JP4895681B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

この発明は、誘導加熱調理器、特に、同心円状に配置した複数の加熱コイルを有する誘導加熱調理器に関するものである。
近年、負荷の大きさによらない効率の良い加熱を行うため、あるいは、調理鍋等の負荷の底部における局部発熱の無い均一な加熱を行うためなど、同心円状に配置した複数の加熱コイルを有し、前記複数の加熱コイルにそれぞれ高周波電流を発生させるための複数のインバータを有する誘導加熱調理器が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
また、複数の加熱コイルに流れる電流を同期させる、あるいは、加熱コイルに流れる電流の位相差が所定の範囲内に収まるように制御する誘導加熱装置がある(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。
特開平5−258849号公報 特開2002−313547号公報 特開2004−241302号公報
同心円状に配置した複数の加熱コイルに同時に高周波電流を発生させて負荷を加熱する場合、複数の加熱コイルそれぞれに流れる電流の周波数の差や位相の差により、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下が生じる。
しかしながら、このように複数の加熱コイルに流れる電流の周波数の差や位相の差が生ずる可能性のある状況において、複数の加熱コイルに流れる電流の周波数の差や位相の差を所定の範囲内に抑え複数の加熱コイルに同期した電流を流すように制御するには可変リアクトルが必要である。この誘導加熱調理器に用いられる大電流用途の可変リアクトルは非常に大型であり、機器の大型化を招いてしまう。さらに大電流用途の可変リアクトルには大きな発熱が生じる。
この発明は、可変リアクトルを用いることなく複数の加熱コイルに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を抑制できる誘導加熱調理器を得ようとするものである。
第1の発明による誘導加熱調理器では、第1および第2のスイッチング素子の直列接続で構成される複数のアームと、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に接続される加熱コイルおよび共振コンデンサの直列接続で構成される複数の共振回路と、前記第1および第2のスイッチング素子を一定周波数一定導通幅で駆動制御する制御手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差の絶対値を検出する位相差絶対値検出手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相進み遅れ関係を検出する位相進み遅れ検出手段と、前記加熱コイルの電流方向を検出する複数の電流方向検出手段と、を備え、前記電流方向検出手段は、加熱コイルに流れる電流を検出する電流センサと、この電流センサの2本の出力に接続された全波整流回路と、この全波整流回路の出力に接続された電流検出抵抗と、この電流検出抵抗の低電位側と前記電流センサの片側の出力がそれぞれ入力されるコンパレータとで構成され、前記位相差絶対値検出手段は、複数の電流方向検出手段を構成するコンパレータの出力をそれぞれ入力とするXORゲートと、このXORゲートの出力を平均化したものを出力とし、前記位相進み遅れ検出手段は一方の電流方向検出手段を構成するコンパレータの出力をD入力とし他方の電流方向検出手段を構成するコンパレータの出力をクロック入力とするDラッチで構成され、このDラッチの出力を前記位相進み遅れ検出手段の出力とし、前記制御手段は、前記位相差絶対値検出手段と前記位相進み遅れ検出手段の出力を基に複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように前記第1および第2のスイッチング素子をオンオフするタイミングを制御するものである。
第2の発明による誘導加熱調理器は、第1および第2のスイッチング素子の直列接続で構成される複数のアームと、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に接続される加熱コイルおよび共振コンデンサの直列接続で構成される複数の共振回路と、前記第1および第2のスイッチング素子を一定周波数一定導通幅で駆動制御する制御手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差の絶対値を検出する位相差絶対値検出手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相進み遅れ関係を検出する位相進み遅れ検出手段と、前記共振コンデンサの電圧方向を検出する複数の電圧方向検出手段と、を備え、前記電圧方向検出手段は、オペアンプと、このオペアンプの反転入力端子と前記共振コンデンサの一方の端子との間に接続された抵抗R2と、前記オペアンプの出力端子と反転入力端子の間に接続された抵抗R3と、前記オペアンプの非反転入力端子と前記共振コンデンサの他方の端子との間に接続された抵抗R4と、前記オペアンプの非反転入力端子と前記オペアンプのGND電位との間に接続された抵抗R5と、前記オペアンプの出力が入力されるコンパレータとで構成されて、前記抵抗は、R2=R4=kR3=kR5となるように設定され、前記位相差絶対値検出手段は、複数の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をそれぞれ入力とするXORゲートと、このXORゲートの出力を平均化したものを出力とし、前記位相進み遅れ検出手段は一方の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をD入力とし他方の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をクロック入力とするDラッチで構成され、このDラッチの出力を前記位相進み遅れ検出手段の出力とし、前記制御手段は、前記位相差絶対値検出手段と前記位相進み遅れ検出手段の出力を基に複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように前記第1および第2のスイッチング素子をオンオフするタイミングを制御するものである。
