JP4645178B2 - 磁気素子およびインダクタ - Google Patents

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Description

本発明は、GHz帯域における高周波特性の良好な磁性薄膜を備えた磁気素子およびインダクタに関する。
近年、集積化受動部品として、薄膜インダクタや薄膜トランスなどの平面型磁気素子の高周波用途が要求されており、それに伴ってGHz帯域における高周波特性の良好な磁性薄膜が求められている。
磁性薄膜における高周波特性を向上させるための指針としては、共鳴周波数を上昇させることや、高周波電流損失を抑制することなどが挙げられる。これらのうち、磁性薄膜の共鳴周波数を上昇させるためには、下記の(1)式により、異方性磁界Hkおよび飽和磁化4πMsの値を大きくする必要がある。
Figure 0004645178
磁性薄膜にこの異方性磁界Hkを付与するための手法としては、従来より磁性薄膜に対して磁場中で熱処理を施す手法(例えば、特許文献1参照)が用いられており、最近では、磁性層を磁場中で成膜する手法(例えば、特許文献2参照)も用いられている。
また、このような磁性薄膜を実際に磁気素子に適用する際には、異方性磁界Hkの値が大きいということのみならず、その値を使用目的や用途に応じて自由に制御可能であるということも重要である。
例えば、非特許文献1には、(Co1-XFeX)−Al−O磁性膜において、コバルト(Co)と鉄(Fe)との組成を変化させることで、異方性磁界Hkを制御するようにした技術が開示されている。
特開平5−114530号公報 特開2002−20864号公報 大沼(S.Ohnuma)、他1名,「マグネトストリクション・アンド・ソフト・マグネティック・プロパティズ・オブ・(Co1-XFeX)-Al-O・フィルムズ・ウィズ・ハイ・エレクトリカル・レジズティビティ(Magnetostriction and soft magnetic properties of (Co1-XFeX)-Al-O granular films with high electrical resistivility)」,ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス(Journal of Applied Physics),アメリカン・インスティテュート・オブ・フィジクス(American Institute of Physics),1999年4月15日,第85巻,第8号,p.4574−4576
しかしながら、上記特許文献1の技術では、付与可能な異方性磁界Hkは、約15×103/4π[A/m](=19Oe)程度が限界であり、それ以上大きな異方性磁界Hkを付与し、共鳴周波数frを上昇させることはできないものであった。また、上記特許文献2の技術では、異方性磁界Hkを付与することができるものの、その値を自由に制御することはできないものであった。
さらに、上記非特許文献1の技術では、異方性磁界Hkを自由に制御可能ではあるものの、同文献のFIG.1(c),(d)に示されているように、CoとFeとの組成によって異方性磁界Hkを変化させると(FIG.1(d))、それに伴って飽和磁束密度Bs(飽和磁化4πMsと同義)も変化してしまっていた(FIG.1(c))。すなわち、異方性磁界Hkの増加するにつれて飽和磁束密度Bsが減少してしまっているので、結局上記(1)式により、共鳴周波数frはほとんど変化せず、その値を上昇させることはできないものであった。
このように、上記のような手法により磁性薄膜の異方性磁界を変化させている従来の技術では、高い共鳴周波数を有する磁性薄膜を得るのが困難であり、したがって高周波特性に優れた磁気素子を得るのも困難であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高周波特性に優れた磁気素子およびインダクタを提供することにある。
本発明の磁気素子は、コイルと、このコイルを挟むように前記コイルの両側に設けられた磁性薄膜とを備え、磁性薄膜が、絶縁材料とこの絶縁材料の混入によって軟磁性化する磁性材料とを含むと共に積層面に対して斜め方向に柱状に結晶成長した斜め成長磁性層を有するものである。また、コイルの両側に設けられた一対の磁性薄膜のそれぞれに対応した一対の斜め成長磁性層のうち、一方の斜め成長磁性層における結晶成長方向が積層面となす角度は、積層面の一端から他端に沿って徐々に大きくなっており、かつ他方の斜め成長磁性層における結晶成長方向が積層面となす角度は、積層面の他端から一端に沿って徐々に大きくなっている。
ここで、「軟磁性化」とは、絶縁材料が混入する前の磁気特性、つまり磁性材料が軟磁性を示すものか、あるいは硬磁性を示すものかを問わず、絶縁材料が混入することによって、混入する前よりも軟磁性の傾向を示すようになったということを意味し、その程度は問わないものである。また、「積層面」とは、多層膜が積層された面を意味し、通常、基板面と平行になっているものである。また、「柱状」とは、文字通りの柱の形状には限定されず、長軸と短軸とを有する形状を意味するものである。
