JP2008068380A - 切削用振動体、振動切削ユニット、加工装置、成形金型、及び光学素子 - Google Patents

切削用振動体、振動切削ユニット、加工装置、成形金型、及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】固定部材が工具軸から偏って配置された場合であっても、安定した所望の振動を生じさせることができる切削用振動体及びこれを組み込んだ振動切削ユニットを提供すること。
【解決手段】先端部21aの上側に設けた固定孔21gに充填ネジ26をねじ込んで固定する。充填ネジ26は、先端部21aの溝21x周辺すなわち工具取付け部のY方向に関する質量を工具軸AXに関して対称にバランスさせて配置する効果があり、先端部21a不要な振動が発生することを防ぎ安定した基本振動を実現する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光学素子用の成形金型その他を形成するための材料の切削加工に好適に用いられる切削用振動体、振動切削ユニット、及び加工装置、並びに、これを用いて作製される成形金型及び光学素子に関するものである。
ダイヤモンド等の切削工具先端を振動させることで、難切削材料である超硬やガラス等の材料を切削加工する技術があり、振動切削と呼ばれている。これは、振動によって切削工具刃先が高速で微小切り込みを行い、かつ、この時に生成する切り屑を振動によって刃先が掬い出す効果によって、切削工具に対しても被削材料に対しても応力の少ない切削加工を実現するものである(例えば特許文献1、2、3、4等参照)。この振動切削加工により、通常の延性モード切削で必要とされる臨界切り込み量が数倍に向上し、難切削材料を高効率で切削加工することができる。
かかる振動切削加工において、加工効率を向上するには振動周波数を高めれば上述した効果が増加し、さらに周波数にほぼ比例して切削工具の送り速度も高められるので、通常は20kHz以上の高速な振動が使われる。また、この周波数では人間の可聴域を超えているので、振動子やそれにより励振される振動体が不快な音を生じないという利点もある。
このような高速振動を切削工具刃先に発生させる方法として、ピエゾ素子や超磁歪素子等の振動子によって工具を保持する振動体を励振し、この振動体を撓み振動や軸方向振動等で共振させることにより、定在波として安定振動させることが実用化されている。このような方法において、切削工具は、その根元側で振動体の先端部に着脱可能に固定されることが一般的である。
特開2000−52101号公報 特開2000−218401号公報 特開平9−309001号公報 特開2002−126901号公報
しかしながら、切削工具を着脱可能に固定した場合、固定部材が工具軸から偏って配置され、振動体の振動が不安定になったり意図しない状態で振動したりする可能性がある。
そこで、本発明は、固定部材が工具軸から偏って配置された場合であっても、安定した所望の振動を生じさせることができる切削用振動体、及びこれを組み込んだ振動切削ユニット及び加工装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記振動切削ユニット或いは加工装置を用いて高精度で作製される成形金型及び光学素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る切削用振動体は、切削工具を支持するための支持部分を有し、当該支持部分を介して振動を切削工具に伝達する切削用振動体であって、切削工具を支持部分に着脱可能に固定するための固定部材と、支持部分における質量バランスを調整するためのバランス部材とを備える。
上記切削用振動体によれば、バランス部材が支持部分における質量バランスを調整するために用いられているので、支持部分やこれに支持された切削工具等によって工具軸のまわりに質量のアンバランスが生じている場合であっても、バランス部材を含めた全体として工具軸のまわりの質量不均衡を低減することができる。これにより、切削工具を所望の振幅及び周波数で安定して振動させることができるので、切削工具を精密に動作させて高精度の振動切削を実現することができる。
本発明の具体的な態様では、上記切削用振動体において、固定部材が、振動に関する工具軸に関して非対称に配置されており、バランス部材が、工具軸に関して固定部材の非対称性(すなわち偏り)を少なくとも部分的に補償するように配置されている。この場合、工具軸のまわりの質量的な対称性を高めることができ、比較的簡単に安定した振動を維持することができる。
本発明の別の態様では、固定部材とバランス部材とが、互いに離間して配置されている。この場合、バランス部材の振動が固定部材や切削工具に直接伝達されることを防止できると共に、バランス部材と固定部材との間で発熱や不要な振動等を新たに生じさせることを防止できる。
本発明のさらに別の態様では、バランス部材が支持部分にねじ込まれるヘッド付きのネジである。この場合、バランス部材を着脱可能に固定することができ、ヘッドによって、バランス部材の締め付け固定が可能になるとともに、例えばヘッドの厚みを変えるなどヘッドの質量を変えることによって、バランス部材の質量の調整が可能になる。