第3の発明による誘導加熱調理器は、第1および第2のスイッチング素子の直列接続で構成される複数のアームと、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に接続される加熱コイルおよび共振コンデンサの直列接続で構成される複数の共振回路と、前記第1および第2のスイッチング素子を一定周波数一定導通幅で駆動制御する制御手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差の絶対値を検出する位相差絶対値検出手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相進み遅れ関係を検出する位相進み遅れ検出手段と、前記共振コンデンサの電圧方向を検出する複数の電圧方向検出手段と、を備え、前記電圧方向検出手段は、オペアンプと、このオペアンプの反転入力端子と前記共振コンデンサの一方の端子との間に接続された抵抗R2と、前記オペアンプの出力端子と反転入力端子の間に接続された抵抗R3と、前記オペアンプの非反転入力端子と前記共振コンデンサの他方の端子との間に接続された抵抗R4と、前記オペアンプの非反転入力端子と前記オペアンプのGND電位との間に接続された抵抗R5と、前記オペアンプの出力とオフセット電圧とがそれぞれ入力されるコンパレータとで構成されて、前記抵抗は、R2=2kR3であり、R3=R5であって、かつ、R4=kR3となるように設定されて、前記オペアンプから正出力を導出し、前記位相差絶対値検出手段は、複数の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をそれぞれ入力とするXORゲートと、このXORゲートの出力を平均化したものを出力とし、前記位相進み遅れ検出手段は一方の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をD入力とし他方の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をクロック入力とするDラッチで構成され、このDラッチの出力を前記位相進み遅れ検出手段の出力とし、前記制御手段は、前記位相差絶対値検出手段と前記位相進み遅れ検出手段の出力を基に複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように前記第1および第2のスイッチング素子をオンオフするタイミングを制御するものである。
第1の発明によれば、電流方向検出手段と位相差絶対値検出手段と位相進み遅れ検出手段とを複数の加熱コイルの制御に適した具体的構成とすることにより、可変リアクトルを用いることなく複数の加熱コイルに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を確実に抑制できる誘導加熱調理器を得ることができる。
第2の発明によれば、電圧方向検出手段と位相差絶対値検出手段と位相進み遅れ検出手段とを複数の加熱コイルの制御に適した具体的構成とすることにより、可変リアクトルを用いることなく複数の加熱コイルに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を確実に抑制できる誘導加熱調理器を得ることができる。
第3の発明によれば、電圧方向検出手段と位相差絶対値検出手段と位相進み遅れ検出手段とを複数の加熱コイルの制御に適した具体的構成とし、電圧方向検出手段を単電源オペアンプを用いることができる構成とすることにより、可変リアクトルを用いることなく複数の加熱コイルに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を確実に抑制できる誘導加熱調理器を簡潔な構成で得ることができる。
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1から図8までについて説明する。図1は実施の形態1における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。図2は実施の形態1におけるスイッチング素子のオンオフタイミングを示す波形図と電流経路を示す接続図である。図2(a)はスイッチング素子のオンオフタイミングを示す波形図であり、図2(b)はスイッチング素子の電流経路を示す接続図である。図3は実施の形態1におけるスイッチング素子のオンタイミングと加熱コイル電流の方向逆転時の位相差αを示す波形図である。図4は実施の形態1における複数の加熱コイルに流れる電流の位相差Φを示す波形図である。図5は実施の形態1におけるスイッチング素子2AHとスイッチング素子2CHのオンオフタイミングの差βを示す波形図である。図6は実施の形態1における電流方向検出部の構成を示す回路図である。図7は実施の形態1における位相差絶対値検出部の構成を示す回路図である。図8は実施の形態1における位相進み遅れ検出部の構成を示す回路図である。
この発明による実施の形態1における誘導加熱調理器の構成を示す図1において、直流電源SABおよび直流電源SCDと並列に複数のアーム1A,1Bおよびアーム1C,1Dが接続される。アーム1A,1B,1C,1Dは2つのスイッチング素子すなわち第1のスイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHと第2のスイッチング素子2AL,2BL,2CL,2DLとの直列接続で構成される。
各スイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLと並列にダイオード10AH,10BH,10CH,10DHおよび10AL,10BL,10CL,10DLが接続される。直流電源SAB,SCDの低電位側に接続されるスイッチング素子2AL,2BL,2CL,2DLと並列にスナバコンデンサ3A,3B,3C,3Dが接続される。共振回路4AB,4CDは加熱コイル6AB,6CDと共振コンデンサ5AB,5CDの直列接続で構成され、アーム1Aおよび1Cを構成するスイッチング素子2AH,2ALおよび2CH,2CLの接続点と別のアーム1Bおよび1Dを構成するスイッチング素子2BH,2BLおよび2DH,2DLの接続点間に接続される。
