JP4895639B2 - 火災報知器及び火災報知システム - Google Patents

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Description

本発明は、住宅用火災報知器及び火災報知システムに関する。
近年、住宅火災の早期発見を可能とするため、住宅用火災報知器の普及が進められている。住宅用火災報知器は、一般住宅における設置を容易とするため、電源部、火災検出部、警報部、警報停止部および機能試験部等の火災報知器としての必要な機能が一体に形成されている。
すなわち、各所に設置された火災報知器を受信機から引き出された線路に接続しなければならない工業用の火災報知設備と比較して、一体に形成された住宅用火災報知器は、住宅の天井面等に設置するだけで、火災監視を行うことが出来るという特徴がある。
そして、この住宅用火災報知器の電源部は、設置の容易さから電源供給の配線作業が不要な電池を用いるタイプと、電源供給の安定性からAC電源を用いるタイプとがある。例えば、AC電源を用いたタイプでは、電池を用いたタイプのような電源電圧の低下を監視する必要はないが、トランス等の高価かつ大型の部品を使用した電源回路を各住宅用火災報知器が備えなければならなかった。
このように、これら2つのタイプの電源部は、それぞれの利点に応じて需要があるが、全く構造が異なるため、住宅用火災報知器の製造者は結果的に2種類の住宅用火災報知器を製造していた。
そこで、AC電源を用いたタイプでは、トランス等の電源部を備えた親器の住宅用火災報知器において所定の供給電源に変換した後、この親器自身と各子器の住宅用火災報知器に所定の電源供給を行うようにして、全ての住宅用火災報知器にトランス等の電源部を備える必要をなくした技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開2005−339032号公報
しかし、上記従来技術によると、親器の住宅用火災報知器と子器の住宅用火災報知器の少なくとも電源部構造の異なる二種類の住宅用火災報知器を用意しなければならないという問題があった。このため、住宅用火災報知器の製造者は二種類の警報器の製造を必要とし、生産性の低下を余儀なくされるという不都合があった。
また、電池を用いるタイプについては、やはりこれらとは別に製造する必要があった。
本発明は、生産性の高い住宅用火災報知器及び火災報知システムを提供することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、火災を検知してその報知を行う火災報知手段を格納する本体と、前記火災報知手段に電源を供給する電源部を収納可能であって火災検知箇所に設置され、所定の取付構造により前記本体を着脱可能とする取付ベースと、からなり
前記取付ベースは、外部から交流電源の入力を受ける外部電源入力端子(31)と、前記電源部から前記本体側に電源出力を行う内部電源出力端子(32)と、外部へ電源を出力可能な外部電源入出力端子(33)と、を備え、
前記本体は、前記取付ベースの前記内部電源出力端子に対応する配置で前記火災報知手段への電源を受ける内部電源入力端子(42)を備え、
前記電源部は、前記外部から入力される交流電源を直流電源に変換し、変換した直流電源を前記内部電源出力端子(32)および前記外部電源入出力端子(33)へ出力可能であり、
親器となるべき火災報知器は、前記取付ベースに前記電源部が収納され、
子器となるべき火災報知器は、前記取付ベースに前記電源部が収納されず、
親器と子器は、前記本体が同一形状、同一構造である、という構成を採っている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記外部電源入出力端子と前記内部電源出力端子とを接続する配線(22A)を備えている、という構成を採っている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記火災報知手段は、火災を検出した場合に火災検知信号を出力する出力手段(16)を備え、前記本体は、火災検知信号を出力可能な第1端子(41)を備え、前記取付ベースは、前記第1端子と接続され前記火災検知信号を伝達可能な第2端子(36)および火災検知信号を外部へ出力可能な第3端子(38)を備える、という構成を採っている。
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記本体は、前記火災報知手段が火災を検出した場合に作動する警報手段(12)と、状態を表示する表示手段(13)とを備える、という構成を採っている。
