JP4895832B2 - 位置検出装置,これを用いた同期電動機,4輪駆動用車両駆動装置及びハイブリッド自動車用車両駆動装置 - Google Patents

位置検出装置,これを用いた同期電動機,4輪駆動用車両駆動装置及びハイブリッド自動車用車両駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気センサの信号を用いた位置検出装置,これを用いた同期電動機,4輪駆動用車両駆動装置及びハイブリッド自動車用車両駆動装置に係り、特に、ゼロ速度(停止状態)から高速度回転まで加減速する用途に好適な位置検出装置,これを用いた同期電動機,4輪駆動用車両駆動装置及びハイブリッド自動車用車両駆動装置に関する。
同期電動機(以下、単に「モータ」と称する)の駆動装置として、ロータの磁極位置を検出する位置検出装置を用いて、モータに通電する位相を決定して駆動するものがある。ここで、位置検出装置とは、例えば、レゾルバやアブソリュートロータリーエンコーダのように、回転中の回転角度を検出するとともに、停止時にも、電気角度の絶対位置を判定できるものを指す。
一般に、高効率なモータ駆動を達成するためには、位置検出装置により逆起電圧の位相(モータロータの磁極位置)を精度良く検出することが不可欠で、その手法としていくつか知られている。
例えば、第1に、ギヤ歯状のセンサロータが回転した際の磁束量の変化を磁気センサで検出し、センサ信号の直線区間を用いて位置演算するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、第2に、ルンデル型回転子を有する回転電機にリング状の永久磁石を配置し、磁気検出手段により位置検出するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−166677号公報 特開2005−192345号公報
ここで、特許文献1にも記載されているように、同期電動機では、回転中の回転位置を検出するとともに、停止時にも、絶対位置を判定できる位置センサとして、安価なホール素子を用いた位置検出方法が存在し、センサレス位置検出手法を併用することで温度変化や取付位置ずれも補正して高精度化している。しかしながら、ギヤ歯状のセンサロータの回転によるギャップ変化を磁気センサの出力信号として位置検出するため、センサロータを取り付ける必要があり、取付スペースが必要となる。さらに、検出信号が正弦波あるいは台形波状となるようギヤ歯形状を最適化する必要がある。
また、特許文献2では、リング状の永久磁石をスリップリングのモールド樹脂に取付け、省スペース化している。しかしながら、位置検出精度を確保するためにはリング状の永久磁石を精度良く着磁する必要がある。
本発明の目的は、位置検出器を低コスト・省スペース化できる位置検出装置及びこれを用いた同期電動機を提供することにある。
上記目的を達成するために、代表的な本発明は、磁性部と非磁性部とが交互に並ぶように構成され、かつ回転側の磁極を形成するための磁束が流れる回転磁性体を備えた回転電機に用いられる位置検出装置であって、前記回転磁性体は、前記磁性部と前記非磁性部とが周方向に交互に並べられた回転子鉄心であり、前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を有し、前記センサ部は、前記回転磁性体から前記磁極形成用磁束を受けるように、前記回転磁性体の対向側に空隙を介して配置されていると共に、前記回転子鉄心から前記磁極形成用磁束を受けるための磁気回路を構成する磁性ヨークを備え、前記磁性ヨークに前記磁気センサを取り付けた状態で、前記回転子鉄心の回転によって前記回転子鉄心の前記磁性部と前記非磁性部とが周期的に変化する部位に対向配置されており、前記回転磁性体の回転によって生じる前記磁極形成用磁束の変化に応じた信号を出力する磁気センサを有するものである。
かかる構成により、位置検出器を低コスト・省スペース化できるものとなる。
本発明によれば、位置検出器を低コスト・省スペース化できる。
以下、図1〜図8を用いて、本発明の第1の実施形態による位置検出装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1〜図3を用いて、本実施形態による位置検出装置の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機の構成を示す断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態による位置検出装置の構成を示す縦断面図である。図3は、本発明の第1の実施形態による位置検出装置の構成を示す横断面図である。なお、図2は、図3のA−A’断面を示し、図3は、図2のB−B’断面を示している。なお、図1〜図3において、同一符号は同一部分を示している。
同期電動機120は、巻線界磁形の同期電動機(交流機電動機)である。電動機120は、エンジンの再始動時には同期電動機として動作し、高圧バッテリの充電時及び回生モード時には同期発電機として動作する。
エンドブラケット1,2は、アルミニウム製の椀状部材であり、同期電動機120のハウジングを構成する。エンドブラケット1,2の側面中央(椀状部材の最底部に相当する部分)には、ベアリング6, 7が設けられており、シャフト12を回転自在に支承する。
エンドブラケット1の内周には、固定子3が固定されている。固定子3の内周には、回転子11が配置されている。回転子11は、シャフト12に固定されており、回転子11は、固定子3の内側で回転可能である。固定子3及び回転子11は、エンドブラケット1,2からなるハウジングの内周に保持され、防塵・防水構造となっている。
固定子3は、ステータコア3Aと、ステータコイル3Bを備えている。ステータコア3Aは、円環状の磁性部材が複数積層されて形成された円筒状の鉄心である。ステータコア3Aの内周側と対向するシャフト12には、回転子11の2つポールコア9A,9Bが、ステータコア3Aに空隙を介して対向するように固定されている。ステータコイル3Bは、3相(U相,V相,W相)のコイルを有している。同期電動機120のステータコイル3Bに流れる三相巻線電流は、後述するインバータによって制御される。
回転子11は、固定子3の内周側に、空隙を介して回転自在に保持されている。回転子11は、ポールコア9A,9Bと、界磁コイル8A,8Bと、永久磁石30A,30Bとを備えている。ポールコア9Aと、ポールコア9Bは、シャフト12の軸方向に配置されている。ポールコア9A,9Bは、それぞれ、周方向に複数の爪状磁極を有するコアが1対、回転軸方向に対向し、一方のコアの爪状磁極と他方のコアの爪状磁極が周方向(回転方向)に交互に配置されるように、シャフト12に固定されている。ここで、例えば、ポールコア9Aの一方の爪状磁極は、N極に磁化されており、他方の爪状磁極は、S極に磁化されている。ポールコア9Bも同様である。従って、それぞれのポールコア9A,9Bは、異なる磁極が周方向に交互に配置される。ポールコア9A,9Bの爪状磁極の内周には、絶縁処理を施した界磁コイル8A,8Bがボビンに巻かれて、同心状に設けられている。また、ポールコア9Aの一方の爪状磁極と他方の爪磁極の間には、永久磁石30Aが配置されている。ポールコア9Bの一方の爪状磁極と他方の爪磁極の間には、永久磁石30Bが配置されている。
すなわち、本実施形態の回転子は、ポールコア9Aと、界磁コイル8Aと、永久磁石30Aとからなる爪磁極形の第1の回転子と、ポールコア9Bと、界磁コイル8Bと、永久磁石30Bとからなる爪磁極形の第2の回転子とが、シャフトの軸方向に連結されたタンデム形の回転子である。このようにタンデム形の回転子を用いることで、同期電動機の直径を大きくすることなく、その出力を大きくすることができる。図5を用いて後述するように、電動4輪駆動車に用いられる同期電動機120は、後輪の車軸近傍に配置される。この位置では、車体の下から地面までの高さが低いため、エンジンルーム内に電動機を配置する場合に比べて、高さ方向の制限がある。このような場合に、タンデム形の回転子を用いた電動機は有利である。
シャフト12の一端にはスリップリング10が固定されている。スリップリング10は、リード線を介して界磁コイル8A,8Bと電気的に接続されている。スリップリング10は、摺動接触するブラシ16aから電力を供給される。シャフト12の他端には、プーリーがナットによって固定される。
