JP4902521B2 - ガラスの洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスの洗浄方法に関する。
薄膜トランジスタを用いた液晶ディスプレイ(LCD)などの製造プロセスでは、例えば、LCDの基板としてのガラス基板を比較的大面積のガラス板から切断して取り出す工程がある。このような工程では、ガラス板を切断する際にガラス破片(以下、ガラスカレットともいう)が生じ得る。このようにして生じたガラスカレットは、ガラス基板の表面に比較的強固に付着しており、風圧や払拭などといった比較的弱い物理的な力では除去することが一般的に困難である。
従来、ガラスに付着したガラス破片(ガラスカレット)を除去するためのガラスの洗浄方法としては、ガラス基板などのガラスを研磨することによりガラスカレットを除去し、さらに別途洗浄を実施する洗浄方法が知られている。この種のガラスの洗浄方法では、研磨に伴う力によってガラス基板などのガラスが破損するおそれがあり、しかも、板状のガラス基板の洗浄ではその縁端部の研磨が比較的困難であるため、その部分のガラスカレットが完全に除去できないおそれがあるという問題がある。また、この種のガラスの洗浄方法では、ガラス基板の両面を研磨する場合に、通常、ガラス基板を裏返す工程が必要となり、しかも、研磨後に別途洗浄を実施する必要もあり、作業工程が煩雑なものとなり得る。
これに対して、ガラス基板などの被洗浄体が破損するおそれを低減し、かつ、簡便に洗浄する洗浄方法として、粒子径200μm程度の気泡を含む洗浄液にガラス基板などの被洗浄体を浸漬し、洗浄液に超音波振動を加える洗浄方法が提案されている(特許文献1)。
特開平06−320124号公報
しかし、特許文献1のごとく、粒子径200μm程度の気泡を含む洗浄液のなかに被洗浄体を入れて洗浄液に超音波振動を加える洗浄方法では、埃、塵といった異物をガラス基板などの被洗浄体から除去することは比較的容易であっても、上述したガラスカレットをガラス基板などのガラスから除去することは一般的に困難である。ガラスカレットは、同じ材質のガラスに強固に付着しているため、ガラスカレットをガラス基板から除去するためには、上述した研磨などのように比較的大きな力が必要とされるからである。そこで、被洗浄体であるガラスを破損するおそれの少ない非接触の洗浄方法であって、ガラスに付着したガラスカレットをも除去できる洗浄方法が求められている。
本発明は、上記問題点等に鑑み、ガラスを破損させ得るような力を加えなくとも、ガラスに付着したガラスカレットを除去できるガラスの洗浄方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係るガラスの洗浄方法は、粒子径0.5〜2.0μmの気泡を50万〜90万個/ml含有している水を用いて該水に超音波による振動を加えながらガラスを洗浄することを特徴とする。
上記構成からなるガラスの洗浄方法によれば、粒子径0.5〜2.0μmの気泡を50万〜90万個/ml含有している水を用いて該水に超音波による振動を加えながらガラスを洗浄するため、そのようなガラスの気泡が、ガラスとガラスカレットとの間の非常に狭い隙間に入り込んで、ガラスまたはガラスカレットに付着する。ガラスまたはガラスカレットに付着した前記気泡は、水中で分散しているときより気泡同士で合一しやすくなる。前記気泡同士が合一すると、合一するときの衝撃、または、合一後に粒子径が大きくなる気泡の浮力等により、ガラスからガラスカレットを剥離する物理的な力が生じ、これによりガラスからガラスカレットが除去され得る。
また、前記水に超音波による振動を加えながら前記洗浄を行うことによって、前記気泡に該振動が伝わり、上述のような気泡による洗浄作用がよりいっそう促進され、ガラスに付着したガラスカレットが、さらにガラスから除去されやすくなるという利点がある。
また、本発明に係るガラスカレットの洗浄方法は、前記水が前記気泡を60万〜90万個/ml有していることが好ましい。前記水が前記気泡を60万〜90万個/ml有していることにより、ガラスに付着したガラスカレットが、よりガラスから除去されやすくなるという利点がある。
また、本発明に係るガラスカレットの洗浄方法は、前記水が粒子径0.5以上0.8μm未満の気泡を55万〜80万個/ml含有していることがより好ましい。
