JP2593542B2 - 直流抵抗溶接方法およびその装置 - Google Patents

直流抵抗溶接方法およびその装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は直流によるワークを抵抗溶接する直流抵抗溶
接方法およびその装置に関し、一層詳細には、例えば、
三相交流を整流して直流化し、この直流を共振回路を負
荷とするインバータを用いて高周波交流に変換した後、
出力トランスと整流器とを用いて再び直流に変換し、こ
の直流を溶接電極に供給することによりワークを溶接す
る際、前記共振回路の共振周波数の変化を検出し、この
共振周波数の変化から接合状態を確認して溶接電流の供
給・遮断制御を好適に行い、これによって高品質の溶接
を可能とする直流抵抗溶接方法およびその装置に関す
る。
[発明の背景] 抵抗溶接装置は、例えば、一対の電極によって一組の
ワークを挟持し、この電極間に溶接電流を通電すること
によりジュール熱を生じさせ且つ前記電極を相対的に押
圧してワークを接合するためのものである。当該抵抗溶
接装置は、接合の際に、溶接棒等を必要としないことか
ら作業能率に優れた接合法と謂えよう。
この場合、抵抗溶接による接合法は、例えば、アーク
溶接接合法等に比較して極めて大きい溶接電流が必要と
されることから、溶接用出力トランスが大型且つ大重量
になりがちである。従って、こてが溶接ロボット等のア
ーム部に当該溶接トランスを取着して高速に取り扱う際
の難点として指摘されている。
そこで、最近では、この出力トランスの小型化を図る
ため、直流を、一旦、高周波交流に変換し、この高周波
交流を前記出力トランスに供給して降圧した後、整流器
を用いて再び直流化して溶接ガンアームに供給するイン
バータ式の直流抵抗溶接装置が採用され始めている。高
周波交流に変換する理由は出力トランスを構成するトラ
ンスコアの断面積が前記高周波交流の周波数と反比例の
関係にあることを利用して出力トランスを比較的小型軽
量に構成出来るからである。また、再び直流化して溶接
ガンアームに供給する理由は溶接ガンアームの長さおよ
びその形状に起因するストレイインダクタンスによる高
周波インピーダンスの増加に基づく電圧降下と表皮降下
による電圧降下を回避することが可能となり、高効率の
装置を構築出来るからである。
この種のインバータ式直流抵抗溶接装置を第1図に示
す。当該装置はコンバータ部2とインバータ部4および
出力トランス部6とから構成され、商用の三相交流電源
7から出力される三相交流をコンバータ部2を構成する
整流器スタック8とコンデンサ10によって直流化し、こ
の直流をトランジスタ12a乃至12d等から構成されるフル
ブリッジ型のインバータ部4によって前記三相交流の周
波数に比較して高周波の交流に変換した後、再びセンサ
タップ付の出力トランス14と整流器16a、16bにより直流
に変換して溶接電極18a、18b間に供給する構成となって
いる。なお、溶接電極18aは整流器16a、16bの共通接続
点に接続され、溶接電極18bは出力トランス14を構成す
る2次コイルのセンタタップ19に接続されている。この
ような構成によって一対のワークWa、Wbが溶接電極18
a、18b間に挟持されると溶接電流が通電され、ワーク
Wa、Wbとの接触部位が溶融して接合する。
ところで、前記のように構成されるインバータ式の直
流抵抗溶接装置等の抵抗溶接装置において、予めテスト
ピース等を用いてワークの溶接部位における引張剪断強
度等の溶接品質の把持が必要とされている。この溶接品
質は基本的にはワークの材質、厚み等に応じた溶接電
流、通電時間、加圧力等の溶接条件を管理することによ
り所定の溶接品質が得られる。
然しながら、実際には同一銘柄の材料でもそれを供給
するメーカーの違い、あるいはロットの違い等によって
その成分等が異なり、仮令、前記した溶接条件が同一で
あっても溶接部の溶接品質が同一とはならない不都合が
存在している。
そこで、この不都合を解決するために、溶接時におけ
る接合状態を時間的に且つ間接的にモニタリングする方
法が、例えば、産報出版株式会社から1977年9月20日に
発行された「やさしいスポット溶接」(著者奥田滝夫
等)の136頁乃至140頁に開示されている。
この方法は溶接中の溶接電極間の電圧変化が、第2図
に示すように、ナゲットが生成される電圧ピーク点Aを
有し、ナゲット生成後に通電路が拡大されて、図中、A
