JP4893366B2 - 薄膜磁気デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜コイルと磁性膜とを備えた薄膜磁気デバイスに関する。
従来より、各種用途の電子機器分野において、集積化受動部品として、薄膜コイルおよび磁性膜を含んで構成される薄膜インダクタや薄膜トランスなどの薄膜磁気デバイスが広く利用されている。
図27は、矩形状のスパイラルコイルにより構成された従来の薄膜磁気デバイス(薄膜インダクタ101)の一例を表したものであり、図27(A)は平面構成を、図27(B)は図27(A)に示したIII−III部分の矢視断面構成を、それぞれ表している。この薄膜インダクタ101では、基板111上に、絶縁膜112、端子113T1,113T2を有する矩形状のスパイラルコイル113、および中央部分に開口115を有する磁性膜114がこの順にZ軸方向に積層された積層構造をなしている。
ところで、近年ではこのような薄膜磁気デバイスにおいて、GHz(ギガ・ヘルツ)帯域等での高周波用途が期待され、高周波特性の良好な磁性膜、具体的には高周波領域において高い透磁率を示す磁性膜が求められている。
そこで、例えば特許文献1および特許文献2には、磁性膜上に複数のスリットを形成することにより、高周波領域における透磁率向上を図るようにした技術が提案されている。
特開平8−172015号公報 特開2001−143929号公報
しかしながら、特許文献1に示された薄膜磁気デバイスでは、磁性膜に発生する応力に起因して透磁率が低下してしまうという問題があった。また、特許文献2に示された薄膜磁気デバイスでは、複数のスリットが磁性膜全体にわたって形成されているため、磁性膜に発生する過大な反磁場に起因して透磁率が低下してしまうという問題があった。
このように従来の技術では、磁性膜に発生する応力や反磁場の影響により、高周波領域での透磁率が実用上十分なレベルまでには至っていなかった。よって、高周波領域での透磁率の更なる向上が望まれる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高周波領域での透磁率をより効果的に向上させることが可能な薄膜磁気デバイスを提供することにある。
本発明の第1の薄膜磁気デバイスは、薄膜コイルと、この薄膜コイルの延在面上に積層され、積層面内の一方向に延設された複数の帯状磁性膜とを備え、これら複数の帯状磁性膜、薄膜コイルの延在領域をその巻回方向に沿って分割してなる4つの領域のうちの互いに対向する一対の領域である、帯状磁性膜の磁化容易軸と薄膜コイルとが直交する領域にのみ、磁化容易軸と直交する方向を長手方向として形成されているようにしたものである。なお、「薄膜コイルの延在領域」とは、厳密な意味での薄膜コイル上の領域だけでなく、その周辺の領域をも含む意味である。
本発明の第2の薄膜磁気デバイスは、薄膜コイルと、この薄膜コイルの延在面上に積層され、積層面内の一方向に延びる複数のスリットが形成された磁性膜とを備え、これら複数のスリットが、薄膜コイルの延在領域をその巻回方向に沿って分割してなる4つの領域のうちの互いに対向する一対の領域である、磁性膜の磁化容易軸と薄膜コイルとが直交する領域にのみ、磁化容易軸と直交する方向を長手方向として形成されているようにしたものである。なお、「スリット」とは、短冊状や帯状の開口に加え、短冊状や帯状の凹面をも含む意味である。
本発明の薄膜磁気デバイスでは、薄膜コイルの延在面上に一方向に延びる複数の帯状磁性膜または磁性膜中の複数のスリットが形成されているため、各帯状磁性膜または各スリットの幅方向に対する応力の合算が回避され、帯状磁性膜または磁性膜における応力が低減する。よって、帯状磁性膜または磁性膜の歪み量も低減することから、透磁率が向上する。
また、これら帯状磁性膜またはスリットは、薄膜コイルの延在領域をその巻回方向に沿って分割してなる4つの領域のうちの互いに対向する一対の領域にのみ形成されていることから、4つの領域全てに形成されている場合と比べ、反磁場の影響による透磁率の低下が抑えられる。よって、高周波領域である程度の透磁率を維持するのが容易となる。
更に、上記帯状磁性膜またはスリットは、帯状磁性膜または磁性膜の磁化容易軸と薄膜コイルとが直交する領域(上記一対の領域に対応)にのみ、この磁化容易軸と直交する方向を長手方向として形成されている。これにより、磁化容易軸と薄膜コイルとが直交する領域の高周波での透磁率が選択的に増加される。
