉、イラクサ科のボエメリア属に属するノカラムシ(B.nivea)、好ましくはその葉又は茎、ウラボシ科のレピソルス属に属するノキシノブ(L.thunbergianus)、好ましくはその葉、パパヤ科のカリカ属に属するパパヤ(C.papaya)、好ましくはその葉、ヒガンバナ科のクリヌム属に属するハマオモト(C.asiaticum)、好ましくはその葉又は実、ツバキ科のテルンストロエミア属に属するモッコク(T.japonica)、好ましくはその葉、茎又は実、カメリア属に属するヤブツバキ(C.japonica)、好ましくはその葉又は茎、マツ科のピヌス属に属するリュウキュウマツ(P.luchuensis)、好ましくはその葉を挙げることができ、これらの植物及び/その処理物が有するNO産生抑制率は、表2に示すように、70%以上である。
また、NO産生抑制作用はNOSによりL−アルギニンからNOと同時に産生されるL−シトルリンの量を測定することにより、検知することができる。L−シトルリンは、塩化第二鉄、ジアセチルモノオキシム、チオセミカルバザイドと、酸性下で反応して吸光度がシトルリンの量に比例して変化することから、L−シトルリンの量を検出することにより、NO産生量を知り、NO産生抑制活性の程度を求めることができる。
更に、これと併用して、MTT法等により生存細胞数を検出することにより、産生されたNO産生量を検出することができ、NO産生抑制活性の程度を求めることができる。かかるMTT法とは、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウムブロミド(MTT)が細胞内のミトコンドリアの脱水酵素の基質であり、生存能の高い細胞ほど還元されるMTT量が多く、その結果生じる黄色〜赤色のホルマザン量が生存細胞数とよく対応することを利用した方法であり、生細胞のみを測定することができる方法であり、630nmを参照波長とし530nmの波長におけるサンプルの吸光度を測定し、以下の計算式によりサンプルの細胞生存率を求めることができる。
細胞生存率=100×B/A
式中、Aはコントロールの530nmの吸光度と630nm吸光度の差を、Bはサンプルの530nmの吸光度と630nmの吸光度の差を示す。本発明のNO産生抑制剤についてMTT法により検出した細胞生存率は、表2に示すように、コントロールより高いものが多く、NO産生が抑制されたことにより細胞が増殖されていることが明かにされている。
本発明のNO産生抑制剤の服用量は、必要に応じ、その形態、投与方法、使用目的及び服用者の年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではないが、一般には抗酸化剤中に含有される有効成分の量が成人1日当り10μg〜200mg/kgである。尚、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。
本発明の医薬組成物は、上記本発明の抗酸化剤又はNO産生抑制剤を有効成分とするものであれば、特に限定されるものではなく、上記活性酸素や、過剰なNO等に誘発される疾病の予防、治療あるいは悪化防止に有効であり、公知の医薬用担体と組合せ製剤とすることができる。医薬用担体としては、本発明の抗酸化剤を薬学的に許容できる液状または固体状の担体を適用することができ、かつ必要に応じて溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤の製剤とすることができる。またこれら製剤は、経口的又は非経口的に投与することができる。すなわち通常用いられる投与形態、例えば粉末、顆粒、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型で経口的に投与することができ、あるいは、例えば溶液、乳剤、懸濁液等の剤型にしたものを注射の型で非経口投与することができるほか、スプレー剤の型で鼻孔内投与することもできる。また、投与量は、疾病の種類、患者の体重、投与形態等により適宜選定することができる。かかる製剤の投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的及びこれに適用される患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではないが、一般には製剤中に含有される有効成分の量が成人1日当り10μg〜200mg/kgである。尚、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。本発明の薬剤はそのまま経口投与するほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。
