JP4461932B2 - 耐燃料油性ゴム組成物及び加硫ゴム - Google Patents

耐燃料油性ゴム組成物及び加硫ゴム Download PDF

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Description

本発明は、耐燃料油性ゴム組成物及び加硫ゴムに関し、更に詳しくは、耐燃料油性及び加工性に優れ、更に圧縮永久歪みの小さい加硫ゴムとすることができる耐燃料油性ゴム組成物及びその耐燃料油性ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムに関する。
自動車等の内燃機関を用いる機械においては、燃料を燃料タンクから燃焼部まで移送する手段として、ゴムホースが一般的に使用されている。このようなゴムホースには、NBR(ニトリルブタジエンゴム)やHNBR(水添ニトリルブタジエンゴム)等の耐燃料油性に優れた原料が使用されている。NBR等の原料ゴムをホースにするときには、原料ゴムと各種配合剤を混合、混練してゴム組成物を作製し、それをホース状に加工し、その後に加硫してホース状の加硫ゴム(ホース状成形体)とする。これを製品として使用すると、燃料油によりゴム中からゴム薬品等が抽出され、抽出物が析出し、燃料油を汚染したり、フィルターの詰まりがある等、内燃機関に悪影響を及ぼすことがあるという問題を生じることがあった(例えば、非特許文献1,2参照)。
木村都威著、「ゴム工場の現場トラブル対策」、初版、株式会社大成社、1983年11月、P145 木村都威著、「現場技術者向け講演会(テーマ:現場トラブル対策、講演者:木村都威)資料」、社団法人日本ゴム協会東海支部開催の講演会、講演日:1993年9月13日、P3,4
本発明は、上述の従来技術の問題に鑑みなされたものであり、耐燃料油性及び加工性に優れ、更に圧縮永久歪みの小さい加硫ゴムとすることができる耐燃料油性ゴム組成物及びその耐燃料油性ゴム組成物を加硫してなり、燃料油への抽出物の少ない加硫ゴムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によって以下の耐燃料油性ゴム組成物及び加硫ゴムが提供される。
[1] α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム、及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムを含有する原料ゴム100質量部と、オレイン酸又はその金属塩0.1〜10質量部とを含有し、前記原料ゴムは、アクリル系ゴムを更に含有しており、前記アクリル系ゴム(A)とα,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム(B)の含有割合((A)/(B))は、これらの合計100質量%に対して、(5〜80質量%)/(20〜95質量%)であって、前記アクリル系ゴムが、エポキシ基を0.01〜1.5mmol/g含有するエポキシ基含有アクリル系ゴムであり、前記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムが、カルボキシル基を0.02〜2.5mmol/g含有するカルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又はカルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムである耐燃料油性ゴム組成物。
前記原料ゴムの合計100質量部に対して、5〜200質量部の補強材、前記原料ゴムの合計100質量部に対して、0〜80質量部の可塑剤、及び、前記原料ゴムの合計100質量部に対して0.05〜5質量部の硫黄または前記原料ゴムの合計100質量部に対して0.2〜10質量部の有機過酸化物を更に含有する前記[1]に記載の耐燃料油性ゴム組成物。
[3]以下に示す所定の抽出試験による沈殿物の体積が0.1ml以下である前記[1]または[2]に記載の耐燃料油性ゴム組成物。
抽出試験:耐燃料油性ゴム組成物をシート状に加工し、160℃、20分の条件でプレス加硫して厚さ2mmのシート状の加硫ゴムを作製する。次に、得られたシート状の加硫ゴムを一辺1cmの正方形に細断してサンプルを作製する。次に、ステンレス管にサンプルを30g入れ、更に試験用燃料油C(トルエン/イソオクタン=50/50(体積比):JIS K6258)を100ml入れる。そして、サンプル及び試験用燃料油Cを40℃とし、その状態でサンプルを試験用燃料油C中に72時間浸漬させる。次に、ステンレス管中の液体(試験用燃料油C及び抽出物)だけを100mlマイヤーフラスコに移し、70℃ホットプレート上で窒素を液面に吹きかけながら全体の体積が10mlになるまで濃縮する。次に、得られた10mlの液体(濃縮された、試験用燃料油C及び抽出物)を遠心分離用容器に移して72時間放置する。次に、回転数400rpmで3分間遠心分離して、沈殿物を得る。
] 前記[1]〜[]のいずれかに記載の耐燃料油性ゴム組成物が加硫されてなる加硫ゴム。
] 前記[1]〜[]のいずれかに記載の耐燃料油性ゴム組成物が成形されてなる成形体。
] 前記[1]〜[]のいずれかに記載の耐燃料油性ゴム組成物がホース状に成形され、加硫されてなるホース状成形体。
本発明の耐燃料油性ゴム組成物によれば、所定の不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムに、炭素数8〜30の高級不飽和脂肪酸又はその金属塩が所定量添加することで、加硫ゴムにして燃料油に接触させたときに、燃料油中の析出物(抽出されて燃料油中で析出する物質)が非常に少ない。
本発明の加硫ゴムは、加工性が良好で圧縮永久歪みが小さい。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」ということがある)を具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
本発明の耐燃料油性ゴム組成物の一の実施の形態は、α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム、及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムを含有する原料ゴム100質量部と、オレイン酸又はその金属塩0.1〜10質量部とを含有し、原料ゴムは、アクリル系ゴムを更に含有しており、アクリル系ゴム(A)とα,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム(B)の含有割合((A)/(B))は、これらの合計100質量%に対して、(5〜80質量%)/(20〜95質量%)であって、アクリル系ゴムが、エポキシ基を0.01〜1.5mmol/g含有するエポキシ基含有アクリル系ゴムであり、α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムが、カルボキシル基を0.02〜2.5mmol/g含有するカルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又はカルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムであるものである。「α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム、及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムを含有する原料ゴム」とは、「α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム、部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム、又はこれらの両方を合わせたものを含有する原料ゴム」ということを意味する。
上記高級不飽和脂肪酸等の炭素数は、8〜30であり、好ましくは10〜25であり、更に好ましくは16〜20である。炭素数が、8より少ないと、粘度が低くなるため、混練、加工時に潤滑油的な加工助剤としての役割を果たさず、原料ゴムと各種配合物との混合物が混練機等の装置に粘着するという問題がある。上記炭素数が30より大きいと、粘度が高く流動性が低下するため混練、加工を効率的に行うことができないという問題がある。
上記高級不飽和脂肪酸等の配合割合は、原料ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であり、好ましくは0.1〜5質量部であり、更に好ましくは0.2〜3質量部である。0.1質量部より少ないと、高級不飽和脂肪酸等の量が少ないため、原料ゴムと各種配合物との混合物が混練機等の装置に粘着するという問題がある。10質量部より多いと、加硫ゴムにしたときの物性が低下するという問題がある。