−B区間に示すように、電圧の減少部が存在することに
注目した方法であって、前記ナゲットが形成される電圧
ピーク点Aのピーク電圧Vmと通電終了点Bの電圧Veとか
ら算出される電圧変化率(Vm−Ve)/Vmと溶接の接合強
度に相関関係があることを利用して接合状態の判定を行
うものである。なお、図において、C−D区間の電圧変
化は初期の接触抵抗の変化によるもので、一般的には、
溶接品質にはさほど相関関係がないとされている。
然しながら、このような接合状態のモニタリング方法
においては、溶接電極間に、直接、電圧検出手段を配設
しなればならないことから溶接電極部の構造が複雑にな
るという難点が存在しロボット等のアーム部先端の取り
扱いが煩雑になるという欠点が露呈する。
一方、直流抵抗溶接装置においては、供給電流の大電
流化および小型化が常に要請されている。これによっ
て、鋼板の溶接に対してメッキ鋼板等の融点の異なる材
質が存在する鋼板あるいはアルミニウム板等の熱伝導率
の大きい材質の溶接を行うに際しても大電流を供給し得
ることが出来るからである。
然しながら、従来の直流抵抗溶接装置において、さら
に高周波化を図り且つ電流容量を増加しようとすると、
第3図に示すように、インバータ部4を構成するトラン
ジスタ12a乃至12dのコレクタ・エミッタ間電圧VCEとコ
レクタ電流ICとの積によって規定される電力損失PC(図
中、ハッチング部に対応する分)が増加する。結局、イ
ンバータ部4における効率が低下することになり、しか
もこの電力損失PCの増加に対応する放熱構造を採用しな
ければならず、また、トラジスタ12a乃至12dを、夫々、
並列接続構成とする必要性が生ずることからさほどには
小型化が図れないという不都合が露呈する。
[発明の目的] 本発明は前記の不都合を克服するためになされたもの
であって、インバータ式の直流抵抗溶接装置において、
インバータ部の負荷が共振回路となるように構成するこ
とにより当該インバータ部の高周波化が図れ出力トラン
ス等の小型・軽量化が達成され、また接合状態の変化に
起因して変化する共振周波数の変化特性あるいはこの共
振周波数の変化特性に対応する変化特性をモニタリング
することにより所定の溶接品質を確保することを可能と
する直流抵抗溶接方法およびその装置を提供することを
目的とする。
[目的を達成するための手段] 前記の目的を達成するために、本発明は直流をインバ
ータを用いて交流に変換した後、その交流を共振回路を
形成するコンデンサを介して出力トランスの1次コイル
に導入し、前記出力トランスの2次コイルに誘起する交
流を整流し再び直流に変換してワークに供給し、当該ワ
ークを接合する直流抵抗溶接方法であって、先ず、前記
インバータから出力される交流の電圧成分に対応する信
号と電流成分に対応する信号との位相差を検出し、次
に、当該位相差が零値となるように前記インバータをフ
ィードバック駆動することを特徴とする。
また、本発明は入力する直流を交流に変換するインバ
ータと、前記インバータの出力側に共振回路を形成する
コンデンサを介して接続され前記交流を所定の電圧に変
圧する出力トランスと、前記出力トランスの2次側に接
続され前記変圧された交流を整流してワークに供給する
整流器とを有する直流抵抗溶接装置において、前記イン
バータから出力される交流の電圧成分に対応する信号と
電流成分に対応する信号を検出する検出手段と、当該検
出手段の出力信号を波形整形する波形整形手段と、当該
波形整形手段によって整形された電圧成分に対応する信
号と電流成分に対応する信号の位相差を比較し、その位
相差に応じた出力信号を出力する位相比較手段と、この
位相比較手段の出力信号に応じて前記位相差が零値とな
るように前記インバータを駆動するインバータ制御手段
と、前記位相比較手段の出力信号の時間変化の割合を検
出しその時間変化の割合が所定以上変化した際に前記イ
ンバータ制御手段を滅勢させる信号を出力する変化点検
出手段とを具備することを特徴とする。
[実施態様] 次に、本発明に係る直流抵抗溶接方法についてこれを
実施する装置との関係において好適な実施態様を挙げ、
添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
第4図は本実施態様に係る直流抵抗溶接方法およびそ
の装置を適用する共振回路型直流抵抗溶接装置の概略構
成を示す。当該直流抵抗溶接装置は基本的に三相交流電
源20から出力される三相交流を直流に変換するコンバー
