JP4895496B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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本発明はポリアセタール樹脂と特定の炭酸カルシウムを配合してなる、剛性、強度、靭性、耐熱性などの機械的特性のバランスに優れた樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂はその優れた剛性、強度、靭性、耐疲労性、耐薬品性及び摺動性、耐熱性等に優れ、且つその加工性が容易であることから、エンジニアリングプラスチックスとして、電気機器や電気機器の機構部品、自動車部品及びその他の機構部品を中心に広範囲にわたって用いられている。
近年、各部品の軽量化や小型化の要求から、ポリアセタール樹脂のもつ従来の特徴を活かしつつ、さらに剛性や強度、耐熱性といった機械的特性の向上が求められつつある。そこで、一般的な手法として、ポリアミド等他のエンジニアリングプラスチックスの場合と同様に、ガラス繊維やタルク、ウワラストナイト、炭素繊維などといった無機フィラーを配合してその機械的特性の向上が図られている。しかしながらポリアセタール樹脂の場合、ガラス繊維や無機フィラーを配合した場合、剛性、強度、耐熱性の改良には効果があるものの、外観が低下する傾向にあり、またポリアセタール樹脂の特徴である摺動性や耐疲労性、さらには靭性が著しく損なわれる場合があり、効果的な手法とはいえなかった。
そこで、ポリアセタール樹脂と特定の表面処理を施された炭酸カルシウム又はタルクからなる樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。この結果、従来の無機フィラーを配合した場合に生じていた靭性の低下を抑え、かつ表面の光沢を抑えることが可能となった。しかしながら、剛性、耐疲労性の観点では効果的な手法とはいえなかった。また、ポリアセタール樹脂に、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属に特定の接着促進剤を添加した樹脂組成物も開示されている(特許文献2)。該組成物では、衝撃性の改良がなされているものの、剛性や強度の観点では効果的な手法とはいえなかった。さらに、ポリアセタール樹脂と特定の粒径、形状を有する炭酸カルシウムおよび飽和脂肪酸またはその金属塩からなる組成物(特許文献3)が開示されているが、該組成物では靭性を比較的維持しながら剛性を改良してはいるものの、曲げや引っ張り強度が著しく減少するといった現象がおき、問題となる場合があった。
その他、ポリアセタール樹脂と特定の粒径を有する炭酸カルシウム等の無機粉末および特定の脂肪酸エステルからなる摺動部材用ポリアセタール樹脂組成物(特許文献4)や、ポリアセタール樹脂に特定の添加剤、マグネシウム又はカルシウムの酸化物又は炭酸塩を配合してなる熱安定性に優れた組成物(例えば特許文献5)が開示されいてるが、剛性、靭性などの機械的特性を向上させるのには十分でないことがわかった。
この問題を解決すべく、微細シリカや層状ケイ酸塩といった微細な無機フィラーをポリアセタール樹脂に配合する手法が開示されている(例えば特許文献6から9)。しかしながら、剛性、強度、耐熱性、摺動性などの改良に効果があるものの、靭性が損なわれる傾向にあり、電気機器や電気機器の機構部品、自動車部品によっては靭性が十分でないという問題があった。
このように従来技術では、ポリアセタール樹脂の特徴である摺動性、耐薬品性、耐疲労性を保持しつつ、剛性、強度、靭性、耐疲労性、耐熱性等をバランスよく有することが困難であり、このようなポリアセタール樹脂組成物が望まれている。
特許第2140744号公報 特許第1662366号公報 特表2004−506772号公報 特許第2126313号公報 特開平7−62199号公報 特開平11−130933号公報 特開2000−129080号公報 特開2000−336241号公報 特許第3140502号公報
本発明は、ポリアセタール樹脂と特定の炭酸カルシウムを配合してなる、剛性、強度、靭性、耐熱性などの機械的特性のバランスに優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂と特定の炭酸カルシウムを配合することによって、剛性、強度、靭性、耐熱性などの機械的特性のバランスに優れること見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、炭酸カルシウム(B)をシリカ系またはチタン系カップリング剤(C)によって表面処理が施した、平均粒径が0.01μm〜1.0μmであり、かつ粒子の平均長径(L)と粒子の平均短径(d)の比である平均アスペクト比(L/d)が3未満であるカップリング剤処理済炭酸カルシウム(D)0.01〜100質量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物、
