JP2002160063A - フラッシュ溶接方法および装置 - Google Patents

フラッシュ溶接方法および装置

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JP2002160063A
JP2002160063A JP2000359449A JP2000359449A JP2002160063A JP 2002160063 A JP2002160063 A JP 2002160063A JP 2000359449 A JP2000359449 A JP 2000359449A JP 2000359449 A JP2000359449 A JP 2000359449A JP 2002160063 A JP2002160063 A JP 2002160063A
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voltage
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welding
inverter
flash
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Makoto Doi
真 土居
Takamine Mukai
敬峰 向井
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な電圧切換システムを導入することな
く、短時間で高品質な溶接を可能ならしめるようにす
る。 【解決手段】 3相交流電源8からの3相交流をインバ
ータ11により矩形波交流電圧に変換し、さらに溶接ト
ランス12により矩形波交流電圧を降圧して低電圧に変
換した後、整流して一対の被溶接部材2a,2b間に印
加する際に、溶接中に短絡し、出力電流がある制限値に
達した場合は、インバータ11が出力する矩形波交流の
出力周波数を高く切換えて電流値を制限し、その後、短
絡が切れて出力が下がった場合には、元の出力周波数に
戻すようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の被溶接部材
間に直流電圧を印加し、フラッシュを発生させ、部材端
面を加熱溶融し(フラッシュ工程)、充分に端面を加熱
した後、部材相互を急速に押しつけて(アプセット工
程)溶接するフラッシュ溶接方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フラッシュ溶接のフラッシュ工程では、
まず被溶接部材相互の局部的な接触が生じ、接触部に高
電流密度の短絡電流が流れる。この短絡電流によるジュ
ール熱で接触部は溶融し、部材端面間には溶融金属で橋
絡(溶融ブリッジ)が形成される。次に溶融ブリッジ部
はそこを流れる短絡電流がもたらす電磁力(ピンチ力)
により破断され、その部分にアークが発生する。このア
ーク点弧時に衝撃的な部分的圧力上昇(アーク力)を生
じ、周辺のガス(空気)や金属蒸気を急膨張させ、付近
の溶融金属は吹き飛ばされることになる。これによりク
レータが形成され部材端面は凹凸のある形状となる。
【0003】フラッシュ溶接におけるアークは、通常の
アーク溶接における持続的なアークとは異なり、そのア
ーク寿命は数ミリ秒以下の短寿命である。フラッシュ溶
接時のアーク寿命を長くすることは部材端面の加熱には
効果的であるが、部材端面の溶融の進行とその溶融金属
の飛散により、深いクレータが形成され、フラットスポ
ットやボイドなどの内部欠陥の原因となる。
【0004】このアーク寿命を決める要因となるもの
は、主に溶接2次電圧と2次回路インダクタンスの2つ
である。フラッシュ溶接の2次電圧は低く、アークを維
持することはできないが、溶接2次電圧が高いほど長寿
命のアークとなる。また、2次回路インダクタンスLは
その蓄積されたエネルギ1/2・i2L (iは電流値)
がアークエネルギとなり放出されるため、Lが大きいと
アークの寿命も長くなる。しかし、この2次回路インダ
クタンスLは個々の溶接機に固有のものであり、一般に
変更することは困難である。
【0005】ここで、2次回路インダクタンスを一定と
した場合のアプセット直前のクレータ深さと溶接2次電
圧の一般的な関係を図8に示す。図8に示すように、溶
接2次電圧が低ければ、クレータ深さは浅くなり、溶接
