JP4902021B2 - レール鋼のフラッシュバット溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レール鋼のフラッシュバット溶接方法に関する。特に本発明は、高炭素過共析レール鋼溶接部の熱影響部を低減し、レールの偏摩耗及び表面損傷を低減することができるレール鋼のフラッシュバット溶接方法に関する。
本願は、2009年10月30日に、日本に出願された特願2009−251071号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
フラッシュバット溶接は鉄鋼材料の溶接方法として広く普及している。その特徴として、自動化が可能であり、品質の安定性が高く、溶接時間が短いなどの長所を有することが挙げられる。
フラッシュバット溶接方法の原理を、図1A〜図1Dを用いて説明する。
まず図1Aに示すように、対向して設置された被溶接材料としての一対のレール鋼1A、1Bそれぞれに、電源3から電極2を介して電圧をかける。これとともに、レール鋼1Aを矢印4方向に移動させて、レール鋼1A、1Bの溶接面となる互いの端面を徐々に接近させる。そうすると、局所的に短絡電流が流れ、抵抗発熱により急速に加熱され溶融に至る。この結果、一対のレール鋼1A、1B間は溶融金属で橋絡される。この橋絡部では、図1Bに示すように、アークが発生し、溶融金属の一部が飛散する(フラッシュ)。さらに、フラッシュが生じるとともに抵抗発熱とアーク発熱で端面が加熱され、これらが連続的に繰り返される。これらはフラッシュ工程と呼ばれる。
また、図1Cに示す工程は、前述したフラッシュ工程におけるレール鋼1A、1Bの端面全体への入熱を短時間で行うことを目的とした工程であり、予熱工程と呼ばれる。予熱工程では、まず一対のレール鋼1A、1Bを強制的に接触させた状態で一定時間大電流を流し、抵抗発熱により端面付近を加熱する。その後、一対のレール鋼1A、1Bを引き離す過程を数回繰り返す。
予熱工程は溶接面への入熱を効果的に行い、溶接時間の短縮効果が得られるため、フラッシュ工程と組み合わせる溶接方法が採用されている。また、フラッシュバット溶接は大気雰囲気で行われるため、形成される溶融金属部には多量の酸化物が生成する。
フラッシュ工程中に一対のレール鋼を互いに接近させるスピードをフラッシュ速度という。またフラッシュ工程中にレール鋼が接近し溶融金属が飛散し被溶融物が除去された溶損量をフラッシュ代という。溶接面への入熱が不十分な状態でフラッシュ速度が大きくなりすぎると、アーク及び溶融金属の飛散が生じることなく接触面積が一気に大きくなり、大電流が流れ、連続的にフラッシュが生じないフリージングという現象が生じる。このフリージングは、曲げ性能を阻害する要因となる酸化物を生成させるので可能な限り回避する必要がある。フリージングを生じさせないようにするには、溶接面への適正な入熱とフラッシュ速度のバランスが重要である。
フラッシュ工程によって、最終的に溶接面の全面が溶融された状態の後、図1Dに示すように、大加圧力でレール鋼1A、1Bの溶接面同士を急速に密着させ、溶接面の溶融金属の大部分を外部へ排除し、溶接面後方の高温に加熱された部分に加圧・変形を与えて接合部を形成する。これらはアプセット工程と呼ばれる。
このとき、溶接中に生成された酸化物は、排出されるとともに、微細・分散化されるため、曲げ性能を阻害する欠陥として接合面に残存する可能性を低くすることが可能である。
アプセット工程で接合面外に排出された酸化物(ビード部)は後工程において熱間せん断などにより除去される。
このようなフラッシュバット溶接は、各溶接工程が自動化されており、全溶接工程の合計溶接時間が1.5〜4分と短く、溶接能率が高いため、レール分野においても工場溶接法として多く採用されている。また、溶接装置をコンパクト化して、軌道における現地溶接としても利用されている。
上記したように、フラッシュバット溶接は、一対の鋼材端面を加熱により溶かした後、端面同士を加圧密着させて一対の鋼材を接合する技術である。ここで、フラッシュバット溶接において被溶接材である鋼材は、室温から融点まで加熱するまでの昇温過程と、その後の冷却過程とを経るため、金属組織に変化が生じる。このような、溶接に伴う被溶接材の組織や硬さなどの機械的性質の変質域は熱影響部(HAZ)と呼ばれる。
このHAZの範囲を求める場合、機械的性質の変質域の確認は硬さ測定などの手間を要するので、ミクロ・マクロ観察により比較的簡易に母材と識別可能な範囲をHAZと呼ぶ場合が多い(非特許文献1)。本明細書では、後述のミクロ・マクロ観察により母材と識別可能な範囲をHAZと呼ぶ。
高炭素過共析鋼を用いたレール鋼はCを0.85〜1.20%含有し、パーライト組織を呈している。パーライト組織は炭素をほとんど含まないフェライトと呼ばれる純鉄相と、セメンタイトと呼ばれる炭化鉄(Fe3C)の層が交互にかつ緻密に重ねあわされた層状構造を呈している。パーライトが生成する過程では変態エネルギーがフェライトとセメンタイトの界面エネルギーに変換されるため、このような層状組織が形成される。
ここで、パーライト組織を呈するレール鋼の昇温過程における組織変化は以下のとおりである。
(1)室温から500℃まではパーライト組織は変化しない。
(2)550℃を超えると、層状組織の界面エネルギーを減らす方向の構造の変化、すなわちセメンタイトの分断、球状化が始まる。このとき温度が上がるほど、セメンタイトの球状化は進む。
(3)Ac1変態点の720℃付近からパーライト組織がオーステナイト組織へ変態を始める。その結果、金属中にフェライト、球状化したセメンタイト(球状化セメンタイト)、オーステナイトの三相が共存する温度域が存在する。
(4)さらに温度が上昇すると、フェライトもしくはセメンタイトのいずれかの相が消失し、オーステナイトと球状化セメンタイトもしくはオーステナイトとフェライトの2相組織となる。
(5)さらに温度が上昇すると、オーステナイトの単相組織となる。
(6)さらに温度が上昇し、融点(固相線温度)を超えると、オーステナイト組織中に溶融相が生成する。
(7)さらに温度が上昇すると完全に溶融する。
