JPH08213354A - シリコン単結晶ウエーハの洗浄方法および洗浄装置 - Google Patents

シリコン単結晶ウエーハの洗浄方法および洗浄装置

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JPH08213354A
JPH08213354A JP1802495A JP1802495A JPH08213354A JP H08213354 A JPH08213354 A JP H08213354A JP 1802495 A JP1802495 A JP 1802495A JP 1802495 A JP1802495 A JP 1802495A JP H08213354 A JPH08213354 A JP H08213354A
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忠弘 大見
Kazufumi Hirano
一文 平野
Shigechika Nezu
茂義 祢津
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 シリコン単結晶ウエーハの洗浄において、表
面金属不純物と表面パーティクルを同時に除去すること
ができ、しかも工程を短縮することができるウエーハの
洗浄方法およびその洗浄装置の提供を目的とする。 【構成】 重量濃度で、0.05〜20重量%の弗化水
素を含む水溶液で構成される洗浄液4を貯留した洗浄槽
1中に、シリコン単結晶ウエーハWを浸漬し、これに1
00kHz以上で3MHz以下の超音波を作用させて洗
浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体デバイスを製造
するための素材となるシリコン単結晶ウエーハ(以下、
ウエーハと略記する)の洗浄方法と洗浄装置に係り、特
にウエーハの洗浄において面荒れ等を起こさず、しかも
工程の短縮を可能とする洗浄方法と洗浄装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの集積度は、年次を追う
ごとに高密度化する一方であり、それに伴ない、半導体
デバイスを製造する環境を高度のクリーン状態で管理す
ることや、その素材となるウエーハを清浄にすること
が、益々重要になっている。ウエーハ洗浄の主たる目的
は、その表面に付着しているパーティクルや金属不純
物、有機物、表面被膜(自然酸化膜、表面吸着物質)な
どの汚染物質を除去することにより、半導体デバイス製
造時のトラブルを無くし、その製造歩留りを高めると共
に、デバイスとしての信頼性を向上させるためである。
【0003】従来、ウエーハの洗浄方法として最も良く
知られている方法に、米国RCA社のKern氏等が1
960年代に開発したRCA洗浄法がある。この方式に
よる洗浄の代表的なシーケンスは、第1段で、アンモニ
ア/過酸化水素/水(NH4 OH/H22 /H2 O)
をベースとするSC−1(RCA Standard Clean-1)洗浄
液によってパーティクルや有機物を除去し、第2段で
は、塩酸/過酸化水素/水(HCl/H22 /H2
O)をベースとするSC−2洗浄液により、金属汚染物
を除去する組み合わせを基本とし、これに表面被膜を除
去するための弗化水素/水(HF/H2 O)によるDH
F(Dilute HF )洗浄が組み合わされることもある。
【0004】なお、別の方法として、上記SC−2洗浄
液の代わりに特開平3−120719号公報において
は、弗化水素/過酸化水素/水(HF/H22 /H2
O)を使用することが提案されている。ただし、この洗
浄液によれば、金属不純物と表面被膜を同時に除去する
ことができても、パーティクルを満足すべき水準まで除
去することはできないものとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このRCA
洗浄法におけるSC−1洗浄液は、同洗浄液中のアンモ
ニアのエッチング作用を利用して、ウエーハ表面のパー
ティクルや有機物を除去しようとするものである。
【0006】しかしながら、CZ法により引き上げられ
るシリコン単結晶のインゴット中には、その成長中に導
入されるアズグロウン(As-grown)欠陥と呼ばれる結晶
欠陥が存在し、ウエーハ表面部に存在するこの欠陥のエ
