JP5472912B2 - 過電圧抑制装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遮断器を投入する際に生じる過電圧を抑制する過電圧抑制装置に関する。
一般に、リアクトルで補償されていない無負荷送電線では、遮断器が遮断した後、送電線には直流電圧が残留する。この直流電圧が残留している状態で、遮断器が再投入されると、過電圧(投入サージ)が発生することが知られている。この過電圧の大きさは、系統の電圧の数倍になる。このように大きな過電圧が発生すると、系統に設置される機器の絶縁に影響することが懸念される。
このため、無負荷送電線投入時の過電圧を抑制する方法としては、抵抗体付き遮断器を設けることが知られている。例えば、日本の500kV系統では、このような過電圧を抑制するため、抵抗投入方式の遮断器が採用されている。抵抗体付き遮断器は、投入抵抗と接点とを直列に接続した構成の遮断部が遮断器主接点と並列接続される。抵抗体付き遮断器では、抵抗遮断部の接点が遮断器主接点よりも先行して投入される。これにより、過電圧を抑制する(例えば、非特許文献1参照)。
一方、リアクトルで補償された無負荷送電線では、遮断器が遮断した後、送電線にはその静電容量とリアクトルとによる振動電圧が発生する。このような場合でも、遮断器の極間電圧が大きい時点で遮断器が再投入されると、過電圧が発生することになる。リアクトルで補償された送電線を再投入するときの過電圧抑制方法として、遮断器の投入位相を制御する方法が知られている。これは極間電圧が小さな時点で遮断器を再投入させるものである。極間電圧が小さくなる時点を予測する方法として、以下が知られる。
一つ目の方法としては、遮断器の極間電圧を関数近似し、最適タイミングで遮断器投入する方法が、次のように開示されている。まず、電源電圧を、商用周波の正弦波とする。また、線路側の振動電圧も単一周波数であれば、正弦波と見做すことができる。これらの両電圧を正弦波で関数近似して、極間電圧を予測する。この極間電圧に基づいて、遮断器の投入時刻を決定する(例えば、特許文献1参照)。
二つ目の方法としては、遮断器の極間電圧零点間の時間を計測することにより、将来の極間電圧零点で遮断器を投入する方法が次のように開示されている。遮断後の極間電圧1周期の電圧零点間の時間と次の極間電圧1周期の電圧零点間の時間を計測する。これらの2つの極間電圧零点間の時間が同じであれば、極間電圧の周波数が分かる。これにより、極間電圧の波形に係らず、将来の極間電圧零点が推測できる(例えば、非特許文献2参照)。
特開2003−168335号公報
長谷良秀,"電力系統技術の実用理論ハンドブック",丸善株式会社,2004年3月30日,p307−308 K.Froehlich,"Controlled Closing on Shunt Reactor Compensated Transmission Lines Part I: Closing Control Device Development",IEEE Transactions on Power Delivery,The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.,1997年4月,Vol.12,No.2,p734−740
しかしながら、上述のような過電圧抑制方法には、それぞれ以下のような問題がある。
抵抗体付き遮断器を用いて過電圧抑制する場合、通常の遮断器に対して抵抗体付き遮断器を特別に付加する必要がある。このため、遮断器全体としてみた場合、遮断器が大型化してしまう。
送電線には、その無効電力を補償するために、リアクトルが設置されることがある。リアクトルが設置された送電線を遮断器が開放すると、送電線の静電容量とリアクトルのインダクタンスで決まる周波数の電圧振動が送電線に発生する。線路の電圧振動周波数は一般に電源電圧の周波数とは異なる。この場合、遮断器の極間電圧は、複周波の様相となる。
このとき遮断器の極間電圧を関数近似し、最適タイミングで遮断器投入する場合、次のような問題がある。
線路の電圧振動の周波数を決定する送電線の静電容量には、自相の対地成分、他相との間の相互成分、及び他相の対地成分がある。これらの静電容量は、送電線の幾何学的配置によって、各相で異なる値になる。このため、線路側電圧の振動波形が単一周波の正弦波となることは、極めて稀である。一般には、その振動波形自体が既に複周波となることが多い。この場合、線路の電圧振動を関数近似させること自体が困難である。よって、極間電圧を関数近似から求めるのは、現実的には極めて困難である。
さらに、遮断器の極間電圧零点間の時間を計測して、遮断器を投入する場合、次のような問題がある。
遮断器極間に電圧が印加された状態で投入する場合、接点間の絶縁耐力を接点間の電圧が上回ると、接点間で放電が発生する。この放電が発生すると、接点が機械的に接触する前に、遮断器は電気的な接触状態となる。この放電は、プレアークと呼ばれる。
ここで、遮断器の極間電圧が複周波となっている場合、その電圧は電源電圧以上の波高値となる場合もある。このような場合、極間電圧が零点のときに、遮断器を投入させようとすると、極間電圧が大きな時点で、前述のプレアークによる放電によって投入状態となることもあり得る。この場合、大きな過電圧が発生することになる。よって、極間電圧が複周波の場合、極間電圧零点のみを計測するだけでは、過電圧の抑制はできない。
本発明の目的は、遮断器の極間電圧が複周波となっている場合でも、遮断器を投入する際に発生する過電圧を抑制することのできる過電圧抑制装置を提供することにある。
本発明の観点に従った過電圧抑制装置は、電源を備えた電力系統と送電線との接続を開閉する遮断器を開放後、前記遮断器を投入する際に発生する過電圧を抑制する過電圧抑制装置であって、前記遮断器の前記電力系統側の対地電圧である電源側電圧の波形を計測する電源側電圧計測手段と、前記遮断器の前記送電線側の対地電圧である送電線側電圧の波形を計測する送電線側電圧計測手段と、前記電源側電圧計測手段により計測された前記電源側電圧の波形と前記送電線側電圧計測手段により計測された前記送電線側電圧の波形とを加算した波形を演算する加算手段と、前記加算手段により演算された前記加算した波形の絶対値の波形を演算する絶対値演算手段と、前記絶対値演算手段により演算された前記絶対値の波形から前記電源の周波数よりも低く直流成分の周波数よりも高い周波数帯の成分の波形を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記波形の周期を検出する周期検出手段と、前記周期検出手段により検出された前記周期に基づいて、前記遮断器を投入する投入手段とを備えている。