加えて、帯状磁性膜またはスリットの長手方向が磁化容易軸と直交していることから、この磁化容易軸の方向が帯状磁性膜またはスリットの幅方向と一致することとなり、磁化容易軸と薄膜コイルとが平行な場合のみならず直交している場合においても、高周波領域である程度の透磁率が維持される。よって、高周波領域での透磁率がより効果的に向上する。
本発明の第1の薄膜磁気デバイスでは、上記帯状磁性膜が薄膜コイルのパターンに重なるように形成するのが好ましい。また、本発明の第2の薄膜磁気デバイスでは、上記スリットを薄膜コイルのパターン間領域に形成するのが好ましい。これらのように構成した場合、帯状磁性膜または磁性膜とコイルパターンとの距離が近くなるため、透磁率がより増加する。
本発明の薄膜磁気デバイスによれば、薄膜コイルの延在面上に一方向に延びる複数の帯状磁性膜または磁性膜中の複数のスリットを形成すると共に、これら帯状磁性膜またはスリットを、薄膜コイルの延在領域をその巻回方向に沿って分割してなる4つの領域のうちの互いに対向する一対の領域にのみ形成するようにしたので、帯状磁性膜または磁性膜における応力を低減しつつ反磁場の影響による透磁率の低下を抑え、高周波領域でもある程度の透磁率を維持することができる。よって、高周波領域での透磁率をより効果的に向上させることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気デバイスとしての薄膜インダクタ1の構成を表しており、図1はX−Y平面構成を、図2は図1に示したII−II線に沿ったX−Z断面構成を表している。この薄膜インダクタ1は、基板11上に、絶縁膜12、薄膜状のコイル13、および磁性膜14がこの順に形成された積層構造を有している。
基板11は、薄膜インダクタ1全体を支持ずる矩形状の基板であり、例えば、ガラス、シリコン(Si)、酸化アルミニウム(Al23;いわゆるアルミナ)、セラミックス、半導体または樹脂などにより構成されている。なお、基板11の構成材料は、必ずしも上記した一連の材料に限らず、自由に選定可能である。
絶縁膜12は、コイル13を周辺から電気的に絶縁するものであり、例えば、酸化ケイ素(SiO2)などの絶縁性材料により構成されている。
コイル13は、一端(13T1)と他端(13T2)との間にインダクタを構成するものであり、例えば銅(Cu)などの導電性材料により構成されている。このコイル13は、X−Y平面内で端子13T1,13T2がいずれも外部へ導出されるように巻回された矩形状のスパイラル型構造となっており、X軸方向に沿って延在するコイルパターン(第1のコイルパターン)と、Y軸方向に沿って延在するコイルパターン(第2のコイルパターン)とを有している。また、コイル13のうちの端子13T2に通じる部分は、コイル13のうちの端子13T1に通じる部分を含む巻回部分と接触せずに外部に導かれるように、その巻回部分よりも下層に配置されている。なお、図2では図示内容を簡略化するために、コイル13のうちの端子13T2へ通じる部分の図示を省略している。
磁性膜14は、薄膜インダクタ1のインダクタンスを高めるためのものであり、中央部に矩形状の開口15を有している。また、磁性膜14は、X軸方向に磁化容易軸Meを有すると共にY軸方向に磁化困難軸Mhを有し、一軸異方性を示している。この磁性膜14は、例えば、コバルト(Co)系合金、鉄(Fe)系合金またはニッケル鉄合金(NiFe;いわゆるパーマロイ)などの磁性材料により構成されている。このうち、コバルト系合金としては、例えば、薄膜インダクタ1の実用上の観点から、コバルトジルコニウムタンタル(CoZrTa)系合金またはコバルトジルコニウムニオブ(CoZrNb)系合金などが好ましい。なお、開口15の形状は矩形状には限らず、任意の形状とすることができる。
磁性膜14には、磁化容易軸Meとコイル14とが略直交する領域、すなわちコイル14のうちのY軸方向に延在する第2のコイルパターンに対応する領域に、この第2のコイルパターンと重なるように、磁化容易軸Meと略直交する方向、すなわちY軸方向(磁化困難軸Mh方向)に延びる短冊状(帯状)の複数のスリット16が形成されている。また、別の観点から見ると、この磁性膜14には、コイル13の延在領域をその巻回方向に沿って分割してなる4つの領域(開口15の上下左右に位置する4つの領域)のうちの互いに対向する一対の領域(ここでは、開口15の左右に位置する2つの領域)にのみ、一方向(Y軸方向)に延びる複数のスリット16が形成されている。これらスリット16の幅(スリット幅S)は5μm〜20μm程度であり、各スリット16間の磁性膜14の幅(パターン幅L)は、後述するように0.1mm〜5mm程度である。なお、ここでは各スリット16は磁性膜14を貫通するものとなっているが、完全に貫通するものには限られず、短冊状(帯状)の凹面であってもよい。
