JP4898242B2 - ロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置 - Google Patents

ロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置に関する。
ロックアップクラッチは、トルクコンバータ内に設けられ、クラッチの係合により、エンジンの出力軸とトランスミッションの入力軸とが直結される。クラッチ容量を増大させるために、湿式多板クラッチが使用される。この多板クラッチは、トルクコンバータのサイドカバーに連結されたガイドとタービンランナのハブに連結されたハブとが、サイドカバーとクラッチピストン(油圧ピストン)により画成される油路に供給される油圧によりクラッチピストンを押圧することにより、係合される。多板クラッチを用いたロックアップクラッチ係合解除時の引き摺りトルクの低減に係る先行技術としては、以下の特許文献1がある。
特許文献1には、多板クラッチのディスクの摩擦面に周方向に延びる溝を形成し、溝中に作動油を保持させることにより、ディスクとディスクプレート間に油膜を形成し、この油膜保持力によりディスクとディスクプレートとが接触しないようにディスクとディスクプレートを引き離してトルクコンバータの内圧により発生するロックアップクラッチの非係合時の引き摺りトルク低減することが記載されている。
特開2001−342061号公報
しかしながら、特許文献1は、ディスクの溝の形状により、油膜厚さにより複数のディスク面を隣接するディスクプレートから引き離して、引き摺りを防止するものであり、ディスクの内径側から外径側に至る油膜による圧力分布のバラツキにより、1枚のディスクプレートを挟んで正面対向する2枚のディスクから油膜による該ディスクへの油圧に差が生じ、一方のディスク面でのディスクプレートからの引き離し力が他方のディスク面でのディスクプレートへの押付け力と作用するため、引き摺りトルクが不均一に発生して、ロックアップクラッチの非係合時にかかわらず引き摺り力によるトルク伝達が行われてしまう。
特許文献1のように、ディスク溝の機械形状で形成される油膜によりディスクをディスクプレートから引き離し引き摺り力を低減する手法では、正面対向するディスク間の圧力分布のバラツキにより、一方のディスクでは引き離し力となり他方のディスクでは押付け力となるため、単独で引き摺りトルクの低減を行うには十分ではなかった。
更に、特許文献1では、ロックアップクラッチの非係合時には、油室への油圧の供給が停止されていることから、ロックアップクラッチを非係合状態から係合状態とするためには、油室に作動油を充填してからでないと、ロックアップクラッチが係合されないことから、ロックアップクラッチの係合時の油圧応答性が低下するという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ロックアップクラッチの非係合時の引き摺りトルクの低減及びロックアップクラッチの係合の応答性向上をすることのできるロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明によると、トルクコンバータの内部空間に設けられた円盤形状の油圧ピストンと、前記油圧ピストンと前記トルクコンバータのカバーにより画成される油路と、前記油圧ピストンからの油圧により前記カバーと前記トルクコンバータのタービンランナとを直結するクラッチ部材とを有するロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置であって、前記油路に繋がる作動油油路と、制御油圧が供給される第1のポート、ライン圧が供給される第2のポート、第3のポート、前記作動油油路に繋がる第4のポートを有し、前記ロックアップクラッチの係合のために、前記第1のポートに供給される制御油圧により前記第2及び第4のポートが繋がり、前記第2のポートに供給された前記-ライン圧を前記第4のポートを通して前記作動油油路に第1の作動油を供給し、前記ロックアップクラッチの係合解放のために、前記第2及び第4のポートの接続が遮断され、前記ロックアップクラッチの係合が解放されているときは、前記第3及び第4のポートが繋がるシフトバルブと、前記第3のポートに繋がる排油路とを備え、前記排油路のドレンポートを前記油圧ピストンの外径よりも高い位置に配置したことを特徴とするロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置が提供される。
