JP4893177B2 - 切削用振動体、振動切削ユニット、及び加工装置 - Google Patents
切削用振動体、振動切削ユニット、及び加工装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4893177B2 JP4893177B2 JP2006250957A JP2006250957A JP4893177B2 JP 4893177 B2 JP4893177 B2 JP 4893177B2 JP 2006250957 A JP2006250957 A JP 2006250957A JP 2006250957 A JP2006250957 A JP 2006250957A JP 4893177 B2 JP4893177 B2 JP 4893177B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vibration
- cutting
- tool
- fixing
- tip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Turning (AREA)
Description
以下、本発明の第1実施形態に係る切削用振動体及び振動切削ユニットを、図面を参照しつつ説明する。図1は、レンズ等の光学素子を成形するための成形金型の転写光学面を加工する際に使用される振動切削ユニットの構造を説明する断面図である。
以下、本発明の第2実施形態に係る加工装置を図面を用いて説明する。図4は、レンズ等の光学素子を成形するための成形金型の転写光学面を加工する振動切削型の加工装置の構造を概念的に説明するブロック図である。
以下、第3実施形態に係る成形金型について説明する。図6は、第1実施形態の振動切削ユニット20を用いて作製した成形金型(光学素子用成型金型)を説明する図であり、図6(a)は、固定型すなわち第1金型2Aの側方断面図であり、図6(b)は、可動型すなわち第2金型2Bの側方断面図である。両金型2A,2Bの転写光学面3a,3bは、図4等に示す加工装置10によって仕上げ加工されたものである。つまり、両金型2A,2Bの母材(材料は例えば超硬)をワークWとしてチャック37に固定し、振動子駆動装置50等を動作させて振動切削ユニット20に定在波を形成しつつ切削工具23を高速振動させる。これと並行して駆動制御装置40を適宜動作させて、振動切削ユニット20のツール部21先端をワークWに対して3次元的に任意に移動させる。これにより、金型2A,2Bの転写光学面3a,3bを、球面や非球面に限らず、段差面、位相構造面、回折構造面とすることができる。
以下、実施形態の振動切削ユニット20の作製例及びこれを用いた加工実施例について説明する。発熱や周囲温度の変化により、刃先位置が大きく変化することを防ぐため、振動体82にはステンレスインバー材を用いた。そして、ナット27に固定ネジ25を締め付けることによって振動体82の先端部21aに切削工具23を固定した。この際、振動体82の固定孔21gを充填ネジ26であるSCM430製ヘッド付のネジで充填した。振動切削ユニット20を構成するインバー材は、引張り強度が小さく、ネジの繰り返し脱着によりネジ部がすぐに変形してしまう傾向があるので、バランス部材である充填ネジ26には、上述のようなヘッド付のネジを用い、ネジの締結力を固定孔21g内面のネジ山だけでなくヘッド座面に分散させて受けるようにすることで、ネジ山への応力が減少し、固定孔21g内のネジ山を保護することができる。
以上のような振動切削ユニット20を用いて試験的な振動テストを行った。結果は、40.3kHzの周波数で振幅3μmの楕円振動状態を作り出すことができた。
参考のため、バランス用の充填ネジ26をねじ込んでない比較例の振動切削ユニット20を用いて試験的な振動テストを行った。結果的には、軸方向振動及び撓み方向振動ともに安定した周波数で振動せず、振動位相を合わせることができず、さらに、楕円振動状態を作り出すことができなかった。
以下、上記実施例の振動切削ユニット20を用いた振動切削加工の実施例について説明する。振動切削加工は、図4に示す加工装置10に相当する超精密旋盤を用いた。図4に示すとおり、台座31に相当する定盤上に、Z軸方向に駆動するZ軸ステージを含む第1ステージ32と、X軸方向に駆動するX軸ステージを含む第2ステージ33とが取り付けられている。第1ステージ32上には、ワークWを回転させるための主軸を含む第1可動部35が取り付けられ、第2ステージ33上には、切削工具23の姿勢を調整するための旋回軸を含む第2可動部36が取り付けられている。
ワークWの材料には、タンガロイ社製のマイクロアロイF(硬度HV=1850)を用いた。本実施例では、振動切削が正常に行われているかを簡便に判断するため、ワークWに形成すべき加工形状を平面とした。
切削に使用した切削工具23のダイヤモンド製の加工用チップ23cは、すくい面S1の開き角θが60°で先端が円弧形状で構成されているRバイトである。切れ刃のすくい面S1先端における円弧半径は0.8mmで、すくい面S1先端における逃げ度αは10°であり、すくい面S1が切り込み点において成す角度は−5°である。この時の加工用チップ23cによる切り込み量は、2μmである。本振動切削ユニット20を用いた振動切削は、軸方向及び撓み方向のそれぞれに振動し、刃先軌跡は、円運動若しくは楕円運動に相当するものになっている。その結果、すくい面S1ですくい上げるように切削することができるため、通常の振動切削ではない加工に比べ延性モード切削であっても切込量を数倍大きくとることができる。