上記高級不飽和脂肪酸等における炭素数8〜30の高級不飽和脂肪酸としては、デセン酸、オレイン酸、エルシン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、リシノール酸等を挙げることができる。これらの中でも、オレイン酸が、混練等を行うときの上記混合物の装置への粘着を防止し、加硫ゴムとしたものを燃料油に接触させたときに抽出物が析出することを防止すると共に、加硫ゴムとしたものの圧縮永久歪みを小さくするという観点から好ましい。
また、本実施の形態の耐燃料油性ゴム組成物中には、上記高級不飽和脂肪酸等以外にステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の飽和脂肪酸が含まれていてもよいが、飽和脂肪酸の含有量は、上記高級不飽和脂肪酸等と飽和脂肪酸との合計量に対して30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
上記高級不飽和脂肪酸等における炭素数8〜30の高級不飽和脂肪酸の金属塩としては、上記炭素数8〜30の高級不飽和脂肪酸の亜鉛塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等を挙げることができる。これらの中でも、亜鉛塩及びナトリウム塩が好ましい。
本実施の形態の耐燃料油性ゴム組成物は、上述のように加硫助剤として酸化亜鉛を含有する場合に、特に加硫ゴムとしたときに燃料油に析出され難いという効果を発揮する。
本実施の形態の耐燃料油性ゴム組成物において、α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、α,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(a1)15〜60質量%、共役ジエン単量体に由来する構造単位(a2)40〜85質量%、これらの単量体と共重合可能な他の単量体に由来する構造単位(a3)0〜20質量%を含有することが好ましい((a1)+(a2)+(a3)=100質量%)。
α,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(a1)は、20〜55質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることが更に好ましい。15質量%未満では、加硫ゴムの耐燃料油性が劣る傾向にあり、60質量%を超えると、硬度が高くなり、ゴムらしさがなくなる傾向にある。
α,β−不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル等が挙げられ、これらの中でも特にアクリロニトリルが好ましい。これらは、1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
共役ジエン単量体に由来する構造単位(a2)は、45〜80質量%であることが好ましく、50〜70質量%であることが更に好ましい。40質量%未満では、加硫ゴムの硬度が高くなり、ゴムらしさがなくなる傾向にある。85質量%を超えると、耐燃料油性が劣る傾向にある。
共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、クロロプレン(2−クロロ−1,3−ブタジエン)等が挙げられ、これらの中でも特に1,3−ブタジエンが好ましい。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述のように、α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、上記α,β−不飽和ニトリル及び共役ジエンと共重合可能な他の単量体に由来する構造単位(a3)を含有してもよい。上記他の単量体としては、非共役環状ポリエン、下記一般式(1)で表される化合物、芳香族ビニル系単量体、アミド化合物、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、脂環族又は芳香族のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシル基等の官能基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、不飽和カルボン酸と低級飽和アルコールとのエステル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(1)において、X1は水素原子又はメチル基を表す。nは0〜10の整数である。
上記非共役環状ポリエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,4−シクロオクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセシル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記一般式(1)で表される化合物は、不飽和カルボン酸のジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル基含有エステルであり、式中、好ましいnは、1又は2である。上記一般式(1)で表される化合物としては、ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチレン等と(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸とのエステル反応により合成される。その例としては、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシオキシジエチル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ハロゲン化スチレン等が挙げられる。
上記アミド化合物としては、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸シクロへキシル等が挙げられる。
上記芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
上記アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸3−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸3−ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸3−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル等が挙げられる。
上記シアノ基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸1−シアノエチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸1−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸2−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸3−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸4−シアノブチル、(メタ)アクリル酸6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチル−6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸8−シアノオクチル等が挙げられる。
上記ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸類、及びポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコールの単位数は、例えば、2〜23)のモノ(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
また、上記不飽和カルボン酸と低級飽和アルコールとのエステルにおいて用いられる不飽和カルボン酸としては、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
尚、上記他の単量体として例示した中で、加硫性の点から、非共役環状ポリエン及び一般式(1)で表される化合物が特に好ましい。
本実施の形態の耐燃料油性ゴム組成物において、α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムであってもよく、また、これらの両方が混在していてもよい。部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム中の炭素−炭素二重結合を部分的に(選択的に)水素化したものである。
上述した本実施の形態のα,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムを構成する構造単位(a3)の含有量は、全構造単位量を100質量%とした場合、0〜20質量%であることが好ましいが、0〜10質量%であることが更に好ましい。