請求項5記載の発明は、請求項2に記載の火災報知器を複数個備えた火災報知システムであって、前記取付ベースに前記電源部が収納されている火災報知器の前記外部電源入出力端子に、前記取付ベースに前記電源部が収納されていない火災報知器の前記外部電源入出力端子が外部配線(L1)によって接続されている、という構成を採っている。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記取付ベースに前記電源部が収納されていない火災報知器を複数備え、当該複数の火災報知器の外部電源入出力端子を、前記取付ベースに前記電源部が収納されている1つの火災報知器の外部電源入出力端子に対して並列に接続する、という構成を採っている。
請求項1記載の発明は、取付ベースと本体とが分離可能であって、電源部は取付ベース側に、火災検知手段は本体側に設けられているので、例えば、親器と子器の場合のように、電源の供給方式が異なる各種の火災報知器を生産する場合(例えば、電源部を有する親器と有さない子器の場合や電源部が交流を使用するものと直流を使用するものである場合など)において、取付ベース側の電源部のみを異なる電源の供給方式のものに交換すれば足り、本体側の構成はそのまま共通化することが可能である。
従って、電源の供給方式が異なる火災報知器を生産する場合に、それぞれを別々に一から生産する必要がなく、また、改造、転用の容易化を図ることができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
また、設置現場において火災報知器を交換するような場合には、取付ベースはそのままとし、本体側のみを交換すればよい。
請求項2記載の発明は、取付ベースに電源部が収納されていない火災報知器(子器)においては、外部電源入出力端子より取付ベースに電源部が収納されている火災報知器(親器)からの電源を受け、内部電源出力端子より本体側の火災報知手段へ電源を供給することが可能となる。
請求項3記載の発明は、火災報知手段が火災を検出した場合に火災検知信号を外部へ出力することが可能となる。
請求項4記載の発明は、本体が火災を検出した場合に作動する警報手段と内部状態を表示する表示手段とを備えるので、単独で火災の検知と報知を行うことができる。
請求項5記載の発明は、子器である火災報知器の電源部を不要とし、親器と子器とで、本体側の構成を共通化して生産することができるので、電源部の必要個体数低減と本体側の構成の共通化とにより飛躍的に生産性を向上することが可能な火災報知システムを提供することが可能となる。
特に、電源部が交流を直流に替えて出力する構成の場合には、高価となりがちな電源部を共用して複数の火災報知器で使用することができるので、火災報知器を複数備える火災報知システムを安価に提供することが可能となる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明と同様の効果を有すると共に、親器から複数の子器に容易に電源供給を行うことが可能となる。
(火災報知システムの全体構成)
本発明の実施形態である火災報知システム100について図1乃至図3を参照して説明する。図1は住宅に設置された状態の火災報知システム100を示す概略図、図2は火災報知システムの構成図である。
火災報知システム100は、主に、住宅の随所(例えば各部屋)の屋内の天井や壁面に設置され、火災により生じる煙や熱を感知することで警報による報知を行う親器と子器とからなる複数の火災報知器1,2と、これらの火災報知器1,2を接続する電源供給配線L1及び連動信号配線L2とから構成される。
そして、上記親器としての火災報知器1は家庭用100[V]の交流電源より電源供給配線L3を介して電源供給を受けて直流電源に変え、電源供給配線L1を介して子器としての火災報知器2に直流電源の供給を行うものである。
以下、各構成について詳細に説明することとする。
(親器としての火災報知器)
親器としての火災報知器1は、火災を検知してその報知を行う火災報知手段10と、外部から入力される交流電源を直流電源に変えて出力する電源部20と、電源部20を保持すると共に屋内天井或いは壁面等の火災検知箇所に設置される取付ベース30と、火災報知手段10を格納すると共に所定の取付構造により取付ベース30に対して着脱可能とする本体40とを備えている。
火災報知手段10は、火災により生じる煙や熱の検出を行う検出部11と、周囲に警報音を発生する警報部としての警報ブザー12と、火災報知器1の各種の状態を点灯により表示する表示部としての表示ランプ13と、火災報知器1の動作試験の実行を指示入力するためのスイッチ部としての試験スイッチ14と、警報ブザー12と表示ランプ13との動作制御を行う制御部15と、他の火災報知器2に対する火災検知信号(連動信号)の送受を行う連動部16とを備えている。
