JP4901001B2 - 複製による光学素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
この発明は、マスタを用いた複製により、光学素子を製造する方法に関するものである。
また、この発明は、この方法により製造された光学素子にも関連している。
【0002】
これらの光学素子は、特に、回折の優先順に従って、光線を迂回させるために、光学装置において使用される光回折格子のような回折性の光学素子である。
回折素子は、特に、回折格子が、偏向、色の分離および付随する焦点合わせのような多くの機能を満足できるレーザシステムにおいて、最小限の材料を通過して使用され、この点で、非常に高い効率の焦光回折格子に関連する仏国特許出願第96 11378号を参照することができる。
【0003】
図1は、従来の回折格子の断面図を示している。
この格子1は、例えば、櫛歯形態の基本のエッチングパターンを連続して構成されたエッチング輪郭形状を有している。
この構成部品の効果は、実質的にエッチング輪郭形状の特徴に関連している。
これらの特徴は、
− 最大限の回折効率を達成するために最適化される、格子を構成する材料のエッチング深さh、
− 間隙a、
− ステップまたは周期b、
− 1より小さい比率t=(b−a)/bにより定義される「充填率」t;エッチングに与えられる最適深さも、この充填率に依存している、
− 比率r=(b−a)/hにより定義される「アスペクト比」である。
【0004】
間隙が大きくなるほど、アスペクト比は小さくなる(r<1)が、例えば、以下において、1:1のアスペクト比は複製容易であり、1:5のアスペクト比は複製困難であり、推論が、単位輪郭幅(b−a)を参照して行われるので、この場合には、高いアスペクト比を有する輪郭が使用される。
【0005】
明らかに、一般的な規則として、正確な複製方法は、マスター物体またはマトリクスと同じ特徴を有する複製物または複写物を提供することができなければならない。
この要求は、光学素子、さらに詳細には回折光学素子の複製による製造のために満足されなければならない。
【0006】
したがって、回折格子のために、そのような格子を複製により製造する方法は、複写されたエッチング輪郭形状の正確な複製を保証しなければならず、すなわち、上記において定義したエッチング輪郭形状の特徴、すなわち、幅、間隔、周期、充填率およびアスペクト比を高い忠実度で転写しなければならない。
【0007】
複写した輪郭形状の特徴が再生される精度は、光学的特性、特に、マスターと同じでなければならない回折効率を決定する。
また、複製を製造するために使用される材料は、所望の用途、例えば、レーザシステムにおいて要求される特性を有していなければならない。
【0008】
文献に開示されている複製方法は、3つの主なカテゴリ、すなわち、高温エンボス加工、射出成形および鋳造に分類することができる。
エンボス加工方法は、特に、Kluepfel他による文献、1991, Holography Market Place, Berkeley, Ca. USA, Ross Booksに開示されているように、ホログラム製造産業において広く使用されている技術である。
【0009】
この技術は、加熱されたポリ塩化ビニルまたはポリカーボネートのような、熱可塑性樹脂材料を、マスタを使用して、平坦なキャリア上に押圧することからなる原理に基づいている。
この技術は、特に、1μmより小さい深さを有する輪郭形状、または、それよりも深いが小さいアスペクト比、すなわち、rが1より大きい輪郭形状を複製するのに適している。
【0010】
しかしながら、KnopeとGaleによる刊行物、1980, Surface-Relief Images for Colour Reproduction, London, Focal Pressは、1/4.3のアスペクト比を有する格子の実験方法を使用した複製を開示している。
Becker他による刊行物、1986, LIGA Process, Microelectronic Engineering 4, 35-36 は、高いアスペクト比を有する微細構造を、エンボス加工により複製することを意図した技術を開示している。
【0011】
複製方法の第2の主なカテゴリは、鋳造カテゴリであり、Miller他による刊行物、1951, JOSA, 41, 807-815に開示されているようなオーバーヘッドプロジェクタのコンデンサ用のフレネルレンズ、または、Teyssier他による刊行物、1990, Lasers ∓ Optronics, Dec. 1990, 50-53に開示されているようなオーディオまたはビデオコンパクトディスクの製造のために広く開発されている。
【0012】
この方法によれば、ポリカーボネート、ポリメチルアクリレート等のような軟化されたプラスチック材料を、輪郭形成された型の中に圧力によって注入することにより、微細構造を精度良く複製することができる。
【0013】
それにもかかわらず、高い解像度、すなわち、1μmより小さい解像度および大きな深さ、すなわち1μmより大きい深さの複製品の工業的生産は、同時には達成されていない。
【0014】
結局、例えば、Hutleyによる刊行物、1982, Diffraction Gratings, 125-127, Academic Press, Londonに開示されたような鋳造複製方法は、輪郭形成されたマスタの表面への材料の塗布と、その温度補助成形(鋳造)、または、Coopsによる刊行物、1990, Philips J. Res, 44, 481-500 およびShvartsmanによる刊行物、1993, SPIE Critical Review Proceedings, CR49, 117-137, SPIE, WA, USAに開示されているような光重合とを含んでいる。