さらに、本発明に係るガラスの洗浄方法は、前記超音波の周波数が200kHz〜2MHzであることが好ましい。前記超音波の周波数が200kHz〜2MHzであることにより、さらにガラスから除去されやすくなるという利点がある。
本発明に係るガラスの洗浄方法は、ガラスを破損させ得るような力を加えなくとも、ガラスに付着したガラスカレットを除去できるという効果を奏する。
本発明に係るガラスの洗浄方法は、粒子径0.5〜2.0μmの気泡を含有している水を用いてガラスを洗浄するガラスの洗浄方法である。
以下、本発明に係るガラスの洗浄方法の一実施態様について図面を参照しながら説明する。
本実施態様のガラスの洗浄方法のフローの概略を図1に示す。本実施態様のガラスの洗浄方法は、洗浄水として用いる純水の元となる原水を第1原水タンク1および第2原水タンク2に貯留する原水貯留工程と、純水製造装置3を用いて洗浄水として用いる純水を前記原水から製造する純水製造工程と、前記純水製造工程で製造した純水中に気泡発生器5によって気泡を発生させる気泡発生工程と、前記気泡発生工程において前記気泡を含有することとなる純水のなかに、ガラスカレットが付着したLCD用のガラス基板9を浸漬して、気泡を含有する純水に超音波による振動を加えて洗浄槽6において前記ガラス基板9を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程で洗浄された前記ガラス基板9を乾燥させる乾燥工程とを実施する。
これら工程のうち、まず、前記洗浄工程について詳細を説明する。
前記洗浄工程では、前記気泡発生工程において粒子径0.5〜2.0μmの気泡を含有することとなる洗浄水としての純水を洗浄槽6に入れ、該洗浄槽6に入っている前記純水のなかにガラス基板9を浸漬して、該純水に超音波による振動を加えてガラス基板9を洗浄する。なお、洗浄水としては、被洗浄体であるガラス基板9を洗浄した後に前記洗浄水にある成分が残存しにくいという点で、本実施態様のように純水が好ましい。
本実施態様で用いられるガラス基板9は、比較的大面積のガラス板を切断して切り出されたものであり、ガラス基板9の表面には切断に伴って生じたガラスカレットが付着している。なお、洗浄工程で洗浄されるガラス基板9は、液晶が注入されてガラス基板9が2枚張り合わされた液晶セルの状態であってもよい。また、被洗浄体であるガラスの形状としては、板状ガラス、塊状ガラス等、ガラスでなるものであれば特に限定されない。ガラスの種類としては、ソーダガラス、クリスタルガラス、硼珪酸ガラス等が例示される。
洗浄水として用いる前記純水は、粒子径0.5〜2.0μmの気泡を含有している。洗浄水として用いる前記純水には、粒子径2.0μmを超える気泡が含まれていてもよいが、粒子径2.0μmを超える気泡は、ガラス基板9に付着したガラスカレットを除去しやすくするわけではない。また、ガラス基板9に付着したガラスカレットがより除去されやすくなるという点で、洗浄水として用いる前記純水には、粒子径0.5〜1.0μmの気泡が含まれていることが好ましく、粒子径0.5〜0.8μmの気泡が含まれていることがより好ましい。
また、洗浄水として用いる前記純水には、ガラス基板9に付着したガラスカレットが除去され得るという点で、粒子径0.5μm未満の気泡が含まれていてもよいが、本発明における粒子径の規定方法では、気泡の粒子径の測定限界の下限が0.5μmであるという制限により、下限値として0.5μmを挙げている。
粒子径0.5〜2.0μmの気泡は、洗浄水のなかに50万〜90万個/ml含有されており、60万個〜80万個/ml含有されていることがより好ましい。洗浄水のなかに、粒子径が0.5〜2.0μmの気泡が50万〜90万個/ml含有されていることにより、ガラス基板9に付着したガラスカレットがより除去されやすくなるという利点があり、60万〜80万個/ml含有されていることにより、ガラス基板9に付着したガラスカレットがさらに除去されやすくなるという利点がある。