次に、図3〜図7を参照して、薄膜インダクタ1の製造方法の一例について説明する。ここで図3〜図7は、薄膜インダクタ1の製造方法の一例を表したものであり、図3および図5はX−Z断面構成を、図4,図6および図7はX−Y平面構成を、それぞれ表している。
まず、図3(A)に示したように、前述した材料よりなる基板11上に、絶縁膜12およびコイル13を形成する。絶縁膜12の形成は、例えばスパッタリング法により行い、コイル13の形成は、例えばめっき法により行う。また、図のようにコイル13が絶縁膜12中に埋設されるようにするため、例えば、絶縁膜12を分割形成しつつコイル13を形成する。
続いて、図3(B)に示したように、絶縁膜12およびコイル13の上に、前述した材料よりなる磁性膜14を一様に形成する。この磁性膜14の形成は、例えばスパッタリング法により行う。
続いて、図4に示したように、磁性膜14の積層面(X−Y平面)内で固定磁場H1を印加しつつ熱処理を行う。その際、固定磁場H1の印加方向は、コイル13が構成する第1および第2のコイルパターンのうちの一方と略平行、すなわちこの場合X軸方向またはY軸方向(図4ではX軸方向となっている)となるようにする。また、固定磁場H1の大きさは例えば300×103/4π[A/m](=300Oe)程度とし、熱処理温度は例えば330℃程度とし、熱処理時間は例えば1時間程度とする。すると図5に示したように、固定磁場H1の印加方向(X軸方向)に沿って磁化容易軸Meが、印加方向と直交する方向(Y軸方向)に沿って磁化困難軸Mhがそれぞれ生じ、磁性膜14が一軸異方性を示すようになる。
続いて、図6(A)に示したように、フォトレジスト法により、磁性膜14に開口15およびスリット16を形成するためのフォトレジストパターン2を形成する。このフォトレジストパターン2の形成領域は、開口15およびスリット16の形成領域に対応したものであり、前述のように、磁性膜14の中央部分を開口15の形成領域とすると共に、磁化容易軸Meとコイル14とが略直交する領域、すなわちコイル14のうちのY軸方向に延在する第2のコイルパターンに対応する領域をスリット16の形成領域とし、磁化容易軸Meと略直交する方向、すなわちY軸方向(磁化困難軸Mh方向)に沿って短冊状(帯状)の複数のスリット16が形成されるようにする。
続いて、図6(B)に示したように、所定のエッチング材料を用いて磁性膜14のエッチングを行い、開口15およびスリット16を形成する。
最後に、所定のレジスト除去材料を用いてフォトレジストパターン2を除去することにより、図1および図2に示したような薄膜インダクタ1が製造される。
なお、例えば図7に示したように、この後に磁性膜14の積層面(X−Y平面)内で回転磁場H2を印加しつつ熱処理を行うようにするのが望ましい。磁性膜14上の応力が緩和されると共に磁気異方性が低減するため、磁化困難軸Mh方向の透磁率μhをより高めることができ、薄膜インダクタ1のインダクタンスをより大きくすることができるからである。なお、回転磁場H2の大きさは例えば300×103/4π[A/m](=300Oe)程度とし、回転磁場H2の回転数は例えば90[rpm]程度とし、熱処理温度は例えば330℃程度とし、熱処理時間は例えば1時間程度とする。
また、上記した薄膜インダクタ1の製造方法では、固定磁場H1を印加しつつ熱処理を行い、磁化容易軸Meおよび磁化困難軸Mhを形成した後にスリット16を形成するようにしているが、逆にスリット16(および開口15)を形成した後に、図4に示したように固定磁場H1を印加しつつ熱処理を行い、磁化容易軸Meおよび磁化困難軸Mhを形成するようにしてもよい。具体的には、磁性膜14の積層面内においてコイル13の一部分、すなわち第1および第2のコイルパターンのうちの一方と略平行となるようにスリット16を形成し、磁性膜14の積層面(X−Y平面)内でこのスリット16と直交する方向に固定磁場H1を印加しつつ熱処理を行うようにする。このように製造した場合にも、上記の場合と同様の薄膜インダクタ1を製造することができる。
さらに、上記した薄膜インダクタ1の製造方法では、磁性膜14を形成した後に固定磁場H1を印加しつつ熱処理を行い、磁化容易軸Meおよび磁化困難軸Mhを形成するようにしているが、例えばDCマグネトロンスパッタリング法を用いて固定磁場H1を印加しつつ磁性膜14を形成することにより、磁化容易軸Meおよび磁化困難軸Mhを形成するようにしてもよい。このように製造した場合にも、上記の場合と同様の薄膜インダクタ1を製造することができる。