フラッシュバット溶接では、溶接面からの距離に応じて最高到達温度が異なる。すなわち、溶接面では融点以上に達するが、溶接面から十分に遠方の部分では室温のままである。つまり、パーライト組織を呈するレール鋼のHAZ領域には最高到達温度に従って、上記(1)〜(7)のいずれかの組織変化が生じる。具体的には、溶接面から十分に遠方の部分から、溶接面に近づくにつれて、(1)パーライト域(無変化)、(2)球状化セメンタイト域、(3)オーステナイト、フェライト、球状化セメンタイトが共存する3相域、(4)オーステナイトとフェライトもしくはオーステナイトと球状化セメンタイトの2相域、(5)オーステナイト単相域、(6)オーステナイト相と溶融相が混在する領域、(7)完全溶融域、となる。
昇温過程において変化したこれらの組織は、溶接の加熱プロセスが終了すると、冷却により、それぞれの組織から温度低下に応じた組織変化が生じ、この組織変化に応じて硬度分布が生じる。硬度分布は組織、成分によって異なるが、一例として、重荷重鉄道用の母材硬度Hv420レベルの高強度レール鋼の場合を例に挙げて以下説明する。
(1)パーライト域(昇温過程で組織変化を受けていない部分)は冷却後も元の組織と変らない。
(2)球状化セメンタイト域において、球状化セメンタイトはそのままの状態で冷却され、室温でも球状化組織を呈する。球状化セメンタイト組織の硬度は低く、Hv300程度である。つまり、昇温過程において、最高到達温度が上がるに従って、セメンタイトの球状化が進んでいるため、溶接面に近いほど球状化セメンタイトが多く存在している。そのため、球状化セメンタイト域では、冷却過程において溶接面に近くなるほど軟化する。
(3)オーステナイト、フェライト、球状化セメンタイトが共存する3相域は温度低下に伴い、オーステナイトがパーライトに変態するが、球状化セメンタイトはそのまま室温まで冷却される。最高到達温度が上がるに従って、オーステナイト相率が増え、冷却後にパーライトとなる分率が増加するため、溶接面に近くなるほど硬度は回復していく。球状化セメンタイト組織の硬度は低く、Hv300程度である。
(4)フェライトとオーステナイト、もしくはオーステナイトとセメンタイトの2相域は、冷却時にオーステナイトがパーライト組織に変態する。最高到達温度が上がるに従って、オーステナイトの分率が増加し、冷却後にパーライトとなる分率が増加するため、溶接面に近くなるほど硬度は回復していく。
(5)オーステナイト単相域においては、オーステナイトがパーライト組織に変態する。この領域の硬度はほぼ一定となる。
(6)溶融相が存在するオーステナイト域においては、まず液相が凝固してオーステナイトになるため、オーステナイト単相になり、その後、パーライト組織に変態する。この領域のほぼ硬度はほぼ一定となる。
(7)溶融域は、まず凝固してオーステナイト単相になり、その後、パーライト組織に変態する。この領域の硬度はほぼ一定となる。
このように、いずれの温度域から冷却された部位でも、最終的にはフェライトとセメンタイトが層状組織となったパーライト組織になる。しかし、上記(2)〜(3)の領域は球状化したセメンタイト組織が含まれるため軟化しており、球状化セメンタイト組織の分率に応じて硬度変化が生じることになる。
このため、レール鋼の溶接部には硬度が低下した軟化部が生じる。軟化部のレール長手方向長さが長く、さらに硬度低下が著しいと、レールの頭部における車輪の通過により、軟化部で偏摩耗が進むことになり、さまざまな問題が生じる。
特許文献2には、フラッシュバット溶接されたパーライト鋼の継手の溶接部硬さ分布が示されており、この文献では、HAZ幅は42mm程度、軟化幅は25から30mm程度となっている。
一方、特許文献3には、鉄道レールでは、軟化幅が車輪とレールの接触領域程度より小さければ偏摩耗は起こりにくく、さらに、車輪とレールの接触領域は15mm程度と考えられることから、母材硬度からHv50以上低下した軟化幅は15mm以下とすることが望ましいことが記載されている。
図2Aに、高炭素過共析レール鋼を従来のフラッシュバット溶接方法によって溶接して形成された継手の溶接部の長手方向マクロ断面を示す。図2Bに、図2Aに示す継手の溶接部近傍における、レール表層から下方に5mm位置の硬さ分布を示す。
また、溶接には、AC電源で変圧器容量240kVA、アプセット荷重70kNのフラッシュ溶接機を用い、予熱回数は7回、かつ後述の図3で示す初期フラッシュ工程と前期フラッシュ工程の合計時間を120sec、後期フラッシュ工程における後期フラッシュ速度を0.5mm/sec、後期フラッシュ代を3mmとした。
図2A及び図2Bからわかるように、マクロ断面から判断されるHAZ境界は、硬さ変化が生じた範囲よりも溶接部中央側に位置し、硬さが最も低下した位置の若干外側に位置している。図2Bでは、HAZ幅は35mmで、軟化幅は19mmとなり、上述の偏摩耗の恐れがある結果となっている。
なお、軟化幅は、母材の硬さを下回る範囲とする。実際には、母材硬さにも若干のばらつきが生じるため、(母材硬さの平均値−3×標準偏差)を下回る範囲とする。
ただし、溶接中央部については、特許文献1に示すように熱処理を行えば母材同等の硬さに回復させることが可能なため、基本的には軟化部に含めないこととする。なお、熱処理を実施せず、または熱処理の効果が少なく、溶接中央部の硬さが母材硬さに満たない場合では、硬さ分布の溶接中央部側に補助線を引き、この線が前述の(母材硬さの平均値−3×標準偏差)と交わる範囲を軟化幅とする。図2Bでは、この方法によって求めて、軟化幅は19mmとした。
このような、フラッシュバット溶接部の軟化の問題に対して、次のような技術が提案されている。
特許文献3においては、当て金を装着した状態でレールをフラッシュバット溶接することにより、溶接の際にレールの頭部を当て金により冷却する技術が開示されている。当て金とレールとの接触範囲は、レールの断面内において少なくともレールの頭頂面を含んでおり、頭頂面における接触範囲のレール軸方向の長さが15mm以上である。当て金と頭頂面と接触する部分の厚みは10mm以上である。当て金のレール端面側の先端は、溶接前のレール端面から20mm以上50mm以内に位置する。この技術を用いると、母材硬度よりHv50以上低下している長手方向の幅を15mm以下にすることができることが示されている。