エンドブラケット2の空間部分にはブラシホルダ16が配置され、複数の固定用のボルト・ナットによってエンドブラケット2に固定されている。ブラシホルダ16の横には、ICレギュレータ17が固定されている。ICレギュレータ17は、界磁コイル8A,8Bに流れる界磁電流を制御する。ブラシホルダ16は、端板18に取り付けられている。
ブラシホルダ16は、ブラシ16aを保持すると共に、ブラシ16aをスリップリング10に押圧して摺動接触させる。これにより、界磁コイル8A,8Bを励磁する界磁電流がブラシ16aの一方からスリップリング10の一方に供給され、そこからリード線を介して界磁コイル8A,8Bに供給される。また、供給された界磁電流はリード線を介してスリップリング10の他方に供給され、そこからブラシ16aを介して外部に通電される。スリップリング10は、樹脂モールドによってシャフト12に固定されている。
磁気センサ部200は、同期電動機120のブラシホルダ16とシャフト12を挟んだ反対側に取り付けられ、ボルトネジでエンドブラケット2に固定され、防塵カバー265で覆われている。これにより、同期電動機120のエンドブラケット2を取り外すことなく、磁気センサ部200のメンテナンスを行うことができる。磁気センサ部200は、後述するように、第1,第2の磁気センサ部からなり、モールド樹脂260にて一体モールドしている。磁気センサ部200の詳細構成については、図2,図3を用いて後述する。
ここで、図2及び図3を用いて、磁気センサ部200の詳細構成について説明する。
磁気センサ部200は、センサヨーク210Aと、第1の磁気センサ220Aと、配線板250と、リターンヨーク230と、センサ磁石240とにから構成される第1の磁気センサ部と、センサヨーク210Bと、第2の磁気センサと、配線板250と、リターンヨーク230と、センサ磁石240とから構成される第2の磁気センサ部とからなる。低コスト化のため、リターンヨーク230とセンサ磁石240とは、2つの磁気センサ部で共用している。センサ磁石240は、リターンヨーク230の途中に配置されている。
図1において、第1の磁気センサ部の磁路は、センサ磁石240からリターンヨーク230を通り、エンドブラケット2側のポールコア9A,9Bとのギャップを介してポールコア9A,9Bのシャフト12側(爪状磁極の内周面)端面を通り、爪状磁極9A,9B及びギャップを介して、センサヨーク210A,210Bを通る磁路で形成される。センサ磁石240は、上述の磁路に磁束を発生するために備えられている。
磁気センサ220A,220Bは、磁路の途中(センサヨーク210A,210Bとリターンヨーク230の間)にそれぞれ配置されている。磁気センサ220A,220Bは、磁界の強さに応じてアナログ出力する磁気センサであり、ホール素子,リニアホールIC(ホール素子とアナログ増幅回路を1パッケージ化したセンサデバイス),MR素子などが用いられる。なお、好ましくは、リニアホールICが取扱性とコストの面で有利である。
ディジタル出力するホールICを用いた場合には、低速度時における位置検出精度が大幅に低下するのに対して、アナログ出力の磁気センサを用いることで、ゼロ速度から高速度回転まで急加減速するモータの磁極位置検出の検出精度を向上することができる。
本例では、ポールコア9A,9Bの磁極が12極(爪状磁極を12個もっている)である。2つの磁気センサ部で構成する場合には、第1の磁気センサと第2の磁気センサの間隔は、シャフト12の周方向に電気角で90度間隔(機械角で15度間隔)となるように配置する。なお、3つの磁気センサ部で構成する場合には、それぞれの磁気センサ部の間隔は、電気角で120度間隔(機械角で20度間隔)の関係で取り付ける。また、例えば、1つの磁気センサ部からの信号を反転信号で扱えば機械角で10度間隔に配置したとしても電気角で120度間隔に取り付けたのと同様であり、磁気センサ部200をコンパクトにすることができる。
磁気センサ部200の第1,第2の磁気センサ部のセンサ出力信号は、図5にて後述する制御手段に入力され、ポールコア9A,9Bの磁極位置として位置演算される。演算された磁極位置は、同期電動機120を効率よく力行(駆動)/回生(発電)するための磁極位置情報として用いられる。例えば、力行時には磁極位置に応じたインバータの出力電圧の位相を制御し、120度通電或いは180度通電などの印可電圧位相を制御する。さらに、印可電圧のパルス幅変調率を制御することで三相のモータ電流の大きさを制御して同期電動機120の出力トルクを調整するものである。
なお、センサ磁石240は、上述の磁路に磁束を発生するために備えられているが、センサ磁石を用いない方法も可能である。すなわち、磁束を発生する手段があればよく、例えば、ステータコイル3Bからの漏れ磁束や、界磁コイル8A,8Bからの漏れ磁束を用いることもできる。なお、通常、界磁コイル8A,8Bには電流を流さない場合もあり、その場合、漏れ磁束も零となるので、界磁コイル8A,8Bからの漏れ磁束を用いる場合には、常に、界磁コイル8A,8Bに電流を流すように制御する必要がある。
次に、図4を用いて、本発明の第1の実施形態による位置検出装置における磁気センサ部200と同期電動機120の爪状磁極との位置関係について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態による位置検出装置における磁気センサ部と同期電動機の爪状磁極との位置関係を示す斜視図である。なお、図1〜図3と同一符号は、同一部分を示している。
図4は、磁気センサ部200のセンサヨーク210A,210Bと磁気センサ220A,220B及び同期電動機120のポールコア9Bのみを示しており、磁気センサ部200のリターンヨーク230をはじめ固定子などは省略している。
センサヨーク210A,210Bは、その一端がポールコア9A,9Bの中心を軸とする円周上に位置する。センサヨーク210A,210Bの他端には、磁気センサ220A,220Bが配置されている。センサヨーク210A,210Bは、ポールコア9Bの爪状磁極の根元部で、磁性部(磁性体の鉄心)と非磁性部(非磁性体の空気)とが回転子の回転と共に交互に周期的に繰り返されるように配置される。磁性部(磁性体の鉄心)と非磁性部(非磁性体の空気)とは、ポールコア9Bの一方の極,例えば、図4に示す例で、センサヨーク210A,210Bに近接する側のポールコア9Bが図示のようにN極に磁化されている場合には、このN極のポールコアの爪状磁極の根元部で、回転子の回転と共に交互に周期的に繰り返されるように配置される。
また、ポールコア9A,9Bの軸方向端面とセンサヨーク210A,210Bとのギャップは、センサ信号が概略正弦波状あるいは概略台形波状のセンサ信号となる距離を取付け位置とすることが望ましく、そのギャップ長は、例えば、1〜2mmである。すなわち、ギャップ長を1mmより短くすると、センサ信号は、矩形状となる。ギャップ長を1mmより長くすると、次第に、センサ信号は、矩形から台形状に変化し、さらに、ギャップ長を長くすると、正弦波状に変化する。ギャップ長を2mm以上にすると、正弦波状から、次第に正弦波の振幅が小さくなり、平坦状になる。
また、センサヨーク210A,210Bの断面の形状と大きさはセンサ信号が概略正弦波状あるいは概略台形波状のセンサ信号となる形状と大きさにすることが望ましい。これにより、後述の磁極位置演算(検出)アルゴリズムが有効に働き、センサ取付誤差やセンサデバイスのバラツキ及び温度変化による影響を分離し、除去並びに補正することが容易になる。
次に、図5を用いて、本発明の第1の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機を用いる電動4輪駆動車の構成について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機を用いる電動4輪駆動車の構成を示すシステム構成図である。なお、図1〜図3と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の電動4輪駆動車においては、エンジン(ENG)110が出力する駆動力は、変速機(T/M)112を介して、前輪FR,FLに動力伝達され、前輪FR,FLを駆動する。また、エンジン110は、発電機(ALT)140を駆動する。発電機140は、例えば、公称電圧12Vのバッテリ等の車載補機に電力を供給する14V系電源用発電機よりも高い電圧(例えば、42V)まで発電出力を可変できる発電機である。