【0015】
この方法は、特に、高い解像度の輪郭形状が必要とされ、かつ、アスペクト比が高い場合に適用される。しかしながら、サイクルタイムは長い。
また、ゾル−ゲル、非塑性物質も、回折光学素子または導波管を製造するために、ザールブリュックのINM研究所(Institute fur neue Materialien)によって使用されている。
【0016】
したがって、Krug他による文献、1994, New J. Chem. 18, 1125-1134は、可視領域または近赤外領域における送信回折格子を複製するために、エンボス加工およびハイブリッド材料Zr(OR)4/CH2=CCH3COOH/(RO)3Si(CH2)3OCOC(CH3)=CH2の紫外線光架橋を使用した実験を開示している。
【0017】
上述したプロセスのいずれも、回折格子のような光学素子を、複製により、すなわち、上述した特性により定義され、(明瞭な)伝達、塑性のような所望の用途に必要とされる光学的その他の特性を有するエッチング輪郭形状の高精度かつ正確な再現によって製造する方法に対しての、上述した全ての要求に同時に合致するものではない。
【0018】
特に、従来技術の方法のいずれも、高密度かつ高アスペクト比の輪郭形状を有するマスタを精度良く再生する簡易な方法を提供するものではない。
また、従来技術の方法のいずれも、既に述べた要求以外に、動力レーザにおいて直面する追加の制限を満たすことができるものではない。
【0019】
将来的に、0.35μmで500TWの動力を発生する、これらのレーザは、高効率、かつ、特に、例えば、近紫外領域から近赤外領域までの範囲において、レーザフローに対して強い耐性を有する大型、例えば、400×440mmの回折格子を使用する必要がある。
したがって、上述した全ての要求および制限を同時に満たす光学素子を、複製により製造する方法が求められている。
【0020】
特に、高密度かつ高アスペクト比を有するマスタを精度良く複製するための簡易な方法を提供する方法が求められている。
さらに、大型の回折格子のような光学素子を製造することを可能にする方法も求められている。
【0021】
結局、複製材料にかかわらず、特に、所望の用途に必要な光学的特性および他の特性(機械的、熱的・・・)の全て、特に、レーザフローに対する優れた耐性を有する複製材料を用いて、光学素子を精度良く複製することができる方法が求められている。
さらに、この方法は、簡易、高い信頼性、実施容易、かつ、低コストでなければならない。
この発明の目的は、特に、これらの要求を満たすことである。
【0022】
また、この発明の目的は、従来技術の不都合、欠点および制約を有さず、従来技術によって提起された問題を解決する、複製により光学素子を製造する方法を提供することである。
【0023】
この目的および他の目的は、マスタを用いた複製により光学素子を製造する方法に係るこの発明によって達成される。この発明によれば、第1に、マスタを処理するために、
− 洗浄されたマスタに、液相堆積技術を使用して離型剤を塗布し、
− 該離型剤で被覆されたマスタを熱処理にかけ、
第2に、複写キャリアを用意するために、
− 洗浄された基板に、液相堆積技術を使用して接着促進剤または結合剤を塗布し、
− 接着促進剤または結合剤で被覆された基板を熱処理にかけ、
マスタの処理または複写キャリアの準備のいずれかを完了させるために、複写材料を、液相堆積技術によって、前記離型剤で被覆され熱処理されたマスタまたは前記接着促進剤または結合剤で被覆され熱処理された基板のいずれかに塗布し、該複写材料で被覆された前記マスタまたは前記基板を熱処理にかけ、
− そのように処理されたマスタおよびそのように準備された複写基板を、別々に、エンボス加工温度まで昇温し、
− 前記マスタおよび複写キャリアを組み立て、かつ、マスタを複写キャリア上に、または、複写キャリアをマスタ上に押し付け、
− 確実に複製するのに十分な時間にわたって組立温度および圧力を維持し、
− 冷却後に、複製された光学素子を保持する複写キャリアを、マスタから分離する。
【0024】
この発明の方法は、従来技術の方法における欠点を改善し、これらの方法によって提起される問題の解決策をもたらし、上述した要求の全てを満たすものである。
【0025】
この発明の方法は、上述した全ての基準を同時に満たし、実行段階において何ら損傷を受けることなく、明瞭さ、可塑性、レーザフローに対する耐性のような全ての所望の光学的特性および他の特性を有する好適な材料からなる光学素子の製造を制御するために使用することができ、結局、精度が高く、これまでにないマスタの複製を、その性質およびそのエッチング深さに関わりなく保証するものである。
【0026】
言い換えると、この発明の方法によれば、意外な方法で、任意の輪郭形状の高精度の複製を得ることができる一方、全ての光学素子において満たされる全ての要求された特性を有する複写材料を用いて、この高い精度の複製を可能にしている。
【0027】
この発明の方法は、非常に簡易であって、かつ、信頼性が高く、証明済みの堆積技術および容易に入手できる公知の化合物を含む限られた数の行程を具備している。
さらに、この発明の方法は、比較的短時間で行われ、その結果、この発明の方法によれば、コストに関しても有利である。
