JP4896858B2 - 変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法 - Google Patents
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Description
このように大きな励磁突入電流が流れると、系統電圧が変動し、その電圧変動が大きい場合需要者に影響を与えることがある。
(実施の形態1)
図1乃至図4は、本実施の形態1を説明するための図であり、特に、図1は3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図、図2は電源相電圧と変圧器の定常磁束および変圧器鉄心の残留磁束の関係を示す波形図、図3は単相変圧器を単相の遮断器で投入するときの残留磁束と投入位相および投入後の磁束を示す波形図、図4は電源相電圧と変圧器の定常磁束および変圧器鉄心の残留磁束の関係が図1とは異なる場合の波形図である。
図1において、100は電力系統の母線(電源母線ともいう)、200は各相の主接点が一括操作される3相一括操作型遮断器(3相遮断器)である。300は3相遮断器200によって電源母線100に投入または遮断される3相変圧器であり、その1次巻線301および2次巻線302はY結線され、3次巻線303はΔ結線されている。Zn1、Zn2はそれぞれ1次巻線301、2次巻線302の中性点を接地するためのインピーダンスである。なお、変形例として、3相遮断器200を3相各相の単相型遮断器とし、各相の単相型遮断器を3相同時に投入または遮断操作しても良いことは言うまでもない。
図2において、1〜3は、電源電圧計測手段601によって計測された電源各相(U、V、W相)電圧である。4〜6は変圧器に定常状態で3相電圧が印加されたとき、前記電源電圧計測手段601によって計測された電圧を定常磁束算出手段602で積分して算出された変圧器各相(U、V、W相)鉄心の定常磁束である。そして、7〜9は変圧器端子電圧計測手段603によって計測された電圧を残留磁束算出手段604で積分して算出された変圧器各相(U、V、W相)鉄心の残留磁束である。
図3は単相変圧器を単相の遮断器で投入するときの残留磁束と投入位相および投入後の磁束を示す波形図である。15は電源電圧14が定常的に変圧器に印加されたときの定常磁束を示している。前述したように磁束は電圧を積分したものであるから、その位相は電圧の位相から位相が90°遅れている。
図5乃至図7は、本実施の形態2を説明するための図であり、図5乃至図7は、3相変圧器投入時の相電圧および定常磁束、残留磁束の関係を示す波形図であり、残留磁束の残り方がそれぞれ異なる場合を想定して示している。なお、本実施の形態2では、3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係は前述の実施の形態1の場合と同じであるため、図1相当のブロック図は省略する。
本実施の形態2は、3相変圧器300の各相の中で残留磁束の最も小さな相において、定常磁束と残留磁束の交点22を3相遮断器200の投入目標点とするように投入制御装置600を設定したものである。
図5は3相変圧器の各相の残留磁束の和が0の条件のもと、U相の残留磁束7が正極性で最大であり、V、W相の残留磁束8、9がともに負極性で異なる値で、残留磁束8>残留磁束9の関係にあるため、W相が残留磁束の最も小さな相である。従って、図5の場合はW相における定常磁束6と残留磁束9の交点22を遮断器投入目標点として3相遮断器200の投入目標点を設定する。
本実施の形態2によれば、各相の定常磁束と残留磁束との差を小さくでき、この投入目標点22において3相の遮断器200を投入させて変圧器300を励磁させれば、大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
図8乃至図10は、本実施の形態3を説明するための図である。特に、図8乃至図10は、3相変圧器投入時の相電圧および定常磁束、残留磁束の関係を示す波形図であり、残留磁束の残り方がそれぞれ異なる場合を想定して示している。なお、本実施の形態3では、3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係は前述の実施の形態1、2の場合と同じであるため、図1相当のブロック図は省略する。
本実施の形態3は、3相変圧器投入時の残留磁束の最も大きな相において、定常磁束が波高値にあるとき、すなわち定常磁束よりも90°進んでいる相電圧の0点を3相遮断器200の投入目標点とするように投入制御装置600を設定したものである。なお、図8乃至図10の残留磁束の様相は図5乃至図7と同一である。
図8は3相変圧器各相の残留磁束の和が0の条件のもと、U相の残留磁束7が正極性で最大であり、V、W相の残留磁束8、9がともに負極性で異なる値であり、残留磁束7>残留磁束8>残留磁束9の関係にあるため、U相が残留磁束の最も大きい相である。従って、図8の場合はU相における定常磁束4の波高値を遮断器投入目標点23として3相遮断器200の投入目標点を設定する。
本実施の形態3によれば、各相の定常磁束と残留磁束との差を小さくでき、この投入目標23において3相遮断器200を投入させて変圧器300を励磁させれば、大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
なお、以上述べた実施の形態1乃至3では、変圧器300の1次側がY結線された場合で説明したが、図2、図4乃至図10に示した相電圧を線間電圧とし、その線間電圧の積分値を磁束とすれば、変圧器300の1次側がΔ結線された変圧器投入の条件となる。この場合でも同様の投入位相制御方法で大きな励磁突入電流を抑制できることは言うまでもない。
図11乃至図12は、本実施の形態4を説明するための図であり、特に、図11は3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図、図12は、単相変圧器3台をY結線−Δ結線に接続し、その3相分の変圧器を遮断器で遮断したときの残留磁束を、遮断位相を変えて計算で求めた例を示す図である。
