JP2006109237A - フィルタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタ特性を向上させつつフィルタ装置の小型化を図ること。
【解決手段】このフィルタ装置(1)は、誘電体部材(10)に、該誘電体部材(10)を貫通する大径部(31-34)と小径部(21-24)とからなる段穴を形成し、段穴の内面に導体層(71-74)を形成してなる共振器(L1-L4)を複数並設したフィルタ装置(1)において、隣接する少なくとも一対の共振器(L2,L3)の段穴の大径部(32,33)を長軸が互いに平行する断面長穴に形成して容量性結合にするとともに、大径部(32,33)を長穴とされた共振器(L2,L3)と隣接する他の共振器(L1,L4)の段穴を大径部(31,34)と小径部(21,24)の中心軸を互いに偏心させて隣接する大径部(32,33)を長穴とされた共振器(L2,L3)と磁界性結合にしたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば誘電体材料に回路素子を形成してなるフィルタ装置に関する。
通信装置の小型化と使用周波数の高周波数化に伴い、フィルタ装置の小型化に関する技術開発が進められている。このようなフィルタ装置として、誘電体材料に回路素子を形成してなる誘電体フィルタが知られている。
コムラインタイプの誘電体フィルタにおいては、複数の共振器を結合させることによりフィルタ回路を構成する。隣り合う共振器間の結合のあり方としては、容量性結合と磁界性結合の二つが知られており、この関連技術として、容量性結合を得るための貫通孔に径大部(座ぐり)と径小部を設ける技術(例えば特許文献1)、磁界性結合を得る為の径大部を互いに離間するように偏心させ、または貫通孔間にアース電極と接続した電極を設ける技術(例えば特許文献2)などが提案されている。また、フィルタを実現するための技術としては、当該座ぐりの偏心を利用して容量性結合及び磁界性結合それぞれを発生させる技術が知られている(例えば特許文献3)。
ところで、このような誘電体フィルタは、誘電体材料に共振器を立体的に構成するため、共振器や結合パターンの配置スペースを確保しなければならず、小型化を図るのが困難であるという問題があった。また、このような誘電体フィルタを単に小さく構成すると、フィルタとしての性能悪化が避けられないという問題があった。
実開昭59−14402号公報 特開平5−226909号公報 特開平7−254806号公報
このように、従来の誘電体フィルタでは、小型化が困難であるという問題がある。また、小型化に伴いフィルタとしての特性、例えば通過周波数帯域のエッジ部における減衰特性の悪化などが生じやすいという問題がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、容量性結合及び磁界性結合を組み合わせてフィルタ特性を向上させつつ小型化を図ったフィルタ装置を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、第1の発明のフィルタ装置は、誘電体部材に、該誘電体部材を貫通する大径部と小径部とからなる段穴を形成し、段穴の内面に導体層を形成してなる共振器を複数並設したフィルタ装置において、隣接する少なくとも一対の共振器の段穴の大径部を長軸が互いに平行する断面長穴に形成して容量性結合にするとともに、大径部を長穴とされた共振器と隣接する他の共振器の段穴を大径部と小径部の中心軸を互いに偏心させて隣接する大径部を長穴とされた共振器と磁界性結合にしたことを特徴としている。
第2の発明のフィルタ装置は、第1の発明のフィルタ装置において、段穴は、その小径部の直径の略2倍以下の間隔で小径部が形成されたことを特徴としている。
第3の発明のフィルタ装置は、第1の発明のフィルタ装置において、並設された複数の共振器の列と平行する誘電体部材の表面上の、段穴の大径部と小径部の中心軸が互いに偏心された他の共振器の段穴の大径部と対応する位置に形成された入出力電極をさらに備え、段穴の大径部と小径部の中心軸が互いに偏心された他の共振器は、さらにその大径部の中心軸が入出力電極に寄せるように偏心したことを特徴としている。
第4の発明のフィルタ装置は、第1の発明のフィルタ装置において、長穴に形成された大径部の開口部と、該開口部と隣接し段穴の大径部と小径部の中心軸が互いに偏心された他の共振器の大径部の開口部との間に、接地された補助電極をさらに備えたことを特徴としている。
本発明によれば、減衰特性や反射特性を犠牲にせずフィルタ装置の小型化を図ることができる。