上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は10〜200であることが好ましく、30〜100であることが更に好ましい。上記ムーニー粘度が小さすぎると、加硫ゴムの強度が低下する傾向にあり、一方、大きすぎると、混練時の加工性が劣る場合がある。
本実施の形態の耐燃料油性ゴム組成物に含有される原料ゴムには、上述したα,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム等以外に、他のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ブタジエン・イソプレン共重合ゴム、ブタジエン・スチレン・イソプレン共重合ゴム、ブチルゴム等が挙げられる。これら他のゴム成分の含有割合は、上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム等100質量部に対して、好ましくは0〜30質量部、更に好ましくは0〜10質量部、特に好ましくは0〜5質量部である。
上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの製造方法は、上記構造単位(a1)、(a2)及び(a3)のそれぞれを形成することとなる上記各単量体を、好ましくはラジカル重合開始剤の存在下で共重合することにより得ることができる。
上記単量体を含む混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下で共重合する具体的方法を以下に示す。
ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄とを組み合わせたレドックス系触媒等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ラジカル重合開始剤の使用量としては、単量体の全量100質量部に対し、通常、0.001〜2質量部である。重合方法としては塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法が可能であるが、乳化重合が特に好ましい。
乳化重合に使用する乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。また、フッ素系の界面活性剤を使用することもできる。これらの乳化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。通常、アニオン系界面活性剤が多用され、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩、ロジン酸塩等が用いられる。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸のカリウム塩及び又はナトリウム塩等が挙げられる。
共重合ゴムの分子量を調節するために連鎖移動剤を使用することもできる。この連鎖移動剤としては、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン類等を使用することができる。
上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの製造において、単量体、乳化剤、ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤等は、反応容器に全量を一括して投入して重合を開始してもよいし、反応継続時に連続的あるいは間欠的に追加し、添加してもよい。この重合は、酸素を除去した反応器を用いて、通常、0〜100℃で、好ましくは0〜80℃の重合温度で行う。反応途中で、原料の添加法、温度、攪拌等の製造条件等を適宜に変更することもできる。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよい。
重合時間は、通常、0.01〜30時間程度で、所定の重合転化率に達した時点で、重合停止剤を添加する等によって重合を停止する。重合停止剤としては、ヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノン等のキノン化合物等が用いられる。
重合停止後、得られた乳化液(ラテックス)から、必要に応じて水蒸気蒸留等の方法により未反応単量体を除去し、その後、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩、又は塩酸、硝酸、硫酸等の酸を添加し、共重合ゴムを凝固せしめ、水洗、乾燥することにより目的とする共重合ゴムが得られる。
部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、公知の方法、例えば特開昭58−17103号公報又は特開昭59−117501号公報に記載の方法で得ることができる。
本発明の耐燃料油性ゴム組成物において、α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、カルボキシル基を含有するカルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又はカルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムであってもよい。ここで、「カルボキシル基」は、「−COOH」及び/又は「−COO-」を意味する。
上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又はカルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、上述した実施の形態のα,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム1分子にカルボキシル基を少なくとも1つ有するものであれば特に限定されない。カルボキシル基の含有量は、0.02〜2.5mmol/gが好ましく、0.04〜2mmol/gが更に好ましく、0.08〜1mmol/gが特に好ましい。カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又はカルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、α,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(a1)15〜60質量%、共役ジエン単量体に由来する構造単位(a2)40〜85質量%、これらの単量体と共重合可能な他の単量体に由来する構造単位(a3)0〜20質量%を含有することが好ましい((a1)+(a2)+(a3)=100質量%)。
上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、α,β−不飽和ニトリル単量体と、共役ジエン単量体と、カルボキシル基を有する単量体と、を含む単量体を用いた重合等によって、これらの各単量体に由来する構造単位を有する重合体(ゴム)であってもよいし、α,β−不飽和ニトリル単量体及び共役ジエン単量体の少なくとも一方にカルボキシル基を有する単量体を含む単量体を用いて得られるゴムであってもよい。カルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムを、上述した部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムを製造する場合の部分水素化の方法で、部分水素化することにより得ることもできる。
本実施の形態の耐燃料油性ゴム組成物において、上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又はカルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムとしては、α,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(b1)15〜60質量%と、共役ジエン単量体に由来する構造単位(b2)39.8〜65質量%と、カルボキシル基を有する単量体に由来する構造単位(b3)0.2〜20質量%と、上記単量体と共重合可能な他の単量体に由来する構造単位(b4)0〜20質量%と、を含有〔但し、(b1)+(b2)+(b3)+(b4)=100質量%〕するものであることが好ましい。
上記α,β−不飽和ニトリル単量体としては、上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの説明において例示した化合物が挙げられ、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記α,β−不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(b1)の含有量は、全構造単位量を100質量%とした場合、上述のように15〜60質量%が好ましく、20〜50質量%が更に好ましく、35〜50質量%が特に好ましい。この構造単位(b1)の含有量が15質量%未満では、加硫ゴムとしたときの耐燃料油性が劣る傾向にあり、一方、60質量%を超えると、加硫ゴムとしたときの硬度が高くなり、ゴムらしさがなくなる傾向にある。