検出部11は、当該検出部11が煙を検出するタイプの場合を説明すると、発光ダイオード等の発光素子とフォトトランジスタ等の受光素子とをラビリンス構造の暗箱内に設け、煙が暗箱内に侵入すると発光素子からの照射光の散乱光が受光素子により検出されて煙検知を行うものである。受光素子による散乱光の検出信号は制御部15に出力されるように接続されている。また、検出部11が熱を検出するタイプの場合には、感熱センサやバイメタル素子を備え、検出部11が所定温度以上になると検出信号が制御部15に出力されるように接続されている。
なお、この検出部11は本体40の内部に配置され、本体40の正面側に設けられた開口部から侵入する煙を検知するようになっている。
警報ブザー12は、圧電振動板に圧電素子が密着状態で設けられており、制御部15から圧電素子に通電が行われることで振動し、ブザー音を発生する。この警報ブザー12は本体40の正面側に設けられた放音開口部からブザー音を発するようになっている。
表示ランプ13は、制御部15に接続された例えばLED等の発光素子であり、本体40の正面側に設けられ、その表示すべき内容に応じて点灯、消灯或いは点滅等を行うようになっている。
試験スイッチ14は、本体40の正面側に設けられた押下式のスイッチであり、押下操作を受けると、火災報知手段10の動作試験の実行信号を制御部15に入力する。また、警報音の停止スイッチも兼ねている。
連動部16は、他の火災報知器2に対する火災検知信号の送受を行う信号送受信回路であり、平常には所定の平常状態の信号を出力し、火災検知時には平常時と異なる火災検知信号の出力を行う。例えば、平常時信号と電圧レベルが異なる火災検知信号を出力したり、火災検知信号のみパルス信号に切り替えたり、平常時信号と火災検知信号の双方をパルス信号として互いに周波数を異ならせて出力する。
また、連動部16は、他の火災報知器2から平常時信号と異なる信号を受信すると制御部15に対して火災検知信号の受信を入力する。
また、連動部16は、本体40の取付ベース30に対する合わせ面40a側に設けられた内部信号入出力部としての二つの内部信号入出力端子41,41と接続され、これら内部信号入出力端子41,41から取付ベース30を介して他の火災報知器2との信号の送受を行うようになっている。
制御部15は、例えばマイコンから構成され、各種の制御を行う。
制御部15は、検出部11の受光素子の検出信号を監視し、火災による煙又は熱の発生を示す検出信号が得られると、警報ブザー12に通電してブザー音を発生させる制御を行うと共に、通常時は消灯させたままの表示ランプ13を点滅させる制御を行う。
また、制御部15は、試験スイッチ14の押下を検出した場合には、試験用の検出信号を発生させ、警報ブザー12に通電してブザー音を発生させると共に表示ランプ13を点滅させる制御を行う。また、ブザー音の発生状態で試験スイッチ14の押下を検出すると警報ブザー12のブザー音を停止させる制御を行う。
さらに、制御部15は、連動部16から他の火災報知器2による火災検知信号の受信が入力されると、警報ブザー12に通電してブザー音を発生させる制御を行う。このとき、表示ランプ13は点滅状態に切り替えずに消灯状態を維持させる制御を行う。これにより、他の火災報知器2での検出に基づく報知であって、火元が当該火災報知器1ではないことを視覚的に外部から認識させることができる。
また、制御部15は、本体40の取付ベース30に対する合わせ面40a側に設けられた内部電源入力部としての二つの内部電源入力端子42,42と接続され、これら内部電源入力端子42,42を通じて取付ベース30側から直流電源の供給を受けて上記各処理を実行するようになっている。
電源部20は、トランス21を備え、家庭用交流電源100[V]の入力を受けて火災報知手段10に要する所定電圧の直流電源を出力するブリッジ型整流回路であり、取付ベース30の内部に配置されている。かかる電源部20は、取付ベース30の取付を行う住宅壁面に対向する取付面30a側に設けられた外部電源入力部としての外部電源入力端子31,31から家庭用交流電源の入力を受ける。
さらに、電源部20は、取付ベース30の本体40に対する合わせ面30b側に設けられた内部電源出力部としての二つの内部電源出力端子32,32と取付面30a側に設けられた外部電源出力部としての外部電源出力端子33,33とに接続され、火災報知手段10への直流電源の供給を行う。なお、内部電源出力端子32,32は当該火災報知器1の火災報知手段10への電源供給用であり、外部電源出力端子33,33は他の火災報知器2の火災報知手段10への電源供給用である。
