JP4897160B2 - 燃料電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として固体高分子電解質型の燃料電池に用いられるセパレータの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、アノードに水素を含有する燃料ガスを供給すると共にカソードに酸素を含有する空気を供給し、電解質膜を介して配置されるアノード側とカソード側においてそれぞれ次のような電気化学反応を生じさせ、
2→2H++2e-
(1/2)O2+2H++2e-→H2
そして電池全体としては、
2+(1/2)O2→H2
の電気化学反応を生じさせることによって、化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換させて発電を行なうようにしたものである。
【0003】
図1は固体高分子電解質型の燃料電池のセルの一例を示すものであり、フッ素系樹脂などでイオン交換膜として形成される電解質膜1と、カーボンクロスやカーボンペーパーなどによって形成され、電解質膜1を両面からサンドイッチするように配置されるアノード2及びカソード3と、このサンドイッチ構造物を両側から挟むセパレータ4,4とから構成されている。そしてアノード2とセパレータ4の間に所定の流路パターンで形成されるガス流路5に水素を含有する燃料ガスが、カソード3とセパレータ4の間に所定の流路パターンで形成されるガス流路6に空気が、それぞれ供給されるようになっている。
【0004】
上記のような固体高分子電解質型の燃料電池に用いられるセパレータは、ガス不透過性でかつ導電性を有するものであることが要求される。このような要求を満たすものとして、特開平11−195422号公報、特開2000−21421号公報、特開2000−77079号公報などにみられるように、カーボン粉末とフェノール樹脂からなる成形材料を成形したものをセパレータとして用いることが行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来のセパレータでは、体積抵抗等の電気的特性は必ずしも充分なものではなかった。すなわち、電気的特性を向上させるべくカーボン量を多くすると、そのぶん樹脂量が少なくなって、セパレータの機械的強度やガス不透過性が低下することになるので、従来はカーボン量を十分に多くすることができないものであった。つまり、カーボン量が多くなり過ぎると、そのぶん結着材としての樹脂の量が少なくなって成形材料の流動性が不足し、セパレータを成形する際にカーボン粉末間の比較的大きな空隙に樹脂が回り込んでこの空隙を埋塞することが不十分になったり、あるいは樹脂が十分に回り込まないことにより、この空隙が残存された状態で成形され易くなるものであり、この結果、カーボン量を多くするとセパレータの強度やガス不透過性が低下するものであった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、カーボン・フェノール樹脂成形材料を成形して得られる燃料電池用セパレータにおいて、高い電気伝導性、機械的強度、ガス不透過性を確保することができる燃料電池用セパレータの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る燃料電池用セパレータの製造方法は、カーボン粉末を含むフェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で混合及び縮合反応させて調製されたカーボン・フェノール樹脂成形材料を用い、このカーボン・フェノール樹脂成形材料を熱硬化させることによって、所定の流路パターンを備えた薄板状成形体として成形することを特徴とするものである。
【0008】
また請求項2の発明は、請求項1において、薄板状成形体中のカーボン粉末の含有量が75質量%〜97質量%であることを特徴とするものである。
【0009】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、触媒として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩及び第三級アミンから選ばれる少なくとも一種を用いることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、薄板状成形体中の窒素成分量が0.3質量%以下であることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、カーボン粉末として、固定炭素が90質量%以上のものを用いることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
まず、カーボン・フェノール樹脂成形材料を製造する方法について説明する。すなわち本発明では、フェノール類とアルデヒド類とを、触媒の存在下で、カーボンと混合しつつ反応させることによって、カーボンが核物質となってカーボンとフェノール樹脂とが凝集された含水状態の顆粒状物を調製し、これを反応系からろ過して乾燥することによって、粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得ることができるものである。この方法をさらに詳しく説明する。
【0014】
本発明においてフェノール類とアルデヒド類を反応させる際に核物質となるカーボンとしては、炭素質の粉末であれば特に制限されることなく使用することができるものであり、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛、膨張黒鉛、カーボンブラック、メソフェースカーボン、コークス粉、木炭粉、籾殻炭、炭素繊維の粉末などを用いることができる。これらのうち黒鉛粒子は、その形状が層状、鱗片状、針状のものが好ましい。
【0015】
ここで、JIS M 8511に準拠して測定される固定炭素が高い程、カーボン粉末は炭素含有率が高いと共に不純物が少ないものであり、炭素本来の特性に近付き、セパレータの特性を高く得ることができる。このために本発明ではカーボン粉末は固定炭素が90質量%以上であることが好ましい。固定炭素は高い程好ましいものであって、100質量%であることが理想的である。
【0016】
核物質として用いるこれらのカーボン粉末の粒径は特に制限されるものではないが、平均粒径が1〜200μm程度のものが好ましい。また上記のものを一種単独で用いる他、複数種のものを混合して用いることもできる。
【0017】
本発明においてフェノール樹脂の主原料の一つとして用いるフェノール類としては、疎水性で水に難溶性のものを使用するのが好ましく、この疎水性のフェノール類としては水に対する溶解度が常温(30℃)で5以下であるものが好ましい。ここで水に対する溶解度とは、水100gに対して溶解するグラム数と定義されるものであり、水に対する溶解度が5以下とは、水100gに対して5gの溶解で飽和状態になることを意味する。溶解度は低いほうが望ましく、従って溶解度の下限は0である。
【0018】
このような水に対する溶解度が常温で5以下の疎水性フェノール類としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルカテコール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、p−(α−クミル)フェノール、p−ノニルフェノール、グアヤコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、o−フェニルフェノール、3,5−キシレノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、p−オクチルフェノールなどを挙げることができ、これらのうち1種のものを単独で用いる他、2種以上のものを併用することもできる。
【0019】
本発明ではフェノール類として、これらの疎水性フェノール類のみを用いる他、親水性で水に対する溶解度が常温(30℃)で5を超える水溶解性のフェノール類を併用することもできる。このような水溶解性のフェノール類としては、例えば、フェノール、カテコール、タンニン、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロールなどを挙げることができ、これらのうち1種のものを単独で用いる他、2種以上のものを併用することもできる。
【0020】
疎水性フェノール類の使用割合が大きい程、後述のようにして調製されるカーボン粉末とフェノール樹脂の含水顆粒状物が塊状化することを抑制する効果が大きいものであり、本発明では使用するフェノール類のうち、5質量%以上が疎水性フェノール類であることが好ましい。使用する疎水性フェノール類が5質量%未満であると、含水顆粒状物の塊状化を防ぐことが困難になる。フェノール類として疎水性フェノール類のみを用いても良いので、疎水性フェノール類の使用割合の上限は100質量%である。