発電機140で発電される直流電力は、平滑コンデンサ141を介してインバータ(INV)160に供給される。インバータ160は、その内部にスイッチング動作するパワー素子を備えており、直流電力を交流電力に変換する。この交流電力は、同期電動機(交流電動機)120の電機子巻線(ステータコイル)に供給され、同期電動機120を駆動する。同期電動機120が出力する駆動力(トルク)は、クラッチ180及びデファレンシャギア181を介して、後輪RR,RLに動力伝達して駆動する。
電動4輪駆動車のコントロールユニット(4WD−CU)190は、上位コントローラからの指令を受け、発電機140の界磁電流を制御して、発電電圧を制御する。コントロールユニット(4WD−CU)190は、インバータ160の出力電圧を制御して同期電動機120の駆動力を制御する。また、コントロールユニット190は、同期電動機120の界磁コイルに流れる界磁電流を制御することによっても、同期電動機120の駆動力を制御できる。さらに、コントロールユニット190は、クラッチ180の解放/締結を制御する。また、磁気センサ部200によって検出された同期電動機120の回転子の磁極位置信号は、コントロールユニット(4WD−CU)190に取り込まれる。
なお、図5において、コントロールユニット(4WD−CU)190に入出力する線の内、実線矢印の線は制御信号や検出信号の流れを示し、破線矢印は電流の流れを示している。
ここで、コントロールユニット190が同期電動機120の力行(駆動)/回生(発電)を最適に制御するためには、同期電動機120のロータ磁極位置に応じてインバータ160を制御することが不可欠で、磁気センサ部200の検出信号を用いることで、同期電動機120の性能を向上することができる。例えば、車両100の発進時から所定の車速(中速;例えば、40m/h)(同期電動機120の最高回転数)まではクラッチ180を締結し、エンジン110と同期電動機120の駆動力で走行する。所定の車速より高速領域ではクラッチ180を解放して、エンジン110による前輪駆動のみとする。これとは逆に車速が高速領域から中速まで減速するときには、クラッチ180を締結して、同期電動機120とエンジン110との駆動力で走行するモードがある。クラッチ180の開放/締結時には締結側と被締結側(クラッチ180の同期電動機120側を締結側、デファレンシャギア181側を非締結側と呼ぶ)の回転同期が不可欠で、完全締結前のクラッチ摺動状態では伝達トルクによって回転変動が発生し、不快な車両振動を引き起こす。すなわち、同期電動機120の駆動力制御が重要で、駆動力の制御性を左右する要因の一つに位置検出装置の誤差があり、位置検出バラツキなどが性能を左右する。
従来の電動4輪駆動車では、後輪を駆動する電動機として、直流電動機を用いていた。直流電動機は、デファレンシャルギア181の近傍であって、車体の下側に搭載されるため、搭載可能な電動機の大きさに限度がある。一方、小型な直流電動機では、発生可能な出力をそれほど大きくできないため、排気量が1リッタークラスよりも大きな車両に適用することは困難であった。
それに対して、本実施形態では、後輪を駆動する電動機として、交流電動機を用いるため、直流電動機に比べて出力を大きくできるため、より大排気量の自動車に適当することが可能である。ここで、交流電動機としては、永久磁石式同期電動機や、界磁巻線形同期電動機を用いることができる。特に、界磁巻線形同期電動機を用いることが、以下の点で有効である。
電動4輪駆動車として、後輪駆動用電動機に求められる性能はまず動作点が広いということである。例えば深雪の中で発進する場合、後輪のみで発進できることが重要となり、低速域で大トルクを出力する必要が生じる。また、中速走行域まで4輪駆動を継続するとした場合、電動機としては非常に高回転にする必要が生じる。ここで、永久磁石同期電動機では永久磁石の磁束により、必要な高回転域まで駆動できない場合が生じる。そこで、電動4輪駆動システムに用いる交流電動機は界磁巻線形の同期電動機を用いると有効である。界磁巻線形の同期電動機であれば、高回転域において界磁電流を抑えることにより磁束を小さくすることが可能となり、その結果、誘起電圧を小さく抑え、高回転まで駆動できるようになる。
なお、以上の例では、同期電動機120とインバータ160が別体になっている。しかし、同期電動機120とインバータ160とが一体、すなわちインバータ160のスイッチング素子及びそれを駆動する駆動回路などが、同期電動機120の一部分、例えば電圧調整器やブラシホルダと同じ場所に配置されたものとすることもできる。このように、一体型とすることで、省スペースかつEMCノイズ対策の面で有効である。
次に、図6〜図8を用いて、本発明の第1の実施形態による位置検出装置の検出信号による磁極位置検出方法について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態による位置検出装置の検出信号により磁極位置を検出する磁極位置検出手段のブロック図である。図7は、本発明の第1の実施形態による位置検出装置の検出信号による磁極位置検出方法の原理説明図である。図8は、本発明の第1の実施形態による位置検出装置の検出信号による磁極位置検出手段の処理内容を示すフローチャートである。なお、図1〜図3と同一符号は、同一部分を示している。
図6において、磁極位置検出手段B10は、図5のコントロールユニット(4WD−CU)190の中に備えられる。磁極センサ220A,220Bからの2つのセンサ信号は、図7(A)に示すように、略正弦波状の信号である。2つのセンサ信号の位相差は電気角で90度である。図7(A)はセンサ信号の誤差がない理想信号で、正弦波と余弦波のセンサ信号で示している。実際のセンサ信号には、ゲイン誤差、オフセット誤差、位相誤差が含まれるが、後述の検出方法にて分離でき、補正することができる。磁気センサ220A、220Bからのアナログ信号は、図7(A)に示すセンサ信号A,Bである。最大レベルVP1と最小レベルVP2は、磁極位置演算するダイナミックレンジの上限値と下限値であり、レベルVP1とVP2のダイナミックレンジ外側の信号はクランプされた信号となる。すなわち、ダイナミックレンジの範囲を越えた場合には台形波状の信号となる。平均値はセンサ信号の中心値で、第1判定値VL1はセンサ信号AとBとの最大値側の交点レベルで、第2判定値VL2はセンサ信号AとBとの最小値側の交点レベルである。
磁極センサ220A,220Bからの2つのセンサ信号は、それぞれA/D変換器でディジタル信号に変換され、磁極位置検出手段B10に入力する。個々のセンサ信号は、位置検出部B20A,B20Bで演算処理される。なお、図6では、位置検出部B20Aのみを示し、B20Bについては同様の構成と処理であるので省略している。
ゲイン・オフセット誤差検出部B21Aでは、後述するゲイン誤差・オフセット誤差の検出処理がなされ、それぞれのセンサ信号にフィードバック補正する。
得られた誤差補正後の信号を用いて、直線区間抽出部B23Aにて信号抽出する。図7(B)に示すように、直線区間抽出部B23Aは、センサ信号の第1判定値VL1と第2判定値VL2との範囲の中心付近のセンサ信号を抽出している。抽出された信号は、正弦波状のセンサ信号の概略直線区間の信号である。
相対位置変換部B24Aは、直線区間抽出部B23Aにて抽出された信号に対して、所定の基準位置からの相対角度(位置;位相)を演算する。図7(C)に示すように、位相信号は、抽出信号から電気角の相対角度に変換した信号であり、上側角度VO1は45度(電気角)で下側角度VO2は−45度(電気角)の90度の区間を示している。所定の基準位置とは、例えば、0度の位置である。一方、磁極センサ220Bに対する所定の基準位置とは、磁極センサ220Bに対する所定の基準位置に対して、電気角で90度ずれた位置である。
