JP4894782B2 - ストリップラインフィルタ - Google Patents

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Description

この発明は、誘電体基板にストリップラインを設けたストリップラインフィルタに関する。
トリプレート型ストリップラインフィルタの有極化のために、複数の共振線路を結合させる結合電極を設けることがあった。また、結合電極として入出力電極を利用することがあった。(例えば、特許文献1参照。)。
図1に従来のストリップラインフィルタの構成例を示す。同図(A)はこのストリップラインフィルタを実装面の反対から見た分解斜視図であり、同図(B)はこのストリップラインフィルタを実装面から見た斜視図であり、同図(C)は、図中に一点鎖線で示す断面での断面図である。
ストリップラインフィルタ101は、共振線路111A〜111Dを主面に設けた誘電体基板103に、誘電体基板102を積層し、外面に接地電極110を設けたトリプレート型の構成である。共振線路111Aと共振線路111Dには、入出力電極112A,112Bがそれぞれ接続されている。入出力電極112A,112Bの先端は、ストリップラインフィルタ101の実装面に延設されている。ストリップラインフィルタ101の小型化のため、接地電極110は可能な限り大きく形成されている。ここで入出力電極112Aの先端はストリップラインフィルタ101の実装面で共振線路111Bに対向する。これにより、入出力電極112Aは共振線路111Bの構成する共振器と容量結合している。
特開2001−358501号公報
ストリップラインフィルタでは、広帯域化のために共振器間結合度を強める要望があった。共振器間結合度は、隣接する共振器対の間隔や各共振線路の形状により設定されていた。しかしながら、素子サイズや共振器長などの要求によって、共振器間結合度の設定には制約が生じることがあった。この場合、所望の共振器間結合度を実現できず、所望の帯域を有するフィルタ特性を得られないことがあった。
また、有極化のために入出力電極(結合電極)を利用するストリップラインフィルタの場合、入出力電極と2段目の共振器との飛び結合により通過帯域外に発生する減衰極を通過帯域に寄せる効果がある。しかしながら、隣接する共振器間の結合度にはほとんど影響が及ばず、通過帯域幅を広げることができなかった。
そこで、本発明は、共振器対の間隔や各共振線路の形状の設定に寄らずに、所望の共振器対での共振器間結合度を強めて、通過帯域を広帯域化した構成のストリップラインフィルタの提供を目的とする。
この発明のストリップラインフィルタは、複数の共振線路と接地電極と入出力電極とを備える。複数の共振線路は、矩形平板状の誘電体基板を介して実装面に対向する。入出力電極は、実装面に設けられていて、複数の共振線路のいずれかに結合する。接地電極は、実装面に設けられていて、入出力電極から分離して形成されている。
ここで、実装面の第1の対向領域と第2の対向領域とを経由する形状の結合調整用電極非形成部を備える。第1の対向領域は、第1の共振線路が対向する実装面の領域である。第2の対向領域は、第2の共振線路が対向する実装面の領域である。第1の共振線路と第2の共振線路とは、互いに隣接する線路である。これらの対向領域内では、結合調整用電極非形成部に接地電極のみが隣接している。
この構成により、所望の共振器対(第1および第2の共振線路)にて、対向領域内の接地電極の面積が低減されるため、これらの共振線路それぞれの自己容量が低減される。一般に、自己容量の低減は共振器間結合度を強めるため、このストリップラインフィルタでは所望の共振器対の共振器間結合度が強められたものになる。
このストリップラインフィルタは、誘電体基板の上面を開放してマイクロストリップラインフィルタとしてもよい。マイクロストリップラインフィルタでは、トリプレート型の場合よりも各共振器の自己容量が片側底面の接地電極との間に集中している。したがって、結合調整用電極非形成部による自己容量の変化割合が大きく、高い結合調整効果を奏し好適である。