【0028】
この発明の方法は、その性質にかかわらず、任意の光学素子の製造に適用できるが、特に、
− 例えば、0.2〜1(0.2<r<1)の高いアスペクト比を有する輪郭形状に対してさえも、高い忠実度での輪郭の複製、
− 紫外領域から近赤外領域までのスペクトル範囲での伝達、
− 例えば、90%より大きな高い屈折率、例えば、ナノ秒インパルス運転において、1053nmで25J/cmより大きく、351nmで12J/cmより大きい、強いレーザフローに対する格別な耐性
を有する回折格子のような回折光学素子を、複製により製造するために有利に使用される。
【0029】
さらに、この発明の方法は、例えば、動力レーザに使用される大型の基板に容易に置き換えることができる。
また、この発明に係る方法は、入射波の位相を修正する位相変調輪郭形状を有する「位相板」と呼ばれる位相変調素子を製造するために適用されてもよい。
【0030】
離型剤は、フルオロアルキルアルコキシシランおよびフルオロアルキルクロロシランの内から選択されることが好ましい。
1つの特に好ましい離型剤は、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−1−トリクロロシランである。
【0031】
離型剤は、一般に、より均一な堆積を保証する浸せき塗装技術を用いて、洗浄されたマスタに塗布されることが好ましい。
離型剤を被覆したマスタの熱処理は、概して、100〜200℃の温度で、5〜30分間行われる。
【0032】
接着促進剤または結合剤は、フルオロアルキルアルコキシシランおよびエポキシアルキルアルコキシシランの内から選択されることが好ましい。
接着促進剤または結合剤は、離型剤の場合のようにフルオロアルキルアルコキシシランの中から選択されるが、準備において触媒(酸、塩基)を使用しないことが好ましいことを特筆しておく。
【0033】
1つの特に好ましい接着促進剤は、1H,1H,2H,2H−過フッ化デシルトリエトキシシランである。
接着促進剤または結合剤は、浸せき塗装技術またはスピンコーティングを用いて塗布されることが好ましい。
【0034】
接着促進剤または結合剤で被覆された複写キャリアの基板の熱処理は、一般に、100〜200℃の温度で、5〜30分間行われる。
複写材料は、フッ素含有ポリマー、ビニルポリマー、およびゾル−ゲル合成により製造された材料の内から選択されることが好ましい。
【0035】
フッ素含有ポリマーは、過フッ化アルケン(アルケンは、2〜10個の炭素原子を有することが好ましい)の重合、または、過フッ化アルケンと他のモノマー、好ましくは、過フッ化モノマー、さらに好ましくは、過フッ化ジオキソル形のモノマーとの共重合から抽出されるホモポリマーおよびコポリマーの内から選択される、熱可塑性の有機フッ化ポリマーであることが好ましい。
【0036】
好ましいホモポリマーおよびコポリマーは、過フッ化アルケンが四フッ化エチレンであり、他のフッ化モノマーが過フッ化ジオキソルであるホモポリマーである。
さらに好ましいコポリマーは、四フッ化エチレン(TFE)と2,2−ビストリフルオロメチル 4,5−ジフルオロ 1,3−ジオキソル(PDD)の混合物の共重合から抽出された、ヌムールのデュポン社により製造されるテフロンAF(登録商標)である。
【0037】
フッ素含有ポリマーは、有機フルオロシクロエーテルポリマーの内から選択されてもよい。
ビニルポリマーは、好ましくは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびポリビニルブチラールの内から選択されることが好ましい。
【0038】
ゾル−ゲル合成により製造される材料は、一般に、金属および半金属の酸化物、およびこれらの酸化物の混合物の内から選択される酸化物含有材料である。
ゾル−ゲル合成により製造される複写材料は、重合材料、低重合材料、コロイド状材料および合成材料の内から選択される。
この複写材料は、重合シリカ、低重合シリカまたは合成シリカであることが好ましい。
【0039】
前記マスタまたは前記基板が受ける熱処理は、一般に、100〜350℃の温度で、15〜60分間行われる。
エンボス加工温度は、100〜350℃であることが好ましい。
エンボス加工のための圧力は、一般に、1MPa〜50MPaであり、一般には、1〜15分間にわたって適用される。
【0040】
この発明は、上述した方法を用いて得られる光学素子にも関連している。
この素子は、回折格子、位相変調素子、および表面起伏を有する物体または素子のような回折光学素子の内から選択されることが好ましい。
【0041】
この発明の方法によれば、大型の回折格子、すなわち、例えば、側長440mm、かつ/または、動力レーザフローに対して高い耐性を有するものを、特に、複製によって、非常に忠実に準備することが可能である。
【0042】
この発明の他の特徴および利点は、例示を目的とし、限定しない以下の説明を読むことによって、よく理解することができる。
この発明は、第1に、マスタまたはマトリクスの準備を含んでいる。
このマスタまたはマトリクスは、いわゆるこの発明の主題である複製方法の前に、適正に製造される。
【0043】
マスタは、任意の好適な材料から構成されてもよく、無機または有機材料が好ましく、例えば、マスタは、ガラスのようなガラス質の材料、例えば、石英ガラスのようなシリカ含有ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラスまたは燐酸ガラスに形成され、または、さらに、マスタは、金属または樹脂のような有機材料から形成されてもよい。