一方、位相誤差検出部B22Aは、誤差補正後の信号を用いて、センサ信号の基準位置からの誤差を演算する。減算部B25Aは、相対位置変換B24Aの結果と位相誤差検出B22Aの結果の差分を算出する。
絶対位置変換部B30は、減算部B25Aの出力である相対位置変換B24Aの結果と位相誤差検出B22Aの結果との差分を用いて、磁極センサ220Aの補正後の相対角度(位置)から電気角の絶対角度(0〜360度)を演算し、検出位置とする。絶対位置変換部B30は、位置検出部B20Aの出力と同様に、位置検出部B20Bの出力から、同期電動機120の制御に必要なロータ磁極位置を出力する。
ここで、ゲイン・オフセット誤差検出B21Aと、位相誤差検出B22Aは、補正タイミング信号によりタイミング制御され、有効なセンサ信号の区間にて選択的に動作すると共に、フィードバック(フィードフォワード)のタイミングを調整して発振することなく安定した補償を行うことができる。補正タイミング信号は、例えば、磁極センサ220Aの場合、図7(A)の90度付近では、センサ信号がクランプしており、磁極位置の検出には用いられていないため、このタイミングで出力される信号である。なお、位相誤差検出B22Aの信号をフィードフォワード補償としているが、フィードバック補償にすることも可能で、位相誤差の検出誤差を収束させるようにすることも可能である。
なお、図7(A)に示したように、センサ信号がダイナミックレンジを越える場合、あるいは初めから台形波状のセンサ信号である場合には、2つのセンサ信号からアークタンジェントで角度演算する方法は演算誤差が大きく、大きな位置検出誤差を生じる。一方、図6にて説明した本実施形態の方式では、演算誤差を小さくでき、検出誤差が小さくなる。
また、検出したセンサ信号が台形波状に高調波成分が含まれる場合には、破線で示す基本波抽出部B26Aにより、基本波成分のみを抽出することでアークタンジェントでの角度演算が可能になる。基本波抽出部B26Aとしては、例えば、高速フーリエ変換(FFT)などを用いることができ、FFTにより、基本波成分のみを抽出する。さらに、FFTの際に、振幅、オフセット、位相の情報が得られるので、それぞれの誤差を検知し補正することが可能になる。
ここで、基本波抽出部B26Aとして、FFTを用いない場合のゲイン誤差、オフセット誤差及び位相誤差の検出方法を説明する。
センサ信号に含まれる誤差は、磁気センサ(信号増幅器を含む)のゲイン、オフセットが個々のデバイスでばらつくことと、温度変化及び応力歪みによって発生する。さらに、磁気センサの取付位置ずれで、センサ信号の振幅、位相の差異となって現れる。これらの電気的、機械的な誤差要因は、センサ信号で見ればゲイン誤差とオフセット誤差及び位相誤差として現れる。また、これらの誤差は、同期電動機120に磁気センサ部200を取り付けた状態でほぼ確定し、動作温度によって変化する。すなわち、電動4輪駆動車として組み込んだ状態で初期誤差検知すると共に補正し、さらに使用されている状態でリアルタイム誤差検知し、補正できることが望ましいものである。
誤差を含んだ検出センサ信号F(t)は、

F(t)=A・sin(ωt+α)+D

とする。ここで、Aはセンサゲイン(ゲイン誤差含み)、αは初期位相(位相誤差含み)、Dはオフセット誤差である。
このセンサ信号を時間微分すると、

F’(t)=Aω・cos(ωt+α)

を得る。
ここで、角速度ω=2πfであり、同期電動機の電気角の周波数fはインバータの出力周波数f’とほぼ等しいことから、角速度ωをインバータの出力周波数f’で除算することにより、

F2(t)=2πA・cos(ωt+α)

となる。
この信号の最大値を計測すれば、2πAが得られ、時間微分信号の最大値を得るタイミング(ωt+α=0)での検出センサ信号からオフセット誤差Dが得られる(最大値を得るタイミングは、抽出信号の区間範囲に相当した検出センサ信号を2階微分してゼロとの交点としてもよいものである)。
このようにして、ゲイン誤差係数をA(基準値2πとの比)と求め、オフセット誤差をDのように求めることができる。このゲイン誤差とオフセット誤差の検出は電気角1/2周期毎に行え、本実施形態の同期電動機120の磁極数は12であるから、電動機の1回転中に12回の誤差検出が可能で、フィードバック補正することで検出誤差の精度を向上することができる。
上述のように、検出センサ信号からゲインとオフセット誤差をフィードバック補正し検出誤差を収束させる。
次に、検出センサ信号の直線区間を抽出し、位相誤差を検出する。その後、先の位置検出原理に基づいて相対位置検出した後、絶対位置に変換してモータ制御の位置情報として使用する。ここで、位相誤差は機械的取付により生じる誤差であるので、常時行う必要はなく、分解後の再組立時などに処理を1度行い記憶保持しておくことができる。
続いて位相誤差の検出について説明する。位相誤差の検出は、ゲイン誤差とオフセット誤差を検出した後に行うことにする。また、位相誤差には、2つの検出方式が考えられ、(1)通常のモータドライブ中に位置誤差を検出するランニング方式と(2)特別な位置誤差検出ロジック用モータドライブを用いる方式(オフライン方式)とが考えられる。
さらに、(1)のランニング方式では、「数式により算出する方式」と、「U相センサ信号を基準としてV相とW相の相対的な位置ずれを算出する方式」とが考えられるが、一例として、「数式により算出する方式」を説明する。
数式により算出する方式では、
F2(t)=2πA・cos(ωt+α)
を用いる。ゲイン誤差の検出処理を既に行っているので、ゲインAは既知である。また、インバータ出力周波数f’からωtも既知であるから、次式にて、U相のセンサ位置ずれαが、

α=cos−1(F2(t)/2πA)−ωt

検出可能となる。
なお、センサ信号Bについても90度の位相差を考慮するだけで同様である。
上述ように、センサ信号にゲイン誤差、オフセット誤差、位置誤差が含まれている場合にも、本実施形態の誤差検出と補正を行うことにより、センサ信号の誤差をほぼ数周期(理論的には最小1周期)以内で補正できるので、誤差を重畳しても一時的にモータ電圧あるいはモータ電流が変動するのみで、速やかに安定させることができる。
ここで、図8を用いて、本実施形態による位置検出装置の検出信号による磁極位置検出方法の処理内容について説明する。図7では、磁極位置検出手段B10としてハード的に説明したが、磁極位置検出は、コントロールユニット190の内部のマイクロコンピュータを用いて、ソフト的に行うこともできる。
まず、ステップF1において、前回のゲイン、オフセット、位相の各補正値をフラッシュメモリなどから呼び出し、補正初期値とする。
次に、ステップF2において、磁気センサ部200の位置検出値θs(補正初期値にて補正する)を用いて電動機を始動する。
次に、ステップF3において、上述のようにモータ動作中の位相θを演算すると共に各センサ誤差を検出する。
そして、ステップFS1において、検出誤差の大きさ及び変動をチェックし、所定の誤差範囲より大きい場合には、ステップF5の処理に進み、検出誤差が大きいことを上位ECUおよび操作パネルに通知(表示)する。許容誤差範囲内であれば、ステップF4に進み、ゲイン誤差補正値を更新する。
次に、ステップFS2において、オフセット誤差の大きさから補正値を更新すべき大きさ、あるいはタイミングであるか判定し、更新する場合にはステップF6においてオフセット補正値を更新する。
そうでなければ、ステップFS3において、位相誤差の大きさから補正値を更新すべき大きさ、あるいはタイミングであるか判定し、更新する場合にはステップF7にてオフセット補正値を更新する。
次に、ステップF8において、位相θに補正量CS1を施して補正された位置検出値θsを得る。
そして、ステップFS4において、モータ停止でなければ上記フローを繰り返す。モータ停止であればステップF9において、最終のゲイン、オフセット、位相の各補正値をフラッシュメモリなどに記憶する。
なお、一般に始動時と停止時の温度が異なることから、最終のゲイン、オフセット補正値を記憶するのではなく、電源投入直後の始動後しばらくしてからの補正値を繰り返し学習して記憶するようにしてもよい。位相補正値は機械的な取付け誤差を補正する値であるから、大きく変化すべき値ではなく繰り返し学習、あるいは移動平均した補正値を記憶すればよい。また、位置センサ部を交換した場合など、メンテナンスした後には位相補正値をリセットすることが好ましい。