特許文献4においては、熱間圧延用鋼片を鋼片加熱炉から抽出後、第1圧延機に供給される間に交流電源のフラッシュ溶接機により溶接するに際し、後期フラッシュ代の範囲が2から8mm、後期フラッシュ速度の範囲が1から4mm/secの例が示されている。
ここで、後期フラッシュ速度は、(全フラッシュ代−前期フラッシュ代)/(全フラッシュ時間−前期フラッシュ時間)とされている。
特許文献5においては、先行する被圧延材の後端を、後行する被圧延材の先端にフラッシュバット溶接により接合し、ついで下流の圧延機列にて連続的に圧延し金属仕上げ材とする金属材の連続圧延方法において、フラッシュ量Y(フラッシュ代)を、下記式(2)を満足するように設定して接合することを特徴とする金属材の連続圧延方法が示されている。
0.1 D≦Y<0.30D ・・・式(2)
ここで、Y:フラッシュ量(フラッシュ代)(mm)、D:被圧延材の太さ(mm)であり、フラッシュ量(フラッシュ代)は、フラッシュバット溶接において、アークによって溶解除去される長さの合計とされている。
非特許文献2では、レールのフラッシュバット溶接で、良好な品質のフラッシュバット溶接継手を得る方法として、アプセット直前のフラッシング(フラッシュ)速度を急速に増し、突合せ端面を平坦で滑らかにする方法を示している。具体的には、最終フラッシング(フラッシュ)速度が1.0〜1.25mm/secであれば良いと示している。この時のフラッシュ代は3mmと記されている。
特開平06−145791号公報 特開2001−152291号公報 特開2007−289970号公報 特開昭53−007559号公報 特開2002−346611号公報
日刊工業新聞社 溶接冶金学 溶接学会軽構造接合加工研究会編 抵抗溶接現象とその応用(IV)
上記したように、レール溶接部には硬度が低下した軟化部が生じる。軟化部のレール長手方向長さが長く、さらに硬度低下が著しいと、レールの頭部における車輪の通過により、軟化部で偏摩耗が進み、騒音振動の原因となることがある。また、偏摩耗が大きくなると、車輪通過時にレールへの衝撃が大きくなる場合がある。
しかし、軟化部の発生に対して、上記従来技術では、次のような課題がある。
特許文献3で示されているように、車輪とレールの接触領域は15mm程度と考えられることから、特許文献2のように、HAZ幅が42mm程度、軟化幅が25から30mm程度の場合、軟化部で偏摩耗が進み車輪通過時にレールへの衝撃が大きくなりやすい。
また、特許文献3のように当て金を装着する方法は、別途用意された当て金を指定された範囲に装着する必要があるため、溶接前に当て金の装着工程を新たに設けなければならない。また突合せ端面に極めて近く飛散した溶融金属が当て金に固着するため、固着したフラッシュの除去に手間を要する。さらには、当て金の脱着が容易ではないため、自動化され溶接能率の高いフラッシュバット溶接の利点を損なう問題点がある。
また、特許文献4では、後期フラッシュ速度を1から4mm/secの範囲とすることが示されているが、被溶接材は加熱炉から抽出された高温加熱鋼片であり、突合せ端面のみならずそれ以外の部分も十分に高温な条件でのみ適用可能な技術である。この条件では、フラッシュが発生しやすくフリージングが生じにくい。またこの条件はフラッシュ速度を速くすることが容易な条件でもあるため、レールを常温の状態から加熱する本課題に適用することはできない。
また、重荷重用レールの場合、レール長手方向に垂直な断面積は8500mm以上となる。その場合、特許文献5では、フラッシュ代が5mmから16mmの範囲になる。しかしながら、特許文献5における被溶接材は、加熱炉から抽出されたビレット等の金属素形材や、該金属素形材を所定寸法の金属粗材に圧延して被圧延材としたものである。この技術は、圧延ライン内で先行する被圧延材と後行する被圧延材とをフラッシュバット溶接により接合して、次いで下流の圧延機列にて連続圧延する金属材の連続圧延方法に関する。つまり、特許文献4と同様に突合せ端面のみならずそれ以外の部分も十分な高温条件でのみ適用可能な技術であり、レールを常温の状態から加熱する本課題に適用することはできない。
非特許文献2では、レールのフラッシュバット溶接方法ではあるが、曲げ性能に論点を置いた記述内容であり、さらには最終フラッシュ速度が遅く、フラッシュ代が十分でないため狭い軟化幅は得られない。
本発明は、このような問題を生じることなく、レール溶接部の軟化を抑制することにより、レールの偏摩耗を低減することができるレール鋼のフラッシュバット溶接方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題の対策として、高炭素過共析レール鋼などのフラッシュバット溶接において、レール頭部におけるHAZ幅を減少させて、軟化幅を小さくし、レールの偏摩耗を抑制するものである。その具体的方法は、以下の通りである。
(1)本発明の一態様に係る方法は、一対の軌道用レール鋼間のフラッシュバット溶接する方法であって、一対の前記軌道用レール鋼に電圧をかけ、両者の端面である溶接面を徐々に接近させることにより局所的に短絡電流を流し、抵抗発熱により前記溶接面を加熱し溶融させ、さらに、前記溶接面においてフラッシュを生じさせるとともに、前記フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により前記溶接面を加熱する初期フラッシュ工程と、前記溶接面同士を強制的に接触させた状態で所定時間電流を流し、抵抗発熱により前記溶接面の付近を加熱する予熱工程と、前記溶接面において部分的に前記フラッシュを生じさせるとともに、前記フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により前記溶接面を加熱する前期フラッシュ工程と、前記溶接面全体にさらに前記フラッシュを生じさせるとともに、前記フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により前記溶接面全体に、均一に熱を加える後期フラッシュ工程とを備え、前記後期フラッシュト工程における後期フラッシュ速度が2.1mm/sec以上2.8mm/sec以下である。