本発明のさらに別の態様では、固定部材が、切削工具及び支持部分に設けた固定用の孔に順次通されるボルトと、当該ボルトに螺合されるナットとを有し、バランス部材が、支持部分においてボルトのヘッド側に形成された挿通孔にねじ込まれる。この場合、固定部材を構成するボルトを切断工具及び支持部分に設けた固定用の孔に順次通す際に用いられる挿通孔を、バランス部材で埋めることができ、バランス部材を挿通孔中に適宜固定することができる。
本発明に係る振動切削ユニットは、(a)上述の切削用振動体と、(b)切削用振動体に支持される切削工具とを備える。
上記振動切削ユニットでは、バランス部材を含めた全体として工具軸のまわりの質量バランスを均衡させることができるので、切削工具を所望の振幅及び周波数で安定して振動させることができ、高精度の振動切削を実現することができる。
本発明の具体的な態様では、上記振動切削ユニットにおいて、切削用振動体に振動を与えることによって、切削用振動体を介して切削工具を振動させる振動源をさらに備える。
本発明に係る加工装置は、(a)上述の振動切削ユニットと、(b)振動切削ユニットを駆動することによって変位させる駆動装置とを備える。
上記加工装置では、以上で説明した振動切削ユニットを駆動装置によって変位させるので、高精度の振動を実現する振動切削ユニットによって高精度の加工を実現できる。
本発明に係る成形金型は、上述の振動切削ユニットを用いて加工創製された、光学素子の光学面を成形するための転写光学面を有する。この場合、凹面その他の各種光学面を有する金型を、効率良く高精度で加工することができる。
本発明に係る光学素子は、上述の振動切削ユニットを用いて加工創製されたものである。この場合、凹面その他の各種光学面を有する高精度の光学素子を得ることができる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る切削用振動体及び振動切削ユニットを、図面を参照しつつ説明する。図1は、レンズ等の光学素子を成形するための成形金型の転写光学面を加工する際に使用される振動切削ユニットの構造を説明する断面図である。
図1に示すように、振動切削ユニット20は、切削工具23と、振動体82と、軸方向振動子83と、撓み振動子84と、カウンタバランス85と、筐体86とを備える。
ここで、切削工具23は、振動体82の先端側であるツール部21の先端部21aに埋め込むように固定されている。切削工具23は、後に詳述するが、先端23aがダイヤモンドチップの切刃になっており、共振状態とされた振動体82の開放端として振動体82とともに振動する。つまり、切削工具23は、振動体82の軸方向振動に伴ってZ方向に変位する振動を生じ、振動体82の撓み振動に伴ってY軸方向に変位する振動を生じる。結果的に、切削工具23の先端23aは、例えば誇張して図示したような楕円軌道EOを描いて高速変位する。
振動体82は、線膨張係数の絶対値が2×10−6以下の材料によって一体的に形成された切削用振動体であり、具体的には、インバー材、スーパーインバー材、ステンレスインバー材等が好適に用いられる。ただし、振動体82は、インバー材等以外の材料、ハイス鋼、SCM鋼等を用いることもできる。振動体82は、先端側のツール部21で外径が細くなっており、根元側で外径が太くなっている。振動体82の側面の適当な箇所には、板状部分である第1固定フランジ87が形成されており、振動体82は、第1固定フランジ87を介して筐体86に例えばネジ93で固定されている。なお、振動体82は、軸方向振動子83によって振動し、Z方向に局所的に変位する定在波が形成されている共振状態となる。また、振動体82は、撓み振動子84によって振動し、Y軸方向に局所的に変位する定在波が形成されている共振状態となる。ここで、第1固定フランジ87の位置は、振動体82にとって、軸方向振動と撓み振動とに共通の節となっており、第1固定フランジ87を介して振動体82を固定することにより、軸方向振動や撓み振動が妨げられることを防止できる。
なお、第1固定フランジ87は、例えば円板状のフランジ部材とすることができ、この場合、外周部分が筐体86に固定されて筐体86を封止しており、通気のない構造となる。第1固定フランジ87は、複数の開口を有するフランジ部材や、例えば3方向に延びる細長い支持部材を有するフランジ部材とすることもでき、この場合、第1固定フランジ87を筐体86に固定しても、筐体86内外の十分な通気が確保できる。
軸方向振動子83は、ピエゾ素子(PZT)や超磁歪素子等で形成され振動体82の根元側端面に接続される振動源であり、図示を省略するコネクタ等を介して振動子駆動装置(後述)に接続されている。軸方向振動子83は、振動子駆動装置からの駆動信号に基づいて動作し高周波で伸縮振動することによって振動体82に縦波を与える。なお、軸方向振動子83は、Z方向に関しては変位可能になっているが、XY方向に関しては変位しないようになっている。
撓み振動子84は、ピエゾ素子や超磁歪素子等で形成され振動体82の根元側側面に接続される振動源であり、図示を省略するコネクタ等を介して振動子駆動装置(後述)に接続されている。撓み振動子84は、振動子駆動装置からの駆動信号に基づいて動作し、高周波で振動することによって振動体82に横波すなわち図示の例ではY方向の振動を与える。