これにより、製品出荷後のセンサの温度変化や、劣化などが起きた場合にもオンライン(実際の運転中)にてセンサ補正、あるいは故障検知ができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、磁気センサ部は、回転子の爪状磁極の根元部で、磁性部(磁性体の鉄心)と非磁性部(非磁性体の空気)とが回転子の回転と共に交互に周期的に繰り返される位置に配置される。そして、このセンサ部の概略正弦波状あるいは概略台形波状のセンサ信号を用いて、磁極位置を検出できるので、位置検出器を低コスト・省スペース化できる。
また、磁気センサ部は、アナログ信号を出力するものを用いることで、ゼロ速度から高速度回転まで急加減速する電動機の磁極位置検出の検出精度を向上することができる。
次に、図9及び図10を用いて、本発明の第1の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機及びハイブリッド自動車の構成について説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機の構成を示す断面図である。図10は、本発明の第1の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機を用いるハイブリッド自動車の構成を示すシステム構成図である。なお、図1〜図3,図5と同一符号は、同一部分を示している。
最初に、図9を用いて、同期電動機120Aの構成について説明する。主として、図1に示した同期電動機120と構成上相違する点について説明する。
同期電動機120Aは、巻線界磁形の同期電動機(交流機電動機)であり、冷却媒体として空気を用いる空冷機である。
回転子11Aは、シャフト12,ポールコア9,界磁コイル8,スリップリング10を備えている。すなわち、図1に示したようなタンデム形ではなく、シングル形である。さらに、冷却用遠心ファン13を備えている。なお、図1の例で、対向する爪磁極の間に配置された永久磁石は備えられていない。冷却用遠心ファン13は、ポールコア9の回転軸方向の端面に固定されている。エンドブラケット1は、外気を導入し、また、排出するための開口部1A,1B,1Cを備えている。
冷却用遠心ファン13は、ポールコア9と共に回転して、外部から外気を機内に導入すると共に、その外気を機内に循環させて機内を冷却し、冷却し終えた外気を外部に排出する。
本実施形態の磁気センサ部200は、図1〜図3にて説明したものと同様である。
次に、図10を用いて、本実施形態のハイブリッド自動車のパワートレインについて説明する。
図10に示すハイブリッド自動車は、前輪駆動方式で、内燃機関であるエンジン110を動力源としたエンジンパワートレインと、電動機120Aを動力源としたエレクトリックパワートレインの両方を備えている。エンジンパワートレインは、主として、自動車の駆動源を構成する。エレクトリックパワートレインは、主として、エンジン110の始動源, エンジン110のアシスト源及び自動車の電力源として用いられる。従って、図10に示すハイブリッド自動車においては、イグニションキースイッチがオン状態にあって、信号待ちなどの停車時にエンジン110を停止させ、発車時にエンジン110を再始動する、いわゆるアイドルストップを行うことができる。
図10に示すハイブリッド自動車において、車体100のフロント部には前輪車軸101が回転可能に軸支されている。前輪車軸101の両端には、前輪FR,FLが設けられている。車体100のリア部には、後輪車軸104が回転可能に軸支されている。後輪車軸104の両端には、後輪RR,RLが設けられている。
前輪車軸101の中央部には、動力分配機構であるデファレンシャルギア(DEF)111が設けられており、エンジン110から変速機112を介して伝達された回転駆動力を左右の前輪車軸FR,FLに分配する。エンジン110と電動機120Aとは、エンジン110のクランクシャフトに設けられたプーリー110aと電動機120Aの回転軸に設けられたプーリー120aとがベルト130を介して機械的に連結されている。これにより、電動機120Aの回転駆動力がエンジン110に、エンジン110の回転駆動力が電動機120Aにそれぞれ伝達できるようになっている。
電動機120Aは、インバータ160によって制御された3相交流電力がステータのステータコイルに供給されることによって、ロータが回転し、3相交流電力に応じた回転駆動力を発生する。すなわち電動機120Aはインバータ160から制御され、電動機として動作する。一方、電動機120Aは、エンジン110の回転駆動力を受けてロータが回転することによって、ステータのステータコイルに起電力が誘起され、3 相交流電力を発生する。すなわち電動機120Aは発電機として動作する。
インバータ160は、高圧バッテリ122から供給された直流電力を3相交流電力に変換する電力変換装置であり、運転指令値に従ってロータの磁極位置に応じた,電動機120Aのステータコイルに流れる3相交流電流を制御するものである。電動機120Aによって発電された3相交流電力は、インバータ160によって直流電力に変換されて高圧バッテリ122を充電する。高圧バッテリ122にはDC−DCコンバータ124を介して低圧バッテリ123に電気的に接続されている。
低圧バッテリ123は、自動車の低電圧(14v)系電源を構成するものであり、エンジン110を初期始動(コールド始動)させるスタータ125,ラジオ,ライトなどの電源に用いられている。
コントロールユニット(CU)190Aは、上位コントローラからの指令を受け、インバータ160の出力電圧を制御して同期電動機120Aの駆動力を制御する。また、コントロールユニット190Aは、同期電動機120Aの界磁コイルに流れる界磁電流を制御することによっても、同期電動機120Aの駆動力を制御できる。さらに、コントロールユニット190Aは、電動機120Aを発電機として動作させるときは、電動機120Aの界磁電流を制御して、発電電圧を制御する。また、磁気センサ部200によって検出された同期電動機120Aの回転子の磁極位置信号は、コントロールユニット(CU)190Aに取り込まれる。
コントロールユニット(CU)190Aは、上位コントローラからの指令を受け、車両が信号待ちなどの停車時(アイドルストップモード)にあるとき、エンジン110を停止させる。そして、再発車時にエンジン110を再始動(ホット始動)させる時には、インバータ160で電動機120Aを駆動し、エンジン110を再始動させる。なお、アイドルストップモードにおいて、高圧バッテリ122の充電量が不足している場合や、エンジン110が十分に温まっていない場合などにおいては、エンジン110を停止せず駆動を継続する。また、アイドルストップモード中においては、エアコンのコンプレッサなど、エンジン110を駆動源としている補機類の駆動源を確保する必要がある。この場合、電動機120Aを駆動させて補機類を駆動する。
加速モード時や高負荷運転モードにある時にも、電動機120Aを駆動させてエンジン110の駆動をアシストする。逆に、高圧バッテリ122の充電が必要な充電モードにある時には、エンジン110によって電動機120Aを発電させて高圧バッテリ122を充電する。すなわち、車両の制動時や減速時などの回生モードを行う。
以上説明したように、本実施形態によれば、磁気センサ部は、回転子の爪状磁極の根元部で、磁性部(磁性体の鉄心)と非磁性部(非磁性体の空気)とが回転子の回転と共に交互に周期的に繰り返される位置に配置される。そして、このセンサ部の概略正弦波状あるいは概略台形波状のセンサ信号を用いて、磁極位置を検出できるので、位置検出器を低コスト・省スペース化できる。
また、磁気センサ部は、アナログ信号を出力するものを用いることで、ゼロ速度から高速度回転まで急加減速する電動機の磁極位置検出の検出精度を向上することができる。
次に、図11を用いて、本発明の第2の実施形態による位置検出装置の構成及び動作について説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機の構成を示す断面図である。なお、図1〜図3,図5,図9と同一符号は、同一部分を示している。また、本実施形態の位置検出装置を搭載した同期電動機は、図10に示したハイブリッド自動車に用いられる。