タ部22と、このコンバータ部22の出力である直流を所定
の高周波交流に変換するインバータ部24と、このインバ
ータ部24から出力される交流の電流成分と電圧成分を検
出する検出手段からなる電流電圧検出部26と、前記イン
バータ部24の負荷であり且つ共振回路を構成するコンデ
ンサ28および共振用補助コイル29と、この共振用補助コ
イル29の他端側に接続される出力トランス32、および前
記電流電圧検出部26の出力側に接続される波形整形手段
としての波形整形回路34a、34bを介して前記インバータ
部24を構成するフルブリッジ型のトランジスタ36a乃至3
6dに対してパルス幅変調されたベース電流を供給するベ
ースドライブ回路38を駆動する共振制御回路40とから構
成される。
なお、前記コンバータ部22は整流器スタック42とリア
クトル44とコンデンサ46から構成され、電流電圧検出部
26は交流電流iの検出手段としての変流器48と交流電圧
vの検出手段としての抵抗分圧回路50とから構成され、
出力トランス32は1次コイル52とトランスコア54および
2次コイル56から構成される。さらに、前記2次コイル
5は整流器30a、30bの一端側に接続され、前記整流器30
a、30bの他端側の共通接続端子および出力トランス32の
センタタップ57はワークWa、Wbを挟持する溶接電極58a
および58bに接続される。
第5図は第4図に示す直流抵抗溶接装置の中、共振制
御回路40の詳細等を示すブロック図である。共振制御回
路40は位相比較手段である位相比較器60を含み、この位
相比較器60は位相差検出器62、2回路2接点の運動スイ
ッチ64、66および積分器68とから構成されている。この
位相比較器60を構成する位相差検出器62の夫々の入力端
子62a、62bには前記波形整形回路34a、34bから出力され
る電流の位相を表す電圧信号I(以下、電流信号とい
う)および電圧の位相を表す電圧信号V(以下、電圧信
号という)が導入されている。位相差検出器62の出力信
号S1、S2は出力端子62c、62dから前記スイッチ64および
66を構成する接点64c、66cに導入される。ここで、スイ
ッチ64を構成する接点64bは電源+5Vに接続され、スイ
ッチ66を構成する接点66bは積分用電源70に接続されて
いる。なお、スイッチ64、66は前記位相差検出器62の出
力端子62eから出力する信号によって同時に切り換えら
れる。前記スイッチ64および66の共通接点64a、66aは夫
々積分器68の入力端子68aおよび68bと接続されている。
前記積分器68の出力端子68cから出力信号S3が電圧を
周波数に変換する電圧−周波数変換器72(以下、V/F変
換器という)と微分手段等から形成される入力信号の変
化点検出手段である変化点検出回路74の入力側に導入さ
れる。ここで、変化点検出回路74は微分器77、その基準
入力端子に基準電圧VRが接続される比較器78および設定
値が2でありその入力端子に導入される信号の立ち上が
りエッジで計数動作を行うプログラマブルダウンカウン
タ79とから構成されている。
一方、前記V/F変換器72の出力信号である位相制御信
号ωは前記インバータ部24を構成するフルブリッジ型
のトランジスタ36a乃至36dのベースを駆動するためのベ
ースドライブ回路38を駆動するインバータ駆動手段とし
てのインバータ制御回路76に導入される。この場合、イ
ンバータ制御回路76の他方の入力端子には前記変化点検
出回路74からの制御停止信号SPが導入されている。
インバータ部24の出力信号は基本的にコンデンサ28と
インバータ部24の出力側から出力トランス32の1次側か
ら2次側を見たインダクタンスとからなる共振回路81を
駆動する。この場合、当該インダクタンスはインバータ
部24を構成するトランジスタ36a、36cの共通接続点Aお
よびトランジスタ36b、36dの共通接続点Bから出力トラ
ンス32の1次コイル52に至るまでの配線インダクタンス
と、前記共振用補助コイル29のインダクタンス並びに出
力トランス32の1次側から2次側を見たインダクタンス
の合成インダクタンスとなる。前記共振回路81の交流電
流iと交流電圧vとが変流器48と抵抗分圧回路50によっ
て検出された後、波形整形回路34aと34bにおいて所定の
電圧振幅に変換され、電流信号Iおよび電圧信号Vとし
て共振制御回路40を構成する前記位相比較器60の入力側
に帰還されている。
第6図は第5図に示す共振制御回路40の中、積分用電