(2)炭酸カルシウム(B)が軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする上記(1)記載のポリアセタール樹脂組成物、
(3)炭酸カルシウム(B)が 平均粒径0.01μm〜1.0μmであり、かつ粒子の平均長径(L)と粒子の平均短径(d)の比である平均アスペクト比(L/d)が3未満であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のポリアセタール樹脂組成物、
(4)炭酸カルシウム(B)が、BET比表面積において、6〜200m/gであることを特徴とする上記(1)から(3)いずれか記載のポリアセタール樹脂組成物、
(5)カップリング剤(C)がアミノシラン系カップリング剤であることを特徴とする上記(1)から(4)いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物、
(6)カップリング剤(C)が下記一般式であることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物、
(RO)SiR2mNHCNH
または (RO)SiR2mNH
およびこれらの重縮合体
ここで、l+m=3、l、m、は0から3から選ばれる数であり、R、Rは水素または、飽和、不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基には官能基が導入されていても良い、
(7)炭酸カルシウム(B)のBET吸着量より算出される比表面積をX(m/g)、その質量をX、カップリング剤(C)の最小被覆面積をY(m/g)、その質量をYとしたときに、表面被覆率%=(Y /X )*100が0より大きく200%以下であることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物、
である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、剛性、強度、靭性、耐熱性などの機械的特性のバランスに優れる効果を有する。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明で用いられるポリアセタール樹脂(A)は、公知のポリアセタール樹脂であって特に限定されるものではない。例えば、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみから成るポリアセタールホモポリマーや、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコールやジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させて得られたポリアセタールコポリマーを挙げることができる。ここで、ポリアセタールコポリマーのうち、より剛性、靭性、耐熱性のバランスに優れるといった観点から、好ましい1,3−ジオキソラン等のコモノマーの添加量は、トリオキサン1molに対して0.1〜60mol%であり、より好ましくは0.1〜20mol%であり、もっとも好ましくは0.15〜10mol%である。
また、ポリアセタールコポリマーとして、単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有する分岐型ポリアセタールコポリマーや、多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有する架橋型ポリアセタールコポリマーも用いることができる。さらに、両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するブロック型ポリアセタールホモポリマーや、同じく両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテルや環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するブロック型ポリアセタールコポリマーも用いることができる。本発明において、上記ポリアセタール樹脂は一種類、もしくは二種類以上の混合物で用いても差し支えない。
