JP4894172B2 - 耐油耐候性ゴム組成物及びその成形体 - Google Patents

耐油耐候性ゴム組成物及びその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、耐油耐候性ゴム組成物、及びその成形体に関し、更に詳しくは、非塩素系であるとともに押出生地の肌荒れが抑制され、ガソリン透過性が低く、かつ耐オゾン性に優れた耐油耐候性ゴム組成物、及びその成形体に関する。
アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)からなるゴム製品は、耐油性に優れる一方でオゾンに対する耐性が低く、耐候性の面で問題を有するものであった。このような問題を解消すべく、従来、NBRにポリ塩化ビニルをブレンドして得られるゴム組成物が用いられてきた。
近年では環境問題に配慮し、塩素を用いない非塩素系ゴム組成物や、これを用いた非塩素系ゴム製品の開発が進められている。例えば、硫黄により架橋可能であるとともに耐油性、耐オゾン性等に優れた、アクリル酸エステル系共重合ゴム(ACM)を配合したアクリルゴム共重合体組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなACMを用いて、耐オゾン性に優れたゴム製品を得るためには、ゴム製品を構成するゴム組成物中に配合するACMの割合を多くするといった方法を挙げることができる。しかしながら、ゴム組成物中に配合するACMの割合を多くした場合には、ACMの特性が顕著になるという問題がある。具体的には、得られるゴム製品の強度が低下する等の問題が生じ易く、実用性の面で問題があった。
また、ゴム組成物中に配合するACMの割合を多くすると、押出成形等によって得られる成形品(生地)の肌が荒れ、表面に凹凸を生じ易くなるという問題があった。従って、押出生地の肌荒れを抑制するためには、ゴム組成物中のACMの含有割合を低減せざるを得ず、結果として得られるゴム製品の耐オゾン性を改良することができないという問題があった。
特開昭50−25656号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、非塩素系であるとともに押出生地の肌荒れが抑制され、ガソリン透過性が低く、かつ耐オゾン性に優れた耐油耐候性ゴム組成物、及びその成形体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、(1)アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)とのブレンド物であるゴム組成物の耐オゾン性等の諸特性が期待するほどに向上しないのは、アクリル酸エステル系共重合ゴム(ACM)の加工性が良好でないことに起因すること、及び(2)マイカ及びタルクの少なくともいずれかを含有させることによりアクリル酸エステル系共重合ゴム(ACM)の加工性が向上すること、を見出した。そして、所定の成分を含んでなるアクリルゴムであるアクリル酸エステル系共重合体、及び所定の成分を含んでなるアクリロニトリルブタジエンゴムであるα,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体に対して、マイカ及びタルクの少なくともいずれかを特定の割合で混合させることによって、上記課題を達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す耐油耐候性ゴム組成物、及び成形体が提供される。
[1](a1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位を40〜99.9質量%、(a2)不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位を0〜50質量%、(a3)カルボキシル基含有単量体に由来する構造単位を0〜15質量%、及び(a4)エポキシ基含有単量体に由来する構造単位を0〜20質量%(但し、(a1)+(a2)+(a3)+(a4)=100質量%)含んでなるアクリルゴムである(A)アクリル酸エステル系共重合体を5〜95質量%、(b1)アクリロニトリルを含むα,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位を5〜60質量%、(b2)ブタジエンを含む共役ジエン単量体に由来する構造単位を40〜95質量%、及び(b3)カルボキシル基含有単量体に由来する構造単位を0〜15質量%(但し、(b1)+(b2)+(b3)=100質量%)含んでなるアクリロニトリルブタジエンゴムである(B)α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体を95〜5質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、並びに前記(A)アクリル酸エステル系共重合体と前記(B)α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体の合計100質量部に対して、(C)マイカ及びタルクの少なくともいずれかを3〜100質量部含有する耐油耐候性ゴム組成物。
]補強剤、可塑剤、及び架橋剤からなる群より選択される少なくとも一種を更に含有する前記[1]に記載の耐油耐候性ゴム組成物。
]前記[1]又は]に記載の耐油耐候性ゴム組成物からなる成形体。
]ホース、チューブ、又はパッキンである前記[]に記載の成形体。
本発明の耐油耐候性ゴム組成物は、非塩素系であるとともに押出生地の肌荒れが抑制され、ガソリン透過性が低く、かつ耐オゾン性に優れているといった効果を奏するものである。
また、本発明の成形体は、非塩素系であるとともに押出生地の肌荒れが抑制され、ガソリン透過性が低く、かつ耐オゾン性に優れているといった効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本発明の耐油耐候性ゴム組成物の一実施形態は、所定の構成成分を含んでなるアクリルゴムである(A)アクリル酸エステル系共重合体(以下、単に「(A)成分」ともいう)を5〜95質量%、所定の構成成分を含んでなるアクリロニトリルブタジエンゴムである(B)α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体(以下、単に「(B)成分」ともいう)を95〜5質量%(但し、()+()=100質量%)、並びに(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(C)マイカ及びタルクの少なくともいずれか(以下、単に「(C)成分」ともいう)を3〜100質量部含有するものである。以下、その詳細について説明する。
1.耐油耐候性ゴム組成物
(A)アクリル酸エステル系共重合体
本実施形態の耐油耐候性ゴム組成物に含有される(A)成分は、アクリル酸エステル系共重合体である。この(A)成分は、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル等のアクリル系単量体を共重合させることによって得られる、各単量体に由来する構造単位を有するアクリル系ゴムを一例として挙げることができる。