本発明の磁気素子では、磁性薄膜における斜め成長磁性層が、積層面に対して斜め方向に柱状に結晶成長していることで、その方向によって面内磁気異方性が左右される。すなわち、斜め方向と積層面に対して垂直方向との角度をもたせることで、強い面内磁気異方性が発生する。また、斜め成長磁性層において、軟磁性化されるように磁性材料に絶縁材料が混入していることで、磁性材料の微結晶化が促進され、面内結晶磁気異方性が強まる。なお、磁性材料に絶縁材料が混入していることでまた、磁性薄膜の比抵抗が高くなり、磁性薄膜における電流損失が抑制される。
また、本発明の磁性薄膜では、磁性薄膜がコイルを挟むようにコイルの両側に設けられていると共に、コイルの両側に設けられた一対の磁性薄膜のそれぞれに対応した一対の斜め成長磁性層のうち、一方の斜め成長磁性層における結晶成長方向が積層面となす角度が、積層面の一端から他端に沿って徐々に大きくなっており、かつ他方の斜め成長磁性層における結晶成長方向が積層面となす角度が、積層面の他端から一端に沿って徐々に大きくなっている。このように、一対の斜め成長磁性層において結晶成長方向が積層面となす角度が、積層面の一端から他端に沿って互いに逆の変化をしていくことにより、積層面上の位置に対するこれらの角度ばらつきが低減される。
本発明の磁気素子では、磁性薄膜の少なくとも一方が、上記絶縁材料および上記磁性材料を含むと共に積層面に対して垂直方向に柱状に結晶成長した垂直成長磁性層をさらに有するように構成することが可能である。また、磁性薄膜の少なくとも一方が、斜め成長磁性層と垂直成長磁性層との層間の少なくとも1つに、あるいは斜め成長磁性層を複数有する場合には、これら複数の斜め成長磁性層の層間に、絶縁層を有するように構成することが可能である。このように、磁性薄膜が垂直成長磁性層や絶縁層を有するように構成した場合、絶縁層によって高周波電流を遮断する効果があり、過電流損失が抑制される。さらに、磁性層間の静磁結合により還流磁区(もしくは三角磁区)の発生が抑えられ、軟磁気特性が向上される。その結果、高周波での透磁率や性能指数(Q=μ’(透磁率の実部)/μ”(透磁率の虚部))の向上が可能となる。
本発明の磁気素子では、上記磁性材料が、鉄(Fe)またはコバルト鉄(CoFe)を含むように構成することが好ましい。
本発明のインダクタは、上記した構成の磁気素子を備えたものである。
本発明の磁気素子またはインダクタによれば、磁性薄膜における斜め成長磁性層を、積層面に対して斜め方向に柱状に結晶成長させると共に、この斜め成長磁性層において磁性材料に絶縁材料を混入するようにしたので、斜め成長磁性層が面内結晶磁気異方性を示すようになると共にこの面内結晶磁気異方性を強めることができ、異方性磁界を増加させることができる。したがって、磁性薄膜の組成を変化させることなく、斜め成長磁性層の結晶成長方向のみで異方性磁界を変化させることが可能なので、飽和磁化を減少させることなく異方性磁界を増加させることができ、磁性薄膜の共鳴周波数を高めることが可能となる。よって、高周波特性に優れた磁性薄膜を得ることができ、これにより高周波特性に優れた磁気素子またはインダクタを得ることが可能となる。
また、コイルの両側に一対の磁性薄膜を設け、これら一対の磁性薄膜にそれぞれ対応した一対の斜め成長磁性層において、結晶成長方向がコイル延在面となす角度を、コイル延在面の一端から他端に沿って互いに逆の変化をしていくようにしたので、コイル延在面上の位置に対するこれらの角度ばらつきを低減することができ、製造時の歩留りを向上させ、製造コストを低減させることが可能となる。
また、本発明の磁気素子またはインダクタによれば、磁性材料に絶縁材料を混入して磁性薄膜の比抵抗を高くするようにしたので、磁性薄膜における過電流損失を抑制し、高周波特性(性能指数)をより高めることが可能となる。
特に、本発明の磁気素子またはインダクタによれば、磁性薄膜が垂直成長磁性層や絶縁層を有するように構成した場合、磁性層間の静磁結合により還流磁区(もしくは三角磁区)の発生が抑えられ、軟磁気特性が向上される。その結果、高周波での透磁率や性能指数(Q=μ’(透磁率の実部)/μ”(透磁率の虚部))の向上が可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気素子としてのインダクタ10の構成を模式的に表したものであり、(A)は上面図を、(B)は(A)におけるA−A部分の矢視断面図を模式的に表している。このインダクタ10は、基板2と、この基板2上に形成された絶縁層3Aおよび磁性薄膜1と、磁性薄膜1上にスパイラル状に形成された平面コイル4と、磁性薄膜1上で平面コイル4を覆うように形成された絶縁層3Bとを備えている。