上記ポリアセタール樹脂のうち、剛性、靭性、熱安定性のバランスに優れるといった観点から、ポリアセタール樹脂(A)としては、コモノマー成分がランダムに結合したランダム型、ブロック型、分岐型または架橋型のポリアセタールコポリマーおよびこれらの混合物が好ましく、さらにコストの観点からランダム型、ブロック型のポリアセタールコポリマーがより好ましい。
本発明において、ポリアセタール樹脂(A)の製造方法は公知のポリアセタール樹脂の製造方法をとることができ、特に限定されるものではない。例えば、前記ポリアセタールホモポリマーの場合、高純度のホルムアルデヒドを有機アミン、有機あるいは無機の錫化合物、金属水酸化物のような塩基性重合触媒を含有する有機溶媒中に導入して重合し、重合体を濾別した後、無水酢酸中、酢酸ナトリウムの存在下で加熱してポリマー末端をアセチル化して製造する方法をあげることができる。また、前記ポリアセタールコポリマーの場合、高純度のトリオキサンおよび、エチレンオキシドや1,3−ジオキソランなどの共重合成分、分子量調整用の連鎖移動剤をシクロヘキサンのような有機溶媒中に導入し、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体のようなルイス酸等の重合触媒を用いてカチオン重合した後、触媒の失活と末端基の安定化をおこなうことによる製造法、あるいは溶媒を全く使用せずに、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混錬機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押出混錬機の中へトリオキサン、共重合成分、分子量調整用の連鎖移動剤および触媒を導入して塊状重合した後さらに水酸化コリン蟻酸塩等の第4級アンモニウム化合物を添加して不安定末端を分解除去して製造する方法等をあげることができる。
上記ポリアセタール樹脂のメルトフローインデックスMFI(ASTM−D1238で測定)は特に限定されるものではないが、加工性の観点から、好ましくは0.1g/10分〜150g/10分、さらに好ましくは0.5g/10分〜130g/10分、最も好ましくは1g/10分〜100g/10分である。
本発明で用いられる炭酸カルシウム(B)は、公知の炭酸カルシウムであって特に限定されるものではなく、例えば一般に知られている、炭酸カルシウムの結晶形態として、カルサイト、アラゴナイト、バテライトのいずれであってもよく、また製法においても、天然に存在する重質炭酸カルシウムや人工的な合成法によって得られる軽質炭酸カルシウム(またはコロイド状炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、活性炭酸カルシウム等で呼ばれることもある)であってもよい。一般に、軽質炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムと異なり、表面相の一部に若干の水酸基等の活性点を有することがフーリエ赤外分光法によって確認される場合もあるが、本発明においてはなんら制限されるものではない。
上記炭酸カルシウムにおいて、その表面がカップリング剤によって有効に処理を施すことができ、さらに得られるカップリング処理済炭酸カルシウムを樹脂に添加した際にその補強効果が高いといった観点から、好ましい炭酸カルシウムとしては軽質炭酸カルシウムをあげることができ、同様に結晶形態としてはカルサイトであることが好ましい。
本発明で用いられる炭酸カルシウム(B)において、好ましい炭酸カルシウムの平均粒径は0.01〜1.0μmであり、さらに好ましくは0.05〜0.6であり、最も好ましくは0.10〜0.40μmである。かつ、好ましい粒子の平均長径(L)と粒子の平均短径(d)の比である平均アスペクト比(L/d)は3未満であり、さらに好ましくは2以下であり、もっと好ましくは1.5以下である。上記範囲内であれば本発明で得られるポリアセタール樹脂組成物の機械的特性のバランスに優れる傾向にある。
ここで、本発明では炭酸カルシウムの粒子のうち、最も長い軸の長さを長径、それと対応する最も短い軸の長さを短径と定義して用いる。また、平均粒径、平均長径、平均短径、平均アスペクト比とは、単位体積中に長径L、短径dの炭酸カルシウムがN個存在するとき、
平均粒径=平均長径=ΣL /ΣL
平均短径=Σd /Σd
平均アスペクト比L/d=(ΣL /ΣL)/(Σd /Σd
と定義して用いる。より具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて検査する炭酸カルシウムのサンプリングを行い、これを用いて粒子像を倍率1千倍から5万倍で撮影し、無作為に選んだ最低100個の炭酸カルシウムの粒子からそれぞれ長さを測定し求める。