上記共役ジエン単量体としては、上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの説明において例示した化合物が挙げられ、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記共役ジエン単量体に由来する構造単位(b2)の含有量は、全構造単位量を100質量%とした場合、好ましくは39.8〜65質量%、更に好ましくは42〜60質量%、特に好ましくは42〜50質量%である。この構造単位(b2)の含有量が39.8質量%未満では、加硫ゴムとしたときの硬度が高くなり、ゴムらしさがなくなる傾向にあり、一方、65質量%を超えると、加硫ゴムとしたときの耐燃料油性が劣る傾向にある。
上記カルボキシル基を有する単量体としては、不飽和カルボン酸(そのモノエステルを含む)等が挙げられる。この不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、テトラコン酸等の不飽和カルボン酸類;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、フタル酸モノヒドロキシレンアクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノ−2−アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸モノ−2−メタクリロイルオキシエチル、フタル酸、こはく酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸とアリルアルコール、メタリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシル基含有不飽和化合物とのモノエステル等の遊離カルボキシル基含有エステル類等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムを構成する構造単位(b3)の含有量は、全構造単位量を100質量%とした場合、好ましくは0.2〜20質量%、更に好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.2〜7質量%である。この構造単位(b3)の含有量が0.2質量%未満では、加硫ゴムとしたときの耐オゾン性が不十分となる傾向にあり、一方、20質量%を超えると、加硫ゴムとしたときの圧縮永久歪みが悪化する傾向にある。
上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムが、上記構造単位(b1)、(b2)及び(b3)から構成される場合、これらの含有割合(b1)/(b2)/(b3)の組み合わせは、これらの合計を100質量%とした場合、上述のように15〜60質量%/39.8〜65質量%/0.2〜20質量%であることが好ましく、27〜59.6質量%/40〜63質量%/0.4〜10質量%であることが更に好ましく、33〜54.6質量%/45〜60質量%/0.4〜7質量%であることが特に好ましい。
上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムは、上記構造単位(b1)、(b2)及び(b3)に加え、上記α,β−不飽和ニトリル単量体、共役ジエン単量体及びカルボキシル基を含有する単量体と共重合可能な他の単量体に由来する構造単位(b4)を含有していてもよい。上記他の単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニル系単量体等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び芳香族ビニル系単量体としては、上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの説明において例示した化合物が挙げられ、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、上記芳香族ビニル系単量体は、アミノ基、ヒドロキシル基等の官能基を有する化合物であってもよい。アミノ基を有する芳香族ビニル系単量体としては、N,N−ジメチル−p−アミノスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、ジメチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジエチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジメチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する芳香族ビニル系単量体としては、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルアルコール等が挙げられる。
上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムを構成する構造単位(b4)の含有量は、全構造単位量を100質量%とした場合、0〜20質量%が好ましく、0〜15質量%が更に好ましく、0〜10質量%が特に好ましい。この構造単位(b4)の含有量が20質量%を超えると、加硫ゴムとしたときの耐オゾン性が劣る傾向にある。
上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び上記カルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は10〜200が好ましく、40〜100が更に好ましい。上記ムーニー粘度が小さすぎると、加硫ゴムとしたときの強度が低下する傾向にあり、一方、大きすぎると、混練時の加工性が劣る場合がある。
上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの製造方法は、上記所定の単量体を用い、上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの製造方法と同様とすることができる。そして、上記カルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの製造方法は、上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムを、上記製造方法により製造した後に部分水素化することにより得ることができる。
本発明の耐燃料油性ゴム組成物に含有される原料ゴムとしては、更にアクリル系ゴムも含有されることが好ましい。この場合、アクリル系ゴム(A)と、α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム(B)とを合わせたものが原料ゴム中に含有されることになる。これらの含有割合(A)/(B)は、これらの合計を100質量%とした場合、好ましくは(5〜80質量%)/(20〜95質量%)、更に好ましくは(30〜60質量%)/(40〜70質量%)、特に好ましくは(35〜55質量%)/(45〜65質量%)である。上記アクリル系ゴム(A)の含有割合が多すぎると、加硫ゴムとしたときの強度が低下する傾向にあり、一方、少なすぎると、加硫ゴムとしたときの耐オゾン性が必要な場合に不十分となる傾向にある。
アクリル系ゴムの種類としては特に限定されるものではなく、アクリル酸エステル単量体、不飽和ニトリル単量体、架橋点として、塩素含有単量体、非共役ジエン単量体、カルボキシル基含有単量体等を重合させたものを好適に使用することができる。これらの単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これら単量体等と共重合可能な他の単量体を更に加えて重合してもよい。
上記アクリル系ゴムとしては、不飽和エポキシ単量体を更に加えて重合したエポキシ基含有アクリル系ゴムが好ましい。以下、エポキシ基含有アクリル系ゴムについて更に説明する。
上記エポキシ基含有アクリル系ゴムは、1分子にエポキシ基を少なくとも1つ有するものであれば特に限定されるものではない。そしてエポキシ基を0.01〜1.5mmol/g含有することが好ましい。このエポキシ基の含有量は、更に好ましくは0.02〜1mmol/g、特に好ましくは0.02〜0.6mmol/gである。この含有量が0.01mmol/g未満では、本発明の耐燃料油性ゴム組成物を用いて得られる加硫ゴムの強度が不十分となる傾向にあり、一方、1.5mmol/gを超えると、加硫ゴムの圧縮永久歪みが大きくなる場合がある。上記エポキシ基含有アクリル系ゴムは、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル等のアクリル系単量体と、エポキシ基を有する単量体とを含む単量体を用いた重合等によって、各単量体に由来し且つエポキシ基を有する構造単位を有するアクリル系ゴムであってもよいし、エポキシ基を有するアクリル系単量体を含む単量体を用いた重合等によって、各単量体に由来し且つエポキシ基を有する構造単位を有するアクリル系ゴムであってもよい。