粒子径0.5〜2.0μmの気泡の数が洗浄水のなかに90万個/ml以下であることにより、ガラスカレットに付着していない気泡の数が多くなりすぎず、従って、例えば、超音波による加える場合に、ガラスカレット付着していない気泡に阻害されることなく、ガラスカレットに付着した気泡を破泡することができる。洗浄の原理が必ずしも解明されているわけではないが、このような作用によって、粒子径0.5〜2.0μmの気泡の数が洗浄水のなかに90万個/ml以下であることにより、ガラス基板9に付着したガラスカレットがより除去されやすくなると考えられる。
また、前記気泡としては、粒子径が0.5以上1.0μm未満の気泡が、洗浄水のなかに50万〜90万個/ml含まれていることがより好ましく、60万〜80万個/ml含有されていることがさらに好ましい。洗浄水のなかに、粒子径が0.5以上1.0μm未満の気泡が50万〜90万個/ml含まれていることにより、ガラス基板9に付着したガラスカレットがより除去されやすくなるという利点があり、60万〜80万個/ml含有されていることにより、ガラス基板9に付着したガラスカレットがさらに除去されやすくなるという利点がある。
前記気泡としては、粒子径が0.5以上0.8μm未満の気泡が、洗浄水のなかに50万〜80万個/ml含まれていることが好ましく、55万〜75万個/ml含有されていることがより好ましく、55万〜65万個/ml含有されていることがさらに好ましい。洗浄水のなかに、粒子径が0.5以上0.8μm未満の気泡が50万〜80万個/ml含まれていることにより、ガラス基板9に付着したガラスカレットがより除去されやすくなるという利点があり、55万〜75万個/ml含有されていることにより、ガラス基板9に付着したガラスカレットがより除去されやすくなるという利点があり、55万〜65万個/ml含有されていることにより、ガラス基板9に付着したガラスカレットがさらに除去されやすくなるという利点がある。
なお、前記気泡の粒子径、前記気泡の数については、前記洗浄工程における値を示したものである。この種の気泡は、いったん発生するとただちに合一したり、破泡したりすることがほとんどないため、通常、前記気泡発生工程において発生した気泡は、粒子径や泡の数がほぼ変わらないまま前記洗浄工程で供され得る。
前記気泡の数および前記気泡の粒子径は、コールター原理(細孔電気抵抗法)により、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製 商品名「Multisizer 3」)を用いて測定される。具体的な測定条件は、温度20℃、電解液ISOTONII、アパチャー径20μm、アパチャーカレント400μA、Kd値30.754、ゲイン8、制御モード100μl(定量)、電解液体積90ml、分析体積100μl、サンプル10mlである。
前記洗浄工程を実施する時間としては、ガラス基板9からガラスカレットが除去され得る時間であれば特に限定されず、通常、10〜180秒間が例示され、好ましくは、30〜90秒間が挙げられる。前記洗浄工程を実施する時間が10秒間以上であることにより、より確実にガラスカレットを除去できるという利点がある。また、180秒間以下であることにより、比較的短時間で洗浄工程を実施することができ、超音波による振動でガラス基板9が破損等の損傷を受ける可能性をさらに低くすることができるという利点がある。
前記洗浄工程では、ガラス基板9に付着したガラスカレットがより除去されやすくなるという点で、洗浄水として用いる純水に超音波による振動が加えられることが好ましい。
粒子径0.5〜2.0μmの気泡を含有する洗浄水に、前記超音波による振動を加えながら前記洗浄を行うことにより、前記気泡の圧力が不安定になって破泡して合一しやすくなり、その破泡時の衝撃によってガラスカレットがガラス表面から剥離されるため、ガラスカレットがさらに除去されやすくなると予想される。
なお、超音波による振動を加えずに前記洗浄工程を実施することもできる。
超音波による振動は、超音波を発信させる装置である超音波発信器7により加えられる。超音波を発信させる装置である超音波発信器7としては、所望の周波数を所望の出力で発生できるものであれば特に限定されず用いられ得る。超音波発信器7は、発生した超音波が効率よく前記純水に加えられ得るという点で、洗浄槽6に直接取り付けられていることが好ましい。なお、発信させる超音波の周波数、出力、時間などは該超音波発信器7を制御することにより調整できる。