このストリップラインフィルタは、上面接地電極を設けてトリプレート型としてもよい。トリプレート型のストリップラインフィルタでは、結合調整用電極非形成部を実装面に設けることにより、上面接地電極によるシールド効果を保ったまま結合調整効果が得られる。
結合調整用電極非形成部によって対向領域の外で入出力電極を接地電極から分離させてもよい。この場合、電極パターンが単純で、成形が容易である。接地電極から入出力電極までの間隔を共振線路の配列方向で広くすれば、入出力電極の脇での接地電極の幅を確保し易い。これにより、入出力電極の脇に側面線路を設ける場合に、接地電極と側面線路との接続性が高められる。
共振器のいずれかと入出力電極とを接続する接続用電極を設ければ、入出力電極が小サイズであっても強い外部結合を得ることができ、電極非形成部のサイズを大きく取ることができ、強い共振器間結合度を実現し易い。
第1の共振線路が構成する共振器と第2の共振線路が構成する共振器とをインターディジタル結合させれば、コムライン結合の場合よりも大きな共振器間結合を実現でき、電極非形成部による結合調整効果と合わせて極めて強い共振器間結合を実現できる。
この発明によれば、結合調整用電極非形成部を設けることにより、隣接する共振器対の間隔や各共振線路の形状の設定に寄らずに、所望の共振器対での共振器間結合度を強められる。したがって、ストリップラインフィルタの通過帯域を広帯域化できる。
以下、本発明の実施形態に係るストリップラインフィルタの構成例を説明する。
ここで示すストリップラインフィルタは帯域通過型のマイクロストリップラインフィルタであり、4GHz以上の高周波帯に対応するUWB(Ultra Wide Band)通信に利用される。
図2は、同ストリップラインフィルタを説明する図であり、同図(A)は上面図、同図(B)は図中に一点鎖線で示す位置の断面図、同図(C)は下面図である。
ストリップラインフィルタ1は、矩形平板状の誘電体基板2を備える。基板2は酸化チタン等からなる比誘電率が約111の小型直方体状のセラミック焼結基板である。基板2の組成および寸法は周波数特性などを考慮して適宜設定している。なお、誘電体基板2上には、ストリップラインフィルタ1の機械的保護、耐環境性向上などを目的として図示していないガラス層を積層する。
誘電体基板2の側面には側面線路21と側面引出電極22とを設けている。各側面での電極形状は、対向する側面の電極形状と合同にしている。側面線路21のいくつかは、共振線路11A〜11Eに非接続のダミー電極であり、ストリップラインフィルタ1の回路構成には不要である。しかし、ダミー電極を設けることにより、ストリップラインフィルタ1の対向する側面での電極形状を合同なものにすることが容易となる。各側面を対向する側面と合同にすることにより、一度で複数の誘電体基板に対して側面電極を形成する製造工程において、各誘電体基板を治具に振り込む際に姿勢制御する必要がなくなる。また、異なる回路構成であって同一基板サイズで同一側面電極形状の他製品と、側面電極形成工程を共通化できる。
誘電体基板2の上面には、共振線路11A〜11Eと上面引出電極12A,12Bとを設けている。共振線路11A〜11Eは、側面引出電極22を設けた側面に垂直な方向である図中横方向に配列している。これらの電極は厚み約5μm以上の銀電極であり、基板2に感光性銀ペーストを塗布し、フォトリソグラフィプロセスによりパターン形成し、焼成してなる。これらの電極を感光性銀電極とすることによって、電極の形状精度を高めて、UWB通信に利用可能なストリップラインフィルタとしている。
共振線路11A,11EはI字型線路であり、先端が開放され基端が側面線路21を介して接地され1/4波長共振線路となっている。共振線路11B,11DはL字型線路であり、先端が開放され基端が側面線路21を介して接地され1/4波長共振線路となっている。共振線路11CはC字型線路であり、両端が開放されて1/2波長共振線路となっている。各共振線路11A〜11Eは開放端が互い違いの方向を向くように配置されていて、隣接する共振器間はインターディジタル結合する。そのため、共振器間の結合が強くなり、ストリップラインフィルタ1の通過帯域を広帯域化できる。上面引出電極12A,12Bは、それぞれ、側面引出電極22に接続されている。