本発明の食品又は飲料は、上記本発明の抗酸化剤又はNO産生抑制剤を有効成分とするものであれば、特に限定されるものではない。上記活性酸素や過剰なNO等に誘発される疾病の予防、治療あるいは悪化防止には、毎日、適度の抗酸化物質を摂取することが望ましく、その方法として飲食品から摂取するのが望ましく、本発明の抗酸化剤又はNO産生抑制剤を含有する食品又は飲料はその点で極めて有用である。本発明の食品又は飲料は特に限定されるものではなく何れのものであってもよく、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料や、プリン、クッキー、パン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの和菓子、冷菓、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、食用油、マーガリン、ラード、バター、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、チーズ、バター等の乳製品や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ等の各種総菜へ配合して食品として使用することができる。配合量は、特に限定されるものではなく、食品によって適宜選択することができる。
本発明の鮮度保持剤は、本発明の抗酸化剤又はNO産生抑制剤を有効成分とするものであれば、特に限定されるものではなく、生鮮食品、加工食品等の食品に添加、混和あるいは、塗布、浸潤され、また、飲料に添加、混和され、これら食品や飲料の変色、酸化、腐敗等を防止し、食品又は飲料の味や品質の保持に極めて有用である。本発明の鮮度保持剤は、他の保存料、酸化防止剤等食品添加物等と混合して固体食品添加物としても、また、水、エタノール等の液体と混合して液体食品添加物としてもよい。添加量は、対象となる食品によって、適宜選択することができる。本発明の鮮度保持剤の対象食品としては特に制限されるものではないが、添加、混和せしめる対象としては、麺類、パン生地、パイ生地、餃子やシュウマイ、春巻等の餃子類の皮や、魚肉類等の練り製品等の加工食品、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等各種飲料、味噌、しょう油、食用油、マーガリン、ラード、バター、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味料等を挙げることができる。本発明の品質保持剤を添加、混和して品質保持をする方法としては、添加する食品に対して、植物抽出物の乾燥固形分として、0.05〜0.15質量%前後、添加、混和させることができる。
本発明の鮮度保持剤を塗布、浸潤せしめる対象として、果実、野菜、エビ類、カニ類、魚介類、食肉類、チーズ等乳製品等の生鮮食品を挙げることができる。食品を浸漬、又は塗布する液は、植物及び/又は植物抽出物の乾燥固形分として、0.00001〜20質量%を含有させたものが好ましく、より好ましくは0.0001〜10質量%であり、これらを水等に混合させて浸漬液、塗布液とすることができる。この範囲内であれば、食品の風味を損なうことなく品質保持効果を発揮することができる。浸漬時間は、好ましくは30秒〜120時間の範囲であり、好ましくは1〜24時間である。この範囲内であれば、食品の風味や栄養価を損なうことなく品質保持効果を発揮することができる。
本発明の化粧料は本発明の抗酸化剤又はNO産生抑制剤を有効成分とするものであれば、特に制限されるものではなく、美白作用、保湿作用、皮膚の老化防止作用等抗酸化作用等を有するものである。本発明の化粧料としてはクリーム、乳液、ローション、洗顔料、パック等の基礎化粧料、口紅、ファンデーション等のメイクアップ化粧料、ボディソープ、石鹸等に適用することができる。また、頭髪に関するヘアートニック、ヘアーリキッド、ヘアーセットローション、ヘアーブロー剤、ヘアークリーム、ヘアーコート等のヘアー製品やシャンプー、リンス、ヘアートリートメント等の頭髪用トイレタリー等のヘアーケア製品にも適用することができる。化粧料への配合量はその美白作用、保湿作用、抗酸化作用等により、適宜決定すればよい。化粧料の他の成分は通常化粧料に配合されるものが使用できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
実施例1:サンプルの調製
各植物の部位について、粒径1mmに粉砕し、40℃で1〜2日乾燥させた。得られた植物の乾燥体1gを10mLの50%エタノール水溶液により、室温で24時間抽出後、濾過し50%エタノール水溶液抽出物を得た。
