JP4892620B2 - 熱処理装置、温度制御方法、半導体装置の製造方法及び補正値取得方法 - Google Patents

熱処理装置、温度制御方法、半導体装置の製造方法及び補正値取得方法 Download PDF

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Description

この発明は、半導体製造装置等における熱処理装置、温度制御方法、半導体装置の製造方法及び補正値取得方法に関し、特に、被処理体を熱処理するために、熱処理装置を複数の加熱ゾーンに分割し、該複数の加熱ゾーンに関して、実際に目標温度を設定して温度制御を行い、前記複数の加熱ゾーンよりも多数の被処理体領域における検出温度により、前記目標温度を補正するようにした熱処理装置、温度制御方法、半導体装置の製造方法及び補正値取得方法に関する。
従来の熱処理装置において、例えば、半導体ウェーハ(基板)を被処理体として熱処理し、成膜等を行う場合、その処理成果物である成膜等の種別およびその製造過程に対応した様々な処理温度が要求される。したがって、熱処理を行うときの被処理体の温度は、この処理温度に可能な限り一致するような方法(均熱調整方法)で温度制御される。図6は、このような熱処理装置の中の典型的な一つである縦型拡散炉の構造を示す図である。図6に示した縦型拡散炉は、外壁111に覆われた均熱管112および反応管113と、反応管113の中を加熱するためのヒータ114と、ヒータ114の温度を検出するヒータ熱電対115と、均熱管112と反応管113との間の温度を検出するカスケード熱電対116と、熱処理するためのウェーハを搭載したボート117と、ヒータ熱電対115およびカスケード熱電対116が検出する検出温度および指示される目標温度Yに基づき、ヒータ114への操作量Z(電力値)を制御する温度コントローラ119とから構成されている。
ヒータ114は、炉内温度(反応管113の温度)をより高精度に制御するために複数の加熱ゾーンに分割されており、例えば、図6のように、4つの加熱ゾーンへの分割の場合には、上部から順にU,CU,CL,Lゾーンと呼ばれる(以降、これらの名称を使用する)、それぞれの加熱ゾーンに対応して、ヒータ熱電対115とカスケード熱電対116とが設置されている。温度コントローラ119は、カスケード熱電対116の検出温度を目標温度Yと一致するように、ヒータ熱電対115の温度を検出しながら、ヒータ114への操作量Zを予め与えられたアルゴリズム(PID演算等)に従って算出し、ヒータ114への電力値を調整している。
このように、従来は、カスケード熱電対116での検出温度を、ウェーハ処理の目標温度に一致するように温度制御を行っていたが、実際に熱処理を行うウェーハの位置での温度と、それに対応するカスケード熱電対の検出温度との間には、少なからず誤差があり、この誤差が熱処理の品質を低下させる要因となることがある。このため、ウェーハにより近い領域の温度、またはウェーハそのものの温度をウェーハ処理の目標温度になるように制御し、熱処理の品質を向上させることが必要である。そのためには、ウェーハにより近い領域の温度、またはウェーハそのものの温度を検出する手段が必要となる。検出手段としては、反応管の中に熱電対を挿入し、ウェーハ近傍の温度を測定する方法や、数学モデルを使用してウェーハ温度を推定する方法等各種のものがあるが、ここではそれらの1例として、熱電対を直接的にウェーハに装着した温度測定用ウェーハ(熱電対付きウェーハ)を使用する方法について説明する。
図7は上述の熱電対付きウェーハを使用した例を示す。この場合、熱電対付きウェーハ118は、4つの加熱ゾーンであるU,CU,CL,Lゾーンのそれぞれに対応して配置されている。また、ヒータ熱電対115およびカスケード熱電対116もこれらのU,CU,CL,Lゾーンのそれぞれに対応する位置に設置されている。熱電対付きウェーハ118で検出された温度は、ヒータ熱電対115およびカスケード熱電対116と同様に、温度コントローラ119に取り込まれる。ちなみに、熱電対付きウェーハにおいて、熱電対を装着する場所や数は、使用方法によって異なる場合があるが、ここで述べる例における熱電対付きウェーハ118は、ウェーハの中央に熱電対を1個だけ装着しているものとする。