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明において、前記トルクコンバータ内へ第2の作動油を供給する供給油路と、前記トルクコンバータ内の前記第2の作動油を排出する排出油路とを備え、前記排出油路のドレンポートを前記油圧ピストンの外径よりも高い位置に配置したことを特徴とするロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置が提供される。
請求項3記載の発明によると、請求項1〜2のいずれかに記載の発明において、前記排出油路のドレンポートを前記排油路の前記ドレンポートよりも高い位置に配置したことを特徴とするロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置が提供される。
請求項4記載の発明によると、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記排出油路のドレンポートを前記トルクコンバータの作動油の流路径よりも低い位置に配置したことを特徴とするロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置が提供される。
請求項5記載の発明によると、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記排出油路に接続された第1のポートと、前記第1のポートの油圧が所定圧以上であるとき、前記第1のポートに接続されて油が排出される第2のポートとを有し、前記トルクコンバータの回転軸中心よりも低い位置で、かつ油中に配置された調圧バルブを更に具備したことを特徴とするロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置が提供される。
請求項1記載の発明によれば、排油路を設け、そのドレンポートを油圧ピストンの外径よりも高い位置に配置したので、ロックアップクラッチが係合解除しているとき、排油路より第3のポート、第4のポート及び作動油油路を通して油室に第1の作動油が供給され、油室には第1の作動油が充填されているので、ロックアップクラッチを係合するために、第1のポートに制御油圧を供給して第2のポートと第4のポートを接続し、第2のポートから油圧を供給すると、直ぐ、油圧ピストンに油圧が伝達され、ロックアップクラッチが係合し、クラッチの係合のための応答速度が向上する。
また、請求項記載の発明によれば、トルクコンバータ内への供給油路を設けたので、トルクコンバータ内へ第2の作動油を常に供給することができ、トルクコンバータの内圧を保持することができる。また、ロックアップクラッチが非係合でも、第1の作動油が油に充填されていることから、油の第1の作動油の遠心油圧により油圧ピストンに油圧がかかるが、排出油路を設け、排出油路のドレンポートを油圧ピストンの外径よりも高い位置に配置したので、排出油路内の作動油の自重によりトルクコンバータの内圧が上昇し、これが遠心油圧をキャンセルする方向に作用し、ロックアップクラッチの非係合での引き摺りトルクを低減することができる。
また、請求項記載の発明によれば、油室内の第1の作動油の油圧と油圧ピストンを隔てた同一高さのトルクコンバータ側の油圧との差は、排油路及び排出油路のドレンポート近くまで油が満たされているとすると、排出油路のドレンポートと排油路のドレンポートの高さの差分に相当する油の自重の油圧であり、排出油路のドレンポートを排油路のドレンポートの高さよりも高い位置に配置したので、油圧ピストンをロックアップクラッチが非係合となる方向に押圧する圧力が増大し、より効果的に油の第1の作動油による遠心油圧をキャンセルし、ロックアップクラッチの非係合での引き摺りトルクを低減することができる。
請求項記載の発明によれば、排出油路のドレンポートをトルクコンバータの第2の作動油の流路径よりも低い位置に配置したので、該ドレンポートの高さによる油圧に相当する量作動油がトルクコンバータ内に溜められるため、該ドレンポートが高い程トルクコンバータ内の残存油量が増えるためメンテナンス性が悪化することを抑制できる。その結果、トルクコンバータ内の作動油の交換の際に、トルクコンバータに残存する作動油量が多くなることを抑制でき、メンテナンスが向上する。
請求項記載の発明によれば、トルクコンバータの回転軸中心よりも低い位置で、かつ油中に配置された調圧バルブを設けたので、トルクコンバータの内圧が一定以上になると調圧バルブの第2のポートより第2の作動油が排出され、トルクコンバータの内圧が一定になるように調圧することができる。更に、第2のポートが油中に浸っているので、第2のポートよりエアが混入することが抑制され、トルクコンバータの内圧が安定し、ロックアップクラッチの伝達トルクの安定化がなされる。