図11に示した同期電動機120Bの基本的な構成は、図9に示したものと同様である。本実施形態では、磁気センサ部200Bの構成が、図1や図9に示した磁気センサ部200とは、異なっている。すなわち、磁気センサ部200Bは、電動機のロータ(ポールコア9)の漏れ磁束を、2個の磁気センサ221Aで直接的に検出するものである。なお、第1の磁気センサ221Aは図示しているが、第2の磁気センサは、センサヨーク210Bと配線板231の間に取り付けられている。
配線板231は、磁性体を用いた金属配線板を用いている。配線板231の上に、第1の磁気センサ221Aや第2の磁気センサなどの電子部品が実装される。センサヨーク210A,210Bは、ポールコア9の漏れ磁束を第1,第2の磁気センサ220Aに誘導するためのものである。金属配線板231の一部あるいは全部と、センサヨーク210A,210Bとは、モールド樹脂材261で一体成形されている。ポールコア9の漏れ磁束は、センサヨーク210A,210Bにて集磁して、第1及び第2の磁気センサ221Aで検出され、金属配線板231の磁性体を通り、ステータコア3Aを経てポールコア9に戻るループを形成している。ポールコア9の漏れ磁束が大きい場合には、オープンループの磁路であっても検出することが可能である。この場合、金属配線板231からステータコア3Aへ経由する磁路は省略するなどしてコスト削減が可能となる。
ここで、センサヨーク210A,210Bは、好ましくは、ステータコイル3Bに通電したときの磁気的影響を低減し、かつ電動機温度上昇から電子部品を保護する意味合いから適切な位置に、磁気センサ部200を実装するために用いる。磁気的外乱や温度などが特に問題とならない場合には、省略してコスト削減が可能である。
また、リターンヨークは磁性体を用いた金属配線板231を兼用することで、リターンヨークの部品数の削減を図っているが、図1と同様にリターンヨークを設けてもよいものである。
以上説明したように、本実施形態によれば、磁気センサ部は、回転子の爪状磁極の根元部で、磁性部(磁性体の鉄心)と非磁性部(非磁性体の空気)とが回転子の回転と共に交互に周期的に繰り返される位置に配置される。そして、このセンサ部の概略正弦波状あるいは概略台形波状のセンサ信号を用いて、磁極位置を検出できるので、位置検出器を低コスト・省スペース化できる。
また、磁気センサ部は、アナログ信号を出力するものを用いることで、ゼロ速度から高速度回転まで急加減速する電動機の磁極位置検出の検出精度を向上することができる。
次に、図12を用いて、本発明の第3の実施形態による位置検出装置の構成及び動作について説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態による位置検出装置の構成を示す断面図である。なお、図1〜図3,図5,図9と同一符号は、同一部分を示している。
図12に示す磁気センサ部200Cは、組み込んだ状態で初期誤差検知すると共に補正する機能を最大限に引き出すもので、位置検出装置の2つの磁気センサを独立してパッケージしたものである。すなわち、図12に示す磁気センサ部200Cは、一つの磁気センサを示している。
図において、位置検出のための磁路は、センサヨーク212Aとセンサヨーク213Aの間に配置されたセンサ磁石240を起磁力として、磁気センサ220A,リターンヨーク230を通り、ギャップを介して、図1のポールコア9B若しくは図9のポールコア9のループを形成するものである。
磁気センサ220Aからの信号は、配線基板250を介して、モールド260の外に取り出される。取り出した信号は、上位のコントローラにて位置検出処理を施し(図示せず)、電動機ロータの磁極位置を検出することが可能となる。すなわち、独立したパッケージ2つを用いて電気角で90度位相をずらして配置すれことで、位置検出ができる。取り付ける位置や対象は、図1や図9に示したものと同様である。
本実施形態では、1つのパッケージは独立しているので、故障の際には1つの部品として交換すれば良く、メンテナンス性が向上する。また、個々の磁気センサの配置位置が電気角度で90度の位相差から誤差を持って取り付けられたとしても、位置検出処理にて初期誤差検知すると共に補正することができるので部品取付作業が容易となり、メンテナンス性をさらに向上することができる。
次に、図13を用いて、本発明の第4の実施形態による位置検出装置の構成及び動作について説明する。
図13は、本発明の第4の実施形態による位置検出装置の構成を示す斜視図である。なお、図1〜図3と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の磁気センサ部200Dは、図1に示したポールコア9A,9Bの代わりに、磁性体のリング280Aに開口280Bを設けて、開口部280Bの周方向の長さと、非開口部の周方向の長さが等しくすることで、磁性部と非磁性部とが交互に配置されたロータとしたセンサリング280を用いた点に特徴がある。
図において、位置検出のための第1の磁路は、センサ磁石240Aを起磁力として、磁気センサ220A、センサヨーク215Aを通り、ギャップを介してリング上の磁性体のセンサリング280を通るオープン磁路である。また、第2の磁路は、センサ磁石240Bを起磁力として磁気センサ220B、センサヨーク215Bを通り、ギャップを介してリング上の磁性体のセンサリング280を通るオープン磁路である。
センサリング280は、同期電動機の回転子11の側面に、シャフトと同心軸上に取付け、電動機ロータと一体になって回転する。回転子の回転に従って、磁性部と非磁性部とが交互に現れ、センサヨーク215A,215Bと磁性部との間の等価ギャップの変化を、磁束量変化として、磁気センサ220A,220Bで検出する。検出信号は、上位のコントローラにて位置検出処理を施すことで、電動機ロータの磁極位置を検出することが可能となる。
ここで、センサ磁石240A,240Bに強力なネオジウム磁石等を用いればオープン磁路でも検出できるが、残留磁束密度の比較的小さいフェライト磁石などを用いて安価な構成とする場合にはリーターンヨークを付加することが好ましいものである。
本実施形態のセンサリング280は、図9に示した電動機に対しても、用いることができる。
本実施形態では、センサリング280は、電動機ロータと一体になって回転すれば良いので、同期電動機の内部、あるいは外部のいずれかに磁気センサ部200Dを取り付ければよいため、取付自由度を向上することができる。
次に、図14を用いて、本発明の第5の実施形態による位置検出装置の構成及び動作について説明する。
図14は、本発明の第5の実施形態による位置検出装置の構成を示す斜視図である。なお、図1〜図3と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の磁気センサ部200Eは、図14に示したセンサリング280の代わりに、磁性体のリングに側端部に、凹部280Yと、凸部280Zを等間隔で配置し、磁性部と非磁性部とが交互に配置されたロータとしたセンサリング280Xを用いた点に特徴がある。
図において、位置検出のための第1の磁路は、センサ磁石240Aを起磁力として、磁気センサ220A、センサヨーク215Aを通り、ギャップを介してリング上の磁性体のセンサリング280Xを通るオープン磁路である。また、第2の磁路は、センサ磁石240Bを起磁力として磁気センサ220B、センサヨーク215Bを通り、ギャップを介してリング上の磁性体のセンサリング280Xを通るオープン磁路である。
センサリング280Xは、同期電動機の回転子11の側面に、シャフトと同心軸上に取付け、電動機ロータと一体になって回転する。回転子の回転に従って、磁性部と非磁性部とが交互に現れ、センサヨーク215A,215Bと磁性部との間の等価ギャップの変化を、磁束量変化として、磁気センサ220A,220Bで検出する。検出信号は、上位のコントローラにて位置検出処理を施すことで、電動機ロータの磁極位置を検出することが可能となる。
ここで、センサ磁石240A,240Bに強力なネオジウム磁石等を用いればオープン磁路でも検出できるが、残留磁束密度の比較的小さいフェライト磁石などを用いて安価な構成とする場合にはリーターンヨークを付加することが好ましいものである。