ッチング速度は、無欠陥部分と比較し相対的に速いた
め、欠陥部分のエッチングが選択的に進行し、ウエーハ
表面に微細な窪み(ピット)を発生する。
【0007】このピットは、ウエーハ表面に存在するパ
ーティクルを、レーザー光照射による散乱光(輝点)を
測定するパーティクルカウンターで計測しようとすると
き、ピットによる散乱光も同時に検出してしまい、真の
パーティクル数を測定することはできないという弊害を
生じる。したがって、このようなピットをCOP(Crys
tal Originated Particle )と称している。
【0008】このCOPは、半導体デバイスのゲート酸
化膜の電気的耐圧特性を劣化させるとも云われ、半導体
デバイスがより高密度化しようとする趨勢にあって、こ
れまでは問題にされなかったCOP対策も重要な解決す
べき課題となっている。
【0009】また、SC−1洗浄液は、Cuのようにア
ンモニアと錯体を形成しやすい金属に対しては除去効果
が高いが、概して酸を利用する洗浄液に比べ、金属不純
物に対する洗浄力は劣っている。
【0010】他方、SC−2洗浄液は、パーティクルや
有機物に対する洗浄力は弱いが、金属不純物に対する洗
浄効果は優れている。しかし、薬液中に存在する過酸化
水素のために、ウエーハ表面にシリコンの酸化膜が形成
され、そのため金属不純物の濃度が高い場合には、その
効果が弱まると云われている。このようにRCA法を代
表とする従来の洗浄法は、先ずその一工程中で使用する
アンモニアそのものに起因する問題点が存在するほか、
それぞれで洗浄目的や効果の異なる3〜4種類の洗浄液
を組み合わせて使用するため、必然的に洗浄のための工
程が長くなり、多数段の装置と薬液を使用しなければな
らないという問題があった。
【0011】したがって、このような問題点を解決する
ために様々の研究がなされており、前記SC−2洗浄液
の代わりに弗化水素/過酸化水素/水洗浄液を使用する
提案も、その一例であると見られるが、この場合、パー
ティクルや有機物に対する洗浄効果は、まだ満足すべき
ものとは云えなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題点を解決するためになされたもので、請求項1〜請求
項4に記載のウエーハの洗浄方法は、重量濃度で、0.
05〜20%の弗化水素を含む水溶液、もしくは重量濃
度で、0.05〜20%の弗化水素と、1〜20%の過
酸化水素を含む水溶液で構成される洗浄液、またはこれ
らの洗浄液それぞれについて、0.01〜5%の表面活
性剤を添加した洗浄液中にウエーハを浸漬し、これに1
00kHz以上で3MHz以下の超音波を作用させるこ
とを特徴とする。 なお、前記表面活性剤は、請求項5
で記載のように、シリコンウエーハ表面において、負の
界面動電位(ζ電位)を呈する陰イオン表面活性剤とす
るのが良く、請求項6,請求項7で記載のように超音波
の作用が無くとも相応のパーティクル除去の効果がみら
れるものである。
【0013】さらに、本発明の方法を実施するためのウ
エーハ洗浄装置は、請求項8で記載のように、ウエーハ
が浸漬される洗浄液を収容するための容器を、ステンレ
ス材表面に対して、不動態化処理を施した薄板材料から
なるものとし、その容器が振動板として作動するよう、
当該容器の外側に超音波振動子を直接接触せしめるか、
または該容器の外側で接触する、水、油、有機溶剤のよ
うな液状の媒体を介し、超音波振動子の超音波を該容器
に作用させることを特徴とする。なお、前記ステンレス
材表面の不動態化処理は、湿式または乾式法による酸化
不動態処理法によるか、または、弗化不動態処理法によ
るものであることを特徴としている。
【0014】以下、本発明について詳細に説明する。弗
化水素/水(DHF)、または弗化水素/過酸化水素/
水(DHF/H22 )からなる洗浄液を使用する洗浄
方法は、前記引例の特開平3−120719号公報によ
っても公知である。しかし、同公報による洗浄は、その
従来の技術や実施例の記載にもある通り、単にDHF、
またはDHF/H22 で洗浄することを述べているの
みで、本発明のようにこれに超音波を作用させることに
ついては一切触れていない。その理由は、従来の弗化水
素を含む水溶液で半導体基板を処理する時の容器の材質
は、弗素樹脂系を代表とするプラスチック材であること
が前提になっているからであると推測される。事実、弗
化水素を含む水溶液に対して安定した、しかも経済的な
要件をも満たす容器の材質として、弗素樹脂を代表とす
るプラスチック材以外のものは考えにくい。また、DH
Fによる洗浄は、シリコン酸化膜の除去を目的としてい
るが、単にDHF処理したのみの表面は、疎水化される
と同時に活性化し、その後にパーティクルが付着しやす
くなる問題のあることが知られている。
【0015】これに対し、本発明者等は従来のSC−1
やSC−2等の洗浄において、洗浄液中に超音波を作用
せしめるとパーティクル除去の効果が高まるとの経験か
ら、弗化水素/水、または弗化水素/過酸化水素/水に
よる洗浄の場合にも、超音波を印加するとパーティクル
除去の効果が得られることを想定し、その可能性につい
て種々検討を重ねた結果、本発明を完成させたものであ
る。
【0016】ところで、図4は従来の、たとえばSC−
1洗浄に超音波を印加させる装置の一例を示している。
同図において、基台100上には二重構造の洗浄槽10
1,102が配設され、同内側洗浄槽101にはウエー
ハWを保持したカセット103が、洗浄液104中に浸
漬されている。洗浄液供給管106からは、新鮮な洗浄
液が供給され、内側洗浄槽101より外側洗浄槽102
に溢れ出した洗浄液104は、洗浄液排出管107より
排出される。この状態で超音波発振器110からケーブ
ル111、およびリード板112を通して複数個の振動
子113に、一例として800kHzの高周波を与える
と振動板114が振動し、洗浄液に約800kHzの超
音波が印加される。この振動板114の材質として、こ
こでは薄いステンレスまたはタンタル製の薄板が使用さ
れているが、従来の弗化水素を含まない洗浄液の場合
は、このような振動板でも問題は生じない。
【0017】しかし、本発明の場合のように弗化水素を
含む洗浄液を使用すると、前記材質では振動板114が
直ちに腐食し始め、使用できなくなる。そこでまず考え
られたのは、振動板114の材質を弗素樹脂のようなプ
ラスチック材にするか、または内側の洗浄槽101を弗
素樹脂のようなプラスチック材とし、その容器の一部
(底部外側)に振動子113を密接させる方法である。
しかし、これを実際に試験してみるとプラスチック材は
超音波を遮断してしまい、本発明の目的に向かないこと
が判明した。
【0018】次に、プラスチック材(ここでは弗素樹
脂)の厚さを薄くしてみたが、超音波振動子を取り付け
るための接着剤に適当なものがない。しかも、弗素樹脂
は、その表面が多孔質であり、汚れやパーティクルが微
細な穴に入って新たな汚染源となりやすい。そこで、別
のプラスチック材として、ポリプロピレンや塩化ビニル
樹脂等も検討したが、いずれもその厚さを薄くすると機
械的な強度に問題が生じ、しかも数10℃の洗浄液を使
用するとき、その変形が著しくなる。そこで本発明者等
は、耐弗酸性があり、しかも超音波を無駄なく洗浄液に
伝播する材料を検討した結果、本発明のように、弗化水
素を含む洗浄液を収容する容器の、少なくとも内側表面
に対して不動態化処理を施したステンレス薄板からなる
容器(槽)を使用すれば上記目的を達成することが可能
であることを見出し、本発明に到達したものである。
【0019】ここで、印加される超音波は、最低100
kHz以上でPZT振動子による出力が可能な3MHz
までの適用が可能であり、実用的には800kHzまた
は1600kHz辺りのものが採用される。このような
装置を使用し、弗化水素/水、または弗化水素/過酸化
水素/水からなる洗浄液でウエーハの洗浄を行なった結
果、これらの洗浄液による金属不純物や表面被膜を除去
する効果の外、超音波を印加することにより、パーティ
クルや有機物も除去する効果のあることが確認された。
【0020】すなわち、本発明によれば、従来のRCA
洗浄の場合のように、SC−1とSC−2、場合により
DHF洗浄を加える2〜3段階洗浄を、1〜2段階に短
縮して行うことが可能になる。また、この超音波を印加
することの外、陰イオン表面活性剤を加えることによっ
て、パーティクルを除去する効果が更に高められること
が確認された。その理由は、弗化水素/水または弗化水
素/過酸化水素/水で構成される洗浄液中に、陰イオン
表面活性剤を添加すると、パーティクルとシリコンウエ