図7のような構成で、カスケード熱電対116の検出温度をウェーハ処理の目標温度に一致するように温度制御を行った場合の、カスケード熱電対116と熱電対付きウェーハ118の検出温度の関係の1例を図9に示す。この場合、カスケード熱電対116の検出温度(○)は、目標温度に一致するが、熱電対付きウェーハ118の検出温度(Δ)は、目標温度との間に誤差が生じている。また、誤差の大小等も加熱ゾーン毎に異なっているため、熱処理の品質を低下させる要因となる。この場合、熱電対付きウェーハ118の検出温度とカスケード熱電対116に対する目標温度との間の誤差を、カスケード熱電対の目標温度に対する補正値として使用する方法がある。例えば、図9において、Uゾーンの熱電対付きウェーハの検出温度が、目標温度に対して5℃低い場合には、この5℃を、Uゾーンのカスケード熱電対に対する目標温度に補正値として加える。
上述の補正により、Uゾーンのカスケード熱電対116の検出温度は、本来の目標温度よりも5℃高くなるが、Uゾーンの熱電対付きウェーハの検出温度を、本来の目標温度に一致させることができる。同様に、全ての加熱ゾーンに対して、補正を行った場合のカスケード熱電対と熱電対付きウェーハの検出温度の関係の1例を図10に示す。この場合、カスケード熱電対116の検出温度(○)は、本来の目標温度に一致しなくなったが、熱電対付きウェーハ118の検出温度(Δ)は、目標温度と一致している。実際に熱処理するウェーハの温度が目標温度と一致したことで、熱処理の品質を向上させることができる。ただし、上記の例において、熱電対付きウェーハ118の検出温度を5℃高くするために、カスケード熱電対に対する目標温度に5℃を補正値として加えても、熱電対付きウェーハの検出温度が、実際に5℃高くならない場合が多く、数回の調整作業の繰り返しが必要となる。
さらに、図7の構成において、熱電対付きウェーハ118は、加熱ゾーン毎に設置されたヒータ熱電対115およびカスケード熱電対116に対応する位置にそれぞれ配置されていたが、それ以外のウェーハの温度を測定するために、図8のように、熱電対付きウェーハを複数枚増加して配置し、それらによって検出された温度を同様に、温度コントローラ119に取り込んだ場合の、カスケード熱電対と熱電対付きウェーハの検出温度の関係の1例が図11に示すように考えられる。この場合、各加熱ゾーンを代表する位置に配置された熱電対付きウェーハ118の検出温度(Δ)は、目標温度と一致しているが、それ以外の位置に配置された熱電対付きウェーハの検出温度(▲)は、目標温度に対し誤差を生じている。これでは、熱処理の品質に違いが出てしまい、製品として一定レベル以上の品質を保証できる成果物の製造割合が低下する原因となる。この対策として、ウェーハ領域の温度差をなるべく無くし、均一にするように、カスケード熱電対116に対する目標温度をさらに補正する方法がある。
例えば、図11におけるように、CLゾーンとLゾーンとの間に設置した熱電対付きウェーハの検出温度が、目標温度に対して3℃高い場合、1℃程度、CLゾーンとLゾーンとのカスケード熱電対に対する目標温度から、補正値として減ずる。この場合、補正値を3℃とせずに1℃程度としたのは、先程と同じように誤差の3℃を、カスケード熱電対に対する目標温度の補正値として使用すると、こんどは、加熱ゾーンに対応した熱電対付きウェーハの検出温度が、目標温度に対して誤差が大きくなってしまい、結果的に、ウェーハ領域の温度差を無くすという目的が達成できないからである。さらに、補正値を1℃程度としたのは、CLゾーンとLゾーンとの間に設置した熱電対付きウェーハの検出温度は、CLゾーンとLゾーンのそれぞれへの補正の影響を受けるために、加熱ゾーン間の干渉の度合い等の情報が不明確な場合には、何度か補正値を調整する必要があるので、先ず、その初期値を1℃程度とする意味である。
図8に示されるように構成した場合、全ての熱電対付きウェーハの検出温度が、目標温度に対する誤差を小さくするように調整(例えば、熟練作業者によって調整)された場合における、カスケード熱電対と熱電対付きウェーハとの検出温度の関係の1例を図12に示す。この場合、加熱ゾーンに対応した熱電対付きウェーハの検出温度(Δ)は、目標温度に若干一致しなくなったが、全ての熱電対付きウェーハ(△,▲)における目標温度との誤差が、図11の場合に比べて全体として減少している(矢印で示されるばらつきの幅が小さい)。これにより、製品として一定レベル以上の品質を保証できる成果物の数を増加させることができる。しかし、図12のように、熱電対付きウェーハにおける目標温度との誤差を全体的に小さくするには、熟練した作業者の存在が必要であり、また熟練作業者でも何度も繰り返し調整をするために、多くの調整時間を必要としているのが現状である。