(2)上記(1)に記載のフラッシュバット溶接方法では、前記後期フラッシュ工程における後期フラッシュ代が、10mm以上60mm以下であってもよい。
(3)上記(1)のフラッシュバット溶接方法では、前記後期フラッシュ工程における後期フラッシュ代が、22.6−6×1秒当りの後期フラッシュ工程の溶損量以上60mm以下であってもよい。
(4)上記(1)または(2)のいずれかのフラッシュバット溶接方法では、前記軌道用レール鋼が、質量%で、C:0.85〜1.20%を含有してもよい。
(5)上記(1)または(2)のいずれかのフラッシュバット溶接方法では、溶接継手部の熱影響幅を27mm以下、かつ軟化幅を10mm以下としてもよい。
(6)本発明の他の態様に係る方法は、一対の軌道用レール鋼のフラッシュバット溶接方法であって、一対の前記軌道用レール鋼の溶接面同士を強制的に接触させた状態で所定時間電流を流し、抵抗発熱により前記溶接面の付近を加熱した後、一対の前記軌道用レール鋼を引き離す過程を4回以上繰り返す予熱工程と、前記溶接面において部分的に前記フラッシュを生じさせるとともに、前記フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により前記溶接面を加熱する前期フラッシュ工程と、前記溶接面全体にさらに前記フラッシュを生じさせるとともに、前記フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により前記溶接面全体に、均一に熱を加える後期フラッシュ工程と、を備え、前記後期フラッシュ工程における後期フラッシュ代が、22.6−6×1秒当りの後期フラッシュ工程の溶損量以上60mm以下である。
(7)上記(6)のフラッシュバット溶接方法では、前記後期フラッシュ工程における後期フラッシュ速度が0.5mm/sec以上2.8mm/sec以下であってもよい。
(8)上記(6)または(7)のフラッシュバット溶接方法では、前記軌道用レール鋼が、質量%で、C:0.85〜1.20%を含有してもよい。
(9)上記(6)または(7)のフラッシュバット溶接方法では、溶接継手部の熱影響幅を27mm以下、かつ軟化幅を10mm以下としてもよい。
本発明の各態様によれば、フラッシュバット溶接のフラッシュ工程のうち、後期フラッシュ工程における後期フラッシュ速度を速くし、さらにこのときの後期フラッシュ代を大きくすることで、溶接面の熱分布が急峻になるため、HAZ幅が狭くなり、軟化幅も狭くなる。その結果、レール頭部における車輪との接触による偏摩耗が減少するため、レール頭部表面に生じる損傷を低減することができ、さらには、騒音や振動を低減することがきる。また、このような偏摩耗の減少や表面の損傷の低減などの結果、レール表層のグラインダ切削の周期延長、レール交換の周期延長にも寄与することができる。
また、偏摩耗を減少させることにより、車輪通過時に付与されるレールへの衝撃を抑制でき、レールの疲労破壊を防ぐことができる。
フラッシュバット溶接方法の原理を説明するための断面模式図であり、レール鋼と電極等の配置を示す。 フラッシュバット溶接方法のフラッシュ工程を示す。 フラッシュバット溶接方法の予熱工程を示す。 フラッシュバット溶接方法のアプセット工程を示す。 従来のフラッシュバット溶接継手のマクロ断面の一例を示す図である。 従来のフラッシュバット溶接継手の硬さ分布の一例を示す図である。 本実施形態におけるフラッシュバット溶接の各工程におけるレール鋼の移動距離の変化の一例を示す図である。 本実施形態における後期フラッシュ速度とHAZ幅の関係を示す図である。 本実施形態におけるHAZ幅と軟化幅の関係を示す図である。 本実施形態におけるフラッシュバット溶接継手のマクロ断面を示す図である。 本実施形態におけるフラッシュバット溶接継手の硬さ分布を示す図である。 本実施形態で用いる転動疲労試験機の概要を示す図である。 本実施形態における転動疲労試験で得られたHAZ幅と偏磨耗深さの関係を示す図である。 本実施形態における後期フラッシュ速度と4点曲げ最大たわみ量の関係を示す図である。 本実施形態における後期フラッシュ代とHAZ幅の関係(後期フラッシュ速度2.1mm/secでの場合)を示す図である。 本実施形態における後期フラッシュ速度2.1mm/secのときの後期フラッシュ代と4点曲げ最大たわみ量の関係を示す図である。 後期フラッシュ代とHAZ幅の関係(後期フラッシュ速度2.5mm/secでの場合)を示す図である。 後期フラッシュ代とHAZ幅の関係(後期フラッシュ速度1.2mm/secでの場合)を示す図である。
重荷重鉄道のレールに要求される耐摩耗性を満たすレールとして、Cを0.85〜1.20%含有し、パーライト組織を有する高炭素過共析鋼レールが広く用いられている。
本発明者らは、そのようなレール鋼をフラッシュバット溶接した場合の溶接部における上記した課題を解決するためには、溶接面近傍の熱分布を急峻にすることにより、溶接部の軟化幅を低減することが有効であると考えた。そして、それを実現する方法として、溶接面近傍への入熱量を少なくすること、及びアプセット工程直前の時間当たりの入熱量を高めることが効果的であると考えた。
以下に、本発明であるフラッシュバット溶接方法の一実施形態について説明する。
本実施形態で説明する方法は、一対の軌道用レール鋼のフラッシュバット溶接方法であって、一対の軌道用レール鋼に電圧をかけ、両者の端面である溶接面を徐々に接近させることにより局所的に短絡電流を流し、抵抗発熱により溶接面を加熱し溶融させ、さらに、溶接面においてフラッシュを生じさせるとともに、このフラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により溶接面を加熱する初期フラッシュ工程と、溶接面同士を強制的に接触させた状態で所定時間電流を流し、抵抗発熱により溶接面の付近を加熱する予熱工程と、溶接面において部分的にフラッシュを生じさせるとともに、フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により溶接面を加熱するフラッシュ工程と、溶接面全体にさらにフラッシュを生じさせるとともに、フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により溶接面全体に、均一に熱を加える後期フラッシュ工程と、を備え、後期フラッシュ工程における後期フラッシュ速度が2.1mm/sec以上2.8mm/sec以下である。
