JP4895144B2 - コイル部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はコイル部品の製造方法に関し、特に接着剤で第一コアと第二コアとを接着してコイル部品を製造する製造方法に関する。
従来から第一コアであるドラムコアとドラムコア周囲に配置される第二コアである外装コアとを接着剤で接着するコイル部品の製造方法が公知になっている。この製造方法としては、特許文献1に示されるように、第一コアと第二コアとの接着面に接着剤を塗布し、その後に第一コアと第二コアとを付き合わせることによって第一コアと第二コアとを接着している。
特開2004―299915号公報
従来の製造方法では、第二コアを第一コアに付き合わせる前に、予め接着面に樹脂を塗布する必要があるため、コアの寸法誤差まで考慮して、その都度適切な量の樹脂を塗布することができなかった。また加熱硬化性の樹脂を接着剤として用いた場合、加熱硬化時に第一コアと第二コアとの間にずれが生じるおそれがあった。また硬化までに時間もかかっており、生産性が劣っていた。よって本発明は、寸法誤差に関係なく適切な量の樹脂を供給でき、かつ第一コアと第二コアとの間のずれを抑制し、生産性を高めたコイル部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、巻線が巻回される巻芯部と、板状をなし巻芯部の軸方向において巻芯部の一端に接続された第一鍔部と、板状をなし軸方向において巻芯部の他端に接続された第二鍔部とから構成された第一コアと、第一コアに接着される第二コアと、巻線の一端と他端とがそれぞれ継線される一対の端子電極とを準備する素体準備工程と、第一鍔部と第二コアとの間及び第二鍔部と第二コアとの間にそれぞれ接着剤を充填する接着剤充填空間を形成するように第二コアを第一コアの周囲に配置するコア配置工程と、第一鍔部及び第二鍔部のいずれか一方と第二コアとの間の接着剤充填空間に接着剤として紫外線硬化樹脂を充填する紫外線硬化樹脂充填工程と、充填された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射し硬化させる紫外線照射工程と、紫外線硬化樹脂が硬化して第一鍔部及び第二鍔部のいずれか一方と第二コアとを接着した後に第一鍔部及び第二鍔部のいずれか他方と第二コアとの間の接着剤充填空間に接着剤として熱硬化樹脂を充填する熱硬化樹脂充填工程と、充填された熱硬化樹脂を加熱し硬化させる加熱工程と、を含んでコイル部品を製造する製造方法を提供する。
この様な方法によると、隙間である接着剤充填空間に適切な量の樹脂を供給できるため、コアの寸法誤差に関係なく適切な量の樹脂を供給することができる。また紫外線硬化樹脂(UV樹脂)を用いることで、加熱することなく第一コアに対する第二コアの位置決めをすることができるため、第一コアに対する第二コアの位置ずれが抑制される。また生産効率もよい。またUV樹脂効果後に、熱硬化樹脂を用いて第一コアと第二コアとを更に接着するため、接着強度を十分に確保することができる。
上記製造方法において、素体準備工程において、一対の端子電極を第一コアに装着することが好ましい。
この様な方法によると、巻線を端子電極に継線した後に、第二コアを第一コアに装着できる。よってコア配置工程の前に継線を行うことができ、生産効率を高めることができる。
また素体準備工程において、第一コアは接着剤充填空間を画成する第一コア接着面を第一鍔部及び第二鍔部に有し、第二コアは接着剤充填空間を画成する第二コア接着面を有し、第一コア接着面と第二コア接着面とのいずれか一方若しくは両方には、第一コア接着面若しくは第二コア接着面から突出し第一コア接着面及び第二コア接着面の軸方向一端縁及び他端縁にそれぞれ一端と他端とが位置する突起部が設けられ、紫外線硬化樹脂充填工程と熱硬化樹脂充填工程とのうち少なくとも紫外線硬化樹脂充填工程において、接着剤が突起部と第一コア接着面若しくは第二コア接着面との間に形成される隙間から毛細管現象により接着剤充填空間に注入されることが好ましい。