本実施形態のセンサリング280Xは、図9に示した電動機に対しても、用いることができる。
本実施形態では、センサリング280Xは、電動機ロータと一体になって回転すれば良いので、同期電動機の内部、あるいは外部のいずれかに磁気センサ部200Eを取り付ければよいため、取付自由度を向上する。
また、センサヨーク215A,215Bの取り付け方向は、回転子11の軸方向と平行であるため、電動機の半径方向にスペースがない場合でも取り付けられ、磁気センサ部200Eの取付自由度を向上する。
本発明の第1の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態による位置検出装置の構成を示す縦断面図である。 本発明の第1の実施形態による位置検出装置の構成を示す横断面図である。 本発明の第1の実施形態による位置検出装置における磁気センサ部と同期電動機の爪状磁極との位置関係を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機を用いる電動4輪駆動車の構成を示すシステム構成図である。 本発明の第1の実施形態による位置検出装置の検出信号により磁極位置を検出する磁極位置検出手段のブロック図である。 本発明の第1の実施形態による位置検出装置の検出信号による磁極位置検出方法の原理説明図である。 本発明の第1の実施形態による位置検出装置の検出信号による磁極位置検出手段の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機を用いるハイブリッド自動車の構成を示すシステム構成図である。 本発明の第2の実施形態による位置検出装置を搭載した同期電動機の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態による位置検出装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態による位置検出装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態による位置検出装置の構成を示す斜視図である。
符号の説明
9…ポールコア
100…車両
110…エンジン
120…同期電動機
160…インバータ
200…磁気センサ部
210A,210B…センサヨーク
220A,220B…磁気センサ
230…リターンヨーク
240…センサ磁石
280…センサリング

Claims (15)

  1. 磁性部と非磁性部とが交互に並ぶように構成され、かつ回転側の磁極を形成するための磁束が流れる回転磁性体を備えた回転電機に用いられる位置検出装置であって、
    前記回転磁性体は、前記磁性部と前記非磁性部とが周方向に交互に並べられた回転子鉄心であり、
    前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を有し、
    前記センサ部は、前記回転磁性体から前記磁極形成用磁束を受けるように、前記回転磁性体の対向側に空隙を介して配置されていると共に、前記回転子鉄心から前記磁極形成用磁束を受けるための磁気回路を構成する磁性ヨークを備え、前記磁性ヨークに前記磁気センサを取り付けた状態で、前記回転子鉄心の回転によって前記回転子鉄心の前記磁性部と前記非磁性部とが周期的に変化する部位に対向配置されており、前記回転磁性体の回転によって生じる前記磁極形成用磁束の変化に応じた信号を出力する磁気センサを有する
    ことを特徴とする位置検出装置。
  2. 請求項に記載の位置検出装置において、
    前記センサ部は、前記磁気回路をバイアスするための磁石を有する
    ことを特徴とする位置検出装置
  3. 磁性部と非磁性部とが交互に並ぶように構成され、かつ回転側の磁極を形成するための磁束が流れる回転磁性体を備えた回転電機に用いられる位置検出装置であって、
    前記回転磁性体は、前記磁性部と前記非磁性部とが周方向に交互に並べられ、かつ前記磁極を構成する回転子鉄心に磁気的に接続された回転部材であり、
    前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を有し、
    前記センサ部は、前記回転磁性体から前記磁極形成用磁束を受けるように、前記回転磁性体の対向側に空隙を介して配置されていると共に、前記回転部材から前記磁極形成用磁束を受けるための磁気回路を構成する磁性ヨークを備え、前記磁性ヨークに前記磁気センサを取り付けた状態で、前記回転子鉄心の回転によって前記回転部材の前記磁性部と前記非磁性部とが周期的に変化する部位に対向配置されており、前記回転磁性体の回転によって生じる前記磁極形成用磁束の変化に応じた信号を出力する磁気センサを有する
    ことを特徴とする位置検出装置。
  4. 請求項に記載の位置検出装置において、
    前記センサ部は、前記磁気回路をバイアスするための磁石を有する
    ことを特徴とする位置検出装置。
  5. 磁性部と非磁性部とが交互に並ぶように構成され、かつ回転側の磁極を形成するための磁束が流れる回転磁性体を備えた回転電機に用いられる位置検出装置であって、
    前記回転電機は、同期機であり、
    前記同期機は、複数の爪磁極を有する1対のコアを有し、それぞれのコアの爪磁極が回転方向に交互に配置されるポールコアを備える回転子を有し、
    記1対のコアの内、一方のコアについて、磁性部と非磁性部とを交互に有し、それによって前記回転磁性体を構成し、
    前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を有し、
    前記センサ部は、
    前記回転子の磁性部を磁路に含む磁気回路を形成する磁性ヨークと、
    前記磁気回路をバイアスする永久磁石と、
    前記磁磁気回路中に配置され、前記永久磁石によって前記磁気回路がバイアスされたとき、前記回転磁性体の回転に伴って、前記回転磁性体の前記磁性部と前記非磁性部とが前記磁気回路を周期的に横切る際に生じる磁束密度の変化を検出する磁気センサとを備えることを特徴とする位置検出装置。
  6. 磁性部と非磁性部とが交互に並ぶように構成され、かつ回転側の磁極を形成するための磁束が流れる回転磁性体を備えた回転電機に用いられる位置検出装置であって、
    前記回転電機は、同期機であり、
    前記同期機は、
    複数の爪磁極を有する1対のコアを有し、それぞれのコアの爪磁極が回転方向に交互に配置されるポールコアと、
    前記ポールコアの内部に配置された界磁コイルとを備える回転子を有し、
    記1対のコアの内、一方のコアについて、磁性部と非磁性部とを交互に有し、それによって前記回転磁性体を構成し、
    前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を有し、
    前記センサ部は、
    前記回転子の磁性部を磁路に含む磁気回路を形成する磁性ヨークと、
    前記磁磁気回路中に配置され、前記界磁コイルから発生する漏れ磁束により、前記回転磁性体の回転に伴って、前記回転磁性体の前記磁性部と前記非磁性部とが前記磁気回路を周期的に横切る際に生じる磁束密度の変化を検出する磁気センサとを備えることを特徴とする位置検出装置。
  7. 磁性部と非磁性部とが交互に並ぶように構成され、かつ回転側の磁極を形成するための磁束が流れる回転磁性体を備えた回転電機に用いられる位置検出装置であって、
    前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を有し、
    前記回転電機は、同期機であり、
    前記同期機は、
    複数の爪磁極を有する1対のコアを有し、それぞれのコアの爪磁極が回転方向に交互に配置されるポールコアと、
    前記ポールコアの交互に配置された爪磁極の間に配置された永久磁石とを備える回転子を有し、
    記1対のコアの内、一方のコアについて、磁性部と非磁性部とを交互に有し、それによって前記回転磁性体を構成し、
    前記センサ部は、
    前記回転子の磁性部を磁路に含む磁気回路を形成する磁性ヨークと、