本実施例の振動切削によって得られた加工面について、WYKO社製の表面粗さ測定器HD3300を使用して光学面粗さを測定したところ、平均表面粗さRa3.3nmという結果が得られ、良好な光学鏡面が得られた。また、上述の加工面を微分干渉顕微鏡で観察したところ、当該加工面に切削工具23の微細な異常振動を示すびびり模様は見られなかった。
振動切削ユニット20は、加工実施例1の場合と同一のものとした。すなわち、振動体82の固定孔21gを充填ネジ26であるSCM430製ヘッド付のボルトで充填した。
振動切削加工は、加工実施例1の場合と同様に、図4に示す加工装置10に相当する超精密旋盤を用いた。
ワークWの材料には、タンガロイ社製のマイクロアロイF(硬度HV=1850)を用いた。ワークWに形成すべき加工形状を非球面光学面形状とした。加工目的の非球面光学面形状は、近似Rが0.9mm程度の凹面形状で、中心曲率半径が1.33mmであり、最大見込み角は、65°という小さく深い凹光学面である。ワークW上の光学面となる面に対しては、予め放電加工にて凹球面を形成し、さらに軸分解能が100nm程度の汎用的な高精度研削加工機を用いて近似球面形状から非球面形状へ粗取り研削加工を行った。この粗取り研削加工では、電着砥石を使用し、形状補正を繰り返しながら、形状精度1μm程度まで短時間で追い込み、下地の非球面形状に仕上げた。
仕上げの切削に使用された切削工具23のダイヤモンド製の加工用チップ23cは、すくい面S1の開き角θが30°で先端が円弧形状で構成されているRバイトである。切れ刃のすくい面S1先端における円弧半径は0.8mmで、すくい面S1先端における逃げ面角度αは5°であり、すくい面S1が切り込み点において成す角度は−25°である。この時の加工用チップ23cによる切り込み量は、2μmである。ワークWを取り付けた第1可動部35の主軸回転数は500rpmで、送り速度は0.2mm/minで切削加工を行った、また、振動切削ユニット20を取り付けた第2ステージ33の旋回軸を制御し、切削工具23の軸振動方向と加工形状である設計光学面の法線方向とが一致するようにして形状創成加工を実施した。
本実施例の振動切削によって得られた加工面について、WYKO社製の表面粗さ測定器HD3300を使用して光学面粗さを測定したところ、平均表面粗さRa3.6nmという結果が得られ、良好な光学鏡面が得られた。加工面の形状誤差(形状精度)は、形状補正加工を1回行うことによって、0、05μmPVまで向上させることができた。また、別のワークW"に対して、先のワークWの切削加工に使用した切削工具23と、先のワークWで切削加工した形状を補正するように新たに作成したNCプログラムとを利用して光学面を切削加工したところ、先のワークWとほとんど同等の表面粗さと形状精度が得られ、優れた加工再現性が確認できた。
Claims (7)
- 切削工具を支持するための支持部分を有し、当該支持部分を介して振動を前記切削工具に伝達する切削用振動体であって、
前記切削工具を前記支持部分に着脱可能に固定するための固定部材と、
前記支持部分における質量バランスを調整するためのバランス部材とを備え、
前記固定部材は、振動に関する工具軸に関して非対称に配置されており、前記バランス部材は、前記工具軸に関して前記固定部材の非対称性を少なくとも部分的に補償するように配置されている切削用振動体。 - 前記固定部材と前記バランス部材とは、互いに離間して配置されている請求項1記載の切削用振動体。
- 前記バランス部材は、前記支持部分にねじ込まれるヘッド付きのネジである請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の切削用振動体。
- 前記固定部材は、前記切削工具及び前記支持部分に設けた固定用の孔に順次通されるボルトと、当該ボルトに螺合される前記ナットとを有し、前記バランス部材は、前記支持部分において前記ボルトのヘッド側に形成された挿通孔にねじ込まれる請求項3記載の切削用振動体。
- 請求項1から請求項4のいずれか一項記載の切削用振動体と、
前記切削用振動体に支持される前記切削工具と、
を備える振動切削ユニット。 - 前記切削用振動体に振動を与えることによって、前記切削用振動体を介して前記切削工具を振動させる振動源をさらに備える請求項5記載の振動切削ユニット。
- 請求項5及び請求項6のいずれか一項記載の振動切削ユニットと、
前記振動切削ユニットを駆動することによって変位させる駆動装置と、
を備える加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006250957A JP4893177B2 (ja) | 2006-09-15 | 2006-09-15 | 切削用振動体、振動切削ユニット、及び加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006250957A JP4893177B2 (ja) | 2006-09-15 | 2006-09-15 | 切削用振動体、振動切削ユニット、及び加工装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008068380A JP2008068380A (ja) | 2008-03-27 |
JP4893177B2 true JP4893177B2 (ja) | 2012-03-07 |
Family