図1は本発明の実施形態によるロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置を示す縦断側面図である。流体伝動装置としてのトルクコンバータTは、ポンプインペラ2と、それと対置されるタービンランナ4と、それらの内周部間に配置されるステータ6とを備え、これら三部材2,4,6間には作動油による動力伝達のための循環回路7が画成される。
ポンプインペラ2のシェル2aの外周部には、タービンランナ4の外側面を覆うサイドガバー10が溶接により一体的に連設される。サイドカバー10の外周面には周方向に配列される連結ボス11が溶接されており、これらに、エンジンの図示しないクランク軸に結合した図示しない駆動板が図示しないボルトで固着される。タービンランナ4のハブ4aとサイドカバー10との間にスラストニードルベアリング40が介装される。
トルクコンバータTの中心部にクランク軸と同軸上に並ぶ出力軸11が配置され、この出力軸11は、タービンランナ4のハブ4bにスプライン嵌合されると共に、サイドカバー10中心部の支持筒10aに軸受ブッシュ42を介して回転自在に支承される。出力軸11は図示しない多段変速機の主軸となる。
出力軸11の外周には、ステータ6のハブ6aをフリーホイール8を介して支承するステータ軸6cが配置され、これら出力軸11及びステータ軸6cには、それらの相対回転を許容するニードルベアリング14が介装される。ステータ6のハブ6bの軸方向両端面と、これらに対向するポンプインペラ2及びタービンランナ4の各ハブ2a,4bの端面との間にスラストニードルベアリング44,44’が介装され、これらスラストニードルベアリング44,44’とスラストニードルベアリング40とにより、ポンプインペラ2及びサイドカバー10間でタービンランナ4及びステータ6の軸方向の移動が規制される。
タービンランナ4とサイドカバー10との間には、循環回路7と外周側で連通するクラッチ室50が画成され、このクラッチ室50に、タービンランナ4及びサイドカバー10間を直結しうるロックアップクラッチLが設けられている。ロックアップクラッチLには、クラッチ部材を構成する、ガイド部材52、複数のディスクプレート54、ハブ56、複数のディスク58、油圧ピストン60、クリップ62及びOリング63、並びにダンパD及び伝動板64等が設けられている。
図2はクラッチ部材の拡大図である。ガイド部材52は、サイドカバー10の内周面に固定され、サイドカバー10と一体的に回転する。ディスクプレート54は、ガイド部材52にスプライン結合され、出力軸11に平行なクラッチ軸方向に揺動可能であるとともに、エンジンのクランク軸を中心にガイド部材52と一体的に回転可能となっている。
ハブ56は、トルクダンパDに固定されるとともに、タービンランナ4のハブ4bに支持されている。ディスク58は金属製の円盤状部材の両側面にフェージング部材を貼り付けて構成され、それぞれディスクプレート54の間に配設されている。即ち、ディスクプレート54とディスク58とが軸方向に交互に並んで配設されている。
ディスク58は内周部において、ハブ56にスプライン結合され、クラッチ軸方向に揺動可能であるとともに、出力軸11を中心にハブ56と一体的に回転可能となっている。ディスクプレート54とディスク58の右側にクリップ62が設けられ、軸方向右側への移動が規制されている。ハブ56は公知のトルクダンパDを介してタービンランナ4の外側面に固定された伝動板64に連結される。
右端のディスクプレート54がクリップ62に当接するまで左端のディスクプレート54を右方向に押し付けた状態では、左端のディスクプレート54と油圧ピストン60との間に一定のクリアランスが生じるようになっている。そして、ロックアップクラッチLが非係合であるとき、このクリアランスにより、隣接するディスクプレート54とディスク58間に一定のクリアランスが生じ、このクリアランスに均一に作動油が流入し、ディスクプレート54及びディスク58が油中に浸るようになっている。後で詳述するように、このクリアランスの作動油の遠心油圧等による各ディスクプレート54及びディスク58を左右から同じ油圧で押圧し、ディスクプレート54及びディスク58に作用する力をゼロとすることにより、隣接するディスクプレート54及びディスク58が軸方向に移動することによるクラッチの係合を防止する。