次に、図8〜図19を参照して、このようにして形成された薄膜インダクタ1の磁気特性について詳細に説明する。ここで、図8〜図10は、パターン幅Lを6mmから0.02mmまで変化させた場合における透磁率μの周波数依存性の一例を、図11は透磁率μのパターン幅L依存性の一例を、図12は磁化曲線(印加磁場Hと磁化Mとの関係)の一例を、図13は透磁率μと共鳴周波数frとの関係の一例を、それぞれ表している。また、図14〜図17は、それぞれパターン幅L=0.5mm,0.2mm,0.05mm,0.02mmの場合における磁性膜14の平面形態の一例を拡大して示す磁性コロイドを用いたビッター法による顕微鏡像であり、図18は顕微鏡写真に示される磁区構造の詳細を模式的に表したものであり、図19は後述する90°ドメインの占有率とパターン幅Lとの関係の一例を表したものである。なお、各図におけるパターン幅L=6mmの場合は、スリット16が形成されていない従来の場合に対応し、比較例として挙げたものである。
なお、各実施例における薄膜インダクタ1の製造条件としては、以下の通りである。まず、磁性膜14はDCマグネトロンスパッタリング法を用いて固定磁場H1を印加しつつ形成しており、ターゲットはCoZrTaを用いている。また、スリット16を形成する際に、フォトレジストパターン2の形成には半導体用ポジレジストを使用し、エッチング材料(エッチャント)としては、塩化鉄(FeCl3):H2O:フッ化水素(HF)=1:2:0.2のものを使用し、レジスト除去剤としてはアセトンを使用している。また、製造した薄膜インダクタ1の評価にはインピーダンスアナライザを使用し、測定方法としてはフェライトヨーク法を用いている。
まず、図8〜図10に示した透磁率μの周波数依存性によれば、固定磁場H1の印加方向の垂直方向(磁化困難軸Mh方向)の透磁率μhは、パターン幅L=6mm〜0.1mmまでほとんど変化しない一方、固定磁場H1の印加方向の水平方向(磁化容易軸Me方向)の透磁率μeは、パターン幅Lの値が減少するにつれて(L=6mmのスリット16が形成されていない比較例からスリット16が形成され、パターン幅Lが細くなっていくのにつれて)、透磁率μeが低下すると共に高周波領域まである程度の値を維持するように(L=0.2mmの場合で約107Hz=約10MHz)なり、共鳴周波数frも増大していることが分かる。
これらの透磁率μとパターン幅Lとの関係をまとめると、以下の表1のようになる。なお、図11(A),(B)は、それぞれ、この表1に示した値をもとにグラフ化したものであり、図11(A)は周波数f=1kHzの場合のものを、図11(B)は周波数f=1MHzの場合のものを、それぞれ表している。
Figure 0004893366
表1および図11(A),(B)によれば、まず垂直方向の透磁率μhは、周波数f=1kHz,1MHzの場合とも、パターン幅Lによらず値がほとんど変化していないことが分かる。また、水平方向の透磁率μeは、比較的低周波領域の周波数f=1kHzの場合(図11(A))ではパターン幅Lの値が小さくなるのにつれて単調減少している一方、高周波領域の周波数f=1MHzの場合(図11(B))では、比較例(L=6mm)と比べてパターン幅Lの値が小さくなるのにつれていったん増加し、L=0.5mm付近にピーク値を持っていることが分かる。よって、このような高周波領域における透磁率μを増加させるためには、スリット16を形成すると共に、図11(B)から分かるように、複数のスリット間のパターン幅Lが0.1mm以上かつ0.5mm以下程度であるのが望ましい。また、透磁率μをより増加させるためには、パターン幅Lが0.3mm以上かつ2mm以下であるのがより好ましく、0.3mm以上かつ1mm以下であるのがさらに好ましい。
ここで、図12(A),(B)を参照して、スリット16の形成と高周波領域での透磁率μの増加との関連性について考察すると、以下のようなことが考えられる。なお、図12(A)はスリット16が形成されていない比較例(L=6mm)における磁化曲線を、図12(B)はスリット16が形成されている場合(L=0.5mm)の磁化曲線を、それぞれ表している。
まず、磁性膜の磁化困難軸Mh方向においては、異方性磁界Hkと透磁率μまたは共鳴周波数frとの間に、以下の(1)式および(2)式が成り立つことが知られているが、これら(1)式および(2)式は、磁化容易軸Me方向についても同様に成り立つものと考えられる。なお、式中において、Bsは飽和磁束を、Msは飽和磁化を、μ0は真空中の透磁率を、γは磁気回転比を、それぞれ表している。