【0021】
本発明においてフェノール樹脂の主原料の他の一つとして用いるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドの水溶液の形態であるホルマリンが最適であるが、トリオキサン、テトラオキサン、パラホルムアルデヒドのような形態のものを用いることもでき、その他ホルムアルデヒドの一部あるいは大部分をフルフラールやフルフリルアルコールに置き換えることも可能である。
【0022】
またフェノール類とアルデヒド類を付加縮合反応させる触媒としては、レゾール型フェノール樹脂の合成時に使用される塩基性触媒を挙げることができる。しかし、生成されるフェノール樹脂がアンモニアレゾール型フェノール樹脂となる触媒、例えばアンモニア、第一級アミン、第二級アミンなどの含窒素化合物は好ましくない。すなわちこれらアンモニア、第一級アミン、第二級アミンなど含窒素化合物を触媒としてフェノール樹脂を合成すると、触媒に起因するアンモニアなどの含窒素系不純物がフェノール樹脂中に多く残存する可能性がある。つまりこれらの触媒を用いると、レゾール型フェノール樹脂の合成に必要な塩基性雰囲気と樹脂骨格中に窒素成分を導入するための反応要素を兼用させることが可能になるが、その反面、触媒が樹脂反応に参加するに伴って副反応を生じ、これにより含窒素系不純物が生じて少なからずフェノール樹脂中に残存することになるのである。
【0023】
そしてフェノール樹脂中に窒素系不純物が残存する結果、成形材料中の窒素成分の含有量が多くなると、この成形材料を成形して作製されたセパレータを搭載する燃料電池には、次のような悪影響があることが、本発明者らの知見として得られている。
【0024】
すなわち、燃料電池の運転時に、不凍性かつ低電導性の冷却水をセルスタック間に流す必要があるが、この際にセパレータ中に含まれている含窒素系不純物が冷却水中にイオン化した状態で流出又は溶出し、この結果、冷却水の電気伝導度が増加し、セパレータ間の電気の漏電や起電力の低下が生じ易くなり、燃料電池の安定性が低下するおそれがある。冷却後の電気伝導度は200μS/cm以下の低電導率に維持されるのが望ましいが、含窒素系不純物の溶出により許容範囲を逸脱するおそれがある。このため本発明では、窒素成分の含有量は理想的には0%であるが、成形材料中の窒素成分の含有量を0.3質量%以下に規制することによって、窒素成分の流出や溶出を実質的に防ぐようにしているのである。
【0025】
このように成形材料中の窒素成分の含有量を少なくするために本発明では、フェノール類とアルデヒド類を付加縮合反応させる触媒として、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の酸化物や水酸化物や炭酸塩、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物や炭酸塩、第三級アミンを用いるのが好ましく、これらのうち1種のものを単独で用いる他、2種以上のものを併用することもできる。具体例を挙げれば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7などがある。
【0026】
これらのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩は、いずれも窒素成分を全く含有せず、また第三級アミンは窒素成分を含有するが第三級アミンではこの窒素成分はメチロール基に付加するようなことがないものであり、窒素成分がフェノール樹脂の分子中に取り込まれるようなことなく、フェノール樹脂を調製することができるものである。
【0027】
尚、成形材料中に窒素成分が極力混入しないようにするために、成形材料中に使用されるカーボンは、95質量%以上の固定炭素を有するものを用いるのが特に好ましい。
【0028】
また、上記の各成分の他に、滑剤、繊維、エポキシ樹脂、カップリング剤などを配合することもできる。
【0029】