ーハ表面が同極性のζ電位を示し、電気的に反発するた
めであると考えられる。
【0021】なお、本発明の洗浄方法を実施するに当た
って使用する洗浄液を満たす容器、あるいは超音波を媒
介する振動板の材料としては、その表面に対し不動態化
処理を施したステンレス薄板が加工も容易であり、比較
的に安価な材料である点で好ましく採用される。
【0022】この不動態化処理の第一の方法である酸化
不動態処理法としては、ステンレス薄板の表面に電解研
磨を施し、加工変質層がないように鏡面仕上げをした
後、硝酸のような酸化性の酸で処理する湿式法が挙げら
れる。しかし、耐蝕性をより向上させるには、ステンレ
スの表面層にCr23 、またはCr23 とNiOを
主成分とする層となるように改質する乾式法による方が
有利である。この乾式法によれば、鏡面仕上げされたス
テンレス薄板を400〜500℃でドライ酸化するだけ
では、その表面の95%以上がFe23 で構成され、
そのままでは耐蝕性能に期待は持てないが、次に300
〜400℃で水素還元処理を行うと、このFe23
水素によって選択的にエッチングされ、Cr23 のリ
ッチ層が表面に形成されることによって耐蝕性が付与さ
れる。この効果は、引き続き超高純度のArガス雰囲気
下で500℃で10時間の熱処理を行なえば、更に高ま
り、表面層の80〜90%がCr23 層に変化する。
【0023】また、電解研磨されたステンレス表面を、
酸素1ppm+水素10%を含むAr雰囲気中で500
℃の熱処理を行えば、その表面にCr23 とNiOの
層が形成され、耐蝕性は一層向上する。
【0024】不動態化処理の第二の方法である弗化不動
態処理は、本発明を実施する上で、更に有望な方法であ
る。この方法は、電解研磨を施し加工変質層や自然酸化
膜がないように鏡面仕上げされたステンレス薄板の表面
を、100%の弗素ガス中で200〜400℃で数分〜
数10分の弗素化処理を施し、その表面にFeF2 膜を
形成させることにより行われる。この膜は、次いで不活
性ガス雰囲気下で300〜500℃の熱処理を施すこと
によって、更に安定化する。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (試験例)まず、本発明の実施にあたって使用される洗
浄液の効果について、その試験結果を表1により説明す
る。
【0026】
【表1】
【0027】従来法1は、SC−1洗浄のみを行なった
後、純水リンスしたウエーハについて、従来法2と3
は、従来法1の処理を受けたウエーハを異なる濃度のS
C−2洗浄液で洗浄した後、純水リンスしたウエーハに
ついて、その表面の不純物分析を行なったものである。
同じく試験例1と2は、異なる濃度のDHFで洗浄した
後に純水リンスしたウエーハ、試験例3と4は、異なる
濃度のDHF/H22 で洗浄した後に純水リンスした
ウエーハについて、その表面の不純物分析を行なったも
のである。
【0028】なお、この試験では、後述のパーティクル
測定におけるCOPの影響を排除するために、一般にC
OPの発生の全くないFZ法によって製造した直径15
0mmのノンドープシリコンウエーハを使用した。各洗
浄液による処理条件は60℃/3分とし、純水リンスは
常温(25℃)で行なった。また、表面分析は、前記洗
浄処理後のウエーハを希弗酸で洗浄した液について、I
CP質量分析法で測定した。その結果を表1でみると、
従来法におけるSC−1洗浄のみのウエーハの金属不純
物濃度は高いが、従来法2と3、および試験例1〜4に
おける洗浄の効果は、ほぼ同水準にあることが解る。な
お、N.D.はE8(108 )以下の検出限界とされる
表面不純物濃度である。
【0029】(実施例1)表2は、前記試験用に使用し
たものと同様のウエーハ3枚単位に対し、同じく前記試
験例1〜4で使用した各洗浄液による洗浄処理を、超音
波の印加なしに行なった場合(比較例)と、800kH
zの超音波を印加しながら洗浄した場合(実施例)につ
いて、ウエーハ表面におけるパーティクル除去の効果を
調べたものである。
【0030】
【表2】
【0031】このパーティクル測定は、パーティクルカ
ウンター (LS-6030) により行われ、測定された3枚の
ウエーハ表面についての平均値(箇数)である。なお、
この洗浄は、図3で模式的に示される装置により行なっ
