JP4896439B2 - 最小限に侵襲的な縫合用器具 - Google Patents
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Description
軟骨(とりわけ、膝の軟骨)に損傷を与える傷害は、非常によく起こる。軟骨に損傷を与える傷害は、スポーツをしている間;仕事中;又は、落下若しくは自動車事故のような事故の結果として;生じることがある。膝関節の軟骨(例えば、半月)は、該関節を支える目的と、膝における諸骨の端部によって噛み合わされている滑り面を与える目的の両方の目的を果たす。膝の軟骨に対する損傷は、長期間に渡って、膝の不安定性と痛みとが生じることがあり、それら骨の関節連結性表面(articulating surfaces)が劣化することもあり、それによって、関節炎が生じることがある。医学は、半月状の軟骨組織を包含する、損傷した軟骨組織の治療に関し進歩してきた。典型的には軟骨に関連する輸血量が最小限に制限されるため、従来、軟骨組織を治癒することはできないと信じられていた。典型的な外科的処置には、ある制限された関節機能を回復させるために、損傷した軟骨の全て又は大部分を切除することが包含されていた。現在、体は、損傷した軟骨組織を治癒することができることが、知られている。損傷している又は裂傷している軟骨組織は典型的には、その損傷した組織を治癒することができるように近づいているのかも知れない。損傷した軟骨組織を修復するための様々な器具及び方法は、利用することが可能である。最も基本的な器具は、従来の外科的縫合糸である。軟骨組織に対する損傷(典型的には、裂傷)は、修復を行うために、外科的な針と縫合糸とを用いて、固定された位置で縫合糸によって近づけられて保持される。縫合は典型的には、切開による外科的処置において用いられる処置である。
本発明の、最小限に侵襲的な縫合用器具は、多くの利点を有している。これら器具を用いながら、最小限に侵襲的な方法で組織部位にアクセスして、組織に近づくように縫合糸を移植することは可能である。最小限に侵襲的な縫合用器具は更なる利点を有している。それら利点には、関節内の神経血管構造に衝突する可能性を減少させながら針が関節嚢の外に伸びない「オール・インサイド(all inside)」修復が包含される。更に、「インサイド・アウト(Inside-Out)」縫合技術、又は「アウトサイド・イン(Outside-In)」縫合技術のような第2の切開(incision)を行う必要がない。加えて、伝統的技術を用いた場合と比べて、縫合糸がいっそうむらなく配置される。なぜなら、針の間に一定の距離が存在しており、縫合糸ホール(suture holes)の間にむらのない隔離距離(separation)を与え、且つ、組織のむらのない「咬み合わせ(bite)」を与えるからである。
図1〜図3に、本発明の半月修復器具5を例示する。半月修復器具5は、中空フレーム10を有するように配慮されている。フレーム10はまた、頂部セクション20及び底部セクション30を有するように配慮されている。頂部セクション20は、つまみ(tabs)32及び溝(grooves)22を媒介して底部セクション30に取り付けることができる。底部セクション30から下の方へ、握り(handle grip)40が伸びている。握り40は、中空であるのが好ましく、内部空洞42、頂部44、及び底部46を有するように配慮されている。頂部44から遠位方向に、向き合っているトリガー取り付け用つまみ50であって軸ピン開口55を有する該つまみ50が伸びている。フレーム10の遠位端14には、開口部18が含まれている。開口部18は、溝付き構造(slotted configuration;スロット構造)を有しているのが好ましいが、他の幾何学的構造を有することもあり、通常、空洞15から出ている諸構成要素に対応することのできる構造を有する。管状部材60は、近位端62、遠位端64、及び通路66を有するように配慮されている。管状部材60はまた、近位開口61及び遠位開口を有するように配慮されている。管状部材60の近位端62の近位セクションは、図示されていないが、任意的に、開口部18を通ってフレーム10の空洞15の中に伸びている場合がある。開口部18に隣接する空洞14の中に、円板部材70が取り付けられている。円板部材70は、近位面72、遠位面73、及び側面74及び軸開口79を有するように配慮されている。スプリング支持部材80は、近位端81、遠位端82、内側通路83及び外側表面84を有する円筒状部材であるように配慮されている。一対の向かい合う溝(slots)88が、外側表面84から内側通路83まで通り抜けて伸びている。遠位端82は、円板部材70の近位面72に取り付けられている。プランジャー棒(plunger rod)90は、外側表面96、遠位端94、近位端92及び通路98を有する管状部材であるように配慮されている。また、プランジャー棒90は、支持部材80の通路83の中に摺動可能な状態で取り付けられている。溝88の中に噛み合わされている向き合ったガイド部材95が、外側表面96から伸びている。プランジャー部材100はまた、空洞15内に摺動可能な状態で取り付けられるように配慮されている。部材100は、遠位端102、近位端104、外側表面106及び通路108を有する円筒形部材であるように配慮されている。近位端104の外側表面106から、係止輪(engagement collar)110が伸びている。係止輪110は、近位面112及び遠位面114を有する環状部材である。近位端132及び遠位端134を有している押し棒係止部材(push rod engagement member)130が、通路108の中に取り付けられており、且つ、フレーム10の近位端12を通って後方に伸びており、また、遠位端134には円板部材138が取り付けられている。縫合用押し棒140は、近位端142及び遠位端144を有するように配慮されている。押し棒140の近位端142は、円板部材138に取り付けられている。縫合用押し棒140は、プランジャー棒90の通路98、及び套管針150の通路158の中に摺動可能な状態で取り付けられるように配慮されている。スプリング支持部材80及びプランジャー棒90の上にスプリング部材120が取り付けられている。スプリング部材120は、つる巻ばねであるのが好ましい。スプリング部材120は、近位端122、遠位端124及び内部通路126を有するように配慮されている。スプリング部材120の近位端122は、係止輪110に固定されており、一方、遠位端124は円板部材70に固定されている。套管針150は、管状部材60の通路66の中に摺動可能な状態で取り付けられるように配慮されている。套管針150は、内側通路又は内側管腔158、近位端152、近位開口153、遠位端154及び開口部155を有する管状部材であるように配慮されている。遠位端154は、遠位方向に伸びる鋭利な突き刺し点(sharpened piercing point)156であるように配慮されている。近位端152は、開口部18を通って空洞14の中に伸び、円板部材70中の開口79を通ってプランジャー棒90の通路98の中に伸びるように配慮されており、しかも、プランジャー部材100の近位端102に取り付けられている。管状部材60の管腔66の中に、捕獲針(capture needle)180が固定して取り付けられている。捕獲針180は、円板部材70に取り付けられている近位端184と、遠位端186とを有する細長い管状部材であるように配慮されている。図4及び図5に見られるように、遠位端186から外に向かって突き刺し捕獲部材(piercing capture member)190が伸びている。捕獲部材190は、弓形構造を有するのが好ましい。部材190は、頂部191;底部192;近位端193;遠位端194;並びに、先端196及び任意的な切削端(cutting edges)198を有する突き刺し先端(piercing tip)195;を有するように配慮されている。捕獲部材190の中に、縫合糸捕獲開口(suture capture opening)200が含まれている。捕獲開口200は、鍵穴形状構造を有するのが好ましいが、他の幾何学的構造を有してもよい。開口200は、中央セクション202を有するように配慮されている。中央セクション202は、実質的に楕円形であるが、円形等を包含する他の構造を有することもある。テーパード係止開口(tapered engagement opening)205は、中央セクション202と連通しているように配慮されている。任意的支持棒230は、捕獲針180と套管針150の間の管状部材60の通路66の中に固定して取り付けられるように配慮されている。支持棒230は、近位端232及び遠位端234を有するように配慮されている。近位端232は、円板部材70の遠位面73に取り付けられている。握り40のハンドル取り付け用つまみ50に、旋回心軸として回転するようにトリガー部材240が取り付けられている。トリガー部材240は、上端244及び下端242を有するように配慮されている。旋回軸ピン246は、上端244から外側に向かって伸びるように配慮されている。旋回軸ピン244は、トリガー部材240がピン244の周りに回転することができるような具合に、つまみ部材50の開口55の中に取り付けられている。トリガー部材240の頂部から空洞15の中に、係止ヨーク(engagement yoke)247の向かい合う係止部材248が伸びている。