Figure 0004893366
ここで磁化容易軸Me方向について着目した場合、図12(B)に示した磁化曲線では、反磁場Hdの影響により、図12(A)に示した比較例の磁化曲線と比べてその傾きが緩やかになっており、異方性磁界Hkの値が増大(Hkが(Hk+Hd)に増大)している。よって、(1)式および(2)式により、透磁率μの値自体は減少するが共鳴周波数frは増加するため、高周波領域まで透磁率μがある程度の値を維持できるようになることが分かる。このようにして、反磁場Hdの影響により異方性磁界Hkの値が増加するため、高周波領域における水平方向の透磁率μeが増加し、全体としても透磁率μが増加することが分かる。
また、表2は、パターン幅Lを6mmから0.02mmまで変化させた場合における共鳴周波数frと水平方向の透磁率μeとの関係をまとめたものである。なお、図13は、この表2に示した値をもとにグラフ化したものである。
Figure 0004893366
これら表2および図13からも、スリット16を形成すると共にパターン幅Lの値が小さくなるのにつれて、水平方向の透磁率μeの値自体は減少するが、共鳴周波数frは増加していることが分かる。
次に、図14〜図17に示した磁性膜14の顕微鏡写真によれば、各スリット16の幅方向(X軸方向)に磁化された複数の磁区が、磁性膜14のうちのスリット16に挟まれた帯状領域の長手方向(Y磁区方向)に沿って並んでいることが分かる。また、図14から図17までパターン幅Lが狭くなっていっても、横長、すなわち上記帯状領域の幅方向(X軸方向)の磁区構造は横長のままであり、磁化容易軸Meの90°回転といった現象は生じていないことが分かる。ただし、パターン幅Lが狭くなるのにつれて磁区のアスペクト比(磁区の長軸方向の長さに対する短軸方向の長さの比)が変化し、徐々に正方形に近づく方向に変化(アスペクト比が増加)していることが分かる。なお、この各磁区のアスペクト比は、下記の90°ドメインの占有率との関係により、0.3以下であることが望ましい。上述したような反磁場Hdの影響によって、透磁率μをより高周波側まで維持できるようになるからである。
さらに、図14(L=0.5mm)中の符号P1,P2で示したようなスパイク構造が図15〜図17(L=0.2,0.05,0.02mm)では消失し、代わりに符号P3〜P5で示したような上記帯状領域の長手方向(Y軸方向)を磁化方向とする三角磁区(90°ドメイン)が、幅方向(X軸方向)を磁化方向とする磁区の両端に対配置しつつ、長手方向(Y軸方向)に沿って並んでいることが分かる。
図18は、これらの磁区構造を模式的に表したものであり、スリット16間に存在する帯状領域(パターン幅Lの磁性膜14)に相当するものである。ここでは、上述したように、複数の磁区14Dが形成され、長手方向(Y軸方向、磁化困難軸Mh方向)に沿って並んでいる。また、各磁区14Dは、上述した幅方向(X磁区方向、磁化容易軸Me方向)を磁化方向とする一対の磁区14Deと、長手方向を磁化方向とすると共に磁区14Deの両端に位置する一対の磁区(90°ドメイン)14Dhとから構成されている。また、磁区14De,14Dhによる磁化方向は閉ループを構成し、隣り合う磁区14D同士では閉ループの方向が互いに逆向きとなるようになっている。
また、図19に示したパターン幅Lと磁区14における90°ドメインの占有率との関係によれば、パターン幅Lが0.5mm以上では、90°ドメインの占有率はほぼ0%であり、磁区14中にほとんど存在していないが、パターン幅Lが0.5mm未満では、90°ドメインの占有率が単調増加していることが分かる。また、図11(B)に示したように、水平方向(磁化容易軸Me方向)の透磁率μeは、パターン幅L=0.5mm付近でピーク値となることから、90°ドメインの占有率が増加すると、パターン幅Lが幻想するにつれて増加傾向にあった水平方向の透磁率μeが、減少する傾向にあることも分かる。よってこれらの結果から、高周波領域での透磁率μをより効果的に向上させるためには、90°ドメインの占有率が12%以下であるのが望ましい。
以上のように、本実施の形態では、磁性膜14のうちの複数のスリット16に挟まれた帯状領域において、この帯状領域の幅方向(X磁区方向、磁化容易軸Me方向)を長手方向とする磁区14Deを、帯状領域の長手方向(Y軸方向)に沿って並んでいるようにしたので、磁化容易軸Meとコイル13とが互いに略平行となっている場合および互いに略直交となっている場合のいずれにおいても、高周波領域である程度の透磁率を維持することができる。よって、高周波領域での透磁率をより効果的に向上させることが可能となる。