上述の従来の熱処理装置用均熱調整方法は、熱処理装置のウェーハ領域を複数の加熱ゾーンに分割し、全加熱ゾーンに関して、実際に目標温度を設定して温度制御を行う領域の温度を炉周辺のカスケード熱電対等の温度検出装置により検出し、検出した温度により、炉内に配置された被処理体が目標温度で処理されるように加熱制御しようとしているが、温度検出装置に対する設定温度の決定は、熟練作業者の経験や試行に依存しているため、該当する能力のある人員に制限があり、設定時間も多大に必要となるという問題がある。
この発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであって、熟練作業者がいなくても、被処理物の全領域に渡って、簡単に短時間で、かつ誤差を小さくして目標温度に調整(均熱調整)することができ、コンピュータシステムにより自動化も容易に行い得る熱処理装置、温度制御方法、半導体装置の製造方法及び補正値取得方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る熱処理装置は、処理室と、少なくとも1つの加熱ゾーンを有し、前記処理室内に設けられた被処理物を加熱する加熱装置と、前記加熱装置による加熱温度を第1の所定位置にて検出するため、各加熱ゾーンに対向して少なくとも1つ設けた第1の温度検出器と、前記第1の温度検出器により検出される第1の所定位置における検出温度と該第1の所定位置における検出温度についての第1の目標温度とに基づいて前記加熱装置を制御する制御装置と、記加熱ゾーンの数より多く、各加熱ゾーンに対向して前記第1の所定位置より前記被処理物に近い第2の所定位置での前記加熱装置による加熱温度を検出する温度検出器を含む第2の温度検出器を備えた熱処理装置であって、前記制御装置は、前記第2の温度検出器により検出される第2の所定位置における検出温度と該第2の所定位置における第2の目標温度とを比較した差と共に、前記第2の所定位置を検出したない前記第2の温度検出器により検出される検出温度と前記第2の目標温度とを比較した差を小さくするように、前記第1の目標温度の補正値を取得し、前記補正値により前記第1の目標温度を補正して温度制御を行うことを特徴とするものである。
また、本発明に係る温度制御方法は、少なくとも1つの加熱ゾーンに対向するよう設けられ、被処理基板を加熱する加熱装置による加熱温度を検出する第1の温度検出器と、前記第1の温度検出器により検出される第1の所定位置における検出温度と該検出温度についての第1の目標温度とに基づいて温度制御する温度制御方法であって、前記加熱ゾーンの数より多く、各加熱ゾーンの前記第1の所定位置より前記被処理物に近い第2の所定位置での前記加熱装置による加熱温度を検出する温度検出器を含む第2の温度検出器を備え、前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置における検出温度と前記第2の所定位置についての第2の目標温度とを比較した差と共に、前記第2の所定位置を検出しない第2の温度検出器により検出される検出温度と前記第2の目標温度とを比較した差を小さくするように、前記第1の目標温度の補正値を取得し、前記補正値により前記第1の目標温度を補正して温度制御を行うことを特徴とするものである。
また、本発明に係る半導体装置の製造方法は、少なくとも1つの加熱ゾーンに対向するよう設けられ、被処理基板を加熱する加熱装置を制御して、前記加熱温度を検出する第1の温度検出器と、前記第1の温度検出器により検出される第1の所定位置における検出温度と該検出温度についての第1の目標温度に基づいて温度制御する制御装置により、被処理基板に加熱処理を施す半導体装置の製造方法であって、前記加熱ゾーンの数より多く、各加熱ゾーンの前記第1の所定位置より前記被処理物に近い第2の所定位置での前記加熱装置による加熱温度を検出する温度検出器を含む第2の温度検出器を備え、前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置における検出温度と前記第2の所定位置についての第2の目標温度とを比較した差と共に、前記第2の所定位置を検出しない第2の温度検出器により検出される検出温度と前記第2の目標温度とを比較した差を小さくするように、前記第1の目標温度の補正値を取得し、前記補正値により前記第1の目標温度を補正して温度制御を行うことを特徴とするものである。