加熱コイル6AB,6CDは、物理的に互いに同心状に配置され、共通の調理鍋等の負荷を加熱するものである。
電流センサ7AB,7CDは加熱コイル6AB,6CDに流れる電流を検出し、電流方向検出部9AB,9CDに出力する。2つの電流方向検出部9AB,9CDは加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の向きを検出し、位相差絶対値検出部PAと位相進み遅れ検出部PBに出力する。
位相差絶対値検出部PAは2つの電流方向検出部9AB,9CDの情報を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差の絶対値を検出し、制御回路19に出力する。位相進み遅れ検出部PBは複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流に対し、どちらの電流の位相が進んでいるか(あるいは遅れているか)を検出し、制御回路19に出力する。
制御回路19は一定周波数一定導通幅で各スイッチング素子を駆動し、位相差絶対値検出部PAと位相進み遅れ検出部PBの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように複数のアーム1A,1B,1C,1D間のスイッチング素子をオンオフさせるタイミングを制御する。
ここで、スイッチング素子をオンオフさせた場合の電流経路を図2を用いて説明する。アーム1A,1B,1C,1Dを構成するスイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLは、制御回路19によって、一定周波数で同一アームを構成するスイッチング素子2AHと2AL,2BHと2BL,2CHと2CL,2DHと2DLが同時にオンとならないように、かつ、同一アームを構成するスイッチング素子2AHと2AL,2BHと2BL,2CHと2CL,2DHと2DLの導通時間が等しくなるように(T1=T2)駆動される。
この実施の形態では、各スイッチング素子が互いにオフとなる遅延時間Tdを設けている。また、共振回路を挟む2つのアーム1A,1Bおよび1C、1Dのオンオフタイミングを調節することで加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の大きさ(加熱出力の大きさ)を調節する。
M1はスイッチング素子2AHと2BLがオンしており、直流電源のプラス側→スイッチング素子2AH→共振回路4AB→スイッチング素子2BL→直流電源のマイナス側という経路で電流が流れる。
M2はスイッチング素子2BLがオフし、直流電源のプラス側→スイッチング素子2AH→共振回路4AB→スナバコンデンサ3b→直流電源のマイナス側という経路で電流が流れる。
M3はスナバコンデンサ3bが直流電源と同電位となり、スイッチング素子2AH→共振回路4AB→ダイオード10ALという経路で電流が流れる。
M4はスイッチング素子2AHがオフし、直流電源のマイナス側→スナバコンデンサ3a→共振回路4AB→ダイオード10AL→直流電源のプラス側という経路で電流が流れる。
M5はスナバコンデンサ3aの電圧がゼロとなり、直流電源のマイナス側→ダイオード10BH→共振回路4AB→ダイオード10AL→直流電源のプラス側という経路で電流が流れる。
M6はスイッチング素子2ALと2BHがオンしており、直流電源のプラス側→スイッチング素子2AL→共振回路4AB→スイッチング素子2BH→直流電源のマイナス側という経路で電流が流れる。
M7はスイッチング素子2ALがオフし、スナバコンデンサ3b→共振回路4AB→スイッチング素子2BHという経路で電流が流れる。
M8はスナバコンデンサ3bの電圧がゼロとなり、ダイオード10BL→共振回路4AB→スイッチング素子2BHという経路で電流が流れる。
M9はスイッチング素子2BHがオフし、ダイオード10BL→共振回路4AB→スナバコンデンサ3aという経路で電流が流れる。
M10はスナバコンデンサ3aの電位がインバータ電源と同電位となり、直流電源のマイナス側→ダイオード10BL→共振回路4AB→ダイオード10AH→直流電源のプラス側という経路で電流が流れる。
M1とM6のインバータ電源から共振回路4ABに電流が流れる期間が長いほどインバータ回路に流れる電流は大きくなり、負荷への加熱が強くなる。すなわち、スイッチング素子4AHと4BHとのオンオフタイミングの差θABが大きいほど加熱出力は大きくなる。
スイッチング素子2CH,2CL,2DH,2DLのオンオフタイミングと共振回路4CDに対しても同様である。スイッチング素子2CHと2DHのオンオフタイミングの差をθCDとする。
この発明による実施の形態1では、同心状に配置された加熱コイル6AB,6CDには正負対称の同期した電流が流れるため、仮に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流に位相差が生じるような状況にあっても使用者にとって不快なうなり音の発生や加熱効率の低下は最小限に抑えることができる(加熱コイル6AB,6CDに流れる電流が非対称の場合、複数の加熱コイルに流れる電流に位相差が生じると使用者に不快なうなり音の発生や加熱効率の低下が非常に大きくなる)。
図3はスイッチング素子2AHのオンタイミングと加熱コイル電流の方向が反転するタイミングの差αを説明する図である。スイッチング素子2AHがオンしてから、加熱コイルに流れる電流が負方向から正方向に反転するまでには時間差αが生じ、また、このαは加熱コイルのインダクタンスや加熱の強さによって異なる。
ここで、同心円状に複数の加熱コイル6AB,6CDを配置した場合には、負荷の種類によって複数の加熱コイルのインダクタンスは異なるため、スイッチング素子2AH、2AL,2BH,2BLとスイッチング素子2CH,2CL,2DH,2DLのオンオフタイミングを同期させても、図4に示すように、複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流には位相差Φが生じる。