上記エポキシ基含有アクリル系ゴムとしては、アクリル酸アルキルエステル及びアクリル酸アルコキシアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種の単量体に由来する構造単位(c1)20〜99.8質量%と、不飽和エポキシ単量体に由来し且つエポキシ基を有する構造単位(c2)0.2〜20質量%と、不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(c3)0〜60質量%と、上記単量体と共重合可能な他の単量体に由来する構造単位(c4)0〜20質量%と、を含有〔但し、(c1)+(c2)+(c3)+(c4)=100質量%〕するエポキシ基含有アクリル系ゴムが好ましい。
上記アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−メチルペンチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸n−オクタデシル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−(n−プロポキシ)エチル、アクリル酸2−(n−ブトキシ)エチル、アクリル酸3−メトキシプロピル、アクリル酸3−エトキシプロピル、アクリル酸2−(n−プロポキシ)プロピル、アクリル酸2−(n−ブトキシ)プロピル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エポキシ含有アクリル系ゴムを構成する構造単位(c1)の含有量は、全構造単位量を100質量%とした場合、好ましくは20〜99.8質量%、更に好ましくは25〜90質量%、特に好ましくは30〜85質量%である。この構造単位(c1)の含有量が20質量%未満では、加硫ゴムとしたときの硬度が高くなり、ゴムらしさがなくなる傾向にあり、一方、99.8質量%を超えると、加硫ゴムとしたときの強度が低下する傾向にある。
上記不飽和エポキシ単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−オキシシクロヘキシル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記エポキシ含有アクリル系ゴムを構成する構造単位(c2)の含有量は、全構造単位量を100質量%とした場合、0.2〜20質量%、好ましくは0.4〜15質量%、更に好ましくは0.5〜10質量%である。この構造単位(c2)の含有量が0.2質量%未満では、加硫ゴムとしたときの強度が不十分となる傾向にあり、一方、20質量%を超えると、加硫ゴムとしたときの圧縮永久歪みが大きくなる場合がある。尚、上記構造単位(c2)におけるエポキシ基の含有量は特に限定されない。
上記エポキシ含有アクリル系ゴムが、上記構造単位(c1)及び(c2)から構成される場合、これらの好ましい含有割合(c1)/(c2)の組み合わせは、これらの合計を100質量%とした場合、好ましくは(80〜99.8質量%)/(0.2〜20質量%)であり、更に好ましくは(85〜99.6質量%)/(0.4〜15質量%)である。
上記エポキシ含有アクリル系ゴムは、上記構造単位(c1)及び(c2)に加え、上記アクリル酸アルキルエステル及びアクリル酸アルコキシアルキルエステルと共重合可能な不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(c3)を含有していてもよい。
上記不飽和ニトリル単量体としては、上述したα,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの説明において例示したα,β−不飽和ニトリル単量体が挙げられ、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エポキシ含有アクリル系ゴムを構成する構造単位(c3)の含有量は、全構造単位量を100質量%とした場合、好ましくは0.5〜60質量%、更に好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%である。この構造単位(c2)の含有量が60質量%を超えると、加硫ゴムとしたときの硬度が高くなり、ゴムらしさがなくなる傾向にある。
上記エポキシ含有アクリル系ゴムが、上記構造単位(c1)、(c2)及び(c3)から構成される場合、これらの含有割合(c1)/(c2)/(c3)の組み合わせは、これらの合計を100質量%とした場合、好ましくは(20〜99.3質量%)/(0.2〜20質量%)/(0.5〜60質量%)であり、更に好ましくは(40〜84.6質量%)/(0.4〜20質量%)/(15〜40質量%)、特に好ましくは(60〜89.6質量%)/(0.4〜10質量%)/(10〜30質量%)である。
尚、上記エポキシ含有アクリル系ゴムは、上記構造単位(c1)、(c2)及び(c3)に加え、上記アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル、不飽和ニトリル単量体及び不飽和エポキシ単量体と共重合可能な他の単量体に由来する構造単位(c4)を更に含有していてもよい。
上記他の単量体としては、上述したα,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの説明において例示した他の単量体が挙げられ、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エポキシ含有アクリル系ゴムを構成する構造単位(c4)の含有量は、全構造単位量を100質量%とした場合、好ましくは0.1〜20質量%、更に好ましくは0.2〜15質量%、特に好ましくは0.2〜7質量%である。この構造単位(c4)の含有量が20質量%を超えると、混練時の加工性が劣る場合がある。
上記エポキシ含有アクリル系ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は10〜200であり、好ましくは20〜100である。上記ムーニー粘度が小さすぎると、加硫ゴムとしたときの強度が低下する傾向にあり、一方、大きすぎると、混練時の加工性が劣る場合がある。
上記エポキシ含有アクリル系ゴムの製造方法は、所定の単量体を用い、上述したα,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムの製造方法と同様とすることができる。
本発明の耐燃料油性ゴム組成物は、上記エポキシ基含有アクリル系ゴム(C)と、上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又はカルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム(D)とを原料ゴムとして含有することが好ましい。
これらの含有割合(C)/(D)は、これらの合計を100質量%とした場合、好ましくは(5〜80質量%)/(20〜95質量%)、更に好ましくは(10〜60質量%)/(40〜90質量%)、特に好ましくは(30〜55質量%)/(45〜70質量%)である。上記エポキシ基含有アクリル系ゴム(C)の含有割合が多すぎると、加硫ゴムとしたときの強度が低下する傾向にあり、一方、少なすぎると、加硫ゴムとしたときの耐オゾン性が必要な場合に不十分となる傾向にある。
本発明の耐燃料油性ゴム組成物は、上記エポキシ基含有アクリル系ゴム(C)と、上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又はカルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム(D)とを原料ゴムとして含有する場合に、これ以外に、他のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムが原料ゴム中に含有される場合の上記説明において挙げた他のゴム成分とすることが好ましい。
これら他のゴム成分の含有割合は、上記エポキシ基含有アクリル系ゴム(C)及び上記カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体及び/又はカルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム(D)の合計100質量部に対して、好ましくは0〜30質量部、更に好ましくは0〜10質量部、特に好ましくは0〜5質量部である。