また、本発明に係る補正値取得方法は、少なくとも1つの加熱ゾーンに対向するよう設けられ、被処理基板を加熱する加熱装置による加熱温度を検出する第1の温度検出器と、前記第1の温度検出器により検出される第1の所定位置における検出温度と該検出温度についての第1の目標温度とに基づいて温度制御する際に、前記第1の温度の補正値を取得する補正値取得方法であって、前記加熱ゾーンの数より多く、各加熱ゾーンの前記第1の所定位置より前記被処理物に近い第2の所定位置での前記加熱装置による加熱温度を検出する温度検出器を含む第2の温度検出器を備え、前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置における検出温度と前記第2の所定位置についての第2の目標温度とを比較した差と共に、前記第2の所定位置を検出しない第2の温度検出器により検出される検出温度と前記第2の目標温度とを比較した差を小さくするように、前記第1の目標温度の補正値を取得することを特徴とするものである。
また、本発明の補正値取得方法において、前記補正値の取得は、実際に被処理物を処理する実プロセスの前に行われることを特徴とするものである。
本発明によれば、実際に温度制御を行う複数の領域に対する補正した目標温度をコンピュータを利用して自動的に設定することが可能であり、熟練した作業者がいなくとも、短時間かつ正確に最適の熱処理を行うことができる。
即ち、本発明によれば、熟練作業者がいなくても、被処理物の全領域に渡って、簡単に短時間で、かつ誤差を小さくして目標温度に調整(均熱調整)することができる。本発明は、例えば、複数の加熱ゾーンを有し、また、複数の熱電対付きウェーハ位置での温度が検出され得る縦型CVD装置や枚葉装置等に容易に適用できる。
また、実プロセス中においては、第2の温度検出器を設ける必要が無く、温度検出器を設けることによる被処理物への悪影響をなくすことができる。
また、熟練作業者がいなくても、被処理物の全領域に渡って、簡単に短時間で、かつ誤差を小さくして目標温度に調整(均熱調整)することができる。
この発明の熱処理装置用均熱調整方法が適用された縦型拡散炉の実施の形態を示す構成図である。 図1によって示される縦型拡散炉の外壁の内部を示す拡大図である。 プロファイル熱電対の一例を示す図である。 カスケード熱電対の一例を示す図である。 枚葉装置を示す図であり、(a)は側面図、(b)は加熱ゾーンを示す平面図である。 熱処理装置の中の典型的な従来例の一つである縦型拡散炉を示す構成図である。 図6の縦型拡散炉に収納されたウェーハの加熱ゾーンに対応して熱電対付きウェーハを配置したところを示す図である。 図6の縦型拡散炉に収納されたウェーハの加熱ゾーンおよびその間のゾーンに対応して熱電対付きウェーハを配置したところを示す図である。 図7のように設定された熱処理装置において、カスケード熱電対の検出温度をウェーハ処理の目標温度に一致するように温度制御を行った場合の、カスケード熱電対と熱電対付きウェーハとの検出温度の関係を示す図である。 図9で示される状態を改良すべく、カスケード熱電対の検出温度が補正された目標温度に一致するように温度制御をした場合のカスケード熱電対と熱電対付きウェーハとの検出温度の関係を示す図である。 図10で示された状態において、ウェーハの加熱ゾーンに対応した位置以外の位置に熱電対付きウェーハを増加配置した場合の、カスケード熱電対と熱電対付きウェーハとの検出温度の関係を示す図である。 図11で示される状態を改良すべく、カスケード熱電対の検出温度を熟練作業者が選択した目標温度に一致するように温度制御をした場合のカスケード熱電対と熱電対付きウェーハとの検出温度の関係を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