この様な方法によると、毛細管現象を用いて接着剤を充填するため、コイル部品が小型であっても樹脂の充填が容易になる。また毛細管現象を用いるため、充填空間から接着剤が溢れることが抑制される。よって端子電極等へ接着剤が付着することが抑制され、基板への実装不良が抑制される。
本発明の製造方法によれば、適切な量の樹脂を充填空間に供給でき、かつ第一コアと第二コアとの間のずれを抑制して、コイル部品の生産性を高めることができる。
本発明の実施の形態に係るコイル部品の分解斜視図。 本発明の実施の形態に係るコイル部品の上面斜視図。 本発明の実施の形態に係るコイル部品の下面斜視図。 図2のIV−IV線に沿った断面図。 本発明の実施の形態に係るコイル部品のガラス層形成に係る説明図。 本発明の実施の形態に係るコイル部品のドラムコアと外装コアとを組合わせた状態での平面図。 図6のVII−VII線に沿った断面図。 本発明の実施の形態に係るコイル部品の第二鍔部と外装コアの間にUV硬化樹脂を充填し始めた状態の平面図。 本発明の実施の形態に係るコイル部品の第二鍔部と外装コアの間にUV硬化樹脂を充填し終わった状態の平面図。 本発明の実施の形態に係るコイル部品の上部鍔部と外装コアとの間に熱硬化性樹脂を充填する状態の断面図。
以下、本発明の実施の形態に係るコイル部品について、図1から図10に基づき説明する。図1に示されるコイル部品1は、主にドラムコア2と、外装コア3と、巻線6と、端子電極7とから構成されており、外寸が2.0〜5.0mm程度の小型の製品である。
第一コアであるドラムコア2はマンガンを含む磁気材料、例えばMn−Zn系フェライトを基材として導電性を備えており、図1及び図4に示されるように、略円柱状の巻芯部23と、巻芯部23の中心軸方向両端に同軸に設けられた第一鍔部21及び第二鍔部22とから構成されている。第一鍔部21及び第二鍔部22はそれぞれ同形状かつ巻芯部23の軸方向において投影形状が合致するように構成されている。
図4に示されるように、第一鍔部21には、巻芯部23の一端が接続されると共に第二鍔部22と向かい合う第一内面21Aと、巻芯部23の軸方向においてドラムコア2の一端側端面であり平滑な面である第一外面21Bと、第一内面21Aと第一外面21Bとの間に位置し第一外面21Bと交差する第一周面21Cと、が規定されている。図1に示されるように第一周面21Cは、一対の第一直線部21D、21Dと一対の第一直線部21D、21Dを結ぶ一対の第一円弧部21E、21Eから構成されている。また第一鍔部21においては、一方の第一円弧部21Eから他方の第一円弧部21Eまでの最大距離が、一方の第一直線部21Dから他方の第一直線部21Dまでの距離より長くなるように構成されている。尚、第一鍔部21において第一外面21Bはコイル部品1を吸着して実装する際の吸着面(上面)として作用し、第一円弧部21E、21Eは外装コア3と接着される第一コア接着面として作用する。
第二鍔部22には、巻芯部23の他端が接続されると共に第一鍔部21と向かい合う第二内面22Aと、巻芯部23の軸方向においてドラムコア2の他端側端面であって第一コア端面であり平滑な面である第二外面22Bと、第二内面22Aと第二外面22Bとの間に位置し第二外面22Bと交差する第二周面22Cと、が規定されている。第二外面22Bは第一外面21Bと略平行になるように構成されており、第二周面22Cは、一対の第二直線部22D、22Dと一対の第二直線部22D、22Dを結ぶ一対の第二円弧部22E、22Eから構成されている。
また第二鍔部22においては、一方の第二円弧部22Eから他方の第二円弧部22Eまでの最大距離が、一方の第二直線部22Dから他方の第二直線部22Dまでの距離より長くなるように構成されている。故に一方の第二円弧部22Eから他方の第二円弧部22Eに向かう方向を長手方向と定義し、一方の第二直線部22Dから他方の第二直線部22Dに向かう方向を短手方向と定義する。尚、第二鍔部22において第二外面22Bはコイル部品1を吸着して実装する際の図示せぬ基板に実装される実装面(下面)として作用し、第二円弧部22E、22Eは外装コア3と接着される第一コア接着面として作用する。
巻芯部23には、第一内面21Aと第二内面22Aとの間に位置する巻芯部周面23Aが規定されている。またドラムコア2においては、巻芯部周面23Aと、第一内面21Aと、第二内面22Aとで囲まれる部分に、巻線6が収容される空間2a(図4)が形成される。
上記構成のドラムコア2は、導電性素材から構成されているが、表面が絶縁性のガラス層8(図4)をコーティングすることにより絶縁が図られる。ドラムコア2にガラス層8をコーティングする際には、図5に示されるように、中央部分にスプレーノズル91を備え、スプレーノズル91の軸芯を回転軸として回転するバレル9内に複数のドラムコア2を収容する。スプレーノズル91は、微粉体のガラスやバインダ等が懸濁されたガラススラリーを噴霧可能に構成されている。
この状態でスプレーノズル91からガラススラリーを噴霧し、ドラムコア2に吹き付け塗装する。ガラススラリーの層をドラムコア2に形成した後に、バレル9内に約70度の乾燥空気を入れてドラムコア2に形成されたガラススラリーの層を乾燥させる。これによりドラムコア2にガラス微粉体の層が形成される。その後にドラムコア2を焼成し、不要なバインダ成分を揮発・燃焼させてガラス粉末を溶融(軟化)させ表面が平滑なガラス層8を構成する。
ドラムコア2において、巻芯部周面23Aと第一内面21Aと第二内面22Aとは、凹部である空間2aを画成する面である。また塗装方法は単なる吹き付け塗装であるため、例えば静電塗装のように、噴霧されたガラススラリーをドラムコア2自らが吸引して付着させることはない。よって、第一鍔部21の第一外面21B及び第一周面21Cと第二鍔部22の第二外面22B及び第二周面22Cとに比べて、空間2a内には噴霧されたガラススラリーが付着し難い。よって図4に示されるように、空間2a内(巻芯部周面23A、第一内面21A、第二内面22A)での、ガラス層8の厚さは、第一外面21B等に比べて薄くなる。具体的には、第一外面21B等でのガラス層8の膜厚が平均約10μmであるのに対して、第一内面21A、第二内面22Aでのガラス層8の膜厚が平均約5μm、巻芯部周面23Aでのガラス層8の膜厚が平均約3μmであり、第一外面21B等のドラムコア2の外周部分から、ドラムコア2の内方である巻芯部周面23Aに向かってガラス層8が薄くなっている。
空間2aには巻線6が収容されるが、空間2aにおけるガラス層8が薄くなることにより空間2aを大きく採ることができる。よって巻線6の巻回数を増やしたり、大径の巻線6を使用することができるので、コイル部品1の特性を向上させることができる。
図1に示されるように、外装コア3は、第一分割コア4と第二分割コア5とから構成されており、第一分割コア4と第二分割コア5とは同形状である。よって以下の記載では、代表として第一分割コア4について説明し、第二分割コア5の説明については、特に明記しない限り省略する。
第一分割コア4は、ニッケルを含む磁気材料、例えばNi−Zn系フェライトを基材とし絶縁性を備えており、図4に示されるように、第一周面21C及び第二周面22Cと対向する第一内面4Aと、第一内面4Aに交差すると共にドラムコア2に装着された状態で第一外面21B近傍に位置する第一端面4Bと、第一内面4Aに交差すると共にドラムコア2に装着された状態で第二外面22B近傍に位置する第二端面4Cと、を有している。第一内面4Aは、第一円弧部21E、第二円弧部22Eに沿って円弧状に構成されており、その円弧方向長さは、第一円弧部21E、第二円弧部22Eの周方向長さと略同じになるように構成されている。また第一内面4Aは、第一円弧部21E及び第二円弧部22Eと接着される第二コア接着面として作用し、第二端面4Cは第二コア端面として作用する。