欠陥の少ない高品質の溶接が可能となる。また、フラッ
シュ工程の所要時間と溶接2次電圧の一般的な関係を図
9に示す。図9に示すように、溶接2次電圧を高くすれ
ば、フラッシュ工程の所要時間を短くすることができ
る。
【0006】ところで、鉄道に用いられるレール等の比
較的断面積の大きい部材のフラッシュ溶接では、フラッ
シュ工程の初期段階においてフラッシュが飛びにくく、
部材相互を固着させ溶接不能となるフリージングが発生
し易い。フリージングを抑制しフラッシュの発生を容易
にし、連続してフラッシュが発生する定常フラッシュ状
態に至る時間を短くするためには、被溶接部材間に印加
する溶接2次電圧は高い方が良いことが知られている。
一方、フラッシュ工程後期においては、溶接2次電圧が
高いと上述したようにフラッシュによる溶接面のクレー
タが深くなり、アプセット終了後に内部欠陥を発生さ
せ、あるいは介在物等の混入により溶接品質を悪化させ
る。
【0007】このため従来は、溶接前期には2次電圧を
高くして端面を急速に加熱し、後期には低電圧に切り換
えることにより高品質な溶接を行う方法が用いられてき
た。これは、溶接トランスの一次側にサイリスタ式タッ
プ切換機を設置し、フラッシュ工程の前後期で溶接中に
HighタップからLow タップヘ切り換えることにより、溶
接2次電圧の変更を行うものである。また、インバータ
を用いる溶接電源の場合は、インバータ入力部にサイリ
スタ式の電圧調整機を設けて、その点弧位相角を変化さ
せることでインバータの出力電圧を変化させて、溶接2
次電圧の変更を行うものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶接トランス
の一次側に設置したサイリスタ式タップ切換機を用いた
溶接2次電圧の変更手段は、主に溶接時間の短縮と溶接
品質の維持が要求される大断面部材用の大型溶接機に用
いられる。この場合、溶接電源の容量は大きくなり、サ
イリスタ式電圧切換機も大容量のものが必要となる。さ
らに、溶接中(通電中)に瞬時の切換えが必要となるた
め、切換タイミングの制御及び保護回路等の組込みも必
要となり高価な装置となるという問題がある。
【0009】一方、従来のインバータ入力部にサイリス
タ式の電圧調整機を設けて溶接2次電圧の変更を行う方
法においては、サイリスタ等の大電力半導体素子を数多
く設置する必要があり、制御も複雑となりコストが増大
するという問題がある。
【0010】本発明の技術的課題は、高価な電圧切換シ
ステムを導入することなく、短時間で高品質な溶接を可
能ならしめるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
フラッシュ溶接方法は、3相交流電源からの3相交流を
インバータにより矩形波交流電圧に変換し、さらに溶接
トランスにより矩形波交流電圧を降圧して低電圧に変換
した後、整流して一対の被溶接部材間に印加するフラッ
シュ溶接方法であって、溶接中に短絡し、出力電流があ
る制限値に達した場合は、インバータが出力する矩形波
交流の出力周波数を高く切換えて電流値を制限し、その
後、短絡が切れて出力が下がった場合には、元の出力周
波数に戻すことを特徴としている。
【0012】また、この方法に用いられる請求項3の装
置は、3相交流電源からの3相交流を矩形波交流電圧に
変換するインバータと、インバータが出力する矩形波交
流電圧を降圧して低電圧に変換する溶接トランスと、溶
接トランスの2次側に配置されて溶接トランスで低電圧
に変換された矩形波交流電圧を直流電圧に変換し、一対
の被溶接部材間に印加する整流器とを備えたフラッシュ
溶接装置において、出力電流を検出する電流検出器と、
電流検出器が検出した出力電流値と制限値との差に基づ
きインバータが出力する矩形波交流電圧の出力周波数を
制御する周波数制御手段と、を設けたものである。
【0013】また、この装置において、請求項4のよう
に周波数制御手段が、溶接中に短絡し、出力電流が制限
値に達すると、インバータの出力周波数を高く切換えさ
せて電流値を制限し、その後、短絡が切れて出力が下が
ると、元の出力周波数に戻させるものである。
【0014】本発明の請求項2に係るフラッシュ溶接方
法およびこの方法に用いられる請求項5の装置は、制限
値がフラッシュ工程中の時間経過に伴って段階的または