本発明は、誘電体フィルタにおける共振器間の結合、すなわち容量性結合および磁界性結合を組み合わせることで、フィルタの減衰特性や反射特性を悪化させずにフィルタ装置の小型化を実現した。以下、本発明の一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る一つの実施形態のフィルタ装置の原理的回路構成を示す図である。図1に示すように、このフィルタ装置1は、共振器を4つ備えたコムラインタイプのフィルタであり、共振器L1ないしL4、結合インダクタL11ないしL13、結合容量C11ないしC13、入出力容量C1およびC2から構成されている。
共振器L1は、一端が入出力容量C1を介して入出力端子T1と接続され、他端が接地された共振体である。共振器L1は、誘電体材料に貫通孔を形成し、当該貫通孔内壁面に面状導体を形成して管状導体をなすことにより構成される。共振器L1は、フィルタ装置1の通過周波数に応じた大きさに形成され、目標周波数の波長の略四分の一の長さを有している。
共振器L2は、一端が、互いに並列接続された結合インダクタL11および結合容量C11を介して共振器L1および入出力容量C1の接続点と接続され、他端が接地された共振体である。共振器L2は、共振器L1と同様に誘電体材料に貫通孔を形成し、その内壁面に面状導体を形成して管状導体をなすことにより構成されるが、共振器L1とは異なる立体形状を有している。共振器L2は、フィルタ装置1の通過周波数に応じた大きさに形成され、目標周波数の波長の略四分の一の長さを有している。
共振器L3は、一端が、互いに並列接続された結合インダクタL12および結合容量C12を介して共振器L2および結合インダクタL11ならびに結合容量C11の接続点と接続され、他端が接地された共振体である。共振器L3は、共振器L2と対をなしており、略同一の大きさおよび形状を有している。
共振器L4は、一端が、互いに並列接続された結合インダクタL13および結合容量C13を介して共振器L3および結合インダクタL12ならびに結合容量C12の接続点と接続され、他端が接地された共振体である。共振器L4は、共振器L1と対をなしており、略同一の大きさおよび形状を有している。共振器L4の一端はまた、入出力容量C2を介して入出力端子T2と接続されている。
このように、この実施形態に係るフィルタ装置1は、それぞれ並列接続された結合インダクタL11ないしL13および結合容量C11ないしC13を介して、共振器L1ないしL4を並列接続してなる。すなわち、このフィルタ装置1は、四段構成の共振器からなり、その回路構成は対称構造となっている。
続いて、図2および図3を参照して、この実施形態に係るフィルタ装置の構成を詳細に説明する。図2は、この実施形態に係るフィルタ装置1の外観を示す展開図であり、図3は、図2の矢視AAaから平面12方向の断面を示す断面図である。図2に示すように、このフィルタ装置1は、例えばセラミックなどの誘電体材料を直方体形状に形成した誘電体部材10からなり、正面11、平面12、底面13、側面14および15、ならびに背面16を有している。正面11には、貫通孔21ないし24と、座ぐり孔31ないし34と、補助電極41および42とが形成されている。平面12には、電極51および52と、接地導体62とが形成されている。底面13には、補助電極41および42と、接地導体63とが形成されている。側面14および15には、それぞれ接地導体64および65が全面に形成されている。背面16には、貫通孔21ないし24と、接地導体66とが形成されている。すなわち、このフィルタ装置1は、正面11以外の五つの面に接地導体が形成されている。
図2および図3に示すように、貫通孔21ないし24は、正面11から背面16へ向けて貫通した貫通孔であり、略円形断面を有している。貫通孔21ないし24は、正面11の短手方向の略中心位置で正面11の長手方向にほぼ一列に形成されている。