特に、本実施の形態では、磁性膜14の磁化容易軸Meとコイル13とが略直交する領域のみに対応してスリット16を形成すると共にこのスリット16を磁化容易軸Meと直交する方向(磁化困難軸Mh方向)に延在させるようにしたので、磁化容易軸Meとコイル13とが略直交する領域(スリット16が延在する第2のコイルパターンに対応する領域)の高周波での透磁率を選択的に増加させることができる。よって、磁化容易軸Meとコイル13とが略平行な領域(第1のコイルパターンに対応する領域)だけでなく略直交する領域においても、高周波領域である程度の透磁率を維持することができ、高周波領域での透磁率をさらに効果的に向上させることが可能となる。
また、上記帯状領域をコイル13の第2のコイルパターンと重なるように形成したので、この帯状領域における磁性膜14と第2のコイルパターンとの距離を短くし、透磁率をさらに向上させることが可能となる。
また、上記帯状領域において、磁区14Dh(90°ドメイン)を帯状領域の幅方向(X軸方向)の両端に対配置させつつ帯状領域の長手方向(Y軸方向)に沿って並んでいるようにしたので、これらの一対の磁区14Dhに挟まれた磁区14Deにおける反磁場Hdに起因した共鳴周波数frの増加作用を効果的に促進させることができる。よって、高周波領域での透磁率をさらに効果的に向上させることが可能となる。
さらに、本実施の形態の薄膜磁気デバイスとしての薄膜インダクタ1の製造方法によれば、特に製造工程が複雑化することはないので、上記のように高周波領域において高い透磁率を示す薄膜磁気デバイスを簡易に得ることが可能となる。
なお、本実施の形態では、磁化容易軸Meとコイル13とが略直交する領域だけに対応してスリット16が形成されている場合で説明したが、これに加えて他の領域、例えば図20に示した薄膜インダクタ1Aのように、磁性膜14A上の開口15からの対角線上などにも、スリット16を形成するようにしてもよい。すなわち、積層面内の一方向(この場合、磁化容易軸Me方向、X軸方向)に沿って複数の帯状磁性膜14Aが形成されているようにしてもよい。このように構成した場合も、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図21は、本実施の形態に係る薄膜磁気デバイスとしての薄膜インダクタ1Bの構成(X−Y平面構成)を表すものである。この図において、上記第1の実施の形態の薄膜インダクタ1(図1)と同一の構成要素には同一符号を付し、適宜、説明を省略する。
本実施の形態の薄膜インダクタでは、磁性膜14Bの積層面内の所定方向に延びるようにして(図21では、磁化容易軸Meとコイル13とが略平行な領域に対応して)、複数のスリット16が形成されるようになっている。すなわち、図1に示した第1の実施の形態の薄膜インダクタ1では、磁性膜14の磁化容易軸Meとコイル13とが略直交する領域に対応してスリット16が形成されているのに対し、本実施の形態の薄膜インダクタでは、このような磁化容易軸Meとコイル13とが略直交する領域には限定せず、積層面内の所定方向に延びる複数のスリット16が形成されるようになっている。
具体的には図21に示した薄膜インダクタ1Bでは、コイル13の延在在領域をその巻回方向に沿って分割してなる4つの領域(開口15の上下左右に位置する4つの領域)のうちの互いに対向する一対の領域(ここでは、開口15の上下に位置する2つの領域)にのみ、一方向(X軸方向)に延びる複数のスリット16が形成されている。また、これら複数のスリット16はそれぞれ、コイル13のコイルパターン間領域(図21では、第1のコイルパターン間の領域)に形成されている。なお、薄膜インダクタ1Bの他の構成およびその製造方法については、薄膜インダクタ1と基本的に同様である。
このような構成により薄膜インダクタ1Bは、以下のような磁性膜14Bにおける応力低減効果および反磁場抑制効果を生ずる。
図22は、薄膜インダクタ1Bによる応力低減効果を説明するためのY−Z断面構成であり、図22(A)は比較例として磁性膜にスリットが形成されていない従来の薄膜インダクタ101の断面構成を、図22(B)は本実施の形態の薄膜インダクタ1Bの断面構成を、それぞれ表している。
図22(A)に示した比較例(薄膜インダクタ101)では、磁性膜114にスリットが形成されていないため、磁性膜114において応力F101が様々な方向に生じやすい。よって、図のように薄膜インダクタ101自体が積層方向(Z軸方向)にたわみやすくなる。また、応力F101が大きくなることから、磁性膜114の磁歪定数も増加し、磁性膜114の透磁率μが低減してしまう。よって、高周波領域においてある程度の透磁率μを維持するのが困難である。