カウンタバランス85は、軸方向振動子83を挟んで振動体82の反対側に接続される。カウンタバランス85の側面の適当な箇所には、第2固定フランジ88が形成されており、カウンタバランス85は、第2固定フランジ88を介して筐体86に固定されている。第2固定フランジ88は、例えば円板状のフランジ部材とすることができるが、複数の開口を有するフランジ部材や、例えば3方向に延びる細長い支持部材を有するフランジ部材とすることもでき、開口等を有する場合、第2固定フランジ88を筐体86に固定しても、筐体86内外の十分な通気が確保できるようになっている。なお、カウンタバランス85は、軸方向振動子83によって振動し、Z方向に局所的に変位する定在波が形成されている共振状態となる。ここで、第2固定フランジ88の位置は、カウンタバランス85にとって、軸方向振動の節となっており、第2固定フランジ88を介して固定することにより、振動体82の軸方向振動が妨げられることを防止できる。なお、カウンタバランス85も、振動体82と同一の材料で形成されている。
筐体86は、振動体82、カウンタバランス85等を収容するため例えば四角柱状の内部空間を有する部材であり、第1及び第2固定フランジ87,88を介して振動体82やカウンタバランス85を内部に支持・固定する。筐体86の一端には、開口の全体又は一部を塞ぐように上述の第1固定フランジ87が取り付けられており、他端には、端面の開口に連結された給気パイプ92が設けられている。この給気パイプ92は、ガス供給装置(後述)に連結されており、所望の流量及び温度に設定された加圧乾燥空気が筐体86内に供給される。
以上の振動切削ユニット20において、振動体82と、軸方向振動子83と、カウンタバランス85とは、互いにロウ付けによって接合・固定されており、軸方向振動子83の効率的な振動が可能になっている。また、振動体82と、軸方向振動子83と、カウンタバランス85との軸心には、これらの接合面を横切るようにこれらを貫通する貫通孔91が形成されており、給気パイプ92からの加圧乾燥空気が流通する。つまり、貫通孔91は、加圧乾燥空気を送り出す供給路であり、不図示のガス供給装置や給気パイプ92とともに、振動切削ユニット20を内部から冷却するための冷却手段を構成する。貫通孔91の先端部は、切削工具23を差し込んで固定するための保持孔に兼用されており、貫通孔91に導入された加圧乾燥空気を切削工具23の周辺に供給できるようになっている。また、貫通孔91の先端は、切削工具23を固定した場合にも隙間を残しており、切削工具23に隣接して形成された開口91aからは、加圧乾燥空気が高速で噴射され、切削工具23先端の加工点を効率良く冷却することができるだけでなく、加工点やその周囲に付着する切り屑を気流によって確実に除去することができる。
図2(a)は、図1に示すツール部21先端の平面図であり、図2(b)は、ツール部21先端の正面図であり、図2(c)は、ツール部21先端の側面図であり、図2(d)は、ツール部21先端の下面図である。
図からも明らかなように、ツール部21に設けた先端部21aは、平面視楔状の先細形状を有している。また、先端部21aの先端に保持された切削工具23は、先端が三角で根元側が六角形で全体が板状のシャンク23bと、シャンク23bの尖端すなわち先端23aに傾斜状態で固定された三角形の加工用チップ23cとを備える。このうち、シャンク23bは、超硬材料、セラミックス材料、ハイス鋼(高速度工具鋼)等によって形成されており、撓みにくくなっている。また、加工用チップ23cは、ダイヤモンド製のチップであり、シャンク23bの先端にロウ付け等によって固定されている。切削工具23自体は、先端部21aに埋め込むようにして固定されており、加工用チップ23cの先端23aは、工具軸AXの延長上に配置されている。
切削工具23すなわちシャンク23bの固定部分23eは、先端部21aにおいて工具軸AXを含むXZ面に沿って延びる状態で溝21x内に挿入されている。この溝21xは、XZ平面に沿った側面が台形状で、YZ平面に沿った断面が矩形となっている。この溝21xに保持された固定部分23eは、固定ネジ25及びナット27によって、先端部21aに対して着脱可能にしっかりと固定されている。固定ネジ25は、皿ネジ状のボルトであり、固定部分23eを介して先端部21aに設けた固定用の孔である固定孔21hの一端側からこれに通され、固定孔21hの他端側に固定されたナット27にねじ込まれる。ここで、固定ネジ25及びナット27は、協働して切削工具23をツール部21先端に固定するための固定部材として機能する。固定ネジ25のヘッド上方には、固定ネジ25を通すための固定孔21gを充填するべく、ここに充填ネジ26がねじ込まれて固定されている。充填ネジ26は、先端部21aにおける質量的なバランスを調整するためのバランス部材すなわちカウンタバランス用のヘッド付きのネジであり、挿通孔である固定孔21gにねじ込まれる本体部分26sと、先端部21aの上部に露出する円板状のヘッド部26hとを備える。なお、固定孔21h,21gは、Y軸方向に延びており、固定ネジ25及びナット27による締付け方向と、充填ネジ26のねじ込み方向とは、工具軸AXに直交する。
図3(a)は、ツール部21の先端部21aの状態を説明する部分拡大断面図であり、図3(b)は、切削工具23の拡大側面図である。
