JP2006186525A - フィルタ装置、デュプレクサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入出力電極の配置位置の自由度を確保すること。
【解決手段】このフィルタ装置1は、誘電体部材10と、誘電体部材10に第1の貫通孔を形成し、該第1の貫通孔内周面に、一端側を第1の貫通孔の一方の端部側で接地させた導体層を形成してなるフィルタ共振器と、誘電体部材10にフィルタ共振器と隣接する第2の貫通孔117を形成し、該第2の貫通孔117内周面に、該第2の貫通孔117の一方の端部側で接地され他方の端部側を引出電極143とした導体層を形成してなる励振器と、誘電体部材10に励振器と隣接する第3の貫通孔を形成し、該第3の貫通孔内周面に、一端側を第3の貫通孔の一方の端部側で接地させた導体層を形成してなり、所定の周波数に共振するトラップ共振器と、誘電体部材10の表面12に、引出電極143から励振器の対応位置に沿わせて延伸され屈曲部を介してトラップ共振器と交差し延伸した帯状導体層を形成してなる入出力電極とを備えている。
【選択図】図2
【解決手段】このフィルタ装置1は、誘電体部材10と、誘電体部材10に第1の貫通孔を形成し、該第1の貫通孔内周面に、一端側を第1の貫通孔の一方の端部側で接地させた導体層を形成してなるフィルタ共振器と、誘電体部材10にフィルタ共振器と隣接する第2の貫通孔117を形成し、該第2の貫通孔117内周面に、該第2の貫通孔117の一方の端部側で接地され他方の端部側を引出電極143とした導体層を形成してなる励振器と、誘電体部材10に励振器と隣接する第3の貫通孔を形成し、該第3の貫通孔内周面に、一端側を第3の貫通孔の一方の端部側で接地させた導体層を形成してなり、所定の周波数に共振するトラップ共振器と、誘電体部材10の表面12に、引出電極143から励振器の対応位置に沿わせて延伸され屈曲部を介してトラップ共振器と交差し延伸した帯状導体層を形成してなる入出力電極とを備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば誘電体材料に共振器を形成してなるフィルタ装置、デュプレクサ装置に関する。
通信装置の小型化と利用周波数の高周波数化に伴い、フィルタ装置の小型化に関する技術開発が進められている。このようなフィルタ装置として、誘電体材料に貫通孔を形成し当該貫通孔内周面に導体層を形成した共振器を複数構成してなる誘電体フィルタが知られている(例えば特許文献1)。例えば特許文献1には、誘電体部材に複数の共振器を並列に配置したデュプレクサが開示されている。
ところで、デュプレクサ装置に適用するフィルタのように、通過周波数帯域のエッジ部分において急峻な減衰極が必要とされる場合がある。こうした減衰極は、共振器の大きさや配置によって変動するが、極度に小型化したフィルタやデュプレクサなどにおいては、トラップ共振器をさらに付加して必要な減衰極を確保することが行われる。トラップ共振器は、所定の周波数帯域の信号を通過させるフィルタとは別に、主として減衰極を生成し調整するために設けられる共振器である。
特許文献1にも示されるように、トラップ共振器は、フィルタを構成する共振器と同一平面上に形成されるが、フィルタを通過させる信号を入出力する電極の間ではなく外側に形成される。すなわち、トラップ共振器はフィルタの付加要素であってフィルタを直接構成する要素ではないため、フィルタを構成する共振器列の一番外側に配置されることになる。
一方、フィルタを構成する共振器列の一番外側に共振器が配置されることにより、フィルタの入出力電極の配置位置の自由度が狭くなり、接続線路の引き回しによる損失が大きくなるという問題が生じていた。
特開平8−32313号公報
このように従来のフィルタ装置、デュプレクサ装置では、入出力電極の配置位置の自由度が狭くなるという問題がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、入出力電極の配置位置の自由度を確保することのできるフィルタ装置、デュプレクサ装置を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、本発明の第1の発明に係るフィルタ装置は、誘電体部材と、誘電体部材に第1の貫通孔を形成し、該第1の貫通孔内周面に、一端側を前記第1の貫通孔の一方の端部側で接地させた導体層を形成してなるフィルタ共振器と、誘電体部材にフィルタ共振器と隣接する第2の貫通孔を形成し、該第2の貫通孔内周面に、該第2の貫通孔の一方の端部側で接地され他方の端部側を引出電極とした導体層を形成してなる励振器と、誘電体部材に励振器と隣接する第3の貫通孔を形成し、該第3の貫通孔内周面に、一端側を第3の貫通孔の一方の端部側で接地させた導体層を形成してなり、所定の周波数に共振するトラップ共振器と、引出電極に接続され、第1ないし第3の貫通孔がなす貫通孔列と並行する誘電体部材の表面に、引出電極から励振器の対応位置に沿わせて延伸され屈曲部を介してトラップ共振器と交差し延伸した帯状導体層を形成してなる入出力電極とを備えたことを特徴としている。