誘電体基板2の下面は、このストリップラインフィルタ1の実装面であり、接地電極31と入出力電極32A,32Bとを備えている。入出力電極32A,32Bは、このストリップラインフィルタ1を実装基板に実装する際に、高周波信号入出力端子に接続される。接地電極31は共振器のグランド面であり、実装基板の接地電極に接続される。これらの電極は厚み約12μm以上の銀電極であり、基板2にスクリーンマスクまたはメタルマスクを用いて非感光性の銀ペーストを塗布し、焼成してなる。
接地電極31は誘電体基板2の下面の略全面に、入出力電極32A,32Bから分離して設けられている。接地電極31と入出力電極32A,32Bとの間には、電極非形成部33A,33Bが設けられている。接地電極31は、誘電体基板2の側面に設けられた側面線路21が接続されている。入出力電極32A,32Bは、誘電体基板2の側面に設けられた側面引出電極22が接続されている。これにより、入出力電極32Aが、共振線路11Aの構成する共振器にタップ結合し、入出力電極32Bが、共振線路11Eの構成する共振器にタップ結合する。タップ結合により、入出力電極32A,32Bを小サイズに形成しても、強い外部結合を得ることができる。
以上の構成により、ストリップラインフィルタ1は、5段の共振器が結合した帯域通過フィルタとなる。
次に、ストリップラインフィルタ1の製造工程を説明する。図3は、ストリップラインフィルタ1の製造工程を説明するフローである。
(S1)まず、いずれの面にも電極を形成していない誘電体母基板を用意する。
(S2)次に、上記誘電体母基板に対して、下面に導電体ペーストをスクリーン印刷またはメタルマスク印刷し、焼成を経て接地電極31、入出力電極32A,32B、および電極非形成部33A,33Bを形成する。
(S3)次に、誘電体母基板に対して、上面に感光性導電体ペーストを印刷し、露光、現像するフォトリソグラフィプロセスを経て、焼成により共振線路11A〜11E、および上面引出電極12A,12Bを形成する。フォトリソグラフィプロセスでは、電極を30μm程度まで細線化でき、極めて高い位置精度で電極を形成できる。
(S4)次に、誘電体母基板の上面側にガラスペーストを印刷し、焼成を経てガラス層を形成する。
(S5)次に、上記のようにして構成した誘電体母基板からダイシングなどにより多数の誘電体基板2を切り出す。
(S6)次に、誘電体基板2を配列して、所定パターンのメタルマスクまたはスクリーンマスクにより導電体ペーストを印刷する印刷プロセスを経て、焼成により電極を形成する。この印刷プロセスを各側面に実施することで、側面引出電極22と側面線路21とが形成される。この印刷プロセスでは、電極は100μm程度まで細線化できる。フォトリソグラフィプロセスに比べて低コストに電極を形成できる。
以上の工程により、ストリップラインフィルタ1は製造されている。なお、ストリップラインフィルタ1の製造後に、各フィルタ特性を測定し、必要に応じて、結合調整用の電極非形成部のサイズなどを調整してもよい。
図4は、入出力電極32Aの周辺構造を説明する拡大図である。入出力電極32Bの周辺構造についての説明は省くが、入出力電極32Aの周辺構造と同様である。
入出力電極32Aと接地電極31とを分離する電極非形成部33Aは、入出力電極32Aの周囲に設けられていて、先端側(基板中央側)が共振線路11Bの対向領域41Bを経由して、共振線路11Cの対向領域41Cに至るまで延設されている。この電極非形成部33Aは本発明の結合調整用電極非形成部に相当する。
共振線路の配列方向である図中横方向での接地電極31から入出力電極32Aまでの間隔Lwは、配列方向に垂直な方向である図中縦方向での接地電極31から入出力電極32Aまでの間隔Lhよりも、広くしている。このため、図中縦方向の入出力電極32Aの両脇での接地電極31の幅を大きく確保でき、共振線路11A,11B,11Cの側面線路21と接地電極31との接続性が高まっている。