図11において、電力系統構成は図1の場合と同じであるが、図1と異なるのは、変圧器300の2次巻線302がΔ結線され、さらに、変圧器300の通常の運用状態において1次側端子、2次側端子または3次側端子のいずれにも変圧器端子電圧計測用機器500が設置されていない場合に、1次側端子に仮接続用の変圧器端子電圧計測用機器500Aを接続し、その出力電圧を投入・開極制御装置600Aの変圧器端子電圧計測手段603に入力するようにしている点にある。
電力系統に遮断器200および変圧器300を一旦設置した後は、当該電力系統の回路条件(図11の場合、電力系統100から変圧器300までの回路条件)は常に同じであるから、遮断器200が遮断するときの位相を常に同じにしておけば、変圧器300各相の残留磁束の値も常に同じになるはずである。
遮断器が変圧器を遮断した後の残留磁束の情報は、電圧計測用機器を仮接続した測定によってあらかじめ明らかになっているから、遮断の都度、変圧器端子電圧を計測しなくても、残留磁束と定常磁束との関係を得ることができ、上述した実施の形態1乃至3の位相検出方法を適用することによって、遮断器200で変圧器300を電源に投入したときに大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
上述した実施の形態4では、遮断位相を制御して、残留磁束を推定する方法について、変圧器300の1次側端子に仮接続用の変圧器端子電圧計測用機器500Aを接続し、その出力電圧を投入・開極制御装置600Aの変圧器端子電圧計測手段603に入力するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、変圧器300の運用状態で1次、2次および3次側端子のいずれかに電圧計測用機器が接続されている場合にも適用可能である。
図13乃至図16は、本実施の形態6を説明するための図であり、特に、図13は3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図、図14は電源相電圧と変圧器の定常磁束、変圧器鉄心の残留磁束、線間電圧と線間の定常磁束、および線間の残留磁束の関係を示す波形図、図15は非有効接地系に設置されたY−Δ結線の3相変圧器を示す結線図、図16は図15の3相変圧器を遮断した後に変圧器Y側中性点に直流電圧が現れることを示す波形図である。
図13において、3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係は前述の実施の形態1乃至3の場合と同じであるが、実施の形態1乃至3と異なるのは、励磁突入電流抑制装置を構成する投入制御装置600において、各相ごとの定常時の磁束を算出する定常磁束算出手段602に替えて、線間の定常時の磁束を算出する定常磁束算出手段602Aを設けるとともに、各相ごとの残留磁束を算出する残留磁束算出手段604に替えて、線間の残留磁束を算出する残留磁束算出手段604Aを設けた点にある。
図14において、1〜3は、電源電圧計測手段601によって計測された電源各相(U、V、W相)電圧である。4〜6は、変圧器に定常状態で3相電圧1〜3が印加されたとき、その電圧を定常磁束算出手段602Aで積分して算出された変圧器各相(U、V、W相)の定常磁束である。
図16は、図15に示すような、1次側がY結線で、その中性点が非接地の変圧器を3相遮断器200で遮断したときの変圧器1次対地電圧、対地電圧を積分して算出した磁束、線間電圧、およびその電圧を積分して算出した磁束を示している。
図17乃至図20は、本実施の形態7を説明するための図であり、図17は、図14の波形のうち、対地電圧を遮断器極間電圧に書き直し、磁束の波形を削除したものである。図18は、非有効接地系に設置されたY−Δ結線の3相変圧器を示す結線図、図19は、図18の3相変圧器を投入するとき、遮断器が1相だけ投入した後の、他相の電圧変化を説明する図である。図20は、3相変圧器投入時の電源相電圧、線間電圧、定常磁束、および残留磁束の関係を示す波形図であり、図17とは線間の残留磁束の残り方が異なる場合を想定して示している。なお、本実施の形態7では、3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係は前述の実施の形態6の場合と同じであるため、図13相当のブロック図は省略する。
本実施の形態7は、3相変圧器300の各線間の中で残留磁束の最も大きな線間において、定常磁束と残留磁束の極性が一致する範囲で定常磁束が最大値となる点、すなわち、線間の電圧零点41を、3相遮断器200の投入目標点とするように投入制御装置600を設定したものである。
図17において、47は遮断器200投入時のプレアーク発生電圧を示している。遮断器極間に電圧が引加された状態で遮断器を投入するとき、遮断器接点が機械的に接触する前にプレアークと呼ばれる先行放電が発生し、電気的に投入状態となることが知られている。プレアークが発生する電圧は、接点間距離が大きいほど大きくなる。従って、図17に示すように、遮断器投入時のプレアーク発生電圧47は、時間軸に沿って低下する。また、このようなプレアーク発生電圧が、ばらつき48を示すことは良く知られている。
本実施の形態7によれば、遮断器投入時の各相の投入ばらつきを小さくでき、この投入目標点41において3相の遮断器200を投入させて変圧器300を励磁させれば、大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
図21乃至図22は、本実施の形態8を説明するための図であり、1次Y側相電圧、線間電圧と2次もしくは3次Δ側の対地電圧、線間電圧の位相関係を示している。なお、本実施の形態8では、3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係は前述の実施の形態6、7の場合と同じであるため、図13相当のブロック図は省略する。
本実施の形態8は、変圧器1次Y側に電圧分圧装置が設置されていない場合に、2次もしくは3次のΔ結線側の対地電圧を計測することで、1次側線間電圧とするものである。
図21は、Y側とΔ側の相順関係が+30度の場合を示している。この図21において、Δ側W相対地電圧56は、1次Y側VW間線間電圧32とベクトルの向きが逆になっている。Δ側V相対地電圧55とY側UV間線間電圧31、Δ側U相対地電圧54とY側WU間線間電圧33の関係も同様である。すなわち、Δ側の対地電圧を計測し、その電圧の極性を3相とも反転させれば、1次Y側の線間電圧と同じ位相となる。