第2の発明に係るフィルタ装置は、直方体形状の誘電体部材と、誘電体部材の対向する第1の面から第2の面に向けて第1の貫通孔を形成し、該第1の貫通孔内周面に、第1の貫通孔の第1の面側で接地させた導体層を形成してなるフィルタ共振器と、誘電体部材の第1の面から第2の面に向けてフィルタ共振器と隣接する第2の貫通孔を形成し、該第2の貫通孔内周面に、第2の貫通孔の第2の面側で接地され第1の面側を引出部とした導体層を形成してなる励振器と、誘電体部材の第1の面から第2の面に向けて励振器と隣接する第3の貫通孔を形成し、該第3の貫通孔内周面に、第1の面側で接地させた導体層を形成してなり、所定の周波数に共振するトラップ共振器と、引出部に接続され、第1ないし第3の貫通孔がなす貫通孔列と並行する誘電体部材の第3の面に、第1の面に形成された引出部から第3の面における励振器の対応位置に沿わせて延伸され屈曲部を介して前記トラップ共振器と交差し延伸した帯状導体層を形成してなる入出力電極とを備えたことを特徴としている。
第3の発明に係るフィルタ装置は、第1および第2の発明に係るフィルタ装置において、入出力電極は、屈曲部において略直角に屈曲してトラップ共振器と直交するように形成したことを特徴としている。
第4の発明に係るフィルタ装置は、第1ないし第3の発明に係るフィルタ装置において、入出力電極は、入出力電極形成面における励振器の略中点と対応する位置において屈曲するように形成したことを特徴としている。
第5の発明に係るフィルタ装置は、第1ないし第4の発明に係るフィルタ装置において、入出力電極は、さらに、貫通孔列と対向する面に跨るように形成されたことを特徴としている。
第6の発明に係るデュプレクサ装置は、第1ないし第5の発明に係るフィルタ装置を備えたことを特徴としている。
このように、本発明のフィルタ装置、デュプレクサ装置では、励振器の対応位置に沿わせて延伸され屈曲部を介してトラップ共振器と交差し延伸した帯状導体層を形成してなる入出力電極を備えたので、入出力電極の配置位置の自由度を高めることができる。
本発明によれば、フィルタ装置、デュプレクサ装置の入出力電極の配置位置の自由度を高めることができる。
以下、本発明の1実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る第1の実施形態のデュプレクサ装置の原理的回路構成を示す図である。図1に示すように、この実施形態のデュプレクサ装置1は、共振器L1ないしL6と、励振器D1およびD2と、結合インダクタL11ないしL13、L21ないしL23およびL31と、結合容量C11ないしC13、C21ないしC23およびC31と、入出力容量C1とを有している。
共振器L1ないしL3は、それぞれの一端が、互いに並列接続された等価的な結合インダクタL11およびL12ならびに結合容量C11およびC12を介して接続され、それぞれの他端が接地された共振体である。共振器L1ないしL3は、誘電体材料に貫通孔を形成し、当該貫通孔内壁面に導体層を形成して管状導体をなすことにより構成される。
共振器L1ないしL3は、デュプレクサ装置1における受信フィルタ1aを構成する。すなわち、共振器L1が、入出力容量C1を介して受信端子Rに接続されるとともに、共振器L3が、互いに並列接続された結合インダクタL13および結合容量C13を介して接続された励振器D1(励振孔D1)を通じてアンテナ端子ANTと接続される。共振器L1ないしL3は、その通過周波数および帯域に応じた大きさに形成され、それぞれ目標周波数の波長の略四分の一の長さの共振長を有している。
共振器L1ないしL3を相互に接続する結合インダクタL11およびL12ならびに結合容量C11およびC12は、それぞれ結合インダクタよりも結合容量が支配的となるように構成される。すなわち、共振器L1ないしL3は、互いに容量性結合となるように構成され、その結果、通過周波数帯域の低周波側に減衰極が発生する。
共振器L4およびL5は、それぞれの一端が互いに並列接続された等価的な結合インダクタL22および結合容量C22を介して接続され、それぞれの他端が接地された共振体である。共振器L4およびL5は、誘電体材料に貫通孔を形成し、当該貫通孔内壁面に導体層を形成して管状導体をなすことにより構成される。