本発明によれば、遮断器の極間電圧が複周波となっている場合でも、遮断器を投入する際に発生する過電圧を抑制することのできる過電圧抑制装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る過電圧抑制装置の適用された電力系統システムの構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る過電圧抑制装置の構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る電源側電圧計測部により計測された遮断器の電源側電圧の電圧波形を示す波形図。 第1の実施形態に係る線路側電圧計測部により計測された遮断器の線路側電圧の電圧波形を示す波形図。 第1の実施形態に係る遮断器の極間電圧の電圧波形を示す波形図。 第1の実施形態に係る絶対値演算器により演算処理された電圧波形を示す波形図。 第1の実施形態に係るローパスフィルタにより演算処理された電圧波形を示す波形図。 第1の実施形態に係るハイパスフィルタにより演算処理された電圧波形を示す波形図。 本発明の第2の実施形態に係る過電圧抑制装置の適用された電力系統システムの構成を示す構成図。 第2の実施形態に係る過電圧抑制装置の構成を示す構成図。 第2の実施形態に係る電源側電圧計測部により計測された遮断器の電源側電圧の電圧波形を示す波形図。 第2の実施形態に係る絶対値演算器により演算処理された電圧波形を示す波形図。 第2の実施形態に係るローパスフィルタにより演算処理された電圧波形を示す波形図。 第2の実施形態に係る絶対値演算器により演算処理された電圧波形を示す波形図。 本発明の第3の実施形態に係る過電圧抑制装置の適用された電力系統システムの構成を示す構成図。 第3の実施形態に係る過電圧抑制装置の構成を示す構成図。 第3の実施形態に係る電源側電圧計測部により計測された遮断器の電源側電圧の電圧波形を示す波形図。 第3の実施形態に係る線路側電圧計測部により計測された遮断器の線路側電圧の電圧波形を示す波形図。 第3の実施形態に係る減算器により演算処理された遮断器の極間電圧の電圧波形を示す波形図。 第3の実施形態に係る遮断器が無負荷送電線を投入する際に発生する投入サージを模式的に描いた波形図。 第3の実施形態に係る遮断器の投入時におけるプレアーク発生電圧特性を示す特性図。 本発明の第4の実施形態に係る過電圧抑制装置の適用された電力系統システムの構成を示す構成図。 本発明の第4の実施形態に係る過電圧抑制装置の構成を示す構成図。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る過電圧抑制装置10の適用された電力系統システム1の構成を示す構成図である。なお、以降の図における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。以降の実施形態も同様にして重複する説明を省略する。
電力系統システム1は、電源母線2と、三相分の遮断器3U,3V,3Wと、送電線4と、三相分の電源側電圧検出器5U,5V,5Wと、三相分の線路側電圧検出器6U,6V,6Wと、過電圧抑制装置10とを備えている。
電源母線2は、U相、V相、及びW相からなる三相交流の電源を備えた電力系統の母線である。
送電線4は、遮断器3U,3V,3Wを介して、電源母線2に電気的に接続される。なお、図示していないが、送電線4の各相の対地間にリアクトルが設置されている。これらのリアクトルは、送電線4の両端に設置される場合又は片端のみに設置される場合等がある。
遮断器3U,3V,3Wは、送電線4と電源母線2との各相を互いに接続する。遮断器3U,3V,3Wは、相毎に個別に操作する各相操作型の遮断器である。遮断器3U,3V,3Wは、U相、V相、W相に、それぞれ設けられている。
各電源側電圧検出器5U,5V,5Wは、電源母線2のそれぞれの対応する相に設けられている。電源側電圧検出器5U,5V,5Wは、例えば計器用変圧器である。各電源側電圧検出器5U,5V,5Wは、電源母線2のそれぞれの対応する相電圧(対地電圧)を検出する。即ち、各電源側電圧検出器5U,5V,5Wは、それぞれの対応する遮断器3U,3V,3Wの電源側の電圧を検出する。各電源側電圧検出器5U,5V,5Wは、それぞれの検出した電源母線2の各相電圧を過電圧抑制装置10に出力する。
各線路側電圧検出器6U,6V,6Wは、送電線4のそれぞれの対応する相に設けられている。線路側電圧検出器6U,6V,6Wは、例えば計器用変圧器である。各線路側電圧検出器6U,6V,6Wは、送電線4のそれぞれの対応する相電圧(対地電圧)を検出する。即ち、各線路側電圧検出器6U,6V,6Wは、それぞれの対応する相の遮断器3U,3V,3Wの線路側の電圧を検出する。各線路側電圧検出器6U,6V,6Wは、それぞれの検出した送電線4の各相電圧を過電圧抑制装置10に出力する。
過電圧抑制装置10には、電源側電圧検出器5U,5V,5Wにより検出された電源母線2の各相電圧及び線路側電圧検出器6U,6V,6Wにより検出された送電線4の各相電圧が入力される。過電圧抑制装置10は、遮断器3U,3V,3Wが開放された場合、電源母線2の各相電圧及び送電線4の各相電圧に基づいて、遮断器3U,3V,3Wを投入する。
過電圧抑制装置10は、電源側電圧計測部11と、線路側電圧計測部12と、波形演算部13と、位相検出部14と、投入指令出力部15とを備えている。
電源側電圧計測部11は、電源側電圧検出器5U,5V,5Wにより検出された遮断器3U,3V,3Wの電源側の電圧を計測する。電源側電圧計測部11は、計測した遮断器3U,3V,3Wの電源側の電圧波形データを波形演算部13に出力する。
線路側電圧計測部12は、線路側電圧検出器6U,6V,6Wにより検出された送電線4の電圧を計測する。線路側電圧計測部12は、計測した送電線4の電圧波形データを波形演算部13に出力する。
波形演算部13は、電源側電圧計測部11により計測された電源母線2の電圧波形データ及び線路側電圧計測部12により計測された送電線4の電圧波形データに対して、遮断器3U,3V,3Wを投入する位相(タイミング)を検出するための波形演算処理をする。波形演算部13は、波形演算処理がされた電圧波形データを位相検出部14に出力する。
位相検出部14は、波形演算部13により波形演算処理された電圧波形データに基づいて、遮断器3U,3V,3Wをそれぞれ投入する位相を検出する。位相検出部14は、検出した各相の投入する位相を、投入指令出力部15に出力する。
投入指令出力部15は、位相検出部14により検出された各相の位相で、遮断器3U,3V,3Wをそれぞれ投入するための投入指令を出力する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る過電圧抑制装置10の構成を示す構成図である。なお、図2においては、遮断器3U,3V,3Wのうちの一相分のみの構成を図示しているが、他の二相も同様に構成されているものとする。
なお、ここでは、一相(U相)分の構成について主に説明し、他の二相(V相及びW相)については、同様に構成されているものとして、説明を適宜省略する。以降の実施形態も同様にして、他の二相についての説明を適宜省略する。
波形演算部13は、加算器131と、絶対値演算器132と、ローパスフィルタ133と、ハイパスフィルタ134とを備えている。
加算器131には、電源側電圧計測部11により計測された遮断器3Uの電源側の電圧波形データ及び線路側電圧計測部12により計測された遮断器3Uの線路側の電圧波形データが入力される。加算器131は、遮断器3Uの電源側の電圧波形データと遮断器3Uの線路側の電圧波形データを加算する。加算器131は、加算して算出した電圧波形データを、絶対値演算器132に出力する。