本発明の耐燃料油性ゴム組成物は、補強剤、充填剤、可塑剤、加硫剤、加硫助剤(加硫促進剤)、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防菌・防かび剤、着色剤等の添加剤を含有したものとすることもできる。加硫助剤としては、亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華等の酸化亜鉛含有物を1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記補強剤としては、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ等が挙げられる。これらのうち、カーボンブラックが好ましい。また、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記カーボンブラックとしては、SAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
上記補強剤の配合量は、耐燃料油性ゴム組成物中の原料ゴムの合計100質量部に対して、好ましくは5〜200質量部、更に好ましくは10〜100質量部、特に好ましくは20〜80質量部である。
上記充填剤としては、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カオリン、セリサイト、タルク、微粉タルク、ウォラスナイト、ゼオライト、ゾーノトナイト、アスベスト、PMF(Processed Mineral Fiber)、胡粉、セピオライト、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイドロタルサイト、フライアシュバルン、シラスバルン、カーボン系バルン、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記充填剤の配合量は、耐燃料油性ゴム組成物中の原料ゴムの合計100質量部に対して、好ましくは0〜200質量部、更に好ましくは0〜100質量部、特に好ましくは0〜50質量部である。
上記可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類、ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート等の脂肪酸エステル類、トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸n−オクチルエステル、トリメリット酸系イソノニルエステル等のトリメリット酸エステル類の他、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、ジエチレングリコールモノオレート、グリセリルモノリシノレート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エポキシ化大豆油、ポリエーテルエステル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記可塑剤の配合量は、耐燃料油性ゴム組成物中の原料ゴムの合計100質量部に対して、好ましくは0〜80質量部、更に好ましくは10〜60質量部である。
上記加硫剤としては、硫黄、有機過酸化物等が挙げられるが、硫黄が好ましい。この硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等が挙げられる。
上記加硫剤として、硫黄を用いる場合のその配合量は、耐燃料油性ゴム組成物中の原料ゴムの合計100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部、更に好ましくは0.1〜3質量部、特に好ましくは0.2〜1質量部である。
また、上記加硫剤としては、上述した酸化亜鉛に加えて以下の化合物を用いることができる。例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2’,4’−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾ−ル系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミン又はアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;炭酸亜鉛等の無機系亜鉛化合物等を1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記加硫助剤は、いずれの加硫剤を使用する場合にも添加することができるが、硫黄を加硫剤とする場合により効果的である。
また、上記有機過酸化物としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ベイゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボナート、t−ブチルパーオキシアリルカーボナート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記加硫剤として、有機過酸化物を用いる場合のその配合量は、耐燃料油性ゴム組成物中の原料ゴムの合計100質量部に対して、好ましくは0.2〜10質量部、更に好ましくは0.3〜7質量部である。
また、エポキシ基含有アクリル系ゴムを架橋するために、例えば、酸無水物、カルボン酸塩等の架橋剤を用いることもできる。これらは、それぞれ、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記酸無水物としては、無水フタル酸、メチルテトラハイドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。また、上記カルボン酸塩は、モノカルボン酸の塩(金属塩、アンモニウム塩等)であってもよいし、ジカルボン酸の塩(金属塩、アンモニウム塩等)であってもよい。更には、ポリカルボン酸の塩(金属塩、アンモニウム塩等)であってもよい。金属塩とする場合の金属元素は、亜鉛、マグネシウム等が挙げられる。従って、このカルボン酸塩としては、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウム、ジメタクリル亜鉛等が挙げられる。
上記軟化剤としては、石油系軟化剤、植物油系軟化剤、サブ等が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
石油系軟化剤としては、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系軟化剤等が挙げられる。植物系軟化剤としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう等が挙げられる。サブとしては、黒サブ、白サブ、飴サブ等が挙げられる。
上記軟化剤の配合量は、耐燃料油性ゴム組成物中の原料ゴムの合計100質量部に対して、好ましくは0〜50質量部、より好ましくは0〜30質量部、更に好ましくは0〜10質量部である。
上記老化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、(モノ−、ビス−、トリス−、ポリ−)フェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系の老化防止剤等が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記老化防止剤の配合量は、耐燃料油性ゴム組成物中の原料ゴムの合計100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは0〜7質量部、更に好ましくは0〜5質量部である。
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記紫外線吸収剤の配合量は、耐燃料油性ゴム組成物中の原料ゴムの合計100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは0〜7質量部、更に好ましくは0〜5質量部である。
本発明の耐燃料油性ゴム組成物は、以下に示す所定の抽出試験による沈殿物の体積が、0.1ml以下であることが好ましく、0.05ml以下であることが更に好ましい。
(抽出試験)
耐燃料油性ゴム組成物をシート状に加工し、160℃、20分の条件でプレス加硫して厚さ2mmのシート状の加硫ゴムを作製する。次に、得られたシート状の加硫ゴムを一辺1cmの正方形に細断してサンプルを作製する。次に、ステンレス管にサンプルを30g入れ、更に試験用燃料油C(トルエン/イソオクタン=50/50(体積比):JIS K6258)を100ml入れる。そして、サンプル及び試験用燃料油Cを40℃とし、その状態でサンプルを試験用燃料油C中に72時間浸漬させる。次に、ステンレス管中の液体(試験用燃料油C及び抽出物)だけを100mlマイヤーフラスコに移し、70℃ホットプレート上で窒素を液面に吹きかけながら全体の体積が約10mlになるまで濃縮する。次に、得られた約10mlの液体(濃縮された、試験用燃料油C及び抽出物)を遠心分離用容器に移して72時間放置する。次に、回転数400rpmで3分間遠心分離して、沈殿物の体積(ml)を確認する。沈殿物の体積は、沈殿物を遠心分離用容器から取り出さずに、遠心分離終了後、遠心分離用容器内に沈殿した状態で測定する。遠心分離用容器は、沈殿物がその底部に沈殿した状態で、沈殿物の体積を測定できるものである。例えば必要な目盛りの付いた管である。