ID=39290419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006250957A Expired - Fee Related JP4893177B2 (ja) | 2006-09-15 | 2006-09-15 | 切削用振動体、振動切削ユニット、及び加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4893177B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6441133B2 (ja) * | 2015-03-13 | 2018-12-19 | 株式会社ソノテック | 超音波加工装置用工具ホーン |
JP6914840B2 (ja) * | 2015-09-24 | 2021-08-04 | シチズン時計株式会社 | 工作機械の制御装置及びこの制御装置を備えた工作機械 |
JP6793912B2 (ja) * | 2016-04-28 | 2020-12-02 | 国立大学法人東海国立大学機構 | 振動加工装置及び振動加工方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0725993B2 (ja) * | 1988-10-03 | 1995-03-22 | 日立化成工業株式会社 | エポキシ樹脂組成物 |
JP2006115620A (ja) * | 2004-10-15 | 2006-04-27 | Canon Inc | 磁歪式アクチュエータおよび切削加工装置 |
JP2006159331A (ja) * | 2004-12-06 | 2006-06-22 | Olympus Corp | 切削加工方法及び切削加工装置 |
-
2006
- 2006-09-15 JP JP2006250957A patent/JP4893177B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008068380A (ja) | 2008-03-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2008010414A1 (ja) | 切削用振動体、振動切削ユニット、加工装置、成形金型、及び光学素子 | |
JP5115198B2 (ja) | 切削用振動体及び加工装置 | |
US8047104B2 (en) | Vibration body for cutting, vibration cutting unit, processing apparatus, molding die and optical element | |
Onikura et al. | Fabrication of micro carbide tools by ultrasonic vibration grinding | |
JP5003487B2 (ja) | 切削装置、加工装置、及び切削方法 | |
JP4512737B2 (ja) | 超音波振動加工装置 | |
JP4320646B2 (ja) | 切削加工方法 | |
US7692360B2 (en) | Apparatus for ultrasonic vibration-assisted machining | |
JP2011251383A (ja) | 工具回転半径可変の工具ホルダおよび該工具を備えた工作機械ならびに前記工作機械を用いた加工方法 | |
JP4893177B2 (ja) | 切削用振動体、振動切削ユニット、及び加工装置 | |
JP2006334732A (ja) | 切削工具、切削加工方法、切削加工装置、光学素子成形用金型、光学素子及び光学素子成形用金型の切削加工方法 | |
JP4899375B2 (ja) | 切削工具、加工装置、及び切削加工方法 | |
JP2007111803A (ja) | 超音波振動切削装置 | |
JP2012045642A (ja) | 内径面加工方法、内径面加工用ツールおよび内径面加工装置 | |
JP4771054B2 (ja) | 振動切削装置、成形金型、及び光学素子 | |
JPH10296631A (ja) | 研削ホイール用超精密ツルーイング装置 | |
JP4692071B2 (ja) | 振動切削装置、成形金型、及び光学素子 | |
JP2007152466A (ja) | 切削用振動体、振動切削ユニット、加工装置、成形金型、及び光学素子 | |
JP4803347B2 (ja) | 振動切削装置 | |
JP2002301601A (ja) | 加工装置および加工方法 | |
JP4771052B2 (ja) | 振動切削装置、成形金型、及び光学素子 | |
JP3676769B2 (ja) | 加工工具 | |
Kim et al. | Ultrasonic vibration micro-shaping using single PZT actuator-embedded tool holder | |
JP2007118143A (ja) | ツルーイング装置及びツルーイング方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090622 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110906 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111122 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111205 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |