JP4895931B2 - 交通事故防止システム、サーバ装置及び交通事故防止方法 - Google Patents

交通事故防止システム、サーバ装置及び交通事故防止方法 Download PDF

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本発明は、交通事故防止システム、サーバ装置及び交通事故防止方法に関し、特に、携帯端末とカーナビゲーションシステムに代表される車載装置とを用いて交通事故を未然に防止する交通事故防止システム、サーバ装置及び交通事故防止方法に関する。
近年、車載装置には、本来のナビゲーション機能を果たすカーナビゲーションシステムだけでなく、他の車両、歩行者などの移動体との通信や光ビーコンやETCに代表される路側装置との通信を備えてきている。一方、所定の地理的範囲において発生した交通事故の規模、発生場所及び発生日などの事故情報と、所定の気象要素の実績値とに基づいて地理的範囲内の所定の地点別の交通事故が数値化された危険度を求め、その危険度を外部システムに出力する交通事故発生予測システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この交通事故発生予測システムによれば、所定の地点における危険度を提供し、当該地点の交通事故の発生件数を低減することができる。
特開2006−277165号公報
しかしながら、上述したような従来の交通事故発生予測システムにおいては、交通事故の発生実績を示す事故情報や、気象要素の実績値から危険度が予測されることから、時々刻々と変化する歩行者や車両の位置情報や動作情報を特定することができないため、現在の歩行者及び車両の状態を考慮しながら交通事故の発生を防止することができないという問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、現在の歩行者及び車両の状態を考慮しながら交通事故の発生を防止することができる交通事故防止システム、サーバ装置及び交通事故防止方法を提供することを目的とする。
本発明の交通事故防止システムは、自装置の位置情報を検出する携帯端末装置と、車両に搭載され自装置の位置情報を検出する車載装置と、移動通信網を介する広域通信にて前記携帯端末装置及び車載装置から送信される位置情報に基づいて前記携帯端末装置を携帯する歩行者及び前記車両が事故に遭遇する可能性を示す危険度を判定するサーバ装置とを具備し、前記サーバ装置は、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報から互いに接近する前記歩行者及び車両の前記危険度を判定する危険度判定部と、当該危険度を前記携帯端末装置及び車載装置に通知する危険度通知部と、当該危険度に応じて前記携帯端末装置と前記車載装置に対して直接的な通信の開始を指示する直接通信指示部とを有し、前記携帯端末装置と前記車載装置は、前記直接通信指示部からの開始指示により、無線LAN、DSRC(専用狭域通信)、VLCC(可視光通信)及びUWB(超広域帯無線)のいずれかを利用して、互いに直接的に通信を行う通信制御部を有することを特徴とする。また、前記通信制御部は、前記直接通信指示部からの開始指示に含まれるパラメータを利用して通信相手を特定し、直接的な通信を開始することができる。
この構成によれば、携帯端末装置及び車載装置の位置情報から互いに接近する歩行者及び車両の危険度を判定し、当該危険度を携帯端末装置及び車載装置に通知することから、歩行者及び車両の位置情報に基づく接近状態に応じて危険度を通知することができるので、現在の歩行者及び車両の状態を考慮しながら交通事故の発生を防止することが可能となる。また、判定した危険度に応じて携帯端末装置と車載装置との間で直接通信により通信を行わせることから、例えば、直接通信を用いて歩行者及び車両の現在の状態を反映した通信を行うことができるので、広域通信を用いて事故を回避するための処理を行う場合と比べて迅速に当該処理を行うことが可能となる。
本発明の交通事故防止システムにおいて、前記携帯端末装置で前記歩行者の動作情報を検出する一方、前記車載装置で前記車両の動作情報を検出し、前記サーバ装置は、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報、並びに、前記歩行者及び車両の動作情報に応じて前記危険度を判定する範囲を特定することが好ましい。この場合には、携帯端末装置及び車載装置の位置情報、並びに、歩行者及び車両の動作情報に応じて危険度を判定する範囲を拡大又は縮小することができるので、現在の歩行者及び車両の状態(接近状態や動作状態)に応じて適切に危険度を判定することが可能となる。この結果、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。
また、本発明の交通事故防止システムにおいて、前記サーバ装置は、予め指定されたエリアにおける各種情報を類型化した類型化情報を管理し、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報に対応するエリアの前記類型化情報に応じて前記危険度を判定する範囲を特定することが好ましい。この場合には、各エリアに対応付けられた類型化情報に応じて危険度を判定する範囲を拡大又は縮小することができるので、現在の歩行者及び車両の周囲の状態(天候、時間帯や周辺施設等)に応じて適切に危険度を判定することが可能となる。この結果、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。
例えば、本発明の交通事故防止システムにおいて、前記サーバ装置は、予め指定されたエリアにおける天候情報、時間帯情報及び施設情報の少なくとも1つの情報を前記類型化情報として管理し、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報に対応するエリアの前記天候情報、時間帯情報及び施設情報の内容に応じて前記危険度を判定する範囲を特定する。この場合には、各エリアの天候情報、時間帯情報及び施設情報の内容に応じて危険度を判定する範囲を拡大又は縮小することができるので、天候に応じた視認性、時間帯に応じた通行量、特定の施設の利用者等の状態に応じて適切に危険度を判定することが可能となる。この結果、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。
また、本発明の交通事故防止システムにおいて、前記サーバ装置は、前記施設情報に応じた管理対象情報と、当該管理対象情報に応じて前記危険度を増減する係数情報を前記類型化情報として管理し、前記携帯端末装置及び車載装置の識別情報に対応する前記管理対象情報及び係数情報に応じて前記危険度を判定することが好ましい。この場合には、例えば、携帯端末装置及び車載装置の位置情報に基づいて、施設に関連する管理対象(例えば、施設の利用者等)の危険度を増減することができるので、施設周辺における危険度を適切に判定することが可能となる。この結果、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。
また、本発明の交通事故防止システムにおいて、前記サーバ装置は、前記危険度に応じた注意を喚起するメッセージを前記携帯端末装置及び車載装置に送信することが好ましい。この場合には、危険度に応じて歩行者及び車両の運転者の注意を喚起することが可能となる。