源70を含む位相比較器60の具体的な回路図を示す。前記
したように、位相比較器60は位相差検出器62と積分器68
とから構成されている。位相差検出器62はその入力部に
Dタイプフリップフロップ80、82を含み(以下、D−F/
Fという)このD−F/F80、82のクロック入力端子CK1、C
K2に、夫々前記電流信号I並びに電圧信号Vが導入され
ており、この電流信号Iと電圧信号Vの立ち上がりエッ
ジによって当該D−F/F80、82が動作する。この場合、
D−F/F80、82のデータ入力端子D1、D2、プリセット端
子PR1、PR2は夫々電源電圧+5Vに接続されている。D−
F/F80、82の出力端子Q1、Q2は夫々ナンドゲート84、エ
クスクルーシブオアゲート86(以下、EX−ORという)の
2つの入力端子に接続されており、ナンドゲート84の出
力端子は前記D−F/F80、82のクリア入力端子CL1、CL2
に接続されている。
前記位相差検出器62の一方の出力信号S1はスイッチ64
を介して積分器68を構成する電界効果トランジスタ88
(以下FETという)のゲート端子に導入されると共に、
1次微分手段等から構成されスイッチ64、66を切換制御
する位相差判定回路90に導入される。
一方、位相差検出器62の他方の出力信号S2はスイッチ
66および抵抗92を介して前記FET88のソース側と接続さ
れている。この場合、FET88のソース側には抵抗94を介
して電源電圧−12Vに接続されている。前記FET88のドレ
イン側はオペアンプ96と帰還コンデンサ98とからなる帰
還増幅器100に接続され、この帰還増幅器100の出力信号
S3は第4図に示す共振制御回路40を構成するV/F変換器7
2と変化点検出回路74の入力側に導入されている。
なお、本実施態様に係る共振回路付直流抵抗溶接装置
は図示しない制御回路によってその動作が制御される。
この制御回路の記憶手段に記憶された制御動作のアルゴ
リズムを第7図のフローチャートに示す。
本実施態様に係る共振回路付直流抵抗溶接装置は基本
的には以上のように構成されるものであり、次にその作
用並びに効果について添付の図面を参照しながら以下詳
細に説明する。
そこで、先ず、ワークWa、Wbが溶接電極58aおよび58b
によって挟持されると共に初期加圧がなされる(第7
図、STP1)。次に、時刻t0(第8図参照)において共振
制御回路40を構成する積分器68と積分用電源70とが接続
される(STP2)。すなわち、スイッチ64、66の共通接点
64a、66aと接点64b、66bとが接続される(第6図におけ
る接続状態)。
この状態において三相交流電源20から出力される三相
交流はコンバータ部22を構成する整流器スタック42と、
リアクトル44およびコンデンサ46によって直流化され、
この直流がインバータ部24の入力端子に導入される。
一方、積分用電源70からの出力信号(この場合、設置
電位信号)はスイッチ66構成する接点66b、共通接点66a
を介して積分器68の入力端子68b側に導入される。第6
図の接続状態において、FET88は能動状態とされている
のでソース電位と前記接地電位信号並びに電源−12Vと
抵抗92、94で決定される積分電流がFET88のドレイン側
からソース側に通流する。従って、積分器68の出力信号
S3が徐々に増加する。この変化により、V/F変換器72の
出力信号である位相制御信号ωの周波数は、第8図に
示す当該位相制御信号ωにおいて周波数変化特性の時
刻t0点以降に示すように、その周波数が徐々に増加方向
に向かう。この位相制御信号ωの周波数に応じてイン
バータ制御回路76は駆動され、ベースドライブ回路38に
おいてインバータ部24を構成するフルブリッジ型のトラ
ンジスタ36a乃至36dを駆動するのに十分なベース電流に
増幅され、この増幅後のベース電流によってインバータ
部24が駆動される。インバータ部24の出力交流は前記コ
ンデンサ28、共振用補助コイル29を介して出力トランス
32の1次コイル52に導入される。1次コイル52に導入さ
れた交流は出力トランス32によって変圧され2次コイル
56に所定の交流を誘起し、2次コイル56に誘起された交
流は整流器30a、30bによって整流された後、その共通接
続点と前記出力トランス32のセンタタップとから溶接電
極58a、58bを介してワークWa、Wbに供給される(STP
3)。
ここで、共振回路81の共振周波数ωは、前記したよ