座ぐり孔31ないし34は、正面11から背面16へ向けて形成された凹型領域(盲穴)であり、座ぐり孔31および34と座ぐり孔32および33とは、それぞれ互いに略同一断面を有している。座ぐり孔32および33は、正面11の略中央位置で正面11の長手方向と平行に列をなすように形成され、座ぐり孔31および34は、座ぐり孔32および33とこれらに対向する正面11の短辺とに挟まれる位置に形成されている。座ぐり孔31ないし34は、貫通孔21ないし24とそれぞれ正面11の並行方向に重複して形成されている。従って、座ぐり孔31ないし34は、貫通孔21および24と形成位置が重複する部分において背面16へ向けて貫通している。座ぐり孔32および33は、その中心軸と貫通孔22および23の中心軸とがそれぞれ略同一位置となるように形成され、座ぐり孔31および34は、その中心軸と貫通孔21および24の中心軸とがそれぞれ一致せず偏心して形成されている。座ぐり孔31および34の中心軸は、貫通孔21および24の中心軸に対して、それぞれ対向する正面11の短辺と正面11の平面12と接する長辺とに寄せて形成されている。座ぐり孔31および34の断面は略円形形状であり、座ぐり孔32および33の断面は、正面11の長手方向に拉げた(潰れた)円形形状(正面11の短辺と平行の長穴形状)である。すなわち、座ぐり孔31ないし34は、正面11の長手方向に略一列に配設され、そのうち座ぐり孔31および34は、平面12へ寄せた位置に配設されている。
また、図3に示すように、座ぐり孔31ないし34は、それぞれ貫通孔21ないし24と段部を介して一体的に形成されている。そして、座ぐり孔31ないし34ならびに貫通孔21ないし24の内壁面は、接地導体66と一体的に形成された面状導体により管状導体71ないし74を構成している。
座ぐり孔31および34と貫通孔21ないし24は、前述のとおりそれぞれ段部を介して一体的に形成され、それぞれ大径部と小径部とからなる管状導体71ないし74を構成する。そして、管状導体71ないし74は、その小断面側において接地導体66と一体的に形成され、それぞれ図1に示す共振器L1ないしL4を構成する。共振器L1ないしL4は、誘電体部材10による仮想的な結合インダクタL11ないしL14および結合容量C11ないしC14を介してそれぞれ互いに結合している。管状導体71ないし74は、例えば銀などの導体材料を誘電体部材10の壁面に塗布して焼成したり、銅などの導体材料をメッキすることで形成される。
補助電極41および42は、正面11と底面13とをまたいで座ぐり孔31および32に挟まれる位置と、同じく座ぐり孔33および34に挟まれる位置とにそれぞれ接地導体63と一体的に形成されている。補助電極41および42は、管状導体71および72の間、および管状導体73および74の間のそれぞれの結合を調整する作用をする。具体的には、補助電極41および42は、管状導体71・72間および73・74間にグラウンド電位を形成し、共振器L1・L2間および共振器L3・L4間の結合を磁界性結合とする作用をする。補助電極41および42は、例えば銀などの導体材料を誘電体部材10の壁面に塗布して焼成したり、銅などの導体材料をメッキすることで形成される。
電極51および52は、平面12上における正面11近傍に形成された矩形の面状導体であり、このフィルタ装置1の入出力端子T1およびT2に対応する。電極51および52は、平面12の平行方向での座ぐり孔31および34の位置および大きさに対応して形成されている。すなわち図2に示すように、電極51および52は、平面12に向けて寄せられた座ぐり孔31および34の対応位置に配設され、当該座ぐり孔31および34との間で入出力容量C1およびC2を形成している。電極51および52は、例えば銀などの導体材料を誘電体部材10の壁面に塗布して焼成したり、銅などの導体材料をメッキすることで形成される。なお、接地導体62を平面12全体に形成した後にエッチング等により電極51および52を形成してもよい。
接地導体62ないし66は、フィルタ装置1が実装されたときに接地されるグラウンド電極であり、互いに一体的に形成されている。接地導体62ないし66は、例えば銀などの導体材料を誘電体部材10の壁面に塗布して焼成したり、銅などの導体材料をメッキすることで形成される。
図3に示すように、管状導体71ないし74は、正面11における開口部が背面16における開口部よりも大きい断面を有している。管状導体71ないし74は、正面11側から貫通孔21ないし24の長さの略30%ほどの位置において段部を有しており、貫通孔21ないし24と、これらより大径の座ぐり孔31ないし34とを結合している。管状導体71および74は、断面の大きい座ぐり孔31および34の領域が貫通孔21および24の領域よりも側面14および15側にそれぞれ寄せられている。一方、管状導体72および73は、その正面11の長手方向の径が貫通孔22および23と略同一であり、短手方向の径が前述のとおり拉げた円形状(長穴状)に細長く形成されている。