図3(A)は火災報知器1の正面を下方に向けた状態の斜視図であり、図3(B)は取付ベース30と本体40とを分離させた状態を示す斜視図である。
本体40と取付ベース30とは、それぞれ略円盤状を呈しており、互いの円形の合わせ面40a,30bを密接させた状態で結合されるようになっている。
本体40は、正面側(合わせ面40aとは逆側の面)中央部が凸状に形成されると共に当該正面側に前述した検出部11、警報ブザー12、表示ランプ13及び試験スイッチ14が内部から配置されている。
そして、本体40の合わせ面40a側には、内部信号入出力端子41,41と、内部電源入力端子42,42とが突出した状態で設けられている。
上記各内部電源入力端子42は、互いにその先端部が直角に屈曲している。一方、取付ベース30の取付面30bには、各内部電源入力端子42の屈曲部を挿通可能な二つの貫通穴34aと当該各貫通穴34aに連なる円弧状のスリット34bとが形成されている。そして、各貫通穴34aに各内部電源入力端子42の屈曲部を挿入して、本体40を回転させると、各スリット34bに内部電源入力端子42が入り込み、屈曲部が取付ベース30に対して本体40が結合させる。分離させるときには結合時と逆方向に本体40を回転操作すればよい。
つまり、各内部電源入力端子42と各貫通穴34a及びスリット34bとにより、取付ベース30と本体40とを着脱可能とする取付構造が構成されている。
また、取付ベース30の合わせ面30bには、各内部電源入力端子42による取付ベース30と本体40の連結時に、各内部信号入出力端子41が挿入される二つのスリット35も形成されており、当該各スリット35も取付ベース30と本体40の着脱時の回転操作に支障のないように円弧状に形成されている。
取付ベース30は、その合わせ面30bに設けられた各スリット34bの内側に前述した内部電源出力端子32,32が設けられており、取付ベース30と本体40とを連結するための回転操作により各内部電源入力端子42,42に接続されるように配置されている。つまり、取付ベース30に本体40を取り付けると火災報知手段10に電源が供給されるようになっている。
また、同様にして、取付ベース30の合わせ面30bに設けられた各スリット35の内側に前述した内部信号入出力端子41,41と接続するための二つの信号伝達端子36,36が設けられており、各信号伝達端子36は取付ベース30と本体40とを連結するための回転操作により各内部信号入出力端子41に接続されるように配置されている。
さらに、これら各信号伝達端子36,36は、取付ベース30の取付面30a側に設けられた二つの外部信号入出力端子38,38に伝達配線37,37を介してそれぞれ接続されている。つまり、火災報知手段10の連動部16による火災検知信号の送受は、取付ベース30を通過して各外部信号入出力端子38,38により行われる。
上記取付ベース30は、その取付面30aを住宅壁面或いは天井面に密接させた状態でネジ止め或いは接着等の公知の手法で取付が行われる。
そして、取付ベース30の取付面30aに設けられた外部電源入力端子31,31には、壁面内或いは天井内を通された家庭用交流電源を供給する配線L3が接続されている。
また、取付面30aに設けられた外部電源出力端子33,33には、壁面内或いは天井内を通された電源供給配線L1が接続されている。かかる電源供給配線L1は、複数の子器である火災報知器2の各外部電源入力端子31A,31Aに並列に接続され、一つの親器である火災報知器1から複数の子器である火災報知器2に同時に直流電源を供給するようになっている。
また、取付面30aに設けられた外部信号入出力端子38,38には、壁面内或いは天井内を通された連動信号配線L2が接続されている。
(子器としての火災報知器)
子器としての火災報知器2は、図2に示すように、親器である火災報知器1と等しい火災報知手段10と、親器である火災報知器1から供給される直流電源を火災報知手段10に伝達する電源伝達部20Aと、電源伝達部20Aを保持すると共に屋内天井或いは壁面等の火災検知箇所に設置される取付ベース30Aと、親器である火災報知器1と等しい本体40とを備えている。
子器としての火災報知器2については、親器である火災報知器1と異なる構成についてのみ説明する。
取付ベース30Aは、その構造については前述した取付ベース30と等しく、信号伝達端子36,36,伝達配線37,37及び外部信号入出力端子38,38を備える点と、合わせ面30Abに貫通穴34a,34a,スリット34b,34b及びスリット35,35が形成されている点も同じである。