参考例:抗酸化活性の測定
実施例1で得られた抽出物について、DPPH法により抗酸化活性を測定した。
実施例1で得られたサンプル0.05mLに、0.05Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)(WAKO(株)社製)0.95mLと、0.1mMDPPH−エタノール溶液(WAKO(株)社製)1.0mLと、100%エタノール1.0mLとを混合して得た試薬を添加した。試薬添加前と、添加30秒後の吸光度(517nm)を分光光度計(島津(株)社製、UV−1200V)を用いて測定した。コントロールとして水を用い、コントロールの試薬添加前後の吸光度の差を100としたときの、サンプルの試薬添加前後の吸光度の差の値を、DPPHによるラジカル消費率として求めた。結果を表1に示す。結果からも、本発明の抗酸化剤はコントロールに対して50%以下のDPPHによるラジカル消費率を示し、優れた抗酸化活性を有することが明らかである。
実施例2:NO産生抑制の測定
24穴マイクロプレートに2×10cell/ウェルになるようにマウスマクロファージ由来RAW264.7細胞を加え、37℃で12時間前培養した。その後、PBS1mLで2回洗浄し、培地のDMEMを0.5mL加え、サンプルを5μL加え、サンプル最終濃度を100μg/mLとした。コントロールにはDMSO5μLを用いた。これに、L−アルギニン10μL(最終濃度を2mMとした。)、LPSを10μL(ブランクを除いた最終濃度を100ng/mLとした。)、IFN−γ10μL(IFN−γのブランクを除いた最終濃度を100U/mLとした。)と、培地のDMEM0.5mLとを加え、プレートをよく振り混ぜ、37℃で24時間培養した。
NO 測定
培養上清500μLに以下の組成のGriess試薬を500μL加え、攪拌後、543nmにおける吸光度を分光光度計(UV−1200V:島津社製)で測定した。コントロールの場合の吸光度を100としてサンプルの吸光度からNO 生成量の割合を求め、NO産生抑制率として、下記の式により算出した。結果を表2に示す。
NO産生抑制率=100×(A−B)/A
式中、Aはコントロールの吸光度、Bはサンプルの吸光度を示す。
Griess試薬
1重量%サルファニルアミドを5重量%リン酸水溶液に溶解した溶液と、0.1重量%N−(1−ナフチル)−エチレンジアミドジヒドロクロライド溶液とを、同容量の割合で混合し用いた。
L−シトルリン測定
培養上清500μLに以下の組成の試薬4を500μL加え攪拌後、100℃で5分間加温後、530nmにおける吸光度を分光光度計(UV−1200V:島津社製)で測定した。コントロールの場合の吸光度を100としてサンプルの吸光度からL−シトルリンの生成量の割合を求め、L−シトルリン産生率として、下記の式より算出した。結果を表2に示す。
L−シトルリン産生率=100×B/A
式中、Aはコントロールの吸光度、Bはサンプルの吸光度を示す。
試薬4
以下の試薬1〜3を混合した。
試薬1 200容量%
蒸留水 220mL
硫酸 100mL
リン酸 80mL
FeCl 100mg
試薬2 100容量%
蒸留水 100mL
ジアセチルモノオキシム 500mg
試薬3 1容量%
蒸留水 20mL
チオセミカルバザイド 200mg
MTT法
上清を取り除いた上記プレートの各ウェルに培地の DMEM500μLと、MTT試薬50μLを加え、37℃で1.5時間培養した。その後、各ウェルにDMSO1mLを加え、超音波(超音波洗浄装置:東京理科器械(株)社製)にて細胞を壊した後、各ウェルに塩酸・2−プロパノール500μLを加えよく攪拌し、630nmを参照波長として570nmの波長における吸光度を分光光度計(UV−1200V:島津社製)で測定した。吸光度から以下の計算式により、細胞生存率を求めた。結果を表2に示す。
細胞生存率=100×B/A
式中、Aはコントロールの吸光度、Bはサンプルの吸光度を示す。尚、吸光度は570nmの波長における吸光度から630nmの波長における吸光度を引いた値とした。
本発明の抗酸化剤や、NO産生抑制剤は植物由来成分として容易に入手でき、生体に対し副作用が少なく安全性が高い抗酸化剤を容易に調製することができ、医薬組成物、食品又は飲料、鮮度保持剤、化粧料を容易に得ることができる。

Claims (1)

  1. リュウキュウマツ(P.luchuensis)及び/又はその処理物を有効成分として含有することを特徴とするNO産生抑制剤。
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