ツール部21の先端部21aは、切削工具23を取り付けるための支持部分になっており、切削工具23を着脱可能に固定できるとともに、現在の切削工具23を同種又は異種の別の切削工具に交換することができるようになっている。切削工具23を着脱可能に取り付けるための固定部材25,27のうちナット27は、先端部21aの下面に形成された凹部21rに埋め込むように配置されており、ナット27の上面は、凹部21rの底部(上面)にロウ付けによって固定されている。固定ネジ25の本体部分25sは、ナット27にねじ込むことによって締め付け可能になっている。充填ネジ26の本体部分26sは、固定ネジ25の上方に形成された空間すなわち固定孔21gを充填し、充填ネジ26のヘッド部26hは、固定孔21gを上部から塞ぐように配置される。結果的に、固定部材25,27のうち主な部分は、工具軸AXの下側(すなわち+Y方向)に偏って非対称に配置され、充填ネジ26は、工具軸AXの上側(すなわち−Y方向)に偏って非対称に配置される。
ツール部21の組立に際しては、まず先端部21aの溝21xにシャンク23bの固定部分23eを挿入する。そして、先端部21aの上側に設けた固定孔21hを介して、シャンク23bの固定用の孔23fと下側に設けた固定孔21hとに固定ネジ25の本体部分25sを挿通させ、当該本体部分25sの先端を固定孔21h下端に固定されているナット27に螺合させる。ここで、固定孔21gの内径は、固定ネジ25のヘッド部25hを通すため固定孔21hの内径よりも大きくなっている。この際、切削工具23の固定部分23eが固定ネジ25のヘッド部25hと溝21xの内面とに挟まれて締付けられるので、切削工具23の分離が防止され切削工具23の先端部21aに対するしっかりした固定が確保されるだけでなく、固定部分23eの下面と溝21xの下面とが密着して低損失で振動エネルギを伝達することができる。次に、先端部21aの上側に設けた固定孔21gに充填ネジ26をねじ込んで固定する。こうしてねじ込まれた充填ネジ26の下端面と、固定ネジ25のヘッド部25h上端面との間には、僅かな隙間が形成されており、固定ネジ25と充填ネジ26との接触が回避されている。充填ネジ26は、先端部21aの溝21x周辺すなわち工具取付け部のY方向に関する質量を工具軸AXに関して対称にバランスさせて配置する効果があり、先端部21aに不要な振動が発生することを防ぎ安定した基本振動を実現する。つまり、先端部21aの工具軸AXを挟んだ±Y方向に関する質量バランスが確保され、先端部21aや切削工具23の振動が安定し切削工具23を目的とする状態で振動させることができる。充填ネジ26は、再利用も可能であるが交換することができるようになっており、固定ネジ25や切削工具23の交換に応じて重量を調整できるようになっており、特にヘッド部26hのサイズ調整等によって重量の微調整すなわち先端部21aにおける質量バランスの微調整が可能になっている。
充填ネジ26の材料としては、各種ステンレス、SCM鋼(クロムモリブデン鋼)、ハイス、超硬合金等を使用することができる。充填ネジ26をSCM鋼で形成し、振動体82をステンレスインバーで形成した場合、ステンレスインバーの引張り強度(350N/mm)がSCM鋼の引張り強度(900N/mm)よりも小さいことに起因して固定孔21g内面のネジ山が破損しないように、固定孔21gのネジ山になるべく応力がかからないようにすることが望ましい。よって、このような場合、充填ネジ26にヘッド部26hを設けて固定孔21gの周囲に応力を分散させて応力集中を避けることが望ましい。なお、振動体82をSCM鋼で形成する場合、例えばこれよりも引張り強度が小さいステンレス鋼を使用して充填ネジ26を形成することが望ましい。ただし、振動体82をSCM鋼で形成する場合、充填ネジ26もSCM鋼で形成することができ、充填ネジ26を強固に締め付けることで、充填ネジ26が振動体82と一体となって振動し、振動状態が安定しやすい。
なお、充填ネジ26の下端面と固定ネジ25の上端面との間に隙間を設けない構成も可能である。この場合、固定ネジ25が面当たりによって上方から締付けられ、固定ネジ25の緩みが防止されるので、切削工具23の固定がより確実なものとなり、切削工具23の振動や緩みを低減することができる。さらに、充填ネジ26によって固定ネジ25を締め付ける場合、固定ネジ25に加わる応力が低減し、固定ネジ25等の破損をより効果的に防止することができる。
本実施形態では、特にナット27の引張り強度が固定ネジ25の引張り強度よりも大きくなっている。これは、ナット27が先端部21aに設けた固定孔21h下端すなわち凹部21r底面に固定されているので、ナット27が破損すると先端部21aを含んだ振動体82の交換が必要になることを考慮したものである。つまり、切削工具23の着脱を繰り返した場合、引張り強度のより小さい固定ネジ25の方が劣化するが、固定ネジ25を交換すれば足り、ナット27の破損を防止でき振動体82の交換頻度を低減することができる。なお、ナット27をロウ付けによって固定することにより、ナット27によって発生する振動を直接的に防止でき、固定ネジ25をナット27に対して十分に締め付けることができるので、振動体82すなわち切削工具23を高速振動させても、溝21xの下面と固定部分23eの下面との間等で無視できない摩擦発熱が生じることを防止できる。