また、本発明の交通事故防止システムにおいて、前記サーバ装置は、前記危険度が最も高い前記携帯端末装置と前記車載装置との間で直接通信により通信を行わせることが好ましい。この場合には、交通事故に遭遇する可能性が最も高い携帯端末装置と車載装置との間で、直接通信を用いて交通事故を回避するための処理を行うことが可能となる。この結果、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。
なお、本発明の交通事故防止システムにおいて、前記サーバ装置は、前記危険度が予め定めた閾値よりも高い前記携帯端末装置と前記車載装置との間で直接通信により通信を行わせるようにしても良い。この場合には、交通事故に遭遇する可能性が高い携帯端末装置と車載装置との間で、直接通信を用いて交通事故を回避するための処理を行うことが可能となる。この結果、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。
本発明のサーバ装置は、自装置の位置情報を検出する携帯端末装置及び車両に搭載され自装置の位置情報を検出する車載装置と移動通信網を介して接続されるサーバ装置であって、前記移動通信網を介する広域通信にて前記携帯端末装置及び車載装置から送信される位置情報に基づいて前記携帯端末装置を携帯する歩行者及び前記車両が事故に遭遇する可能性を示す危険度を判定する危険度判定部と、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報から互いに接近する前記歩行者及び車両を判定し、当該歩行者及び車両に対応する前記携帯端末装置及び車載装置に前記危険度を通知する危険度通知部と、前記危険度に応じて前記携帯端末装置と前記車載装置に対して直接的な通信の開始を指示することにより、前記携帯端末装置と前記車載装置との間で無線LAN、DSRC(専用狭域通信)、VLCC(可視光通信)及びUWB(超広域帯無線)のいずれかを用いて直接的に通信させる直接通信指示部とを具備することを特徴とする。また、前記直接通信指示部は、前記携帯端末装置と前記車載装置に対して、直接的に通信を行う通信相手を特定するためのパラメータを通知することができる。
この構成によれば、携帯端末装置及び車載装置の位置情報から互いに接近する歩行者及び車両の危険度を判定し、当該危険度を携帯端末装置及び車載装置に通知することから、歩行者及び車両の位置情報に基づく接近状態に応じて危険度を通知することができるので、現在の歩行者及び車両の状態を考慮しながら交通事故の発生を防止することが可能となる。また、判定した危険度に応じて携帯端末装置と車載装置との間で直接通信により通信を行わせることから、例えば、直接通信を用いて歩行者及び車両の現在の状態を反映した通信を行うことができるので、広域通信を用いて事故を回避するための処理を行う場合と比べて迅速に当該処理を行うことが可能となる。
本発明の交通事故防止方法は、自装置の位置情報を検出する携帯端末装置及び車両に搭載され自装置の位置情報を検出する車載装置と移動通信網を介して接続されるサーバ装置における交通事故防止方法であって、前記移動通信網を介する広域通信にて前記携帯端末装置及び車載装置から送信される位置情報に基づいて前記携帯端末装置を携帯する歩行者及び前記車両が事故に遭遇する可能性を示す危険度を判定する工程と、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報から互いに接近する前記歩行者及び車両を判定し、当該歩行者及び車両に対応する前記携帯端末装置及び車載装置に前記危険度を通知する工程と、前記危険度に応じて前記携帯端末装置と前記車載装置に対して直接的な通信の開始を指示することにより、前記携帯端末装置と前記車載装置との間で無線LAN、DSRC(専用狭域通信)、VLCC(可視光通信)及びUWB(超広域帯無線)のいずれかを用いて直接的に通信させる工程とを具備することを特徴とする。また、前記直接的に通信させる工程において、前記携帯端末装置と前記車載装置に対して、直接的に通信を行う通信相手を特定するためのパラメータを通知することができる。
この方法によれば、携帯端末装置及び車載装置の位置情報から互いに接近する歩行者及び車両の危険度を判定し、当該危険度を携帯端末装置及び車載装置に通知することから、歩行者及び車両の位置情報に基づく接近状態に応じて危険度を通知することができるので、現在の歩行者及び車両の状態を考慮しながら交通事故の発生を防止することが可能となる。また、判定した危険度に応じて携帯端末装置と車載装置との間で直接通信により通信を行わせることから、例えば、直接通信を用いて歩行者及び車両の現在の状態を反映した通信を行うことができるので、広域通信を用いて事故を回避するための処理を行う場合と比べて迅速に当該処理を行うことが可能となる。
本発明による交通事故防止システム、サーバ装置及び交通事故防止方法によれば、携帯端末装置及び車載装置の位置情報から互いに接近する歩行者及び車両の危険度を判定し、当該危険度を携帯端末装置及び車載装置に通知すると共に、当該危険度に応じて携帯端末装置と車載装置との間で直接通信により通信を行わせるようにしたので、歩行者及び車両の位置情報に基づく接近状態に応じて危険度を通知する一方、直接通信を用いて歩行者及び車両の現在の状態を反映した通信を行うことができるので、現在の歩行者及び車両の状態を考慮しながら交通事故の発生を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る交通事故防止システムを説明するための概略構成を示すブロック図である。図1に示す交通事故防止システムは、携帯端末1と、車載装置3を搭載した車両と、携帯端末1及び車載装置3と移動通信網2を介して接続されたサーバ装置4とから主に構成されている。
携帯端末1は、GPS(Global Positioning System)を搭載しており、GPSにより自装置の位置を測位することができ、位置情報をサーバ装置4に送信する。また、携帯端末1は、無線LANを搭載しており、車載装置3等と直接的に通信(直接通信)を行うことが可能である。車載装置3と直接通信を行う場合は、サーバ装置4から送信される直接通信を行うためのパラメータ(車載装置3のIPアドレス、無線LANにおける通信用のチャンネル及びアクセスポイントの識別子であるSSID)を利用する。さらに、携帯端末1は、オペレーティングシステム(移動機OS)を有しており、移動機OS上でブラウザ機能、ビューワ機能、JAM(Java(登録商標) Application Manager)その他の機能が動作する。
また、携帯端末1は、携帯端末1を携帯する歩行者に関する情報(以下、「歩行者情報」という)をサーバ装置4に送信する。この歩行者情報には、上記位置情報が含まれる。なお、この歩行者情報に含まれる情報については後述する。また、携帯端末1は、サーバ装置4から送信されてくる危険度通知メッセージを受信し、この危険度通知メッセージを表示する。なお、この危険度通知メッセージの内容については後述する。
移動通信網2は、携帯端末1及び車載装置3と、サーバ装置4との間のネットワークである。この移動通信網2には、通常の移動通信網に加えて移動パケット通信網も含まれる。携帯端末1及び車載装置3と、サーバ装置4との間では広域通信が行われる。一方、携帯端末1と車載装置3との間では直接通信が行われる。