また、本発明で用いられる炭酸カルシウム(B)において、好ましい比表面積は、BET吸着法において、6〜200m/gであり、さらに好ましくは8〜100m/gであり、もっと好ましくは10〜20m/gである。上記範囲内であれば、カップリング剤による処理が容易であり、さらに樹脂と混練した際、適度な樹脂とのぬれ、なじみ、接着性を有し、さらに分散性に優れ、ポリアセタール樹脂の機械的特性のバランスに優れる傾向にある。
本発明で用いられるカップリング剤(C)は、シリカ系、チタン系のカップリング剤であれば公知のカップリング剤を用いることができる。
シリカ系カップリング剤としては下記一般式で表すことができる。
(RO)SiR2m3n およびこれらの重縮合体
(ここで、l+m+n=4、l、m、nは0から4から選ばれる数であり、R、R、Rは水素または、飽和、不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基には官能基が導入されていも良い。さらに、(RO)においては、Cl等のハロゲンであってもよい。)
前記炭化水素基としては、炭素数1〜10を有するものが好ましく、炭素数1〜6を有するものがより好ましい。特に、好ましいものは、例えば、R、Rとしては、メチル、エチル、フェニル基をあげることができ、Rは、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基を有するアルキル基をあげることができる。
より具体的には、アルキル系としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等、ビニル系としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等、エポキシ系としては、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等、スチリル系としては、p−スチリルトリメトキシシラン等、メタクリロキシ系としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシ系としては、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等、アミノ系としては、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等、ウレイド系としては、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等、クロロプロピル系としては、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等、メルカプト系としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等、スルフィド系としては、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピル)−テトラサルファン等、イソシアネート系としては、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等などをあげることができる。これらのシランカップリング剤としては、結合の一部が加水分解、脱水縮合して生じる2個以上の重縮合体であってもよい。また2種類以上のものを併用、重縮合させて用いても差し支えない。
チタン系カップリング剤としては、下記一般式で表されることができる。
(RO)TiR5m6n およびこれらの重縮合体
(ここで、l+m+n=4、l、m、nは0から4から選ばれる数であり、R、R、Rは水素または、飽和、不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基には官能基が導入されていも良い。)
前記炭化水素基としては、炭素数1〜10を有するものが好ましく、炭素数1〜6を有するものがより好ましい。特に好ましいものは、例えば、Rとしては、イソプロポキシル、n−ブトキシ基をあげることができ、R、Rは、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基を有するアセトナト、アミナト基をあげることができる。