た。結果として、ウエーハ表面に付着するパーティクル
は超音波の作用によって、約1/2から1/3に低減し
ていることが解る。
【0032】(実施例2)前記試験例で使用したものと
同様のウエーハ3枚単位について、同一の洗浄条件によ
り、表1の試験例1で使用したDHF(HF=0.5重
量%)に各種の表面活性剤を添加した場合と、さらにこ
れに超音波を印加させた場合の効果について試験した。
なお、表面活性剤の添加量は一律0.2%とし、装置は
同じく図3によるものを使用した。
【0033】その結果は表3のウエーハ表面のパーティ
クル箇数の各平均値で示されるとおり、陰イオン表面活
性剤について、著しくパーティクル除去の効果のあるこ
とが認められた。ここで共通していることは、いずれ
も、シリコンウエーハ表面における界面動電位(ζ電
位)は負の値を示していることで、その効果は、試験さ
れた表面活性剤の種類の如何を問わず共通の現象となっ
ている。しかもその効果は、超音波を印加することによ
って一層高まることが確認された。なお、上記で用いら
れる陰イオン表面活性剤としては、負のζ電位を呈する
ものであればよく、例えばステアリン酸ソーダのほか、
アルキル硫酸エステルナトリウム、オレフィン硫酸エス
テルナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム等の一般的なものを用いればよい。また、試験例3で
使用したDHF/H22 (HF=0.5重量%、H2
2=2.0重量%)について同様の試験を行なったと
ころ、表3とほぼ同一の結果が得られた。
【0034】
【表3】
【0035】(実施例3)図1および図2は、本発明の
方法を実施するに当たって使用される洗浄装置の要部を
説明する概略図である。図1において、1は本発明が適
用される弗酸含有の洗浄液4が貯留される洗浄槽であ
り、その材質は、洗浄液4が接する洗浄槽1の内面、ま
たはその内外両面に対して不動態化処理が施されたステ
ンレス材からなっている。その不動態化処理は、湿式ま
たは乾式法による酸化不動態処理によるか、または弗化
不動態処理によるか、いずれであっても良い。ただし、
本発明が適用される高い周波数領域(100kHz以
上)の超音波の伝播性や、洗浄槽としての強度を考慮す
る時、その厚さは、0.1mm以上で1mm以下である
ことが望ましい。そうして洗浄槽1の外側の一部分(図
1では容器1の底部)には洗浄液4に超音波を付与する
ための振動子13が密着状態で接着されている。
【0036】Wは、洗浄処理を施されるウエーハであ
り、3はウエーハWを洗浄液4中で保持するためのカセ
ットである。このカセット3は、複数枚のウエーハを保
持する洗浄用バスケット型のものであってもよいし、単
枚でウエーハを保持する型のものであっても良い。ま
た、その材質は耐弗酸性のある弗素樹脂やポリプロピレ
ン、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂等で良いが、数10
℃の熱水で洗浄する時は熱的、機械的変形の少ない弗素
樹脂材料が適当である。しかしながら、この場合、弗素
樹脂そのものが汚れ易くて、逆にウエーハの汚染源とな
ることがあるので、その清浄状態を保つための管理に留
意する必要がある。このような状態で超音波発振器10
からケーブル11、リード板12、振動子13を通して
高周波を与えると、洗浄槽1の振動子密着部分が図2に
おける振動板14と同等に機能し、洗浄槽1中のウエー
ハWに超音波が作用する。
【0037】図2は、図1における振動子13の密着部
分のみに、不動態化処理を施したステンレス薄板を振動
板14として機能させた構造の洗浄槽1であって、同洗
浄槽の他の部分は耐弗酸性のある樹脂材料、または同樹
脂材料でライニングされた構造の洗浄槽1で構成され
る。また、従来法の例として説明した図4の装置におい
て、その振動板114に相当する部分のみを不動態化処
理を施したステンレス材に置き換えれば本発明を実施す
ることができる。このような装置によれば洗浄液を入れ
替えながらウエーハ洗浄を行なうことができる。
【0038】(実施例4)図3は、本発明の洗浄装置の
別の実施態様を示す装置の要部を説明する概略図であ
る。この装置によれば、不動態化処理を施されたステン
レス材からなる洗浄槽1は、特に耐弗酸性が要求されな