そして、この取付ベース30Aには、電源部20に替えて電源伝達部20Aが設けられている点が取付ベース30と異なっている。この電源伝達部20Aは、取付ベース30Aの取付面30Aaに設けられ、外部から直流電源の供給を受ける外部電源入力部としての外部電源入力端子31A,31Aと、取付ベース30Aと本体40との連結時に内部電源入力端子42,42に接続される内部電源出力端子32,32と、各外部電源入力端子31A,31Aと各内部電源出力端子32,32とを個別に接続する伝達配線22A,22Aとを備えている。
(火災報知システムの報知動作)
上記構成により、親器である火災報知器1は、その電源部20に対して外部から家庭用交流電源が外部電源入力端子31,31を介して供給され、当該電源部20は交流を整流して直流電源として内部電源出力端子32,32及び外部電源出力端子33,33から出力する。
内部電源出力端子32,32には内部電源入力端子42,42が接続され、ここから親器の火災報知手段10に対して直流電源の供給が行われて火災の監視状態となる。これ以降、検出部11で煙が検知されると、制御部15により警報ブザー12が鳴動されると共に連動部16から火災検知信号が出力される。この火災検知信号は、内部信号入出力端子41,41、信号伝達端子36,36、伝達配線37,37及び外部信号入出力端子38,38と連動信号配線L2を介して他の各火災報知器2へ伝えられる。
また、複数ある子器である火災報知器2は、いずれも、親器である火災報知器1から電源供給配線L1を介して各外部電源入力端子31A,31Aに直流電源が供給される。そして、各外部電源入力端子31A,31Aから伝達配線22A,22A、内部電源出力端子32,32及び内部電源入力端子42,42を介して子器の火災報知手段10に対して直流電源の供給が行われて火災の監視状態となる。これ以降、検出部11で煙が検知されると、制御部15により警報ブザー12が鳴動されると共に連動部16から火災検知信号が出力される。この火災検知信号は、内部信号入出力端子41,41、信号伝達端子36,36、伝達配線37,37及び外部信号入出力端子38,38と連動信号配線L2を介して他の各火災報知器1,2へ伝えられる。
(火災報知システムの効果)
火災報知システム100は、親器である火災報知器1と子器である火災報知器2とがいずれも取付ベース30,30Aに対して本体40を着脱可能とし、且つ親器の火災報知器1から各子器の火災報知器2へ直流電源を供給可能としたので、各子器である火災報知器2の電源部を不要とし、親器1と子器2とで、本体40及び火災報知手段10を共通化して生産することができるので、電源部20の必要個体数低減と本体40側の構成の共通化とにより飛躍的に生産性を向上することが可能となる。
特に、電源部20は交流を直流に替えて出力するので、高価となりがちなブリッジ型整流回路の必要個体数を低減し、火災報知器1,2を複数備える火災報知システム100を安価に提供することが可能となる。
(その他の火災報知器の例)
図4は乾電池或いは蓄電池等のバッテリーBの保持部を取付ベース30Bに設け、当該バッテリーBを電源部とした火災報知器3の例を示す構成図である。かかる火災報知器3について前述した火災報知器1と異なる構成についてのみ説明し同一の構成は同符号を伏して重複する説明は省略することとする。
上記火災報知器3は、取付ベース30Bの電源部20に替えてバッテリーBを搭載し、内部電源出力端子32,32から火災報知手段10Bに直流電源を供給する。従って、取付ベース30Bには外部電源入力端子31,31は設けられていない。
一方、バッテリーBは時を経て消耗するので、火災報知手段10Bには、バッテリーBの電圧監視部17Bが設けられている。この電圧監視部17Bは、バッテリーBの消耗を示す電圧まで低下するとその検出信号を制御部15Bに入力するようになっている。
制御部15Bは、制御部15と同じ制御機能を有すると共に、電圧監視部17BからのバッテリーBの消耗検出信号の入力により、表示ランプ13の点滅、警報ブザー12による警告音の鳴動或いはこれら双方を実行させる制御を行う。なお、表示ランプ13の点滅周期や警報ブザー12の音量、音調、鳴動周期等は火災報知時とは異なるものとする。
上記のように、火災報知器3は、電源部にバッテリーBを使用するため、家庭用交流電源を供給する場合と比較して配線等の設備やその設置作業を不要とすることができ、設置コストの低減を図ることが可能となる。
また、上記火災報知器3は、取付ベース30Bと本体40Bとが分離可能であると共に、本体40B側の構成を電源供給方式が異なる他の取付ベース(例えば取付ベース30,30A)に接続することもできるため、各種の電源供給方式の火災報知器を製造する場合に、本体40B側の構成について統一化を図ることが可能となり、生産性を向上することが可能となる。