そして、上記のフェノール類とアルデヒド類と反応触媒を反応釜などの反応容器にとり、さらに反応容器にカーボン粉末、その他必要に応じた成分を投入し、これらの存在下でフェノール類とアルデヒド類を反応させるものである。この反応は反応系を攪拌するに足る量の水中で、攪拌しつつ行なわれるものであり、反応の当初では反応系は粘稠なマヨネーズ状であって攪拌に伴って流動する状態であるが、反応が進むにつれて次第に、カーボン粉末を含むフェノール類とアルデヒド類との縮合反応物が系中の水と分離し始め、反応生成されるフェノール樹脂とカーボン粉末とが凝集した複合粒子が突然に反応容器の全体に分散された状態になる。そしてさらに所望する程度にフェノール樹脂の反応を進めて冷却したのちに攪拌を停止すると、この複合粒子は沈殿して水と分離される。この複合粒子は微小な含水顆粒状物となっており、反応容器から取り出して濾過することによって水から容易に分離することができものであり、これを乾燥することによって成形に適した粒状にすることができる。
【0030】
上記のようにして得られる粒体は、カーボン粉末などを含むカーボン・フェノール樹脂成形材料であり、カーボン粉末などとフェノール樹脂とが凝集されたものであるために、各粒子においてカーボン粉末とフェノール樹脂の割合が同一であり、またバインダーであるフェノール樹脂は粒子の表面に極めて薄く均一に被覆されるため、フェノール樹脂の量が少ないカーボン・フェノール樹脂成形材料を容易に得ることができるものである。従って、バインダーであるフェノール樹脂の含有量が少ないと共にカーボン粉末の含有量が多く、カーボン粉末とフェノール樹脂とが均一に分散されたカーボン・フェノール樹脂成形材料を容易に得ることができるものである。
【0031】
ここで、カーボン・フェノール樹脂成形材料はカーボン粉末の含有量が75質量%以上になるように調製するのが好ましい。カーボン粉末の含有量が多い程、カーボン・フェノール樹脂成形材料を成形して得られるセパレータの導電性能を高めることができるものであり、セパレータの導電性能を十分に得るためにはカーボン・フェノール樹脂成形材料中のカーボン粉末の含有量が75質量%以上であることが好ましい。しかし、カーボン粉末の含有量が多くなると、これに反比例してバインダーであるフェノール樹脂の含有量が少なくなり、成形して得られたセパレータの強度やガス不透過性が低下するので、カーボン・フェノール樹脂成形材料中のカーボン粉末の含有量は97質量%以下であることが好ましい。
【0032】
また、上記のようにフェノール類とアルデヒド類をカーボン粉末と混合しながら反応させて、カーボン粉末とフェノール樹脂からなる含水顆粒状物を調製するにあたって、フェノール樹脂が親水性であると、フェノール樹脂の吸湿性と吸水性が高くなって、軟化点の低下が著しくなり、カーボン粉末とフェノール樹脂からなる含水顆粒状物を反応系からろ過する際や、ろ過した後に乾燥する際に、粒状物が塊状化して、取り扱いが非常に困難になるおそれがある。
【0033】
このために本発明では、既述のように、フェノール樹脂を調製するフェノール類として疎水性のものを使用するのが好ましい。疎水性のフェノール類を用いると、フェノール樹脂は付加縮合反応の進行とともに疎水性になり、フェノール樹脂とカーボン粉末とが凝集した含水顆粒状物は水と分離し易くなると共に、また疎水性であるために吸湿性や吸水性が小さくなる。従ってこの含水顆粒状物を水からろ過して分離する際や、乾燥する際に、塊状化するようなことを防ぐことができるものである。
【0034】
また、上記のようにして得られるカーボン・フェノール樹脂成形材料において、フェノール類とアルデヒド類を付加縮合反応させる触媒として、既述のように、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の酸化物や水酸化物や炭酸塩、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物や炭酸塩、第三級アミンを用いることによって、フェノール樹脂には窒素成分が含有されていないようにすることができるものであり、このカーボン・フェノール樹脂成形材料を成形して得られるセパレータには窒素成分が取り込まれることを防ぐことができるものである。従ってカーボン・フェノール樹脂成形材料のフェノール樹脂中に含有される窒素成分の量は少ないほど望ましく、窒素成分の含有量は理想的には0%であるが、本発明では、窒素含有量を0.3質量%以下に制限することによって、窒素成分による問題の発生を実質的に防ぐようにしている。
【0035】
そして、上記のようにして得たカーボン・フェノール樹脂成形材料を成形することによって、水素や空気が流通する所定の流路パターンを備えた薄板状成形体を得ることができるものであり、この薄板状成形体で燃料電池用セパレータを製造することができるものである。
【0036】