そのため、この実施の形態では、図5に示すように、スイッチング素子2AHとスイッチング素子2CHのオンオフタイミングに差βを設け、位相差絶対値検出部PAの出力に応じてβの大きさを、また、位相進み遅れ検出部PBの出力に応じてβの方向を制御するようにした。
図6は電流方向検出部9AB,9CDの具体的構成例を示すものである。コンパレータ12の非反転入力端子をV+とする。加熱コイル6に流れる電流が正の時、電流センサ7の出力電流はダイオード11A→抵抗R1→ダイオード11Dという経路で流れ、V+=Vr+Vfとなる。ここでVrは抵抗R1に生じる電圧、Vfはダイオードの順方向電圧である。この時、コンパレータ12はH信号を出力する。加熱コイル6に流れる電流が負の時、電流センサ7の出力電流はダイオード11B→抵抗R1→ダイオード11Cという経路で電流が流れ、V+=−Vfとなる。この時、コンパレータ12はL信号を出力する。コンパレータ12は加熱コイル6に流れる電流が正の時H信号、加熱コイルに流れる電流が負の時L信号を出力する。
図7は位相差絶対値検出部PAの具体的構成例を示すものである。2つの電流方向検出部の出力はXORゲート16に入力される。XORゲート16は入力される信号のレベルが異なる場合にH信号を出力する。つまり、XORゲート16は2つの加熱コイルに流れる電流の向きが異なる期間にH信号を出力する。2つの抵抗と2つのコンデンサで構成される平均化回路18はXORゲート16の信号を平均化し、XORゲート16がH信号を出力する期間の長さに比例した電圧を出力する。XORゲート16がH信号を出力する期間(2つの加熱コイルに流れる電流の向きが異なる期間)の長さは2つの加熱コイルに流れる電流の位相差の絶対値に比例するため、平均化回路18の出力から位相差の絶対値|Φ|を検出できる。制御回路19は|Φ|の大きさに応じてβの大きさを決定する。
図8は位相進み遅れ検出部PBの具体的構成例を示すものである。Dフリップフロップ17(以下、D−FFと呼ぶ)はCK端子の入力がL→Hとなった瞬間のD端子入力を保持する。CK端子への入力がL→Hとなった瞬間のD端子入力がH信号の場合、すなわち、D端子へ入力される電流方向検出手段出力(1)の位相がCK端子へ入力される電流方向検出部出力(2)の位相よりも進んでいる場合D−FF17はH信号を出力する。CK端子への入力がL→Hとなった瞬間のD端子入力がL信号の場合、すなわち、D端子へ入力される電流方向検出手段出力1の位相がCK端子へ入力される電流方向検出手段出力2の位相よりも遅れている場合D−FF17はL信号を出力する。D−FF17の出力するH信号とL信号に応じて、制御回路19はβの向きを決定する。
この実施の形態のような構成とすることで、同心円状に配置された複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の周波数差と位相差を所定の範囲内とすることができる。また、複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の周波数差と位相差を所定の範囲内とするために従来必要であった可変リアクトルが不要となるため回路の小型化と低損失化が実現できる。また、複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差の絶対値と位相の進み遅れ関係をそれぞれ検出する構成としたのでより高精度な制御が可能となる。
それによって、より簡素な構成で、負荷の大きさによらない効率の良い加熱と負荷の底における局部発熱の無い均一な加熱を行うことができ、不快なうなり音の発生が生じず、負荷の加熱効率が高い誘導加熱調理器を提供できる。
(1A)この発明による実施の形態1によれば、第1および第2のスイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLの直列接続で構成される複数のアーム1A,1B,1C,1Dと、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に接続される加熱コイル6AB,6CDおよび共振コンデンサ5AB,5CDの直列接続で構成される複数の共振回路4AB,4CDと、前記第1および第2のスイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLを導通制御する制御回路19からなる制御手段と、前記加熱コイル6AB,6CDの電流方向を検出する複数の電流方向検出部9AB,9CDからなる電流方向検出手段と、前記電流方向検出部9AB,9CDからなる電流方向検出手段からの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差の絶対値を検出する位相差絶対値検出部PAからなる位相差絶対値検出手段と、前記電流方向検出部9AB,9CDからなる電流方向検出手段からの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流に対してどちらの位相が進んでいるかを検出する位相進み遅れ検出部PBからなる位相進み遅れ検出手段とを備え、前記位相差絶対値検出部PAからなる位相差絶対値検出手段による検出出力と前記位相進み遅れ検出部PBからなる位相進み遅れ検出手段による検出出力とに応じて前記制御回路19からなる制御手段により前記第1および第2のスイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLのオンオフタイミングを制御するようにしたので、加熱コイル6AB,6CDの電流方向を検出して、可変リアクトルを用いることなく同心円状に配置した複数の加熱コイル6AB,6CDに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を抑制できる誘導加熱調理器を得ることができる。
