JP4903098B2 - マスタシリンダ - Google Patents
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Description
このマスタシリンダは、シリンダ本体に、補給通路を迂回してリザーバと圧力室を連通するバイパス通路が設けられ、このバイパス通路内に、圧力室内の圧力がリザーバの圧力よりも低くなったときに開弁する逆止弁が介装されている。この逆止弁は、弁孔を有する弁座部材と、弁座部材の弁座に離接する弁体と、弁体を摺動自在に案内するが弁収容孔と、弁体を弁座方向に付勢する付勢スプリングと、を備え、これらがバイパス通路内に設けられた弁室に収容されている。
最初に、図1〜図9に示す第1の実施形態について説明する。
図面において、1は、この発明に係るマスタシリンダであり、2は、このマスタシリンダ1の上部に取付けられたリザーバである。この実施形態のマスタシリンダ1は車両のブレーキ装置に用いられ、運転席のブレーキ操作に連動してブレーキ回路に作動液を供給する。また、ブレーキ回路には図示しないトラクションコントロール用の制御ポンプ(液圧機器)が設けられ、車両の運転状況に応じて、運転者のブレーキ操作とは別にマスタシリンダ1から制御ポンプに作動液が吸引されるようになっている。
さらに、プライマリピストン4には圧力室6に臨む円筒壁4aが設けられ、その円筒壁4aには径方向に貫通する戻し孔17が形成されている。この戻し孔17は、プライマリピストン4が最大に後退した初期位置にあるときに、圧力室6と環状溝14とを導通させ、圧力室6およびブレーキ回路をリザーバ2と同圧の大気圧に維持するようになっている。
なお、図示は省略されているが、セカンダリ側についても、ここで説明したプライマリ側と同様の導通溝や戻し孔の構造が採用されている。
なお、この実施形態の場合、シリンダ本体3の連通孔13a,13b,環状溝14および戻し孔17がこの発明における補給通路を構成している。また、本明細書において、給排孔10は圧力室6の一部を成すものとする。
なお、ここで説明したリザーバ通路35,弁室33,圧力室通路36は、前述した補給通路(連通孔13,環状溝14及び戻し孔17)をバイパスしてリザーバ2と圧力室6を連通するバイパス通路37を構成している。
また、本実施形態においては、圧力室通路36を直接圧力室6と接続しているが、圧力室6の一部をなす給排孔10に圧力室通路36を接続しても良い。
なお、バルブケース38の筒状壁45の下端外周には、図4に示すように、断面の小さいOリング25が装着されている。このOリング25は、蓋部材32をバルブケース38に嵌合したときに、弾性変形を伴って両者に密着し、それによって蓋部材32とバルブケース38を仮固定するようになっている。このOリング25による蓋部材32とバルブケース38の係合力は、カートリッジ39を搬送したり、弁収容ブロック30に組付けたりするときにカートリッジ39が分解しない程度のものとなっている。また、蓋部材32の底壁56の外周は八角形状の係止部56aとされ、その係止部56aが弁室33の凹部31に形成された円形状の係止溝31a(図3参照)に挿入されるようになっている。
また、車両走行中の振動により弁体41が傾くと、圧力室6への液圧負荷時に弁部本体62と弁座40とが直接当接する、いわゆるメタルシールができずに隙間ができてしまい、この隙間に弁シート63が入り込んで損傷する恐れがある。このため、脚部61(摺動部)とバルブケース38の筒状壁45(ガイド部)の間の摺動隙間は、このような弁体41の傾きが発生しないように、ある程度の直角度を保てるように設定されている。
また、図3に示すように、弁室33の凹部31のうちの開口寄りの内周面には雌ねじ66が設けられ、凹部31内にカートリッジ39を嵌入した後に、雌ねじ66にナット67が螺合されることによってカートリッジ39の蓋部材32が弁収容ブロック30に締め付け固定されるようになっている。
さらに、この実施形態においては、蓋部材32が固定のために回転するナット67と別体で構成されており、ナット67による締め込みによって蓋部材32が押圧固定されるようになっているため、カートリッジ39と凹部46の間に介装されるOリング59が固定時に捻られることがなく、安定したシール性能を確実に得ることができる。
ただし、図10に示す第2の実施形態のように、蓋部材132の外周に雄ねじ69を設け、蓋部材132を弁室の凹部に直接ねじ込むようにしても良い。この場合には、さらなる部品点数の削減が可能になる。