絶対値演算器132には、加算器131により演算された電圧波形データが入力される。絶対値演算器132は、入力された電圧波形データの絶対値を演算する。絶対値演算器132は、演算した絶対値の電圧波形データをローパスフィルタ133に出力する。
ローパスフィルタ133は、絶対値演算器132により演算された電圧波形データが入力される。ローパスフィルタ133のカットオフ周波数は、商用周波数をカットできる周波数に設定されている。ローパスフィルタ133は、入力された電圧波形データに対して、カットオフ周波数よりも低い周波成分のみを通過させる。これにより、ローパスフィルタ133は、入力された電圧波形データに対して、高周波成分である商用周波数成分を取り除く。ローパスフィルタ133は、通過した電圧波形データを、ハイパスフィルタ134に出力する。
ここで、ローパスフィルタ133のカットオフ周波数について説明する。
遮断器3U,3V,3Wを遮断後の送電線4の電圧振動の周波数は、設置されているリアクトルの補償率によっても変わるが、電源側電圧の周波数である商用周波数に近くなる。このため、遮断器3U,3V,3Wの極間電圧には、商用周波数よりも低周波の成分が現れる。そこで、ローパスフィルタ133のカットオフ周波数は、商用周波をカットできる周波数に設定される。
ハイパスフィルタ134には、ローパスフィルタ133を通過した電圧波形データが入力される。ハイパスフィルタ134のカットオフ周波数は、直流成分に近い極低周波の周波数成分をカットできる周波数に設定されている。ハイパスフィルタ134は、入力された電圧波形データに対して、カットオフ周波数よりも高い周波成分のみを通過させる。これにより、ハイパスフィルタ134は、入力された電圧波形データに対して、極低周波成分を取り除く。ハイパスフィルタ134は、通過した電圧波形データを、位相検出部14の周期検出部141に出力する。
位相検出部14は、周期検出部141と、投入位相演算部142とを備えている。
周期検出部141には、ハイパスフィルタ134を通過した電圧波形データが入力される。周期検出部141は、入力された電圧波形データに基づいて、遮断器3Uの極間電圧が最小となる周期を演算する。周期検出部141は、演算した周期を投入位相演算部142に出力する。
投入位相演算部142には、周期検出部141により演算された周期が入力される。投入位相演算部142は、入力された周期に基づいて、遮断器3Uを投入するのに最適な時刻(位相)を演算する。ここで、最適な投入時刻とは、投入位相演算部142に周期が入力された後に、遮断器3Uの極間電圧の電圧波形が最小になると推定される時刻である。投入位相演算部142は、演算した時刻を投入指令出力部15に出力する。
図3〜図8は、本実施形態に係る過電圧抑制装置10における演算処理を説明するための電圧波形W3〜W8を示す波形図である。図3〜図8は、遮断器3Uが送電線4を遮断した時刻t0付近からのそれぞれの電圧波形W3〜W8の状態を示している。図3〜図8に示す座標は、縦軸を電圧(p.u.:per unit)、横軸を時間(秒)としている。
図3は、電源側電圧計測部11により計測された遮断器3Uの電源側電圧(電源母線2の電圧)の電圧波形W3を示す波形図である。図4は、線路側電圧計測部12により計測された遮断器3Uの線路側電圧(送電線4の電圧)の電圧波形W4を示す波形図である。図5は、遮断器3Uの極間電圧の電圧波形W5を示す波形図である。図6は、絶対値演算器132により演算処理された電圧波形W6を示す波形図である。図7は、ローパスフィルタ133により演算処理された電圧波形W7を示す波形図である。図8は、ハイパスフィルタ134により演算処理された電圧波形W8を示す波形図である。
遮断器3Uの電源側には、図3に示された電圧波形W3で表される電圧が印加されている。遮断器3Uの線路側には、図4に示された電圧波形W4で表される電圧が印加されている。
このとき、遮断器3Uの極間電圧は、図5に示された電圧波形W5で表される。電圧波形W5は、遮断器3Uの電源側の電圧波形W3から遮断器3Uの線路側の電圧波形W4を減算することで求まる。電圧波形W5は、時刻t0よりも前では、遮断器3Uの電源側の電圧と遮断器3Uの線路側の電圧とは同一であるため、零である。
加算器131には、電圧波形W3を示す遮断器3Uの電源側の電圧波形データと電圧波形W4を示す遮断器3Uの線路側の電圧波形データが入力される。加算器131は、入力された2つの電圧波形データを加算する。加算器131は、加算した電圧波形データを絶対値演算器132に出力する。
絶対値演算器132には、加算器131により算出された電圧波形データが入力される。絶対値演算器132は、入力された電圧波形データの絶対値を演算する。これにより、絶対値演算器132は、図6に示された電圧波形W6を示す電圧波形データを算出する。電圧波形W6には、低周波成分FL1が顕著に現れている。
ローパスフィルタ133には、絶対値演算器132により算出された電圧波形W6を示す電圧波形データが入力される。これにより、ローパスフィルタ133は、図7に示された電圧波形W7を示す電圧波形データを算出する。電圧波形W7は、電圧波形W6に対して、商用周波数成分が抑制され、直流成分を含む低周波成分FL1が抽出された波形になっている。
ハイパスフィルタ134には、ローパスフィルタ133により算出された電圧波形W7を表す電圧波形データが入力される。これにより、ハイパスフィルタ134は、図8に示された電圧波形W8を示す電圧波形データを算出する。
電圧波形W8には、電圧波形W7に含まれていた直流成分がほとんど除去されている。電圧波形W8には、低周波成分FL1が正負に現れている。この低周波成分FL1の各サイクルにおいて、正極性で最大となる時刻tcは、図5に示す電圧波形W5の極間電圧が小さくなる時刻tcと一致する。
周期検出部141は、波形演算部13により波形演算された電圧波形W8を示す電圧波形データが入力される。周期検出部141は、遮断器3Uが送電線4を遮断してから予め設定された時間が経過するまで、電圧波形W8を示す電圧波形データを監視する。周期検出部141は、監視した電圧波形W8において、正極性で最大となる時刻tcを検出する。この検出により、周期検出部141は、時刻tcが現れる間隔を測定する。周期検出部141は、この測定した間隔に基づいて、周期TMを演算する。周期検出部141は、演算した周期TMを投入位相演算部142に出力する。
ここで、図8に示す電圧波形W8における正極性で最大となる時刻tcと図5に示す極間電圧の電圧波形W5の複周波の電圧が最小となる時刻tcとは、一致する。よって、周期検出部141により演算された周期TMは、極間電圧の電圧波形W5の複周波の電圧が最小となる周期TMと同じである。
投入位相演算部142は、周期検出部141により演算された周期TMに基づいて、遮断器3Uを投入するのに最適な投入位相(投入時刻)を演算する。この投入位相は、今後において、電圧波形W8が正極性で最大になると推定される位相の1つである。
投入指令出力部15は、投入位相演算部142により演算された投入位相で、遮断器3Uが投入されるように、遮断器3Uに投入指令を出力する。
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