このフィルタ装置1では、入出力端子51に入力された高周波信号は、等価的なキャパシタである入出力容量C1を介して共振器L1の座ぐり孔31に入力される。共振器L1ないしL4相互間は、等価的に互いに並列接続された結合インダクタL11ないしL14および結合容量C11ないしC14を介して高周波的に結合している。そのため、座ぐり孔31に入力された高周波信号は、共振器L1ないしL4において共振する。共振器L4に共振して励起された高周波信号は、座ぐり孔34から等価的なキャパシタである入出力容量C2を介して入出力端子52に出力される。入出力端子52に高周波信号が入力される場合は、逆の手順により入出力端子51に高周波信号が出力される。
続いて、図4ないし図11を参照して、この実施形態に係るフィルタ装置1の構造と作用との関係について詳細に説明する。
まず、図4ないし図7を参照して、この実施形態に係るフィルタ装置1における磁界性結合および容量性結合について説明する。図4は、フィルタ装置の共振器間の結合が全て容量性結合である場合の比較例を示す正面図、図5は、図4に示す比較例のフィルタ装置における特性例を示す図、図6は、フィルタ装置の共振器間の結合が全て磁界性結合である場合の比較例を示す正面図、図7は、図6に示す比較例のフィルタ装置における特性例を示す図である。
この実施形態に係るフィルタ装置1では、共振器L1に対応する管状導体71および共振器L2に対応する管状導体72の間と、共振器L3に対応する管状導体73および共振器L4に対応する管状導体74の間とが磁界性結合(容量性結合よりも磁界性結合が支配的な状態)により高周波的に結合している。一方、共振器L2に対応する管状導体72および共振器L3い対応する管状導体73の間は、容量性結合(磁界性結合よりも容量性結合が支配的な状態)により高周波的に結合している。
ここで図4に示すように、フィルタ装置1の管状導体を、同一の円形形状の貫通孔121ないし124および同一の円形形状の座ぐり孔131ないし134により構成した場合、それぞれの管状導体を結合する等価的な結合インダクタよりも等価的な結合容量の方が支配的になり、全体として容量性結合となる。この場合、フィルタ装置1の減衰特性は、図5の実線で示すように目的周波数の低周波側に極が発生し、高周波側はブロードな特性となる。従って、このような容量性結合のみにより構成したフィルタ装置では、通過帯域の低域側及び高域側双方での良好な減衰特性を得ることが難しくなる。他方、図6に示すように、フィルタ装置1の管状導体を、同一の円形形状の貫通孔221ないし224および同一の矩形形状の座ぐり孔231ないし234により構成し、座ぐり孔231ないし234のそれぞれの間に接地導体261ないし263を形成した場合、それぞれの管状導体を結合する等価的な結合容量よりも等価的な結合インダクタの方がが支配的になり、全体として磁界性結合となる。この場合、フィルタ装置1の減衰特性は、図7の実線で示すように目的周波数の高周波側に極が発生し、低周波側はブロードな特性となる。従って、このような磁界性結合のみにより構成したフィルタ装置においても、通過帯域の低域側及び高域側双方での良好な減衰特性を得ることが難しくなる。
本実施形態に係るフィルタ装置1では、管状導体71ないし74のうち、中央に位置する管状導体72の座ぐり孔32と管状導体73の座ぐり孔33とを正面11の長手方向に拉げた円形形状(長穴状)とすることで、両者の間隔をできる限り狭めて結合インダクタL12よりも結合容量C22を支配的にし、容量性結合を生じさせている。併せて、両端に位置する管状導体71および74のそれぞれの座ぐり孔31および34の中心軸を、隣接する座ぐり孔32および33の中心軸から離すように形成し、結合容量C11・C13よりも結合インダクタL11・L13を支配的にして磁界性結合を生じさせている。さらに、補助電極41および42を座ぐり孔31および32の間と座ぐり孔33および34の間とに配設することで、両座ぐり孔間の結合インダクタL11・L13を結合容量C11・C13よりもさらに支配的に作用させている。このように、この実施形態に係るフィルタ装置1では、容量性結合と磁界性結合とを組み合わせて構成するので、目的周波数の高周波側および低周波側の両側に容易に極を生じさせることができる。すなわち、バンドパスフィルタに好適な通過特性・減衰特性を得ることができる。さらに、座ぐり孔32および33を長軸が平行の長穴に形成し、補助電極41および42を正面11および底面13のみに跨る小型接地導体としたことは、フィルタ装置1全体の小型化に寄与するものである。
続いて、図8および図9を参照して、この実施形態に係るフィルタ装置1における通過周波数帯域前後の減衰特性について説明する。図8は、フィルタ装置の共振器間の結合を入力側から順に磁界性結合・容量性結合・磁界性結合とした場合の比較例を示す図、図9は、図8に示す比較例のフィルタ装置における特性例を示す図である。