うに、コンデンサ28と、出力トランス32の1次側から2
次側を見たインダクタンスとインバータ部24の出力から
出力トランス32の入力側までの配線インダクタンス並び
に共振用補助コイル29のインダクタンスによってその周
波数が規定されている。一方、インバータ部24の出力交
流の中、交流電流iに係る成分は変流器48を介して波形
整形回路34bに導入され、交流電圧vに係る成分は抵抗
分圧回路50を介して波形整形回路34aに導入される。こ
の波形整形回路34a、34bに導入された交流電流iに係る
成分と交流電圧vに係る成分とは、前記したように、位
相差検出器62を構成するD−F/F80、82で処理し得るレ
ベルの電圧信号に変換される。このように変換された実
際には電圧信号である前記交流電流成分に比例する電流
信号Iと交流電圧成分に比例する電圧信号Vとが位相差
検出器62の入力端子62a、62bを介して夫々D−F/F80、8
2のフロップ入力端子に導入される。ここで、D−F/F8
0、82は前記したように信号の立ち上がりエッジで動作
するフリップフロップである。
ところで、当該直流抵抗溶接装置の電源投入時刻t0
ら時刻t1に至る時間において電流信号Iと電圧信号Vと
の属性は、第9図a、bに示すように、電流信号Iの位
相が電圧信号Vの位相に比較して進相となっている。こ
の場合、両信号IとVとの位相差θ(実際には時間差)
はEX−OR86の出力端子に出力信号S1として表れる(STP
4、第9図c参照)。
次いで、位相差判定回路90において出力信号S1に係る
位相差θが所定時間、例えば、電流信号Iの1周期Tに
対応する時間内に零値であるか否かが判定される(STP
5)。この場合、位相差θは零値でないのでこの判定は
成立せず、スイッチ64、66は第6図の状態がそのまま保
持され、位相差θを検出する毎に積分器68によってその
出力信号S3の値が増加する(第9図e参照)。この状態
において、積分器68の出力信号S3が増加するとV/F変換
器72の出力信号である位相制御信号ωの周波数が増加
し、これによってインバータ制御回路76、ベースドライ
ブ回路38を通じてインバータ部24を構成するフルブリッ
ジ型のトランジスタ36a乃至36dから出力される交流電流
が増加する(再びSTP3)。次いで、再び位相差検出器62
においてこの増加した電流に対応する電流信号Iと電圧
信号Vとの位相差θが検出される(再びSTP4)。
前記位相差判定回路90はEX−OR86の出力信号S1に係る
位相差θが零値に至った時にスイッチ64、66の共通接点
64a、66aを接点64c、66c側に切り換えられるものであ
り、今、時刻t1(第8図参照)において電流信号Iと電
圧信号Vとの位相差θが零値、すなわち、位相制御信号
ωの周波数が共振周波数ωに等しくなるものとする
(第10図a乃至d参照)。この時刻t1点において第7図
のフローチャートに示すステップ5における判断が成立
し、ステップ6に示すように、位相差判定回路90の作用
下にスイッチ64、66の共通接点64a、66aは接点64c、66c
側へ切り換えられ、当該直流抵抗溶接装置が共振状態を
保持しつつフィードバック動作をする。なお、位相差制
御信号ωの周波数が共振周波数ωになった時には積
分器68の出力信号S3は第10図eに示すように一定値とな
る。
次に、時刻t1点以降のフィードバック動作について説
明する。先ず、変化点検出回路74は位相制御信号ω
対応する積分器68の出力信号S3の所定の変化、例えば、
出力信号S3の微分係数が所定の正の値から急激に小さな
値に変化した2回目の時点で制御停止信号SPを付勢しイ
ンバータ制御回路76の動作を停止させるように構成され
ている。この場合、位相制御信号ωの周波数の増減と
出力信号S3の信号の大きさの増減とが比例することか
ら、出力信号S3の時間変化特性は第8図に示す位相制御
信号ωと相似の特性である(第11図a参照)。
この場合、変化点検出回路74を構成する微分器77の出
力信号S3は第11図bに示すように表され、比較器78の基
準電圧VRを第11図bに示す所定のレベルに設定しておく
ことにより、比較器78の出力信号S5は第11図cに示すよ
うに表される。
そうすると、時刻t1点において第1回目の変化点が検
出されるので、カウンタ79の設定値が2から1になる。
この場合、カウンタ79の出力信号である制御停止信号SP
はインバータ制御回路76の動作を停止するレベル(この
場合、ハイレベル)に至らなく、時刻t1点以降時刻t2