本発明の耐燃料油性ゴム組成物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
先ず、α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、炭素数8〜30の高級不飽和脂肪酸又はその金属塩、カーボンブラック等の補強剤、その他加硫剤以外の配合剤等をバンバリーミキサー等の混練機等により、温度70〜180℃で混練する。その後、混練物を冷却し、硫黄等の加硫剤、加硫助剤(酸化亜鉛)等を、バンバリーミキサー、ミキシングロール等により配合することにより耐燃料油性ゴム組成物を得ることができる。そして、温度130〜200℃で加硫することにより本発明の加硫ゴムを得ることができる。混練後、そのまま成形体とする場合には、上記温度で金型成形、押出成形、射出成形等を適用すればよい。尚、上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び上記アクリル系ゴムは、それぞれが凝固後の固体状態で、上記工程により混合されてもよいし、固体状態とする前の各乳化液(ラテックス)を所定割合で混合し、上記と同様の方法により混合液から重合体成分を凝固することにより得られた、上記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び上記アクリル系ゴムを含む複合体(複合ゴム)を用いて上記混練工程により混合されてもよい。
本発明の成形体は、上記耐燃料油性ゴム組成物を用いて押出成形等により、例えばホース状の加硫前の成形体を作製し、加硫前の成形体を加硫して得られたもの、又は金型等で加硫成形して得られたものである。また、本発明の成形体は、オイルクーラーホース、エアーダクトホース、パワーステアリングホース、コントロールホース、インタークーラーホース、トルコンホース、オイルリターンホース、耐熱ホース等のホース(ホース状成形体);自転車チューブ、ゴム管、理化学用ゴムチュービング等のチューブ;o−リング、ガスケット、ゴムライニング等の各種パッキン類として使用することが可能である。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらによっていかなる制限を受けるものではない。なお、以下の記載において「部」及び「%」は、特別に規定しない限り質量部及び質量%を示す。
(原料ゴム)
(G1)JSR社製 NBR 商品名N222L(アクリロニトリル単位量=43%、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]=45)
(G2)JSR社製 NBR/PVC 商品名NV72(NBR/PVC=70/30、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]=75)
(G3)NBR/ACM(アクリルゴム)混合ゴム N222L/AREX100=60/40(AREX100:ジエン系アクリルゴム、JSR社の商品名)
(G4)C−NBR/エポキシ基及びジエン含有ANM(C−NBR:カルボキシル基含有NBR、ANM:アクリル酸エステル類とアクリロニトリルとのゴム状共重合体)、C−NBR/エポキシ基及びジエン含有ANM=60/40、カルボキシル基(−COOH)含有量が0.348mmol/g
上記原料ゴムG4の中で、C−NBRは以下の方法により得たものである。
(C−NBR)
アクリロニトリル45部、ブタジエン52部及びメタクリル酸3部からなる単量体混合物、ラウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.2部及び水200部を窒素置換したステンレス製反応器に仕込み、40℃で重合させた。重合転化率がほぼ80%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた(反応時間8時間)。次いで、反応生成物を含むラテックスに0.25%塩化カルシウム水溶液を添加して共重合ゴムを凝固させた。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3時間乾燥させることにより、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が80であり、アクリロニトリル単位量が41%、カルボキシル基含有量が0.348mmol/gであるC−NBR(カルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体)を得た。
上記原料ゴムG4の中で、エポキシ基及びジエン含有ANMは以下の方法により得たものである。
(エポキシ基及びジエン含有ANM)
アクリル酸エチル65部、メタクリル酸グリシジル5部、アクリロニトリル25部及びアクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル5部からなる単量体混合物、ラウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.2部及び水200部を、窒素置換したステンレス製反応器に仕込み、50℃で重合させた。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた(反応時間15時間)。次いで、反応生成物を含むラテックスに0.25%塩化カルシウム水溶液を添加して共重合ゴムを凝固させた。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3時間乾燥させることにより、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が70であるエポキシ基及びジエン含有ANMを得た。
(ゴム組成物の製造及び評価)
(実施例1)
上記原料ゴム(G1)100部、カーボンブラック(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製)70部、アジピン酸エーテルエステル系可塑剤(可塑剤)(商品名「アデカサイザーRS107」、旭電化工業社製)30部、亜鉛華(商品名「酸化亜鉛2種」、正同化学社製)5.0部、オレイン酸ナトリウム(商品名「ノンサールON−A」、日本油脂社製)1.0部、及び硫黄(商品名「粉末硫黄」、鶴見化学社製)0.5部を混合し、バンバリーミキサーにて混練した。そして、得られた混合物に更に、加硫促進剤(I)としてテトラエチルチウラムジスルフィド(TETDS)(商品名「ノクセラーTET」、大内新興化学工業社製)1.5部、及び加硫促進剤(II)としてN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業社製)1.2部を配合して、直径6インチのロールで練り込み、ゴム組成物(耐燃料油性ゴム組成物)を調製した。得られたゴム組成物を160℃で20分プレス加硫を行うことにより厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。尚、架硫ゴムの評価は下記方法に拠った。また、「バンバリー排出性」は、上記混合物をバンバリーミキサーにて混練・排出するときに、排出時の取り出しが容易であった場合を「良い」とし、取り出しが困難であった場合を「劣る」として評価したものである。また、抽出試験の結果、遠心分離用容器内に沈殿物が沈殿する様子を図1(a)に示す。
(1)引張破断強度:JIS−K6251に準拠して測定した。表1には、強度変化率(TB(MPa))と伸び変化率(EB(%))とを示した。
(2)硬度(Hs):柔軟性の指標としてJIS−K6253に準拠して測定した。
(3)圧縮永久歪み:JIS−K6262に準拠し、100℃、70時間、25%圧縮後の値を測定した。
(4)抽出試験:上述した所定の抽出試験により試験を行った。表1の「抽出試験」では沈殿物の体積(ml)を示している。
(実施例2)
オレイン酸ナトリウムに代えてオレイン酸亜鉛(試薬、添川理化学社製)を用いた以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を上記方法にて行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。
(実施例3)
オレイン酸ナトリウムに代えてオレイン酸A(試薬、キシダ化学社製)を用いた以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を上記方法にて行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。