本実施形態に係るフィルタ装置1では、共振器L2に対応する管状導体72および共振器L3に対応する管状導体73を、正面11の長手方向に拉げた円形形状に形成して当該管状導体間の距離を狭めることで、容量性結合を実現している。
ここで図8に示すように、フィルタ装置の管状導体について、座ぐり孔331および332の間と、座ぐり孔333および334の間とにそれぞれ接地導体361および362を配設するとともに、座ぐり孔331および334の中心軸と貫通孔321および324の中心軸とをそれぞれ共振器の列方向に離間するように形成した場合、共振器間の結合は、磁界性結合・容量性結合・磁界性結合となる。すなわち、目的とする通過周波数帯域の高周波側および低周波側の両側に極を得ることができるが、貫通孔間の距離が遠い為に減衰極を通過帯域付近へ近づけることができず、結果として図9に示すように通過周波数帯域前後の減衰特性がブロード(なだらかに)になってしまう。
本実施形態に係るフィルタ装置1では、管状導体72および73を構成する座ぐり孔32および33の形状を正面11の長手方向に拉げた円形とし、貫通孔22および23の間の距離を可能な限り近づけている。また、座ぐり孔31および34の中心軸を貫通孔21および24の中心軸とずらして座ぐり孔31および34を正面11の長手方向に偏心させるとともに、座ぐり孔31および32の間と座ぐり孔33および34の間とに接地導体に代えて小型の補助電極41および42を配設することで、貫通孔21および22の距離と貫通孔23および24間の距離についても可能な限り近づけている。すなわち、貫通孔21ないし24をできる限り近接させて、通過帯域の低域側及び高域側に発生する減衰極の位置を通過帯域付近へ近づけることで、通過周波数帯域前後の減衰特性を良好なものとすることができる。さらに、貫通孔21ないし24のそれぞれの間の距離を近接させ、座ぐり孔31および34を偏心させるとともに座ぐり孔32および33を拉げた形状とすることは、フィルタ装置1全体の大きさを小さくすることにも寄与するものである。
続いて、図10および図11を参照して、この実施形態に係るフィルタ装置1における反射特性について説明する。図10は、フィルタ装置の共振器間の結合を入力側から順に磁界性結合・容量性結合・磁界性結合とした場合の比較例を示す図、図11は、図10に示す比較例のフィルタ装置における特性例を示す図である。
この実施形態に係るフィルタ装置1では、共振器L1に対応する管状導体71の座ぐり孔31および共振器L4に対応する管状導体74の座ぐり孔34を平面12に向けて寄せた位置に形成し、入出力容量C1およびC2を確保している。
ここで図10に示すように、フィルタ装置の管状導体について、貫通孔421ないし424および座ぐり孔431ないし434を正面の短手方向の略中心位置に略一列に形成し、座ぐり孔431および432の間と座ぐり孔433および434の間とに補助電極
441および442を設けた場合、共振器間の結合を入力側から順に磁界性結合・容量性結合・磁界性結合とすることができる。この場合、図11の実線で示すように通過・減衰特性は良好なものが得られるが、破線で示す反射特性は大きい値となってしまう。このことは、フィルタ装置の通過周波数帯域でのロスが大きいことを意味する。
本実施形態に係るフィルタ装置1では、管状導体71および74を構成する座ぐり孔31および34を、入出力端子T1およびT2をなす電極51および52の形成された平面12側に寄せて配設したので、入出力容量C1およびC2を大きな値とすることができる。すなわち、反射特性を改善することが可能となる。
続いて、図2および図12を参照してこの実施形態に係るフィルタ装置1の実施例について説明する。図12は、この実施形態に係るフィルタ装置の1実施例の通過特性および反射特性を示す図である。
まず図2に示す誘電体部材10として、比誘電率12.6のセラミックを4.80mm×1.90mm×3.00mmの直方体に切り出した。そして、切り出した誘電体部材の正面(4.80mm×1.90mmの面)の短手方向の略中央位置に、直径0.42mmの貫通孔21ないし24を4つ縦列に形成した。貫通孔間の距離は、貫通孔21および22ならびに貫通孔23および24それぞれの間の距離W1は0.78mm、貫通孔22および23の間の距離W2は0.76mmとした。4つの貫通孔のうち両端の貫通孔には、円形形状の座ぐり孔31および34を正面の一方の長辺および対向する短辺に寄せて形成し、中央の二つの貫通孔には、正面の短手と沿うように溝状の座ぐり孔32および33を形成した。