なお、バッテリーBの出力と容量を十分に確保可能であれば、取付ベース30Bに外部電源出力端子33,33を設け、火災報知器3を親器として他の子器に電源供給を行う火災報知システムを構築しても良い。その場合、親器と子器とで本体40Bに共通化を図ることが望ましい。
(その他)
なお、各火災報知器1,2,3の検出部11は火災による煙を検知するものであるが、これに限定されず、他の火災要因を検知するもの(例えば、熱検知を行う)であっても良い。
また、各火災報知器1,2,3はいずれも、内部電源入力端子42,42と貫通穴34a、スリット34bにより取付ベース30、30A、30Bと本体40、40Bとを着脱可能とする取付構造が構成されているが、内部電源入力端子42,42を連結するための手段として使用せずに、他の専用の連結手段を設けても良いことはいうまでもない。
また、各火災報知器1,2,3について連動部16は二線式としているが単線式としても良い。
また、火災報知システム100には親器を複数設けても良い。
住宅に設置された状態の火災報知システムを示す概略図である。 火災報知システムの構成図である。 図3(A)は火災報知器の正面を下方に向けた状態の斜視図であり、図3(B)は取付ベースと本体とを分離させた状態を示す斜視図である。 バッテリーを電源部とした火災報知器の例を示す構成図である。
符号の説明
1 火災報知器(親器)
2 火災報知器(子器)
3 火災報知器
10,10B 火災報知手段
17B 電圧監視部
20 電源部
20A 電源伝達部
21 トランス
30,30A,30B 取付ベース
30a 取付面
31 外部電源入力端子(外部電源入力部)
31A 外部電源入力端子(外部電源入力部)
32 内部電源出力端子(内部電源出力部)
33 外部電源出力端子(外部電源出力部)
34a 貫通穴
34b スリット
36 信号伝達端子
38 外部信号入出力端子
40,40B 本体
41 内部信号入出力端子(内部信号入出力部)
42 内部電源入力端子(内部電源入力部)
100 火災報知システム
B バッテリー

Claims (6)

  1. 火災を検知してその報知を行う火災報知手段を格納する本体と、
    前記火災報知手段に電源を供給する電源部を収納可能であって火災検知箇所に設置され、所定の取付構造により前記本体を着脱可能とする取付ベースと、
    からなり
    前記取付ベースは、外部から交流電源の入力を受ける外部電源入力端子と、前記電源部から前記本体側に電源出力を行う内部電源出力端子と、外部へ電源を出力可能な外部電源入出力端子と、を備え、
    前記本体は、前記取付ベースの前記内部電源出力端子に対応する配置で前記火災報知手段への電源を受ける内部電源入力端子を備え、
    前記電源部は、前記外部から入力される交流電源を直流電源に変換し、変換した直流電源を前記内部電源出力端子および前記外部電源入出力端子へ出力可能であり、
    親器となるべき火災報知器は、前記取付ベースに前記電源部が収納され、
    子器となるべき火災報知器は、前記取付ベースに前記電源部が収納されず、
    親器と子器は、前記本体が同一形状、同一構造であることを特徴とする火災報知器。
  2. 前記外部電源入出力端子と前記内部電源出力端子とを接続する配線を備えていることを特徴とする請求項1に記載の火災報知器。
  3. 前記火災報知手段は、火災を検出した場合に火災検知信号を出力する出力手段を備え、
    前記本体は、火災検知信号を出力可能な第1端子を備え、
    前記取付ベースは、前記第1端子と接続され前記火災検知信号を伝達可能な第2端子および火災検知信号を外部へ出力可能な第3端子を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の火災報知器。
  4. 前記本体は、前記火災報知手段が火災を検出した場合に作動する警報手段と、状態を表示する表示手段とを備えることを特徴とする請求項1,2又は3記載の火災報知器。
  5. 請求項2に記載の火災報知器を複数個備えた火災報知システムであって、
    前記取付ベースに前記電源部が収納されている火災報知器の前記外部電源入出力端子に、前記取付ベースに前記電源部が収納されていない火災報知器の前記外部電源入出力端子が外部配線によって接続されていることを特徴とする火災報知システム。
  6. 前記取付ベースに前記電源部が収納されていない火災報知器を複数備え、当該複数の火災報知器の各外部電源入出力端子を、前記取付ベースに前記電源部が収納されている1つの火災報知器の外部電源入出力端子に対して並列に接続したことを特徴とする請求項5に記載の火災報知システム。
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