本発明の最も基本的な形態は、所定位置での検出温度をその目標温度とするよう、少なくとも1つの加熱ゾーンを有する加熱装置を制御する温度制御方法において、前記加熱ゾーンの数よりも多い複数の所定位置での温度を検出し、検出された複数の検出温度の最大値と最小値の間に前記目標温度が含まれるように前記加熱装置を制御するようにすることであるが、以下に説明する実施の形態においては、これを基本構成として、更に複数の検出温度と目標温度との差の平均値が最小となるように温度制御を行う場合の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の温度制御方法が適用された熱処理装置の実施の形態である縦型拡散炉を示す構成図、図2は、図1の縦型拡散炉の外壁の内部を示す拡大図である。図1および図2に示した縦型拡散炉10は、外壁11の中に配置された均熱管12と反応管13と、炉内を加熱するためのヒータ14と、ヒータ14の温度を検出するヒータ熱電対15a,15b,15c,15dと、均熱管12と反応管13との間の温度を検出するカスケード熱電対16a,16b,16c,16dと、ウェーハ温度(ウェーハおよびウェーハの配置された領域の温度)を検出するための熱電対付きウェーハ18a,18a’,18b,18b’,18b”,18c,18c’,18dを含む複数のウェーハを搭載したボート17と、ヒータ熱電対15a,15b,15c,15dおよびカスケード熱電対16a,16b,16c,16dの検出温度と目標温度Yとからヒータ14への操作量Z(電力値)を求める温度コントローラ19とから構成されている。なお、上記構成において、カスケード熱電対16a,16b,16c,16dは、本発明の第1の温度検出器を構成し、熱電対付きウェーハ18a,18a’,18b,18b’,18b”,18c,18c’,18dにおける熱電対は、本発明の第2の温度検出器を構成している。
上述の例においては、炉内のウェーハ領域の温度を高精度に制御するために、炉内は、4つの加熱ゾーン、すなわち、上部から順にU,CU,CL,Lゾーンに分割されている。各ゾーンにおいては、図示しないそれらのヒータ端子間に高周波電力が印加可能とされており、各ゾーン毎に高周波電力量を変えて印可することができる。これにより各ゾーン毎に温度制御が可能であり、全ゾーンに亘って均一に、または所望する温度勾配を付けて温度調整することが可能である。そして、これらのU,CU,CL,Lゾーンのそれぞれに対応して、ヒータ熱電対15a,15b,15c,15dとカスケード熱電対16a,16b,16c,16dとがそれぞれ設置されている。また、ボート17に搭載されたウェーハのうち、これらのU,CU,CL,Lゾーンを代表する位置に、熱電対付きウェーハが1枚ずつ(18a,18b,18c,18d)、U,CUゾーン間およびCL,Lゾーン間にはそれぞれ1枚ずつ、CU,CLゾーン間には2枚の合計8枚が配置されている。
この縦型拡散炉10におけるウェーハ領域の均熱調整方法においては、まず、実際に製品(半導体装置)を製造する前準備として、製品製造に際して行われる温度制御における目標温度の補正値を取得することから行われる。この目標温度の補正値は、ウェーハ領域の温度を均熱にするためにカスケード熱電対の検出温度の目標温度に対して用いられる。すなわち、実際の製品製造に際して行われる温度制御においては、熱電対付きウェーハの位置には通常の製品用のウェーハが配置され、ウェーハそのものの温度検出はできない。そこで、温度コントローラ19は、常時配置されているカスケード熱電対16a,16b,16c,16dの検出温度の目標温度に対して、上記補正値を適用した温度制御を行うことにより、ウェーハ領域の温度を均熱にする温度制御を行うことができる。もちろん、何らかの方法でウェーハ領域の温度を常時測定できる構成であれば、それをカスケード熱電対の代わりに制御することで制御性能を向上させることができることはいうまでもない。
次に、縦型拡散炉10のウェーハ領域に対する均熱調整方法の原理について順番に説明する。先ず、制御に使用するカスケード熱電対16a,16b,16c,16dの検出温度と、均熱調整の目的であるウェーハ領域の温度を検出するために配置された熱電対付きウェーハ18a,18a’,18b,18b’,18b”,18c,18c’,18dの検出温度との関係を把握することが必要である。上述の縦型拡散炉10において、8枚の熱電対付きウェーハの検出温度は、4つの加熱ゾーンであるU,CU,CL,Lゾーンに対応するヒータ熱電対15a,15b,15c,15dに温度検出されるヒータ14からの影響を受ける。その影響の度合いを、以下に述べるような方法で数値化する。