本実施の形態8によれば、変圧器1次側に電圧分圧装置が設置されていない場合でも、1次側各線間の磁束を算出でき、遮断器の投入目標を設定することができるので、大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
図16に示した変圧器1次対地電圧に現れる直流電圧43は零相電圧であるため、3相の対地電圧を足し算し、さらにそれを3分の1にして、もとの対地電圧から引き算することで対地電圧の直流電圧を0とすることが可能である。その上で磁束を算出し、遮断器投入目標を設定すれば、中性点に現れる直流電圧の影響なく大きな励磁突入電流を抑制できることは言うまでもない。
図23乃至図24は、本実施の形態9を説明するための図であり、特に、図23は3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図、図24は、単相変圧器3台をY結線−Δ結線に接続し、その3相分の変圧器を遮断器で遮断したときの線間の残留磁束を、遮断位相を変えて計算で求めた例を示す図である。
図23において、電力系統構成は図13の場合と同じであるが、図13と異なるのは、変圧器300の2次巻線302がΔ結線され、さらに、変圧器300の通常の運用状態において1次側端子、2次側端子または3次側端子のいずれにも変圧器端子電圧計測用機器500が設置されていない場合に、1次側端子に仮接続用の変圧器端子電圧計測用機器500Aを接続し、その出力電圧を投入・開極制御装置600Aの電圧計測手段603に入力するようにしている点にある。変形例として、2次もしくは3次側端子に変圧器端子電圧計測用機器500Aを接続してもよい。
電力系統に遮断器200および変圧器300を一旦設置した後は、当該電力系統の回路条件(図23の場合、電力系統100から変圧器300までの回路条件)は常に同じであるから、遮断器200が遮断するときの位相を常に同じにしておけば、変圧器300各線間の残留磁束の値も常に同じになるはずである。
遮断器が変圧器を遮断した後の残留磁束の情報は、電圧計測用機器を仮接続した測定によってあらかじめ明らかになっているから、遮断の都度、変圧器端子電圧が計測できなくても、残留磁束と定常磁束との関係を得ることができ、上述した実施の形態6乃至8の位相検出方法を適用することによって、遮断器200で変圧器300を電源に投入したときに大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
Claims (30)
- 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の相電圧もしくは線間電圧を積分することにより変圧器各相の定常磁束を算出し、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各相の残留磁束の極性および大きさを算出し、
前記変圧器各相の定常磁束の極性と、前記各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 残留磁束が最も小さな相の定常磁束が残留磁束と交差する点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項1記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 残留磁束が最も大きな相の相電圧零点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させて3相変圧器を励磁することを特徴とする請求項1記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 非有効接地系に設置されるとともに、1次巻線がΔ結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の線間電圧を積分することにより変圧器各相の定常磁束を算出し、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各相の残留磁束の極性および大きさを算出し、
前記変圧器各相の定常磁束の極性と、前記各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 残留磁束が最も小さな相の定常磁束が残留磁束と交差する点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項4記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 残留磁束が最も大きな相の線間電圧零点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させて3相変圧器を励磁することを特徴とする請求項4記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定した電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測しておき、
遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御して遮断することにより、前記の関係から変圧器の残留磁束を推定し、
その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各相の定常磁束の極性と、前記推定された各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 残留磁束が最も小さな相の定常磁束が残留磁束と交差する点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項7記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 残留磁束が最も大きな相の相電圧零点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させて3相変圧器を励磁することを特徴とする請求項7記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 非有効接地系に設置されるとともに、1次巻線がΔ結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定した電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測しておき、
遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御して遮断することにより、前記の関係から変圧器の残留磁束を推定し、
その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各相の定常磁束の極性と、前記推定された各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 残留磁束が最も小さな相の定常磁束が残留磁束と交差する点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項10記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 残留磁束が最も大きな相の線間電圧零点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させて3相変圧器を励磁することを特徴とする請求項10記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 3相の遮断器を3相一括操作型遮断器としたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の相電圧もしくは線間電圧を積分することにより変圧器各相の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各相の残留磁束の極性および大きさを算出する残留磁束算出手段と、
前記変圧器各相の定常磁束の極性と、前記変圧器各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲を検出して出力を生じる位相検出手段と、
前記位相検出手段の出力により前記3相の遮断器を同時に投入させる投入手段と、
を備えたことを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。 - 非有効接地系に設置されるとともに、1次巻線がΔ結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の線間電圧を積分することにより変圧器各相の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各相の残留磁束の極性および大きさを算出する手段と、
前記変圧器各相の定常磁束の極性と、前記変圧器各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲を検出して出力を生じる位相検出手段と、
前記位相検出手段の出力により前記3相の遮断器を同時に投入させる投入手段と、
を備えたことを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。 - 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
前記遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係を保持する遮断位相・残留磁束関係計測保持手段と、
遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御する開極位相制御手段と、
前記開極位相制御手段の出力により遮断器に開極指令を出力する手段と、
その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各相の定常磁束の極性と、前記遮断位相・残留磁束関係計測保持手段に保持されている各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲を検出して出力を生じる位相検出手段と、
前記位相検出手段の出力により前記3相の遮断器を同時に投入させる投入手段と、
を備えたことを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。 - 前記遮断位相・残留磁束関係計測保持手段は、前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定された電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測し保持することを特徴とする請求項16に記載の変圧器の励磁突入電流抑制装置。
- 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側の相電圧を測定し、
前記測定された相電圧を線間電圧に変換し、その線間電圧を積分して線間の定常磁束を算出し、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、
前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側の相電圧を測定し、
前記測定された相電圧を積分することにより変圧器各端子の定常磁束を算出し、その変圧器各端子の定常磁束を線間の定常磁束に変換し、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、
前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側の線間電圧を測定し、
前記測定された線間電圧を積分することにより変圧器各線間の定常磁束を算出し、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、
前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときのΔ結線された巻線の3相対地電圧を測定し、