ナット27の材料としては、各種ステンレス、SCM鋼(クロムモリブデン鋼)、ハイス、超硬合金等を使用することができる。ハイス、超硬合金、SCM鋼等は、固定ネジ25に対して引張り強度を大きくしやすい材料である。一方、固定ネジ25の材料としては、各種ステンレス、SCM鋼(クロムモリブデン鋼)、超硬合金等を使用することができる。超硬合金、SCM鋼等は、加工性に優れ、ナット27に対して引張り強度を大きくしやすい材料である。ナット27は、再利用可能であるが、切削工具23を振動体82に対して所定回数以上付け替えた段階で交換する。
図2に戻って、切削工具23の固定部分23eが挿入される溝21xの内寸は、Y軸方向の幅に関して、切削工具23の固定部分23eの外寸より僅かに大きくなっている。また、この溝21xの底面中央には、貫通孔91から送り出される加圧乾燥空気をツール部21の先端部21aに吐出させるための開口91aが形成されている。これにより、切削工具23の上側側面すなわち充填ネジ26側の面を、先端部21aに嵌め込まれて支持された固定部分23e側から直接的に無駄なく冷却することができる。また、ワーク上の加工点に近い開口91aから切削工具23の先端に向けて加圧乾燥空気を射出させるので、ワークの温度上昇を抑え、加工精度を向上させることができる。またワーク上の加工点に、開口91aから加圧乾燥空気を噴射させることができるので、ワークを確実に冷却することができ、ワークの加工点やその近傍に付着する切り屑を迅速に除去することができ、切削工具23による加工精度を高めることができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態に係る加工装置を図面を用いて説明する。図4は、レンズ等の光学素子を成形するための成形金型の転写光学面を加工する振動切削型の加工装置の構造を概念的に説明するブロック図である。
図4に示すように、加工装置10は、被加工体であるワークWを切削加工するための振動切削ユニット20と、振動切削ユニット20をワークWに対して支持するNC駆動機構30と、NC駆動機構30の動作を制御する駆動制御装置40と、振動切削ユニット20に所望の振動を与える振動子駆動装置50と、振動切削ユニット20に冷却用のガスを供給するガス供給装置60と、装置全体の動作を統括的に制御する主制御装置70とを備える。
振動切削ユニット20は、Z軸方向に延びるツール部21先端に切削工具23を埋め込んだ振動切削ユニットであり、この切削工具23の高周波振動によってワークWを効率良く切削する。振動切削ユニット20は、第1実施形態で説明した構造を有する。
NC駆動機構30は、台座31上に第1ステージ32と第2ステージ33とを載置した構造の駆動装置である。ここで、第1ステージ32は、第1可動部35を支持しており、この第1可動部35は、チャック37を介してワークWを間接的に支持している。この第1ステージ32は、ワークWを、例えばZ軸方向に沿った所望の位置に所望の速度で移動させることができる。また、第1可動部35は、ワークWをZ軸に平行な水平回転軸RAのまわりに所望の速度で回転させることができる。一方、第2ステージ33は、第2可動部36を支持しており、この第2可動部36は、振動切削ユニット20を支持している。第2ステージ33は、第2可動部36及び振動切削ユニット20を支持して、これらを例えばX軸方向やY軸方向に沿った所望の位置に所望の速度で移動させることができる。また、第2可動部36は、振動切削ユニット20を、Y軸に平行な鉛直旋回軸PXのまわりに所望の角度量だけ所望の速度で回転させることができる。特に、第2可動部36に対する振動切削ユニット20の固定位置や角度等を適宜調節して、振動切削ユニット20の先端点を鉛直旋回軸PX上に配置することにより、振動切削ユニット20をその先端点のまわりに所望の角度だけ回転させることができる。
なお、以上のNC駆動機構30において、第1ステージ32と第1可動部35とは、ワークWを駆動する被加工体駆動部を構成し、第2ステージ33と第2可動部36とは、振動切削ユニット20を駆動する工具駆動部を構成する。
駆動制御装置40は、高精度の数値制御を可能にするものであり、NC駆動機構30に内蔵されたモータや位置センサ等を主制御装置70の制御下で駆動することによって、第1及び第2ステージ32,33や、第1及び第2可動部35,36を目的とする状態に適宜動作させる。例えば、第1及び第2ステージ32,33によって、振動切削ユニット20のツール部21先端に設けた切削工具23先端の加工点を低速でXZ面に平行な面内に設定した所定の軌跡に沿ってワークWに対して相対的に移動(送り動作)させつつ、第1可動部35によって、ワークWを水平回転軸RAのまわりに高速で回転させることができる。結果的に、駆動制御装置40の制御下で、NC駆動機構30を高精度の旋盤として活用することができる。この際、第2可動部36によって、切削工具23先端に対応する加工点を中心として、切削工具23先端を鉛直旋回軸PXのまわりに適宜回転させることができ、ワークWの被加工点に対して切削工具23先端を所望の姿勢(傾き)に設定することができる。