遮断器3Uの電源側の電圧と遮断器3Uの線路側の電圧とを加算した後に絶対値を求めることで、電源母線2の周波数よりも低く直流成分の周波数よりも高い周波数帯の低周波成分FL1が顕著に現された電圧波形データを抽出することができる。低周波成分FL1は、遮断器3U,3V,3Wの極間電圧波形W5の複周波の周波数成分である。ローパスフィルタ133及びハイパスフィルタ134により、低周波成分FL1を抽出する。低周波成分FL1が抽出された電圧波形W8において、正極性の最大となる周期TMを求めることで、遮断器3U,3V,3Wの極間電圧が小さくなる時点を推定することができる。
これらの処理により、過電圧抑制装置10は、遮断器3U,3V,3Wの極間電圧が小さくなる最適な投入時点で遮断器3U,3V,3Wを投入することで、極間電圧が複周波となっている場合でも、遮断器3U,3V,3Wを投入する際に発生する過電圧を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る過電圧抑制装置10Aの適用された電力系統システム1Aの構成を示す構成図である。
電力系統システム1Aは、図1に示す第1の実施形態に係る電力系統システム1において、過電圧抑制装置10の代わりに過電圧抑制装置10Aを設けた構成である。その他の点については、電力系統システム1Aは、第1の実施形態に係る電力系統システム1と同様である。
図10は、本実施形態に係る過電圧抑制装置10Aの構成を示す構成図である。
過電圧抑制装置10Aは、図2に示す第1の実施形態に係る過電圧抑制装置10において、波形演算部13の代わりに波形演算部13Aを設けた構成である。その他の点については、過電圧抑制装置10Aは、第1の実施形態に係る過電圧抑制装置10と同様である。
波形演算部13Aは、減算器13A1と、絶対値演算器13A2と、ローパスフィルタ13A3と、ハイパスフィルタ13A4とを備えている。
減算器13A1には、電源側電圧計測部11により計測された遮断器3Uの電源側の電圧波形データ及び線路側電圧計測部12により計測された遮断器3Uの線路側の電圧波形データが入力される。減算器13A1は、遮断器3Uの電源側の電圧波形データから遮断器3Uの線路側の電圧波形データを減算する。この演算により、遮断器3Uの極間電圧の電圧波形データが算出される。減算器13A1は、算出した極間電圧の電圧波形データを、絶対値演算器13A2に出力する。
絶対値演算器13A2には、減算器13A1により演算された極間電圧の電圧波形データが入力される。絶対値演算器13A2は、入力された電圧波形データの絶対値を演算する。絶対値演算器13A2は、演算した絶対値の電圧波形データを、ローパスフィルタ13A3に出力する。
ローパスフィルタ13A3には、絶対値演算器13A2により演算された絶対値の電圧波形データが入力される。ローパスフィルタ13A3のカットオフ周波数は、商用周波数をカットできる周波数に設定されている。ここで、カットオフ周波数については、第1の実施形態に係るローパスフィルタ133と同様である。ローパスフィルタ13A3は、入力された電圧波形データに対して、カットオフ周波数よりも低い周波成分のみを通過させる。これにより、ローパスフィルタ13A3は、入力された電圧波形データに対して、高周波成分である商用周波数成分を取り除く。ローパスフィルタ13A3は、通過した電圧波形データを、ハイパスフィルタ13A4に出力する。
ハイパスフィルタ13A4には、ローパスフィルタ13A3を通過した電圧波形データが入力される。ハイパスフィルタ13A4のカットオフ周波数は、直流成分に近い極低周波の周波数成分をカットできる周波数に設定されている。ハイパスフィルタ13A4は、入力された電圧波形データに対して、カットオフ周波数よりも高い周波成分のみを通過させる。これにより、ハイパスフィルタ13A4は、入力された電圧波形データに対して、極低周波成分を取り除く。ハイパスフィルタ13A4は、通過した電圧波形データを、位相検出部14の周期検出部141に出力する。
図11〜図14は、本実施形態に係る過電圧抑制装置10Aにおける演算処理を説明するための電圧波形を示す波形図である。図11〜図14は、遮断器3Uが送電線4を遮断した時刻t1付近からのそれぞれの電圧波形W11〜W14の状態を示している。図11〜図14に示す座標は、縦軸を電圧(p.u.)、横軸を時間(秒)としている。
図11は、減算器13A1により演算処理された遮断器3Uの極間電圧の電圧波形W11を示す波形図である。図12は、絶対値演算器13A2により演算処理された電圧波形W12を示す波形図である。図13は、ローパスフィルタ13A3により演算処理された電圧波形W13を示す波形図である。図14は、ハイパスフィルタ13A4により演算処理された電圧波形W14を示す波形図である。
減算器13A1には、遮断器3Uの電源側の電圧波形データと遮断器3Uの線路側の電圧波形データが入力される。減算器13A1は、遮断器3Uの電源側の電圧波形データから遮断器3Uの線路側の電圧波形データを減算する。これにより、減算器13A1は、図11に示された電圧波形W11を示す遮断器3Uの極間電圧の電圧波形データを算出する。電圧波形W11は、時刻t1よりも前では、遮断器3Uの電源側の電圧と遮断器3Uの線路側の電圧とは同一であるため、零である。
絶対値演算器13A2には、減算器13A1により算出された電圧波形W11を示す遮断器3Uの極間電圧の電圧波形データが入力される。絶対値演算器13A2は、入力された電圧波形データの絶対値を演算する。これにより、絶対値演算器13A2は、図12に示された電圧波形W12を示す電圧波形データを算出する。電圧波形W12には、低周波成分FL1Aが顕著に現れている。ここで、電圧波形W12の電圧が小さくなる時刻tc1は、図11に示された極間電圧の電圧波形W11の電圧が小さくなる時刻tc1と一致する。
ローパスフィルタ13A3には、減算器13A2により算出された電圧波形W12を示す電圧波形データが入力される。これにより、ローパスフィルタ13A3は、図13に示された電圧波形W13を示す電圧波形データを算出する。電圧波形W13は、電圧波形W12に対して、商用周波数成分が抑制され、直流成分を含む低周波成分FL1Aが抽出された波形になっている。
ハイパスフィルタ13A4には、ローパスフィルタ13A3により算出された電圧波形W13を表す電圧波形データが入力される。これにより、ハイパスフィルタ13A4は、図14に示された電圧波形W14を示す電圧波形データを算出する。
電圧波形W14には、電圧波形W13に含まれていた直流成分がほとんど除去されている。電圧波形W14には、低周波成分FL1Aが正負に現れている。この低周波成分FL1Aの各サイクルにおいて、負極性で最大となる時刻tc1は、図11に示す電圧波形W11の極間電圧が小さくなる時刻tc1と一致する。
周期検出部141には、波形演算部13Aにより波形演算された電圧波形W14を示す電圧波形データが入力される。周期検出部141は、遮断器3Uが送電線4を遮断してから予め設定された時間が経過するまで、電圧波形W14を示す電圧波形データを監視する。周期検出部141は、監視した電圧波形W14において、負極性で最大となる時刻tc1を検出する。この検出により、周期検出部141は、時刻tc1が現れる間隔を測定する。周期検出部141は、この測定した間隔に基づいて、周期TM1を演算する。周期検出部141は、演算した周期TM1を投入位相演算部142に出力する。