【0044】
しかしながら、マスタは、一般に、ガラス基板、特に、所望の輪郭をくり抜くことができるレーザ用途のための溶融シリカからなるガラス基板にエッチングすることにより得られる。
仏国特許出願第96 11378号は、回折格子のための輪郭のエッチング例を示している。
【0045】
エッチングは、例えば、基板に化学的および/または物理的作用、例えば、酸による作用を与える微細石版印刷方法、RIEまたはRIBE電子またはイオン衝撃またはレーザ書き込みを使用して行うことができる。
【0046】
したがって、マスタの準備は、記録材料の堆積ステップと、干渉形状のホログラフィー記録が行われる露光ステップと、露光されていない材料を化学的に除去する現像ステップと、最後に、例えば、好ましくはシリカからなる基板に回折形態をエッチングするエッチングステップとを具備している。
【0047】
マスタが一旦準備されたならば、その適用には本質的にその洗浄からなる表面の準備を必要とするので、この発明の方法は、洗浄したマスタを使用する。
【0048】
マスタは、例えば、化フッ化物の液体、「フレオン」および商標名CFT130として、ATEC(登録商標)社から販売されている製品のような、フレオンの代替製品から選択される、沸点まで昇温された好適な液体の下降流下において、気相内で洗浄されるのが一般的である。
【0049】
同様にして、複製キャリアの基板は、例えば、その表面を、フッ化水素酸溶液または希釈したソーダのような剥離水溶液で摩擦し、その後、洗浄剤で洗うことにより洗浄される。
複製キャリアの基板は、一般には、珪酸塩ガラス類から選択される材料からなっている。
【0050】
この発明の方法によれば、第1に、マスタを処理するために、液相堆積技術を用いて、洗浄されたマスタに離型剤が塗布される。
液相堆積技術は、例えば、浸せき塗装、スピンコーティング、層流コーティング、テープコーティングまたはスプレイコーティングのような任意の公知の液相堆積技術でよい。
【0051】
浸せき塗装技術は、一般に、複製すべき輪郭の方向に対して、より良好な堆積の均一性を保証するので、好んで使用される。
マスタコピーの分離操作を容易にする機能を有する離型剤は、フルオロ−アルキルアルコキシシラン類、フルオロアルキルクロロシラン類、例えば、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−1−トリクロロシランから選択されることが好ましい。
【0052】
離型剤は、一般に、好適な溶媒に溶かした溶液の形態で塗布され、この溶媒は、一般に、アルコール類、第1、第2または第3アルコールのいずれか、過フッ化物溶媒類およびクロロフルオロアルカン類(フレオン(商標))から選択される。
アルコールは、好ましくは、1〜5個の炭素原子を有する直鎖状のまたは分岐した脂肪族アルコールから選択される。
【0053】
過フッ化物溶媒は、3M社により商標名Fluorinert(登録商標)FCシリーズで販売されている化合物のような過フッ化アルキルアミン類、Ausimont-Montedison社により商標名Galden(登録商標)HTシリーズで販売されている化合物のような過フッ化エーテル類および過フッ化アルカン類の中から選択されることが好ましい。
【0054】
「フレオン(商標)」は、Rhone-Poulenc社により商標名Flutec(登録商標)で販売されている化合物、または、ATEC社により製造された商標名CFT(登録商標)から選択されることが好ましい。
【0055】
溶液内の離型剤の濃度は、約0.1〜2質量%、すなわち、希釈した溶液であることが好ましい。
離型剤として使用される溶液は、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−1、トリクロロシラン(例えば、溶媒として、以下の化学式:
【化1】
Figure 0004901001
を有する化合物からなるHULS(登録商標)により販売されており、該化合物は、Ausimont-Montedison社により商標名Galden(登録商標)HT110で販売されている。)からなる1質量%溶液であることが好ましい。
離型剤の被膜の厚さは、約1〜20nmである。
【0056】
マスタ処理に関して、離型剤で被覆されたマスタは、その後、堆積後の移植を促進するために、熱処理にかけられる。
一般に、熱処理は、100〜200℃、好ましくは150℃の温度で、5〜30分間、好ましくは、15分間行われる。
【0057】
この発明の方法によれば、第2に(すなわち、マスタからの分離処理)、複写キャリアを準備するために、
− 接着促進剤または結合剤が、液相堆積技術を使用して洗浄された基板に塗布される。
【0058】
この接着促進または結合剤の目的は、複製した材料のそのキャリアへの粘着を容易にすることである。
使用される液相堆積技術は、一般に、既に上述した技術、好ましくは、浸せき塗装技術またはスピンコーティングの中から選択される。
【0059】
接着促進剤または結合剤は、フルオロアルキルアルコキシシラン類およびエポキシアルキルアルコキシシラン類の中から選択されることが好ましい。
接着促進剤は、一般には、好適な溶媒内に溶解した溶液の形態で塗布され、この溶媒は、一般に、アルコール、過フッ化物溶媒、好ましくは、1〜5個の炭素原子を有する直鎖、または、例えば、ブタノール−1のような分岐した脂肪族アルコールの中から選択されることが好ましい。