連続的に低い値となるように設定されてなることを特徴
としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
フラッシュ溶接方法およびこの方法に用いられる装置を
図1乃至図7に基づき説明する。図1は本実施形態に係
るフラッシュ溶接装置を示す構成図、図2は本実施形態
装置の要部である電源回路の構成図、図3は本実施形態
装置のインバータ出力部の構成図、図4は図3の動作を
説明するためのパルスタイミングチャート、図5はイン
バータの出力周波数と出力電流(2次短絡電流)の相関
図、図6は溶接時の出力電流とインバータ周波数制御の
タイミングチャート、図7はフラッシュ工程における制
限電流指令値のパタ−ン例の説明図である。
【0016】本実施形態のフラッシュ溶接装置は、クラ
ンプ装置1A,1Bが設置され、クランプ装置1A,1
Bにより、断面積10000mm2 以上の一対の被溶接部
材2a,2bをクランプして付き合わせ、これら被溶接
部材2a,2bを近接・離反させることができるように
なっている。すなわち、クランプ装置1A,1Bは、被
溶接部材2a,2bをクランプするものであるが、一方
(図1中の右側)のクランプ装置1Aは固定側、他方
(図1中の左側)のクランプ装置1Bは可動側として構
成され、可動側のクランプ装置1Bが固定側のクランプ
装置1Aに対して溶接中、近接・離反し、フラッシュ溶
接が行われるようになっている。
【0017】すなわち、クランプ装置1A,1Bは、被
溶接部材断面積に面圧3〜7kgf/mm 2(30〜70MPa)
を乗じた値以上の最大推力を持つ駆動系すなわち伸縮可
能な油圧シリンダ3を介して連結され、シリンダ3のボ
トム3aが可動側のクランプ装置1Bに、またシリンダ
3のピストンロッド3bが固定側のクランプ装置1A
に、それぞれ固定されている。そしてシリンダ3と油圧
ユニット5間に比例弁4が接続されている。従って、比
例弁4は、シリンダ3を伸縮させる機能を有する。な
お、比例弁としては、高速応答の電気油圧サーボ弁も使
用可能である。
【0018】また、クランプ装置1A,1Bには、それ
ぞれクランパ6a,6bの内周に被溶接部材2a,2b
と接触可能な給電用のジョー7a,7bが設けられ、電
源装置と電気的に接続されている。
【0019】電源装置は、図1及び図2に示すように3
相交流電源8からの交流電圧を矩形波交流電圧に変換す
るIGBT(Insulated Gate Bi-polar Transistor)イ
ンバータ11と、インバ−タ11が出力する矩形波交流
電圧を降圧して低電圧に変換する溶接トランス12と、
溶接トランス12の2次側にそれぞれ配置されて溶接ト
ランス12で低電圧に変換された矩形波交流電圧を直流
電圧に変換して被溶接部材2a,2bに印加するダイオ
ード整流器13と、出力電流を検出する電流検出器14
と、電流検出器14が検出した出力電流値Iと後述の溶
接制御装置17により設定される制限値(短絡したか否
かの判定基準ともなる値)とを比較して出力する比較器
15と、比較器15から出力電流値Iと制限値との差信
号を入力して、インバータ11が出力する矩形波交流電
圧の出力周波数を制御する周波数制御手段10とから構
成されている。なお、インバ−タ11は、周波数50〜
1400Hzまで出力できる。
【0020】これを更に詳述すると、インバータ11で
は、図2のように3相交流電源8からの交流が全波整流
器11aで整流された後、コンデンサ11bに蓄積され
直流に変換される。この直流は、サイリスタ及びトラン
ジスタ等のスイッチング素子により矩形波交流としてイ
ンバータ出力部11cより出力される。
【0021】周波数制御手段10は、比較器15からの
差信号によりインバータ出力部11cから出力される矩
形波交流電圧の出力周波数をf1又はf2に設定変更させ
るもので、溶接中に短絡し、出力電流が制限値に達する
と、インバータ11が出力する矩形波交流電圧の出力周
波数をf1からf2に(f1<f2)高く切換えさせて電流
値を制限し、その後、短絡が切れて出力が下がると、元
の出力周波数に戻させる機能を有している。インバータ
出力部11cより出力される矩形波交流電圧の出力周波
数の変更は、サイリスタ、トランジスタ等のスイッチン
グ素子のスイッチングのタイミングを変化させることに
より行われる。なお、出力を大きくとるため出力周波数