すなわち、対をなす2つのスイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLの直列接続で構成される複数のアーム1A,1B,1C,1Dと、スイッチング素子の接続点に接続される加熱コイル6AB,6CDと共振コンデンサ5AB,5CDの直列接続で構成される複数の共振回路4AB,4CDと、スイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLをオンオフ駆動する制御回路19と、前記加熱コイル6AB,6CDの電流方向を検出する複数の電流方向検出部9AB,9CDと、前記電流方向検出部9AB,9CDからの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差の絶対値を検出する位相差絶対値検出部PAと、前記電流方向検出部9AB,9CDからの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流に対してどちらの位相が進んでいるかを検出する位相進み遅れ検出部PBとを備えた誘導加熱調理器が構成されている。
したがって、従来必要であった可変リアクトルを用いずに、同心円状に配置した複数の加熱コイル6AB,6CDに同期した電流を流すことによって、より簡素な構成で、負荷の大きさによらない効率の良い加熱と調理器等の負荷の底部における局部発熱の無い均一な加熱を行うことができるとともに不快なうなり音の発生が生じない負荷の加熱効率が高い誘導加熱調理器を提供することができる。
(1B)この発明による実施の形態1によれば、前記(1A)項における構成において、前記制御回路19からなる制御手段は、一定周波数一定導通幅で各スイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLを駆動し、前記位相差絶対値検出部PAからなる位相差絶対値検出手段と前記位相進み遅れ検出部PBからなる位相進み遅れ検出手段の出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように複数のアーム1A,1B,1C,1D間のスイッチング素子のオンオフタイミングを制御するようにしたので、一定周波数一定導通幅で各スイッチング素子を導通制御することにより、可変リアクトルを用いることなく同心円状に配置した複数の加熱コイル6AB,6CDに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を抑制できる誘導加熱調理器を得ることができる。
すなわち、制御回路19は一定周波数一定導通幅で各スイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLを駆動し、位相差絶対値検出部PAと位相進み遅れ検出部PBの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように複数のアーム1A,1B,1C,1D間のスイッチング素子のオンオフタイミングを制御することを特徴とする前記(1A)項記載の誘導加熱調理器が構成されている。
したがって、一定周波数一定導通幅で各スイッチング素子のオンオフタイミングを制御することにより、可変リアクトルを用いることなく同心円状に配置した複数の加熱コイル6AB,6CDに同期した電流を流すことによって、より簡素な構成で、負荷の大きさによらない効率の良い加熱と調理器等の負荷の底部における局部発熱の無い均一な加熱を行うことができるとともに不快なうなり音の発生が生じない負荷の加熱効率が高い誘導加熱調理器を提供することができる。
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図9および図10について説明する。図9は実施の形態2における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。図10は実施の形態2における電圧方向検出部の具体的構成を示す回路図である。図10(a)は電圧方向検出部の具体的構成例を示し、図10(b)は電圧方向検出部の他の具体的構成例を示している。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
この発明による実施の形態2における誘導加熱調理器の構成を示す図9において、実施の形態1では電流センサを用いて加熱コイル6AB,6CDに流れる電流を検出していたが、この実施の形態2では共振コンデンサ5AB,5CDの電圧を電圧方向検出部14または電圧方向検出部15によって検出している。加熱コイル6AB,6CDと共振コンデンサ5AB,5CDは直列接続されているため、それらに流れる電流は等しい。また、コンデンサに流れる電流Icとコンデンサに生じる電圧Vcには式(1)の関係があるため、共振コンデンサ5AB,5CDの電圧を検出することでも複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差の絶対値に比例した出力と複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流に対する位相の進み遅れの出力を得ることが可能である。
Ic=C×dVc/dt ……… 式(1)
電圧方向検出部の具体的構成を示す図10において、図10(a)に示す電圧方向検出部14は、オペアンプ13を用いた差動増幅回路である。抵抗値をR2=R4=kR3=kR5とすると電圧方向検出回路14の出力はVo1=Vc/kとなる。コンパレータ12の非反転入力端子にはVo1を入力すると、コンパレータ12はVc>0の時H信号、Vc<0の時L信号を出力する。
図10(b)に示す電圧方向検出部15は、出力をオフセットした差動増幅回路である。ここで、R3=R5=Ra,R4=kR3,R2=2kR3とすると出力Vo2=Vc/2k+Vmとなる。コンパレータ12の反転入力端子にVmを入力し、非反転入力端子にVo2を入力するとコンパレータ12はVc>0の時H信号、Vc<0の時L信号を出力する。電圧検出部15はあらかじめ出力が正となるように設定すると単電源オペアンプでも動作可能となる。
上記の電圧方向検出部14および電圧方向検出部15以外は、実施の形態1における構成と同様である。
加熱コイル6AB,6CDに流れる大電流を検出するための電流センサには大きな発熱が生じる。また、電流センサには温度ドリフトや周波数特性があるため高精度な検出は困難であった。
この実施の形態2のように共振コンデンサ5AB,5CDの電圧から複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差の絶対値に比例した出力と複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流に対する位相の進み遅れの出力を得ることで、電流センサを必要としない。これによって、機器内部の発熱の低減と高精度な検出が可能となる。
(2A)この発明による実施の形態2によれば、第1および第2のスイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLの直列接続で構成される複数のアーム1A,1B,1C,1Dと、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に接続される加熱コイル6AB,6CDおよび共振コンデンサ5AB,5CDの直列接続で構成される複数の共振回路4AB,4CDと、前記第1および第2のスイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLのオンオフタイミングを制御する制御回路19からなる制御手段と、前記共振コンデンサ5AB,5CDの電圧方向を検出する複数の電圧方向検出部14または電圧検出部15からなる電圧方向検出手段と、前記電圧方向検出部14または電圧検出部15からなる電圧方向検出手段からの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差の絶対値を検出する位相差絶対値検出部PAからなる位相差絶対値検出手段と、前記電圧方向検出部14または電圧検出部15からなる電圧方向検出手段からの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流に対してどちらの位相が進んでいるかを検出する位相進み遅れ検出部PBからなる位相進み遅れ検出手段とを備え、前記位相差絶対値検出部PAからなる位相差絶対値検出手段による検出出力と前記位相進み遅れ検出部PBからなる位相進み遅れ検出手段による検出出力とに応じて前記制御回路19からなる制御手段により前記第1および第2のスイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLの導通制御を行うようにしたので、共振コンデンサの電圧方向を検出して、可変リアクトルを用いることなく、同心円状に配置した複数の加熱コイル6AB,6CDに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を抑制でき、しかも、電流センサを用いることなく内部の発熱を低減し高精度の検出を行える誘導加熱調理器を得ることができる。
すなわち、対をなす2つのスイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLの直列接続で構成される複数のアーム1A,1B,1C,1Dと、スイッチング素子の接続点に接続される加熱コイル6AB,6CDと共振コンデンサ5AB,5CDの直列接続で構成される複数の共振回路4AB,4CDと、スイッチング素子2AH,2BH,2CH,2DHおよび2AL,2BL,2CL,2DLをオンオフ駆動する制御回路19と、前記加熱コイル6AB,6CDの電流方向を検出する複数の電圧方向検出部14または電圧検出部15と、前記電圧方向検出部14または電圧検出部15からの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差の絶対値を検出する位相差絶対値検出部PAと、前記電圧方向検出部14または電圧検出部15からの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流に対してどちらの位相が進んでいるかを検出する位相進み遅れ検出部PBとを備えた誘導加熱調理器が構成されている。
したがって、共振コンデンサの電圧方向を検出して、従来必要であった可変リアクトルを用いずに同心円状に配置した複数の加熱コイル6AB,6CDに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を抑制でき、しかも、大きな発熱を生じていた大電流用途の電流センサが不要となる。
(2B)この発明による実施の形態2によれば、前記(2A)項における構成において、前記制御回路19からなる制御手段は、一定周波数一定導通幅で各スイッチング素子を駆動し、前記位相差絶対値検出部PAからなる位相差絶対値検出手段と前記位相進み遅れ検出部PBからなる位相進み遅れ検出手段の出力を基に複数の加熱コイルに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように複数のアーム1A,1B,1C,1D間のスイッチング素子のオンオフタイミングを制御するようにしたので、共振コンデンサの電圧方向を検出して一定周波数一定導通幅で各スイッチング素子を駆動することによって、可変リアクトルを用いることなく、同心円状に配置した複数の加熱コイル6AB,6CDに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を抑制でき、しかも、電流センサを用いることなく内部の発熱を低減し高精度の検出を行える誘導加熱調理器を得ることができる。
すなわち、制御回路19は一定周波数一定導通幅で各スイッチング素子を駆動し、位相差絶対値検出部PAと位相進み遅れ検出部PBの出力を基に複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように複数のアーム1A,1B,1C,1D間のスイッチング素子のオンオフタイミングを制御することを特徴とする前記(2A)項記載の誘導加熱調理器が構成されている。
したがって、一定周波数一定導通幅で各スイッチング素子を駆動することによって、従来必要であった可変リアクトルを用いずに同心円状に配置した複数の加熱コイル6AB,6CDに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を抑制でき、しかも、大きな発熱を生じていた大電流用途の電流センサが不要となる。
実施の形態3.