本実施形態の耐油耐候性ゴム組成物に含有される(A)成分は、(a1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位(以下、単に「構造単位(a1)」ともいう)を40〜99.9質量%、(a2)不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(以下、単に「構造単位(a2)」ともいう)を0〜50質量%、(a3)カルボキシル基含有単量体に由来する構造単位(以下、単に「構造単位(a3)」ともいう)を0〜15質量%、及び(a4)エポキシ基含有単量体に由来する構造単位(以下、単に「構造単位(a4)」ともいう)を0〜20質量%(但し、(a1)+(a2)+(a3)+(a4)=100質量%)含んでなるアクリルゴムである。
(構造単位(a1))
(A)成分に含まれる構造単位(a1)は、アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位である。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−メチルペンチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸n−オクタデシル等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−(n−プロポキシ)エチル、アクリル酸2−(n−ブトキシ)エチル、アクリル酸3−メトキシプロピル、アクリル酸3−エトキシプロピル、アクリル酸2−(n−プロポキシ)プロピル、アクリル酸2−(n−ブトキシ)プロピル等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分に含まれる構造単位(a1)の割合は、40〜99.9質量%であり、50〜95質量%であることが好ましく、60〜95質量%であることが特に好ましい。(A)成分に占める構造単位(a1)の含有割合が40質量%未満であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の硬度が高くなり、ゴムらしさがなくなる傾向にある。一方、(A)成分に占める構造単位(a1)の含有割合が99.9質量%超であると、耐油耐候性ゴム組成物の耐燃料油性が低下する傾向にある。
(構造単位(a2))
(A)成分に含まれる構造単位(a2)は、不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位である。不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分に含まれる構造単位(a2)の割合は、0〜50質量%であり、5〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることが特に好ましい。(A)成分に占める構造単位(a2)の含有割合が50質量%超であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の硬度が高くなり、ゴムらしさがなくなる傾向にある。
(構造単位(a3))
(A)成分に含まれる構造単位(a3)は、カルボキシル基含有単量体に由来する構造単位である。カルボキシル基含有単量体としては、不飽和カルボン酸(そのモノエステルを含む)等を挙げることができる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、テトラコン酸等の不飽和カルボン酸類;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、フタル酸モノヒドロキシレンアクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノ−2−アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸モノ−2−メタクリロイルオキシエチル、フタル酸、こはく酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸とアリルアルコール、メタリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシル基含有不飽和化合物とのモノエステル等の遊離カルボキシル基含有エステル類等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分に含まれる構造単位(a3)の割合は、0〜15質量%であり、0.1〜12質量%であることが好ましく、0.5〜12質量%であることが特に好ましい。(A)成分に占める構造単位(a3)の含有割合が15質量%超であると、加硫ゴム硬度が高くなる傾向にある。
(構造単位(a4))
(A)成分に含まれる構造単位(a4)は、エポキシ基含有単量体に由来する構造単位である。エポキシ基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−オキシシクロヘキシル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分に含まれる構造単位(a4)の割合は、0〜20質量%であり、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることが特に好ましい。(A)成分に占める構造単位(a4)の含有割合が20質量%超であると、ゴム組成物の混練時の加工性が劣る傾向にある。
(その他の構造単位)
(A)成分は、前記構造単位(a1)、(a2)、(a3)、及び(a4)に加え、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル、不飽和ニトリル単量体、カルボキシル基含有単量体、及びエポキシ基含有単量体と共重合可能な他の単量体に由来する構造単位を更に含んでいてもよい。
前記他の単量体としては、非共役環状ポリエン、下記一般式(1)で表される化合物、芳香族ビニル系単量体、アミド化合物、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、脂環族又は芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシル基等の官能基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、不飽和カルボン酸と低級飽和アルコールとのエステル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 0004894172
(前記一般式(1)中、X1は水素原子又はメチル基、nは0〜10の整数である)