f1は、可能な限り低いほうがよいが、溶接トランスが
大きくなるため、通常80〜300Hzの値がとられ
る。また、出力周波数f2は出力周波数f1より高い値
で、出力周波数と出力特性の関係および制限値により定
められるが、例えば出力を1/2程度に制限する場合
は、500〜700Hzの値がとられる。
【0022】すなわち、インバータ出力部11cは、図
3のように水晶発振器等からなる発振回路20を有し、
発振回路20により、インバータ周波数の基準となる信
号(図4(a))を発生させる。インバータ周波数設定
回路21では、周波数制御手段10からの周波数指令に
応じて、その周波数の波長幅に対応する発振回路20の
カウント数を演算し、その結果をカウンタ回路22に出
力する。カウンタ回路22では、発振回路20からの信
号をインバータ周波数設定回路21からの設定カウント
数までカウントし、所定の設定時間間隔でパルスを出力
する。正パルススイッチング回路23では、カウンタ回
路22から出力されるパルス間隔で出力のON及びOF
Fの切換を行う(図4(b))。ここで、正パルススイ
ッチング回路23の出力がONの時には、トランジスタ
25a,25dがONとなり、インバータ出力端子26
に正電圧が印加される。逆に、負パルススイッチング回
路24では、正パルススイッチング回路23とは逆のタ
イミングでON及びOFFの切換を行い(図4
(c))、負パルススイッチング回路24の出力がON
の時には、トランジスタ25b,25cがONとなりイ
ンバータ出力端子26に負電圧が印加される。これによ
りインバータ出力端子26には図4(d)に示す矩形波
交流が出力される。なお、この矩形波高流の周波数は、
カウンタ回路22から出力されるパルス波長間隔により
自由に変更可能となる。
【0023】このようにして、インバータ11が出力す
る矩形波交流電圧の出力周波数を、通電中に任意の周波
数に可変でき、短絡電流の調整が可能となる。
【0024】フラッシュ溶接中のアーク寿命は既に述べ
たように数ミリ秒以下と非常に短く、この場合、溶接2
次電圧の違いによるアーク寿命の差がクレータの深さに
与える影響は小さい。このことから、前述の図8で説明
した溶接2次電圧とクレータ深さの関係の主因はアーク
寿命によるものではなく、2次電圧を上げることによっ
て短絡電流が上昇することによるものであることがわか
る。短絡とアークを繰り返すフラッシュ工程では、短絡
中の端面の溶融部がアークにより吹き飛ばされるため、
短絡電流が大きくなれば溶融部も大きく深くなり、クレ
ータも大きくなる。逆に2次電圧が高い場合でも、短絡
電流を低くすることができれば、クレータ深さは浅くな
り、内部欠陥を減少させることができ、溶接品質を高く
することが可能となる。
【0025】被溶接部材2a,2b間に流れる短絡電流
とインバータ11が出力する矩形波交流電圧の出力周波
数の関係は、図5のようにインバータ11が出力する矩
形波交流電圧の出力周波数f1をf2に上げることによ
り、溶接2次電圧を変化させることなく短絡電流を低く
することができる。したがって、短絡時に、図6のよう
にインバータ11が出力する矩形波交流電圧の出力周波
数をf1からf2に上げて短絡電流を低くすることで、被
溶接部材2a,2b端面のクレータを小さく浅くするこ
とができる。図5のt1は短絡した時点であり、時間t
1で周波数をf1からf2に高く切り換えることで、早
い立ち上がりとピ−ク電流値を抑えることを両立させる
ことができ、短時間溶接と高品質を両立させることがで
きる。
【0026】また、溶接制御装置17は、比較器15に
出力する制限値を、図7のようにフラッシュ工程中の時
間経過に伴って段階的または連続的に低い値となるよう
に設定するようになっている。つまり、短絡電流がフラ
ッシュ工程中の時間経過に伴って低くなるように設定
し、これによりクレータ深さを漸次浅くしていき、内部
欠陥を減少させてから、アプセット工程へ移行させる。
これにより、フラッシュ工程前期には、比較的にフラッ
シュ発生が容易な高い2次電圧に保ち、この比較的に高
い2次電圧と短絡電流により端面を短時間で加熱し、フ
ラッシュ工程後期には、インバータ11が出力する矩形
波交流電圧の出力周波数を比較的高周波にすることによ
り短絡電流を低くして、被溶接部材2a,2b端面のク
レータを小さく浅くして、溶接品質を高くすることが可