より具体的には、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、イソプロポキシチタントリイソステアレート、イソプロポキシチタンジメタクリレートイソステアレート、イソプロポキシチタントリドデシルベンゼンスルホネート、イソプロポキシチタントリスジオクチルフォスフェート、イソプロポキシチタントリN−エチルアミノエチルアミナト、チタニウムビスジオクチルピロフォスフェートオキシアセテート、ビスジオクチルフォスフェートエチレングリコラトチタン、テトライソプロポキシチタンビスジオクチルフォスファイト、ジn−ブトキシビストリエタノールアミナトチタン等をあげることができる。これらのシランカップリング剤は、結合の一部が加水分解、脱水縮合して生じる2個以上の重縮合体であってもよい。また2種類以上のものを併用、重縮合させて用いても差し支えない。
これらのうち、コスト的な観点から好ましいカップリング剤としては、シリカ系カップリング剤が好ましく、さらにカップリング剤自身の化学的安定性や表面処理を施す際のハンドリングのよさ、実際に表面処理済炭酸カルシウムをポリアセタール樹脂と混練して得られる樹脂組成物における機械的特性のバランスに優れるといった観点から、第一級または第二級、第三級アミンのいずれか一つを含むアミノシラン系カップリング剤が好ましく、さらに下記一般式で表されるアミノシラン系カップリング剤が最も好ましい。
(RO)SiR2mNHCNH
または (RO)SiR2mNH およびこれらの重縮合体
(ここで、l+m=3、l、mは0から3までの数であり、R、Rは水素または、飽和、不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基には官能基が導入されていも良い。)
,Rが示す炭化水素基の好ましいものは、前記と同様である。
具体的な例としては、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
本発明で用いられる炭酸カルシウム(B)とカップリング剤(C)の量比は特に限定されるものではないが、好ましい量比として、下記式で定義される表面被覆率において、0より大きく200以下、さらに好ましくは30〜150、最も好ましくは50〜120である範囲を満たす量比をあげることができる。
表面被覆率%=(Y /X )*100
(ここで、炭酸カルシウム(A)のBET吸着量より算出される比表面積をX(m/g)、その質量をX(g)、カップリング剤(B)の最小被覆面積をY(m/g)、その質量をY(g)と定義する。)
上記範囲内であればカップリング処理された炭酸カルシウムをポリアセタール樹脂と混練した際、樹脂組成物の機械的特性のバランスに優れる。
ここで、シランカップリング剤の最小被覆面積とは、Stuart−brieglebの分子モデルから計算されるもので、下記式により求めることができる。
最小被覆面積(m/g)=(78.3×1000)/シランカップリング剤の分子量
本発明で用いられるカップリング剤処理済炭酸カルシウム(D)の製法としては、上記炭酸カルシウム(B)をカップリング剤(C)で表面処理することによって得られる。該表面処理の方法としては特に限定されるものではなく、公知の粉末表面処理方法を取ることができる。例えば、(a)炭酸カルシウム(B)を水等の溶媒に分散させたスラリーに対して、カップリング剤(C)原液、または水やアルコールなどの溶解溶液を攪拌しながら接触させる湿式処理法や、(b)炭酸カルシウム(B)粉末に対して、カップリング剤(C)原液、または水やアルコールなどの溶解溶液を添加してヘンシェルミキサー等で混合、攪拌しながら接触させる乾式処理法などをあげることができる。また、(c)樹脂の補強に用いる際、樹脂ペレットまたは樹脂粉末に対して、カップリング剤(C)を先に添加、付着させておき、その後炭酸カルシウム(B)を加えて二軸押し出し機等の溶融押し出し機にて炭酸カルシウムの表面処理および樹脂への混合、分散を同時におこなうインテグラルブレンド法を用いてもよい。
本発明で用いられるカップリング剤処理済炭酸カルシウム(D)は上記炭酸カルシウム(B)を上記カップリング剤(C)によって表面することによって得られるもののうち、平均粒径が0.01μm〜1.0μmであり、かつ粒子の平均長径(L)と粒子の平均短径(d)の比である平均アスペクト比(L/d)が3未満であるカップリング剤処理済炭酸カルシウムである。ここで、平均粒径、平均長径、平均短径、平均アスペクト比は前記炭酸カルシウム(B)の項で記述した定義、測定方法によるものである。このうち、好ましいカップリング処理済炭酸カルシウム(D)の平均粒径は0.03〜0.8μmであり、さらに好ましくは0.05〜0.6であり、最も好ましくは0.10〜0.40μmである。