(実施例4)
オレイン酸ナトリウムに代えてオレイン酸B(商品名「EXTRA OLEIN 80」、日本油脂社製)を用いた以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を上記方法にて行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。
(実施例5)
原料ゴム(G1)に代えて原料ゴム(G2)を用い、カーボンブラックの配合量を70部に代えて50部とした以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を上記方法にて行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。
(実施例6)
原料ゴム(G1)に代えて原料ゴム(G3)を用いた以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を上記方法にて行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。
(実施例7)
原料ゴム(G1)に代えて原料ゴム(G4)を用い、オレイン酸ナトリウムに代えてオレイン酸Aとした以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を上記方法にて行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。
(比較例1)
オレイン酸ナトリウムを配合しなかった以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を上記方法にて行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。
(比較例2)
オレイン酸ナトリウムに代えてステアリン酸(商品名「ルナックS−30」、花王社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を上記方法にて行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。また、抽出試験の結果、遠心分離用容器内に沈殿物が沈殿する様子を図1(b)に示す。
(比較例3)
オレイン酸ナトリウムに代えてパルミチン酸(商品名「ルナックP−95」、花王社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を上記方法にて行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。
(比較例4)
原料ゴム(G1)に代えて原料ゴム(G3)を用い、オレイン酸ナトリウムに代えてステアリン酸とした以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、加硫ゴムシートを作製し、その物性評価を上記方法にて行った。各原料の配合(質量部)と評価結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜7で得られたゴム組成物は、炭素数18の高級不飽和脂肪酸であるオレイン酸又はその金属塩を用いているため、バンバリーミキサーによる混練後の排出性(以下、単に「排出性」という。)がいずれも良好であり、且つ得られた加硫ゴムシートの抽出試験における沈殿物も、いずれも0mlと良好であった。これに対し、比較例1で得られたゴム組成物は、オレイン酸等の加工助剤を全く使用していないため、得られた加硫ゴムシートの抽出試験での沈殿物は0mlであったが、排出性に劣るものであった。また、比較例2〜4で得られたゴム組成物は、炭素数8〜30の高級不飽和脂肪酸を使用せずにステアリン酸等の飽和脂肪酸を用いているため、排出性は良好であったが、得られた加硫ゴムシートの抽出試験での沈殿物が0.5mlと非常に多いものであった。また、実施例1〜4は、オレイン酸又はその金属塩を用いているため、比較例2,3のステアリン酸等の飽和脂肪酸を用いた場合と同様に、比較例1の不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸のいずれも使用しなかった場合と比較すると、圧縮永久ひずみが小さく良好な値となっている。
本発明の耐燃料油性ゴム組成物は、耐燃料油性及び加工性に優れ、更に圧縮永久歪みの小さい加硫ゴムとすることができるため、各種成形体に成形し、得られた成形体を燃料油等と接触する部分に好適に使用することができる。例えば、ホース状に成形・加硫しホース状成形体とすることにより、内燃機関等の燃料油供給用ホースとして好適に使用することができる。また、本発明の耐燃料油性ゴム組成物から得られる本発明の成形体は、オイルクーラーホース、エアーダクトホース、パワーステアリングホース、コントロールホース、インタークーラーホース、トルコンホース、オイルリターンホース、耐熱ホース等のホース;自転車チューブ、ゴム管、理化学用ゴムチュービング等のチューブ;o−リング、ガスケット、ゴムライニング等の各種パッキン類として使用することが可能である。
実施例の抽出試験において、遠心分離用容器内に沈殿物が沈殿する様子を示す側面写真であり、図1(a)は実施例1の結果を示す写真であり、図1(b)は比較例2の結果を示す写真である。
符号の説明
1…遠心分離用容器、2…沈殿物。

Claims (6)

  1. α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム、及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムを含有する原料ゴム100質量部と、オレイン酸又はその金属塩0.1〜10質量部とを含有し、
    前記原料ゴムは、アクリル系ゴムを更に含有しており、前記アクリル系ゴム(A)とα,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム(B)の含有割合((A)/(B))は、これらの合計100質量%に対して、(5〜80質量%)/(20〜95質量%)であって、
    前記アクリル系ゴムが、エポキシ基を0.01〜1.5mmol/g含有するエポキシ基含有アクリル系ゴムであり、前記α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又は部分水素化α,β−不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムが、カルボキシル基を0.02〜2.5mmol/g含有するカルボキシル基含有不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴム及び/又はカルボキシル基含有部分水素化不飽和ニトリル・共役ジエン系ゴムである耐燃料油性ゴム組成物。
  2. 前記原料ゴムの合計100質量部に対して、5〜200質量部の補強材、前記原料ゴムの合計100質量部に対して、0〜80質量部の可塑剤、及び、前記原料ゴムの合計100質量部に対して0.05〜5質量部の硫黄または前記原料ゴムの合計100質量部に対して0.2〜10質量部の有機過酸化物を更に含有する請求項1に記載の耐燃料油性ゴム組成物。
  3. 以下に示す所定の抽出試験による沈殿物の体積が0.1ml以下である請求項1または2に記載の耐燃料油性ゴム組成物。
    抽出試験:耐燃料油性ゴム組成物をシート状に加工し、160℃、20分の条件でプレス加硫して厚さ2mmのシート状の加硫ゴムを作製する。次に、得られたシート状の加硫ゴムを一辺1cmの正方形に細断してサンプルを作製する。次に、ステンレス管にサンプルを30g入れ、更に試験用燃料油C(トルエン/イソオクタン=50/50(体積比):JIS K6258)を100ml入れる。そして、サンプル及び試験用燃料油Cを40℃とし、その状態でサンプルを試験用燃料油C中に72時間浸漬させる。次に、ステンレス管中の液体(試験用燃料油C及び抽出物)だけを100mlマイヤーフラスコに移し、70℃ホットプレート上で窒素を液面に吹きかけながら全体の体積が10mlになるまで濃縮する。次に、得られた10mlの液体(濃縮された、試験用燃料油C及び抽出物)を遠心分離用容器に移して72時間放置する。次に、回転数400rpmで3分間遠心分離して、沈殿物を得る。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の耐燃料油性ゴム組成物が加硫されてなる加硫ゴム。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の耐燃料油性ゴム組成物が成形されてなる成形体。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の耐燃料油性ゴム組成物がホース状に成形され、加硫されてなるホース状成形体。
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