本発明者らは、1m当たりの重量が136ポンド(61.2kg)のAREA(アメリカ鉄道技術協会)規格136REレールを用いてフラッシュバット溶接を行った。フラッシュバット溶接には、AC電源で変圧器容量320kVA、アプセット荷重70kNのフラッシュ溶接機を用い、フラッシュ工程と予熱工程を組み合わせた方式で行った。なお、重量141ポンド(63.45kg)のAREA規格141ABでも同様の方法を用いることができ、136ポンド(61.2kg)のAREA規格136REレールの場合と同様の効果を得ることができる。
なお、前記軌道用レール鋼の組成成分は必ずしも限定する必要はないが、質量%で、C:0.85〜1.20%を含有するのが好ましい。
ここで、本実施形態におけるフラッシュバット溶接方法の各工程、及びフラッシュバット溶接方法の例を、図3を用いて説明する。
本実施形態におけるフラッシュバット溶接は、初期フラッシュ工程、予熱工程、前期フラッシュ工程、後期フラッシュ工程、アプセット工程を含む。
初期フラッシュ工程は、冷間(常温)から始まるフラッシュ工程であって、引き続き行われる予熱工程における溶接面の接触を生じやすくするために、フラッシュを生じさせることにより、溶接面をレール長手方向に対して垂直に調整するとともに、このフラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により溶接面を加熱する工程である。
また、初期フラッシュ工程ではフラッシュを生じさせるため、図3に示すようにフラッシュ代(溶損量)は増加する。フラッシュ代とは、各工程によって溶融飛散または変形によって失われるレールの長さである。
次に、予熱工程では、一対のレール鋼において、対向する溶接面同士を強制的に接触させた状態で一定時間大電流を流し、抵抗発熱により溶接面付近を加熱する。その後、一対のレール鋼を引き離す過程を数回繰り返す。
また、予熱回数は4回以上とすることが好ましい。より好ましくは7回以上であり、さらに好ましくは10回以上である。前記の通り、予熱工程は対向する溶接面同士を強制的に接触させ大電流を流すためにフラッシュ工程に比べて入熱効率が高い。このため、予熱回数を多くすることが好ましい。
また、この予熱工程は、通常大気環境中で行われるため、溶接面では溶接欠陥となる酸化物が発生してしまう。
次に、予熱工程以降のフラッシュ工程について説明する。
本実施形態において予熱工程以降のフラッシュ工程は、フラッシュ速度がそれぞれ異なる前期フラッシュ工程及び後期フラッシュ工程とからなる。
前期フラッシュ工程では、対向する溶接面間において部分的にフラッシュを生じさせるとともに、このフラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により溶接面を加熱する。ここで、前期フラッシュ工程において生じさせるフラッシュを前期フラッシュと呼ぶ。
なお、初期フラッシュ工程に要する時間(初期フラッシュ時間)と前期フラッシュ工程に要する時間(前期フラッシュ時間)の合計時間は20sec以上、180sec以下が好ましい。初期フラッシュ工程は引き続き行う予熱工程を効率的に行うために端面を垂直にする必要があり、時間が短すぎるとその効果が得られにくいため20sec以上は必要である。また初期フラッシュ時間と前期フラッシュ時間の合計時間が長すぎるとHAZ幅が広がりすぎるため、初期フラッシュ時間と前期フラッシュ時間の合計時間は180sec以下が好ましい。
後期フラッシュ工程では、前期フラッシュ工程と同様に対向する溶接面間においてフラッシュを生じさせるが、後期フラッシュ工程におけるフラッシュ速度(後期フラッシュ速度)を前期フラッシュ工程におけるフラッシュ速度(前期フラッシュ速度)よりも上げるという点で前期フラッシュ工程とは異なる。
つまり、後期フラッシュ工程では、前期フラッシュ工程において溶接面の一部に生じていた前期フラッシュを、フラッシュ速度を上げることにより溶接面全体に生じさせ、このフラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により溶接面全体に、均一に熱を加える。
またさらに、後期フラッシュ工程では、予熱工程中に生じた酸化物を、フラッシュにより飛散させることにより減少させる。
なお、後期フラッシュ工程において生じさせるフラッシュを前期フラッシュと区別するために後期フラッシュと呼ぶ。
次に、アプセット工程について説明する。
後期フラッシュ工程によって、溶接面全面が溶融された状態の後、大加圧力で溶接面同士を急速に密着させ、溶接面の溶融金属の大部分を外部へ排出するとともに、溶接面後方の高温に加熱された部分に加圧及び変形を与えて接合部を形成する。つまり、溶接中に生成された酸化物は、排出されるとともに、微細・分散化されるため、曲げ性能を阻害する欠陥として接合面に残存する可能性を低くすることが可能である。なお、アプセット工程で接合面外に排出された酸化物(ビード部)は後工程において熱間せん断などにより除去する。
前期フラッシュ工程は、図3には前期フラッシュ速度が等速である例を示したが、時間の経過とともに速度が増加する場合も同様な効果が得られる。前期フラッシュ速度が加速する場合は、その平均速度を前期フラッシュ速度とする。
また、後期フラッシュ速度が加速する場合は、その平均速度を後期フラッシュ速度とする。
さらに予熱工程以降、アプセット工程までの間の工程においてフラッシュ速度が時間の経過とともに増加し、前期フラッシュ工程と後期フラッシュ工程の区分が困難な場合は、予熱工程終了後からアプセット工程開始までの経過時間の前半の1/2を前期フラッシュ工程とし、後半の1/2を後期フラッシュ工程とする。また、前期フラッシュ工程におけるフラッシュ速度の平均速度を前期フラッシュ速度、また、後期フラッシュ工程におけるフラッシュ速度の平均速度を後期フラッシュ速度とする。なお、フラッシュバット溶接は、溶接前の条件設定でフラッシュ速度、フラッシュ代を設定するため、予熱工程終了からアプセット工程開始までの経過時間を予め知ることができる。