また、電極非形成部33Aは共振線路11Bの対向領域41Bを経由しているため、共振線路11Bが接地電極31と対向する面積が極めて小さく、共振線路11Bの自己容量は小さくなっている。また、電極非形成部33Aは共振線路11Cの対向領域41Cも経由しているため、共振線路11Cが接地電極31と対向する面積も極めて小さく、共振線路11Cの自己容量は小さくなっている。これにより、共振線路11Bの構成する共振器と共振線路11Cの構成する共振器との間の共振器間結合度は、電極非形成部33Aが共振線路11Cの対向領域41Cにまで至っていない場合よりも、大きくなっている。
ストリップラインフィルタ1は、誘電体基板上面が開放されたマイクロストリップラインフィルタであるので、トリプレート型の構成よりも各共振線路の自己容量が片側底面の接地電極との間に集中している。このため、電極非形成部33Aに起因する自己容量の変化が大きく作用し、結合調整効果が大きい。また、共振線路11Bおよび共振線路11Cはインターディジタル結合しているので、極めて大きな共振器間結合を実現しているが、電極非形成部33Aが対向領域41Cにまで至っているので、共振器間結合度はさらに強められている。また、入出力電極32Aを、側面引出電極22によって共振線路11Aとタップ結合させているので、入出力電極32Aと共振線路11Aとを容量結合させる場合よりも、入出力電極32Aは小サイズに形成できている。
図5は、ストリップラインフィルタ1のフィルタ特性の例を説明する図である。ここで示すフィルタ特性はシミュレーションの結果である。
シミュレーションでは、接地電極31から入出力電極32Aまでの間隔Lwを変化させて比較を行った。なお、間隔Lwを250μmに設定した場合に、共振線路11Bに対向する領域と共振線路11Cに対向する領域との間に電極非形成部33Aの先端が至るような寸法設定を採用している。
図中の実線は、間隔Lwを450μmに設定して、電極非形成部33Aに第1および第2の対向領域を経由させた本実施形態のストリップラインフィルタの場合を示している。図中の破線は、間隔Lwを150μmに設定して、電極非形成部33Aに第1の対向領域のみを経由させた比較例のストリップラインフィルタの場合を示している。
同図(A)のグラフ横軸は周波数を、縦軸は減衰量を示している。本実施形態のストリップラインフィルタでは、3dBでの帯域幅が約5837MHzであった。比較例のストリップラインフィルタでは、3dBでの帯域幅が約4495MHzであった。このことは、本実施形態のストリップラインフィルタでは、共振線路11B,11Cそれぞれの自己容量が低減され、この共振器対間の共振器間結合度が強まったためと考えられる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るストリップラインフィルタについて説明する。
図6は、同ストリップラインフィルタの構成を説明する図であり、同図(A)は実装面の反対側から見た斜視図、同図(B)は実装面側から見た斜視図、同図(C)は図中に一点鎖線で示す位置の断面図である。
ストリップラインフィルタ50は、共振線路51A〜51Dを主面に設けた誘電体基板54の上面を開放したマイクロストリップラインフィルタである。各共振線路51A〜51Dは一端開放、一端接地した1/4波長共振線路であり、開放端が互い違いの方向を向くように配置されていて、隣接する共振器間はインターディジタル結合する。そのため、共振器間の結合が強くなり、ストリップラインフィルタ50の通過帯域を広帯域化できる。共振線路51Aと共振線路51Dには、入出力電極52A,52Bがそれぞれ接続されている。入出力電極52A,52Bの先端は、ストリップラインフィルタ50の実装面まで延設されている。
接地電極53は誘電体基板54の下面の略全面に、入出力電極52A,52Bから分離して設けられている。接地電極53と入出力電極52Aとの間には、電極非形成部55が設けられている。電極非形成部55は、入出力電極52Aの周囲に設けられていて、先端側(基板中央側)が共振線路51Bの対向領域を経由して、共振線路51Cの対向領域に至るまで延設されている。このため、共振線路51Bが接地電極53と対向する面積が小さく、共振線路51Bの自己容量は小さくなっている。また、電極非形成部55は共振線路51Cの対向領域も経由しているため、共振線路51Cが接地電極53と対向する面積も小さく、共振線路51Cの自己容量は小さくなっている。これにより、共振線路51Bの構成する共振器と共振線路51Cの構成する共振器との間の共振器間結合度は、電極非形成部55が共振線路51Cの対向領域にまで至っていない場合よりも、大きくなっている。