【0060】
結合剤または接着促進剤の濃度は、一般に0.5〜3質量%であり、すなわち、希釈溶液であることが好ましい。
好ましくは、1H,1H,2H,2H−過フッ化デシルトリエトキシシランの2質量%のブタノール−1溶液が使用される。
結合剤または接着促進剤の皮膜の厚さは、約1〜20nmである。
【0061】
また、複写キャリアの準備の一部として、接着促進剤または結合剤で被覆された基板が、その後、堆積後の移植を促進するために熱処理にかけられる。
熱処理は、一般に、100〜200℃、好ましくは150℃の温度で、5〜30分間、好ましくは、15分間行われる。
【0062】
この発明の方法によれば、マスタの処理または複写キャリアの準備のいずれかを完了するために、液相堆積技術が、プロファイリングまたはエンボス加工材料とも呼ばれる複写材料を、上述した離型剤で被覆された前記熱処理されたマスタ、または、上述した接着促進剤または結合剤が被覆された前記熱処理された基板のいずれかに塗布するために使用される。
前記マスタまたは前記基板への、この複写材料塗布ステップは、同じ条件下で行われる。
【0063】
第1の場合、または、この発明の方法の第1の変形例では、この方法はむしろ鋳造複製方法と呼ばれ、第2の場合、または、この発明の第2の変形例では、この方法は、むしろ、エンボス加工複製方法と呼ばれる。
【0064】
すなわち、複製すべき材料がマスタ上に存在する場合には、「鋳造」の語句が使用され、複製すべき材料がキャリア上にある場合には、「エンボス加工」の語句が使用される。
【0065】
上記において、および、この発明の以下の説明において明らかなように、この方法の2つの変形例は、それらの本質的なステップにおいて類似しており、複写材料が塗布されるキャリアまたは基板においてのみ若干相違しており、さらに条件も同じである。
【0066】
複写材料を堆積するために使用される液相堆積技術は、一般に、既に述べた技術の中から選択され、浸せき塗装またはスピンコーティングが使用されることが好ましい。
複写材料は、一般に、光学素子の製造に適した材料の中から選択される。
【0067】
この発明の特に好ましい適用範囲において、すなわち、回折格子のような回折光学素子の製造のために、この材料は、紫外領域(250〜400nm)、可視領域(400〜800nm)または近赤外領域(800〜2000nm)の波長において高い透明度を有する材料であることが好ましく、高いレーザフロー、すなわち、351nmにおいて、3nsのインパルス時間を有する12J/cmより大きいレーザフローまたは、1053nmにおいて、3nsのインパルス時間を有する25J/cmより大きいレーザフローに対して高い耐性を有することが好ましい。
【0068】
他の光学素子を準備するために、材料は、そのような素子のために必要とされる制約に適合する特性を有する必要があるが、全ての事象において、この発明の方法は、材料の必要とされる特性を全て維持しながら、精度の高い複製を達成することを可能にするものである。
【0069】
したがって、複写材料は、一般に、フッ素含有ポリマー、好ましくは、熱可塑性有機フッ化ポリマー、ビニルポリマーおよびゾル−ゲル合成により生成される材料の中から選択される。
【0070】
熱可塑性有機フッ化ポリマーは、好ましくは、過フッ化シランの単独重合、または、他のモノマー、好ましくは、過フッ化ジオクソルのような過フッ化モノマーを有する四フッ化エチレンのような過フッ化アルケンの共重合により得られるホモポリマーおよびコポリマー、好ましくは、アモルファスである。
【0071】
そのようなポリマーおよびコポリマーの例は、ヌムールのデュポン社による、テフロンAF(登録商標)のような、一般的な商標名テフロン(登録商標)によって販売されている製品である。
【0072】
製品テフロンAF(登録商標)は、四フッ化エチレン(TFE)と、2,2−ビストリフルオロメチル 4,5−ジフルオロ 1,3−ジオクソル(PDD)との混合物の共重合から抽出される。
さらに詳細には、160℃のTgを有するテフロンAF(登録商標)1600が好ましい。
【0073】
前記有機フッ化ポリマーの他の例は、CYTOP(登録商標)の商標名で、旭硝子社から販売され、以下の化学式:
(−CF−CF)CF)(O−CF−CF)CF−CF−)
を有する、可溶性の有機フッ化シクロエーテルポリマー形式のものである。
【0074】
ビニルポリマーは、ポリビニルピロリドン類(PVP)、ポリビニルアルコール類およびポリビニルブチラル類の中から選択されることが好ましい。
複写材料を構成するゾル−ゲル合成により生成される材料は、一般に、金属酸化物および半金属酸化物およびこれらの酸化物の混合物から選択される酸化物を含有する材料である。
【0075】
金属酸化物または半金属酸化物の中では、例えば、酸化チタン、タンタル酸化物、イットリウム酸化物、スカンジウム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、トリウム酸化物、ニオビウム酸化物、ランタン酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物およびシリコン酸化物に言及することができる。
【0076】
ゾル−ゲル合成は、「ゾル−ゲル」処理という名で当業者に知られている任意の方法を意味し、金属または半金属酸化物を含むゾル−ゲル材料(すなわち、ゾル−ゲル合成によって生成される材料)が、一般には、前駆化合物、例えば、アルコキシドのような有機金属化合物、または、塩化物、窒化物等のような金属塩の加水分解−凝縮によって準備される。