また、本実施形態において、後期フラッシュ工程における後期フラッシュ速度を2.1mm/sec以上2.8mm/sec以下とする。
フラッシュ速度が遅いと溶接面全体に均一に熱を加える効果が小さくなるため、フラッシュ速度は速いほうが好ましい。よって後期フラッシュ速度の下限値は2.1mm/secとする。しかしながら後期フラッシュ速度が速くなりすぎるとフリージングが生じる場合があるため、フラッシュ速度の上限は2.8mm/secとする。
以下に、本実施形態における後期フラッシュ速度の数値限定についてさらに詳細に説明する。
本発明者らは、アプセット工程直前の後期フラッシュ速度を上げることで、溶接面近傍の熱分布の急峻化が実現でき、その結果、HAZ幅及び軟化幅が低減すると考え、後期フラッシュ速度とHAZ幅及び軟化幅の関係を求めた。
なお、後期フラッシュ速度を単純に上げると、前述の通り、溶接欠陥の原因となるフリージングが生じてしまう。そこで、後期フラッシュ速度を上げる以前の入熱量については、その速度を上げた後期フラッシュ速度で後期フラッシュ工程を開始でき、またそれ以降においても、後期フラッシュを安定して持続させるのに好適なフラッシュ時間、予熱回数に設定する。
本実施形態においては、予熱回数は7回で、かつ初期フラッシュ工程と前期フラッシュ工程の合計時間は120secとする。そして、後期フラッシュ工程における後期フラッシュ速度と後期フラッシュ代をそれぞれ変化させてフラッシュバット溶接を行う。
なお、後期フラッシュ代は、後期フラッシュ工程において、レール鋼から溶融金属が飛散し被溶接物が除去された溶損量(溶損したレールの長さ)を指す。
次いで、上述した条件によるフラッシュバット溶接の後、溶接面を中心にレール長手方向の断面をマクロ観察し、レール鋼頭部表層より5mm下方位置のHAZ幅を求める。さらに、100Nの試験力でビッカース硬さ試験を、HAZ幅観察と同様にレール頭部表層より5mm下方位置で行い、母材の硬さの平均値−3σを下回る範囲を求め、これを軟化幅とする。
まず後期フラッシュ代を3mmとし、上記の溶接条件でフラッシュバット溶接を行った場合の、後期フラッシュ速度とHAZ幅の関係を図4に示す。
図4に示すように、後期フラッシュ速度を上げるに従い、HAZ幅は狭くなる。これは、フラッシュ速度を速くすると電流が大きくなるため、単位時間当たりに投入される入熱量が高くなり、その結果、溶接面からレール軸に対して垂直方向の温度分布が急峻になるためである。
また、このときのHAZ幅と軟化幅の関係を図5に示す。図5に示すように、HAZ幅と軟化幅には強い比例関係がある。
次に、図4中に示す、後期フラッシュ速度が2.1mm/secの場合の、溶接部中心のレール長手方向の断面マクロを図6Aに示す。また、レール鋼頭部表層より5mm下方位置で測定したビッカース硬さ分布を図6Bに示す。
図6Bより、後期フラッシュ速度が2.1mm/secの場合のHAZ幅は24mm、軟化幅は8mmである。また、図2Bで示した後期フラッシュ速度が0.5mm/secの場合のHAZ幅は35mm、軟化幅は19mmであった。つまりこのことからも、後期フラッシュ速度を上げるに従い、HAZ幅及び軟化幅ともに狭くなることがわかる。
次に、上記の条件でフラッシュバット溶接をし、それにより得られた数種類のHAZ幅、軟化幅を有する溶接継手を供試材とし、図7で示す転動疲労試験機を用いて、レール鋼表面の偏摩耗深さとHAZ幅の関係を求める。なお、転動疲労試験機は、レール移動用スライダー5、レール6、車輪7、モーター8、荷重負荷装置9より構成される。
転動疲労試験には、レール鋼としては長さ2mの136ポンドレール(AREA規格136RE)を用い、車輪としては直径920mmのAAR(アメリカ鉄道協会)タイプとした。ラジアル荷重は196kN、スラスト荷重は9.8kNとした。またレール鋼と車輪の間には間欠給水を行って試験を行った。
250万回繰返し回数の転動疲労試験を行った後、レール鋼の軟化部に生じた偏磨耗の深さをそれぞれ測定した。HAZ幅が35mmの場合を1とした場合の結果を図8に示す。
図8に示すように、HAZ幅が27mmより狭い場合、摩耗深さは非常に小さくなる。
また図5に示したHAZ幅と軟化幅との関係により、HAZ幅27mmの時の軟化幅は10mmであるため、レール鋼の偏摩耗及び損傷を軽減するための必要な条件としては、HAZ幅を27mm以下、軟化幅を10mm以下とすることが好ましい。
また、図4に示す後期フラッシュ速度とHAZ幅との関係により、HAZ幅27mmを得るための後期フラッシュ速度は2.1mm/secである。
つまり、HAZ幅を27mm以下、軟化幅を10mm以下という条件を満足するには、後期フラッシュ速度を2.1mm/sec以上とすることが好ましい。
また、後期フラッシュ速度の上限については、2.8mm/secとすることが好ましい。これは以下の理由による。後期フラッシュ速度を上げるほど狭いHAZ幅及び軟化幅を得ることができるが、溶接機の変圧器の容量が小さい場合やフラッシュ速度を速くする以前、つまり後期フラッシュバット工程以前の入熱量が少ない場合は、速度を上げすぎると、アークが生じるのに十分な入熱を供給することができなくなる。その結果、後期フラッシュを安定にかつ連続的に発生させることができず、また場合によってはフリージングに至る場合もあるためである。
さらに、上記の条件でフラッシュバット溶接をし、それにより得られた数種類のHAZ幅、軟化幅を有する溶接継手を供試材として、AREMA(アメリカの鉄道技術と保線協会)規格3.11.2.6に基づき、支点間距離48インチ(1219.2mm)、加圧点間距離12インチ(304.8mm)で4点曲げ試験を行った。その結果を図9に示す。なお、AREMA規格では4点曲げの最大たわみ量の基準値は19mmである。
図9に示すように、後期フラッシュ速度を上げることによりHAZ幅及び軟化幅が狭くなった継手の曲げ性能は、AREMA規格である基準値19mmを満足している。