振動子駆動装置50は、振動切削ユニット20に内蔵された振動源に電力を供給するためのものであり、内蔵する発振回路やPLL回路によって、ツール部21先端を主制御装置70の制御下で所望の振動数及び振幅で振動させることができる。なお、詳細は後述するが、ツール部21先端は、軸(すなわち切り込み深さ方向に延びる工具軸AX)に垂直な撓み振動や軸に沿った軸方向振動が可能になっており、その2次元的な振動や3次元的な振動によってワークW表面にツール部21先端すなわち切削工具23を向けた微細で効率的な加工が可能になっている。
ガス供給装置60は、振動切削ユニット20を冷却するためのものであり、加圧された乾燥空気を供給するガス状流体源61と、ガス状流体源61からの加圧乾燥空気を通過させることによってその温度を調節する温度調整手段としての温度調節部63と、温度調節部63を通過した加圧乾燥空気の流量調節を行う流量調整手段としての流量調節部65とを備える。ここで、ガス状流体源61は、例えば熱的工程やデシケータ等を利用した乾燥機に空気を送り込むことによって空気を乾燥させ、コンプレッサで乾燥空気を所望の気圧まで昇圧させる。また、温度調節部63は、図示を省略するが、例えば冷媒を周囲に循環させた流路と、この流路の途中に設けた温度センサとを有し、冷媒の温度や供給量の調節によって、流路に通した加圧乾燥空気を所望の温度に調節することができる。さらに、流量調節部65は、例えばバルブやフローコントローラ(不図示)を有し、温度調節された加圧乾燥空気を振動切削ユニット20に供給する際の流量を調節することができるようになっている。
図5は、図4に示す加工装置10を用いたワークWの加工を説明する拡大平面図である。ツール部21の先端部21aは、既に説明したように例えばYZ面内で高速振動する。また、ツール部21の先端部21aは、図4のNC駆動機構30によって、被加工体であるワークWに対し、例えばXZ面内で所定の軌跡を描いて徐々に移動する。つまり、ツール部21の送り動作が行われる。また、被加工体であるワークWは、図4のNC駆動機構30によって、Z軸に平行な回転軸RAのまわりに一定速度で回転する(図4参照)。これにより、ワークWの旋削加工が可能になり、ワークWに対し回転軸RAのまわりに回転対称な例えば被加工面SA(例えば、凹凸の球面、非球面等の曲面のほか、位相素子面等の段差面)を形成することができる。この際、第2ステージ33を利用して、ツール部21の切削工具23の尖端をY軸方向に平行な旋回軸PXのまわりに回転させることで、切削工具23先端の振動面(楕円軌道EO)がワークWに形成すべき被加工面SAに対して略垂直になるようにする。これにより、工具の刃先の加工点を加工中略1点に維持できるので、加工点への効率良い振動伝達と刃先形状に依存しない高精度な振動切削が実現できるので、被加工面SAの加工精度を高め、被加工面SAをより滑らかなものとすることができる。また、ワークWの加工中、ツール部21先端の開口91aから切削工具23の先端に向けて加圧乾燥空気を高速で射出させるので、切削工具23や被加工面SAを効率良く冷却することができるだけでなく、切削工具23や被加工面SAの温度を加圧乾燥空気の温度と流量とによって一定範囲に収まるようにすることも可能である。この加圧乾燥空気は、ツール部21の軸心を貫通する貫通孔91を介して導入され、振動体82、軸方向振動子83、カウンタバランス85等の内部を流れるので、振動体82等の温度を加圧乾燥空気の温度と流量とによって調整することができる。このように、加圧乾燥空気の温度を調整することにより、振動体82の温度を安定させることができるので、結果的に、その先端に保持された切削工具23の刃先位置の温度ドリフトを低減することができ、高精度で再現性の高い切削加工面が得られる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る成形金型について説明する。図6は、第1実施形態の振動切削ユニット20を用いて作製した成形金型(光学素子用成型金型)を説明する図であり、図6(a)は、固定型すなわち第1金型2Aの側方断面図であり、図6(b)は、可動型すなわち第2金型2Bの側方断面図である。両金型2A,2Bの転写光学面3a,3bは、図4等に示す加工装置10によって仕上げ加工されたものである。つまり、両金型2A,2Bの母材(材料は例えば超硬)をワークWとしてチャック37に固定し、振動子駆動装置50等を動作させて振動切削ユニット20に定在波を形成しつつ切削工具23を高速振動させる。これと並行して駆動制御装置40を適宜動作させて、振動切削ユニット20のツール部21先端をワークWに対して3次元的に任意に移動させる。これにより、金型2A,2Bの転写光学面3a,3bを、球面や非球面に限らず、段差面、位相構造面、回折構造面とすることができる。
図7は、図6(a)の金型2Aと、図6(b)の金型2Bとを用いてプレス成形したレンズLの断面図である。図示していないが、金型2A,2Bの転写光学面3a,3bが段差面、位相構造面、回折構造面等を有する場合、レンズLの成形光学面も、段差面、位相構造面、回折構造面等を有するものとなる。さらに、レンズLの材料は、プラスチックに限らず、ガラス等とすることができる。なお、レンズLを第2実施形態の加工装置10によって直接作製することもできる。
〔加工実施例1〕