    前記磁磁気回路中に配置され、前記永久磁石から発生する漏れ磁束により、前記回転磁性体の回転に伴って、前記回転磁性体の前記磁性部と前記非磁性部とが前記磁気回路を周期的に横切る際に生じる磁束密度の変化を検出する磁気センサとを備えることを特徴とする位置検出装置。
  8. 磁性部と非磁性部とが交互に並ぶように構成され、かつ回転側の磁極を形成するための磁束が流れる回転磁性体を備えた回転電機に用いられる位置検出装置であって、
    前記回転電機は、同期機であり、
    前記同期機は、
    複数の爪磁極を有する1対のコアを有し、それぞれのコアの爪磁極が回転方向に交互に配置されるポールコアと、
    前記ポールコアの交互に配置された爪磁極の間に配置された永久磁石とを備える回転子を有し、
    前記回転磁性体は、前記ポールコアの回転軸方向の端部に設けられ、磁性部と非磁性部とを交互に有し、
    前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を有し、
    前記センサ部は、前記回転磁性体から前記磁極形成用磁束を受けるように、前記回転磁性体の対向側に空隙を介して配置されていると共に、前記回転磁性体の回転によって生じる前記磁極形成用磁束の変化に応じた信号を出力する磁気センサを有する
    ことを特徴とする位置検出装置。
  9. 請求項1記載の位置検出装置において、
    前記センサ部は、アナログ出力の磁気センサを備えることを特徴とする位置検出装置。
  10. 請求項記載の位置検出装置において、
    上記アナログ出力の信号は、ロータの回転に伴う磁性部と非磁性部の周期を基本波以外の高調波成分を含んだアナログ信号であり、
    前記アナログ信号から基本波成分を抽出する基本波抽出手段を備えることを特徴とする位置検出装置。
  11. 固定子と、
    該固定子に空隙を介して対向配置されて回転自在に保持された回転子と、
    該回転子の位置を検出するための位置検出装置と、を有し、
    前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を備え、磁性部と非磁性部とが交互に配置され、かつ前記回転子の磁極を形成するための磁束が流れる回転磁性体を被検出体としており、
    前記回転磁性体は、前記磁性部と前記非磁性部とが周方向に交互に並べられ、かつ前記回転子の磁極を構成する回転子鉄心に磁気的に接続された回転部材であり、
    前記センサ部は、前記回転磁性体から前記磁極形成用磁束を受けるように、前記回転磁性体の対向側に空隙を介して配置されていると共に、前記回転部材から前記磁極形成用磁束を受けるための磁気回路を構成する磁性ヨークを備え、前記磁性ヨークに前記磁気センサを取り付けた状態で、前記回転子鉄心の回転によって前記回転部材の前記磁性部と前記非磁性部とが周期的に変化する部位に対向配置されており、前記回転磁性体の回転によって生じる前記磁極形成用磁束の変化に応じた信号を出力する磁気センサを有する
    ことを特徴とする回転電機。
  12. 請求項11に記載の回転電機において、
    前記センサ部は、前記磁気回路をバイアスするための磁石を有する
    ことを特徴とする回転電機。
  13. 固定子と、
    該固定子に空隙を介して対向配置されて回転自在に保持されていると共に、複数の爪状鉄心部を備えた1対の鉄心から構成され、かつ前記鉄心の一方の前記爪状鉄心部と前記鉄心の他方の前記爪状鉄心部とが回転方向に交互に配置され、さらには前記鉄心に巻かれた巻線の励磁により生じた磁束によって前記爪状鉄心部が磁化されるルンデル型回転子と、
    該ルンデル型回転子の位置を検出するための位置検出装置と、を有し、
    前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を備えると共に、磁性部と非磁性部とが交互に配置されるように前記ルンデル型回転子に構成された回転磁性体を被検出体としており、
    前記回転磁性体は、前記鉄心の一方に磁気的に接続された回転部材であり、
    前記センサ部は、前記回転磁性体から前記磁化用磁束を受けるように、前記回転磁性体の対向側に空隙を介して配置され、前記回転磁性体の回転によって生じる前記磁化用磁束の変化に応じたアナログ信号を出力する磁気センサを有する
    ことを特徴とする回転電機。
  14. 前後輪の内一方の車輪をエンジンにより駆動し、他方の車輪を同期電動機により駆動する電動4輪駆動車に用いられ、
    前記同期電動機と、
    前記同期電動機の磁極位置を磁気センサを用いて検出する位置検出装置と、
    前記エンジンよって駆動される発電機からの直流出力を交流出力に変換して、前記同期電動機の電機子巻線に供給するインバータと、
    前記位置検出装置によって検出された磁極位置に基づいて、前記同期電動機の制御の位置情報として用いると共に、前記発電機の界磁電流,前記インバータの出力電圧,前記同期電動機の界磁電流を制御する制御手段とを備えることを特徴とする4輪駆動用車両駆動装置であって、
    前記同期電動機は、
    固定子と、
    該固定子に空隙を介して対向配置されて回転自在に保持された回転子と、
    該回転子の位置を検出するための位置検出装置と、を有し、
    前記回転子は、複数の爪磁極を有する1対のコアを有し、それぞれのコアの爪磁極が回転方向に交互に配置されるとともに、回転磁性体を構成するポールコアを有し、
    前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を有し、
    前記センサ部は、前記回転磁性体から前記磁極形成用磁束を受けるように、前記回転磁性体の対向側に空隙を介して配置されていると共に、前記回転子鉄心から前記磁極形成用磁束を受けるための磁気回路を構成する磁性ヨークを備え、前記磁性ヨークに前記磁気センサを取り付けた状態で、前記回転子鉄心の回転によって前記回転子鉄心の前記磁性部と前記非磁性部とが周期的に変化する部位に対向配置されており、前記回転磁性体の回転によって生じる前記磁極形成用磁束の変化に応じた信号を出力する磁気センサを有し、
    前記磁気センサの出力により、前記回転電機の位置を検出することを特徴とする4輪駆動用車両駆動装置。
  15. 前後輪の内一方の車輪をエンジン及び同期電動機により駆動し、
    前記同期電動機は、モータ・ジェネレータであるハイブリッド自動車に用いられ、
    前記同期電動機と、
    前記同期電動機の磁極位置を磁気センサを用いて検出する位置検出装置と、
    前記エンジンよって駆動される発電機からの直流出力を交流出力に変換して、前記同期電動機の電機子巻線に供給するインバータと、
    前記位置検出装置によって検出された磁極位置に基づいて、前記同期電動機の制御の位置情報として用いると共に、前記インバータの出力電圧,前記同期電動機の界磁電流を制御する制御手段とを備えることを特徴とするハイブリッド自動車用車両駆動装置であって、
    前記同期電動機は、
    固定子と、
    該固定子に空隙を介して対向配置されて回転自在に保持された回転子と、
    該回転子の位置を検出するための位置検出装置と、を有し、
    前記回転子は、複数の爪磁極を有する1対のコアを有し、それぞれのコアの爪磁極が回転方向に交互に配置されるとともに、回転磁性体を構成するポールコアを有し、
    前記位置検出装置は、少なくとも2つのセンサ部を有し、
    前記センサ部は、前記回転磁性体から前記磁極形成用磁束を受けるように、前記回転磁性体の対向側に空隙を介して配置されていると共に、前記回転子鉄心から前記磁極形成用磁束を受けるための磁気回路を構成する磁性ヨークを備え、前記磁性ヨークに前記磁気センサを取り付けた状態で、前記回転子鉄心の回転によって前記回転子鉄心の前記磁性部と前記非磁性部とが周期的に変化する部位に対向配置されており、前記回転磁性体の回転によって生じる前記磁極形成用磁束の変化に応じた信号を出力する磁気センサを有し、
    前記磁気センサの出力により、前記回転電機の位置を検出することを特徴とするハイブリッド自動車用車両駆動装置。
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