前記超音波は、通常、20kHz以上の周波数を有するものであるが、本実施態様で使用する超音波の周波数としては、好ましくは、200kHz〜2MHzが例示され、より好ましくは、400kHz〜1MHzが例示される。超音波の周波数が200kHz〜2MHzであることにより、ガラス基板9に付着したガラスカレットがより除去されやすくなるという利点がある。即ち、ガラス基板9に付着したガラスカレットは、この周波数範囲においてより除去されやすくなり得る。
前記超音波による振動を洗浄水に加えるときの出力は、超音波による振動が加えられる洗浄水との距離、洗浄するための水の量などにより適宜調整され得るが、通常、洗浄水1m3あたり1〜900Wである。
前記超音波による振動を洗浄水に加える時間としては、ガラスカレットが除去できる時間であれば特に限定されないが、好ましくは、30〜90秒間が例示される。前記超音波による振動を加えながら前記洗浄を行う時間が30秒間以上であることにより、ガラスカレットがより除去されやすくなるという利点があり、90秒間以下であることにより、洗浄工程をより効率よく実施することができるという利点がある。
前記洗浄工程は、粒子径0.5〜2.0μmの気泡を含有する洗浄水が入った前記洗浄槽6に、被洗浄体であるガラス基板9を浸漬して実施する。その際、ガラスカレットの除去をより確実にするために、他の手段が採用され得る。例えば、ガラス基板9を縦に置き、除去されたガラスカレットが自重で落下するようにしたり、洗浄水である純水を流動させて除去されたガラスカレットがガラス基板9に再付着するのを防止したりする方法などが採用され得る。また、研磨テープによる回転式研磨装置を用いる方法なども採用され得る。
なお、通常は、前記気泡発生工程で発生させた気泡を含有する洗浄水を前記洗浄槽6に貯めて前記洗浄工程を実施するが、例えば、前記気泡発生工程で発生させた気泡を含有する洗浄水を前記洗浄槽6に送りながら前記洗浄工程を実施することもできる。
また、本実施態様における前記洗浄工程では、被洗浄体であるガラス基板9を洗浄水に浸漬しているが、必ずしも被洗浄体であるガラス基板9を洗浄水に浸漬する必要はなく、例えば、粒子径0.5〜2.0μmの気泡を含有する洗浄水を流しながらガラス基板9に当てて前記洗浄工程を実施することもできる。
次に、本実施態様の他の工程について説明する。
前記原水貯留工程では、洗浄水として用いる純水の元となる原水を第1原水タンク1および第2原水タンク2に貯留する。
具体的には、前記原水貯留工程では、図1に示すように、外部から供給される前記原水を第1原水タンク1に貯留する。また、前記洗浄工程で用いられ、後述する異物除去フィルター8で異物を除去された水をも前記第1原水タンク1に貯留する。さらに、第1原水タンク1から供給される前記原水を第2原水タンク2に貯留する。なお、第2原水タンク2に貯留される前記原水は、続く純水製造工程で用いられ、純水となる。前記第1原水タンク1に供給され、そこからさらに、前記第2原水タンク2へ供給される前記原水は、ポンプ等などの一般的な手段によって運ばれ得る。
なお、前記第1原水タンク1および前記第2原水タンク2を備えることにより、複数の工程の連続的な実施が容易となる。具体的には、例えば、原水を前記第2原水タンク2と前記純水製造装置3との間で循環させながら純水を製造して、製造された純水を純水タンク4に移して純水製造工程を実施することができ、さらに平行して、前記洗浄工程で用いられた水を異物除去フィルター8を通して前記第1原水タンク1に貯留して前記原水貯留工程を実施することができる。
前記純水の元となる原水としては、後の純水製造工程によって純水になり得る水であれば特に限定されず、水道水、工業用水等が例示される。
前記純水製造工程では、前記第2原水タンク2から前記原水の供給を受けて、前記原水から純水製造装置3によって純水を製造し、製造した純水を純水タンク4に貯留する。前記純水としては、例えば、イオン交換、逆浸透膜ろ過、蒸留等、または、これらを組み合わせた方法によって製造されるものが例示される。
前記純水製造装置3としては、純水を製造するために、一般的に用いられているものを使用することができ、例えば、イオン交換膜、逆浸透膜、蒸留装置、またはこれらを組み合わせたものなどが備えられ得る。
なお、本実施態様では、洗浄水として純水を用いているが、被洗浄体であるガラスに要求される洗浄後の清浄程度にあわせて、洗浄水として工業用水、水道水等を用いることもできる。