前記非共役環状ポリエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,4−シクロオクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセシル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記一般式(1)で表される化合物は、不飽和カルボン酸のジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル基含有エステルである。前記一般式(1)中、nは1又は2であることが好ましい。前記一般式(1)で表される化合物としては、ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチレン等と、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸とのエステル反応により合成されるもの等を挙げることができる。前記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシオキシジエチル等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ハロゲン化スチレン等を挙げることができる。また、前記アミド化合物としては、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド等を挙げることができる。
前記(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸シクロへキシル等を挙げることができる。また、前記芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル等を挙げることができる。
前記アミノ基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸3−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸3−ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸3−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル等を挙げることができる。
前記シアノ基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸1−シアノエチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸1−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸2−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸3−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸4−シアノブチル、(メタ)アクリル酸6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチル−6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸8−シアノオクチル等を挙げることができる。
前記ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸類、及びポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコールの単位数は、例えば、2〜23)のモノ(メタ)アクリル酸エステル類等を挙げることができる。
前記不飽和カルボン酸と低級飽和アルコールとのエステルを得るために用いられる不飽和カルボン酸としては、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等を挙げることができる。これまで述べてきた他の単量体のうち、架橋性の点から、非共役環状ポリエン、又は前記一般式(1)で表される化合物が特に好ましい。
(A)成分に含まれる、他の単量体に由来する構造単位の割合は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることが更に好ましく、0.5〜5質量%であることが特に好ましい。(A)成分に占める、他の単量体に由来する構造単位の含有割合が0.1質量%未満であると、オゾン性が劣る傾向にある。一方、(A)成分に占める、他の単量体に由来する構造単位の含有割合が20質量%超であると、ゴム組成物の混練時の加工性が劣る傾向にある。
(A)成分のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、10〜200であることが好ましく、20〜100であることが更に好ましい。(A)成分のムーニー粘度が10未満であると、この(A)成分を含有するゴム組成物を用いて得られる成形体の強度が低下する傾向にある。一方、(A)成分のムーニー粘度が200超であると、ゴム組成物の混練時の加工性が劣る傾向にある。
((A)成分の製造方法)
(A)成分は、構造単位(a1)、要すれば(a2)、(a3)、及び(a4)、並びに他の単量体に由来する構造単位を形成することとなるそれぞれの単量体を、好ましくはラジカル重合開始剤の存在下で共重合することにより製造することができる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄とを組み合わせたレドックス系触媒等を挙げることができる。これらのラジカル重合開始剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体の全量100質量部に対し、0.001〜2質量部とすることが好ましい。重合方法としては塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法を採用することができる。なかでも乳化重合が特に好ましい。
乳化重合に使用する乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができる。また、フッ素系の界面活性剤を使用することもできる。これらの乳化剤は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用することもできる。具体的には、アニオン系界面活性剤を好適に用いることができる。例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩、ロジン酸塩等が好適に用いられる。より具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸のカリウム塩及び/又はナトリウム塩等を挙げることができる。
重合反応を行うことによって得られる(A)成分(共重合ゴム)の分子量を調節するために、連鎖移動剤を使用することもできる。この連鎖移動剤としては、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン類等を使用することができる。
各種単量体、乳化剤、ラジカル重合開始剤、及び連鎖移動剤等は、反応容器に全量を一括投入してから重合を開始してもよいし、反応継続中に連続的又は間欠的に追加・添加してもよい。重合反応は、酸素を除去した反応器を用いて行うことが好ましい。また、重合反応温度は、0〜100℃とすることが好ましく、0〜80℃とすることが更に好ましい。重合反応途中で、原料の添加法、温度、撹拌等の条件等を適宜変更してもよい。重合方式は、連続式であっても回分式であってもよい。重合反応時間は、0.01〜30時間程度とすればよい。所定の重合転化率に達した時点で、重合停止剤を添加する等によって重合反応を停止する。重合停止剤としては、ヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノン等のキノン化合物等を用いることができる。
重合反応停止後、得られた乳化液(ラテックス)から、必要に応じて水蒸気蒸留等の方法により未反応単量体を除去し、その後、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩、又は塩酸、硝酸、硫酸等の酸を添加して共重合ゴムを凝固させる。次いで、水洗及び乾燥することにより、目的とする共重合ゴムを得ることができる。
(B)α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体
本実施形態の耐油耐候性ゴム組成物に含有される(B)成分は、少なくとも、アクリロニトリルを含むα,β−不飽和ニトリル単量体と、ブタジエンを含む共役ジエン単量体とを共重合させることにより得られる共重合体である。従って、(B)成分は、アクリロニトリルを含むα,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位と、ブタジエンを含む共役ジエン単量体に由来する構造単位を含んでなるものである。
(α,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)
アクリロニトリル以外のα,β−不飽和ニトリル単量体としては、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分に含まれる、α,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の割合は、5〜60質量%であり、15〜55質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることが特に好ましい。(B)成分に占める、α,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の含有割合が5質量%未満であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の耐油性が低下する傾向にある。一方、(B)成分に占める、α,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の含有割合が60質量%超であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の硬度が高くなり、ゴムらしさがなくなる傾向にある。
(共役ジエン単量体に由来する構造単位)
ブタジエン以外の共役ジエン単量体としては、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、クロロプレン(2−クロロ−1,3−ブタジエン)等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分に含まれる、共役ジエン単量体に由来する構造単位の割合は、40〜95質量%であり、45〜85質量%であることが好ましく、50〜85質量%であることが特に好ましい。(B)成分に占める、共役ジエン単量体に由来する構造単位の含有割合が40質量%未満であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の硬度が高くなり、ゴムらしさがなくなる傾向にある。一方、(B)成分に占める、共役ジエン単量体に由来する構造単位の含有割合が95質量%超であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の耐油性が低下する傾向にある。
本実施形態の耐油耐候性ゴム組成物に含有される(B)成分は、(b1)アクリロニトリルに由来する構造単位(以下、単に「構造単位(b1)」ともいう)を5〜60質量%、(b2)ブタジエンに由来する構造単位(以下、単に「構造単位(b2)」ともいう)を40〜95質量%、及び(b3)カルボキシル基含有単量体に由来する構造単位(以下、単に「構造単位(b3)」ともいう)を0〜15質量%(但し、(b1)+(b2)+(b3)=100質量%)含んでなるアクリロニトリルブタジエンゴムであることが好ましい。
(構造単位(b1))
アクリロニトリルブタジエンゴムに含まれる構造単位(b1)の割合は、5〜60質量%であることが好ましく、15〜55質量%であることが更に好ましく、15〜50質量%であることが特に好ましい。アクリロニトリルブタジエンゴムに占める構造単位(b1)の含有割合が5質量%未満であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の耐油性が低下する傾向にある。一方、アクリロニトリルブタジエンゴムに占める構造単位(b1)の含有割合が60質量%超であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の硬度が高くなり、ゴム弾性が劣る傾向にある。
(構造単位(b2))
アクリロニトリルブタジエンゴムに含まれる構造単位(b2)の割合は、40〜95質量%であることが好ましく、45〜85質量%であることが更に好ましく、50〜85質量%であることが特に好ましい。アクリロニトリルブタジエンゴムに占める構造単位(b2)の含有割合が40質量%未満であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の硬度が高くなり、ゴム弾性が劣る傾向にある。一方、アクリロニトリルブタジエンゴムに占める構造単位(b2)の含有割合が95質量%超であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の耐油性が低下する傾向にある。
(構造単位(b3))
アクリロニトリルブタジエンゴムに含まれる構造単位(b3)は、カルボキシル基含有単量体に由来する構造単位である。カルボキシル基含有単量体としては、不飽和カルボン酸(そのモノエステルを含む)等を挙げることができる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、テトラコン酸等の不飽和カルボン酸類;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、フタル酸モノヒドロキシレンアクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノ−2−アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸モノ−2−メタクリロイルオキシエチル、フタル酸、こはく酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸とアリルアルコール、メタリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシル基含有不飽和化合物とのモノエステル等の遊離カルボキシル基含有エステル類等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリロニトリルブタジエンゴムに含まれる構造単位(b3)の割合は、0〜15質量%であり、0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜12質量%であることが特に好ましい。アクリロニトリルブタジエンゴムに占める構造単位(b3)の含有割合が15質量%超であると、加硫ゴム硬度が高くなる傾向にある。