本発明の、最小限に侵襲的な縫合用器具は、従来の生体適合材料から造ることができる。それら材料には、300シリーズのステンレス鋼、アルミニウム、及び生体適合プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ABS、デルリン(Delrin)、等)が包含される。本発明の縫合用器具及び方法と一緒に使用することのできる縫合糸には、従来の生体適合性の吸収性縫合糸及び非吸収性縫合糸が包含される。縫合糸のサイズは、半月上に加わるあらゆる負荷又は力に対して有効な抵抗を提供するのに十分なものである。例えば、縫合糸のサイズは、従来のサイズの約USP#2/0から約USP#2までの範囲に及ぶ場合がある。
(1)内部空洞を有する中空フレーム;
前記フレームに取り付けられている握り;
前記握りに、旋回心軸で回転するように取り付けられているトリガー部材;
前記フレームに取り付けられている細長い管であって、遠位端と近位端と内部通路とを有している該細長い管;
前記フレームの空洞と前記細長い管の通路との中に摺動可能な状態で取り付けられている套管針であって、近位端と遠位端と管腔と該遠位端における開口部と縦軸と該遠位端から伸びている突き刺し点とを有している該套管針;
遠位端を有する前記細長い管の通路の中に取り付けられている針部材;
遠位突き刺し点と縫合糸捕獲開口とを有している、前記針部材の遠位端から伸びている捕獲針であって、前記套管針の縦軸が該捕獲開口と交差するような具合に配置されている該捕獲針;
前記フレームの内部空洞の中に、摺動可能な状態で取り付けられている係止部材;及び
つる巻ばねの圧縮力によって前記係止部材の上に近位バイアス力が与えられるような具合に、前記空洞の中に取り付けられている該つる巻ばね;
を備えている組織縫合用器具であって、前記トリガー部材は前記係止部材を固定しており、該トリガー部材が回転すれば、前記套管針の遠位端が前記縫合糸捕獲開口を通って移動するような具合に、該係止部材と該套管針とが遠位方向に移動される、上記組織縫合用器具。
(2)捕獲針の中の縫合糸捕獲開口は、鍵穴形状を包含している、上記実施態様(1)記載の縫合用器具。
(3)捕獲開口は、縫合糸係止溝を包含している、上記実施態様(2)記載の縫合用器具。
(4)套管針の通路の中に取り付けられている縫合糸の端部を更に備えている、上記実施態様(1)記載の縫合用器具。
(5)捕獲針は曲がっている、上記実施態様(1)記載の縫合用器具。
(7)トリガー部材の頂部端は、ヨークを備えている、上記実施態様(1)記載の縫合用器具。
(8)管の通路の中に支持部材を更に備えている、上記実施態様(1)記載の縫合用器具。
(9)縫合糸を組織の中に配置する方法において、
I.内部空洞を有する中空フレーム;
前記フレームに取り付けられている握り;
前記握りに、旋回心軸で回転するように取り付けられているトリガー部材;
前記フレームに取り付けられている細長い管であって、遠位端と近位端と内部通路とを有する該細長い管と;
前記フレームの空洞と前記細長い管の通路との中に摺動可能な状態で取り付けられている套管針であって、近位端と遠位端と管腔と該遠位端における開口部と縦軸と該遠位端から伸びている突き刺し点とを有する該套管針;
遠位端を有する前記細長い管の通路の中に取り付けられる針部材;
遠位突き刺し点と縫合糸捕獲開口とを有する、前記針部材の遠位端から伸びている捕獲針であって、前記套管針の縦軸が該捕獲開口と交差するような具合に配置されている該捕獲針;
前記フレームの内部空洞の中に、摺動可能な状態で取り付けられる係止部材;及び
つる巻ばねの圧縮力によって前記係止部材の上に近位バイアス力が与えられるような具合に、前記空洞の中に取り付けられる該つる巻ばね;
を備えている組織縫合用器具を与える段階であって、前記トリガー部材は前記係止部材を固定しており、該トリガー部材を回転させることによって、前記套管針の遠位端が前記縫合糸捕獲開口を通って移動するような具合に、該係止部材と該套管針とを遠位方向に移動させる該段階;
II.前記套管針の管腔の中に縫合糸の端部を装填する段階;
III.組織を通して前記捕獲針を移動させる段階;
IV.前記縫合糸のセクションが部分的に前記縫合糸捕獲開口によって固定されるような具合に、組織を通して前記套管針の遠位端と該縫合糸のセクションとを移動させるために、前記トリガー部材を引く段階;及び
V.前記捕獲針と前記縫合糸のセクションとを前記組織から外向きに引くために、前記器具を近位方向に引き戻し、そうすることによって、該組織の中に該縫合糸の縫い目を据え付ける段階;
を包含する、上記配置方法。
(10)捕獲針中の縫合糸捕獲開口は、鍵穴形状を包含している、上記実施態様(9)記載の方法。
(12)捕獲針は曲がっている、上記実施態様(9)記載の方法。
(13)縫合用器具は、套管針の管腔の中に摺動可能な状態で取り付けられている縫合糸押し棒を更に備えている、上記実施態様(9)記載の方法。
(14)トリガー部材の頂部端は、ヨークを有している、上記実施態様(9)記載の方法。