共振器L4およびL5は、デュプレクサ装置1における送信フィルタ1bを構成する。すなわち、共振器L5が、互いに並列接続された結合インダクタL23および結合容量C23を介して接続された励振器D2(励振孔D2)を通じて送信端子Tに接続されるとともに、共振器L4が、互いに並列接続された結合インダクタL21および結合容量C21を介して接続された励振器D1を通じてアンテナ端子ANTと接続される。共振器L4およびL5は、その通過周波数および帯域に応じた大きさに形成され、それぞれ目標周波数の波長の略四分の一の長さの共振長を有している。励振器D2は、誘電体材料に貫通孔を形成し、当該貫通孔内壁面に導体層を形成して管状導体をなすことにより構成される。
共振器L4およびL5を相互に接続する結合インダクタL22および結合容量C22は、結合容量よりも結合インダクタが支配的となるように構成される。すなわち、共振器L4およびL5は、互いに磁界性結合となるように構成され、その結果、通過周波数帯域の高周波側に減衰極が発生する。
トラップ共振器L6(共振器L6)は、一端が互いに並列接続された等価的な結合インダクタL31および結合容量C31を介して励振器D2と接続され、他端が接地された共振体である。トラップ共振器L6は、所定の周波数に共振することで送信フィルタ1bの通過特性(減衰特性)に所定の減衰極を発生させる機能を有しており、当該減衰極の周波数に応じた大きさに形成され、目標周波数の波長の略四分の一の長さの共振長を有している。
このように、この実施形態に係るデュプレクサ装置1は、受信フィルタ1a、送信フィルタ1bおよびトラップ共振器L6より構成されている。
続いて、図2ないし図4を参照して、この実施形態に係るデュプレクサ装置1の構成を詳細に説明する。図2は、この実施形態に係るデュプレクサ装置1の外観を示す斜視図、図3は、図2と逆の視点からみた斜視図、図4は、図2に示すデュプレクサ装置1における矢視ABから底面方向の断面を示す断面図である。
図2および図3に示すように、このデュプレクサ装置1は、例えばセラミックなどの誘電体材料を直方体形状に形成した誘電体部材10からなり、正面11、平面12、底面13、背面14、側面15および16を有している。正面11には、貫通孔111ないし118(一部図示せず)と、座ぐり孔121ないし123、125、126および128と、接地導体131aおよび131bとが形成されている。平面12には、電極141ないし143と、接地導体132とが形成されている。底面13には、接地導体133が略全面に形成されている。背面14には、貫通孔111ないし118と、電極142および143と、接地導体134とが形成されている。側面15には、接地導体135が形成され、側面16には、電極143および接地導体136が形成されている。
貫通孔111ないし118は、正面11から背面14へ向けてそれぞれ同一方向に貫通した貫通孔であり、略円形断面を有している。貫通孔111ないし118は、正面11の短手方向の略中心位置で直線上に形成されている。貫通孔111、114および117は、それぞれ平面12に形成された電極141、142および143と対応する位置に形成されている。
座ぐり孔121ないし123、125、126および128は、正面11から背面14へ向けて形成された凹型領域(盲穴)である。このうち座ぐり孔121は、略円形断面を有しており、座ぐり孔122、123、125、126および128は、長軸が正面11の短手方向の長孔形状の断面を有している。座ぐり孔121ないし123、125、126および128は、それぞれ貫通孔111ないし113、115、116および118の正面11における開放端を取り込むように、それぞれの貫通孔と一体的に形成されている。座ぐり孔121は、電極141と対応する位置および対応する大きさに形成される。
接地導体131ないし136は、デュプレクサ装置1が実装されたときに接地されるグラウンド電極であり、互いに一体的に形成されている。接地導体131ないし136は、例えば銀などの導体材料を誘電体部材10の壁面に塗布して焼成することで形成される。
接地導体131aおよび131bは、それぞれ後述する貫通孔114および117の内壁面に形成される導体層を平面11において接地する作用をする導体層である。接地導体131aおよび131bは、平面11をその短手方向に帯状に切削した陥凹領域に導体材料を形成してなる。
接地導体132は、貫通孔111ないし118の貫通孔列がなす面と平行する平面12上に形成された導体層であり、例えば銀厚膜などである。接地導体132には、誘電体部材10を露出させて接地導体132から分離した電極141ないし143が形成されている。接地導体133は、接地導体132と対向する底面13のほぼ全面に形成された導体層である。