車載装置3は、GPSを搭載しており、GPSにより自装置の位置を測位することができ、位置情報をサーバ装置4に送信する。また、車載装置3は、車載装置3が搭載される車両に関する情報(以下、「車両情報」という)をサーバ装置4に送信する。この車両情報には、上記位置情報が含まれる。なお、この車両情報に含まれる情報については後述する。さらに、車載装置3は、無線LANを搭載しており、携帯端末1等と直接通信を行うことが可能である。携帯端末1と直接通信を行う場合は、サーバ装置4から送信される直接通信を行うためのパラメータ(携帯端末1のIPアドレス、無線LANにおける通信用のチャンネル及びアクセスポイントの識別子であるSSID)を利用する。さらに、車載装置3は、サーバ装置4から送信されてくる危険度通知メッセージを受信し、この危険度通知メッセージを表示する。
サーバ装置4は、本システムにおけるサービスを提供する携帯端末1の歩行者情報及び当該サービスを提供する車載装置3の車両情報と、予め設定されたエリアの天候や時間帯又は周辺施設等の情報を含む類型化情報とに基づいて、歩行者又は車両の危険度を判定するエリア(以下、「危険度判定エリア」という)を特定すると共に、危険度を判定する対象端末(以下、「危険度判定端末」という)を特定し、当該危険度判定端末に対応する歩行者及び車両の危険度を判定する。なお、危険度とは、携帯端末1を携帯する歩行者、並びに、車載装置3が搭載される車両が事故に遭遇する可能性の高さを示す度合いをいうものとする。そして、上記危険度判定端末である携帯端末1及び車載装置3に対して、判定した危険度に応じた危険度通知メッセージを送信する。また、サーバ装置4は、交通事故を回避させるべく、最も危険度が高い危険度判定端末である携帯端末1及び車載装置3に対して直接通信の開始を指示し、広域通信から直接通信へ切り替えさせる。
このように、歩行者情報及び車両情報と類型化情報とに基づいて判定される危険度に応じた危険度通知メッセージが互いに接近する携帯端末1及び/又は車載装置3に送信されることから、現在の歩行者及び車両の状態や周辺の状況を考慮しながら交通事故の発生を防止することが可能となる。そして、危険度が最も高い歩行者の携帯端末1と車両の車載装置3との間で、広域通信から高速な直接通信に切り替えて通信が行われることから、これらの端末間で優先的に交通事故を回避するための処理を実行させることが可能となる。
図2は、図1に示す携帯端末1の概略構成を示すブロック図である。なお、図2に示す構成は、本発明を説明するために簡略化したものであり、通常の携帯端末に搭載される構成要素は備えているものとする。
携帯端末1は、装置全体を制御する制御部11と、移動通信網2を介してサーバ装置4との間で通信を行う通信制御部12と、種々のデータ入力を受け付ける入力部13と、種々のデータや位置情報を表示する表示部14と、自装置の位置を測位するGPS装置15と、装置に搭載され、あるいはダウンロードされた種々のアプリケーションを起動するアプリ制御部16と、携帯端末1を携帯する歩行者の動作を検出する3Dセンサ17と、P2P無線通信によって他の端末装置(特に、車載装置3)と直接的に通信を行うP2P通信制御部18とから主に構成されている。
通信制御部12は、サーバ装置4に対して、自装置を携帯する歩行者の歩行者情報を送信する。この歩行者情報には、自装置の位置情報と、自装置を識別するための識別情報と、歩行者の動作を示す動作情報とが含まれる。歩行者情報は、例えば、位置情報をサーバ装置4に対して送信するタイミングで全ての情報が送信されるが、これに限定されず、適宜、異なるタイミングで送信されるようにしても良い。例えば、携帯端末1で歩行者の動作を検出した時点でサーバ装置4に送信するようにしても良い。また、通信制御部12は、サーバ装置4から送信されてくる危険度通知メッセージを受信する。表示部14は、この危険度通知メッセージを表示する。例えば、表示部14は、危険度通知メッセージに対応する危険度に応じて当該メッセージの表示態様(例えば、発光態様や音声出力態様)を変更することが好ましい。
GPS装置15は、GPS用衛星(図示せず)を利用して携帯端末1の現在位置(緯度、経度)を所定の精度で検出する。GPS装置15は、測位した位置情報を表示部14に出力する。アプリ制御部16は、装置に搭載され、あるいはダウンロードされた危険度管理アプリケーションを起動させる。この携帯端末1用の危険度管理アプリケーションは、所定のタイミングで歩行者情報をサーバ装置4に送信すると共に、サーバ装置4から送信されてくる危険度通知メッセージを表示するアプリケーションである。また、サーバ装置4から直接通信の開始指示を受け付けた場合に該当する車載装置3との間でP2P無線通信を行うアプリケーションである。
3Dセンサ17は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ及び磁気センサを組み合わせて構成され、携帯端末1を携帯する歩行者の動作を検出する。例えば、歩行者の通行速度、加速又は減速、一時停止の有無等の動作を検出する。これらの情報は、歩行者情報に含まれる動作情報としてサーバ装置4に送信される。なお、ここで示した3Dセンサ17によって検出される動作は一例を示したものであり、これに限定されず適宜変更が可能である。P2P通信制御部18は、サーバ装置4から受け付けた直接通信の開始指示に含まれる車載装置3との間でP2P無線通信を行う。
図3は、図1に示す車載装置3の概略構成を示すブロック図である。なお、図3に示す構成は、本発明を説明するために簡略化したものであり、通常の車載装置に搭載される構成要素は備えているものとする。この車載装置3は、カーナビゲーションシステムと通信機器とから構成されている。
車載装置3は、装置全体を制御する制御部31と、移動通信網2を介してサーバ装置4との間で通信を行う通信制御部32と、種々のデータや情報を表示する表示部33と、自装置の位置を測位するGPS装置34と、装置に搭載され、あるいはダウンロードされた種々のアプリケーションを起動するアプリ制御部35と、車載装置3を搭載する車両の動作を検出する3Dセンサ36と、P2P無線通信によって他の端末装置(特に、携帯端末1)と直接的に通信を行うP2P通信制御部37とから主に構成されている。
通信制御部32は、サーバ装置4に対して、自装置を搭載する車両の車両情報を送信する。この車両情報には、自装置の位置情報と、自装置を識別するための識別情報と、車両の動作を示す動作情報とが含まれる。この車両情報は、例えば、位置情報をサーバ装置4に対して送信するタイミングで全ての情報が送信されるが、これに限定されず、適宜、異なるタイミングで送信されるようにしても良い。例えば、車載装置3で車両の動作を検出した時点でサーバ装置4に送信するようにしても良い。また、通信制御部32は、サーバ装置4から送信されてくる危険度通知メッセージを受信する。表示部33は、この危険度通知メッセージを表示する。例えば、表示部33は、危険度通知メッセージに対応する危険度に応じて当該メッセージの表示態様(例えば、発光態様や音声出力態様)を変更することが好ましい。
GPS装置34は、GPS用衛星(図示せず)を利用して車載装置3の現在位置(緯度、経度)を所定の精度で検出する。アプリ制御部35は、装置に搭載され、あるいはダウンロードされた危険度管理アプリケーションを起動させる。この車載装置3用の危険度管理アプリケーションは、所定のタイミングで車両情報をサーバ装置4に送信すると共に、サーバ装置4から送信されてくる危険度通知メッセージを表示するアプリケーションである。また、サーバ装置4から直接通信の開始指示を受け付けた場合に該当する携帯端末1との間でP2P無線通信を行うアプリケーションである。