前記測定された対地電圧を積分することにより変圧器各線間の定常磁束を算出し、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、
前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 残留磁束が最も大きな線間において、線間電圧が前記残留磁束と同極性から逆極性へ遷移する電圧零点を電気的な投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項18乃至請求項21のいずれか1項に記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 線間電圧の電圧零点を相電圧の位相に換算し、換算した相電圧の位相を電気的な投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項22記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定した電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測しておき、
遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御して遮断することにより、前記の関係から変圧器の残留磁束を推定し、
その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各線間の定常磁束の極性と、前記推定された各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 残留磁束が最も大きな線間において、線間電圧が前記残留磁束と同極性から逆極性へ遷移する電圧零点を電気的な投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項24記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 線間電圧の電圧零点を相電圧の位相に換算し、換算した相電圧の位相を電気的な投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項25記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
- 非有効接地系に設置されるとともに、1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側の相電圧を測定し、
前記測定された3相の相電圧の総和を3分の1にすることで零相電圧を算出し、
各相の相電圧から前記零相電圧を引き算することで3相の変圧器の各巻線電圧を算出し、
前記算出された各巻線電圧を積分することにより変圧器各巻線の定常磁束を算出し、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各巻線の残留磁束の極性および大きさを算出し、
その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各巻線の定常磁束の極性と、前記算出された各巻線の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 非有効接地系に設置されるとともに、1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときのΔ結線された巻線の線間電圧を測定し、
前記測定された線間電圧を積分することにより変圧器各巻線の定常磁束を算出し、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、
その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各巻線の定常磁束の極性と、前記算出された各巻線の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。 - 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線はたは3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の相電圧もしくは線間電圧を積分することにより変圧器各線間の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出する残留磁束算出手段と、
前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記変圧器各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲を検出して出力を生じる位相検出手段と、
前記位相検出手段の出力により前記3相の遮断器を同時に投入させる投入手段と、
を備えたことを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。 - 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定した電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測し保持する手段と、
遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御する開極位相制御手段と、
前記開極位相制御手段の出力により遮断器に開極指令を出力する手段と、
その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各線間の定常磁束の極性と、前記保持されている各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲を検出して出力を生じる位相検出手段と、
前記位相検出手段の出力により前記3相の遮断器を同時に投入させる投入手段と、
を備えたことを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。
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