この成形は、カーボン・フェノール樹脂成形材料を金型に充填し、加熱・加圧することによって行なうことができる。このときの加熱は、金型の温度を130〜250℃の範囲に設定して行なうのが好ましく、加圧は、10〜200MPaの範囲の面圧で行なうのが好ましい。
【0037】
また成形は、このように一段階で行なう他に、二段階で行なうようにしてもよい。二段階で成形を行なう場合には、まず成形材料を予備成形する。予備成形は、セパレータとしての最終形状に近似する形状に成形するものである。最終形状に近似する形状に予備成形をするので、加圧は5〜25MPaの範囲の低い面圧で行なえばよい。また加熱は不要であって室温で行なえばよく、加熱を行なうにしても100℃以下の温度に設定する必要がある。次に、このように予備成形して得られた予備成形体を、加熱した金型内にセットし、加圧して最終形状に成形するものである。この最終の成形の際の加熱は、金型を130〜250℃の温度に設定して行なうものであり、この加熱によって予備成形体を完全硬化させることができる。また加圧は10〜200MPa、より好ましくは25〜200MPaの面圧で行なうものであり、この加圧によってセパレータの最終形状に成形することができる。カーボン粉末含有量が多くフェノール樹脂含有量が少ないカーボン・フェノール樹脂成形材料を用いる場合のように、カーボン・フェノール樹脂成形材料の成形の際の流動性が悪くても、上記のように予備成形で大まかな形状に成形した後に、最終成形で高圧で成形することによって、金型内の隅々まで成形材料を行き渡らせることができ、金型内に均一に充填した状態で成形を行なうことができるものである。
【0038】
【作用】
フェノール類とアルデヒド類とカーボンとを触媒の存在下で混合及び反応させて調製されたカーボン・フェノール樹脂成形材料において、カーボンは表面にフェノール樹脂が薄く且つ均一に被覆されており(微視的に見ればフェノール樹脂の層には多数の細孔が存在する)、これを加熱加圧成形することによって、隣接する被覆カーボン粒子の表面同士が相互に薄いフェノール樹脂層を介して確実に接触し且つ結着し、各被覆カーボン粒子間に良好な電気導通状態が形成される。
【0039】
またカーボンとフェノール樹脂とが均一に混ざり合った状態が容易に得られるので、カーボンのみが密集した領域やフェノール樹脂のみが密集した領域を生じることがなく、成形材料全体として特性を均一化することができる。
【0040】
さらに、成形時に相互に接触する領域から溶融状態となったフェノール樹脂が押し出され、カーボン粒子間に形成される隙間にフェノール樹脂が流動して充填され、カーボン粒子間の間隙が殆ど残存しない成形体とすることができる。
【0041】
このように、カーボンをフェノール樹脂にて薄く均一に被覆する方法で得られたカーボン・フェノール樹脂成形材料を用いることによって、カーボン量を増加させた場合でも、確実にカーボン粒子間が結着され、且つカーボン粒子間の間隙をフェノール樹脂で充填した成形体を得ることができるものであり、これにより、機械的強度及び電気伝導性に優れ、ガス透過率の小さな成形体を得ることができる。
【0042】
具体的には、カーボンの含有量を75質量%以上に多くした場合でも、曲げ強度が40MPa以上と高く、ガス透過率が10×10-8cc・cm/cm2s・atm以下と低く、固有抵抗が10×10-3Ω・cm以下と電気伝導性に優れた成形体を得ることでき、燃料電池用セパレータとして好適に使用することができる。
【0043】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0044】
(実施例1)
攪拌機付きの反応容器にo−クレゾール(水に対する常温での溶解度2.0)を14質量部、フェノールを256質量部、37質量%ホルマリンを380質量部、水酸化カリウムを5.4質量部仕込み、さらに平均粒径が100μmで固定炭素が95.3質量%鱗片状黒鉛粉末を1620質量部及び水を1500質量部仕込んだ(疎水性のo−クレゾールはフェノール類中の5質量%)。そしてこれを攪拌混合しながら60分を要して90℃まで昇温し、そのまま4時間反応を行なった。次に、20℃まで冷却した後、反応容器の内容物をヌッチェによりろ別することによって、含有水分19質量%の含水顆粒状物を得た。
【0045】
この含水顆粒状物を、ステンレス製バットに敷いたポリエチレンシートの上に約2cmの厚さに広げ、これを熱風循環式乾燥器に入れて器内温度45℃で約48時間乾燥することによって、含有水分0.7質量%のサラサラとした、粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料中の黒鉛の含有量は85.8質量%、フェノール樹脂の含有量は14.2質量%であり、成形材料中の窒素成分の含有量は0.02質量%であった。