ここで、図14に示す電圧波形W14における負極性で最大となる時刻tc1と図11に示す極間電圧の電圧波形W11の複周波の電圧が最小となる時刻tc1とは、一致する。よって、周期検出部141により演算された周期TM1は、極間電圧の電圧波形W11の複周波の電圧が最小となる周期TM1と同じである。
投入位相演算部142は、周期検出部141により演算された周期TM1に基づいて、遮断器3Uを投入するのに最適な投入位相(投入時刻)を演算する。この投入位相は、今後において、電圧波形W14が負極性で最大になると推定される位相の1つである。
投入指令出力部15は、投入位相演算部142により演算された投入位相で、遮断器3Uが投入されるように、遮断器3Uに投入指令を出力する。
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
遮断器3U,3V,3Wの極間電圧の絶対値を求めることで、電源母線2の周波数よりも低く直流成分の周波数よりも高い周波数帯の低周波成分FL1Aが顕著に現された電圧波形データを抽出することができる。低周波成分FL1Aは、遮断器3U,3V,3Wの極間電圧波形W11の複周波の周波数成分である。ローパスフィルタ13A3及びハイパスフィルタ13A4により、低周波成分FL1Aを抽出する。低周波成分FL1Aが抽出された電圧波形W14において、負極性で最大となる周期TM1を求めることで、遮断器3U,3V,3Wの極間電圧が小さくなる時点を推定することができる。
これらの処理により、過電圧抑制装置10Aは、遮断器3U,3V,3Wの極間電圧が小さくなる最適な投入時点で遮断器3U,3V,3Wを投入することで、極間電圧が複周波となっている場合でも、遮断器3U,3V,3Wを投入する際に発生する過電圧を抑制することができる。
また、遮断器3U,3V,3Wの極間電圧は、遮断器3U,3V,3Wの電源側電圧と遮断器3U,3V,3Wの線路側電圧の引き算で求められる。即ち、遮断器3U,3V,3Wが電流を遮断した後の過渡回復電圧(回復電圧)を算出する構成及び演算方法と同一である。このため、過電圧抑制装置10Aには、特に複雑な演算処理は必要ない。
(第3の実施形態)
図15は、本発明の第3の実施形態に係る過電圧抑制装置10Bの適用された電力系統システム1Bの構成を示す構成図である。
電力系統システム1Bは、図1に示す第1の実施形態に係る電力系統システム1において、過電圧抑制装置10の代わりに過電圧抑制装置10Bを設けた構成である。その他の点については、電力系統システム1Bは、第1の実施形態に係る電力系統システム1と同様である。
図16は、本実施形態に係る過電圧抑制装置10Bの構成を示す構成図である。
過電圧抑制装置10Bは、図2に示す第1の実施形態に係る過電圧抑制装置10において、波形演算部13の代わりに波形演算部13Bを設け、投入指令出力部15の代わりに投入指令出力部15Bを設けた構成である。その他の点については、過電圧抑制装置10Bは、第1の実施形態に係る過電圧抑制装置10と同様である。
波形演算部13Bは、第1の実施形態に係る波形演算部13に、減算器13B1及び波形監視部13B2を追加した構成である。
減算器13B1には、電源側電圧計測部11により計測された遮断器3Uの電源側の電圧波形データ及び線路側電圧計測部12により計測された遮断器3Uの線路側の電圧波形データが入力される。減算器13B1は、遮断器3Uの電源側の電圧波形データから遮断器3Uの線路側の電圧波形データを減算する。この演算により、遮断器3Uの極間電圧の電圧波形データが算出される。減算器13B1は、算出した極間電圧の電圧波形データを、波形監視部13B2に出力する。
波形監視部13B2には、減算器13B1により演算された極間電圧の電圧波形データが入力される。波形監視部13B2は、遮断器3Uによる送電線4の遮断後、極間電圧の電圧波形データに基づいて、遮断器3Uの線路側(送電線4)に流れる2次アーク電流が予め設定された設定時間(例えば、100ミリ秒)以内に消弧したか否かを監視する。
波形監視部13B2による2次アーク電流の消弧の判断方法は、極間電圧の波形が変化したことを検出することにより行う。例えば、極間電圧の波形の変化を検出する方法としては、極間電圧の周波数により判断する方法がある。2次アーク電流が消弧していない間は、遮断器3Uの線路側の電圧は零である。このため、極間電圧は、遮断器3Uの電源側の電圧(例えば商用周波数)と同じになる。また、送電線側にリアクトルが設置されている場合、2次アーク電流が消弧すると、極間電圧は、遮断器3Uの電源側の周波数よりも低い低周波となる。よって、波形監視部13B2は、極間電圧の周波数が低くなったことを検出して、2次アーク電流が消弧したことを判断することができる。
波形監視部13B2は、設定時間内に2次アーク電流が消弧した場合、演算処理を終了する。波形監視部13B2は、設定時間内に2次アーク電流が消弧しなかった場合、極間電圧の電圧波形データに基づいて、加算器131などの演算による波形処理を行わずに、投入サージ(過電圧)を抑制させて、遮断器3Uを投入するための演算処理を行う。波形監視部13B2は、演算結果に基づいて、投入指令出力部15Bに出力する。
ここで、2次アーク電流について説明する。
一般に、送電線に故障が発生し、遮断器が送電線を遮断した後、健全相若しくは健全回線からの誘導によって故障点に小さな電流が流れることが知られている。この電流は、2次アーク電流と呼ばれる。2次アーク電流は、遮断器が送電線を遮断した後、数十ミリ秒から数百ミリ秒程度で、自然消弧するといわれている。この2次アーク電流が流れている間は、故障が継続している。その間、2次アークによるアーク電圧が存在するが、その大きさは電源電圧に比べて小さいため、遮断器が送電線を遮断しても、送電線の電圧は、ほぼ零である。2次アーク電流が消弧すると、送電線の電圧振動が始まる。そこで、波形監視部13B2では、遮断器3Uの線路側の電圧が零でなくなったことを検知して、2次アーク電流が消弧したと判断する。
次に、波形監視部13B2に設定される設定時間について説明する。
財団法人電気学会(IEEJ: The Institute of Electrical Engineers of Japan)における電気規格調査会(JEC: Japanese Electrotechnical Committee)標準規格JEC−2300−1998「交流遮断器」では、遮断器の動作責務が決められている。この規格では、遮断器は、高速度再閉路の場合、遮断−θ−投入・遮断−(1分)−投入・遮断という責務が決められている。ここで、θは、0.35秒が標準とされている。
一方、遮断器3Uが開放されてから2次アーク電流が消弧するまでの時間は、気象条件によっても左右されるため、一定ではない。よって、2次アーク電流の消弧時点が遅れると、上述の高速度再閉路のθの時間内に、極間電圧が小さくなる時点を波形処理によって推定することが困難となる場合がある。