この発明による実施の形態3を図11について説明する。図11は実施の形態3における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1または実施の形態2における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
この発明によるこの実施の形態3における誘導加熱調理器の構成を示す図11において、実施の形態1との相違点は、アーム1Bとアーム1Dを共通としてアーム1Bとし、アーム1Dを省略していることである。アーム1A,1B,1Cは共通の直流電源PABCから電力供給される。制御回路19は位相差絶対値検出部PAの出力と位相進み遅れ検出部PBの出力を基に同心円状に配置された複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差が小さくなるようにスイッチング素子2AHとスイッチング素子2CHのオンオフタイミングの差βを制御する。
このような構成とすることでアームの数を減らすことができるため回路の小型化が実現できる。
また、同心円状に配置された複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の周波数差と位相差を所定の範囲内とすることができる。
さらに、複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の周波数差と位相差を所定の範囲内とするために従来必要であった可変リアクトルが不要となるため回路の小型化が実現できる。
そして、複数の加熱コイル6AB,6CDに流れる電流の位相差の絶対値と位相の進み遅れをそれぞれ検出する構成としたのでより高精度な制御が可能となる。
それによって、より簡素な構成で、負荷の大きさによらない効率の良い加熱と調理鍋等の負荷の底部における局部発熱の無い均一な加熱を行うことができ、不快なうなり音の発生が生じず、負荷の加熱効率が高い誘導加熱調理器を提供できる。
(3A)この発明による実施の形態3によれば、実施の形態1の(1A)項および(1B)ならびに実施の形態2の(2A)項および(2B)項におけるいずれかの構成において、共振回路4ABに接続される2つのアーム1A,1Bの片側1Bを別の共振回路4CDに接続されるアーム1Dと共用してアーム1Dを省略したので、スイッチング素子のアームを共用することにより、可変リアクトルを用いることなく同心円状に配置した複数の加熱コイル6AB,6CDに同期した電流を流すことにより、使用者にとって不快なうなり音の発生や負荷への加熱効率の著しい低下を抑制でき、しかも、回路の小型化が実現できる誘導加熱調理器を得ることができる。
すなわち、共振回路4ABに接続される2つのアーム1A,1Bの片側1Bを別の共振回路4CDに接続されるアーム1Dと共用したことを特徴とする実施の形態1の(1A)項および(1B)ならびに実施の形態2の(2A)項および(2B)項におけるいずれかに記載の誘導加熱調理器が構成されている。
したがって、アーム数を少なくすることができるため回路の小型化が実現できる。
この発明による実施の形態1における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 この発明による実施の形態1におけるスイッチング素子のオンオフタイミングと電流経路を示す接続図である。 この発明による実施の形態1におけるスイッチング素子のオンタイミングと加熱コイル電流の方向逆転時の位相差αを示す波形図である。 この発明による実施の形態1における複数の加熱コイルに流れる電流の位相差Φを示す波形図である。 この発明による実施の形態1におけるスイッチング素子2AHとスイッチング素子2CHのオンオフタイミングの差βを示す波形図である。 この発明による実施の形態1における電流方向検出部の構成を示す回路図である。 この発明による実施の形態1における位相差絶対値検出部の構成を示す回路図である。 この発明による実施の形態1における位相進み遅れ検出部の構成を示す回路図である。 この発明による実施の形態2における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 この発明による実施の形態2における電圧方向検出部の構成を示す回路図である。 この発明による実施の形態3における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1A,1B,1C,1D アーム、2AH,2AL,2BH,2BL,2CH,2CL,2DH,2DL スイッチング素子、3A,3B,3C,3D スナバコンデンサ、4AB,4CD 共振回路、5AB,5CD 共振コンデンサ、6,6AB,6CD 加熱コイル、7,7AB,7CD 電流センサ、9,9AB,9CD 電流方向検出部、10AH,10AL,10BH,10BL,10CH,10CL,10DH,10DL ダイオード、11A,11B,11C,11D ダイオード、12 コンパレータ、13 オペアンプ、14,15 電圧方向検出部、16 XORゲート、17 D−FF、18 平均化回路、19 制御回路。

Claims (3)

  1. 第1および第2のスイッチング素子の直列接続で構成される複数のアームと、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に接続される加熱コイルおよび共振コンデンサの直列接続で構成される複数の共振回路と、前記第1および第2のスイッチング素子を一定周波数一定導通幅で駆動制御する制御手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差の絶対値を検出する位相差絶対値検出手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相進み遅れ関係を検出する位相進み遅れ検出手段と、前記加熱コイルの電流方向を検出する複数の電流方向検出手段と、を備え、
    前記電流方向検出手段は、加熱コイルに流れる電流を検出する電流センサと、この電流センサの2本の出力に接続された全波整流回路と、この全波整流回路の出力に接続された電流検出抵抗と、この電流検出抵抗の低電位側と前記電流センサの片側の出力がそれぞれ入力されるコンパレータとで構成され、