【0046】
このようにして調製したカーボン・フェノール樹脂成形材料を、予め160℃に加熱した金型に充填し、約25MPaの面圧で加圧しながら3分間加熱して成形することによって、燃料電池用セパレータを得た。
【0047】
(実施例2)
反応容器にo−クレゾール(水に対する常温での溶解度2.0)を175質量部、フェノールを175質量部、37質量%ホルマリンを480質量部、水酸化カリウムを7質量部仕込み、さらに平均粒径が6μmで固定炭素が95.3質量%の鱗片状黒鉛粉末を1560質量部及び水を1500質量部仕込んだ(疎水性のo−クレゾールはフェノール類中の50質量%)。あとは実施例1と同様にして反応させると共にろ別することによって、含有水分21質量%の含水顆粒状物を得た。この含水顆粒状物を実施例1と同様にして乾燥することによって、含有水分0.7質量%のサラサラとした、粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料中の黒鉛の含有量は81.7質量%、フェノール樹脂の含有量は18.3質量%であり、成形材料中の窒素成分の含有量は0.01質量%であった。
【0048】
そしてこのカーボン・フェノール樹脂成形材料を実施例1と同様に成形して、燃料電池用セパレータを得た。
【0049】
(実施例3)
反応容器にo−,m−,p−クレゾールの混合クレゾール(水に対する常温での溶解度2.0)を385質量部、37質量%ホルマリンを490質量部、水酸化カリウムを7.7質量部仕込み、さらに平均粒径が6μmで固定炭素が95.3質量%の鱗片状黒鉛粉末を1540質量部及び水を1500質量部仕込んだ(疎水性のo−クレゾールはフェノール類中の100質量%)。あとは実施例1と同様にして反応させると共にろ別することによって、含有水分21質量%の含水顆粒状物を得た。この含水顆粒状物を実施例1と同様にして乾燥することによって、含有水分0.7質量%のサラサラとした、粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料中の黒鉛の含有量は79.9質量%、フェノール樹脂の含有量は20.1質量%であり、成形材料中の窒素成分の含有量は0.02質量%であった。
【0050】
そしてこのカーボン・フェノール樹脂成形材料を実施例1と同様に成形して、燃料電池用セパレータを得た。
【0051】
(実施例4)
反応容器にo−,m−,p−クレゾールの混合クレゾール(水に対する常温での溶解度2.0)を385質量部、37質量%ホルマリンを490質量部、水酸化ナトリウムを7.7質量部仕込み、さらに平均粒径が6μmで固定炭素が95.3質量%の鱗片状黒鉛粉末を1540質量部及び水を1500質量部仕込んだ(疎水性のo−クレゾールはフェノール類中の100質量%)。あとは実施例1と同様にして反応させると共にろ別することによって、含有水分21質量%の含水顆粒状物を得た。この含水顆粒状物を実施例1と同様にして乾燥することによって、含有水分0.7質量%のサラサラとした、粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料中の黒鉛の含有量は79.7質量%、フェノール樹脂の含有量は20.3質量%であり、成形材料中の窒素成分の含有量は0.02質量%であった。
【0052】
そしてこのカーボン・フェノール樹脂成形材料を実施例1と同様に成形して、燃料電池用セパレータを得た。
【0053】
(実施例5)
反応容器にo−,m−,p−クレゾールの混合クレゾール(水に対する常温での溶解度2.0)を439質量部、37質量%ホルマリンを560質量部、トリメチルアミンを9.0質量部仕込み、さらに平均粒径が6μmで固定炭素が95.3質量%の鱗片状黒鉛粉末を1370質量部及び水を1300質量部仕込んだ(疎水性のo−クレゾールはフェノール類中の100質量%)。あとは実施例1と同様にして反応させると共にろ別することによって、含有水分21質量%の含水顆粒状物を得た。この含水顆粒状物を実施例1と同様にして乾燥することによって、含有水分0.7質量%のサラサラとした、粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料中の黒鉛の含有量は75.7質量%、フェノール樹脂の含有量は24.3質量%であり、成形材料中の窒素の含有量は0.02質量%であった。