3Dセンサ36は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ及び磁気センサを組み合わせて構成され、車載装置3を搭載する車両の動作を検出する。例えば、車両の走行速度、加速又は減速、一時停止の有無等の動作を検出する。これらの情報は、車両情報に含まれる動作情報としてサーバ装置4に送信される。なお、ここで示した3Dセンサ36によって検出される動作は一例を示したものであり、これに限定されず適宜変更が可能である。P2P通信制御部37は、サーバ装置4から受け付けた直接通信の開始指示に含まれる携帯端末1との間でP2P無線通信を行う。
図4は、図1に示すサーバ装置4の概略構成を示すブロック図である。なお、図4に示す構成は、本発明を説明するために簡略化したものであり、通常のサーバ装置に搭載される構成要素は備えているものとする。
サーバ装置4は、装置全体を制御する制御部41と、移動通信網2を介して携帯端末1や車載装置3との間で通信を行う通信制御部42と、危険度を判定する際に用いられる類型化情報が登録される類型化情報データベース(DB)43と、携帯端末1を携帯する歩行者の現在の状態を示す情報(現状情報)が登録される歩行者情報データベース(DB)44と、車載装置3が搭載される車両の現在の状態を示す情報(現状情報)が登録される車両情報データベース(DB)45と、装置に搭載され、あるいはダウンロードされた種々のアプリケーションを起動するアプリ制御部46とから主に構成されている。
通信制御部42は、携帯端末1の歩行者情報、並びに、車載装置3の車両情報を受信する。また、後述する危険度判定端末である携帯端末1及び車載装置3に対して危険度に応じた危険度通知メッセージを送信する。さらに、最も危険度が高い危険度判定端末である携帯端末1及び車載装置3に対して、両者間の直接通信の開始を指示する信号を送信する。
類型化情報DB43は、危険度の判定に用いられる類型化情報が登録されるデータベースである。類型化情報DB43は、図5に示すような管理テーブルを有する。図5に示す管理テーブルにおいては、予め設定された緯度及び経度で特定されるエリア情報51に対応して、当該エリアの天候情報52、時間帯情報53、施設情報54、管理対象情報55、並びに、危険度を増減させるための係数情報56が登録されている。なお、図5に示す管理テーブルにおける管理項目や管理方法については、これに限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
例えば、図5に示すNo.1の類型化情報においては、緯度「○○○〜△△△」及び経度「×××〜□□□」で特定されるエリア情報51に対応して、「晴れ」の天候情報52、「7:00〜9:00」の時間帯情報53、「小学校」が存在することを示す施設情報54、「小学生」が管理対象であることを示す管理対象情報55、並びに、管理対象に「2.0」という係数が割り当てられると共に、管理対象外に「1.0」という係数が割り当てられた係数情報56が登録されている。これは、当該エリアにおける晴天の日の7:00〜9:00に小学生が通行している場合には危険度を2.0倍にする一方、小学生以外が通行している場合には危険度を1.0倍(そのまま)にする旨を示している。なお、No.2の類型化情報の係数情報56(管理対象)がNo.1の類型化情報に比べて低いのは、No.1の類型化情報が小学校の登校時間を考慮したものであるのに対し、No.2の類型化情報が登校時間を考慮したものでないためである。
同様に、図5に示すNo.21の類型化情報においては、緯度「△△△〜□□□」及び経度「○○○〜×××」で特定されるエリア情報51に対応して、「晴れ」の天候情報52、「10:00〜17:00」の時間帯情報53、「老人ホーム」が存在することを示す施設情報54、「老人」が管理対象であることを示す管理対象情報55、並びに、管理対象に「2.0」という係数が割り当てられると共に、管理対象外に「1.0」という係数が割り当てられた係数情報56が登録されている。これは、当該エリアにおける晴天の日の10:00〜17:00に老人が通行している場合には危険度を2.0倍にする一方、老人以外が通行している場合には危険度を1.0倍(そのまま)にする旨を示している。なお、No.22の類型化情報の係数情報56がNo.21の類型化情報に比べて高いのは、No.21の類型化情報が晴天時における視認性を考慮したものであるのに対し、No.22の類型化情報が雨天時における視認性を考慮したものであるためである。
歩行者情報DB44は、携帯端末1を携帯する歩行者の現状情報が登録されるデータベースである。歩行者情報DB44は、図6に示すような管理テーブルを有する。図6に示す管理テーブルにおいては、携帯端末1の識別情報61、携帯端末1を携帯する歩行者の性別を示す性別情報62、歩行者の年齢を示す年齢情報63、歩行者の動作を示す動作情報64、歩行者が移動中である場合にその移動速度を示す移動速度情報65及び携帯端末1の位置情報64が登録されている。なお、図6においては、携帯端末1に割り当てられた電話番号を識別情報61に使用した場合について示しているが、識別情報61についてはこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、携帯端末1の製造番号等を使用しても良い。
これらの情報のうち、識別情報61、性別情報62及び年齢情報63は、携帯端末1の契約時等に指定された情報に基づいて特定される。動作情報64及び位置情報66は、携帯端末1から送信されてくる歩行者情報に基づいて特定される。図6においては、動作情報64として移動中であるか否かのみが登録される場合について示しているが、これに限定されるものでなく適宜変更が可能である。移動速度情報65は、動作情報64及び位置情報66の登録内容に基づいて特定される。本実施の形態においては、一定期間における位置情報66の変化から移動速度情報65が算出される。このとき、歩行者の移動方向も同時に特定される。
例えば、図6に示すNo.1の歩行者の現状情報においては、「090−AAAA−AAAA」で特定される識別情報61に対応して、「男性」の性別情報62、「10歳」の年齢情報63、「移動中」であることを示す動作情報64、その移動速度が「5km」であることを示す移動速度情報65、並びに、現在、経度「○○○」及び緯度「△△△」で特定される位置情報66が登録されている。これは、電話番号が090−AAAA−AAAAである携帯端末1を携帯する10歳の男性が時速5kmの速度で経度○○○及び緯度△△△の位置を移動中である旨を示している。
車両情報DB45は、車載装置3を搭載する車両の現状情報が登録されるデータベースである。車両情報DB45は、図7に示すような管理テーブルを有する。図7に示す管理テーブルにおいては、車載装置3の識別情報71、車載装置3が搭載される車両の所有者の性別を示す性別情報72、当該所有者の年齢を示す年齢情報73、車両の動作を示す動作情報74、車両が移動中である場合にその移動速度を示す移動速度情報75及び車載装置3(車両)の位置情報74が登録されている。なお、図7においては、車載装置3に割り当てられた電話番号を識別情報71に使用した場合について示しているが、識別情報71についてはこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、車載装置3の製造番号等を使用しても良い。