図3は油圧ピストン60の一部拡大図である。油圧ピストン60は、サイドカバー10の一部内周面及びガイド部材52がサイドカバー10に支持される部分の内側面と左端のディスクプレート54との間に配設されている。油圧ピストン60は、油室(シリンダ)70に供給される作動油による油圧により右方向に移動し、ディスクプレート54を押圧する。油圧ピストン60には、油漏れを防止するためにガイド部材63に当接する外周部にOリング63が設けられている。油室70は、サイドカバー10の一部内周面及びガイド部材52がサイドカバー10に支持される部分と油圧ピストン60のサイドカバー10側(背側)とにより画成される。
油圧制御装置Bは、ロックアップクラッチL及びトルクコンバータTの作動のための油圧を制御する装置であり、シフトバルブ80、作動油油路82、排油路84、供給油路86、調圧バルブ88、オイル溜め90及び排出油路92を有する。
シフトバルブ80は、サイドカバー10の外周に設けられ、スプール80a、第1のポート80b,第2のポート80c,第3のポート80d及び第4のポート80eを有する。スプール80aは、スプリングにより左方向に付勢され、第1のポート80bに図示しない油路を通して接続される図示しないシフトソレノイドがオン作動するとシフトソレノイドから供給される制御油圧によりスプリングの付勢力に抗して、右動し、第2のポート80cと第4のポート80eが繋がるとともに、第3のポート80dと第4のポート80eの接続が遮断される。
シフトソレノイドがオフすると、スプール80aはスプリングにより左方向に付勢され、第3のポート80dと第4のポート80eが繋がり、第2のポート80cと第4のポート80eの接続が遮断される。第2のポート80cには、図示しないレギュレータバルブにより調圧されたロックアップクラッチLが係合するためのライン圧が供給される。第3のポート80dは、排油路84に繋がっている。第4のポート80eは、作動油油路82に繋がっている。
作動油油路82は、第4のポート80e及び油室70に繋がり、第4のポート80eに供給された作動油を油室70に供給する。排油路84は、第3のポート80dに繋がり、第1の油路84a、第2の油路84b、第3の油路84c、オリフィス84d、油溜り84e及びドレンポート84fを有する。
第1の油路84aは、第3のポート80dに繋がり上方に延び、第2の油路84b及び第3の油路84cに分岐している。第2の油路84bには、所定の油圧、例えば、図示しないレギュレータバルブにより潤滑油として調圧された油が供給され、油路84bの途中に設けられたオリフィス84dにより所定圧に減圧され、第1の油路84a及び第3の油路84cに供給される。
所定圧とは、後述するように、油溜め84eに溜まる油の油面が油圧ピストン60の外径以上の高さなる圧力であり、オリフィス84dの高さがドレンポート84fの高さH2に概ね等しく、ドレンポート84fが大気雰囲気であることから、所定圧は、概ね大気圧に等しい。
オリフィス84dは、口径の調整により、所定圧に減圧し、第1の油路84a及び第3の油路84cに作動油を供給する。油溜め84eは、第2の油路84bより供給された油を溜める。ドレンポート84fは、大気雰囲気であり、油室70に油圧ピストン60の外径まで作動油が充填されるように、油圧ピストン60の外径の高さH1以上となる高さに配設される。
これにより、後述するように、ロックアップクラッチLが非係合のとき、第1のポート80bに供給される制御油圧が零となり、第3及び第4のポート80d,80eが繋がり、油溜め84eに溜まった油により作動油が油室70の外径まで充填されることから、ロックアップクラッチLが係合するときに油室70に作動油を充填する時間を必要としないのでロックアップLが係合するまでに要する時間(応答時間)が向上する。
供給油路86は、トルクコンバータTに接続され、常時供給される所定圧の作動油をトルクコンバータTに供給する。所定圧とは、ロックアップクラッチLが非係合のとき、油路92aに排出され、油溜め92に溜まる油の油面が油圧ピストン60の外径H1よりも高く且つトルクコンバータTの流路径H3よりも低くなる油圧である。
調圧バルブ88は、トルクコンバータT内の油圧が一定となるよう調整するバルブであり、その中心軸H5は、出力軸11の中心軸H6よりも低い位置に配設される。これは、調圧バル88は、第3の排出油路92cより下方に位置する必要があること、バルブボディへの収納の容易性及び作動油の排出をスムーズに行うためである。調圧バルブ88は、第1のポート88a、第2のポート88b及びスプール88cを有する。