かつ、好ましい粒子の平均長径(L)と粒子の平均短径(d)の比である平均アスペクト比(L/d)は3未満であり、さらに好ましくは2以下であり、もっと好ましくは1.5以下である。上記範囲内であればポリアセタール樹脂に配合した際、分散性に優れ、樹脂組成物の機械的特性のバランスに優れる。一般に炭酸カルシウムは樹脂等と混練した場合、カップリング剤による表面処理の効果はほとんどないといわれている。これは、炭酸カルシウム表面にはカップリング剤と反応する水酸基がほとんど存在せず、カップリング剤が炭酸カルシウムと結合、接着しないため、結果的に樹脂等と炭酸カルシウムのぬれ、なじみ、接着性が向上しないためと解釈されている。しかしながら本発明のように、炭酸カルシウムの粒径、形状や、カップリング剤の種類、量を制御することによってポリアセタール樹脂への補強効果は非常に高くなる。本理由についてはいまのところ明らかではないが、カップリング剤同士が脱水縮合して生成した網目状のかご状化合物中に炭酸カルシウムがとりこまれた2層構造をとることによって、ポリアセタール樹脂、カップリング剤、炭酸カルシウムそれぞれのぬれ、なじみ、接着性が向上した結果であると推測している。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、カップリング処理済炭酸カルシウム(D)0.01〜100質量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物である。ここで、樹脂組成物の剛性、強度、靭性等の機械的物性バランスに優れるといった観点から好ましい配合量としては、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、カップリング処理済炭酸カルシウム(D)0.05〜80質量部であり、さらに好ましくは0.1〜50質量部であり、最も好ましくは5〜35質量部である。
本発明において、得られるポリアセタール樹脂組成物が、よりよい剛性、靭性のバランスを有するという観点から、樹脂組成物中のカップリング処理済炭酸カルシウム(D)が、最大凝集粒子径において好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下、最も好ましくは2μm以下、さらに最も好ましくは1.0μm以下で分散していることである。さらに理想的には炭酸カルシウムの平均粒径で単分散していることである。ここで、最大凝集粒径とは、樹脂組生物中のカップリング処理済炭酸カルシウム(D)の二次凝集をおこしている粒子の最大の大きさを表す。ここで、最大凝集粒子径は、樹脂組成物のペレットからASTMD638のTYPEI試験片を成形し、この試験片の中央部、樹脂流動方向に垂直な面の薄片をミクロトームなどによって切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)(例えば、写真倍率1.0万倍から5.0万倍の範囲で凝集の大きさに応じて選択)により観察し、その値の最大値を示す。
本発明のポリアセタール樹脂組成物の製造方法は、ポリアセタール樹脂(A)を溶媒に溶解させた後にカップリング処理済炭酸カルシウム(D)を添加、混合し、溶媒を除去する方法、ポリアセタール樹脂(A)の加熱溶融物にカップリング処理済炭酸カルシウム(D)を添加、混合する方法、予め作成したカップリング処理済炭酸カルシウム(D)をマスターバッチとして添加する方法、またはこれらを組み合わせた方法など特に限定されるものではない。これらのうち、生産性に優れる観点から好ましい製造方法としてはポリアセタール樹脂の加熱溶融物にカップリング処理済炭酸カルシウム(D)を添加、混合する方法、すなわち溶融混錬法をあげることができる。
上記溶融混練により製造する場合、その装置としては、一般に実用されている混練機が適用できる。例えば、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等を用いればよい。中でも、減圧装置、及びサイドフィーダー設備を装備した2軸押出機が最も好ましい。溶融混練の方法は、全成分を同時に混練する方法、あらかじめ予備混練したブレンド物を用いて混練する方法、更に押出機の途中から逐次、各成分をフィードし、混練する方法などをあげることができる。また、カップリング剤処理済炭酸カルシウム(D)をあらかじめ溶媒に分散させ、このスラリー状態で添加することも可能である。その場合、液体添加ポンプを用いてフィードすることも可能である。