基板2は、例えばガラス基板、セラミクス材料基板、半導体基板または樹脂基板などにより構成される。セラミクス材料としては、例えばアルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ステアタイト、ムライト、コージライト、フォルステライト、スピネルおよびフェライトなどが挙げられる。また、絶縁層3A,3Bは、例えば、酸化ケイ素(SiO2)などの絶縁性セラミクス材料、感光性ポリイミド、感光性エポキシ、またはBCB(ベンゾシクロブタン)などにより構成される。平面コイル4は、例えば銅メッキまたはスパッタリングなどにより構成される。また、この平面コイル4の両端からは、それぞれ接続用端子J1,J2が基板2の外方に引き出されている。
磁性薄膜1は、後述するように基板2の表面(および平面コイル4が延在するコイル延在面。以下同様。)に対して斜め方向に柱状成長した斜め成長磁性層11から構成され、高い面内結晶磁気異方性を示すようになっている。そして磁性薄膜1はこのような構成により、後述するように高い共鳴周波数を有し、GHz帯域において優れた高周波特性を有するようになっている。
このように、インダクタ10では、基板2上に平面コイル4と共に絶縁層3を介して磁性薄膜1が設けられていることで、接続用端子J1,J2間にインダクタが形成される。なお、このインダクタ10において平面コイル4を並列的に複数設けることで、トランスを形成することができる。
図2は、磁性薄膜1の断面構成を模式的に表したものである。この磁性薄膜1は、基板2上に斜め成長磁性層11を積層した構成となっている。
斜め成長磁性層11は、斜め成長磁性体12および絶縁体13からなり、図2に示したように、斜め成長磁性体12に絶縁体13が混入した構成となっている。
斜め成長磁性体12は、絶縁体13が混入することによって軟磁性化する磁性材料により構成され、なかでも強磁性材料の鉄(Fe)やコバルト鉄(CoFe)が好ましい。これらの強磁性材料は高い飽和磁化を有するので、多少軟磁性化したとしても依然として高い飽和磁化を保持し、より高い共鳴周波数frを得ることにつながるからである。
また、この斜め成長磁性体12は、図3に示したように、基板2の表面に対して斜め方向(図3中のxy平面が基板2の表面と平行なコイル延在面とすると、このxy平面と一定の角度θをなす)に柱状成長している。この斜め成長磁性体12の柱状結晶の大きさは、例えば短軸方向に約15nm程度、長軸方向に約500nm程度である。斜め成長磁性体12がこのように結晶成長していることで、後述するように斜め成長磁性層11により面内結晶磁気異方性を示すようになっている。なお、斜め成長磁性体12における結晶成長方向がコイル延在面となす角度(図3の角度θ)を変化させることで、この面内結晶磁気異方性の大きさを制御することも可能である。
絶縁体13は、例えば酸化アルミニウム(Al23)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化イットリウム(Y23)、酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化セリウム(CeO2)などの酸化物、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)などのフッ化物、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、窒化シリコン(Si34)などの窒化物などにより構成される。この絶縁体13は、上記のように斜め成長磁性体12を軟磁性化すると共に、磁性薄膜1の比抵抗を高くする役割を果たすものである。具体的には、後述するように斜め成長磁性体12の微結晶を促進し軟磁気特性を向上させると共に、磁性薄膜1における高周波電流損失を抑制する役割を果たす。
このような構成によって本実施の形態の磁性薄膜1では、斜め成長磁性層11が基板2の表面に対して斜め方向に柱状に結晶成長している(斜め成長磁性体12から構成されている)ことで、その方向とそれにコイル延在面内で垂直な方向とで磁気特性が異なる。
なお、このような構成の斜め成長磁性層11が面内結晶磁気異方性を示すのは、斜め成長磁性体12の形状磁気異方性や、応力の異方性などに起因していると考えられる。
また、斜め成長磁性層11において斜め成長磁性体12に絶縁体13が混入していることで、斜め成長磁性体12が軟磁性化されると共に、磁性薄膜1の比抵抗が高くなる。すなわち、粒界の存在する絶縁体13の含有によって斜め成長磁性層11の結晶が細かく砕かれ、斜め成長磁性体12の微結晶化が促進されると共に、比抵抗が高くなり、磁性薄膜1における電流損失が抑制される。よって、斜め成長磁性層11による面内結晶磁気異方性が強まる(異方性磁界が増加する)ことによる共鳴周波数の高周波化と共に高周波電流による損失が抑制される。