以下、実施形態の振動切削ユニット20の作製例及びこれを用いた加工実施例について説明する。発熱や周囲温度の変化により、刃先位置が大きく変化することを防ぐため、振動体82にはステンレスインバー材を用いた。そして、ナット27に固定ネジ25を締め付けることによって振動体82の先端部21aに切削工具23を固定した。この際、振動体82の固定孔21gを充填ネジ26であるSCM430製ヘッド付のネジで充填した。振動切削ユニット20を構成するインバー材は、引張り強度が小さく、ネジの繰り返し脱着によりネジ部がすぐに変形してしまう傾向があるので、バランス部材である充填ネジ26には、上述のようなヘッド付のネジを用い、ネジの締結力を固定孔21g内面のネジ山だけでなくヘッド座面に分散させて受けるようにすることで、ネジ山への応力が減少し、固定孔21g内のネジ山を保護することができる。
以上のような振動切削ユニット20を用いて試験的な振動テストを行った。結果は、40.3kHzの周波数で振幅3μmの楕円振動状態を作り出すことができた。
参考のため、バランス用の充填ネジ26をねじ込んでない比較例の振動切削ユニット20を用いて試験的な振動テストを行った。結果的には、軸方向振動及び撓み方向振動ともに安定した周波数で振動せず、振動位相を合わせることができず、さらに、楕円振動状態を作り出すことができなかった。
以下、上記実施例の振動切削ユニット20を用いた振動切削加工の実施例について説明する。振動切削加工は、図4に示す加工装置10に相当する超精密旋盤を用いた。図4に示すとおり、台座31に相当する定盤上に、Z軸方向に駆動するZ軸ステージを含む第1ステージ32と、X軸方向に駆動するX軸ステージを含む第2ステージ33とが取り付けられている。第1ステージ32上には、ワークWを回転させるための主軸を含む第1可動部35が取り付けられ、第2ステージ33上には、切削工具23の姿勢を調整するための旋回軸を含む第2可動部36が取り付けられている。
ワークWの材料には、タンガロイ社製のマイクロアロイF(硬度HV=1850)を用いた。本実施例では、振動切削が正常に行われているかを簡便に判断するため、ワークWに形成すべき加工形状を平面とした。
切削に使用した切削工具23のダイヤモンド製の加工用チップ23cは、すくい面S1の開き角θが60°で先端が円弧形状で構成されているRバイトである。切れ刃のすくい面S1先端における円弧半径は0.8mmで、すくい面S1先端における逃げ度αは10°であり、すくい面S1が切り込み点において成す角度は−5°である。この時の加工用チップ23cによる切り込み量は、2μmである。本振動切削ユニット20を用いた振動切削は、軸方向及び撓み方向のそれぞれに振動し、刃先軌跡は、円運動若しくは楕円運動に相当するものになっている。その結果、すくい面S1ですくい上げるように切削することができるため、通常の振動切削ではない加工に比べ延性モード切削であっても切込量を数倍大きくとることができる。
本実施例の振動切削によって得られた加工面について、WYKO社製の表面粗さ測定器HD3300を使用して光学面粗さを測定したところ、平均表面粗さRa3.3nmという結果が得られ、良好な光学鏡面が得られた。また、上述の加工面を微分干渉顕微鏡で観察したところ、当該加工面に切削工具23の微細な異常振動を示すびびり模様は見られなかった。
〔加工実施例2〕
振動切削ユニット20は、加工実施例1の場合と同一のものとした。すなわち、振動体82の固定孔21gを充填ネジ26であるSCM430製ヘッド付のボルトで充填した。
振動切削加工は、加工実施例1の場合と同様に、図4に示す加工装置10に相当する超精密旋盤を用いた。
ワークWの材料には、タンガロイ社製のマイクロアロイF(硬度HV=1850)を用いた。ワークWに形成すべき加工形状を非球面光学面形状とした。加工目的の非球面光学面形状は、近似Rが0.9mm程度の凹面形状で、中心曲率半径が1.33mmであり、最大見込み角は、65°という小さく深い凹光学面である。ワークW上の光学面となる面に対しては、予め放電加工にて凹球面を形成し、さらに軸分解能が100nm程度の汎用的な高精度研削加工機を用いて近似球面形状から非球面形状へ粗取り研削加工を行った。この粗取り研削加工では、電着砥石を使用し、形状補正を繰り返しながら、形状精度1μm程度まで短時間で追い込み、下地の非球面形状に仕上げた。
仕上げの切削に使用された切削工具23のダイヤモンド製の加工用チップ23cは、すくい面S1の開き角θが30°で先端が円弧形状で構成されているRバイトである。切れ刃のすくい面S1先端における円弧半径は0.8mmで、すくい面S1先端における逃げ面角度αは5°であり、すくい面S1が切り込み点において成す角度は−25°である。この時の加工用チップ23cによる切り込み量は、2μmである。ワークWを取り付けた第1可動部35の主軸回転数は500rpmで、送り速度は0.2mm/minで切削加工を行った、また、振動切削ユニット20を取り付けた第2ステージ33の旋回軸を制御し、切削工具23の軸振動方向と加工形状である設計光学面の法線方向とが一致するようにして形状創成加工を実施した。
本実施例の振動切削によって得られた加工面について、WYKO社製の表面粗さ測定器HD3300を使用して光学面粗さを測定したところ、平均表面粗さRa3.6nmという結果が得られ、良好な光学鏡面が得られた。加工面の形状誤差(形状精度)は、形状補正加工を1回行うことによって、0、05μmPVまで向上させることができた。また、別のワークW"に対して、先のワークWの切削加工に使用した切削工具23と、先のワークWで切削加工した形状を補正するように新たに作成したNCプログラムとを利用して光学面を切削加工したところ、先のワークWとほとんど同等の表面粗さと形状精度が得られ、優れた加工再現性が確認できた。