(その他の構造単位)
アクリロニトリルブタジエンゴムは、前述の構造単位(b1)、(b2)、及び(b3)に加え、アクリロニトリル、ブタジエン、及びカルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体に由来する構造単位を更に含んでいてもよい。前記他の単量体としては、前述の(A)成分に含まれることのある「その他の構造単位」で例示した化合物を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、これらの化合物のうちの芳香族ビニル系単量体は、アミノ基、ヒドロキシル基等の官能基を有していてもよい。
アミノ基を有する芳香族ビニル系単量体としては、N,N−ジメチル−p−アミノスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、ジメチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジエチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジメチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等を挙げることができる。
また、ヒドロキシル基を有する芳香族ビニル系単量体としては、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルアルコール等を挙げることができる。
アクリロニトリルブタジエンゴムに含まれる、他の単量体に由来する構造単位の割合は、0〜15質量%であることが好ましく、0〜10質量%であることが更に好ましい。カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴムに占める、他の単量体に由来する構造単位の含有割合が15質量%超であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の耐オゾン性が低下する傾向にある。
(B)成分のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、20〜200であることが好ましく、40〜100であることが更に好ましい。(B)成分のムーニー粘度が20未満であると、この(B)成分を含有するゴム組成物を用いて得られる成形体の強度が低下する傾向にある。一方、(B)成分のムーニー粘度が200超であると、ゴム組成物の混練時の加工性が劣る傾向にある。
((B)成分の製造方法)
(B)成分は、構造単位(b1)、(b2)、及び(b3)、並びに要すれば他の単量体に由来する構造単位を形成することとなるそれぞれの単量体を、好ましくはラジカル重合開始剤の存在下で共重合することにより製造することができる。なお、(B)成分は、前述の「(A)成分の製造方法」と同様の方法に従って製造することができる。
(C)成分
本実施形態の耐油耐候性ゴム組成物に含有される(C)成分は、マイカ及びタルクの少なくともいずれかである。この(C)成分の平均粒径は、0.01〜50μmであることが好ましく、0.1〜30μmであることが更に好ましい。0.01μm未満であると、(A)成分及び(B)成分の加工性が向上するという効果が十分に発揮され難くなる傾向にある。一方、50μm超であると、加硫ゴムの強度が低下する傾向にある。また、(C)成分のアスペクト比(長径/厚み)は、特に限定されるものではないが、60以下であることが好ましく、40以下であることが更に好ましい。マイカ又はタルクの形状が板状でないと、(A)成分及び(B)成分の加工性や耐オゾン性が向上するといった効果が発揮されない。なお、(C)成分のアスペクト比が60超であると、加硫ゴムの強度が低下する傾向にある。
(耐油耐候性ゴム組成物)
本実施形態の耐油耐候性ゴム組成物は、(A)成分5〜95質量%、好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは20〜70質量%と、(B)成分95〜5質量%、好ましくは90〜30質量%、更に好ましくは80〜30質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)とを含有するものである。(A)成分の含有割合が5質量%未満であると、耐オゾン性(耐候性)が不十分となる傾向にある。一方、(B)成分の含有割合が95質量%超であると、このゴム組成物を用いて得られる成形体の強度が低下する傾向にある。
また、本実施形態の耐油耐候性ゴム組成物は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(C)成分を3〜100質量部、好ましくは5〜70質量部、更に好ましくは10〜60質量部含有する。(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(C)成分の含有割合が3質量部未満であると、この耐油耐候性ゴム組成物を用いて得られる成形体の耐オゾン性改良効果が十分に発揮されない。一方、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(C)成分の含有割合が100質量部超であると、オゾン性への悪影響はないものの、加硫ゴムの強度の低下が大きくなる傾向にある。
本実施形態の耐油耐候性ゴム組成物は、(A)成分、(B)成分以外に、他の重合体成分を含有するものであってもよい。他の重合体成分としては、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ブタジエン・イソプレン共重合ゴム、ブタジエン・スチレン・イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、ブチルゴム等を挙げることができる。これらの他の重合体成分の含有割合は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0〜30質量部であることが好ましく、0〜10質量部であることが更に好ましく、0〜5質量部であることが特に好ましい。
また、本実施形態の耐油耐候性ゴム組成物は、補強剤、充填剤、可塑剤、架橋剤、架橋助剤(加硫促進剤)、加工助剤、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防菌・防かび剤、着色剤等の添加剤を含有するものであってもよい。前記補強剤としては、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ等を挙げることができる。これらのうち、カーボンブラックが好ましい。また、これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記カーボンブラックとしては、SAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンブラック等を挙げることができる。