本実施の形態の磁性薄膜1では、図4に示したように、斜め成長磁性体12を含む斜め成長磁性層11に加え、基板2に平行なコイル延在面に対して垂直方向に柱状成長した垂直成長磁性体15を含む垂直成長磁性層14を有するように構成してもよい。このような垂直成長磁性層14を設けることで、斜め成長磁性層11における斜め成長磁性体12の斜め方向の結晶成長が止められ、より異方性磁界が増加する。斜め方向に結晶成長しすぎると、斜め成長磁性体12の単結晶化が促進され、異方性磁界が減少してしまうためである。また、斜め成長磁性層11の膜厚(図4中の膜厚d1)と垂直成長磁性層14の膜厚(図4中の膜厚d2)との比率を変化させることで、異方性磁界の大きさを自由に制御することができる。なお、この垂直成長磁性層14には、必ずしも絶縁体13を混入させる必要はない。斜め成長磁性層11の場合とは異なり、垂直成長磁性体15の微結晶化を促進する必要はないからである。
次に、図5を参照して、このような構成の磁性薄膜1を備えたインダクタ10の製造方法の一例(磁性薄膜1が(Co30Fe700.983Al0.107Oの場合)を、磁性薄膜1の形成方法を中心にして説明する。図5は、磁性薄膜1の形成方法の一例を模式的に表したものである。
本実施の形態の磁性薄膜1は、真空薄膜形成方法により形成され、酸化物などを成膜しやすいことから、特にスパッタリング法により形成されることが好ましい。より具体的には、RFスパッタ、DCスパッタ、マグネトロンスパッタ、イオンビームスパッタ、誘導結合RFプラズマ支援スパッタ、ECRスパッタ、対向ターゲット式スパッタなどが用いられる。なお、以下の説明ではスパッタリング法によって磁性薄膜1を形成する場合について説明するが、スパッタリング法は本実施の形態の一具体例であり、他の真空薄膜形成方法(例えば、蒸着法など)を適用することもできる。
まず、基板2上に、磁性薄膜1を形成する。これには、前述した材料よりなる基板2を固定させ、斜め成長磁性層11の材料、すなわち斜め成長磁性体12の材料(この場合、Co30Fe70)および絶縁体13の材料(この場合、Al23)を、矢印Tで示したように斜め方向(角度θ;例えば30°〜60°程度)より、基板2に入射させることにより行う。その際、磁石M1,M2(それぞれ、N極およびS極のものを表している)によって、一定の印加磁場Happl(例えば、100×103/4π[A/m](=100Oe)以上)を印加しながら成膜する。印加磁場Happlに沿って磁化容易軸AXeが、それに直交して磁化困難軸AXhが生じるが、この印加磁場Happlにより生成される異方性磁界Hkの大きさは、約50Oe以下(この場合、44Oe以下)になる。また、磁化容易軸AXe方向に沿って、斜め成長磁性層11の斜め成長磁性体121が成長する。なお、この斜め成長磁性層11の膜厚d1は、例えば1μm以下とする。
この斜め成長磁性層11をスパッタリング法により成膜する方法としては、斜め成長磁性体12および絶縁体13それぞれの材料からなるターゲットを用いて同時スパッタリングするか、あるいは予め斜め成長磁性層11の組成(この場合、(Co30Fe700.983Al0.107O)で混合しておいた材料からなるターゲットを用いてスパッタリングする方法が挙げられる。
なお、スパッタリングする際の条件としては、ベース真空度を、例えば133×10-7Pa(≒1×10-7Torr)未満とし、スパッタ圧力を、例えば0.5×133×10-3Pa(≒0.5mTorr)〜133×10-2Pa(≒10mTorr)程度とする。
また、前述の垂直成長磁性層14を形成するには、図5中の矢印r1,r2で示したように、基板2を回転させながらスパッタリングすればよく、印加磁場Happlの方向にはよらず、基板2の表面に対して垂直方向に、垂直成長磁性体結晶61が成長する。したがって、基板2上に磁性層を成膜する際に、基板2を固定させておく時間と回転させておく時間とを調整することで、斜め成長磁性層11の膜厚d1と垂直成長磁性層14の膜厚d2との比率を、任意に設定することができる。
次に、このようにして形成された磁性薄膜1上に、それぞれ前述した材料よりなる平面コイル4および絶縁層3A,3B,3Cを形成する。平面コイル4の形成は、例えば電気銅めっき法により行う。また、平面コイル4のL/Sターン数を、例えば10〜500μm/10〜50μm程度に設定し、ターン数を、例えば5〜20程度に設定する。絶縁層3A,3B,3Cの形成は、例えばフォトリソグラフィ法により行う。このようにして、図1〜図4に示した構成のインダクタ10が形成される。
次に、図6〜図14を参照して、このようにして形成した磁性薄膜1の磁気特性について説明する。ここで、図6〜図8は磁性層として斜め成長磁性層11のみを形成した場合の磁気特性を、図9〜図11は磁性層として斜め成長磁性層11と垂直成長磁性層14とを混在させた場合の磁気特性を表している。また、図12〜図14は比較例として、磁性層として垂直成長磁性層14のみを形成した場合の磁気特性を表している。また、図6,図9,図12は、それぞれの場合において磁性薄膜1を形成する様子を模式的に表したものであり、図7,図10,図13は、それぞれの場合における磁性薄膜1の断面形態を示す透過型電子顕微鏡(TEM)像であり、図8,図11,図14は、それぞれの場合における磁性薄膜1の磁化曲線を示している。なお、垂直成長磁性層14および斜め成長磁性層11からなる磁性層全体の膜厚は、いずれの場合も同じになるように設定されているものとする。