これらの情報のうち、識別情報71、性別情報72及び年齢情報73は、車両(車載装置3が固定済みであるもの)の購入時や車載装置3の購入時等に指定された情報に基づいて特定される。動作情報74及び位置情報76は、車載装置3から送信されてくる車両情報に基づいて特定される。図7においては、動作情報74として移動中であるか否かのみが登録される場合について示しているが、これに限定されるものでなく適宜変更が可能である。移動速度情報75は、動作情報74及び位置情報76の登録内容に基づいて特定される。本実施の形態においては、一定期間における位置情報76の変化から移動速度情報75が算出される。このとき、車両の移動方向も同時に特定される。
例えば、図7に示すNo.2の車両の現状情報においては、「090−OOOO−OOOO」で特定される識別情報71に対応して、「男性」の性別情報72、「39歳」の年齢情報73、「移動中」であることを示す動作情報74、その移動速度が「50km」であることを示す移動速度情報75、並びに、現在、経度「×××」及び緯度「○○○」で特定される位置情報76が登録されている。これは、電話番号が090−OOOO−OOOOである車載装置3を搭載する車両が、39歳の男性の運転により時速50kmの速度で経度×××及び緯度○○○の位置を移動中である旨を示している。
アプリ制御部46は、装置に搭載され、あるいはダウンロードされた危険度管理アプリケーションを起動させる。このサーバ装置4用の危険度管理アプリケーションは、歩行者情報DB44に登録された歩行者の現状情報及び車両情報DB45に登録された車両の現状情報と、類型化情報DB43に登録された類型化情報とに基づいて危険度判定エリアを特定すると共に、危険度判定端末を特定し、当該危険度判定端末に対応する歩行者及び車両の危険度を判定するアプリケーションである。すなわち、この危険度管理アプリケーションは、危険度判定部として機能する。具体的には、歩行者情報及び車両情報に含まれる識別情報、位置情報及び動作情報に基づいて歩行者及び車両の現状情報を更新すると共に、当該更新後の現状情報の内容(例えば、移動速度情報65及び75)と、別途取得した天候情報や時刻情報等の内容に応じた類型化情報(例えば、天候情報52及び時間帯情報53)の内容とから危険度判定エリアを特定する。そして、更新後の歩行者及び車両の現状情報の内容(例えば、位置情報66及び76)と、危険度判定エリアの領域(距離)とに基づいて危険度判定端末を特定する。さらに、更新後の歩行者及び車両の現状情報の内容(例えば、年齢情報63及び73や位置情報66及び77)と、これに対応する類型化情報の内容(例えば、管理対象情報55及び係数情報56)とに基づいて危険度判定端末に対応する歩行者及び車両の危険度を判定する。
また、このサーバ装置4用の危険度管理アプリケーションは、上記危険度判定端末である携帯端末1及び車載装置3に対して、判定した危険度に応じた危険度通知メッセージを送信するアプリケーションである。すなわち、この危険度管理アプリケーションは、危険度通知部として機能する。さらに、このサーバ装置4用の危険度管理アプリケーションは、最も危険度が高い危険度判定端末である携帯端末1及び車載装置3に対して直接通信の開始を指示するアプリケーションである。すなわち、この危険度管理アプリケーションは、直接通信指示部として機能する。
次に、本実施の形態に係る交通事故防止システムにおける動作について図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態に係る交通事故防止システムにおける動作を説明するためのシーケンス図である。
本発明の交通事故防止システムにおいては、サーバ装置4において、携帯端末1からの歩行者情報及び車載装置3からの車両情報と、類型化情報DB43に登録された類型化情報とに基づいて危険度判定エリアを特定すると共に、危険度判定端末を特定し、当該危険度判定端末に対応する歩行者及び車両の危険度を判定する。そして、上記危険度判定端末である携帯端末1及び車載装置3に対して、判定した危険度に応じた危険度通知メッセージを送信する。さらに、最も危険度が高い危険度判定端末である携帯端末1及び車載装置3に対して直接通信の開始を指示し、両者間での広域通信よりも高速な直接通信を実現される。
なお、以下においては、携帯端末1、車載装置3及びサーバ装置4において、それぞれアプリ制御部16、アプリ制御部35及びアプリ制御部46で危険度管理アプリケーションが起動しているものとして、それ以降の動作を説明する。また、サーバ装置4の類型化情報DB43には、図5に示す内容の管理テーブルが登録されているものとする。また、サーバ装置4においては、現在の時刻情報が把握されると共に、類型化情報DB43で管理される各エリアの現在の天候情報が把握されているものとする。
本実施の形態に係る交通事故防止システムにおいて、携帯端末1は、歩行者情報をサーバ装置4に対して送信する(ST81)。この歩行者情報には、識別情報、位置情報及び動作情報が含まれる。一方、車載装置3は、車両情報をサーバ装置4に対して送信する(ST82)。この車両情報には、識別情報、位置情報及び動作情報が含まれる。なお、携帯端末1からの歩行者情報、並びに、車載装置3からの車両情報の送信タイミングは、歩行者又は運転者の動作情報や、携帯端末1及び車載装置3の現在位置の事故発生実績等に基づいて適宜変更される。これらの歩行者情報及び車両情報を受信すると、サーバ装置4において、歩行者情報DB44における歩行者の現状情報、並びに、車両情報DB45の車両の現状情報が更新される(ST83、ST84)。ここでは、歩行者情報DB44及び車両情報DB45に、図6及び図7に示す歩行者及び車両の現状情報が登録されるものとする。
なお、ここでは、歩行者情報及び車両情報を受信した後に、歩行者情報DB44及び車両情報DB45の更新が行われる場合について示しているが、歩行者情報及び車両情報を受信タイミング、並びに、歩行者情報DB44及び車両情報DB45の更新タイミングについては、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、携帯端末1から歩行者情報を受信した後に歩行者情報DB44を更新する一方、車載装置3から車両情報を受信した後に車両情報DB45を更新するようにしても良い。
そして、危険度判定エリア(判定エリア)が特定される(ST85)。この場合において、危険度判定エリアは、更新後の歩行者及び車両の現状情報に含まれる移動速度情報65及び移動速度情報75と、現在の時刻情報及び天候情報と、位置情報66及び位置情報76に応じたエリア情報51に対応する天候情報52及び時間帯情報53とに基づいて特定される。
例えば、歩行者の移動速度情報65が5km以上の場合には、現在の位置情報から周囲30mの領域が危険度判定エリアとして特定される。また、車両の移動速度情報75が40km以上の場合には、現在の位置情報から進行方向に向かって一定角度範囲内の500mの範囲が危険度判定エリアとして特定される。これらは、歩行者及び車両の移動速度に応じた移動距離を考慮したものである。そして、例えば、類型化情報における天候情報52が雨である場合には、このように特定された危険度判定エリアの範囲が1.2倍される。さらに、類型化情報における時間帯情報53が18:00時以降の時間を含む場合には、このように特定された危険度判定エリアの範囲が1.2倍される。これらは、天候及び時間帯に応じた視認性の程度を考慮したものである。さらに、類型化情報における施設情報54に小学校や老人ホーム等の特定の施設を含む場合には、このように特定された危険度判定エリアの範囲が1.2倍される。これらは、施設の利用者の安全性を考慮したものである。なお、危険度判定エリアの特定については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