【0077】
一般的な原則として、ゾル−ゲル方法は、−何ら限定を伴うことなく− 2つのカテゴリー、すなわち、重合による方法またはシステムと、コロイドによる方法またはシステムに全体的に分類される。
【0078】
したがって、ゾル−ゲル合成により生成された複写材料は、例えば、重合材料または低重合材料と呼ばれ、または、さらに、コロイド材料または合成材料と呼ばれ、上述した金属酸化物および半金属酸化物およびそれらの混合物の内の任意のものを含有する金属である。
【0079】
1つの好ましい材料は、いわゆる「重合シリカ」または「低重合シリカ」と呼ばれるシリカである。
前記シリカは、以下の4つの形式の処理溶液を使用して準備される。
− SiO濃度=10.6%、分子比[HO]/[SiO]=10、pH=約2を有する母溶液から準備され、1ヶ月間熟成され、SiO濃度=3.75%に達するまで希釈されたHCl媒体内の重合SiOと、
− 上記と同じ条件下で準備されたHNO媒体内の重合SiOと、
− S. MAEKAWA and T. OHISHI in J. of Non-Crystalline Solids, 169, 1994, p.207 に開示された条件下で準備されたSiO([SiO]=2.4%、[HO]/[SiO]=12、pH=2、一晩振動、しかし、開示とは反対に紫外光への露光はしない。)とである。
【0080】
[SiO]=2.4%、[HO]/[SiO]=2.4%、[HO]/[SiO]=12、pH=2、一晩振動、紫外光露光なしのような、エタノール媒体内のテトラエトキシシランとHCl酸触媒の溶液との混合物から調整されたSiOの使用は、上記の準備と等価であることを一言しておく。
最後の2つの調整は、「低重合シリカ」と呼ばれる。
【0081】
ゾル−ゲル合成により生成された複写材料の他の形式は、バインダ、好ましくは、シロキサンバインダで被覆された金属酸化物、好ましくはシリカであり、そのような材料は、例えば、「合成シリカ」と呼ばれる。
【0082】
上記において既に示したように、選択された複写材料は光学素子に関するものであり、特に、使用される波長領域に得られることが望ましい。
【0083】
したがって、上述した3つのグループの内、紫外領域から近赤外領域までの広いスペクトル範囲における適用には、それらの優れた光学的特性およびこの全範囲にわたるレーザフローに対する耐性を考慮して、有機フッ化ポリマーが好んで使用される一方、ゾル−ゲルまたはビニル材料は、可視または近赤外領域における使用に向けられる。
【0084】
有機フッ化ポリマーおよびビニルポリマーに関して、複写材料は、一般に、好適な溶媒;一般にはアルコール類、過フッ化物溶媒、およびクロロフルオロアルカン類(フレオン類)の中から選択される溶媒内に溶解した溶液の形態で塗布される。
これらの溶媒は、離型剤の塗布に関して、上記において既に詳細に開示した。
有機フッ化ポリマーまたはビニルポリマー複写材料の溶液内の濃度は、約1〜12質量%、好ましくは、6質量%である。
【0085】
紫外線下で作動する回折格子の複製のための複写材料としては、上述したテフロンAF(登録商標)1600が好んで使用され、そのガラス転移温度は160℃である。
【0086】
この複写材料は、過フッ化アルキルアミンからなる3M社により販売されている溶媒FC75(登録商標)、または、Ausimont社により販売されているGalden(登録商標)HT110内に、1〜12質量%、好ましくは、6%の比率まで希釈される。
【0087】
堆積条件は、堆積薄膜の厚さ、一般には0.1〜5μmに対して容易に決定され、例えば、複写すべき輪郭の深さに関連して調節される。
例えば、テフロンAF(登録商標)の6質量%溶液を用いて、毎分700回転の速度で1回のスピンコーティングにおいて0.7μmの厚さが塗布される。
また、ゾル−ゲル合成により生成された複写材料の堆積条件は、堆積コーティングまたは薄膜の厚さ、一般には0.1〜5μmに対して容易に決定される。
【0088】
かなりの厚さ、例えば、1〜5μmの厚さのコーティングが堆積される場合には、1ステップではなく、複数堆積ステップ、すなわち、2〜10ステップによって堆積することができ、各ステップにおける複写材料層の堆積厚さは、0.5〜2μmである。
【0089】
この発明によれば、複写材料によってこのように被覆された前記マスタまたは前記基板は、堆積後の移植を促進するために熱処理にかけられる。
熱処理は、一般には、100〜350℃、好ましくは250℃の温度で、15〜60分間、好ましくは、30分間行われる。
【0090】
複写材料がビニルまたは有機フッ化ポリマーである場合には、処理温度は、前記ポリマーのTg(ガラス転移温度)、例えば、テフロンAF(登録商標)1600の場合には250℃よりも大きい。
【0091】
上述したように、複写材料のコーティングが、実質的に1〜5μmの厚さを有している場合、すなわち、この被覆が、各ステップごとに複写材料層が堆積される複数の堆積ステップ(多層堆積)で塗布または堆積された場合には、各堆積ステップ後に、100〜250℃の温度で、好ましくは150℃で、5〜30分、好ましくは15分の時間間隔ごとに、中間処理が行われることが好ましい。
しかしながら、全ての堆積ステップ後に、堆積されたコーティング全体に対して熱処理を行うことも可能である。
【0092】
この発明によれば、エンボス加工ステップの前に、そのように処理されたマスタおよびそのように準備された複写キャリアが、上述したように、別々にエンボス加工温度まで昇温される。