そのフラッシュ速度2.1mm/secで開始し、かつそれ以降もフラッシュを持続するための条件として、本発明者らが用いた冒頭のフラッシュバット溶接機では、予熱回数は7回で、かつフラッシュ時間は、120secであった。
また、本実施形態において、上述したような、狭いHAZ幅及び軟化幅を得るための後期フラッシュ速度の条件に加え、後期フラッシュバット工程における後期フラッシュ代を10mm以上60mm以下とすることがより好ましい。以下に、この後期フラッシュ代の数値限定について説明する。
図10に、後期フラッシュ速度2.1mm/secで、上述した溶接条件を用いてフラッシュバット溶接を行ったときのフラッシュ代とHAZ幅の関係を示す。
図10に示すように、後期フラッシュ代を大きくするに従い、さらにHAZ幅が狭くなることがわかる。これは、後期フラッシュ代を大きくすることにより、溶接面近傍の熱分布のさらなる急峻化を実現することができ、結果、HAZ幅及び軟化幅が低減するためである。
また、図10より、フラッシュ代が10mm以上の場合、HAZ幅の減少が飽和する。このため、後期フラッシュ代の好適な範囲の下限を10mmとする。
また、後期フラッシュ代を大きくしすぎると、飛散する溶融金属量が多くなり、レール鋼に接続している電極まわりが汚れ、レール鋼の歩留が低下するおそれがある。さらには、電極等の設備干渉が生じるおそれもある。そのため、環境、コスト、設備制約の観点から、好適な後期フラッシュ代の上限を60mmとする。
次に、溶接後のレールの曲げ性能を図11に示す。図11に示すように、後期フラッシュ代を大きくしたとしても、基準値を充分に満足する曲げ性能を得ることができる。
以上のように、本実施形態におけるフラッシュバット溶接方法によると、溶接面近傍の熱分布が急峻になるため、従来よりも狭いHAZ幅および軟化幅を得ることができる。またその結果、レール頭部における車輪との接触による偏摩耗が減少するため、レール頭部表面に生じる損傷を低減することができ、さらには、騒音や振動を低減することがきる。
また、従来よりも狭いHAZ幅および軟化幅が得られると同時に、曲げ性能も同時に満足することができる。
さらに、後期フラッシュ代を10mm以上60mm以下の範囲で溶接を行うことにより、さらに狭いHAZ幅および軟化幅を得ることができる。これにより、レール頭部表面に生じる損傷をさらに低減することができる。
また、このような偏摩耗の減少や表面の損傷の低減などの結果、レール表層のグラインダ切削の周期延長、レール交換の周期延長にも寄与することができる。
また、偏摩耗を減少させることにより、車輪通過時に付与されるレールへの衝撃を抑制でき、レールの疲労破壊を防ぐことができる。
また、本実施形態の変形例として、上述したように後期フラッシュ速度を2.1mm/secから2.8mm/secに規制する代わりに、下記の式(1)を満たす後期フラッシュ代を採用しても、十分に狭いHAZ軟化幅が得られる。ここで1秒当りの後期フラッシュ工程の溶損量は(後期フラッシュ工程の全溶損量/後期フラッシュ工程に要した時間)で求めることができる。
60≧後期フラッシュ代≧22.6−6×1秒当りの後期フラッシュ工程の溶損量 ・・・ 式(1)
なお、上記式(1)を満たす後期フラッシュ代を採用する際には、後期フラッシュ速度は0.5mm/secから2.8mm/secの範囲に制限してもよい。好ましくは1.2mm/secから2.8mm/secの範囲、さらに好ましくは2.1mm/secから2.8mm/secの範囲とする。
以下に、上記式(1)及び後期フラッシュ速度の限定理由について説明する。
先ず、後期フラッシュ速度を2.5mm/secとし、上述した溶接条件でフラッシュバット溶接し、後期フラッシュ代とHAZ幅の関係を求めた。これらの関係を図12に示す。
図12に示すように、後期フラッシュ速度2.5mm/secの場合も、後期フラッシュ代を大きくするとHAZ幅は狭くなる。またフラッシュ速度2.5mm/secの場合は、後期フラッシュ代が7.5mm以上で、HAZ幅は飽和する。
次に、後期フラッシュ速度を1.2mm/secとした場合、後期フラッシュ代とHAZ幅の関係を求めた。これらの関係を図13に示す。図13に示すように、後期フラッシュ代を3mmとした場合のHAZ幅は30mmであったが、後期フラッシュ代を大きくするとHAZ幅は狭くなり、後期フラッシュ代を15mmとした場合にHAZ幅27mm以下を実現できた。なお、図は省略するが、この場合も曲げ性能は4点曲げ基準値を上回ることができた。
以上、図10、図12及び図13に示す後期フラッシュ代とHAZ幅の関係に基づき、狭いHAZ軟化幅を得るためには、上記の式(1)を満たす後期フラッシュ代を採用することが好ましい。
なお、上記式(1)の上限値については、後期フラッシュ代が大きくなりすぎると、溶融金属の飛散による溶接面の環境悪化、さらには歩留低減にもつながるため、60mmが好ましい。
また後期フラッシュ速度が遅くなると、後期フラッシュ代を大きくしても溶接面近傍の熱分布が急峻になる効果が小さくなるため、上記式(1)を満たす場合の後期フラッシュ速度の下限値は0.5mm/secとする。一方、後期フラッシュ速度が速くなりすぎるとフリージングが生じる場合があるため、後期フラッシュ速度の上限値は2.8mm/secとする。
以下に、実施例を用いて、本発明の実施可能性及び効果についてさらに説明する。なお、実施例に用いた条件はその確認のための一つの例であり、本発明は、この例のみに限定されるものではない。
質量%でC:0.85〜1.2%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%を含みパーライト組織を呈する、1m当たりの重量136ポンドであるAREA規格136REのレール鋼をフラッシュバット溶接に供した。
フラッシュバット溶接機としては、AC電源で変圧器容量400kVA、アプセット荷重70kNのフラッシュ溶接機を用いた。溶接は、フラッシュ工程と予熱工程を組み合わせ、予熱回数は10回で、かつ初期フラッシュ工程と前期フラッシュ工程の合計時間は90secとし、後期フラッシュ工程における後期フラッシュ速度と後期フラッシュ代を表1に示すようにそれぞれ変化させて行った。