磁性層が斜め成長磁性層11のみの場合、この斜め成長磁性層11は、前述のように基板2を固定させて成膜したものであり、印加磁場Happlの方向に沿って斜め成長磁性体12が成長する(図6)。また、斜め成長磁性層11において磁化容易軸AXeまたは磁化困難軸AXhに沿った方向の断面(図6中の符号P1A,P1Bの部分)のTEM像(それぞれ図7(A),(B))を見ると、実際に磁化容易軸AXeに沿って斜め成長磁性体12が成長している(図7(A))一方、磁化困難軸AXhに沿った方向では磁性体が垂直方向に成長している(図7(B))ことが分かる。さらに、磁化曲線も磁化容易軸AXeに沿った方向のもの(図8中の磁化曲線E1)と磁化困難軸AXhに沿った方向のもの(図7中の磁化曲線H1)とではその態様(傾き)が大きく異なり、異方性磁界Hk=174×103/4π[A/m](=174Oe)という高い値を示していることが分かる。なお、この異方性磁界Hkは、磁化困難軸AXhに沿った方向の磁化曲線H1の接線と、磁化容易軸AXeに沿った方向の磁化曲線E1の飽和磁化との交点における磁場Hの値により算出したものである。
磁性層が斜め成長磁性層11と垂直成長磁性層14との混在である場合、これら斜め成長磁性層11および垂直成長磁性層14はそれぞれ、前述のように基板2を固定または回転(図9中の矢印r1,r2)させて成膜したものである。垂直成長磁性層14では、磁化容易軸AXeおよび磁化困難軸AXhに沿った方向のいずれについても、基板2に対して垂直方向に垂直成長磁性体15が成長し、斜め成長磁性層11では磁化容易軸AXeに沿って斜め成長磁性体12が成長していることが分かる(図9、図10(A),(B))。また、磁化容易軸AXeに沿った方向の磁化曲線E2と磁化困難軸AXhに沿った方向の磁化曲線H2との傾きに差異が生じ、上記の場合よりも多少小さいながらも、異方性磁界Hk=140×103/4π[A/m](=140Oe)となっていることが分かる(図11)。
一方、磁性層が垂直成長磁性層14のみの場合、この垂直成長磁性層14は、前述のように基板2を回転(図12中の矢印r1,r2)させて成膜したものであり、基板2に対して垂直方向に垂直成長磁性体15が成長していることが分かる(図12、図13(A),(B))。また、磁化容易軸AXeに沿った方向の磁化曲線E3と磁化困難軸AXhに沿った方向の磁化曲線H3との傾きの差異が、磁性層として斜め成長磁性層11を設けた上記2つの場合よりも小さく、異方性磁界Hkも減少している(44×103/4π[A/m](=44Oe))ことが分かる(図14)。
図15は、これら3つの場合を含めて、磁性薄膜1の共鳴周波数frおよび異方性磁界Hkと、斜め成長磁性層11の膜厚の比率(=F/(F+R))との関係を表したものである。ここで、斜め成長磁性層11の膜厚の比率であるF/(F+R)とは、斜め成長磁性層11および垂直成長磁性層14からなる磁性層全体の膜厚に占める斜め成長磁性層11の膜厚の比率を表したものであり、前述のように磁性層を成膜する際に基板2を固定(Fix)させておく時間と回転(Rotation)させておく時間との比率によって定まる。このF/(F+R)の値が大きいときは、斜め成長磁性層11の膜厚比率が大きいことを意味し、逆にこの値が小さいときは、垂直成長磁性層14の膜厚比率が大きいことを意味する。また、共鳴周波数frは、異方性磁界Hkに基づいて前述の(1)式により算出したものである。
このように図15によれば、F/(F+R)の値が大きくなるのに応じて、すなわち斜め成長磁性層11の膜厚比率が大きくなるのに応じて、異方性磁界Hkおよび共鳴周波数frのいずれの値も増加していることが分かる。したがって、斜め成長磁性層11の膜厚比率を変化させることで、これらの値が増加し、磁性薄膜1の高周波特性が向上することが分かる。また、磁性層を成膜する際に基板2を固定させておく時間と回転させておく時間とを調整することで、これらの値を自由に制御可能となり、磁性薄膜1の高周波特性も制御できることが分かる。
なお、上記の共鳴周波数frは、(1)式に基づいて算出したものであるが、図16に示したような磁性薄膜における透磁率の周波数特性から、共鳴周波数frを実測することもできる。ここで、図16の横軸は周波数[GHz]を、縦軸は磁性薄膜の透磁率(実部μ’、虚部μ”)を表している。また、図中の塗りつぶした点は透磁率の実部μ’のものを表し、塗りつぶしていない点は、透磁率の虚部μ”のものを表している。このとき、共鳴周波数frは、透磁率の虚部μ”がピークとなるときの周波数で規定される。