次に、本発明の第3の実施形態に係るストリップラインフィルタについて説明する。
図7は、同ストリップラインフィルタの構成を説明する図であり、同図(A)は実装面の反対側から見た斜視図、同図(B)は実装面側から見た斜視図、同図(C)は図中に一点鎖線で示す位置の断面図である。
ストリップラインフィルタ60は、共振線路61A〜61Dを主面に設けた誘電体基板64Aの上面側に誘電体基板64Bを積層したトリプレート型のものである。各共振線路61A〜61Dは一端開放、一端接地した1/4波長共振線路であり、開放端が互い違いの方向を向くように配置されていて、隣接する共振器間はインターディジタル結合する。そのため、共振器間の結合が強くなり、ストリップラインフィルタ60の通過帯域を広帯域化できる。共振線路61Aと共振線路61Dには、入出力電極62A,62Bがそれぞれ接続されている。入出力電極62A,62Bの先端は、ストリップラインフィルタ60の実装面まで延設されている。
接地電極63は誘電体基板64A,64Bの外面の略全面に、入出力電極62A,62Bから分離して設けられている。接地電極63と入出力電極62Aとの間には、電極非形成部65が設けられている。電極非形成部65は、入出力電極62Aの周囲に設けられていて、先端側(基板中央側)が共振線路61Bの対向領域を経由して、共振線路61Cの対向領域に至るまで延設されている。このため、共振線路61Bが接地電極63と対向する面積が小さく、共振線路61Bの自己容量は小さくなっている。また、電極非形成部65は共振線路61Cの対向領域も経由しているため、共振線路61Cが接地電極63と対向する面積も小さく、共振線路61Cの自己容量は小さくなっている。これにより、共振線路61Bの構成する共振器と共振線路61Cの構成する共振器との間の共振器間結合度は、電極非形成部65が共振線路61Cの対向領域にまで至っていない場合よりも、大きくなっている。
ストリップラインフィルタ60は、トリプレート型のマイクロストリップラインフィルタである。このストリップラインフィルタ60では、上面を含む外面の略全面に接地電極63が設けられているので電磁波シールド性が極めて高い。仮にトリプレート型の構成で上面の接地電極63に電極非形成部を設ければ、この電磁波シールド性が損なわれてしまう虞がある。しかし、本実施形態では、電極非形成部65は、実装面にて延設されているので、高い電磁波シールド性を確保したまま、電極非形成部65による結合調整効果を得ることができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係るストリップラインフィルタについて説明する。
図8は、同ストリップラインフィルタの構成を説明する図であり、同図(A)は実装面の反対側から見た斜視図、同図(B)は実装面側から見た斜視図、同図(C)は図中に一点鎖線で示す位置の断面図である。
ストリップラインフィルタ70は、共振線路71A〜71Dを主面に設けた誘電体基板74の上面を開放したマイクロストリップラインフィルタである。各共振線路71A〜71Dは一端開放、一端接地した1/4波長共振線路であり、開放端が互い違いの方向を向くように配置されていて、隣接する共振器間はインターディジタル結合する。そのため、共振器間の結合が強くなり、ストリップラインフィルタ70の通過帯域を広帯域化できる。共振線路71Aと共振線路71Dには、入出力電極72A,72Bがそれぞれ接続されている。入出力電極72A,72Bの先端は、ストリップラインフィルタ70の実装面まで延設されている。
接地電極73は誘電体基板74の下面に、入出力電極72A,72Bから分離して設けられている。接地電極73には、入出力電極72A,72Bからの分離のための電極非形成部とは別に、結合調整用の電極非形成部75が設けられている。