先ず、4つの加熱ゾーンであるU,CU,CL,Lゾーンに対応するカスケード熱電対16a,16b,16c,16dの検出温度をウェーハ処理の目標温度と一致するように制御する。このとき、厳密に目標温度と同じである必要はないが、温度変化は、通常、制御を行う温度帯によって異なる特性を示すために、該当する目標温度から大きく離れない温度帯で影響度合いを数値化する必要がある。全てのゾーンの温度が安定した後に、1つのゾーン、例えば、Uゾーンのカスケード熱電対に対する目標温度に数℃(例えば、10℃)を加える。その後、十分に時間が経過し、温度が安定したときの8枚の熱電対付きウェーハの検出温度の変化量(温度が上昇した場合には正、下降した場合には負の数として扱う)を記録する。この結果から、Uゾーンのカスケード熱電対に対する目標温度に加えた変化量をΔTUとし、そのときの8枚の熱電対付きウェーハの検出温度の変化量を、上部から順にΔPU1〜ΔPU8とすると、以下のように表すことができる。すなわち、
ΔPU1=αU1×ΔTU
ΔPU2=αU2×ΔTU
・・・=・・・・
・・・=・・・・
ΔPU8=αU8×ΔTU
上述の場合、αU1〜αU8は、Uゾーンのカスケード熱電対に対する目標温度の変化が、8枚の熱電対付きウェーハの検出温度に与える影響の度合いを示す係数であり、数値が大きいほど影響が大きいことを表す。同様に、CUゾーンのカスケード熱電対に対する目標温度に加えた変化量をΔTCUとし、そのときの8枚の熱電対付きウェーハ18の検出温度の変化量を、上部から順にΔPCU1〜ΔPCU8とすると、以下のように表すことができる。すなわち、
ΔPCU1=αCU1×ΔTCU
ΔPCU2=αCU2×ΔTCU
・・・=・・・・
・・・ =・・・・
ΔPCU8=αCU8×ΔTCU
また、CLゾーンについては、
ΔPCL1=αCL1×ΔTCL
ΔPCL2=αCL2×ΔTCL
・・・=・・・・
・・・ =・・・・
ΔPCL8=αCL8×ΔTCL
さらに、Lゾーンについては、
ΔPL1=αL1×ΔTL
ΔPL2=αL2×ΔTL
・・・=・・・・
・・・=・・・・
ΔPL8=αL8×ΔTL
と表すことができる。
上述の結果から、8枚の熱電対付きウェーハの検出温度の変化量をΔP1〜ΔP8とすると、
Figure 0004892620
となり、8枚の熱電対付きウェーハの検出温度の変化量は、各ゾーンのカスケード熱電対に対する目標温度の変化を係数倍したものの和で表すことができる。したがって、8枚の熱電対付きウェーハの検出温度を、目標温度に近付けるように変化させるためには、上記の関係式を利用し、各ゾーンのカスケード熱電対に対する目標温度への補正値を決定する必要がある。上記の関係式を行列式によって表せば、次式(1)のようになる。
Figure 0004892620
上記の式(1)において、右辺の第1項の行列を干渉行列(カスケード熱電対に対する目標温度の変化が、熱電対付きウェーハの検出温度に与える影響の度合いを示す係数の行列)と呼び、Mとし、右辺の第2項の列ベクトル(カスケード熱電対に対する目標温度の変化量)をΔCとし、左辺の列ベクトル(熱電対付きウェーハの検出温度の変化量)をΔPと表すと、上記の式(1)は、
ΔP=M×ΔC ・・・・ (2)
となる。このようにして、制御に使用するカスケード熱電対と、目的である熱電対付きウェーハの検出温度の関係について、数値化することができる。ただし、この数値は、様々な要因により誤差を含んでいる場合があるので、より精度を高める必要がある場合や、調整時間に余裕がある場合には、上記の干渉行列の作成を数回実行してその平均値を使用してもよいことはいうまでもない。
次に、実際に調整を行う前に、カスケード熱電対の検出温度を、ウェーハ処理の目標温度と一致するように制御した場合の、各熱電対付きウェーハの検出温度と、目標温度との誤差を取得する。このとき、各熱電対付きウェーハの検出温度が、目標温度よりも高い場合には、誤差を正の数とし、目標温度よりも低い場合には、誤差を負の数として扱う。8枚の熱電対付きウェーハの検出温度と、目標温度との誤差を、上部の加熱ゾーンから順にE1〜E8とし、下記の式(3)のような列ベクトルP0として表すことができる。