ここで、溶融混練の条件は、特に制限されるものではないが、減圧度に関しては、0〜0.07Mpaが好ましい。混練の温度は、JISK7121に準じた示差走査熱量(DSC)測定で求まる融点又は軟化点より1〜100℃高い温度が好ましい。より具体的には180度から240度である。混練機での剪断速度は100(SEC-1)以上であることが好ましく、混練時の平均滞留時間は、1〜15分が好ましい。樹脂組成物中の溶媒は1質量%以下であることが好ましい。上記範囲内であれば、生産性に優れ、得られるポリアセタール樹脂組成物の変色を抑える傾向にあり、剛性、靭性、耐熱性、耐酸性にすぐれた樹脂組成物を得ることができる。
本発明において、本発明の目的を損なわない範囲で、更に適当な公知の添加剤を必要に応じて配合することができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、耐侯(光)安定剤、離型(潤滑)剤、結晶核剤、無機充填材、導電材、熱可塑性樹脂、および熱可塑性エラストマー、顔料などをあげることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において記載した評価は、以下の方法により実施した。
(1)メルトフローインデックス(MFI:g/10分)
ASTMD−1238により東洋精機(株)製のMELT INDEXERを用いて190℃、2160gの条件下で測定した。
(2)走査型電子顕微鏡(SEM)観察
炭酸カルシウム、カップリング剤処理済炭酸カルシウムの粒子の平均粒径、平均アスペクト比(平均長径および平均短径の測定)および形状の観察には以下の装置を用いて求めた。
ファインコーター:日本電子(株)製JFC−1600
コーティング条件は30mA、60秒間で行った。
走査型電子顕微鏡:日本電子(株)製JSM−6700F
測定条件は加速電圧9.00kV、印加電流10.0μAで行った。
平均粒径は、得られた粒子像から無作為に選択した最低100個の粒子についてそれぞれの長径を計測し、平均粒径=平均長径=ΣLi2Ni/ΣLiNiの式に従って求めた。
平均アスペクト比は、得られた粒子像から無作為に選択した最低100個の粒子についてそれぞれの長径、短径を計測し、平均長径=ΣLi2Ni/ΣLiNi、平均短径=Σdi2Ni/ΣdiNi、平均アスペクト比L/d=(ΣLi2Ni/ΣLiNi)/(Σdi2Ni/ΣdiNi)の式に従って求めた。
(3)樹脂組成物の物性
(3−1)透過型電子顕微鏡(TEM)観察
樹脂組成物中の最大凝集粒子径の観察
射出成形機(住友重機械工業(株)製SH―75)を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度70℃に設定し、射出15秒、冷却25秒の射出成形条件でASTMD638のTYPEI試験片を成形し、ReichertNissei製クライオミクロトームを用いて試験片の中央部、樹脂流動方向に垂直な面から約50nmの超薄切片を作成した。透過型電子顕微鏡(TEM)観察は、日立製作所(株)製HF2000用いて、5000〜3.0万倍の明視野像を撮影し、二次凝集粒子各々についてその最大の大きさを測定し、その値の最大値を最大凝集粒子径とした。ただし、凝集を形成する各粒子の大きさが、添加した炭酸カルシウムの平均粒径よりも明らかに大きい場合は他の添加剤であると判断し、測定からはずした。
射出成形機(住友重機械工業(株)製SH―75)を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度70℃に設定し、射出15秒、冷却25秒の射出成形条件で評価用ダンベル片、短冊片を得た。
(3−2)曲げ弾性率(GPa)および曲げ強度(MPa)
ASTM D790に準じて行った。
(3−3)引っ張り伸度(%)および引っ張り強度(MPa)
ASTM D638に準じて行なった。
(3−4)ノッチ付きIzod衝撃強度
ASTM D256に準じて行った。
(3−5)荷重たわみ温度(1.82MPa)
ダンベル片を150℃で3hエージング処理した後、23℃、50%RHにて48時間放置した。その後、ASTM D648に準じて行なった。
(3−6)ホルムアルデヒド発生速度(ppm/min.)の測定
あらかじめ140℃で1時間乾燥処理を施したポリアセタール樹脂組成物のペレット3gを、窒素気流(50NL/hr)下、220℃に加熱溶融し、発生するホルムアルデヒドを水に吸収した後、亜硫酸ソーダ法により滴定した。その際、加熱開始から2分後までのホルムアルデヒド発生量(ppm)をT、同10分をT10、同30分をT30、同50分をT50、同90分をT90としたときに、
2〜10分の発生速度(T10−T)/8(ppm/min.)
10分〜30分の発生速度(T30−T10)/20(ppm/min.)
50分〜90分の発生速度(T90−T50)/40(ppm/min.)