電極非形成部75は、共振線路71Cの対向領域と共振線路71Bの対向領域を経由する形状である。このため、共振線路71Cが接地電極73と対向する面積が小さく、共振線路71Cの自己容量は小さくなっている。また、電極非形成部75は共振線路71Bの対向領域も経由しているため、共振線路71Bが接地電極73と対向する面積も小さく、共振線路71Bの自己容量は小さくなっている。これにより、共振線路71Cの構成する共振器と共振線路71Bの構成する共振器との間の共振器間結合度は、電極非形成部75を設けていない場合よりも、大きくなっている。
このように、入出力電極72A,72Bを接地電極73から分離する電極非形成部とは別に、結合調整用の電極非形成部75を形成する場合、電極非形成部75の位置とサイズを任意に設定することが可能である。
次に、本発明の第5の実施形態に係るストリップラインフィルタについて説明する。
図9は、同ストリップラインフィルタの構成を説明する図であり、同図(A)は実装面の反対側から見た斜視図、同図(B)は実装面側から見た斜視図、同図(C)は図中に一点鎖線で示す位置の断面図である。
ストリップラインフィルタ80は、共振線路81A〜81Dを主面に設けた誘電体基板84の上面を開放したマイクロストリップラインフィルタである。各共振線路81A〜81Dは一端開放、一端接地した1/4波長共振線路であり、開放端が互い違いの方向を向くように配置されていて、隣接する共振器間はインターディジタル結合する。そのため、共振器間の結合が強くなり、ストリップラインフィルタ80の通過帯域を広帯域化できる。
ここで、共振線路81Aの対向領域には入出力電極82Aが形成され、共振線路81Dの対向領域には入出力電極82Bが形成されている。入出力電極82A,82Bは、共振線路81A,81Dに対向して容量結合するものである。接地電極83は誘電体基板84の下面に、入出力電極82A,82Bから分離して設けられている。接地電極83と入出力電極82Aとの間には電極非形成部85が設けられている。
電極非形成部85は、共振線路81Bの対向領域と共振線路81Cの対向領域を経由する形状である。このため、共振線路81Bが接地電極83と対向する面積が小さく、共振線路81Bの自己容量は小さくなっている。また、電極非形成部85は共振線路81Cの対向領域も経由しているため、共振線路81Cが接地電極83と対向する面積も小さく、共振線路81Cの自己容量は小さくなっている。これにより、共振線路81Bの構成する共振器と共振線路81Cの構成する共振器との間の共振器間結合度は、電極非形成部85が共振線路81Cの対向領域にまで至っていない場合よりも、大きくなっている。
次に、本発明の第6の実施形態に係るストリップラインフィルタについて説明する。
図10は、同ストリップラインフィルタの構成を説明する図であり、同図(A)は実装面の反対側から見た斜視図、同図(B)は実装面側から見た斜視図、同図(C)は図中に一点鎖線で示す位置の断面図である。
ストリップラインフィルタ90は、共振線路91A〜91Dを主面に設けた誘電体基板94の上面を開放したマイクロストリップラインフィルタである。各共振線路91A〜91Dは一端開放、一端接地した1/4波長共振線路であり、開放端が同方向を向くように配置されていて、隣接する共振器間はコムライン結合する。
共振線路91Aと共振線路91Dには、入出力電極92A,92Bがそれぞれ接続されている。入出力電極92A,92Bの先端は、ストリップラインフィルタ90の実装面まで延設されている。
接地電極93は誘電体基板94の下面の略全面に、入出力電極92A,92Bから分離して設けられている。接地電極93と入出力電極92Aとの間には、電極非形成部95が設けられている。電極非形成部95は、入出力電極92Aの周囲に設けられていて、先端側(基板中央側)が共振線路91Bの対向領域を経由して、共振線路91Cの対向領域に至るまで延設されている。このため、共振線路91Bが接地電極93と対向する面積が小さく、共振線路91Bの自己容量は小さくなっている。また、電極非形成部95は共振線路91Cの対向領域も経由しているため、共振線路91Cが接地電極93と対向する面積も小さく、共振線路91Cの自己容量は小さくなっている。これにより、共振線路91Bの構成する共振器と共振線路91Cの構成する共振器との間の共振器間結合度は、電極非形成部95が共振線路91Cの対向領域にまで至っていない場合よりも、大きくなっている。