図4に示されるように、第一端面4B及び第二端面4Cは、それぞれ平滑に構成されると共に、互いに平行になるように構成されている。第一分割コア4において第一端面4Bから第二端面4Cまでの距離(第一分割コア4の厚さ)は、ガラス層8がコーティングされたドラムコア2の軸方向であってガラス層8を含む第一外面21Bから第二外面22Bまでの距離(ドラムコア2の厚さ)より若干短くなるように構成されている。
また図1に示されるように、第一内面4Aにおいて、円弧方向の略両端近傍位置に、それぞれ第一突起部41と第二突起部42とが設けられている。第一突起部41と第二突起部42とは、第一分割コア4がドラムコア2に装着された状態で、それぞれドラムコア2の軸方向と一致する方向(第一分割コア4の厚さ方向)に延びており、第一内面4Aから第一周面21C及び第二周面22Cに向けて突出するように構成されている。
第一突起部41と第二突起部42とは寸法精度良く構成することができるので、第一突起部41と第二突起部42とにより規定され、ドラムコア2と外装コア3(第一分割コア4)との間の空間(後述の接着剤充填空間4a、4b、5a、5b)の寸法精度も高くなる。寸法精度が高くなることにより、ドラムコア2と外装コア3の間の磁気ギャップが安定するので、コイル部品1における直流重畳特性を安定して向上させることができる。
第一突起部41と第二突起部42との突出方向の先端部分は、軸方向と直交する断面でR状になるように構成されており、このR状部分の頂点となる稜線で第一、第二円弧部21E、22Eに接触するように構成されている。よって第一突起部41と第二突起部42とがそれぞれ第一、第二円弧部21E、22Eに接触した際に、先端のR状部分において接触する軸方向と直交する断面で一点の極近傍には、極めて狭い隙間が形成される。尚、第二端面4Cには、第一突起部41近傍と第二突起部42近傍とをそれぞれ中心として、後述のUV硬化樹脂10Bが滴下・塗布される被塗布領域が規定される。この被塗布領域には、第二端面4Cと同一平面である第一突起部41の端面と第二突起部42の端面とのそれぞれが含まれており、また被塗布領域は、第一突起部41及び第二突起部42において略畝状をなすそれぞれ突起部の頂部を境とした両側面側にそれぞれ規定されている。
図1に示されるように第二分割コア5においても、第一分割コア4と同形状の第二内面5A、第一端面5B、及び第二端面5Cを有し、第二内面5Aには、第一突起部51と第二突起部52とが設けられている。
端子電極7は、図3に示されるように、ガラス層8がドラムコア2に形成された状態で第二鍔部22のガラス層8表面に、銀ペーストを塗布して焼き付けた後にニッケル及びスズのメッキを施すことにより形成されており、図3及び図6に示されるように、巻線6の一端側が熱圧着により継線される第一電極71と巻線6の他端側が熱圧着により継線される第二電極72とから構成されている。端子電極7がドラムコア2に形成されることにより、巻線6を巻芯部23に巻回し端子電極7に継線した状態で、ドラムコア2に外装コア3を装着することができる。この構成によりコイル部品1の製造が容易になる。
第一電極71は、第二外面22Bと第二周面22Cの一方の第二直線部22Dとに跨って配置され、一方の第二直線部22D位置において巻線6の一端が継線されている。第二電極72は、第二外面22Bと第二周面22Cの他方の第二直線部22Dとに跨って配置され、他方の第二直線部22D位置において巻線6の他端が継線されている。端子電極7が第二鍔部22における短手方向となる一対の第二直線部22D、22Dに配置されることにより、コイル部品1を図示せぬ基板上に実装した際に、一方の実装箇所(第一電極71)から他方の実装箇所(第二電極72)までの距離を短くすることができる。これにより、図示せぬ実装基板で発生する撓みに対する剛性が高められ、コイル部品1が破損することが抑制される。