以上、実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、充填ネジ26の材料は、各種ステンレス、SCM鋼、ハイス、超硬合金等に限らず、必要な質量に応じて適宜他の鋼材とすることができる。
また、振動切削ユニット20において、充填ネジ26や先端部21aの形状、切削工具23の取付方法は適宜変更することができる。
また、振動切削ユニット20において、振動体82や軸方向振動子83の全体的形状や寸法は、用途に応じて適宜変更することができる。また、振動切削ユニット20があまり加熱されない場合、振動体82の寸法変化を気にしなくても良くなるので、加圧乾燥空気の供給は不要である。また、図4のガス供給装置60において、空気ではなく、オイルその他の潤滑要素等をミスト化した溶媒や粒子として添加したガス状流体や、窒素ガス等の不活性ガス等を用いることができる。
また、以上の加工装置10では、主に旋削について説明したが、図1に示す切削用振動体や図4に示す加工装置10をルーリング加工用に改変することもできる。
第1実施形態の振動切削ユニットを説明するブロック図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、ツール部先端の平面図、端面図、及び側面図である。 (a)は、ツール部の先端部の状態を説明する部分拡大断面図であり、(b)は、切削工具の拡大側面図である。 第2実施形態の加工装置を説明するブロック図である。 図4に示す加工装置を用いたワークの加工を説明する拡大平面図である。 (a)、(b)は、第3実施形態に係る成形用金型の側方断面図である。 図6の成形用金型によって形成されたレンズの側方断面図である。
符号の説明
2A,2B…金型、 3a,3b…転写光学面、 10…加工装置、 20…振動切削ユニット、 21…ツール部、 21a…先端部、 21h,21g…固定孔、 21x…溝、 23…切削工具、 23a…先端、 23b…シャンク、 23c…加工用チップ、 23e…固定部分、 23f…固定用の孔、 25…固定ネジ、 25h…ヘッド部、 25s…本体部分、 26…充填ネジ、 27…ナット、 30…駆動機構、 32…第1ステージ、 33…第2ステージ、 35…第1可動部、 36…第2可動部、 40…駆動制御装置、 50…振動子駆動装置、 60…ガス供給装置、 70…主制御装置、 82…振動体、 83…軸方向振動子、 84…撓み振動子、 85…カウンタバランス、 86…筐体、 91…貫通孔、 91a…開口、 92…給気パイプ、 AX…工具軸、 EO…楕円軌道、 PX…旋回軸、 SA…被加工面

Claims (10)

  1. 切削工具を支持するための支持部分を有し、当該支持部分を介して振動を前記切削工具に伝達する切削用振動体であって、
    前記切削工具を前記支持部分に着脱可能に固定するための固定部材と、
    前記支持部分における質量バランスを調整するためのバランス部材と
    を備える切削用振動体。
  2. 前記固定部材は、振動に関する工具軸に関して非対称に配置されており、前記バランス部材は、前記工具軸に関して前記固定部材の非対称性を少なくとも部分的に補償するように配置されている請求項1記載の切削用振動体。
  3. 前記固定部材と前記バランス部材とは、互いに離間して配置されている請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の切削用振動体。
  4. 前記バランス部材は、前記支持部分にねじ込まれるヘッド付きのネジである請求項1から請求項3のいずれか一項記載の切削用振動体。
  5. 前記固定部材は、前記切削工具及び前記支持部分に設けた固定用の孔に順次通されるボルトと、当該ボルトに螺合される前記ナットとを有し、前記バランス部材は、前記支持部分において前記ボルトのヘッド側に形成された挿通孔にねじ込まれる請求項4記載の切削用振動体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項記載の切削用振動体と、
    前記切削用振動体に支持される前記切削工具と、
    を備える振動切削ユニット。
  7. 前記切削用振動体に振動を与えることによって、前記切削用振動体を介して前記切削工具を振動させる振動源をさらに備える請求項6記載の振動切削ユニット。
  8. 請求項6及び請求項7のいずれか一項記載の振動切削ユニットと、
    前記振動切削ユニットを駆動することによって変位させる駆動装置と、
    を備える加工装置。
  9. 請求項6及び請求項7のいずれか一項記載の振動切削ユニットを用いて加工創製された、光学素子の光学面を成形するための転写光学面を有する成形金型。
  10. 請求項6及び請求項7のいずれか一項記載の振動切削ユニットを用いて加工創製された光学素子。
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