以上の各実施形態で示したように、結合調整用の電極非形成部を設けることにより、隣接する共振器対の間隔や各共振線路の形状の設定に寄らずに、所望の共振器対での共振器間結合度を強められる。
なお、上記した実施形態での共振線路や入出力電極、電極非形成部の配置や形状は製品仕様に応じたものであり、製品仕様に応じたどのような配置位置や形状であっても良い。本発明は上記構成以外であっても適用でき、多様なフィルタのパターン形状に採用できる。また、このフィルタに、他の構成(高周波回路)をさらに配しても良い。
従来のストリップラインフィルタの構成例を説明する図である。 第1の実施形態に係るストリップラインフィルタの構成を説明する図である。 同ストリップラインフィルタの製造工程を説明する図である。 同ストリップラインフィルタの入出力電極の周辺構造を説明する図である。 同ストリップラインフィルタのフィルタ特性の例を説明する図である。 第2の実施形態に係るストリップラインフィルタの構成を説明する図である。 第3の実施形態に係るストリップラインフィルタの構成を説明する図である。 第4の実施形態に係るストリップラインフィルタの構成を説明する図である。 第5の実施形態に係るストリップラインフィルタの構成を説明する図である。 第6の実施形態に係るストリップラインフィルタの構成を説明する図である。
符号の説明
1,50,60,70,80,90…ストリップラインフィルタ
2,54,64,74,84,94…誘電体基板
11A〜11E,51,61,71,81,91…共振線路
12A,12B…上面引出電極
21…側面線路
22…側面引出電極
31,53,63,73,83,93…接地電極
32A,32B,52,62,72,82,92…入出力電極
33A,33B,55,65,75,85,95…電極非形成部
41B,41C…対向領域

Claims (7)

  1. 矩形平板状の誘電体基板を介して実装面に対向する複数の共振線路と、
    前記複数の共振線路のいずれかに結合する、前記実装面に設けた入出力電極と、
    前記入出力電極から分離して前記実装面に設けた接地電極と、
    を備えるストリップラインフィルタであって、
    第1の共振線路が対向する前記実装面の第1の対向領域と、前記第1の共振線路に隣接する第2の共振線路が対向する前記実装面の第2の対向領域と、を経由する形状の結合調整用電極非形成部を備え、
    前記第1および第2の対向領域内では、前記結合調整用電極非形成部に前記接地電極のみが隣接する、ストリップラインフィルタ。
  2. 前記誘電体基板の前記複数の共振線路を設けた上面を開放してマイクロストリップラインフィルタとした、請求項1に記載のストリップラインフィルタ。
  3. 前記誘電体基板に積層した別の誘電体基板を介して前記複数の共振線路に対向する上面接地電極を設けてトリプレート型とした、請求項1に記載のストリップラインフィルタ。
  4. 前記結合調整用電極非形成部は、前記対向領域の外まで延設されていて、前記対向領域の外で前記入出力電極を前記接地電極から分離させた請求項1〜3のいずれかに記載のストリップラインフィルタ。
  5. 前記結合調整用電極非形成部により分離された前記接地電極および前記入出力電極の間隔を、前記複数の共振線路の配列方向に垂直な方向よりも、前記配列方向で広くした請求項4に記載のストリップラインフィルタ。
  6. 前記共振線路のいずれかと前記入出力電極とを接続する引出電極を備える請求項1〜5のいずれかに記載のストリップラインフィルタ。
  7. 前記第1の共振線路が構成する共振器と前記第2の共振線路が構成する共振器とをインターディジタル結合させた請求項1〜6のいずれかに記載のストリップラインフィルタ。
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