先では少なくともステップ7の判定は成立しない(STP
7)。
そこで、時刻t1点以降においては、フィードバック動
作が遂行される。すなわち、第9図に示すように、電圧
信号Vに対して電流信号Iが進み信号である場合には積
分信号S3が増加する方向に働いて位相信号S1における位
相差θが小さくなるように動作し、一方、第12図に示す
ように、電流信号Iが電圧信号Vに比較して遅れ信号で
ある場合には積分信号S3の値は減少方向になり、位相差
信号S1の位相差θが小さくなるように動作することによ
って、時刻t1乃至t2間において共振周波数ωは若干変
動するものの、巨視的に観察すると、第8図に示すよう
に、共振周波数ωは略一定値となっている(STP8、ST
P9)。
次いで、時刻t2点において前記ワークWa、Wb間の接触
部位においてナゲットが生成されると、前記出力トラン
ス32の1次側から2次側を見たインダクタンスが変化す
るので、このインダクタンスの変化に起因して共振周波
数ωが変化する。この場合、共振周波数ωは増加の
方向に変化するとされている。また、さらに時間が経過
して、例えば、時刻t3点において所定のナゲットが完全
に生成されると、暫くの間(第8図および第11図a中、
t4点まで)はナゲットがそれ以上に.大きくならないこ
とが確認されている。
この場合、時刻t3点において変化点検出回路74によっ
て微分係数に対応する出力信号S4が所定の正の値から急
激に小さな値に変化する(第11図b参照)ので比較器78
の出力信号S5はローレベルからハイレベルに遷移し(第
11図c参照)カンウンタ79の設定値が1から0に変化す
る。従って、カウンタ79から計数終了信号としての制御
停止信号SPがローレベルからハイレベルに遷移する(第
11図d参照)。そこで、略時刻t3点において変化点検出
回路74よって位相比較器60の出力信号S3の微分計数が所
定の正の値から急激に小さな値に変化する2回目の点が
検出されることになるので、ステップ7における判定が
成立する(STP7)。従って、前記変化点検出回路74の出
力信号である制御停止信号SPによってインバータ制御回
路76の動作が停止する(STP8)。このため、インバータ
部24は動作を停止し、溶接電極58a、58b間に供給される
溶接電流が零値となる。この状態においてもワークWa
Wbは加圧保持される(STP9)。そこで、保持されている
ワークWa、Wb間に生成された図示しないナゲットが略完
全に固化し、ワークWaとWbとが接合される。しかる後、
図示しない制御機構によって溶接電極58a、58b間が離間
してワークWa、Wbが取り出された新たなワークWa、Wb
介装される。
この場合、本実施態様によれば、ワークWaとWb間にナ
ゲットが生成された後、出力トランス32の1次側から2
次側を見たインダクタンスが変化することに起因して共
振周波数ωが変化してもその共振周波数ωの変化に
追従するようにフィードバック作用が遂行されるので当
該共振型直流抵抗溶接機は安定に動作する。従って、ト
ランジスタ36a乃至36dのベース電流IBに対いてコレクタ
・エミッタ間の電圧VCEとコレクタ電流ICは第13図a、
bに示すような関係となり、電力損失PCは図に示すハッ
チング部分のみとなり、第1図に示した従来技術に係る
電力損失PC(第3図参照)に比較して極めてその値を小
さなものとすることが出来る。従って、インバータ部に
おける発振周波数を高周波化した場合においても電力損
失の増加はなく、極めて効率の高い直流溶接抵抗装置が
得られる。
また、共振周波数の変化特性を微分処理して所定の大
きさのナゲットの形成時機を判定して、換言すれば、ワ
ークの接合状態をモニタリングして通電を終了するよう
にしているので高品質の抵抗溶接作用を得ることが出来
る。
さらにまた、第5図に示すV/F変換器72の出力側に周
波数カウンタを接続すれば、第8図に示す共振周波数の
変化特性において、例えば、時刻t1乃至t2間の共振周波
数ωが溶接電極58a、58bの先端部に取着された図示し
ない電極チップが摩耗することにより変化することが確
認されているので、時刻t1乃至t2間における共振周波数
ωが初期の使用状態に比較して所定以上変化した場合
に、電極チップの交換あるいはチップドレスのための警
告信号を出力するようにも構成出来る。
さらにまた、前記した接合状態のモニタリングは、従
来技術に示したように、溶接電極間の電圧変化を直接検