第1のポート88aは、第3の排出油路92cに接続され、第3の排出油路92cから排出される作動油の油圧に応じて、スプール88cを右動する。第2のポート88bは、スプール88cがスプリングの付勢力に抗して右動すると、第1のポート88aと繋がり、第1のポート88aに排出された作動油を油溜め90に排出する。
スプール88cは、第1のポート88aから排出される作動油の油圧が一定以下であるとき、スプリングにより左方向に付勢され、第1のポート88aと第2のポート88b間の接続が遮断され、第1のポート88aから排出される油の油圧が一定以上となると、第1のポート88aからの油圧によりスプリングの付勢力に抗して右動し、第1のポート88aと第2のポート88bが繋がる。これにより、第1のポート88aから排出される作動油の油圧が一定以上となると、第2のポート88bから作動油が排出され、トルクコンバータTの内圧が一定となる。
油溜め90は、第2のポート88bを油に浸し、第2のポート88bから空気が第1のポート88aを通して、トルクコンバータTに混入することにより、トルクコンバータTの内圧が変化することを防止している。そこで、油溜め90の油面H7は、第2のポート88bよりも高くなる位置まで油が充填されている。
排出油路92は、第1の排出油路92a、第2の排出油路92b、第3の排出油路92c、油溜め92d及びドレンポート92eを有する。第1の排出油路92aは、トルクコンバータTに繋がり、第2の排出油路92b及び第3の排出油路92cに分岐し、トルクコンバータTからの作動油を排出する。
第2の排出油路92bは、上方に延び、油溜め92dに繋がっている。油溜め92dはトルクコンバータTから排出された作動油を溜める。ドレンポート92eは、大気雰囲気であり、排油路84のドレンポート84fよりも高くなるように配設されている。即ち、その位置H3は、油圧ピストン60の外径H1よりも高くなるように配設されている。
油室70には、ロックアップクラッチLの非係合のときにも、作動油が油溜め84eより充填されていることから、サイドカバー10の回転により油室70の油が回転して、遠心油圧が発生する。この遠心油圧により油圧ピストン60がクラッチの係合側へ押されることから、この遠心油圧をキャンセルする必要がある。ドレンポート84f,92eは大気雰囲気であり、油溜め92d,84eの油面の高さの差分の作動油の自重による油圧及びクラッチ室50の作動油の遠心油圧により油圧ピストン60からの遠心油圧をキャンセルするためである。
ところで、ドレンポート92eを高くして、油溜め92dの油面の高さを上昇させると、その高さ分の作動油の自重により、トルクコンバータTの内部の油圧が上昇することから、油室70の油による遠心油圧をキャンセルする効果が向上する。しかし、ドレンポート92eを高くし過ぎると、トルクコンバータTの作動油が抜け難くなり、作動油を交換する際に、交換できずにトルクコンバータTの内部に残存する作動油の量が多くなり、交換できる作動油が少なくなって、メンテナンス上問題となることから、ドレンポート92eの高さH3はトルクコンバータTの流路径H4より下方とする。
以下、図1の動作の説明をする。
(1) 作動油のトルクコンバータT及びクラッチ室50への供給
図4は図2中のD部拡大図である。供給油路86に供給された所定圧の作動油は、トルクコンバータTの出力軸11に平行に設けられた油路45、ニードルベアリング14を流れ、クラッチ室50に流入し、クラッチ室50を中心から外周に向かって充填されていく。このとき、ドレンポート92eをトルクコンバータTの流路径H4の近傍に設置しているので、作動油はディスクプレート54とディスク58の間のクリアランス100に確実に回り込み、ディスクプレート54とディスク58を油中に浸す。
その後、作動油は、循環回路7に流入し、該回路7を満たした後、スラストニードルベアリング44’及び油路46を経て、第1の排出油路92aに排出された後、第2の排出油路92bを経て、油溜め92dに溜められるとともに、第3の排出油路92cに排出される。このとき、供給油路86に供給される油圧が所定圧であることから、油溜め92dの油面は、油圧ピストン60の外径H1よりも高く、且つトルクコンバータTの流路径H4よりも下方になる。また、トルクコンバータTの内圧が保持されることから、クリアランス100に作動油が均一に満たされる。
(2) ロックアップクラッチLの非係合のとき
ロックアップクラッチLを非係合とするとき、シフトソレノイドが作動せず、シフトバルブ80のポート80bに供給される油圧は零であり、スプール80aがスプリングにより左方向に付勢され、第3のポート80dと第4のポート80eが繋がっている。