前記補強剤の配合量は、耐油耐候性ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、5〜200質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることが更に好ましく、20〜80質量部であることが特に好ましい。
前記充填剤としては、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、セリサイト、ウォラスナイト、ゼオライト、ゾーノトナイト、アスベスト、PMF(Processed Mineral Fiber)、胡粉、セピオライト、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイドロタルサイト、フライアシュバルン、シラスバルン、カーボン系バルン、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記充填剤の配合量は、耐油耐候性ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜200質量部であることが好ましく、0〜100質量部であることが更に好ましく、0〜50質量部であることが特に好ましい。
前記可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類、ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート等の脂肪酸エステル類、トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸n−オクチルエステル、トリメリット酸系イソノニルエステル等のトリメリット酸エステル類の他、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、ジエチレングリコールモノオレート、グリセリルモノリシノレート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エポキシ化大豆油、ポリエーテルエステル等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記可塑剤の配合量は、耐油耐候性ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜80質量部であることが好ましく、10〜60質量部であることが更に好ましく、20〜40質量部であることが特に好ましい。
前記架橋剤としては、硫黄、有機過酸化物等を挙げることができるが、硫黄が好ましい。硫黄としては、具体的に粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等を挙げることができる。なお、架橋剤として硫黄を用いる場合における、硫黄の配合量は、耐油耐候性ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることが更に好ましく、0.2〜1質量部であることが特に好ましい。
また、前記架橋剤として硫黄を用いる場合においては、架橋助剤(以下、「加硫促進剤」ともいう)を併用することが好ましい。加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−(2’,4’−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾ−ル、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾ−ル系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレ−ト等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミン又はアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテ−ト系化合物;亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華等の無機系亜鉛化合物等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記有機過酸化物としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ベイゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボナート、t−ブチルパーオキシアリルカーボナート等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、架橋剤として有機過酸化物を用いる場合における、有機過酸化物の配合量は、耐油耐候性ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0.2〜5質量部であることが好ましく、0.3〜4質量部であることが更に好ましく、0.5〜3質量部であることが特に好ましい。
前記架橋剤としては、(A)成分を架橋するために、例えば、酸無水物、カルボン酸塩等を用いることもできる。これらは、それぞれを一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記酸無水物としては、無水フタル酸、メチルテトラハイドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。また、前記カルボン酸塩は、モノカルボン酸の塩(金属塩、アンモニウム塩等)、ジカルボン酸の塩(金属塩、アンモニウム塩等)、及びポリカルボン酸の塩(金属塩、アンモニウム塩等)のいずれであってもよい。カルボン酸塩を金属塩とする場合における金属元素としては、亜鉛、マグネシウム等を挙げることができる。従って、カルボン酸塩としては、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウム、ジメタクリル亜鉛等を挙げることができる。
前記加工助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ステアリン酸亜鉛、市販の各種加工助剤等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、前記加工助剤の配合量は、耐油耐候性ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜20質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることが更に好ましく、1〜3質量部であることが特に好ましい。
前記軟化剤としては、石油系軟化剤、植物油系軟化剤、サブ等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。石油系軟化剤としては、アロマティック系、ナフテン系、又はパラフィン系軟化剤等を挙げることができる。また、植物系軟化剤としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう等を挙げることができる。サブとしては、黒サブ、白サブ、飴サブ等を挙げることができる。前記軟化剤の配合量は、耐油耐候性ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜50質量部であることが好ましく、0〜30質量部であることが更に好ましく、0〜10質量部であることが特に好ましい。