得られたフィルタ装置1の特性例を図12に示す。図12において、実線で示すのはフィルタ装置1の通過特性であり、破線で示すのは同じく反射特性である。図12に示すように、通過周波数帯域前後の減衰特性(減衰カーブ)が急峻であり、5308MHzおよび6122MHzに減衰の極が得られた。また、反射特性は、通過周波数帯域全域においておよそ20dB以上であり、バンドパスフィルタに好適なフィルタ装置が得られた。
続いて、この実施形態に係るフィルタ装置の変形例について説明する。
図13は、フィルタ装置1に形成される貫通孔のうち両端の貫通孔21および24の距離と通過特性における二つの極の間の周波数帯域幅との関係を示す図である。図14は、フィルタ装置1に形成される貫通孔のうち中心の二つの貫通孔22および23の距離と通過帯域の低周波側の極における減衰量との関係を示す図である。図15は、フィルタ装置1に形成される両端の貫通孔21および24と中央の二つの貫通孔22および23との間の距離と、通過帯域の高周波側の極における減衰量との関係を示す図である。
前述のとおり、この実施形態に係るフィルタ装置1においては、貫通孔の形成間隔は、通過周波数帯域前後の減衰特性(スカート特性)に影響を与える。先に説明した実施例のフィルタ装置で、それぞれの貫通孔間の距離を一定に保ちつつ両端の貫通孔21および24の距離を変化させて、通過特性における二つの極(二つのピーク)の間の周波数帯域幅の変化を調べた。図13は、両端の貫通孔間距離W3を2.32mm、2.62mm、2.92mm、3.22mmおよび3.52mmとした場合の極の間の周波数帯域幅をグラフにしたものである。図13に示すように、両端の貫通孔間距離W3と極の間の周波数帯域幅との間には概ね比例関係が示され、距離W3が小さいほど極間の周波数帯域幅が小さい(通過周波数帯域前後の減衰特性が急峻)ことがわかる。
また、この実施形態に係るフィルタ装置1においては、管状導体72および73の間の容量性結合と、管状導体71および72ならびに管状導体73および74のそれぞれの間の磁界性結合とが組み合わされている。そして、前述のとおり容量性結合は通過周波数帯域の低周波側の極を形成し、磁界性結合は同じく高周波側の極を形成する。そこで、先に説明した実施例のフィルタ装置で、容量性結合をなす管状導体72および73を構成する貫通孔22および23の距離W2と低周波側の極(ピーク)における減衰量との関係を調べた。同様に、磁界性結合をなす管状導体71および72ならびに管状導体73および74を構成する貫通孔間21および22ならびに貫通孔23および24の距離W1と高周波側の極における減衰量との関係を調べた。
図14は、容量性結合をなす管状導体における貫通孔間の距離W2を0.76mm、0.86mm、0.96mm、1.06mmおよび1.16mmとした場合の低周波側の極付近(この実施例では5350MHz)での減衰量をグラフにしたものである。図14に示すように、貫通孔間の距離W2と減衰量との間には概ね比例関係が示され、距離W2が小さいほど極における減衰量が小さいことがわかる。
また、図15は、磁界性結合をなす管状導体における貫通孔間の距離W1を0.78mm、0.88mm、0.98mm、1.08mmおよび1.18mmとした場合の高周波側の極付近(この実施例では6035MHz)での減衰量をグラフにしたものである。図15に示すように、貫通孔間の距離W1と減衰量との間についても概ね比例関係が示され、距離W1が小さいほど極における減衰量が小さいことがわかる。
ここで、一般に要求されるバンドパスフィルタの特性として、低周波側の極が−15dB程度、高周波側の極は−20dB程度であるとすると、図14よりW2は0.97mm程度以下、図15よりW1は1.18mm程度以下とすることが好ましいことがわかる。言い換えれば、貫通孔の直径が0.42mmであるから、貫通孔間の距離W2と貫通孔直径の比W2/d=0.97/0.42=2.3以下、貫通孔間の距離W1と直径の比W1/d=1.18/0.42=2.8以下とすることで良好な結果が得られることになる。より好ましくは、それぞれの比が2.0以下(距離W1およびW2が貫通孔の直径の2倍以下)とすることでさらに良好な結果を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記実施形態では、フィルタ装置の誘電体部材を直方体としているが、これには限定されない。すなわち、貫通孔および座ぐり孔からなる共振器が同一方向に併設されるものであれば、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、座ぐり孔31・34の断面形状を略円形、座ぐり孔32・33の断面形状を長穴としているが、これにも限定されない。すなわち、座ぐり孔31・34は、対向する座ぐり孔から離間する方向に寄せて形成されていればよく、座ぐり孔32・33は、貫通孔22・23が可能な限り接近することができる形状であればよい。また座ぐり孔32および33は、その中心軸と貫通孔22および23の中心軸とがそれぞれ一致せずに偏心して形成されていても良い。