そこで、波形監視部13B2には、極間電圧が小さくなる時点を波形処理により推定をしても、θの時間内に遮断器3Uを投入することができる時間内で、遮断器3Uが開放されてから2次アーク電流が消弧するまでに費やすことのできる最大時間が、設定時間として設定されている。即ち、この設定時間よりも長く2次アーク電流が消弧するまでに時間が掛かった場合には、過電圧抑制装置10Bは、波形処理をして、極間電圧が小さくなる時点を推定すると、遮断器3Uの再投入を上述の動作責務に必要なθの時間内に出来なくなるということである。
設定時間内に2次アーク電流が消弧すれば、過電圧抑制装置10Bは、波形処理をして、極間電圧が小さくなる時点を推定する。設定時間内に2次アーク電流が消弧しない場合、過電圧抑制装置10Bは、波形監視部13B2により演算された投入時点で、遮断器3Uの投入を行う。
図17〜図19は、本実施形態に係る過電圧抑制装置10Bにおける演算処理を説明するための電圧波形を示す波形図である。図17〜図19は、遮断器3Uが送電線4を遮断した時刻t2付近からのそれぞれの電圧波形W19〜W21の状態を示している。図17〜図19に示す座標は、縦軸を電圧(p.u.)、横軸を時間(秒)としている。
図17は、電源側電圧計測部11により計測された遮断器3Uの電源側電圧(電源母線2の電圧)の電圧波形W19を示す波形図である。図18は、線路側電圧計測部12により計測された遮断器3Uの線路側電圧(送電線4の電圧)の電圧波形W20を示す波形図である。図19は、減算器13B1により演算処理された遮断器3Uの極間電圧の電圧波形W21を示す波形図である。
遮断器3Uの電源側には、図17に示された電圧波形W19で表される電圧が印加されている。遮断器3Uの線路側には、図18に示された電圧波形W20で表される電圧が印加されている。
図17及び図18では、送電線U相が1線地絡故障状態としている。このため、図17及び図18の時刻t2以前において、電圧側電圧W19及び線路側電圧W20が零となっている。時刻t2で遮断器3Uが遮断するため、その後、電源側電圧W19は電源電圧が現れている。一方、送電線4の故障は時刻t21まで継続している。即ち、時刻t21まで2次アーク電圧が継続している。時刻t21は、2次アーク電流が消弧した時点を示している。従って、送電線4の電圧を表している電圧波形W20は、時刻t21までは、零である。
減算器13B1には、電圧波形W19を示す遮断器3Uの電源側の電圧波形データ及び電圧波形W20を示す遮断器3Uの線路側の電圧波形データが入力される。減算器13B1は、遮断器3Uの電源側の電圧波形データから遮断器3Uの線路側の電圧波形データを減算する。これにより、減算器13B1は、図19に示された電圧波形W21を示す遮断器3Uの極間電圧の電圧波形データを算出する。電圧波形W21は、時刻t2よりも前では、遮断器3Uの電源側の電圧と遮断器3Uの線路側の電圧とは同一であるため、零である。
波形監視部13B2には、減算器13B1により算出された電圧波形W21を示す遮断器3Uの極間電圧の電圧波形データ及び電圧波形W20を示す遮断器3Uの線路側の電圧波形データが入力される。波形監視部13B2は、遮断器3Uが開放された時刻t2から2次アーク電流が消弧した時刻t21までの時間を計測する。
波形監視部13B2は、遮断器3Uが開放された時刻t2から2次アーク電流が消弧した時刻t21までの時間が設定時間よりも短い場合、演算処理を終了する。
波形監視部13B2は、遮断器3Uが開放された時刻t2から2次アーク電流が消弧した時刻t21までの時間が設定時間よりも長い場合、電圧波形W21を示す遮断器3Uの極間電圧の電圧波形データが予め設定された瞬時値の電圧閾値THP,THN(ここでは、±1.5p.u.とする。)よりも低い電圧値の時点を検出する。この検出結果に基づいて、波形監視部13B2は、遮断器3Uの極間電圧が定常時の電源電圧の波高値の1.5p.u.以下で、遮断器3Uが投入されるように、投入指令出力部15Bに投入指令を出力する。
ここで、投入サージVSについて説明する。
図20は、遮断器が無負荷送電線を投入する際に発生する投入サージVSを模式的に描いた波形図である。図20は、時刻t3で遮断器を投入し、対地で3p.u.の投入サージ(過電圧)VSが発生した状態を示している。
電源電圧VPは、波高値が1p.u.の正弦波である。遮断器が再投入される前に送電線に残留していた直流電圧VLは、1p.u.である。対地で3p.u.の投入サージVSが発生した時刻t3での極間電圧(電源電圧VPの瞬時値と直流電圧VLと差)は、2p.u.である。即ち、投入サージVSは、極間電圧の約1.5倍の電圧となる。
そこで、波形監視部13B2は、極間電圧が2p.u.よりも低い電圧の時点で、遮断器3uを投入することで、投入サージによる過電圧を3p.u.よりも低く抑制する。
次に、波形監視部13B2による遮断器3Uを投入するタイミングについて説明する。
図21は、本実施形態に係る遮断器3Uの投入時におけるプレアーク発生電圧特性VT0,VT1,VT2を示す特性図である。図21において、極間電圧VDは、絶対値で示している。極間電圧VDの波高値は、1.5p.u.としている。
プレアーク発生電圧特性VT0は、遮断器3Uの標準となるプレアーク発生電圧特性を示している。また、遮断器には、一般的に、動作ばらつき及び放電ばらつきがある。プレアーク発生電圧特性VT1,VT2は、プレアーク発生電圧特性VT0を基準として、遮断器3Uの動作ばらつき及び放電ばらつきを考慮したプレアーク発生電圧特性を示している。
ばらつきを考慮したプレアーク発生電圧特性VT2が極間電圧VDと接触しないように遮断器3Uを投入させようとすると、もう一方のばらつきを考慮したプレアーク発生電圧特性VT1と極間電圧VDとの交点が約1p.u.である。よって、遮断器3Uのばらつきを考慮しても、図21においては、極間電圧VDを1p.u.以内で遮断器3Uを投入できる。
プレアーク発生電圧特性、動作ばらつき、及び放電ばらつきは、遮断器によって異なる。即ち、図21に示すようなプレアーク発生電圧特性VT0,VT1,VT2の傾きは、遮断器によって異なる。
但し、プレアーク発生電圧特性は、遮断器の個体差に関係なく、時間に対して右下がりの直線になる。即ち、どの遮断器であっても、遮断器の極間の絶縁が破壊する電圧は、時間の経過に伴い、即ち、接点間距離の低下に伴い、比例して低下する。よって、遮断器の極間電圧が波高値で1.5p.u.であれば、遮断器3Uは必ず1.5p.u.以下の極間電圧のときに遮断器3Uを投入できる。
また、波形監視部13B2は、波形処理をしなくとも、極間電圧が瞬時値で1.5p.u.以下となるような遮断器3Uを投入する位相を、演算処理により推定することができる。従って、波形監視部13B2は、設定時間よりも長く2次アーク電流が消弧するまでに時間が掛かった場合、遮断器3Uのプレアーク発生電圧特性VT0,VT1,VT2を考慮して、極間電圧が1.5p.u.以下のタイミングで遮断器3Uを投入する。これにより、遮断器3Uは、投入される際の投入サージによる過電圧が最大の3p.u.よりも小さく抑制される。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