い通常の金属材料、またはプラスチック材からなる外側
容器2内に保持される。洗浄槽1内には洗浄されるウエ
ーハWと、それを保持するカセット3が洗浄液4中に浸
漬されており、それぞれの部材等に対する条件は、実施
例3の場合と同様である。
【0039】外側容器2内には、超音波を伝播する媒体
となる流体5が満たされている。この流体は通常の水で
あっても良いし、非揮発性の加熱媒体を兼ねた油状物質
であっも良い。ただし、外側容器2の底部は振動板14
として作動するように、通常のステンレス、またはタン
タルの薄板で構成されることが要件であって、該容器の
周壁部は底部と同一材料とするか、前述のような任意の
材料とするかについて特に制限は無い。なお、前記底部
の振動板14には、超音波振動子13が密着状態で接着
されている。
【0040】この装置において、超音波発振器10から
ケーブル11、リード板12、振動子13を通して高周
波を発振すると、外側容器2の振動子13の密着部分が
振動板14として機能し、同容器中の流体5を超音波の
媒体とし、洗浄槽1を通して同槽中のウエーハWに超音
波が作用する。
【0041】この装置の特長は、洗浄槽1が消耗した場
合の交換が容易である外、超音波振動板14における材
料の寸法的制限を緩和すると共に、媒体となる流体5を
通して洗浄槽1のほぼ全表面に超音波を印加させること
が可能になる。また、比較的に小容量の洗浄槽と洗浄液
の組み合わせを単位とした洗浄槽の出し入れによる処理
や、単一の外側容器中で、複数の洗浄槽を配置する等の
設備装置としての融通性が増すという効果が得られる。
【0042】
【発明の効果】本発明の洗浄方法によれば、シリコン単
結晶ウエーハの洗浄において、金属不純物や表面被膜を
除去する効果はあったが、パーティクル等の異物を除去
する効果の薄かった、弗化水素/水や、弗化水素/過酸
化水素/水系の洗浄液において、これに陰イオン表面活
性剤を添加すると共に、さらに100kHz以上で3M
Hz以下の超音波を作用させることによりパーティクル
除去の効果を上げることができる。
【0043】しかも、この効果によって、従来の2〜3
種以上の薬液による洗浄工程を1〜2種と、短縮させる
ことが可能である。また、従来の洗浄方法の主流である
アルカリ系洗浄液で問題となっていた結晶欠陥に起因す
るウエーハ表面のCOP問題を解消することもできる。
さらに、本発明の洗浄装置によれば、従来より弗酸系の
洗浄液に対して超音波を併用させる適当な装置が無かっ
た問題が解決され、そのことによって、上記洗浄方法を
実用化することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン単結晶ウエーハの洗浄装置の
一例を示す概要説明図。
【図2】本発明のシリコン単結晶ウエーハの洗浄装置の
他の一例を示す概要説明図。
【図3】本発明のシリコン単結晶ウエーハの洗浄装置の
さらに他の一例を示す概要説明図。
【図4】従来のシリコン単結晶ウエーハの洗浄装置の一
例を示す概要説明図。
【符号の説明】
1…洗浄槽 100…基台 2…外側容器 101…内側洗浄槽 3…カセット 102…外側洗浄槽 4…洗浄液 103…カセット 5…流体 104…洗浄液 10…超音波発振器 106…供給管 11…ケーブル 107…排出管 12…リード板 110…超音波発振
器 13…振動子 111…ケーブル 14…振動板 112…リード板 W…ウエーハ 113…振動子 114…振動板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大見 忠弘 宮城県仙台市青葉区米が袋2−1−17− 301 (72)発明者 平野 一文 東京都府中市府中町2−1−14 京王府中 2丁目ビル 株式会社プレテック内 (72)発明者 祢津 茂義 マレーシア国,セランゴール州,ウル・ク ラン・フリー・トレイド・ゾーン,ロロン グ・エンガンク 35,ロットナンバー2 エス・イー・エイチ・マレーシア・センデ イリアン・ベルハット内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量濃度で、0.05〜20%の弗化水
    素を含む水溶液で構成される洗浄液中にシリコン単結晶
    ウエーハを浸漬し、これに100kHz以上で3MHz