さらに、上記実施形態では、誘電体部材をセラミックにより構成しているが、これにも限定されない。すなわち、フィルタ装置を構成するのに適した比誘電率を有する誘電体材料であれば、同様に適用することができる。
本発明は、電子機器関連産業、通信機器関連産業に適用することができる。
本発明の一つの実施形態に係るフィルタ装置の原理的回路構成を示す図である。 この実施形態に係るフィルタ装置の外観を示す展開図である。 図2の矢視AAaから平面12方向を示す断面図である。 フィルタ装置の共振器間の結合が全て容量性結合である場合の比較例を示す正面図である。 図4に示す比較例のフィルタ装置における特性例を示す図である。 フィルタ装置の共振器間の結合が全て磁界性結合である場合の比較例を示す正面図である。 図6に示す比較例のフィルタ装置における特性例を示す図である。 フィルタ装置の共振器間の結合を磁界性結合と容量性結合との組合せとした比較例を示す図である。 図8に示す比較例のフィルタ装置における特性例を示す図である。 フィルタ装置の共振器間の結合を磁界性結合と容量性結合との組合せとした比較例を示す図である。 図10に示す比較例のフィルタ装置における特性例を示す図である。 この実施形態に係るフィルタ装置の一実施例の通過特性および反射特性を示す図である。 フィルタ装置に形成される貫通孔形成領域の幅と通過特性における二つの極の間の周波数帯域幅との関係を示す図である。 フィルタ装置に形成される中心の二つの貫通孔の間隔と通過帯域の低周波側の極における減衰量との関係を示す図である。 フィルタ装置に形成される両端の貫通孔と中央の二つの貫通孔との間の距離と、通過帯域の高周波側の極における減衰量との関係を示す図である。
符号の説明
1…フィルタ装置、10…誘電体部材、11…正面、12…平面、13…底面、14…側面、15および16…側面、21ないし24…貫通孔、31ないし34…座ぐり孔、41および42…補助電極、51および52…電極、62ないし66…接地導体、71ないし74…管状導体、L1ないしL4…共振器、C1およびC2…入出力容量、L11ないしL13…結合インダクタ、C11ないしC13…結合容量、T1およびT2…入出力端子。

Claims (4)

  1. 誘電体部材に、該誘電体部材を貫通する大径部と小径部とからなる段穴を形成し、前記段穴の内面に導体層を形成してなる共振器を複数並設したフィルタ装置において、
    隣接する少なくとも一対の前記共振器の段穴の大径部を長軸が互いに平行する断面長穴に形成して容量性結合にするとともに、
    前記大径部を長穴とされた共振器と隣接する他の共振器の段穴を大径部と小径部の中心軸を互いに偏心させて隣接する前記大径部を長穴とされた共振器と磁界性結合にしたこと
    を特徴とするフィルタ装置。
  2. 前記段穴は、その小径部の直径の略2倍以下の間隔で前記小径部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
  3. 前記並設された複数の共振器の列と平行する前記誘電体部材の表面上の、前記段穴の大径部と小径部の中心軸が互いに偏心された他の共振器の段穴の大径部と対応する位置に形成された入出力電極をさらに備え、
    前記段穴の大径部と小径部の中心軸が互いに偏心された他の共振器は、さらにその大径部の中心軸が前記入出力電極に寄せるように偏心したこと
    を特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
  4. 前記長穴に形成された大径部の開口部と、該開口部と隣接し前記段穴の大径部と小径部の中心軸が互いに偏心された他の共振器の大径部の開口部との間に、接地された補助電極をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
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