前記気泡発生工程では、気泡発生器5によって、前記純水製造工程で製造した純水中に気泡を発生させる。なお、前記気泡発生器5によって粒子径0.5〜2.0μmに相当しない粒子径の気泡も発生し得る。
前記気泡発生器5としては、気体及び液体をミキシングポンプにより吸引して、気泡を生成させ、液体及び気体を高速旋回させることによりその気泡をせん断処理して粒子径0.5〜2.0μmの気泡を発生させるものが例示される。具体的には、商品名「バヴィタスHYK−20」、「バヴィタスHYK−25」、「バヴィタスHYK−32」(協和機設社製)などが挙げられる。
前記気泡の数は、気泡発生器5の時間あたりの気泡発生能力を上下させることにより調整でき、また、気泡を発生させている時間の長短により調整できる。
前記気泡となり得る気体の種類としては、特に限定されないが、水に溶解しにくいものが好ましく、安価で扱いやすいという点で空気が好ましい。気泡となる気体の種類としては、目的に応じて、他に、窒素、酸素、ヘリウム、アルゴン、オゾン、これらの混合気体等が用いられ得る。
前記乾燥工程では、洗浄されたガラス基板9を乾燥させる。この乾燥方法は特に限定されず、一般的に採用されている方法で実施することができる。洗浄されたガラス基板9に異物を再付着させない点で、フィルター等により清浄化された空気により乾燥させることが好ましい。
なお、ガラス基板9に付着するガラスカレットの大きさ(粒子径)としては、通常、0.1〜0.5mm程度の大きさが例示される。この種のガラスカレットは個々に様々な形状をしており、通常、被洗浄体であるガラス基板などのガラスに強固に付着している。ガラスカレットがガラスに付着する原理は、明確に解明されているわけではないが、静電相互作用による分子間力の1種であるファンデルワールス力によるものと考えられている。
また、前記洗浄工程で用いられた水は、再度、前記純水製造工程で用いるために前記第1原水タンク1に貯留される。具体的には、前記洗浄工程で用いられた水は、異物除去フィルター8に運ばれ、そこでガラスカレットなどの異物が取り除かれ、異物が取り除かれた水は、前記第1原水タンク1に運ばれて、そこで貯留される。
本発明は、上記例示のガラスの洗浄方法に限定されるものではない。
また、本発明では、一般のガラスの洗浄方法において採用される種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲で採用することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、50mm×50mm×1.4mmのガラス基板を作製した。また、ガラス基板を作製する際に生じたガラスカレット(ガラス基板の破片)を回収、採取した。ガラスカレットの粒子径は、0.1〜0.5mm程度であった。
次に、0.1gのガラスカレットを上記ガラス基板全面に均一に振り掛け、30℃、相対湿度60%の環境下で24時間放置してガラスカレットをガラス基板に付着させた。
続いて、気泡発生器(商品名「バヴィタスHYK−20」 協和機設社製)を用いて5分間、純水のなかに気泡を発生させ、粒子径0.5〜2.0μmの気泡を36万7千個/ml含有する純水を20l調製した。なお、このとき粒子径0.5〜1.0μmの気泡は純水中に33万3千個/mlあり、粒子径0.5〜0.8μmの気泡は純水中に28万4千個/mlあった。気泡の粒子径および個数は、10mlの純水をサンプリングして、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製 商品名「Multisizer 3」)を用いて測定した。
このようにして調製した、気泡を含む25℃の純水10lをステンレス(SUS304)容器のなかに入れて、この純水のなかに前記ガラス基板を浸漬した。前記ガラス基板は、容器に接触しないようピンセットで保持したまま静止させた状態で維持した。この状態で、超音波による振動を加えずに30秒間の洗浄工程を実施して、ガラス基板を洗浄した。
(実施例2)
洗浄工程の実施時間を60秒間とした点以外は、実施例1と同様にしてガラス基板を洗浄した。
(実施例3)
洗浄工程の実施時間を90秒間とした点以外は、実施例1と同様にしてガラス基板を洗浄した。
(実施例4〜6)