接地導体134は、座ぐり孔121ないし123、125、126および128が形成された正面11と対向する背面14の略全面に形成された導体層である。接地導体135および136は、貫通孔111ないし118の列方向に対向する側面15および16に形成された導体層である。
電極141は、正面11と接する平面12の辺部領域に形成された矩形の面状導体領域、電極142は、背面14と接する平面12の辺部から背面14の略中央部にかけて形成された帯状導体領域、電極143は、背面14と接する平面12の辺部から背面14と接する側面16の辺部および背面14の略中央部にかけて形成されたL字型の帯状導体領域であり、このデュプレクサ装置1のそれぞれ受信端子R、アンテナ端子ANTおよび送信端子Tに対応する。電極141ないし143は、例えばスクリーン印刷などにより形成される。
電極141は、平面12の平行方向での共振器L1(座ぐり孔121)の位置および大きさに対応して形成され、入出力容量C1を構成している。
電極142は、平面12の平行方向での貫通孔114の位置および大きさに対応して形成されるとともに、背面14において貫通孔114を取り囲む円形に形成されている。この電極142の円形に形成された部分は、引出部として機能する。電極142は、背面14において、後述する貫通孔114の内壁面に形成された導体層と一体的に接続されている。
電極143は、平面12の平行方向での貫通孔117の位置および大きさに対応して形成されるとともに、背面14において貫通孔117を取り囲む円形に形成されている。この電極143の円形に形成された部分は、引出部として機能する。電極143は、背面14において、後述する貫通孔117の内壁面に形成された導体層と一体的に接続されている。また、電極143は、平面12においてL字状に形成されて側面16に向けて延伸し、側面16の短辺方向に横断するように帯状に形成されている。
次に、図4を参照して貫通孔111ないし118と座ぐり孔121ないし123、125、126および128とがなす共振器L1ないしL6および励振器D1およびD2の構成を詳細に説明する。図4は、この実施形態に係るデュプレクサ装置1について、図2の矢視ABから底面方向をみた断面を示す断面図である。
図4に示すように、この実施形態に係るデュプレクサ装置1では、貫通孔111ないし118は、正面11から背面14に向けて同一方向(同一平面内)に並列に形成されている。
座ぐり孔121ないし123は、それぞれ貫通孔111ないし113と段部を介して一体的に形成されている。そして、座ぐり孔121ないし123および貫通孔111ないし113の内壁面には導体層が形成され、それぞれ大径部と小径部とからなる管状導体151ないし153を構成している。管状導体151ないし153は、その小断面側において接地導体134と一体的に接続されるとともに大断面側が開放され、それぞれ図1に示す共振器L1ないしL3を構成する。そして、誘電体部材10による互いに並列接続された仮想的な結合インダクタL11および12ならびに結合容量C11およびC12を介して結合している。なお図4に示すように、共振器L2およびL3をなす座ぐり孔122および123は、それぞれの中心軸が互いに接近する方向に貫通孔112および113から偏心して形成されている。すなわち、共振器L2およびL3は容量性結合をしている。
貫通孔114の内壁面には、導体層が形成され管状導体154を構成している。管状導体154は、正面11において接地導体131aと一体的に接続されるとともに、背面14において電極142と一体的に接続され、図1に示す励振器D1(例振孔D1)を構成する。共振器L3および励振器D1は、誘電体部材10による並列接続された仮想的な結合インダクタL13および結合容量C13を介して互いに結合している。
座ぐり孔125および126は、それぞれ貫通孔115および116と段部を介して一体的に形成されている。そして、座ぐり孔125および126および貫通孔115および116の内壁面には導体層が形成され、それぞれ大径部と小径部とからなる管状導体155および156を構成している。管状導体155および156は、その小断面側において接地導体134と一体的に接続されると共に大断面側が開放され、それぞれ図1に示す共振器L4およびL5を構成する。そして、誘電体部材10による並列接続された仮想的な結合インダクタL22および結合容量C22を介して結合している。なお図4に示すように、共振器L4およびL5をなす座ぐり孔125および126は、それぞれ中心軸が互いに離間する方向に貫通孔115および116から偏心して形成されている。すなわち、共振器L4およびL5は磁界性結合をしている。励振器D1および共振器L5は、誘電体部材10による並列接続された仮想的な結合インダクタL21および結合容量C21を介して互いに結合している。