このように図16によれば、一部の透磁率の虚部μ”のピーク値は、測定限界の3GHzを越えてしまっているが、F/(F+R)の値が大きくなるのに応じて、すなわち斜め成長磁性層11の膜厚比率が大きくなるのに応じて、透磁率の虚部μ”のピーク値が高周波側にシフトしていき、共鳴周波数frも増加する傾向にあることが分かる。よって、図15に示したものと同様の結果を得ることが分かる。
以上のように、本実施の形態では、基板2上に平面コイル4および磁性薄膜1を設けることにより接続用端子J1,J2間にインダクタを形成し、磁性薄膜1における斜め成長磁性層11を基板2の表面に対して斜め方向に柱状に結晶成長させる(斜め成長磁性体12)と共に、この斜め成長磁性層11において、斜め成長磁性体12を軟磁性化させるため、この斜め成長磁性体12に絶縁体13を混入するようにしたので、斜め成長磁性層11が面内結晶磁気異方性を示すようになると共にこの面内結晶磁気異方性が強まり、異方性磁界を増加させることができる。したがって、磁性薄膜1の組成を変化させることなく、斜め成長磁性層11の結晶成長方向のみで異方性磁界を変化させることが可能なので、飽和磁化を減少させることなく異方性磁界を増加させることができ、磁性薄膜1の共鳴周波数を高めることが可能となる。よって、高周波特性に優れた磁性薄膜を得ることができ、これにより高周波特性に優れたインダクタを得ることが可能となる。
また、磁性膜膜1の異方性磁界を増加させることが可能なので、例えば図17に示したような平面コイル4に流れる電流とインダクタ10のインダクタンスLとの関係において、垂直成長磁性層14のみからなる磁性薄膜を用いてインダクタを構成した場合(図17中のL1)に比べて、斜め成長磁性層11を有する磁性薄膜1を用いてインダクタを構成した本実施の形態の場合(図17中のL2)のほうが、矢印Xで示したように大電流領域におけるインダクタンスLの減少を抑制することができる。よって、インダクタにおける直流重畳特性が向上し、符号W1,W2で示したように、より多くの電流を流すことが可能となる。
また、斜め成長磁性体12に絶縁体13を混入させたことで、斜め成長磁性層11の比抵抗が上昇するので、電流損失を抑制し、磁性薄膜1の高周波特性を向上させることが可能となる。
また、垂直成長磁性層14を設けるようにした場合には、磁性層を成膜する際に、斜め成長磁性体12の単結晶化を抑制し、異方性磁界をより増加させ、磁性薄膜1の高周波特性をより向上させることが可能となる。
また、磁性層を成膜する際に基板2を固体または回転させる時間により、斜め成長磁性層11の膜厚d1と垂直成長磁性層14の膜厚d2との比率を任意に設定することができるので、これらの膜厚の比率により、異方性磁界の大きさ、しいては共鳴周波数の大きさを自由に制御することが可能となる。
さらに、このような斜め成長磁性層11による面内磁気異方性の増大および制御効果は、成膜直後のas-depo.状態で得られるので、一般的に行われているように成膜後に磁場中熱処理を施す必要がなくなり、熱処理を施すことができないようなアプリケーションに対しても、このインダクタ10を適用することが可能となる。
なお、本実施の形態のインダクタ10では、図1に示したように、基板2と平面コイル4との間に磁性薄膜1を設けた場合で説明してきたが、磁性層1を平面コイル4からみて逆側、すなわち絶縁層3C上に設けるようにしてもよい。つまり、平面コイル4のどちらか一方に磁性薄膜1を設けるようにすればよく、この場合も本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図18は、本実施の形態に係る磁気素子としてのインダクタ20の断面構成を表すものである。この図で、上記第1の実施の形態のインダクタ10(図1)と同一の構成要素には同一符号を付し、適宜、説明を省略する。
本実施の形態のインダクタ20は、第1の実施の形態のインダクタ10において、絶縁層3C上にさらに磁性薄膜を形成するようにしたものである。すなわち、このインダクタ20は、一対の磁性薄膜1A,1Bが絶縁層3を介して平面コイル4を挟むような構成となっている。その他の構成およびその製造方法は、第1の実施の形態のインダクタ10と基本的に同様である。このような構成によって本実施の形態のインダクタ20では、第1の実施の形態のインダクタ10における効果に加え、磁性薄膜1の有効面積を増やすことができ、より大きいインダクタンスを得ることができる。
本実施の形態のインダクタ20では、例えば図19に示したように、これら一対の斜め成長磁性層11A,11Bが、積層面(およびコイル延在面。以下同様。)に垂直な断面におけるコイルの中心面を基準として、互いに面対称となっているように構成することが可能である。このように構成した場合、斜め成長磁性層11Aにおける結晶成長方向が特定の方向をなすようにし、異方性磁界Hkを増加させることが可能となる。