言い換えると、適正に準備されたマスタおよび複写キャリアは、別々に加熱されなければならない。
したがって、2つの要素は、一般に、100〜350℃、好ましくは250℃の最小エンボス加工温度まで、別々の場所で昇温される。
【0093】
複写材料が、ビニルポリマーまたは有機フッ化ポリマーである場合には、このエンボス加工温度は、一般に、前記ポリマーのTgより高く、例えば、このエンボス加工温度は、テフロンAF(登録商標)1600では、250℃より高い。
【0094】
この発明によれば、マスタおよび複写キャリアが、その後組み立てられ、これら2つの部品の組立は、例えば、機械的組立によって行われる。
【0095】
マスタが、その後、複写キャリア上にエンボス加工され(変形例1:エンボス加工による複製方法)、または、複写キャリアが、マスタ上にエンボス加工される(変形例2:鋳造による複製方法)。
このエンボス加工は、例えば、純粋に機械的方法、油圧的方法、または、空気圧的方法を用いて行われる。
【0096】
要素の温度を維持しながら、エンボス加工は、一般に、精度の高い複製を保証するために同時に行われなければならない。
上述した温度および組立圧力は、複製を保証するのに十分な時間にわたって維持される。
エンボス加工圧力は、一般に1MPa〜50MPaであり、1〜15分間適用される。
【0097】
テフロンAF(登録商標)1600に対しては、油圧、例えば、Hydromat(登録商標)が、10MPaの圧力で、5分間使用される。
その後、加熱システムがオフに切り換えられ、マスタと複写材料の組立体の温度は、イナート冷却によって低下させられる。
同時に、圧力は、周囲の温度に戻るまで維持される。
【0098】
複製された複写は、その後、離型操作中にマスタから取り外される。
マスタから複写キャリアを分離させることからなるこの操作は、一般に、特定の補助なしに、周囲温度で、あるいは、例えば、50〜200℃の温度で加熱しながら行われるが、全ての場合において、複写材料を構成し得るポリマーのTgより低い温度で行われる。
【0099】
例示目的で、何ら限定しない方法で与えられる以下の実施例は、この発明の方法を示している。
(実施例1)
この発明の方法(エンボス加工による複製の変形例)を使用して、351nmにおける回折格子の複製された複写物が準備される。回折格子は、2497本/mmからなり、以下の表1に与えられる深さおよび充填率を有している。
この方法の条件は、概略以下の詳細を有する、上述した条件である。
【0100】
マスタ処理:
マスタ:シリカ;
− 離型剤: (トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−1、HULS(登録商標)により供給されるトリクロロシラン。引き出し速度5cm/minでディップコーティングにより、溶媒Galden(登録商標)HT100内に溶解した1質量%溶液の形態で塗布される;
− 離型剤で被覆されたマスタの熱処理:150℃で15分間(オーブン加熱)
【0101】
複写キャリアの準備:
− 基板:シリカ;
− 接着促進剤:PCR社により供給される1H,1H,2H,2H−過フッ化−デシルトリエトキシシラン。ブタノール−1内に溶解した2質量%溶液の形態で700回転/minの速度のスピンコートにより塗布される;
− 基板の熱処理:150℃で15分間(オーブン加熱);
− 複写材料:テフロンAF(登録商標)1600;
− 複写材料の塗布:溶媒Galden(登録商標)HT110内に溶解した6質量%溶液の形態で、700回転/minの速度のスピンコーティングによって、1回のステップで堆積する;
− 堆積厚さ:1μm
− 複写材料で被覆された基板の熱処理:250℃で30分間;
マスタおよび複写材料を所望の温度に昇温:加熱ケーブルを使用し、最小エンボス加工温度は270℃。
【0102】
エンボス加工:
エンボス加工は、10MPaの圧力、かつ、270℃で5分間、HYDROMAT(登録商標)油圧プレスにおいて行われる。
− 得られたテフロン(登録商標)からなる格子の複写物の特徴(深さ、充填率)は、表1に与えられる。
【0103】
(実施例2)
この発明の方法を用いて、1053nmにおける802本/mmの回折格子の複製された複写物が準備される。回折格子は、表1に示される深さおよび充填率を有している。
この方法の条件は、上記実施例1の場合と同様である。
得られたテフロン(登録商標)からなる格子の複写物の特徴は、表1に与えられている。
【0104】
【表1】
Figure 0004901001
【0105】
表1に示された実験データは、この発明の方法を使用した複製の精度を示している。
特に、得られた深さは同等であり、かつ、マスタおよび対応する複製の充填率は相補的であることがわかる。
【0106】
(実施例3)
この発明の方法(エンボス加工)を使用して、テフロンAR(登録商標)からなる回折格子の複写物が準備され、そのマスタは、150本/mmでエッチングされ、各線は1.97μmの深さを有している。
マスタおよび複写物は、トンネリング顕微鏡で観察され、その輪郭が完全に保存されたことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の回折格子の断面図である。

Claims (18)

  1. マスタを用いた複製による光学素子の製造方法であって、
    以下のステップa)及びステップb)によって前記マスタを処理し、
    a)洗浄したマスタに、液相堆積技術を用いて、離型剤を塗布するステップ
    b)該離型剤で被覆したマスタを熱処理にかけるステップ
    以下のステップc)及びステップd)によって、前記複写材料を担持するための複写キャリアを準備し、
    c)洗浄した基板上に、接着促進剤または結合剤を、液相堆積技術を用いて塗布するステップ
    d)接着促進剤または結合剤で被覆した基板を熱処理にかけるステップ
    e)液相堆積技術を用いて、複写材料を、前記離型剤で被覆され熱処理された前記マスタまたは前記接着促進剤または結合剤で被覆され熱処理された基板のいずれかに塗布し、複写材料で被覆された前記マスタまたは前記基板を熱処理にかけ、
    その後、
    f)前記e)で準備した前記マスタおよび前記複写キャリアを、別々にエンボス加工温度まで昇温させ、
    g)前記マスタおよび前記複写キャリアを組み合わせ、前記マスタを前記複写キャリア上、または、前記複写キャリアを前記マスタ上に、100〜350℃の温度で、1MPa〜50MPaの圧力で加圧して1〜15分間エンボス加工し、
    その後、
    h)確実に複製するのに十分な時間にわたって組立温度および圧力を維持し、
    i)冷却後に、複製された光学素子を保持している前記複写キャリアを、前記マスタから分離することを特徴とする製造方法。
  2. 前記離型剤が、フルオロアルキルアルコキシシラン類またはフルオロアルキルクロロシラン類の中から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記離型剤が、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−1−トリクロロシラン)であることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記離型剤が、浸せき塗装により塗布されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記離型剤を塗布したマスタの熱処理が、100〜200℃の温度で、5〜30分間行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記結合剤または接着促進剤が、フルオロアルキルアルコキシシラン類およびエポキシアルキルアルコキシシラン類の中から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 前記結合剤または前記接着促進剤が、1H,1H,2H,2H−過フッ化デシル トリエトキシシランであることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記接着促進剤または結合剤が、浸せき塗装またはスピンコーティングによって塗布されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 接着促進剤または結合剤を塗布した基板の熱処理が、100〜200℃の温度で、5〜30分間行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 前記複写材料が、フッ化物含有ポリマー、ビニルポリマー、およびゾル−ゲル合成によって生成された物質から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. 前記フッ化物含有ポリマーが、過フッ化アルケンの重合、または過フッ化アルケンの、過フッ化ジオクソルのような他の過フッ化モノマーとの共重合から抽出されるホモポリマーおよびコポリマー、および、有機フッ化シクロエーテル類のポリマーの中から選択されることを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 前記過フッ化アルケンが、四フッ化エチレンであり、前記他の過フッ化モノマーが、過フッ化ジオクソルであることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 前記コポリマーが、四フッ化エチレンと、2,2−ビストリフルオロメチル 4,5−ジフルオロ 1,3−ジオクソルとの混合物の共重合から抽出されることを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 前記ビニルポリマーが、ポリビニルピロリドン類、ポリビニルアルコール類およびポリビニルブチラル類から選択されることを特徴とする請求項10記載の方法。
  15. 前記ゾル−ゲル合成により生成された物質が、金属酸化物、半金属酸化物およびこれらの酸化物の混合物から選択される酸化物を含有する材料の中から選択されることを特徴とする請求項10記載の方法。
  16. 前記ゾル−ゲル合成により生成された物質が、重合、低重合、コロイドおよび合成材料から選択されることを特徴とする請求項10または請求項15に記載の方法。
  17. 前記複写材料が、重合、低重合、または、合成シリカであることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 前記複写材料で被覆したマスタまたは基板の熱処理が、100〜350℃の温度で、15〜60分間行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
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