貫通孔117の内壁面には、導体層が形成され管状導体157を構成している。管状導体157は、正面11において接地導体131bと一体的に接続されるとともに、背面14において電極143と一体的に接続され、図1に示す励振器D2(励振孔D2)を構成する。共振器L5および励振器D2は、誘電体部材10による並列接続された仮想的な結合インダクタL23および結合容量C23を介して互いに結合している。
座ぐり孔128は、貫通孔118と段部を介して一体的に形成されている。そして、座ぐり孔128および貫通孔118の内壁面には導体層が形成され、大径部と小径部とからなる管状導体158を構成している。管状導体158は、その小断面側において接地導体134と一体的に接続されると共に大断面側が開放され、図1に示すトラップ共振器L6を構成する。そして、誘電体部材10による並列接続された仮想的な結合インダクタL31および結合容量C31を介して励振器D2と結合している。
共振器L1ないしL6並びに励振器D1およびD2は、例えば銀などの導体材料を誘電体部材10の壁面に塗布して焼成することで形成される。また、管状導体151ないし153、155、156および158に形成された段部は、正面11から管状導体のそれぞれの長さの略30%ほどの位置に設けられている。
このように、この実施形態のデュプレクサ装置1では、正面11から背面14に向けて形成された貫通孔111ないし118および座ぐり孔121ないし123、125、126、128からなる共振器L1ないしL6並びに励振器D1およびD2(管状導体151ないし158)が形成されている。そして、電極141は、共振器L1と入出力容量C1を介して結合している。また電極142は、励振器D1を介して共振器L3およびL4と結合している。電極143は、励振器D2を介して共振器L5およびL6と結合している。
このデュプレクサ装置1では、平面12の電極142に入力された高周波信号(受信信号)は、励振器D1を介して共振器L3に入力される。共振器L1ないしL3(管状導体151ないし153)は、互いに並列接続された等価的な結合インダクタおよび結合容量を介して結合しているから、入力された高周波信号は共振器L1ないしL3において共振する。共振器L1に高周波信号が励起されると、当該高周波信号は結合容量C1を介して電極141に出力される。
一方、平面12の電極143に入力された高周波信号(送信信号)は、励振器D2を介して共振器L5に入力される。共振器L4およびL5(管状導体155および156)は、互いに並列接続された等価的な結合インダクタおよび結合容量を介して結合しているから、入力された高周波信号は共振器L4およびL5において共振する。共振器L4と励振器D1とは結合しているから、共振器L4に高周波信号が励起されると、当該高周波信号は励振器D1を介して電極142に出力される。
また、電極143に入力された高周波信号は、励振器D2を介して共振器L6にも入力される。入力された高周波信号の周波数が共振器L6の所定の特性周波数である場合、入力された高周波信号のエネルギーは共振器L6において消費され、結果としてデュプレクサ装置1の周波数特性において減衰極が表れることになる。
ここで、図2、図5および図6を参照して電極143の形状とその作用について詳細に説明する。図5は、電極143の形状を矩形面状導体とした比較例、図6は、電極143の形状を変形した変形例を示す斜視図である。
図2に示すように、この実施形態に係るデュプレクサ装置1では、送信端子Tに対応する電極143は、背面14において励振器D2(貫通孔117)の一端側と接続されている。そして、電極143は、励振器D2の配置位置に沿って背面14から平面12に跨って延びるように帯状に形成され、平面12において側面16方向に略直角に屈曲し、当該屈曲点から背面16に跨るように帯状に形成されている。すなわち、電極143は、平面12においてL字状をなし、トラップ共振器L6を略垂直に横切って側面16に向けて延伸するように形成されている。
このような構成により、送信端子Tを背面14側だけでなく側面16側にも設けることが可能になり、デュプレクサ装置1の配置や配線の自由度を高めて配線引き回しによる損失を回避することができる。
仮に、送信端子Tとして、図5に示す電極243のような矩形面状電極を用いた場合を考えると、この実施形態に係るデュプレクサ装置1のようにL字型帯状電極とした場合と比較して、接地導体が形成されていない領域(電極243および誘電体部材10の露出部分)が大きくなってしまう。このことは、本来接地電極に囲まれて動作するトラップ共振器L6の動作を不安定にする要因となり得る。