これに対して、図22(B)に示した本実施の形態の薄膜インダクタ1Bでは、磁性膜14Bの積層面内の一方向(X軸方向)に沿ってスリット16が形成されているため、各スリット16の幅方向(Y軸方向)に対する応力F1の合算が回避され、磁性膜14Bにおける応力が低減する。よって、磁性膜14Bの歪み量も低減することから、比較例の磁性膜114と比べ、磁性膜14Bの透磁率μが向上する。このようにして、薄膜インダクタ1Bでは、高周波領域である程度の透磁率μを維持するのが容易となる。
また、この薄膜インダクタ1Bでは、各スリット16が、コイル13の延在領域をその巻回方向に沿って分割してなる4つの領域(開口15の上下左右に位置する4つの領域)のうちの互いに対向する一対の領域(ここでは、開口15の上下に位置する2つの領域)にのみ形成されていることから、各スリット16が磁性膜全体にわたって、すなわち4つの領域全てに形成されている場合と比べ、反磁場Hdの影響による透磁率μの低下が抑えられる。よって、この薄膜インダクタ1Bでは、透磁率μの維持がさらに容易となる。
以上のように、本実施の形態では、磁性膜14Bの積層面内の一方向(X軸方向)に延びるスリット16を形成すると共に、各スリット16を、コイル13の延在領域をその巻回方向に沿って分割してなる4つの領域(開口15の上下左右に位置する4つの領域)のうちの互いに対向する一対の領域(ここでは、開口15の上下に位置する2つの領域)にのみ形成するようにしたので、磁性膜14Bにおける応力を低減しつつ反磁場Hdの影響による透磁率μの低下を抑え、透磁率の維持を可能とする。
また、各スリット16をコイル13の第1のコイルパターン間の領域に形成するようにしたので、第1の実施の形態と同様にこの帯状領域における磁性膜14Bと第1のコイルパターンとの距離を短くし、透磁率をさらに向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、図21に示したように、磁化容易軸Meとコイル13とが略平行な領域に対応してスリット16が形成されている場合で説明したが、複数のスリット16が磁性膜14B上に形成されていればよく、スリット16の形成位置はこれには限られない。
また、図21に示したスリット16に加えて他の領域、例えば前述の図20に示した薄膜インダクタ1Aのように磁性膜14B上の開口15からの対角線上などにも、スリット16を形成するようにしてもよい。すなわち、積層面内の一方向(図21の場合、磁化困難軸Mh方向、Y軸方向)に沿って複数の帯状磁性膜が形成されているようにしてもよい。このように構成した場合も、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
以上、第1および第2の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、コイル13が互いに略直交する第1および第2のコイルパターンを有する矩形状のスパイラルコイルから構成されている場合で説明したが、薄膜コイルであるコイル13の形状は、これには限られない。例えば、図23(A)〜(C)にそれぞれ示した薄膜インダクタ1C〜1Eのように、磁性膜14C〜14E等が円形状(楕円形でもよい)であって例えばコイル13も円形状のスパイラルの場合であってよい。この場合、コイル13の形状によらず、磁化容易軸Meと直交する方向(磁化困難軸Mh方向)に沿って複数のスリット16を形成するようにすればよい。言い換えれば、複数のスリット16の幅方向に、磁性膜14C〜14Eが磁化容易軸Meを有するようにすればよい。また、例えば図24に示した薄膜インダクタ1Fのように、コイル13が正方形状ではなく長方形状のスパイラルコイルであってもよい。
また、例えば図25に示した薄膜インダクタ1Gのように、コイルが矩形状のミアンダコイル13Gであってもよく、また、例えば図26に示した薄膜インダクタ1Hのように、コイルがソレノイドコイル13Hであってもよい。
また、上記実施の形態では、薄膜磁気デバイスの一例として薄膜インダクタを挙げて説明したが、本発明はこの他にも薄膜トランスなどに適用することも可能である。すなわち、上記実施の形態で説明した磁性膜と所定の電極とを備えているのであれば、薄膜インダクタには限られず、広く薄膜磁気デバイスとして適用することが可能である。