出する方法でなく、出力トランスの1次側で信号処理が
行えるので、例えば、出力トランス32を溶接ロボットの
ハンド部に取着した際等にはハンド部とコントローラ間
の電気的配線を少なくすることが出来ることから当該直
流抵抗溶接装置の構成を簡単なものとすることも出来
る。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、インバータ式直流抵
抗溶接装置のインバータ部の出力回路を共振形にしワー
クに対して溶接電流を供給するように構成している。こ
のため、共振周波数等の変化をモニタリングすることに
よってワーク間に生成されるナゲット等の状況が判定出
来、これによってワークの接合状態が確認出来、安定し
た高品質の溶接を得ることが可能となる。
以上、本発明について好適な実施態様を挙げて説明し
たが、本発明はこの実施態様に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良
並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来技術に係るインバータ式直流抵抗溶接装置
の構成図、 第2図は従来技術に係る抵抗溶接方法の説明図、 第3図は第1図に示す直流抵抗溶接装置のインバータ部
におけるトランジスタの電力損失の説明図、 第4図は本発明に係る共振回路を取着した直流抵抗溶接
装置の構成説明図、 第5図は第4図に示す直流抵抗溶接装置の中、共振制御
回路等の構成ブロック図、 第6図は第5図に示す共振制御回路の中、位相比較器の
詳細回路図、 第7図は当該直流抵抗溶接装置の動作を説明するフロー
チャート、 第8図は当該直流抵抗溶接装置の動作を説明する周波数
変化特性図、 第9図、第10図および第12図は当該直流抵抗溶接装置の
フィードバック動作等を説明するタイムチャート、 第11図は第4図に示す共振制御回路の中、変化点検出回
路の動作を説明する図、 第13図は当該直流抵抗溶接装置のインバータ部における
トランジスタの電力損失の説明図である。 22……コンバータ部、24……インバータ部 26……電流電圧検出部、28……コンデンサ 32……出力トランス、40……共振制御回路 48……変流器、52……1次コイル 54……トランスコア、56……2次コイル 60……位相比較器、62……位相差検出器 68……積分器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流をインバータを用いて交流に変換した
    後、その交流を共振回路を形成するコンデンサを介して
    出力トランスの1次コイルに導入し、前記出力トランス
    の2次コイルに誘起する交流を整流し再び直流に変換し
    てワークに供給し、当該ワークを接合する直流抵抗溶接
    方法であって、先ず、前記インバータから出力される交
    流の電圧成分に対応する信号と電流成分に対応する信号
    との位相差を検出し、次に、当該位相差が零値となるよ
    うに前記インバータをフィードバック駆動することを特
    徴とする直流抵抗溶接方法。
  2. 【請求項2】入力する直流を交流に変換するインバータ
    と、前記インバータの出力側に共振回路を形成するコン
    デンサを介して接続され前記交流を所定の電圧に変圧す
    る出力トランスと、前記出力トランスの2次側に接続さ
    れ前記変圧された交流を整流してワークに供給する整流
    器とを有する直流抵抗溶接装置において、前記インバー
    タから出力される交流の電圧成分に対応する信号と電流
    成分に対応する信号を検出する検出手段と、当該検出手
    段の出力信号を波形整形する波形整形手段と、当該波形
    整形手段によって整形された電圧成分に対応する信号と
    電流成分に対応する信号の位相差を比較し、その位相差
    に応じた出力信号を出力する位相比較手段と、この位相
    比較手段の出力信号に応じて前記位相差が零値となるよ
    うに前記インバータを駆動するインバータ制御手段と、
    前記位相比較手段の出力信号の時間変化の割合を検出し
    その時間変化の割合が所定以上変化した際に前記インバ
    ータ制御手段を滅勢させる信号を出力する変化点検出手
    段とを具備することを特徴とする直流抵抗溶接装置。
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