次に、危険度判定端末(判定端末)が特定される(ST86)。この場合において、危険度判定端末は、更新後の歩行者及び車両の現状情報の位置情報66及び位置情報76と、危険度判定エリアの領域(距離)とに基づいて特定される。上述した例を用いると、歩行者の危険度判定エリアが現在の位置情報から周囲30mの領域である場合には、現状情報の位置情報66から周囲30m以内に車両が存在する場合に当該車両の車載装置3と当該歩行者の携帯端末1とが危険度判定端末として特定される。また、車両の危険度判定エリアが現在の位置情報から一定角度範囲内の500mの領域である場合には、現状情報の位置情報76から一定角度範囲内500mに歩行者が存在する場合に当該歩行者の携帯端末1と当該車両の車載装置3とが危険度判定端末として特定される。
次に、危険度判定端末に対応する歩行者及び車両の危険度が判定される(ST87)。この場合において、危険度判定端末に対応する歩行者及び車両の危険度は、更新後の歩行者及び車両の現状情報の年齢情報63及び年齢情報73と、位置情報66及び位置情報77に応じた類型化情報の管理対象情報55及び係数情報56とに基づいて判定される。本実施の形態に係る交通事故防止システムにおいて、危険度の判定には、例えば、年齢等に応じた危険度の指標値が用いられる。そして、この指標値を周囲の状況に応じて増減することで危険度が判定される。
ここで、例えば、0〜5歳(幼児)、6〜12歳(小学生)、13〜18歳(中学生・高校生)、19〜22歳(大学生)、23〜60歳(社会人)及び61〜100歳(老人)にそれぞれ危険度を示す指標値として、4点、3点、2点、1点、1点及び3点が割り当てられるものとする(歩行者の場合)。これにより、例えば、歩行者の現状情報に含まれる年齢情報63が「10歳」である歩行者(例えば、図6に示す「No.1」参照)には、危険度を示す指標値として3点が割り当てられる。この歩行者が仮に、管理対象情報55が「小学生」である類型化情報(例えば、図5に示す「No.1」参照)のエリアに存在する場合には、係数情報56に含まれる管理対象に該当することから、危険度が2倍される。これにより、当該歩行者の危険度は、6点と判定されることとなる。なお、この歩行者が仮に、管理対象情報55が「老人」である類型化情報(例えば、図5に示す「No.21」参照)のエリアに存在する場合には、係数情報56に含まれる管理対象外に該当することから、危険度はそのまま維持される。これにより、危険度は、3点と判定されることとなる。
このように危険度判定端末に対応する歩行者及び車両の危険度が判定された後、当該危険度が、危険度判定端末である携帯端末1及び車載装置3に対して通知される(ST88)。具体的には、判定された危険度に応じた危険度通知メッセージ(MSG)が、危険度判定端末である携帯端末1及び車載装置3に対して送信される。例えば、危険度が1〜3点の場合には「○○m先方に歩行者(車両)がいます。」、危険度が4〜6点の場合には「○○m先方に歩行者(車両)がいます。ご注意下さい。」、危険度が7〜10点の場合には「○○m先方に歩行者(車両)がいます。十分にご注意下さい。」などの危険度通知メッセージが送信される。なお、危険度通知メッセージの内容については、これに限定されるものでなく、適宜変更が可能である。判定された危険度の内容に応じて歩行者又は車両の運転者の注意を喚起することができれば、いなかる内容であっても良い。
危険度通知メッセージを受信すると、携帯端末1及び車載装置3において、この危険度通知メッセージが表示される(ST89、ST90)。このため、携帯端末1を携帯する歩行者、並びに、車載装置3が搭載される車両の運転者は、現在の位置情報に応じて車両及び歩行者に関する情報を把握することが可能となる。これにより、歩行者の通行上の注意、並びに、運転者の運転上の注意を喚起することができるので、交通事故の発生を防止することが可能となる。
次に、サーバ装置4において、広域通信から直接通信への通信切替えを行うべき対象端末(以下、「通信切替端末」という)が選出される(ST91)。この場合において、通信切替端末の選出には、ST87で判定された危険度が用いられる。具体的には、判定された危険度判定端末の危険度のうち、最も危険度が高いと判定された危険度判定端末と、これに対応する危険度判定端末とが通信切替端末として選出される。ここでは、携帯端末1及び車載装置3が通信切替端末として選出された場合について示している。
そして、広域通信から直接通信に切り替えるために、直接通信の開始指示(直接通信開始指示)が通信切替端末(携帯端末1及び車載装置3)に対して送信される(ST92)。この直接通信開始指示には、通信切替端末間、すなわち、携帯端末1と車載装置3との間で直接通信を行うために必要なパラメータ(例えば、携帯端末1のIPアドレス、車載装置3のIPアドレス、無線LANにおける通信用のチャンネル及びアクセスポイントの識別子であるSSIDなど)が含まれる。これにより、携帯端末1と車載装置3とは直接通信を行うことが可能となる。
この直接通信開始指示を受信すると、携帯端末1と車載装置3との間において、直接通信開始指示に含まれるパラメータを利用して互いに通信相手を特定し、直接通信が開始される(ST93)。これにより、危険度が最も高い危険度判定端末、つまり、携帯端末1と車載装置3との間で広域通信から高速な直接通信に切り替えて通信が行われることから、広域通信を継続する他の危険度判定端末と比べて通信帯域を確保することができ、優先的に交通事故を回避するための処理を実行することが可能となる。
交通事故を回避するための処理として、例えば、互いの位置情報を交換することが考えられる。このように互いの位置情報を交換し、危険度が通知された相手側端末の位置情報を自装置の表示部に表示することにより、相手側の正確な位置を把握することができるので、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。また、相手側端末の位置情報に基づいて相手側端末との距離を把握し、この距離に応じて警告音を変化させるようにしても良い。この場合には、警告音により歩行者及び運転者の注意を喚起することができるので、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。なお、交通事故を回避するための処理については、これらに限定されるものでなく適宜変更が可能である。
なお、このように危険度が最も高い危険度判定端末を通信切替端末として直接通信を行わせる場合には、直接通信開始後に更に危険度が高い危険度判定端末が出現した場合の対応が必要となる。このような場合には、サーバ装置4から直接通信中の通信切替端末に対して直接通信の終了要求を送信する一方、新たに直接通信を許容する通信切替端末に対して直接通信の開始指示を送信することが考えられる。このように直接通信を行う通信切替端末を切り替えた場合においても、その切替え前において歩行者及び車両の運転者において自らの危険度が把握されているため、交通事故を未然に防止することは可能と考えられる。
このように本実施の形態に係る交通事故防止システムにおいては、携帯端末1及び車載装置3の位置情報から互いに接近する歩行者及び車両の危険度を判定し、当該危険度を携帯端末1及び車載装置3に通知することから、歩行者及び車両の位置情報に基づく接近状態に応じて危険度を通知することができるので、現在の歩行者及び車両の状態を考慮しながら交通事故の発生を防止することが可能となる。また、判定した危険度に応じて携帯端末1と車載装置3との間で直接通信により通信を行わせることから、例えば、直接通信を用いて歩行者及び車両の現在の状態を反映した通信を行うことができるので、広域通信を用いて事故を回避するための処理を行う場合と比べて迅速に当該処理を行うことが可能となる。