    前記位相差絶対値検出手段は、複数の電流方向検出手段を構成するコンパレータの出力をそれぞれ入力とするXORゲートと、このXORゲートの出力を平均化したものを出力とし、
    前記位相進み遅れ検出手段は一方の電流方向検出手段を構成するコンパレータの出力をD入力とし他方の電流方向検出手段を構成するコンパレータの出力をクロック入力とするDラッチで構成され、
    このDラッチの出力を前記位相進み遅れ検出手段の出力とし、
    前記制御手段は、前記位相差絶対値検出手段と前記位相進み遅れ検出手段の出力を基に複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように前記第1および第2のスイッチング素子をオンオフするタイミングを制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 第1および第2のスイッチング素子の直列接続で構成される複数のアームと、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に接続される加熱コイルおよび共振コンデンサの直列接続で構成される複数の共振回路と、前記第1および第2のスイッチング素子を一定周波数一定導通幅で駆動制御する制御手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差の絶対値を検出する位相差絶対値検出手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相進み遅れ関係を検出する位相進み遅れ検出手段と、前記共振コンデンサの電圧方向を検出する複数の電圧方向検出手段と、を備え、
    前記電圧方向検出手段は、オペアンプと、このオペアンプの反転入力端子と前記共振コンデンサの一方の端子との間に接続された抵抗R2と、前記オペアンプの出力端子と反転入力端子の間に接続された抵抗R3と、前記オペアンプの非反転入力端子と前記共振コンデンサの他方の端子との間に接続された抵抗R4と、前記オペアンプの非反転入力端子と前記オペアンプのGND電位との間に接続された抵抗R5と、前記オペアンプの出力が入力されるコンパレータとで構成されて、前記抵抗は、R2=R4=kR3=kR5となるように設定され、
    前記位相差絶対値検出手段は、複数の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をそれぞれ入力とするXORゲートと、このXORゲートの出力を平均化したものを出力とし、
    前記位相進み遅れ検出手段は一方の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をD入力とし他方の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をクロック入力とするDラッチで構成され、
    このDラッチの出力を前記位相進み遅れ検出手段の出力とし、
    前記制御手段は、前記位相差絶対値検出手段と前記位相進み遅れ検出手段の出力を基に複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように前記第1および第2のスイッチング素子をオンオフするタイミングを制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 第1および第2のスイッチング素子の直列接続で構成される複数のアームと、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点に接続される加熱コイルおよび共振コンデンサの直列接続で構成される複数の共振回路と、前記第1および第2のスイッチング素子を一定周波数一定導通幅で駆動制御する制御手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差の絶対値を検出する位相差絶対値検出手段と、複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相進み遅れ関係を検出する位相進み遅れ検出手段と、前記共振コンデンサの電圧方向を検出する複数の電圧方向検出手段と、を備え、
    前記電圧方向検出手段は、オペアンプと、このオペアンプの反転入力端子と前記共振コンデンサの一方の端子との間に接続された抵抗R2と、前記オペアンプの出力端子と反転入力端子の間に接続された抵抗R3と、前記オペアンプの非反転入力端子と前記共振コンデンサの他方の端子との間に接続された抵抗R4と、前記オペアンプの非反転入力端子と前記オペアンプのGND電位との間に接続された抵抗R5と、前記オペアンプの出力とオフセット電圧とがそれぞれ入力されるコンパレータとで構成されて、前記抵抗は、R2=2kR3であり、R3=R5であって、かつ、R4=kR3となるように設定されて、前記オペアンプから正出力を導出し、
    前記位相差絶対値検出手段は、複数の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をそれぞれ入力とするXORゲートと、このXORゲートの出力を平均化したものを出力とし、
    前記位相進み遅れ検出手段は一方の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をD入力とし他方の電圧方向検出手段を構成するコンパレータの出力をクロック入力とするDラッチで構成され、
    このDラッチの出力を前記位相進み遅れ検出手段の出力とし、
    前記制御手段は、前記位相差絶対値検出手段と前記位相進み遅れ検出手段の出力を基に複数の前記加熱コイルに流れる電流の位相差が所定の範囲内となるように前記第1および第2のスイッチング素子をオンオフするタイミングを制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
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