【0054】
そしてこのカーボン・フェノール樹脂成形材料を実施例1と同様に成形して、燃料電池用セパレータを得た。
【0055】
(実施例6)
実施例1で調製したカーボン・フェノール樹脂成形材料を、室温で、約10MPaの面圧を加えて成形することによって、最終形状に近似する形状に予備成形した。次にこの予備成形して得られたタブレット状の予備成形体を、予め160℃に加熱した金型に充填し、約50MPaの面圧で加圧しながら3分間加熱して成形することによって、燃料電池用セパレータを得た。
【0056】
(実施例7)
反応容器にo−,m−,p−クレゾールの混合クレゾール(水に対する常温での溶解度2.0)を505質量部、37質量%ホルマリンを644質量部、水酸化カリウムを10.1質量部仕込み、さらに平均粒径が6μmで固定炭素が95.3質量%の鱗片状黒鉛粉末を1300質量部及び水を1300質量部仕込んだ(疎水性のo−クレゾールはフェノール類中の100質量%)。あとは実施例1と同様にして反応させると共にろ別することによって、含有水分21質量%の含水顆粒状物を得た。この含水顆粒状物を実施例1と同様にして乾燥することによって、含有水分0.7質量%のサラサラとした、粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料中の黒鉛の含有量は72質量%、フェノール樹脂の含有量は28質量%であり、成形材料中の窒素成分の含有量は0.02質量%であった。
【0057】
そしてこのカーボン・フェノール樹脂成形材料を実施例1と同様に成形して、燃料電池用セパレータを得た。
【0058】
(実施例8)
反応容器にフェノールを347質量部、37質量%ホルマリンを448質量部、ヘキサメチレンテトラミンを36質量部仕込み、さらに平均粒径が6μmで固定炭素が95.3質量%の鱗片状黒鉛粉末を1550質量部及び水を1500質量部仕込んだ。あとは実施例1と同様にして反応させると共にろ別することによって、含有水分21質量%の含水顆粒状物を得た。この含水顆粒状物を実施例1と同様にして乾燥することによって、含有水分0.7質量%のサラサラとした、粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料中の黒鉛の含有量は81.7質量%、フェノール樹脂の含有量は18.3質量%であり、成形材料中の窒素成分の含有量は0.9質量%であった。
【0059】
そしてこのカーボン・フェノール樹脂成形材料を実施例1と同様に成形して、燃料電池用セパレータを得た。
【0060】
(比較例1)
パウダー状のアルカリレゾール型フェノール樹脂を240質量部、ボールミルで粉砕混合した後、これにメタノールを加えてスラリー状にし、これに平均粒径が100μmで固定炭素が95.3質量%の鱗片状黒鉛粉末を760質量部加え、ニーダーで攪拌した。さらにこれを60℃で乾燥した後、ステアリン酸マグネシウムを微量添加してミキサーで粉砕混合することによって、カーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料中の黒鉛の含有量は76質量%、フェノール樹脂の含有量は24質量%であり、成形材料中の窒素の含有量は0.02質量%であった。
【0061】
そしてこのカーボン・フェノール樹脂成形材料を実施例1と同様に成形して、燃料電池用セパレータを得た。
【0062】
尚、上記の実施例1〜8及び比較例1において成形材料の窒素成分量は、ケルダー法によって測定した。また、上記のようにして実施例1〜8及び比較例1で得たセパレータについて、曲げ強度、固有抵抗、気体透過率、起電力短絡を測定した。ここで、曲げ強度の測定は、幅10mm×高さ4mm×長さ80mmの試験片を用いて、JIS K 7171に準じて行ない、固有抵抗の測定は、板厚2mmの試験片を用いて、JIS K 7194に準じて行なった。また気体透過率は、試験片を挟んで1atmの気圧を生じさせた状態で窒素ガスの透過量を測定し、このガス透過量から求めた。さらに、起電力短絡測定は、スタック数2の燃料電池を用意し、冷却水(不凍液:イオン交換水50質量%)を流しつつ、2つのセル間の起電力を計測することによって行ない、起電力の低下が生じない場合を「○」、生じた場合を「×」と評価した。これらの結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0004897160
【0064】