また端子電極7がガラス層8表面に設けられることにより、ドラムコア2との間の絶縁性が保たれている。尚、端子電極7は、ガラス層8形成後に、銅製の金具を第二鍔部22に接着することにより設けられてもよい。
巻線6が巻回されて端子電極7に継線された状態のドラムコア2と第一分割コア4及び第二分割コア5とを、第一外面21Bと第一端面4B、5Bとが面一になるように配置した状態で、熱硬化性のエポキシ系樹脂を基剤とする接着剤である熱硬化性樹脂10Aと、紫外線硬化性の樹脂を基剤とする接着剤であるUV硬化樹脂10Bとにより接着する。
以下、熱硬化性樹脂10A及びUV硬化樹脂10Bによりドラムコア2と外装コア3とを接着する方法について説明する。まず上述のように、ガラス層8が形成されると共に端子電極7が形成され巻線6が巻回されて継線されたドラムコア2と、外装コア3(第一分割コア4及び第二分割コア5)とを準備する(素体準備工程)。
次に、図6に示されるように、第一分割コア4の第一内面4Aと一方の第一円弧部21E、第二円弧部22Eとが対向して、かつ第二分割コア5の第二内面5Aと他方の第一円弧部21E、第二円弧部22Eとが対向するように、ドラムコア2と外装コア3とを配置する(コア配置工程)。このように配置されることにより、図7に示されるように第一内面4Aと第一円弧部21E及び第二円弧部22Eとの間に接着剤充填空間4a及び接着剤充填空間4bがそれぞれ画成され、第二内面5Aと第一円弧部21E及び第二円弧部22Eとの間に接着剤充填空間5a及び接着剤充填空間5bがそれぞれ画成される。
コア配置工程においては、図7に示されるように、接着作業を行う台S上面に、第一分割コア4の第一端面4B、第二分割コア5の第一端面5B、及びドラムコア2の第一外面21Bがそれぞれ接し、これらの面がそれぞれ同一面上に位置するように配置される。上述のように第一分割コア4及び第二分割コア5の厚さは、ドラムコア2の厚さより薄いため、第一端面4B、第一端面5B、及び第一外面21Bを面一に配置すると、ドラムコア2の第二外面22Bが第二端面4C、第二端面5Cより突出し、第二外面22Bと第二端面4C及び第二端面5Cとの間にそれぞれ段差が形成される。
次に、図8に示されるように、第二端面4C及び第二端面5Cのそれぞれの被塗布領域に、UV硬化樹脂10Bを図示せぬノズルから滴下する(塗布工程)。このUV硬化樹脂10Bは、塗布時において粘度が300〜10000mPa・s、好ましくは1000〜5000mPa・sであり、一般的に流動性が高い液体状を示している。上述のように被塗布領域には、第一突起部41と第二突起部42とのそれぞれの端面が含まれており、かつ第一突起部41及び第二突起部42と第二円弧部22Eとの間には極狭い隙間が形成されているため、被塗布領域に滴下・塗布されたUV硬化樹脂10Bは、前述の隙間から毛細管現象により、図8に示されるように、第一内面4Aと第二円弧部22Eとの間の接着剤充填空間4bに注入・充填される(紫外線硬化樹脂充填工程)。
毛細管現象を用いてUV硬化樹脂10Bを充填するため、上述のような小型のコイル部品1であって接着面が狭くても、被塗布領域に適量の接着剤を滴下・塗布するだけで、毛細管現象により適切な量を接着剤充填空間に注入して充填することができる。よって接着剤が付着する面の面積に影響されず、ドラムコア2と外装コア3との間に寸法誤差が生じた場合でも、好適な量の接着剤を接着剤充填空間に充填し、ドラムコア2と外装コア3とを接着することができる。
また被塗布領域は、略畝状の第一突起部41、第二突起部42において第二円弧部22Eと接触する頂部を境として両側面側にそれぞれ規定されているので、接着剤充填空間4bにおいて第一突起部41と第二突起部42とで挟まれる空間、及びこの挟まれる空間外の空間に好適に充填される。
上述のように被塗布領域が規定される第二端面4C、第二端面5C比べて第二外面22Bが突出し、上述の段差を形成しているため、第二外面22Bと交差する第二円弧部22Eが壁となり、被塗布領域に塗布されたUV硬化樹脂10Bが第二外面22Bまで流れ出ることが抑制される。この様にUV硬化樹脂10Bの第二外面22Bへの流出を抑制することにより、端子電極7にUV硬化樹脂10Bが付着することを防ぎ、端子電極7の実装時の継線不良を抑制することができる。
接着剤充填空間4b、5bにそれぞれUV硬化樹脂10Bを充填した後に、図示せぬ紫外線照射装置により、充填されたUV硬化樹脂10Bに紫外線を照射する(紫外線照射工程)。コイル部品1は上述のように小さいため、紫外線の照射により接着剤充填空間4b、5bに充填されたUV硬化樹脂10Bが瞬時に硬化し、ドラムコア2と外装コア3とが接着される。UV硬化樹脂10Bによる接着では、ドラムコア2と外装コア3とに、UV硬化樹脂10Bを滴下する以外に外力が働かないため、ドラムコア2及び外装コア3が台S上に載置された状態から動くことは抑制される。故に、ドラムコア2と外装コア3との間にずれが生じることが抑制される。
UV硬化樹脂10Bは、上述のように流動性が高いため、コイル部品1が小さく充填される空間が狭くても、好適に充填することができる。また硬化後のUV硬化樹脂10Bは、第一内面4Aと第二円弧部22Eとの間に介在すると共に、上述の段差内において第一突起部41、第二突起部42を覆いドラムコア2と外装コア3とを跨ぐようにフィレット10Cを形成する。この様にUV硬化樹脂10Bによりフィレット10Cを形成してドラムコア2と外装コア3とを接着することにより接着面積を大きく採ることができ、接着強度を増すことができる。
次に図10に示されるように、ドラムコア2及び外装コア3を反転させて、台S上面に第二外面22Bが載置されるように配置する。この状態で、接着剤充填空間4a、5a上に熱硬化性樹脂10Aを盛り、その後に図示せぬヘラ等で接着剤充填空間4a、5aに内に熱硬化性樹脂10Aを充填する(熱硬化樹脂充填工程)。その後にドラムコア2及び外装コア3を図示せぬ加熱炉内に移動させ、加熱して熱硬化性樹脂10Aを加熱し、硬化させる(加熱工程)。ドラムコア2と外装コア3とはすでにUV硬化樹脂10Bにより接着されているため、熱硬化性樹脂10Aを充填・加熱するに際し、ドラムコア2と外装コア3との間に新たにずれ等が発生することはない。熱硬化性樹脂10Aによる接着は強固であるため、UV硬化樹脂10Bによる接着と合わせて、ドラムコア2と外装コア3とを確実に接着することができる。
上記工程により、ドラムコア2と外装コア3との接着が完了し、コイル部品1が完成する。上記の方法により接着されて完成されたコイル部品1では、図9に示されるように、端子電極7が設けられる第二外面22Bが第一端面4B、5Bに比べて突出する。この様な構成によると、第二外面22Bが図示せぬ基板と確実に面接触するため、実装不良を低減することができる。
また第一電極71、第二電極72が設けられた、一対の第二直線部22D、22Dは、それぞれ第一分割コア4と第二分割コア5との間に位置し、かつ図2、図3、図6に示されるように、第一分割コア4と第二分割コア5との外郭をなす周面を互いに結ぶ輪郭内に配置されている。この様な構成によると、一対の第二直線部22D、22Dに設けられた第一電極71、第二電極72が、他の電子部品等に接触することが抑制され、一対の第二直線部22D、22Dに形成された継線部分を保護することができる。
本発明のコイル部品及びコイル部品の製造方法については、上述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の改良や変形が可能である。例えば、熱硬化性樹脂充填工程においては、熱硬化性樹脂10Aをヘラ等で押し込むことにより、接着剤充填空間4a、5aに充填したが、これに限らず、UV硬化樹脂10Bと同様の粘度を備えた熱硬化性樹脂10Aを用意し、UV硬化樹脂10Bと同様に毛細管現象により接着剤充填空間4a、5aに接着剤を充填してもよい。またUV硬化樹脂10Bの粘度は、必ずしも常温で上記粘性を示す必要はなく、紫外線硬化樹脂充填工程において上記粘性を示せばよい。