特に、本実施の形態に係る交通事故防止システムにおいては、サーバ装置4において、携帯端末1で検出された歩行者の動作情報及び車載装置3で検出された車両の動作情報を歩行者情報DB44及び車両情報DB45で管理し、携帯端末1及び車載装置3の位置情報、並びに、歩行者及び車両の動作情報に応じて危険度判定エリアを特定している。これにより、携帯端末1及び車載装置2の位置情報、並びに、歩行者及び車両の動作情報に応じて危険度判定エリアを拡大又は縮小することができるので、現在の歩行者及び車両の状態(接近状態や動作状態)に応じて適切に危険度を判定することが可能となる。
また、本実施の形態に係る交通事故防止システムにおいては、サーバ装置4において、予め指定されたエリアにおける各種情報を類型化した類型化情報を管理し、携帯端末1及び車載装置3の位置情報に対応するエリアの類型化情報に応じて危険度判定エリアを特定している。これにより、各エリアに対応付けられた類型化情報に応じて危険度判定エリアを拡大又は縮小することができるので、現在の歩行者及び車両の周囲の状態(天候、時間帯や周辺施設等)に応じて適切に危険度を判定することが可能となる。この結果、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。
特に、本実施の形態に係る交通事故防止システムにおいては、エリアにおける天候情報52、時間帯情報53及び施設情報54を類型化情報として管理し、携帯端末1及び車載装置3の位置情報に対応するエリアの天候情報52、時間帯情報53及び施設情報54の内容に応じて危険度判定エリアを特定している。これにより、各エリアの天候情報52、時間帯情報53及び施設情報54の内容に応じて危険度判定エリアを拡大又は縮小することができるので、天候に応じた視認性、時間帯に応じた通行量、特定の施設の利用者等の状態に応じて適切に危険度を判定することが可能となる。この結果、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。
また、本実施の形態に係る交通事故防止システムにおいては、サーバ装置4において、施設情報54に応じた管理対象情報55と、管理対象情報55に応じて危険度を増減する係数情報56を類型化情報として管理し、携帯端末1及び車載装置3の識別情報61及び71に対応する管理対象情報55及び係数情報56に応じて危険度を判定している。この場合には、例えば、携帯端末1及び車載装置3の位置情報に基づいて、施設に関連する管理対象(例えば、施設の利用者等)の危険度を増減することができるので、施設周辺における危険度を適切に判定することが可能となる。この結果、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。
さらに、本実施の形態に係る交通事故防止システムにおいては、サーバ装置4から、危険度に応じた注意を喚起する危険度通知メッセージを携帯端末1及び車載装置3に送信している。これにより、危険度に応じて歩行者及び車両の運転者の注意を喚起することが可能となる。
さらに、本実施の形態に係る交通事故防止システムにおいては、サーバ装置4において、危険度が最も高い携帯端末1と車載装置3との間で直接通信により通信を行わせる。これにより、交通事故に遭遇する可能性が最も高い携帯端末1と車載装置3との間で、直接通信を用いて交通事故を回避するための処理を行うことが可能となる。この結果、交通事故の発生を未然に防止することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、危険度が最も高い危険度判定端末を通信切替端末に選出し、広域通信から直接通信に切り替える場合について説明している。しかし、通信切替端末の選出方法については、これに限定されるものでなく適宜変更が可能である。例えば、予め定めた閾値よりも危険度が高い危険度判定端末を通信切替端末に選出するようにしても良い。この場合には、最も危険度が高い危険度判定端末を選出する場合に比べて、サーバ装置4における処理負担を軽減することが可能となる。一方、通信切替端末に選出された危険度判定端末間で直接通信により交通事故を回避するための処理が行われるため、交通事故を防止するという本来の目的も達成し得る。
また、上記実施の形態においては、携帯端末1を携帯する歩行者と、車載装置3を搭載する車両との関係について説明している。しかし、本発明に係る危険度管理システムは、このような場合に限定されるものではなく、車載装置3を搭載する車両同士、或いは、携帯端末1を携帯する歩行者同士の間にも適用することが可能である。
さらに、上記実施の形態においては、携帯端末1を携帯する歩行者について説明しているが、この歩行者には自転車に乗った者を含むものとする。このように自転車に乗った者を歩行者に含むことにより、自転車の運転マナーを反映させながら周辺の車両の運転者又は歩行者の注意を喚起することができ、自転車との接触事故等を未然に防止することが可能となる。
さらに、上記実施の形態においては、携帯端末1と車載装置3との間で行われる直接通信の一例として無線LAN通信を用いる場合について示しているが、両者の間で行われる直接通信の種別については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、両者の間でDSRC(専用狭域通信)、VLCC(可視光通信)、UWB(超広帯域無線)などを用いた直接通信を行うようにしても良い。このように変更した場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、上記実施の形態においては、危険度判定端末を特定した後、危険度判定端末における危険度を判定し、危険度を通知する場合について説明しているが、危険度を判定する処理については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、類型化情報DB43に登録される類型化情報に基づいて危険と判定される地域を特定し、仮に相手先となる携帯端末1や車載装置3が存在しない場合においても、当該地域に属する携帯端末1や車載装置3に危険度を通知するようにしても良い。なお、危険と判定される地域を特定する際には、類型化情報を統計化することでより効果的に該当する地域を特定することが可能となる。
さらに、上記実施の形態においては、車載装置3が3Dセンサ36で検出した車両の動作を検出する場合について示している。かかる情報は、車両情報に含まれる動作情報としてサーバ装置4に送信され、サーバ装置4において危険度の判定に用いられる。このような危険度の判定に用いられる動作情報については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、車両に搭載されるCAN(Controller Area Network)を介して取得される、エンジンブレーキ等の車両制御情報を動作情報としてサーバ装置4に送信するようにしても良い。