Figure 0004892620
次に、実際に8枚の熱電対付きウェーハ18a,18a’,18b,18b’,18b”,18c,18c’,18dによる検出温度を、目標温度に近付けるための調整を行う。調整を行う際に、目的である8枚の熱電対付きウェーハの検出温度が、どれだけ目標温度に近付いたかを評価するための評価基準が必要となる。そこで、製品として一定レベル以上の品質を保証できる成果物の数を増加させることを目的として、8枚の熱電対付きウェーハの全てにおいて、目標温度に対する誤差が最小になるように、各熱電対付きウェーハの検出温度と、目標温度との誤差の2乗の和を評価式とし、これが最小となるように調整する。他の評価基準、例えば、誤差の絶対値の和を最小にするように調整する場合にも、これから記述する方法を応用することができる。上述した評価式を示すと、
J=|P0+ΔP|2 ・・・・(4)
となる。この評価式Jにおける右辺の内容は、調整前の8枚の熱電対付きウェーハの検出温度と目標温度との誤差であるP0と、調整によって変化する8枚の熱電対付きウェーハの検出温度の変化量であるΔPの和を表し、調整後の8枚の熱電対付きウェーハの検出温度と、目標温度との誤差を表している。上記の評価式J(式(4))に先述の式(2)を適用すると、
J=|P0+[M×ΔC]|2 ・・・・(5)
となり、行列の転置を用いると、
J=[P0+[M×ΔC]]T×[P0+[M×ΔC]]
・・・・(6)
となる(「T」は、行列の転置を表す)。さらに、先述の式(1)および式(3)を用いると、下記の式(7)のようになる。
Figure 0004892620
次に、評価式Jを最小にすべくΔCの各要素ΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLを求めるために、評価式Jを、ΔCの各要素ΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLについて偏微分する。先ず、評価式JをΔTUについて偏微分すると、次式(8)となる。
Figure 0004892620
上記と同様に、評価式JをΔTCU,ΔTCL,ΔTLについてそれぞれ偏微分すると、次式(9)、(10)、(11)が得られる。
Figure 0004892620
このように、評価式Jを、ΔTの各要素ΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLについて偏微分した結果に基づき、
∂J/∂ΔTU=0
∂J/∂ΔTCU=0
∂J/∂ΔTCL=0
∂J/∂ΔTL=0
とした式は、ΔCの各要素ΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLを変数とする4元1次の方程式となり、この4式を連立方程式として解いた解、ΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLは、評価式Jを最小にする、つまり、各熱電対付きウェーハの検出温度と、目標温度との誤差の2乗の和を最小にする、カスケード熱電対に対する目標温度の補正値である。
次に、上述の4元1次の連立方程式の解法を示す。先ず、∂J/∂ΔTU=0とした式は、次式(12)と表すことができる。
Figure 0004892620
同様に、∂J/∂ΔTCU=0,∂J/∂ΔTCL=0,∂J/∂ΔTL=0とした式は、次式(13)、(14)、(15)として表すことができる。
Figure 0004892620
上記の4つの式は、行列を用いて、(16)式と表すことができる。
Figure 0004892620
上記の式(16)において、左辺の第1項の行列は、式(2)における干渉行列Mを使用して、(17)式と表すことができる。
Figure 0004892620
また、右辺の列ベクトルは、式(2)における干渉行列Mおよび式(3)における調整前の8枚の熱電対付きウェーハの検出温度と目標温度との誤差P0を使用して、(18)式と表すことができる。
Figure 0004892620
したがって、式(16)の連立方程式は、(19)式と表すことができ、
Figure 0004892620
両辺の左から逆行列[MT×M]-1を掛けると、(20)式となる。