前記老化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ、ビス、トリス、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系の老化防止剤等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。前記老化防止剤の配合量は、耐油耐候性ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜10質量部であることが好ましく、0〜7質量部であることが更に好ましく、0〜5質量部であることが特に好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等を挙げることができる。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。前記紫外線吸収剤の配合量は、耐油耐候性ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜10質量部であることが好ましく、0〜7質量部であることが更に好ましく、0〜5質量部であることが特に好ましい。
本実施形態の耐油耐候性ゴム組成物は、例えば、以下のようにして製造することができる。先ず、(A)成分、(B)成分、(C)成分、カーボンブラック等の補強剤、その他架橋剤以外の配合剤等を、バンバリーミキサー等の混練機等を使用し、温度70〜180℃で混練することにより混練物を得る。得られた混練物を冷却した後、硫黄等の架橋剤、架橋助剤(架橋促進剤等)等を、バンバリーミキサー、ミキシングロール等を使用して配合し、温度130〜200℃で架橋することにより得ることができる。なお、混練後にそのまま成形体とする場合には、上記の温度で金型成形、押出成形、射出成形等を実施すればよい。
なお、(A)成分、及び(B)成分については、それぞれ凝固後の固体状態で混練してもよい。一方、(A)成分、及び(B)成分を、それぞれ固体状態とする前の乳化液(ラテックス)の状態で所定割合で混合して混合液を得、得られた混合液から重合体成分を凝固・分離することにより得られた(A)成分及び(B)成分を含む複合体(複合ゴム)を用いて、前述の混練を行ってもよい。
2.成形体
本発明の成形体の一実施形態は、これまで述べてきたいずれかの耐油耐候性ゴム組成物からなるものである。このため、非塩素系であるとともに押出生地の肌荒れが抑制されており、ガソリン透過性が低く、かつ耐オゾン性に優れた成形体である。
本実施形態の成形体の具体例としては、オイルクーラーホース、エアーダクトホース、パワーステアリングホース、コントロールホース、インタークーラーホース、トルコンホース、オイルリターンホース、耐熱ホース等のホース;自転車チューブ、ゴム管、理化学用ゴムチュービング等のチューブ;ベアリングシール、バルクステムシール、各種オイルシール等のシール;O−リング、パッキン、ガスケット、ダイヤフラム、ゴム板、ベルト、オイルレベルゲージ、ホースマスキング、配管断熱材等の被覆材、ロール等を挙げることができる。これらのなかでも、ホース、チューブ、パッキンが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[押出試験(生地の肌)]:加硫系を配合した練り生地を、幅5mm×厚さ3mmの長尺リボンとし、L/D=12、50mm押出機を使用し、ゴム投入口の温度=50℃、中間部の温度=60℃、ヘッド部の温度=80℃、20rpmの条件でホースを作製した。なお、ダイは、厚さ2mmの中空のもの(ホース用)を使用した。作製したホースの表面肌(生地の肌)を観察し、生地の肌が平滑である場合を「○」、波打つ状態、及び/又は凸凹状態である場合を「×」と評価した。
[引張破断強度(TB)及び引張破断伸び(EB)]:JIS K6251に準拠して測定した。
[硬度(HA(デュロA))]:JIS K6253に準拠して測定した。
[耐オゾン性]:JIS K6259に準拠して測定した。具体的には、先ず、厚さ2mmの加硫ゴムシートを、JIS K6251に規定されるダンベル状1号形に打ち抜くことによって試験片を作製した。次いで、作製した試験片を20、30、及び40%伸張し、伸張24時間後にオゾン試験機(50pphm、40℃)に投入した。96時間経過後にオゾン試験機から試験片を取り出し、クラックの発生の有無を確認した。試験片にクラックが生じていない場合を「○」、クラックが生じた場合を「×」と評価した。
[アクリロニトリルに由来する構造単位の含有割合]:元素分析により測定した窒素含有量から算出した。
[ムーニー粘度(ML1+4,100℃)]:JIS K6300に準拠し、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件で測定した。
[ガソリン透過性]:開口部の開口直径が34mmである、おわん型の金属製容器に市販のガソリン25mlを入れ、その開口部を、厚み約2mmの加硫ゴムシートで密封する。この金属容器を40℃のオーブンに入れ、7日間経過後のガソリンの減少量(mg)を測定した。
(合成例(ANM−1))
アクリル酸エチル65部、メタクリル酸グリシジル5部、アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル(DCPOEA)5部、アクリロニトリル25部、ラウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.2部、及び水200部を、窒素置換したステンレス製反応器に仕込み、50℃で共重合反応を開始した。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた。なお、反応時間は15時間であった。次いで、反応系(反応生成物を含むラテックス)に、0.25%塩化カルシウム水溶液を添加して共重合ゴムを凝固させた。凝固した共重合ゴムを十分に水洗した後、約90℃で3時間乾燥することにより、エポキシ基含有アクリルゴム(ANM−1)を得た。得られたエポキシ基含有アクリルゴム(ANM−1)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は75、アクリロニトリルに由来する構造単位の含有割合は25%であった。
(合成例(ACM−1))
アクリル酸エチル70部、アクリル酸n−ブチル27部、メタクリル酸5部、ラウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.2部、及び水200部を、窒素置換したステンレス製反応器に仕込み、50℃で共重合反応を開始した。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた。なお、反応時間は15時間であった。次いで、反応系(反応生成物を含むラテックス)に、0.25%塩化カルシウム水溶液を添加して共重合ゴムを凝固させた。凝固した共重合ゴムを十分に水洗した後、約90℃で3時間乾燥することにより、カルボキシル基含有アクリルゴム(ACM−1)を得た。得られたカルボキシル基含有アクリルゴム(ACM−1)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は40であった。