この実施形態に係るデュプレクサ装置1では、図2に示すように、電極143が平面12においてL字状をなし、トラップ共振器L6を垂直に横切って側面16に向けて形成したので、かかる不安定要素を排除することができる。また、平面12において電極143がトラップ共振器L6と直交するので、トラップ共振器L6の動作に与える影響を最小限にすることができる。
なお、本発明は、図6に示す変形例のように、デュプレクサ装置3の電極343のような構成とすることも可能である。すなわち、送信端子Tをなす電極343を、トラップ共振器L6と直交させずに交差させても良い。この場合、第1の実施形態に係る電極143と比較して、電極343とトラップ共振器L6とが重なる領域が大きくなるが、第1の実施形態に係るデュプレクサ装置1と同様に、送信端子Tの配置位置の自由度をさらに高めることができる。
続いて、図7および図8を参照して、この実施形態に係るデュプレクサ装置1の実施例について説明する。図7および図8は、この実施形態に係るデュプレクサ装置の実施例の特性例(通過特性)を示す図である。
図2に示す誘電体部材10として比誘電率45のセラミックを用い、図2ないし4に示す構造で、幅7.08mm、高さ1.44mm、奥行(長さ)4.50mmのフィルタ装置1を作成して通過特性(減衰特性)を調べた。図7は、送信端子Tからアンテナ端子ANTに向けた送信フィルタ1bの通過特性であり、図8は、アンテナ端子ANTから受信端子Rへ向けた受信フィルタ1aの通過特性である。図7に示すように、送信フィルタ1bでは磁界性結合による減衰極が通過帯域の高周波側に表れており、図8に示すように、受信フィルタ1aでは容量性結合による減衰極が通過帯域の低周波側に表れている。また、図7に示すように、送信フィルタ1bの通過帯域の高周波側には、トラップ共振器L6による減衰極Aが通過帯域エッジ部分に得られた。
このように、本発明のデュプレクサ装置によれば、トラップ共振器の特性を劣化させずにフィルタ端子の配置位置の自由度を高めることができる。その結果、配線引き回しによる損失を抑えることができる。
続いて、図9ないし図12を参照して、本発明の第2の実施形態に係るデュプレクサ装置について詳細に説明する。図9は、この実施形態に係るデュプレクサ装置4の外観を示す斜視図、図10は、この実施形態に係るデュプレクサ装置4の比較例の外観を示す斜視図、図11は、この実施形態に係るデュプレクサ装置4の特性例、図12は、この実施形態に係るデュプレクサ装置4の比較例の特性例である。なお、図9および図10において、図2ないし4に示す第1の実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。この実施形態に係るデュプレクサ装置4は、第1の実施形態に係るデュプレクサ装置1と比較して電極143の配置位置のみが相違している。
図9に示すように、この実施形態に係るデュプレクサ装置4では、第1の実施形態における電極143に代えて電極443を備えている。電極443は、背面14において励振器D2(貫通孔117)の一端側と接続されている。そして、電極443は、励振器D2の配置位置に沿って背面14から平面12に跨って延びるように帯状に形成され、平面12における励振器D2の略中心位置(貫通孔117の共振長の略二分の一の位置)において側面16方向に略直角に屈曲し、当該屈曲点から背面16に跨るように帯状に形成されている。すなわち、電極443は、平面12における貫通孔117の形成位置に対応する直線と、平面12および側面16が接する辺の略中点からの垂線とが交わる位置においてL字状をなし、背面14における貫通孔117の開口部と平面12および側面16が接する辺の略中点とに向けて帯状に延びるように形成されている。さらに、電極443は、平面12および側面16が接する辺の略中点から側面16を横断するように帯状に延びるように形成されている。
結果として、電極443は、トラップ共振器L6の略中間位置を横断して側面16に引き出されることになる。このように構成することで、電極443によるトラップ共振器L6への影響を最小限にしてトラップ共振器L6による減衰極特性を良好なものとすることができる。
ここで、図9に示すこの実施形態に係るデュプレクサ装置4の特性例について説明する。なお、図1における送信端子Tとして、図10に示すようにL字形状を有さない電極543を備えたデュプレクサ装置5を比較例とした。図11は、この実施形態に係るデュプレクサ装置4の特性例、図12は、比較例に係るデュプレクサ装置5の特性例を示す図である。