第2の排油路84bには、所定圧の油、例えば、潤滑油が常時供給される。この油は、オリフィス84dにより減圧され、第1の排油路84a及び第3の排油路84cに供給される。第1の排油路84aに供給された作動油は、第3のポート80d、第4のポート80e、作動油油路82を経て、油室70に流入し、油圧ピストン60の外径まで充填される。一方、第3の排油路84cに供給された油は、油溜め84eに溜められ、その油面が油圧ピストン60の外径H1よりも高くなる。
エンジンが回転すると、サイドカバー10の回転により、クラッチ室50並びに油室70に充填された作動油の回転により遠心油圧が発生する。このとき、油溜め92dの油面が油溜め84eの油面よりも高いことから、クラッチ室50の方が油室70よりも油圧が高くなり、図3に示すように、油室70の作動油による油圧ピストン60を押圧する遠心油圧P5よりもクラッチ室50の作動油による遠心油圧P6の方が大きくなり、油圧ピストン60がクラッチ室50側から油室70側へ押される。
これにより、油圧ピストン60は、クラッチが非係合の方向(左方向)に押され、遠心油圧がキャンセルされるとともにディスクプレート54とディスク56間のクリアランス100の量が増大し、ディスクプレート54とディスク56の間に作動油が存在しやすくなる。更に、ドレンポート92eをドレンポート84fよりも上方に配置しているので、エンジン高回転時等に増大する油室70の油による遠心油圧に対しても、安定してキャンセルできる。
一方、図4に示すように、隣接するディスクプレート54とティスク58との間のクリアランス100に均一に油が満たされることから、この油によりディスクプレート54が左右から押される力P1,P2が等しくなり、また、ディスク58が左右から押される力P3,P4が等しくなり、ディスクプレート54とティスク58が移動することがなく、係合することがなくなる。これにより、ロックアップクラッチLの非係合時の引き摺りトルクを低減することができる。
そして、図示しないクランク軸からポンプインペラ2が回転駆動されると、循環回路7を満たしている作動油が循環回路7を循環することにより、ポンプインペラ2の回転トルクをタービンランナ4に伝達し、出力軸11を駆動する。
(3) ロックアップクラッチLの係合のとき
ロックアップクラッチLを係合するとき、図示しない電子制御ユニット(ECU)の制御により、シフトソレノイドが作動し、シフトバルブ80の第1のポート80bに供給される油圧は所定圧以上となり、スプール80aがスプリングによる付勢力に抗して右動し、第2のポート80cと第4のポート80eが繋がる。第2のポート80cには、所定のライン圧が供給されている。
油室70には、ロックアップクラッチLが非係合であるとき、油溜め84e、第3の排路84、第1の排路84a、第3のポート80c及び第4のポート80eを通して、作動油油路82より作動油が油室70に供給され、充填されている。
第2のポート80cに供給された油圧は、第4のポート80e、作動油油路82を経て、油室70に直ぐ伝達される。その結果、油室70に所定圧の油圧が発生し、この油圧が、油圧ピストン60を通してディスクプレート54を右方向に押圧する。これにより、ディスクプレート54及びディスク58が右方向に摺動し、クリップ63により摺動が規制され、ディスクプレート54とディスク58が摩擦力により係合する。
その結果、ガイド52とハブ56が係合(ロックアップクラッチLが係合)し、サイドカバー10とタービンランナ4が、ガイド52及びハブ56を介して直結し、クランク軸の回転トルクがポンプインペラ2を経ることなく、出力軸11に直接伝達される。このように、ロックアップクラッチLが非係合のときに、油室70に作動油が充填されているので、ロックアップクラッチLの係合時の応答速度を向上させることができる。
(4) 油溜め84eへの作動油の補充
トルクコンバータTは車両のトランスミッションケースに収容されるが、車両が走行中の振動等により、油溜め84eに溜まった油がドレンポート84fよりこぼれることがあるが、第2の排油路84bには常時油が供給されるので、油溜め84eに油が補充され、油面の高さが保持される。尚、油溜め84eからこぼれた油は、トランスミッションケースの底に溜まってから、図示しないオイルポンプで汲み上げられ、図示しないレギュレータバルブ等に供給される。