洗浄工程において、気泡を有する純水に周波数430kHzの超音波振動を加えた点以外は、それぞれ実施例1〜3と同様にしてガラス基板を洗浄した。なお、超音波振動を与えるための超音波発生器としては、商品名「HIMEGASONIC」(カイジョー社製)を用い、超音波振動を与える条件としては、温度25℃、出力600Wを採用した。また、気泡を有する純水を上記超音波発生器の浴槽に入れ、この純水のなかに前記ガラス基板を浸漬して超音波を照射し、ガラス基板を洗浄した。
(実施例7〜9)
洗浄工程において、気泡を有する純水に周波数950kHzの超音波振動を加えた点以外は、それぞれ実施例1〜3と同様にしてガラス基板を洗浄した。なお、超音波振動を与える際の条件は、周波数以外は実施例4〜6と同様とした。
(実施例10〜18)
洗浄工程において、気泡発生工程を10分間実施して粒子径0.5〜2.0μmの気泡を77万8千個/ml含有する純水を用いた点以外は、それぞれ実施例1〜9と同様にしてガラス基板を洗浄した。
(実施例19〜27)
洗浄工程において、気泡発生工程を15分間実施して粒子径0.5〜2.0μmの気泡を71万6千個/ml含有する純水を用いた点以外は、それぞれ実施例1〜9と同様にしてガラス基板を洗浄した。
(実施例28〜36)
洗浄工程において、気泡発生工程を20分間実施して粒子径0.5〜2.0μmの気泡を67万3千個/ml含有する純水を用いた点以外は、それぞれ実施例1〜9と同様にしてガラス基板を洗浄した。
(実施例37〜45)
洗浄工程において、気泡発生工程を30分間実施して粒子径0.5〜2.0μmの気泡を106万6千個/ml含有する純水を用いた点以外は、それぞれ実施例1〜9と同様にしてガラス基板を洗浄した。
(比較例1〜9)
洗浄工程において、気泡発生工程を実施しなかった純水を洗浄水として用いた点以外は、それぞれ実施例1〜9と同様にしてガラス基板を洗浄した。
実施例において、気泡発生器を用いて気泡を発生させた時間および気泡の粒子径分布を表すグラフを図2に示す。また、その詳細、即ち、各粒子径範囲にある気泡の数を表1に示す。
Figure 0004902521
<評価>
実施例および比較例で洗浄した後のガラス基板について、ガラスカレットの有無を目視およびマイクロスコープを用いて観察した。具体的には、ガラス基板を1×1cmで25区画に区切り、1つでもガラスカレットの残存が観察された区画はガラスカレットが除去されていないと判断し、ガラスカレットの残存が全く観察されなかった区画はガラスカレットが除去されていると判断した。ガラス基板の25区画について、このようにそれぞれ判断した結果をまとめ、ガラスカレットが除去されていた区画数の割合を除去率として算出した。結果を図3に示す。
図3から認識できるように、粒子径0.5〜2.0μmの気泡を含有しない水で洗浄してもガラス基板に付着したガラスカレットは除去できないが、粒子径0.5〜2.0μmの気泡を含有する水による洗浄によれば、ガラス基板に付着したガラスカレットが除去され得る。また、粒子径0.5〜2.0μmの気泡を含有する水に超音波による振動を加えながら洗浄を行うことで、ガラス基板に付着したガラスカレットがより除去され得ることが認識できる。
ガラスの洗浄方法の一実施態様をフローで表した概略図。 気泡発生器の気泡発生時間と気泡の粒子径と気泡の個数とを表す図。 ガラスカレットの除去率を表すグラフ。
符号の説明
1・・・第1原水タンク
2・・・第2原水タンク
3・・・純水製造装置
4・・・純水タンク
5・・・気泡発生器
6・・・洗浄槽
7・・・超音波発信器
8・・・異物除去フィルター
9・・・ガラス基板

Claims (4)

  1. 粒子径0.5〜2.0μmの気泡を50万〜90万個/ml含有している水を用いて該水に超音波による振動を加えながらガラスを洗浄するガラスの洗浄方法。
  2. 前記水が前記気泡を60万〜90万個/ml有している請求項1に記載のガラスの洗浄方法。
  3. 前記水が粒子径0.5以上0.8μm未満の気泡を55万〜80万個/ml含有している請求項1に記載のガラスの洗浄方法
  4. 前記超音波の周波数が200kHz〜2MHzである請求項1〜3のいずれかに記載のガラスの洗浄方法。
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