また、例えば図20に示したように、これら一対の斜め成長磁性層11A,11Bにおいて、斜め成長磁性層11Aにおける結晶成長方向が積層面となす角度が、基板2の一端から他端に沿って(例えば、図19中の矢印XA方向)徐々に大きくなっている一方、斜め成長磁性層11Bにおける結晶成長方向が積層面となす角度が、斜め成長磁性層11Bの場合とは逆に基板2の他端から一端に沿って(例えば、図19中の矢印XB方向)徐々に大きくなっているように構成することが好ましい。このように、一対の斜め成長磁性層11A,11Bにおける結晶成長方向が積層面となす角度を、基板2の一端から他端に沿って互いに逆の変化をしていくように構成するには、例えば、斜め成長磁性層11Aを成膜した後、基板2を面内方向に180°回転(基板2自体の自転させる場合、および基板2を公転させる場合の両者を含む)させてから、斜め成長磁性層11Bを成膜するようにすればよい。なぜならば、これらの斜め成長磁性層11を成膜する際には、前述のように基板2に対して斜め方向Tから磁性材料を入射しているからである。このように構成した場合、基板2上(およびコイル延在面上)の位置に対するこれらの角度ばらつきを低減することができるので、製造時の歩留りを向上させ、製造コストを低減させることが可能となる。
また、例えば図21に示したように、インダクタ20を矩形状に形成すると共に、一対の斜め成長磁性層11A,11Bにおける結晶成長方向の積層面内成分を制御し、それぞれの磁化容易軸(それぞれ、図中の矢印AXeA,AXeB)を、互いに長軸方向で一致させるように構成してもよい。このように構成した場合、高周波領域における磁性層の有効面積を増やすことができ、製造の際に弱い磁場印加の下でも磁化容易軸AXeおよび磁化困難軸AXhを付与することが可能となる。
さらに、例えば図22に示したように、一対の斜め成長磁性層11A,11Bにおける結晶成長方向の積層面内成分(それぞれ、図中の矢印EA,EB)を、互いに略直交させるように構成してもよい。このように構成した場合、斜め成長磁性層11同士の面内結晶磁気異方性を打ち消し合うようにすることで異方性磁界を減少させ、低周波帯域で用いられる磁性薄膜を得ることが可能となる。また、異方性磁界を減少させることで磁性薄膜の透磁率μを増加させる(異方性磁界Hkと反比例する)ことも可能となる。
以上、第1および第2の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、磁性薄膜1における磁性層が、斜め成長磁性層11の1層のみ(図2,図6)の場合、または斜め成長磁性層11および垂直成長磁性層14が1層ずつ混在(図4,図9)している場合について説明してきたが、例えば図23に示したように、これら斜め成長磁性層11および垂直成長磁性層14を多層化(斜め成長磁性層11A,11B,…、および垂直成長磁性層14A,14B,…)するように構成してもよい。また、第2の実施の形態(図18)で説明したように、磁性層1を一対の磁性薄膜1A,1Bから構成した場合には、これら一対の磁性薄膜1A,1Bのうちの少なくとも一方を多層化するように構成してもよい。これらのように構成した場合でも、上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、磁性薄膜1に磁性層のみを設けた場合について説明してきたが、例えば図24および図25にそれぞれ示したように、複数の斜め成長磁性層11A,11B,…の層間(図24)、または斜め成長磁性層11と垂直成長磁性層14との層間(図25)に、例えばAl23などの絶縁体よりなる絶縁層16A,16B,16C,16D,…を設けるように構成してもよい。このように構成することで、上記実施の形態における効果に加え、垂直成長磁性層14を設けた場合の効果と同様に、斜め成長磁性体12の単結晶化を抑制して異方性磁界をより増加させると共に、磁性薄膜1の比抵抗をより高め、電流損失をより抑制することが可能となる。また、上記のように磁性層1を一対の磁性薄膜1A,1Bから構成した場合には、これら一対の磁性薄膜1A,1Bのうちの少なくとも一方に絶縁層16を設けるように構成してもよい。
さらに、上記実施の形態では、基板2の片面に磁性薄膜1や平面コイル4、絶縁層3を設けた場合(インダクタ10,20)について説明してきたが、例えば図26((A)は上面図を模式的に表したもの、(B)は(A)におけるB−B部分の矢視断面図を模式的に表したもの)に示したように、基板6の両面に磁性薄膜1A,1B、平面コイル4、絶縁層7を設けるように構成(インダクタ30)してもよい。この場合、基板6の表面側および裏面側にそれぞれ設けられたスパイラル状の平面コイル4同士は、スルーホール5によって互いに電気的に接続されるようになっている。このように構成した場合も、接続用端子J3,J4間にインダクタが形成され、上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