過電圧抑制装置10Bは、波形監視部13B2を設け、各遮断器3U,3V,3Wのそれぞれに対して、遮断されてから2次アーク電流が消弧するまで時間を監視する。過電圧抑制装置10Bは、設定時間以内に2次アーク電流が消弧しない場合、加算器131などによる波形処理を行わずに、過電圧をある程度抑制する時点で、遮断器3U,3V,3Wを投入する。このとき、過電圧抑制装置10Bは、波形処理を行わずに、遮断器3U,3V,3Wを投入する位相を演算するため、波形処理を行う場合よりも短時間で遮断器3U,3V,3Wを投入できる。
これにより、過電圧抑制装置10Bは、2次アーク電流が消弧する時間が遅くなり、加算器131などによる波形処理をして投入位相を演算すると、動作責務を果せない場合であっても、波形監視部13B2により、動作責務を果せる時間内に、投入サージによる過電圧を抑制させて、各遮断器3U,3V,3Wを投入することができる。
(第4の実施形態)
図22は、本発明の第4の実施形態に係る過電圧抑制装置10Cの適用された電力系統システム1Cの構成を示す構成図である。
電力系統システム1Cは、図1に示す第1の実施形態に係る電力系統システム1において、過電圧抑制装置10の代わりに過電圧抑制装置10Cを設けた構成である。その他の点については、電力系統システム1Cは、第1の実施形態に係る電力系統システム1と同様である。
図23は、本実施形態に係る過電圧抑制装置10Cの構成を示す構成図である。
過電圧抑制装置10Cは、図10に示す第2の実施形態に係る過電圧抑制装置10Aにおいて、波形演算部13Aの代わりに波形演算部13Cを設け、投入指令出力部15の代わりに投入指令出力部15Bを設けた構成である。その他の点については、過電圧抑制装置10Cは、第2の実施形態に係る過電圧抑制装置10Aと同様である。
波形演算部13Cは、図10に示す第2の実施形態に係る波形演算部13Aに、図16に示す第3の実施形態に係る波形監視部13B2を追加した構成である。波形監視部13B2には、減算器13A1により演算された極間電圧の電圧波形データが入力される。その他の点については、波形演算部13Cは、第2の実施形態に係る波形演算部13Aと同様である。
本実施形態によれば、第2の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
過電圧抑制装置10Cは、波形監視部13B2を設け、各遮断器3U,3V,3Wのそれぞれに対して、遮断されてから2次アーク電流が消弧するまで時間を監視する。過電圧抑制装置10Cは、設定時間以内に2次アーク電流が消弧しない場合、絶対値演算器13A2などによる波形処理を行わずに、過電圧をある程度抑制する時点で、遮断器3U,3V,3Wを投入する。このとき、過電圧抑制装置10Cは、波形処理を行わずに、遮断器3U,3V,3Wを投入する位相を演算するため、波形処理を行う場合よりも短時間で遮断器3U,3V,3Wを投入できる。
これにより、過電圧抑制装置10Cは、2次アーク電流が消弧する時間が遅くなり、絶対値演算器13A2などによる波形処理をして投入位相を演算すると、動作責務を果せない場合であっても、波形監視部13B2により、動作責務を果せる時間内に、投入サージによる過電圧を抑制させて、各遮断器3U,3V,3Wを投入することができる。
なお、各実施形態において、ローパスフィルタとハイパスフィルタとを用いる構成としたが、これらのフィルタの代わりに、バンドパスフィルタを用いる構成としてもよい。バンドパスフィルタは、特定の周波数帯のみを透過させることができる。このため、バンドパスフィルタには、ローパスフィルタ及びハイパスフィルタのそれぞれのカットオフ周波数によりカットされない周波数帯を透過させる設定することができる。即ち、バンドパスフィルタを、商用周波数(電源周波数)よりも低く直流成分相当の低周波数よりも高い所定の周波数帯のみを透過させる設定をすることができる。このようにすることにより、バンドパスフィルタを用いて構成することにより、各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、各実施形態で用いる構成要素は、ソフトウェアでもよいし、ハードウェアでもよいし、これらを組み合わせたものでもよい。例えば、各種フィルタは、アナログフィルタでもよいし、ディジタルフィルタでもよい。また、減算器などの各種演算器は、ハードウェアの構成(電圧を取り込む配線の結線による演算なども含む。)でもよいし、ディジタルデータをコンピュータで計算させる構成でもよい。
さらに、各実施形態において、ハイパスフィルタを設けずに、波形の最大値や最小値を算出するアルゴリズムで対処してもよい。例えば、電源母線2の周波数よりも低く直流成分の周波数よりも高い周波数帯の低周波成分FL1,FL1Aがある程度明確に現れていれば、直流成分を取り除かずに、アルゴリズムにより、低周波成分FL1,FL1Aの最大値や最小値を求めてもよい。即ち、実質的に低周波成分FL1,FL1Aの最大値や最小値を求められるのであれば、低周波成分FL1,FL1Aを抽出したことと同じであるため、どのような構成としてもよい。過電圧抑制装置に用いるコンピュータの計算速度の性能や、遮断器の動作責務との兼ね合いなどにより、適宜構成を変更することができる。
また、フィルタのカットオフ周波数の設定によって、フィルタリング後の波形の位相が前の波形からずれることが一般に知られている。第1の実施形態では、図8に示すフィルタリング後の電圧波形W8の正極性の最大の時点が、図5に示す極間電圧の電圧波形W5小さくなる時点と一致していた。しかし、各種フィルタ133,134の定数によってその時点が負極性の最大となることもあり得る。その場合は、フィルタリング後の電圧波形W8の負極性の最大の時点の周期を検出することで、将来の適切な投入時点を予測することができる。同様に、第2の実施形態においても、各種フィルタ13A3,13A4の定数によって位相がずれても、この位相のずれに合わせて図14に示すフィルタリング後の電圧波形W14の検出する周期をずらすことで、将来の適切な投入時点を予測することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…電力系統システム、2…電源母線、3U,3V,3W…三相分の遮断器、4…送電線、5U,5V,5W…三相分の電源側電圧検出器、6U,6V,6W…三相分の線路側電圧検出器、10…過電圧抑制装置、11…電源側電圧計測部、12…線路側電圧計測部、13…波形演算部、14…位相検出部、15…投入指令出力部。

Claims (12)

  1. 電源を備えた電力系統と送電線との接続を開閉する遮断器を開放後、前記遮断器を投入する際に発生する過電圧を抑制する過電圧抑制装置であって、
    前記遮断器の前記電力系統側の対地電圧である電源側電圧の波形を計測する電源側電圧計測手段と、
    前記遮断器の前記送電線側の対地電圧である送電線側電圧の波形を計測する送電線側電圧計測手段と、
    前記電源側電圧計測手段により計測された前記電源側電圧の波形と前記送電線側電圧計測手段により計測された前記送電線側電圧の波形とを加算した波形を演算する加算手段と、
    前記加算手段により演算された前記加算した波形の絶対値の波形を演算する絶対値演算手段と、
    前記絶対値演算手段により演算された前記絶対値の波形から前記電源の周波数よりも低く直流成分の周波数よりも高い周波数帯の成分の波形を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された前記波形の周期を検出する周期検出手段と、