本発明の一実施の形態に係る交通事故防止システムを説明するための概略構成を示すブロック図である。 図1に示すシステムにおける携帯端末の概略構成を示すブロック図である。 図1に示すシステムにおける車載装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示すシステムにおけるサーバ装置の概略構成を示すブロック図である。 上記実施の形態に係るサーバ装置の類型化情報データベースにおける管理テーブルの例を示す図である。 上記実施の形態に係るサーバ装置の歩行者情報データベースにおける管理テーブルの例を示す図である。 上記実施の形態に係るサーバ装置の車両情報データベースにおける管理テーブルの例を示す図である。 上記実施の形態に係る交通事故防止システムにおける動作を説明するためのシーケンス図である。
符号の説明
1 携帯端末
2 移動通信網
3 車載装置
4 サーバ装置
11、31、41 制御部
12、32、42 通信制御部
13 入力部
14、33 表示部
15、34 GPS装置
16、35、46 アプリ制御部
17、36 3Dセンサ
18、37 P2P通信制御部
43 類型化情報DB
44 歩行者情報DB
45 車両情報DB

Claims (13)

  1. 自装置の位置情報を検出する携帯端末装置と、車両に搭載され自装置の位置情報を検出する車載装置と、移動通信網を介する広域通信にて前記携帯端末装置及び車載装置から送信される位置情報に基づいて前記携帯端末装置を携帯する歩行者及び前記車両が事故に遭遇する可能性を示す危険度を判定するサーバ装置とを具備し、
    前記サーバ装置は、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報から互いに接近する前記歩行者及び車両の前記危険度を判定する危険度判定部と、当該危険度を前記携帯端末装置及び車載装置に通知する危険度通知部と、当該危険度に応じて前記携帯端末装置と前記車載装置に対して直接的な通信の開始を指示する直接通信指示部とを有し、
    前記携帯端末装置と前記車載装置は、前記直接通信指示部からの開始指示により、無線LAN、DSRC(専用狭域通信)、VLCC(可視光通信)及びUWB(超広域帯無線)のいずれかを利用して、互いに直接的に通信を行う通信制御部を有することを特徴とする交通事故防止システム。
  2. 前記通信制御部は、前記直接通信指示部からの開始指示に含まれるパラメータを利用して通信相手を特定し、直接的な通信を開始することを特徴とする請求項1に記載の交通事故防止システム。
  3. 前記携帯端末装置で前記歩行者の動作情報を検出する一方、前記車載装置で前記車両の動作情報を検出し、前記サーバ装置は、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報、並びに、前記歩行者及び車両の動作情報に応じて前記危険度を判定する範囲を特定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の交通事故防止システム。
  4. 前記サーバ装置は、予め指定されたエリアにおける各種情報を類型化した類型化情報を管理し、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報に対応するエリアの前記類型化情報に応じて前記危険度を判定する範囲を特定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の交通事故防止システム。
  5. 前記サーバ装置は、予め指定されたエリアにおける天候情報、時間帯情報及び施設情報の少なくとも1つの情報を前記類型化情報として管理し、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報に対応するエリアの前記天候情報、時間帯情報及び施設情報の内容に応じて前記危険度を判定する範囲を特定することを特徴とする請求項記載の交通事故防止システム。
  6. 前記サーバ装置は、前記施設情報に応じた管理対象情報と、当該管理対象情報に応じて前記危険度を増減する係数情報を前記類型化情報として管理し、前記携帯端末装置及び車載装置の識別情報に対応する前記管理対象情報及び係数情報に応じて前記危険度を判定することを特徴とする請求項記載の交通事故防止システム。
  7. 前記サーバ装置は、前記危険度に応じた注意を喚起するメッセージを前記携帯端末装置及び車載装置に送信することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の交通事故防止システム。
  8. 前記サーバ装置は、前記危険度が最も高い前記携帯端末装置と前記車載装置との間で直接通信により通信を行わせることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の交通事故防止システム。
  9. 前記サーバ装置は、前記危険度が予め定めた閾値よりも高い前記携帯端末装置と前記車載装置との間で直接通信により通信を行わせることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の交通事故防止システム。
  10. 自装置の位置情報を検出する携帯端末装置及び車両に搭載され自装置の位置情報を検出する車載装置と移動通信網を介して接続されるサーバ装置であって、
    前記移動通信網を介する広域通信にて前記携帯端末装置及び車載装置から送信される位置情報に基づいて前記携帯端末装置を携帯する歩行者及び前記車両が事故に遭遇する可能性を示す危険度を判定する危険度判定部と、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報から互いに接近する前記歩行者及び車両を判定し、当該歩行者及び車両に対応する前記携帯端末装置及び車載装置に前記危険度を通知する危険度通知部と、前記危険度に応じて前記携帯端末装置と前記車載装置に対して直接的な通信の開始を指示することにより、前記携帯端末装置と前記車載装置との間で無線LAN、DSRC(専用狭域通信)、VLCC(可視光通信)及びUWB(超広域帯無線)のいずれかを用いて直接的に通信させる直接通信指示部とを具備することを特徴とするサーバ装置。
  11. 前記直接通信指示部は、前記携帯端末装置と前記車載装置に対して、直接的に通信を行う通信相手を特定するためのパラメータを通知することを特徴とする請求項10に記載のサーバ装置。
  12. 自装置の位置情報を検出する携帯端末装置及び車両に搭載され自装置の位置情報を検出する車載装置と移動通信網を介して接続されるサーバ装置における交通事故防止方法であって、
    前記移動通信網を介する広域通信にて前記携帯端末装置及び車載装置から送信される位置情報に基づいて前記携帯端末装置を携帯する歩行者及び前記車両が事故に遭遇する可能性を示す危険度を判定する工程と、前記携帯端末装置及び車載装置の位置情報から互いに接近する前記歩行者及び車両を判定し、当該歩行者及び車両に対応する前記携帯端末装置及び車載装置に前記危険度を通知する工程と、前記危険度に応じて前記携帯端末装置と前記車載装置に対して直接的な通信の開始を指示することにより、前記携帯端末装置と前記車載装置との間で無線LAN、DSRC(専用狭域通信)、VLCC(可視光通信)及びUWB(超広域帯無線)のいずれかを用いて直接的に通信させる工程とを具備することを特徴とする交通事故防止方法。
  13. 前記直接的に通信させる工程において、前記携帯端末装置と前記車載装置に対して、直接的に通信を行う通信相手を特定するためのパラメータが通知されることを特徴とする請求項12に記載の交通事故防止方法。
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