能となっている。
【0027】また、比較器15からの差信号がプラテン
コントローラ16にも入力され、前記差信号に基づいて
プラテンコントローラ16が比例弁4を制御するように
なっている。すなわち、プラテンコントローラ16は、
短絡時に、可動側のクランプ装置1Bを固定側のクラン
プ装置1Aに対し離反動作させるように比例弁4に指令
し、短絡が切れると、クランプ装置1Bを固定側のクラ
ンプ装置1Aに対し近接動作させるように比例弁4に指
令するようになっている。
【0028】また、溶接制御装置17によりプラテンコ
ントローラ16と溶接装置全般の制御が行われる。すな
わち、既述したように溶接制御装置17から比較器15
に制限値が出力されるとともに、インバータ11とプラ
テンコントローラ16に対し、フラッシュ工程とアプセ
ット工程の開始や停止などのシーケンス制御のための信
号が出力されるようになっている。なお、被溶接部材送
り制御の方法としては、プリセット(一定速度、加速
度)方式や電流あるいは電力の基準値と測定値との偏差
をビレット送り速度にフィードバックする電流あるいは
電力フィードバック方法の他に、偏差信号を二値化し、
被溶接部材送り速度指令とする方法等、採用可能であ
る。いずれにせよ、前述のような制御のためには、信号
の応答速度は10Hz以上、望ましくは50Hz以上であ
ることが望ましい。
【0029】なお、ここでは装置構成を簡略化するため
に溶接トランス12の2次側電流を検出するようにした
ものを例に挙げて説明したが、これに限るものでなく、
例えばインバータ11の出力電流(=溶接トランス12
の1次側交流電流)を検出し、整流器およびフィルタ等
によって再び直流電流に変換するようにしてもよいこと
は言うまでもない。
【0030】次に、本実施形態のフラッシュ溶接装置を
用いて被溶接部材2a,2bをフラッシュ溶接する方法
について、図1乃至図7に基づき説明する。まず、溶接
制御装置17によりクランパ6a,6bに対し被溶接部
材把持指令を出し、被溶接部材2a,2bを把持する。
この場合、クランパ6a,6bは、それぞれが把持すべ
き被溶接部材2a,2b対し時間差を持たせて把持動作
させてもよいし、または同時に把持動作させるようにし
てもよい。被溶接部材2a,2bの把持が完了した時点
で、油圧シリンダ3を縮退させて被溶接部材端面間の距
離を所定の距離まで移動させる。この被溶接部材端面間
距離は好ましくは0.1〜1.0mm程度にするが、実用上はこ
れより大きな端面間距離にしても問題ない。このように
して被溶接部材端面間距離を所定の位置まで移動させた
後に、3相交流電源8よりインバータ11を介して電力
を出力し、溶接トランス12、ダイオード整流器13を
介して被溶接部材2a,2bに電力を供給する。その
際、インバータ11が出力する矩形波交流電圧の出力周
波数はf1に設定されており、溶接中に短絡すると出力
周波数が高い値f2に設定変更されるが、f1,f2いず
れの場合も溶接トランス12の出力電圧が6〜15V
O-P(ここでは8〜11VO-P)の範囲内で設定されるよ
うになっている。
【0031】すなわち、短絡後のアークにより大きなク
レータが発生しないように、制限値を設定して短絡電流
のピークカットを行うとともに、短絡するとインバータ
11が出力する矩形波交流電圧の出力周波数が高い値f
2に設定変更される。このため、短絡後のアークによっ
ても被溶接部材2a,2b端面のクレータが小さく浅く
なり、溶接品質を高くすることができる。
【0032】さらに、短絡時には、プラテンコントロー
ラ16によって可動側のクランプ装置1Bが固定側のク
ランプ装置1Aに対し離反動作させられるので、長期の
短絡を確実に防止することができる。
【0033】また、制限値がフラッシュ工程中の時間経
過に伴って段階的または連続的に低い値となるように、
つまり短絡電流がフラッシュ工程中の時間経過に伴って
低くなるように設定しているので、フラッシュ工程前期
には、比較的にフラッシュ発生が容易な高い2次電圧に
保つことができて、この比較的に高い2次電圧と短絡電
流による短時間加熱が可能となり、フラッシュ工程後期
には、短絡電流を低くできて、被溶接部材2a,2b端
面のクレータを小さく浅くすることができ、溶接品質を
高くすることが可能となっている。
【0034】アプセット工程は、予め定められた押し付