図11および図12に示すように、この実施形態に係るデュプレクサ装置4では、トラップ共振器L6による減衰極Bにおける減衰量が、比較例のもの(減衰極C)と比べて大きい減衰量が得られた。
このようにこの実施形態に係るデュプレクサ装置では、トラップ共振器による減衰極における減衰量を大きくすることができる。
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。上記実施形態では、デュプレクサ装置を例として説明したが、本発明に係るフィルタ端子(送信端子)の配置位置を単体のフィルタ装置に適用してもよい。かかる場合においても本発明の効果を発揮することができる。
上記実施形態では、デュプレクサ装置の誘電体部材を直方体としているが、これには限定されない。すなわち、貫通孔および座ぐり孔からなる共振器が同一方向に併設されるものであれば、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、誘電体部材をセラミックにより構成しているが、これにも限定されない。すなわち、フィルタ装置を構成するのに適した比誘電率を有する誘電体材料であれば、同様に適用することができる。
本発明は、電気通信機器製造業等に適用することができる。
1ないし5…デュプレクサ装置、10…誘電体部材、11…正面、12…平面、13…底面、14…背面、15・16…側面、111ないし118…貫通孔、121ないし123・125・126・128…座ぐり孔、131ないし136…接地導体、141ないし143…電極、151ないし158…管状導体、L1ないしL6…共振器、D1・D2…励振器。
Claims (6)
- 誘電体部材と、
前記誘電体部材に第1の貫通孔を形成し、該第1の貫通孔内周面に、一端側を前記第1の貫通孔の一方の端部側で接地させた導体層を形成してなるフィルタ共振器と、
前記誘電体部材に前記フィルタ共振器と隣接する第2の貫通孔を形成し、該第2の貫通孔内周面に、該第2の貫通孔の一方の端部側で接地され他方の端部側を引出電極とした導体層を形成してなる励振器と、
前記誘電体部材に前記励振器と隣接する第3の貫通孔を形成し、該第3の貫通孔内周面に、一端側を前記第3の貫通孔の一方の端部側で接地させた導体層を形成してなり、所定の周波数に共振するトラップ共振器と、
前記引出電極に接続され、前記第1ないし第3の貫通孔がなす貫通孔列と並行する前記誘電体部材の表面に、前記引出電極から前記励振器の対応位置に沿わせて延伸され屈曲部を介して前記トラップ共振器と交差し延伸した帯状導体層を形成してなる入出力電極と
を備えたことを特徴とするフィルタ装置。 - 直方体形状の誘電体部材と、
前記誘電体部材の対向する第1の面から第2の面に向けて第1の貫通孔を形成し、該第1の貫通孔内周面に、前記第1の貫通孔の前記第1の面側で接地させた導体層を形成してなるフィルタ共振器と、
前記誘電体部材の前記第1の面から第2の面に向けて前記フィルタ共振器と隣接する第2の貫通孔を形成し、該第2の貫通孔内周面に、前記第2の貫通孔の前記第2の面側で接地され前記第1の面側を引出部とした導体層を形成してなる励振器と、
前記誘電体部材の前記第1の面から第2の面に向けて前記励振器と隣接する第3の貫通孔を形成し、該第3の貫通孔内周面に、前記第1の面側で接地させた導体層を形成してなり、所定の周波数に共振するトラップ共振器と、
前記引出部に接続され、前記第1ないし第3の貫通孔がなす貫通孔列と並行する前記誘電体部材の第3の面に、前記第1の面に形成された前記引出部から前記第3の面における前記励振器の対応位置に沿わせて延伸され屈曲部を介して前記トラップ共振器と交差し延伸した帯状導体層を形成してなる入出力電極と
を備えたことを特徴とするフィルタ装置。 - 前記入出力電極は、前記屈曲部において略直角に屈曲して前記トラップ共振器と直交するように形成したことを特徴とする請求項1および2のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
- 前記入出力電極は、前記入出力電極形成面における前記励振器の略中点と対応する位置において屈曲するように形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
- 前記入出力電極は、さらに、前記貫通孔列と対向する面に跨るように形成されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のフィルタ装置を備えたことを特徴とするデュプレクサ装置。
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