表1にみられるように、各実施例のものは、比較例1のものよりも固有抵抗が小さくて高い導電性を有し、比較例1のものよりも曲げ強度が高くて機械的強度に優れ、比較例1のものよりも気体透過率が低くガス不透過性を確保できることが確認される。また、実施例7は黒鉛粉末量を少なく設定した成形材料を用いたので、他の実施例よりも導電性が劣り、実施例8は窒素成分の多い成形材料を用いたので、起電力低下が生じるものであった。
【0065】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る燃料電池用セパレータの製造方法は、カーボン粉末を含むフェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で混合及び縮合反応させて調製されたカーボン・フェノール樹脂成形材料を用い、このカーボン・フェノール樹脂成形材料を熱硬化させることによって、所定の流路パターンを備えた薄板状成形体として成形するものであり、フェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下でカーボン粉末と混合しつつ反応させることによって、カーボン・フェノール樹脂成形材料はカーボン粉末がフェノール樹脂で薄く均一に被覆されたものとして得られており、カーボン量を増加させた場合でも、カーボン粒子間が確実に結着されていると共にカーボン粒子間の間隙がフェノール樹脂で充填された薄板状成形体を得ることができるものであり、機械的強度及び電気伝導性に優れ、ガス透過率の小さな燃料電池用セパレータを容易に得ることができるものである。
【0066】
また請求項2の発明は、薄板状成形体中のカーボン粉末の含有量が75質量%〜97質量%であることを特徴とするので、高い導電性を有する燃料電池用セパレーを得ることができるものである。
【0067】
また請求項3の発明は、触媒として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩及び第三級アミンから選ばれる少なくとも一種を用いるようにしたので、窒素成分の含有量が少ないカーボン・フェノール樹脂成形材料を得ることができ、起電力の短絡が生じることの少ない燃料電池用セパレータを成形することができるものである。
【0068】
また請求項4の発明は、薄板状成形体中の窒素成分量が0.3質量%以下であるので、起電力の低下が生じることのない燃料電池用セパレータを得ることができるものである。
【0069】
また請求項5の発明は、カーボン粉末として、固定炭素が90質量%以上のものを用いるので、高純度のカーボンを含有して高い導電性を有する燃料電池用セパレーを得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池のセルの一例を示す一部の断面図である。
【符号の説明】
1 電解質膜
2 アノード
3 カソード
4 セパレータ
5 ガス流路
6 ガス流路

Claims (5)

  1. カーボン粉末を含むフェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で混合及び縮合反応させて調製されたカーボン・フェノール樹脂成形材料を用い、このカーボン・フェノール樹脂成形材料を熱硬化させることによって、所定の流路パターンを備えた薄板状成形体として成形することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法
  2. 薄板状成形体中のカーボン粉末の含有量が75質量%〜97質量%であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法
  3. 触媒として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩及び第三級アミンから選ばれる少なくとも一種を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータの製造方法
  4. 薄板状成形体中の窒素成分量が0.3質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法
  5. カーボン粉末として、固定炭素が90質量%以上のものを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法
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