(実施例1)
ACM−1(カルボキシル基含有ACM、ムーニー粘度(ML1+4,100℃):40、カルボキシル基の含有割合:0.6mmol/g)20部、NBR−1(未変性NBR、商品名「JSR N231H」、JSR社製、ムーニー粘度(ML1+4,100℃):75、アクリロニトリルに由来する構造単位の含有割合:34%)80部、マイカ(商品名「マイカA−21」、山口雲母工業所社製)30部、ステアリン酸(商品名「ルナックS−30」、花王社製)1.0部、カーボンブラック(商品名「シースト116」、東海カーボン社製)50部、可塑剤(アジピン酸エーテルエステル系可塑剤、商品名「RS107」、旭電化工業社製)20部、亜鉛華(商品名「酸化亜鉛2種」、正同化学社製)5.0部、及び硫黄(商品名「粉末硫黄」、鶴見化学社製)0.4部を、バンバリーミキサーを使用して70〜180℃で混練することにより混練物を得た。得られた混練物を冷却したものに、老化防止剤(N−フェニルーN’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、商品名「ノクラック810NA」、大内新興化学工業社製)1.0部、加硫促進剤−1(テトラエチルチウラムジスルフィド、(商品名「ノクセラーTET」、大内新興化学工業社製)1.0部、及び加硫促進剤−2(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、(商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業社製)2.0部をロールで練り込むことによりゴム組成物を得た。得られたゴム組成物を170℃、20分プレス加硫することにより、2mm厚の加硫ゴムシートを作製した。押出試験(生地の肌)の評価結果は「○」、得られた加硫ゴムシートの引張破断強度(TB)は15MPa、引張破断伸び(EB)は550%、硬度(HA(デュロA))は67、耐オゾン性の評価は、20%伸張で「○」、30%伸張で「○」、40%伸張で「○」であった。ガソリン減少量は3500mgであった。
(実施例2〜9、比較例1〜7)
表1に示す配合処方としたこと以外は、前述の実施例1の場合と同様にして加硫ゴムシートを作製した。なお、表1の記載中、「NBR−2」は、カルボキシル基含有NBR(商品名「JSR N632S」、JSR社製、ムーニー粘度(ML1+4,100℃):60、アクリロニトリルに由来する構造単位の含有割合:33%)、「タルク」は、微粉タルク(商品名「ハイトロン」、竹原化学工業社製)である。押出試験(生地の肌)の評価結果、得られた加硫ゴムシートの各種物性値、ガソリン透過性、及び耐オゾン性の評価結果を表2に示す。なお、比較例5〜7については、明らかに耐オゾン性が劣るものであったため、ガソリン透過性の測定は行わなかった。
Figure 0004894172
Figure 0004894172
表2に示すように、実施例1〜9のゴム組成物を用いて得られた加硫ゴムシートは、一定の水準以上の引張破断強度(T)及び引張破断伸び(E)を示すものであるとともに、ACMがブレンドされた、比較例1〜4のゴム組成物を用いて得られた加硫ゴムシートに比して、引張破断強度(T)が高いものであることが明らかである。また、実施例1〜9のゴム組成物を用いて得られた加硫ゴムシートは、比較例1〜7のゴム組成物を用いて得られた加硫ゴムシートに比して、優れた耐オゾン性を示すものであることが明らかである。また、実施例1〜4と、比較例1〜4の耐オゾン性を比較すると、(C)成分としてマイカを配合した実施例1〜4の方が、優れた耐オゾン性を示すことが明らかである。更に、単体のNBRに(C)成分としてマイカを配合した場合(比較例6、7)には、耐オゾン性が向上しないことが判明した。即ち、耐オゾン性の向上を図るためには、(C)成分とNBRとACM(又はANM)を組み合わせて含有させることが必要であることが明らかである。
更に、実施例1〜9のゴム組成物は、ACMがブレンドされた、比較例1〜4のゴム組成物に比して、ガソリン透過性が低く、優れた耐油性を有するとともに、押出生地の肌に凹凸がなく、良好な表面平滑性を示すことが明らかである。
本発明の耐油耐候性ゴム組成物は、オイルクーラーホース、エアーダクトホース、パワーステアリングホース、コントロールホース、インタークーラーホース、トルコンホース、オイルリターンホース、耐熱ホース等のホース;自転車チューブ、ゴム管、理化学用ゴムチュービング等のチューブ;ベアリングシール、バルクステムシール、各種オイルシール等のシール;O−リング、パッキン、ガスケット、ダイヤフラム、ゴム板、ベルト、オイルレベルゲージ、ホースマスキング、配管断熱材等の被覆材、ロール等の成形体を構成する材料として好適である。

Claims (4)

  1. (a1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構造単位を40〜99.9質量%、(a2)不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位を0〜50質量%、(a3)カルボキシル基含有単量体に由来する構造単位を0〜15質量%、及び(a4)エポキシ基含有単量体に由来する構造単位を0〜20質量%(但し、(a1)+(a2)+(a3)+(a4)=100質量%)含んでなるアクリルゴムである(A)アクリル酸エステル系共重合体を5〜95質量%
    (b1)アクリロニトリルを含むα,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位を5〜60質量%、(b2)ブタジエンを含む共役ジエン単量体に由来する構造単位を40〜95質量%、及び(b3)カルボキシル基含有単量体に由来する構造単位を0〜15質量%(但し、(b1)+(b2)+(b3)=100質量%)含んでなるアクリロニトリルブタジエンゴムである(B)α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体を95〜5質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、並びに
    前記(A)アクリル酸エステル系共重合体と前記(B)α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体の合計100質量部に対して、(C)マイカ及びタルクの少なくともいずれかを3〜100質量部含有する耐油耐候性ゴム組成物。
  2. 補強剤、可塑剤、及び架橋剤からなる群より選択される少なくとも一種を更に含有する請求項1に記載の耐油耐候性ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の耐油耐候性ゴム組成物からなる成形体。
  4. ホース、チューブ、又はパッキンである請求項に記載の成形体。
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