上記条件にてフラッシュバット溶接後、溶接継手を評価するために、HAZ幅、軟化幅及び曲げ性能を求めた。HAZ幅はレール長手方向の断面をマクロ観察し、レール鋼頭部表層より5mm下方位置で求めた。軟化幅はHAZ幅同様に、レール長手方向の断面のレール鋼頭部表層より5mm下方位置で、100Nの試験力でビッカース硬さ試験を行い、母材の硬さの平均値−3σを下回る範囲とした。曲げ性能は、前述のAREMA規格に基づき、支点間距離48インチ、加圧点間距離12インチで4点曲げ試験を行い、最大たわみ量を求めた。
HAZ幅の評価は、前述した転動疲労試験において偏磨耗の磨耗深さが大幅に低減した27mm以下を基準とした。また軟化幅はHAZ幅27mmに相当する10mm以下を基準とした。また曲げ性能については、AREMA規格では4点曲げたわみ量19mm以上が基準である。
結果を表1に示す。
後期フラッシュ速度が2.1mm/sec以上の発明例1〜4及び、後期フラッシュ速度が2.1mm/sec未満ではあるが、後期フラッシュ代が22.6−6×1秒当りの後期フラッシュ工程の溶損量を上回る発明例5〜7は、本発明の規定を満たしており、27mm以下のHAZ幅、10mm以下の軟化幅を満足することができた。
しかしながら、後期フラッシュ速度が2.1mm/sec未満で、かつ後期フラッシュ代が22.6−6×1秒当りの後期フラッシュ工程の溶損量以下の比較例1〜3の場合、本発明の規定を満たしておらず、HAZ幅及び軟化幅を満足することができなかった。
本発明によれば、レールの偏摩耗の減少や表面の損傷の低減などの結果、レール表層のグラインダ切削の周期延長、レール交換の周期延長にも寄与することができる。また、偏摩耗を減少させることにより、車輪通過時に付与されるレールへの衝撃を抑制でき、レールの疲労破壊を防ぐことができる。
1A、1B レール鋼
2 電極
3 電源
4 レール鋼の移動方向
5 レール移動用スライダー
6 レール
7 車輪
8 モーター
9 荷重負荷装置

Claims (9)

  1. 一対の軌道用レール鋼間をフラッシュバット溶接する方法であって、
    一対の前記軌道用レール鋼に電圧をかけ、両者の端面である溶接面を徐々に接近させることにより局所的に短絡電流を流し、抵抗発熱により前記溶接面を加熱し溶融させ、さらに、前記溶接面においてフラッシュを生じさせるとともに、前記フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により前記溶接面を加熱する初期フラッシュ工程と、
    前記溶接面同士を強制的に接触させた状態で所定時間電流を流し、抵抗発熱により前記溶接面の付近を加熱する予熱工程と、
    前記溶接面において部分的に前記フラッシュを生じさせるとともに、前記フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により前記溶接面を加熱する前期フラッシュ工程と、
    前記溶接面全体にさらに前記フラッシュを生じさせるとともに、前記フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により前記溶接面全体に、均一に熱を加える後期フラッシュ工程と、を備え、
    前記後期フラッシュ工程における後期フラッシュ速度が2.1mm/sec以上2.8mm/sec以下であることを特徴とするフラッシュバット溶接方法。
  2. 前記後期フラッシュト工程における後期フラッシュ代が、10mm以上60mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュバット溶接方法。
  3. 前記後期フラッシュ工程における後期フラッシュ代が、下記式(1)の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュバット溶接方法。
    60mm≧後期フラッシュ代≧22.6−6×1秒当りの後期フラッシュ工程の溶損量 ・・・ (1)
  4. 前記各軌道用レール鋼が、質量%で、C:0.85〜1.20%を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のフラッシュバット溶接方法。
  5. 溶接継手部の熱影響幅を27mm以下、かつ軟化幅を10mm以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載のフラッシュバット溶接方法。
  6. 一対の軌道用レール鋼間をフラッシュバット溶接する方法であって、
    一対の前記軌道用レール鋼の溶接面同士を強制的に接触させた状態で所定時間電流を流し、抵抗発熱により前記溶接面の付近を加熱した後、一対の前記軌道用レール鋼を引き離す過程を4回以上繰り返す予熱工程と、
    前記溶接面において部分的にフラッシュを生じさせるとともに、前記フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により前記溶接面を加熱する前期フラッシュ工程と、
    前記溶接面全体にさらに前記フラッシュを生じさせるとともに、前記フラッシュの抵抗発熱とアーク発熱により前記溶接面全体に、均一に熱を加える後期フラッシュ工程と、を備え、
    前記後期フラッシュ工程における後期フラッシュ代が、下記式(1)の範囲内であることを特徴とするフラッシュバット溶接方法。
    60mm≧後期フラッシュ代≧22.6−6×1秒当りの後期フラッシュ工程の溶損量 ・・・式(1)
  7. 前記後期フラッシュ工程における後期フラッシュ速度が0.5mm/sec以上2.8mm/sec以下であることを特徴とする、請求項6記載のフラッシュバット溶接方法。
  8. 前記軌道用レール鋼が、質量%で、C:0.85〜1.20%を含有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のフラッシュバット溶接方法。
  9. 溶接継手部の熱影響幅を27mm以下、かつ軟化幅を10mm以下とすることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のフラッシュバット溶接方法。
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