    以下の超音波を作用させて洗浄することを特徴とするシ
    リコン単結晶ウエーハの洗浄方法。
  2. 【請求項2】 重量濃度で、0.05〜20%の弗化水
    素と、1〜20%の過酸化水素を含む水溶液で構成され
    る洗浄液中にシリコン単結晶ウエーハを浸漬し、これに
    100kHz以上で3MHz以下の超音波を作用させて
    洗浄することを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの洗
    浄方法。
  3. 【請求項3】 重量濃度で、0.05〜20%の弗化水
    素と、0.01〜5%の表面活性剤を含む水溶液で構成
    される洗浄液中にシリコン単結晶ウエーハを浸漬し、こ
    れに100kHz以上で3MHz以下の超音波を作用さ
    せて洗浄することを特徴とするシリコン単結晶ウエーハ
    の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 重量濃度で、0.05〜20%の弗化水
    素と、1〜20%の過酸化水素、および0.01〜5%
    の表面活性剤を含む水溶液で構成される洗浄液中にシリ
    コン単結晶ウエーハを浸漬し、これに100kHz以上
    で3MHz以下の超音波を作用させて洗浄することを特
    徴とするシリコン単結晶ウエーハの洗浄方法。
  5. 【請求項5】 前記表面活性剤が、シリコン単結晶ウエ
    ーハ表面において、負の界面動電位(ζ電位)を呈する
    陰イオン表面活性剤とすることを特徴とする請求項3ま
    たは請求項4のいずれかに記載のシリコン単結晶ウエー
    ハの洗浄方法。
  6. 【請求項6】 重量濃度で、0.05〜20%の弗化水
    素と、0.01〜5%の負の界面動電位(ζ電位)を呈
    する陰イオン表面活性剤を含む水溶液で構成される洗浄
    液中にシリコン単結晶ウエーハを浸漬して洗浄すること
    を特徴とするシリコン単結晶ウエーハの洗浄方法。
  7. 【請求項7】 重量濃度で、0.05〜20%の弗化水
    素と、1〜20%の過酸化水素、および0.01〜5%
    の負の界面動電位(ζ電位)を呈する陰イオン表面活性
    剤を含む水溶液で構成される洗浄液中にシリコン単結晶
    ウエーハを浸漬して洗浄することを特徴とするシリコン
    単結晶ウエーハの洗浄方法。
  8. 【請求項8】 前記シリコン単結晶ウエーハが浸漬され
    る洗浄液を収容するための容器は、ステンレス材表面を
    不動態化処理を施した薄板材料からなるものとし、その
    容器が振動板として作動するよう、当該容器の外側に超
    音波振動子を直接接触せしめるか、または該容器の外側
    で接触する、水、油、有機溶剤のような液状の媒体を介
    し、超音波振動子の超音波を該容器に作用させて洗浄す
    ることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの洗浄装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ステンレス材表面の不動態化処理
    は、湿式または乾式法による酸化不動態処理法によるも
    のであることを特徴とする請求項8に記載のシリコン単
    結晶ウエーハの洗浄装置。
  10. 【請求項10】 前記ステンレス材表面の不動態化処理
    は、弗化不動態処理法によるものであることを特徴とす
    る請求項8に記載のシリコン単結晶ウエーハの洗浄装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11176784A (ja) * 1997-12-12 1999-07-02 Mitsubishi Electric Corp シリコンウエハの洗浄方法、洗浄装置および洗浄槽
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WO2014123287A1 (ko) * 2013-02-07 2014-08-14 주식회사 엘지실트론 웨이퍼 수납용 카세트 및 웨이퍼 세정 장치

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