また、ドラムコア2と外装コア3との間の段差は、巻芯部23軸方向において一方のみに形成したが、これに限らず、両方に形成し、両方の段差に接着剤のフィレットを形成してもよい。この様な構成によれば接着面積を更に増やすことができるため、より強固にドラムコアと外装コアとを接着することができる。また本実施の形態では、突起部が外装コア側に設けられ、端子電極がドラムコア側に設けられたコイル部品について説明したがこれに限らず、突起部がドラムコア側のみ、若しくはドラムコア側と外装コア側との両方に設けられていてもよく、また端子電極が外装コアに設けられていてもよい。
1・・コイル部品 2・・ドラムコア 2a・・空間 3・・外装コア
4・・第一分割コア 4A・・第一内面 4B・・第一端面 4C・・第二端面
4a、4b、5a、5b・・接着剤充填空間 5・・第二分割コア
5A・・第二内面 5B・・第一端面 5C・・第二端面 6・・巻線 7・・端子電極
8・・ガラス層 9・・バレル 10A・・熱硬化性樹脂 10B・・UV硬化樹脂
10C・・フィレット 21・・第一鍔部 21A・・第一内面 21B・・第一外面
21C・・第一周面 21D・・第一直線部 21E・・第一円弧部 22・・第二鍔部
22A・・第二内面 22B・・第二外面 22C・・第二周面 22D・・第二直線部
22E・・第二円弧部 23・・巻芯部 23A・・巻芯部周面 41・・第一突起部
42・・第二突起部 51・・第一突起部 52・・第二突起部 71・・第一電極
72・・第二電極 91・・スプレーノズル

Claims (3)

  1. 巻線が巻回される巻芯部と、板状をなし該巻芯部の軸方向において該巻芯部の一端に接続された第一鍔部と、板状をなし該軸方向において該巻芯部の他端に接続された第二鍔部とから構成された第一コアと、該第一コアに接着される第二コアと、該巻線の一端と他端とがそれぞれ継線される一対の端子電極とを準備する素体準備工程と、
    該第一鍔部と第二コアとの間及び該第二鍔部と第二コアとの間にそれぞれ接着剤を充填する接着剤充填空間を形成するように該第二コアを該第一コアの周囲に配置するコア配置工程と、
    該第一鍔部及び該第二鍔部のいずれか一方と該第二コアとの間の該接着剤充填空間に該接着剤として紫外線硬化樹脂を充填する紫外線硬化樹脂充填工程と、
    充填された該紫外線硬化樹脂に紫外線を照射し硬化させる紫外線照射工程と、
    該紫外線硬化樹脂が硬化して該第一鍔部及び該第二鍔部のいずれか一方と該第二コアとを接着した後に該第一鍔部及び該第二鍔部のいずれか他方と該第二コアとの間の該接着剤充填空間に該接着剤として熱硬化樹脂を充填する熱硬化樹脂充填工程と、
    充填された該熱硬化樹脂を加熱し硬化させる加熱工程と、を含んでコイル部品を製造することを特徴とするコイル部品の製造方法。
  2. 該素体準備工程において、該一対の端子電極を該第一コアに装着することを特徴とする請求項1に記載のコイル部品の製造方法。
  3. 該素体準備工程において、該第一コアは該接着剤充填空間を画成する第一コア接着面を該第一鍔部及び該第二鍔部に有し、該第二コアは該接着剤充填空間を画成する第二コア接着面を有し、該第一コア接着面と該第二コア接着面とのいずれか一方若しくは両方には、該第一コア接着面若しくは該第二コア接着面から突出し該第一コア接着面及び該第二コア接着面の該軸方向一端縁及び他端縁にそれぞれ一端と他端とが位置する突起部が設けられ、
    該紫外線硬化樹脂充填工程と該熱硬化樹脂充填工程とのうち少なくとも該紫外線硬化樹脂充填工程において、該接着剤が該突起部と該第一コア接着面若しくは該第二コア接着面との間に形成される隙間から毛細管現象により該接着剤充填空間に注入されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のコイル部品の製造方法。
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