またさらに、上記実施の形態において説明した各層の材料、成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、また他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気素子の構成を表す模式図である。 図1に示した磁性薄膜の断面構成を表す模式図である。 斜め成長磁性体の形態を説明するための模式図である。 垂直成長磁性層を設けた場合の断面構成を説明するための模式図である。 磁性薄膜の形成方法を説明するための模式図である。 図5に示した形成方法による磁性薄膜の一例を説明するための模式図である。 図6に示した磁性薄膜の断面形態を示すTEM写真である。 図6に示した磁性薄膜の磁化曲線である。 図5に示した形成方法による磁性薄膜の他の例を説明するための模式図である。 図9に示した磁性薄膜の断面形態を示すTEM写真である。 図9に示した磁性薄膜の磁化曲線である。 図5に示した形成方法による磁性薄膜の他の例を説明するための模式図である。 図12に示した磁性薄膜の断面形態を示すTEM写真である。 図12に示した磁性薄膜の磁化曲線である。 図5に示した形成方法による磁性薄膜の共鳴周波数および異方性磁界と斜め成長磁性層の膜厚比率との関係を表す特性図である。 図5に示した形成方法による磁性薄膜における透磁率の周波数特性を表す特性図である。 平面コイルに流れる電流とインダクタンスとの関係を説明するための模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気素子の断面構成を表す模式図である。 結晶成長方向の関係の一例を説明するための模式図である。 結晶成長方向の関係の一例を説明するための模式図である。 結晶成長方向の積層面内成分の関係の一例を説明するための模式図である。 結晶成長方向の積層面内成分の関係の他の例を説明するための模式図である。 斜め成長磁性層および垂直成長磁性層を多層化した場合の断面構成の一例を表す模式図である。 図22に示した磁性薄膜に絶縁層を設けた場合の断面構成の一例を表す模式図である。 図23に示した磁性薄膜に絶縁層を設けた場合の断面構成の一例を表す模式図である。 本発明に係る磁気素子の他の構成例を表す模式図である。
符号の説明
10,20,30…インダクタ、1…磁性薄膜、11…斜め成長磁性層、12…斜め成長磁性体、13…絶縁体、14…垂直成長磁性層、15…垂直成長磁性体、16…絶縁層、2,6…基板、3,7…絶縁層、4…平面コイル、5…スルーホール、J1〜J4…接続用端子、d1,d2…磁性層の膜厚、M1,M2…磁石、T…磁性体の入射方向、AXe…磁化容易軸、AXh…磁化困難軸、E1〜E3…磁化容易軸方向における磁化曲線、H1〜H3…磁化困難軸方向における磁化曲線、EA,EB…斜め成長磁性層における結晶成長方向の積層面内成分。

Claims (6)

  1. コイルと、
    前記コイルを挟むように前記コイルの両側に設けられた磁性薄膜と
    を備え、
    前記磁性薄膜は、絶縁材料とこの絶縁材料の混入によって軟磁性化する磁性材料とを含むと共に積層面に対して斜め方向に柱状に結晶成長した斜め成長磁性層を有し、
    前記コイルの両側に設けられた一対の磁性薄膜のそれぞれに対応した一対の斜め成長磁性層のうち、一方の斜め成長磁性層における結晶成長方向が前記積層面となす角度は、積層面の一端から他端に沿って徐々に大きくなっており、かつ他方の斜め成長磁性層における結晶成長方向が前記積層面となす角度は、積層面の他端から一端に沿って徐々に大きくなっている
    ことを特徴とする磁気素子。
  2. 前記磁性薄膜の少なくとも一方は、前記絶縁材料および前記磁性材料を含むと共に積層面に対して垂直方向に柱状に結晶成長した垂直成長磁性層をさらに有する
    ことを特徴とする請求項に記載の磁気素子。
  3. 前記磁性薄膜の少なくとも一方は、前記斜め成長磁性層と前記垂直成長磁性層との層間の少なくとも1つに、絶縁層を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の磁気素子。
  4. 前記磁性薄膜の少なくとも一方は、前記斜め成長磁性層を複数有し、この複数の斜め成長磁性層の層間に、絶縁層を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の磁気素子。
  5. 前記磁性材料は、鉄(Fe)またはコバルト鉄(CoFe)を含む
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の磁気素子。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の磁気素子を備えた
    ことを特徴とするインダクタ。
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