け距離(アプセット量)移動後、または予め定められた
時間経過後、もしくは予め定められた押し付け力(アプ
セットカ)付与後、終了される。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、溶
接中に短絡し、出力電流がある制限値に達した場合は、
インバータが出力する矩形波交流の出力周波数を高く切
換えて電流値を制限し、その後、短絡が切れて出力が下
がった場合には、元の出力周波数に戻すようにしたの
で、高価な電圧切換システムを導入することなく、短時
間で高品質な溶接が可能となった。
【0036】また、制限値がフラッシュ工程中の時間経
過に伴って段階的または連続的に低い値となるように設
定したので、クレータ深さを漸次浅くし、内部欠陥を減
少させてから、アプセット工程へ移行させることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るフラッシュ溶接装置
を示す構成図である。
【図2】本実施形態装置の要部である電源回路の構成図
である。
【図3】本実施形態装置のインバータ出力部の構成図で
ある。
【図4】図3の動作を説明するためのパルスタイミング
チャートである。
【図5】インバータの出力周波数と出力電流(2次短絡
電流)の相関図である。
【図6】溶接時の出力電流とインバータ周波数制御のタ
イミングチャートである。
【図7】フラッシュ工程における制限電流指令値のパタ
−ン例の説明図である。
【図8】2次回路インダクタンスを一定とした場合のア
プセット直前のクレータ深さと溶接2次電圧の関係を示
す説明図である。
【図9】フラッシュ工程の所要時間と溶接2次電圧の関
係を示す説明図である。
【符号の説明】
1A,1B クランプ装置 2a,2b 被溶接部材 6a,6b クランパ 7a,7b 給電用のジョー 8 3相交流電源 10 周波数制御手段 11 インバータ 12 溶接トランス 13 ダイオード整流器(整流器) 14 電流検出器 15 比較器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3相交流電源からの3相交流をインバー
    タにより矩形波交流電圧に変換し、さらに溶接トランス
    により矩形波交流電圧を降圧して低電圧に変換した後、
    整流して一対の被溶接部材間に印加するフラッシュ溶接
    方法であって、 溶接中に短絡し、出力電流がある制限値に達した場合
    は、インバータが出力する矩形波交流の出力周波数を高
    く切換えて電流値を制限し、その後、短絡が切れて出力
    が下がった場合には、元の出力周波数に戻すことを特徴
    とするフラッシュ溶接方法。
  2. 【請求項2】 制限値は、フラッシュ工程中の時間経過
    に伴って段階的または連続的に低い値となるように設定
    されてなることを特徴とする請求項1記載のフラッシュ
    溶接方法。
  3. 【請求項3】 3相交流電源からの3相交流を矩形波交
    流電圧に変換するインバータと、該インバータが出力す
    る矩形波交流電圧を降圧して低電圧に変換する溶接トラ
    ンスと、溶接トランスの2次側に配置されて溶接トラン
    スで低電圧に変換された矩形波交流電圧を直流電圧に変
    換し、一対の被溶接部材間に印加する整流器とを備えた
    フラッシュ溶接装置において、 出力電流を検出する電流検出器と、 前記電流検出器が検出した出力電流値と制限値との差に
    基づき前記インバータが出力する矩形波交流電圧の出力
    周波数を制御する周波数制御手段と、を設けたことを特
    徴とするフラッシュ溶接装置。
  4. 【請求項4】 周波数制御手段は、溶接中に短絡し、出
    力電流が制限値に達すると、インバータの出力周波数を
    高く切換えさせて電流値を制限し、その後、短絡が切れ
    て出力が下がると、元の出力周波数に戻させることを特
    徴とする請求項3記載のフラッシュ溶接装置。
  5. 【請求項5】 制限値は、フラッシュ工程中の時間経過
    に伴って段階的または連続的に低い値となるように設定
    されてなることを特徴とする請求項3又は請求項4記載
    のフラッシュ溶接装置。
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