として算出した。これらの値はそれぞれ、ポリアセタール樹脂組成物に付着したホルムアルデヒド起因、ポリアセタール樹脂の末端分解によって生じるホルムアルデヒド起因、ポリアセタール樹脂の主鎖分解によって生じるホルムアルデヒド起因であり、これらの値が小さいことは、熱安定性に優れることを示す。
また、実施例、比較例には下記成分を用いた。
<炭酸カルシウム>
(a−1)白石工業(株)製Brilliant−15
(a−2)丸尾カルシウム(株)製カルテックス5
(a−3)丸尾カルシウム(株)製スーパーS
(a−4)白石工業(株)製R重炭
(a−5)白石工業(株)製PC
(a−6)白石工業(株)製シルバーW
<処理剤>
シランカップリング剤
(b−1)信越シリコーン(株)製KBM−603 N−2(アミノメチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン
(b−2)信越シリコーン(株)製KBM−403 3−グリジドキシプロピルトリエトキシシラン
(b−3)信越シリコーン(株)製KBM−503 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
その他の表面処理剤
比較例用として、炭酸カルシウムの表面処理剤、分散剤として一般に公知であるものから選んで用いた。
(c−1)ステアリン酸(川研ファインケミカル(株)製F−3)
(c−2)アクリル酸 (東京化成(株)製試薬グレード)
(c−3)ラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製エマール10パウダー)
(c−4)ポリカルボン酸系分散剤 (花王(株)製ポイズ520)
(c−5)不飽和ポリエステル (日本ユピカ(株)製ユピカA530)
<樹脂>
(d−1)旭化成ケミカルズ(株)ポリアセタール樹脂 テナック(登録商標)HC450
MFIは10であった。
(d−2)上記(d−1)65質量部と旭化成ケミカルズ(株)ポリアセタール樹脂 テナック(登録商標)HC750を35質量部の2種類をペレットで混合して用いた。MFIは15であった。
[製造例1〜10]
表1に示した配合量で炭酸カルシウム(a−1〜6)の粉末およびシランカップリング処理剤(b−1〜3)原液を配合し、ヘンシェルミキサーにて、窒素雰囲気下、120℃、2000rpmにて攪拌、混合を15分行なった。得られた粉末を80℃のオーブンにて12時間乾燥処理し、カップリング剤処理済炭酸カルシウムを得た。表1に原料である各種炭酸カルシウムの性質および、得られたカップリング剤処理済炭酸カルシウムの性質を示す。
[製造例11〜14]
表2に示した配合量で炭酸カルシウム(a−1)の粉末および表面処理剤(c−1〜5)原液または粉末を配合し、ヘンシェルミキサーにて、窒素雰囲気下、120℃、2000rpmにて攪拌、混合を15分行なった。得られた粉末を80℃のオーブンにて12時間乾燥処理し、カップリング剤処理済炭酸カルシウムを得た。表2に原料である各種炭酸カルシウムの性質および、得られた表面処理済炭酸カルシウムの性質を示す。
[実施例1〜8および比較例1〜15]
表3、4に示した割合で、各成分を計量、混合し、二軸押し出し機(池貝(株)製PCM−30)を用いて、押出機のトップから添加して溶融混練し、それぞれポリアセタール樹脂組成物を得た。その際、溶融混錬条件は温度200度、回転数150rpmで行った。評価結果を表3、4に示す。
表3、4から明らかなように本発明のカップリング剤処理済炭酸カルシウムを用いて樹脂を補強すると、剛性、強度、靭性のバランスに優れることがわかる。
本発明で得られるポリアセタール樹脂組成物は、剛性、強度、靭性、耐熱性などの機械的特性のバランスに優れるために、自動車、電気電子、その他工業などの分野で好適に利用できる。

Claims (7)

  1. ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、炭酸カルシウム(B)をシリカ系またはチタン系カップリング剤(C)によって表面処理が施した、平均粒径が0.01μm〜1.0μmであり、かつ粒子の平均長径(L)と粒子の平均短径(d)の比である平均アスペクト比(L/d)が3未満であるカップリング剤処理済炭酸カルシウム(D)0.01〜100質量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
  2. 炭酸カルシウム(B)が軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 炭酸カルシウム(B)が 平均粒径0.01μm〜1.0μmであり、かつ粒子の平均長径(L)と粒子の平均短径(d)の比である平均アスペクト比(L/d)が3未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 炭酸カルシウム(B)が、BET比表面積において、6〜200m/gであることを特徴とする請求項1から3いずれか記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. カップリング剤(C)がアミノシラン系カップリング剤であることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. カップリング剤(C)が下記一般式であることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
    (RO)SiR2mNHCNH
    または (RO)SiR2mNH
    およびこれらの重縮合体
    ここで、l+m=3、l、m、は0から3から選ばれる数であり、R、Rは水素または、飽和、不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基には官能基が導入されていも良い。
  7. 炭酸カルシウム(B)のBET吸着量より算出される比表面積をX(m/g)、その質量をX、カップリング剤(C)の最小被覆面積をY(m/g)、その質量をYとしたときに、表面被覆率%=(Y /X )*100が0より大きく200%以下であることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
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