さらに、上記実施の形態において説明した各層の材料、成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、また他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気デバイスの平面構成を表す平面図である。 図1に示したII−II線に沿った薄膜磁気デバイスの断面構成を表す断面図である。 図1に示した薄膜磁気デバイスの製造方法を説明するための断面図である。 図3に続く薄膜磁気デバイスの製造方法を説明するための平面図である。 図4に続く薄膜磁気デバイスの製造方法を説明するための平面図である。 図5に続く薄膜磁気デバイスの製造方法を説明するための断面図である。 図6に続く薄膜磁気デバイスの製造方法を説明するための平面図である。 図1に示した薄膜磁気デバイスにおける透磁率の周波数依存性の一例を表す特性図である。 図1に示した薄膜磁気デバイスにおける透磁率の周波数依存性の一例を表す特性図である。 図1に示した薄膜磁気デバイスにおける透磁率の周波数依存性の一例を表す特性図である。 図1に示した薄膜磁気デバイスにおける透磁率のパターン幅依存性の一例を表す特性図である。 図1に示した薄膜磁気デバイスにおける磁化曲線の一例を比較例のものと共に表す特性図である。 図1に示した薄膜磁気デバイスにおける透磁率と共鳴周波数との関係の一例を表す特性図である。 図1に示した磁性膜の平面形態の一例を拡大して示す顕微鏡写真である。 図1に示した磁性膜の平面形態の一例を拡大して示す顕微鏡写真である。 図1に示した磁性膜の平面形態の一例を拡大して示す顕微鏡写真である。 図1に示した磁性膜の平面形態の一例を拡大して示す顕微鏡写真である。 図14〜図17に示した磁区構造の詳細を説明するための模式図である。 図1に示した薄膜磁気デバイスにおける90°ドメインの占有率とパターン幅との関係の一例を表す特性図である。 第1の実施の形態の変形例に係る薄膜磁気デバイスの平面構成を表す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気デバイスの平面構成を表す平面図である。 図21に示した薄膜磁気デバイスとにおける応力低減効果を説明するための断面図である。 本発明の変形例に係る薄膜磁気デバイスの平面構成を表す平面図である。 本発明の変形例に係る薄膜磁気デバイスの平面構成を表す平面図である。 本発明の変形例に係る薄膜磁気デバイスの平面構成を表す平面図である。 本発明の変形例に係る薄膜磁気デバイスの平面構成を表す平面図である。 従来の薄膜磁気デバイスの構成を表す平面図および断面図である。
符号の説明
1,1A〜1H…薄膜インダクタ、11…基板、12…絶縁膜、13,13F〜13H…コイル、13T1,13T2…端子、14,14A〜14H…磁性膜、14D,14Dh…磁区、14Dh…磁区(90°ドメイン)、15…開口、16,17…スリット、2…フォトレジストパターン、Me…磁化容易軸、Mh…磁化困難軸、L…パターン幅、S…スリット幅、H1…固定磁場、H2…回転磁場、m…磁化方向、F1…応力。

Claims (4)

  1. 薄膜コイルと、
    前記薄膜コイルの延在面上に積層され、積層面内の一方向に延設された複数の帯状磁性膜と
    を備え、
    前記複数の帯状磁性膜は、前記薄膜コイルの延在領域をその巻回方向に沿って分割してなる4つの領域のうちの互いに対向する一対の領域である、前記帯状磁性膜の磁化容易軸と前記薄膜コイルとが直交する領域にのみ、前記磁化容易軸と直交する方向を長手方向として形成されている
    ことを特徴とする薄膜磁気デバイス。
  2. 前記帯状磁性膜は、前記薄膜コイルのパターンに重なるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気デバイス。
  3. 薄膜コイルと、
    前記薄膜コイルの延在面上に積層され、積層面内の一方向に延びる複数のスリットが形成された磁性膜と
    を備え、
    前記複数のスリットは、前記薄膜コイルの延在領域をその巻回方向に沿って分割してなる4つの領域のうちの互いに対向する一対の領域である、前記磁性膜の磁化容易軸と前記薄膜コイルとが直交する領域にのみ、前記磁化容易軸と直交する方向を長手方向として形成されている
    ことを特徴とする薄膜磁気デバイス。
  4. 前記スリットは、前記薄膜コイルのパターン間領域に形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載の薄膜磁気デバイス。
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