    前記周期検出手段により検出された前記周期に基づいて、前記遮断器を投入する投入手段と
    を備えたことを特徴とする過電圧抑制装置。
  2. 前記送電線に流れる2次アーク電流が所定時間内に消弧したか否かを判断する消弧判断手段と、
    前記電源側電圧計測手段により計測された前記電源側電圧の波形と前記送電線側電圧計測手段により計測された前記送電線側電圧の波形との差分である前記遮断器の極間電圧の波形を演算する極間電圧演算手段と、
    前記消弧判断手段により前記所定時間内に前記2次アーク電流が消弧しなかったと判断された場合、前記極間電圧演算手段により演算された前記極間電圧の波形に基づいて、前記極間電圧の瞬時値の絶対値が閾値より低い電圧値となる前記遮断器を投入するための時点を推定する遮断器投入時点推定手段と、
    前記遮断器投入時点推定手段により推定された前記時点で、前記遮断器を投入する短時間投入手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の過電圧抑制装置。
  3. 電源を備えた電力系統と送電線との接続を開閉する遮断器を開放後、前記遮断器を投入する際に発生する過電圧を抑制する過電圧抑制装置であって、
    前記遮断器の前記電力系統側の対地電圧である電源側電圧の波形を計測する電源側電圧計測手段と、
    前記遮断器の前記送電線側の対地電圧である送電線側電圧の波形を計測する送電線側電圧計測手段と、
    前記電源側電圧計測手段により計測された前記電源側電圧の波形と前記送電線側電圧計測手段により計測された前記送電線側電圧の波形との差分である前記遮断器の極間電圧の波形を演算する極間電圧演算手段と、
    前記極間電圧演算手段により演算された前記極間電圧の波形の絶対値の波形を演算する絶対値演算手段と、
    前記絶対値演算手段により演算された前記絶対値の波形から前記電源の周波数よりも低く直流成分の周波数よりも高い周波数帯の成分の波形を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された前記波形の周期を検出する周期検出手段と、
    前記周期検出手段により検出された前記周期に基づいて、前記遮断器を投入する投入手段と
    を備えたことを特徴とする過電圧抑制装置。
  4. 前記送電線に流れる2次アーク電流が所定時間内に消弧したか否かを判断する消弧判断手段と、
    前記消弧判断手段により前記所定時間内に前記2次アーク電流が消弧しなかったと判断された場合、前記極間電圧演算手段により演算された前記極間電圧の波形に基づいて、前記極間電圧の瞬時値の絶対値が閾値値より低い電圧値となる前記遮断器を投入するための時点を推定する遮断器投入時点推定手段と、
    前記遮断器投入時点推定手段により推定された前記時点で、前記遮断器を投入する短時間投入手段と
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載の過電圧抑制装置。
  5. 前記抽出手段は、
    低周波成分を抽出するローパスフィルタと、
    高周波成分を抽出するハイパスフィルタとを備えたこと
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の過電圧抑制装置。
  6. 前記抽出手段は、所定の周波数帯を抽出するバンドパスフィルタであること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の過電圧抑制装置。
  7. 電源を備えた電力系統と送電線との接続を開閉する遮断器を開放後、前記遮断器を投入する際に発生する過電圧を抑制する過電圧抑制方法であって、
    前記遮断器の前記電力系統側の対地電圧である電源側電圧の波形を計測するステップと、
    前記遮断器の前記送電線側の対地電圧である送電線側電圧の波形を計測するステップと、
    前記電源側電圧の波形と前記送電線側電圧の波形とを加算した波形を演算するステップと、
    前記加算した波形から前記電源の周波数よりも低く直流成分の周波数よりも高い周波数帯の成分の波形を抽出するステップと、
    抽出された前記波形の周期を検出するステップと、
    前記周期に基づいて、前記遮断器を投入するステップと
    を含むことを特徴とする過電圧抑制方法。
  8. 前記送電線に流れる2次アーク電流が所定時間内に消弧したか否かを判断するステップと、
    前記電源側電圧の波形と前記送電線側電圧の波形との差分である前記遮断器の極間電圧の波形を演算するステップと、
    前記所定時間内に前記2次アーク電流が消弧しなかったと判断された場合、前記極間電圧の波形に基づいて、前記極間電圧の瞬時値の絶対値が閾値より低い電圧値となる前記遮断器を投入するための時点を推定するステップと、
    前記時点で、前記遮断器を投入するステップと
    を含むことを特徴とする請求項7に記載の過電圧抑制方法。
  9. 電源を備えた電力系統と送電線との接続を開閉する遮断器を開放後、前記遮断器を投入する際に発生する過電圧を抑制する過電圧抑制方法であって、
    前記遮断器の前記電力系統側の対地電圧である電源側電圧の波形を計測するステップと、
    前記遮断器の前記送電線側の対地電圧である送電線側電圧の波形を計測するステップと、
    前記電源側電圧の波形と前記送電線側電圧の波形との差分である前記遮断器の極間電圧の波形を演算するステップと、
    前記極間電圧の波形の絶対値の波形を演算するステップと、
    前記絶対値の波形から前記電源の周波数よりも低く直流成分の周波数よりも高い周波数帯の成分の波形を抽出するステップと、
    抽出された前記波形の周期を検出するステップと、
    前記周期に基づいて、前記遮断器を投入するステップと
    を含むことを特徴とする過電圧抑制方法。
  10. 前記送電線に流れる2次アーク電流が所定時間内に消弧したか否かを判断するステップと、
    前記所定時間内に前記2次アーク電流が消弧しなかったと判断された場合、前記極間電圧の波形に基づいて、前記極間電圧の瞬時値の絶対値が閾値より低い電圧値となる前記遮断器を投入するための時点を推定するステップと、
    前記時点で、前記遮断器を投入するステップと
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の過電圧抑制方法。
  11. 前記抽出するステップは、低周波成分を抽出するローパスフィルタ及び高周波成分を抽出するハイパスフィルタを用いて抽出すること
    を特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の過電圧抑制方法。
  12. 前記抽出するステップは、所定の周波数帯を抽出するバンドパスフィルタを用いて抽出すること
    を特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の過電圧抑制方法。
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