この実施形態は、基本的な構成は第1の実施形態とほぼ同様であるが、弁室33の凹部31に収容される逆止弁234の構成が主に異なっている。
具体的には、逆止弁234の構成のうちでも、バルブケース38と蓋部材32によってカートリッジ39が形成されている点や、カートリッジ39内に弁体241と付勢スプリング42が収容される点等は同様であるが、弁体241と、弁体241のガイド部と、リザーバ側フィルタ部材47の取付部の構成が大きく異なっている。
(16)上記各実施形態によれば、前記筒状部の周壁には、前記圧力室通路に連通する径方向孔が形成されているので、バルブケースを介してパイパス通路を形成することができる。
2…リザーバ
3…シリンダ本体
4…プライマリピストン(ピストン)
6…圧力室
13a…連通孔(補給通路)
14…環状溝(補給通路)
17…戻し孔(補給通路)
32…蓋部材
33…弁室
34…逆止弁
35…リザーバ通路
36…圧力室通路
37…バイパス通路
38…バルブケース
40…弁座
41…弁体
42…付勢スプリング(付勢手段)
43…弁孔(軸方向孔)
45…筒状壁(筒状部)
45a…内周面(ガイド部)
48…径方向孔
60…弁部
61…脚部(摺動部)
62…弁部本体
63…弁シート
64…フランジ部
65…溝(通路)
67…ナット(ねじ部材)
Claims (7)
- リザーバから作動液が導入され内部に圧力室を有するシリンダ本体と、前記リザーバから前記圧力室に作動液を補給する補給通路と、前記シリンダ本体内に摺動自在に嵌合されて前記圧力室を画成するとともに摺動位置に応じて前記補給通路を連通、遮断するピストンと、前記補給通路をバイパスして前記リザーバと前記圧力室を連通し、前記圧力室内の圧力が前記リザーバの圧力よりも低いときに開弁して作動液を前記リザーバから前記圧力室へ流通させる逆止弁を有するバイパス通路と、を備えたマスタシリンダにおいて、
前記バイパス通路は、前記シリンダ本体に一体に形成され重力方向下方に開口する凹部によって形成される弁室を有し、該弁室を前記リザーバおよび前記圧力室に連通して形成され、
前記逆止弁は、弁体が弁座に離着座するリフト弁であり、該リフト弁の弁体は、前記弁座と前記弁体を摺動可能に案内するガイド部とが同一部材で形成されたバルブケースの内部に設けられ、
前記凹部には、前記凹部の底面側を小径とする環状段部が形成され、該環状段部よりも前記凹部の小径底面側が前記バルブケースで閉塞され、
前記バイパス通路のうちの、前記弁室と前記圧力室とを連通する圧力室通路は、前記凹部の内周面に前記環状段部の近傍で開口し、該圧力室通路の開口から重力方向上方へ延出して前記圧力室に接続されていることを特徴とするマスタシリンダ。 - 前記バルブケースは、前記弁座と前記弁座に対する前記弁体の離着座によって開閉される連通孔とが形成される弁座部と、該弁座部から重力方向下方に延出し内面が前記ガイド部になった筒状部とが同一部材で構成され、
前記筒状部の周壁には、該筒状部の内面と前記圧力室通路に連通する径方向孔が前記圧力室通路の開口の上端よりも重力方向下方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。 - 前記径方向孔は、前記筒状部の周壁のうちの、前記弁体の作動時に、前記弁体が摺動しない領域に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のマスタシリンダ。
- 前記弁体は、前記ガイド部に対して摺動する摺動部と、その摺動方向の一側に設けられて前記弁座に離着座する弁部を有し、付勢手段により前記弁座に向けて付勢されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマスタシリンダ。
- 前記弁体の摺動部は外周が円形状で、該摺動部の摺動方向長さは該摺動部の直径よりも長く設定されていることを特徴とする請求項4に記載のマスタシリンダ。
- 前記弁体の弁部は、アルミニウムを含む金属材料で製造され前記摺動部と一体の弁部本体と、これに取り付けられて前記弁座に離接するゴム製の弁シートとを備え、該弁シートは、所定以上の圧力で前記弁体の摺動方向に圧縮され、前記弁部本体は、このとき前記弁座に当接することを特徴とする請求項4または5に記載のマスタシリンダ。
- 前記ガイド部に案内される弁体の摺動部は、摺動方向に離間した2つのフランジ部を備えてなることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のマスタシリンダ。
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