(15)縫合用器具は、管の通路の中に支持部材を更に備えている、上記実施態様(9)記載の方法。
10 中空フレーム
12 フレーム10の近位端
14 フレーム10の遠位端;空洞
15 空洞
18 開口部
20 頂部セクション
22 溝
30 底部セクション
32 つまみ
40 握り
42 内部空洞
44 頂部
46 底部
50 つまみ
55 軸ピン開口
60 管状部材
61 近位開口
62 近位端
64 遠位端
66通路;管腔
68 遠位開口
70 円板部材
72 近位面
73 遠位面
74 側面
79 軸開口
80 圧縮ばね;スプリング支持部材
81 近位端
82 遠位端
83 内側通路
84 外側表面
88 溝
90 プランジャー棒
92 近位端
94 遠位端
95 ガイド部材
96 外側表面
98 通路
100 プランジャー部材
102 遠位端
104 近位端
106 外側表面
108 通路
110 係止輪
112 近位面
114 遠位面
120 スプリング部材
122 近位端
124 遠位端
126 内部通路
130 押し棒係止部材
132 近位端
134 遠位端
138 円板部材
140 縫合糸押し棒
142 近位端
144 遠位端
150 套管針;縫合糸
152 近位端
153 近位開口
154 遠位端
155 開口部
156 突き刺し点
158 内側通路
180 捕獲針
184 近位端
186 遠位端
190 突き刺し捕獲部材;突き刺し針部材
191 頂部
192 底部
193 近位端
194 遠位端
195 突き刺し先端
196 先端
198 切削端
200 縫合糸捕獲開口
202 中央セクション
205 テーパード係止開口;テーパード係止セクション
230 支持棒
232 近位端
234 遠位端
240 トリガー部材
242 下端
244 上端
246 旋回軸ピン
247 係止ヨーク
248 係止部材
248 ヨーク部材
300 縫合糸
305 第1の端部;縫合糸150のセクション
307 第2の端部
310 終端
315 縫合糸輪
400 半月
410 裂傷
412 側面
415 開口
Claims (8)
- 内部空洞を有する中空フレーム;
前記フレームに取り付けられている握り;
前記握りに、旋回心軸で回転するように取り付けられているトリガー部材;
前記フレームに取り付けられている細長い管であって、遠位端と近位端と内部通路とを有している該細長い管;
前記フレームの空洞と前記細長い管の通路との中に摺動可能な状態で取り付けられている套管針であって、近位端と遠位端と管腔と該遠位端における開口部と縦軸と該遠位端から伸びている突き刺し点とを有している該套管針;
遠位端を有する前記細長い管の通路の中に取り付けられている針部材;
遠位突き刺し点と縫合糸捕獲開口とを有している、前記針部材の遠位端から伸びている捕獲針であって、前記套管針の縦軸が該捕獲開口と交差するような具合に配置されており、前記フレームに対して固定されている該捕獲針;
前記フレームの内部空洞の中に、摺動可能な状態で取り付けられている係止部材;及び
つる巻ばねの圧縮力によって前記係止部材の上に近位バイアス力が与えられるような具合に、前記空洞の中に取り付けられている該つる巻ばね;
を備えている組織縫合用器具であって、
縫合糸の第1の端部は前記套管針の前記遠位端における前記開口部を通って、前記套管針の前記遠位端における前記套管針の前記管腔の中に装填されており、前記縫合糸の第2の端部は、外科医による手術部位へのアクセルがなされる前に、固定されておらず、前記套管針の外側に位置しており、
前記トリガー部材は前記係止部材を固定しており、該トリガー部材が回転すれば、前記套管針の遠位端が前記縫合糸捕獲開口を通って移動するような具合に、該係止部材と該套管針とが遠位方向に移動される、上記組織縫合用器具。 - 捕獲針の中の縫合糸捕獲開口は、鍵穴形状を包含している、請求項1記載の縫合用器具。
- 捕獲開口は、縫合糸係止溝を包含している、請求項2記載の縫合用器具。
- 套管針の通路の中に取り付けられている縫合糸の端部を更に備えている、請求項1記載の縫合用器具。
- 捕獲針は曲がっている、請求項1記載の縫合用器具。
- 套管針の管腔の中に、摺動可能な状態で取り付けられている縫合糸押し棒を更に備えている、請求項1記載の縫合用器具。
- トリガー部材の頂部端は、前記係止部材を前方に移動させるため、前記係止部材と係止する係止部を備えている、請求項1記載の縫合用器具。
- 前記細長い管の通路の中に支持部材を更に備えており、前記支持部材は、前記捕獲針と前記套管針の間の前記細長い管の通路の中に固定して取り付けられ、前記套管針を支持する、請求項1記載の縫合用器具。
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