以上説明した本実施形態によれば、ロックアップクラッチLの係合または非係合の時のロックアップクラッチの伝達トルク(係合力)はトルクコンバータTの内圧とトルクコンバータTの背圧(油室70の圧力)の差圧関係によってきまるため、内圧を安定させることが重要であるが、調圧バルブ88を出力軸11の中心より低位置でかつ油中に配置するので、調圧バルブ88の第2のポート88bからトルクコンバータTの内部へのエア侵入が防止され、これにより、トルクコンバータTの内圧が安定化し、ロックアップクラッチLの伝達トルクが安定化できる。
ドレンポート84fを油圧ピストン60の外径より上方に配置し、ロックアップクラッチLが非係合のときにも、油室70に油を供給しているので、ロックアップクラッチLの係合の際に、応答速度を向上させることができる。
ドレンポート92eをドレンポート84fの高さより上方に配置しているので、エンジン運転中、トルクコンバータTの内部に存在する作動油に遠心油圧が発生することにより、ロックアップクラッチLの非係合時のトルクコンバータTの内圧が油室70の残存油により発生する遠心油圧よりも高くなることから、油圧ピストン60が非係合側に押し戻されるというキャンセラ効果が発生し、ディスク形状等に関係することのない引き摺りトルクを抑制することができる。
また、ドレンポート92eをドレンポート84fの高さより上方に配置しているので、エンジンが高回転時等に増大する油室70の遠心油圧に対しても安定したキャンセラ効果を発揮できるようになり、ロックアップクラッチLの非係合時の引き摺りトルクを抑制することができる。
本発明の実施形態によるロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置を示す縦断側面図である。 クラッチ部材の拡大図である。 油圧ピストンの一部拡大図である。 図2中のD部拡大図である。
符号の説明
T トルクコンバータ
L ロックアップクラッチ
B 油圧制御装置
11 出力軸
50 クラッチ室
60 油圧ピストン
70 油室
80 シフトバルブ
82 作動油油路
84 排出路
86 供給油路
88 調圧バルブ
90 油溜め
92 排出油路

Claims (3)

  1. トルクコンバータの内部空間に設けられた円盤形状の油圧ピストンと、前記油圧ピストンと前記トルクコンバータのカバーにより画成される油と、前記油圧ピストンからの油圧により前記カバーと前記トルクコンバータのタービンランナとを直結するためのロックアップクラッチとを有するロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置であって、
    前記油に繋がる作動油油路と、
    制御油圧が供給される第1のポート、ライン圧が供給される第2のポート、第3のポート、前記作動油油路に繋がる第4のポートを有し、前記ロックアップクラッチの係合のために、前記第1のポートに供給される制御油圧により前記第2及び第4のポートが繋がり、前記第2のポートに供給された前記ライン圧を前記第4のポートを通して前記作動油油路に第1の作動油を供給し、前記ロックアップクラッチの係合解放のために、前記第2及び第4のポートの接続が遮断され、前記ロックアップクラッチの係合が解放されているときは、前記第3及び第4のポートが繋がるシフトバルブと、
    前記第3のポートに繋がる排油路と
    前記トルクコンバータ内へ第2の作動油を供給する供給油路と、
    前記トルクコンバータ内の前記第2の作動油を排出する排出油路と、を備え、
    前記排油路のドレンポート及び前記排出油路のドレンポートを前記油圧ピストンの外径よりも高い位置に配置すると共に、
    前記排出油路のドレンポートを前記排油路のドレンポートよりも高い位置に配置した
    ことを特徴とするロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置。
  2. 前記排出油路のドレンポートを前記トルクコンバータの前記第2の作動油の流路径よりも低い位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置。
  3. 前記排出油路に繋がる第1のポートと、前記第1のポートの油圧が所定圧以上であるとき、前記第1のポートに繋がり油が排出される第2のポートとを有し、前記トルクコンバータの回転軸中心よりも低い位置で、前記第2のポートが油中に配置された調圧バルブを更に具備したことを特徴とする請求項1又は2に記載のロックアップクラッチ付きトルクコンバータの油圧制御装置。
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