Figure 0004892620
式(20)の右辺におけるMおよびP0は、干渉行列および調整前の8枚の熱電対付きウェーハの検出温度と目標温度との誤差として既に取得した数値であるので、その値を式(20)に代入することにより、ΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLが求められる。
このように算出したΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLが、製品として一定レベル以上の品質を保証できる成果物の数を増加させることを目的とした評価式Jを、最小にするための、カスケード熱電対に対する目標温度の補正値である。上述の例においては、評価式Jを最小にするΔCの各要素、ΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLを求めるために、偏微分によって作成した連立方程式を解く方法を順に説明したが、実際の作業では、連立方程式を解く必要はなく、干渉行列Mおよび調整前の8枚の熱電対付きウェーハの検出温度と目標温度との誤差P0を取得し、その値を上記の式(20)に代入することによって、カスケード熱電対に対する目標温度の補正値を求めることができる。最後に、求められた補正値を使用して制御を行い、調整の結果を確認する。
図1および図2に示される構成において、各加熱ゾーン(U,CU,CL,Lゾーン)のカスケード熱電対に対する目標温度に、それぞれ上記で算出した補正値、ΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLを加える。そして、この目標温度と、カスケード熱電対の検出温度が一致するように制御する。十分に時間が経過し、温度が安定したところで、8枚の熱電対付きウェーハの検出温度と、本来の目標温度との誤差を確認する。それぞれの誤差が許容範囲内であれば、調整は終了する。もしも、誤差が許容範囲を超えていた場合には、追加の調整を行う。追加の調整の手順は、上記の場合と同じであるが、その際、1回目の調整では、調整前の8枚の熱電対付きウェーハの検出温度と、目標温度との誤差を取得し、P0としていた(式(3))が、追加の調整では、1回目の調整結果の確認における、8枚の熱電対付きウェーハの検出温度と、本来の目標温度との誤差をそれぞれ取得し、P0として使用する。後は、上記と同様に、式(20)に代入して、ΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLを求め、このΔTU,ΔTCU,ΔTCL,ΔTLを、1回目の調整で補正した各加熱ゾーンのカスケード熱電対に対する目標温度にさらに加える。そして、この目標温度と、カスケード熱電対の検出温度が一致するように制御し、再調整の結果を確認する。通常は、1〜2回、多くても3回以内の調整で良好な結果を得ることができるが、それでも許容範囲を超える場合には、干渉行列の取得から再実行するのが好ましい。
以上に説明した温度制御方法、熱処理装置は、半導体製造装置における半導体製造方法として用いられる。
例えば、拡散装置に適用された場合の拡散プロセスについては、以下のようなものがある。
(1)パイロジェニック酸化
水素ガスを酸素ガスにより燃焼させて水蒸気を生成し、その水蒸気を反応室に導入して、ウェーハまたはウェーハ上に堆積されている膜を酸化する。
処理温度は700〜1000℃であり、圧力は常圧で処理される。酸化速度を考慮すると、好適な処理温度としては800〜1000℃である。
(2)ドライ酸化
酸素ガスを反応室内に導入して、ウェーハまたはウェーハ上に堆積されている膜を酸化する。処理温度は700〜1000℃で常圧で処理される。酸化速度を考慮すると、好適な処理温度としては800〜1000℃である。
(3)燐拡散
三塩化燐(POCl3)、酸素ガス、及び窒素ガスをキャリアガスとして、反応室内に導入する。処理温度は800〜1000℃で常圧で処理される。
(4)アニール処理
窒素ガスなどの不活性ガスを反応室内に導入し、処理温度は800〜1100℃、圧力は常圧で処理される。
半導体装置において、上記プロセス(1)、(2)は、素子間の絶縁分離、電極あるいは配線の層間分離、MOSFETのゲート酸化膜、DRAMのメモリセル蓄電容量部、不純物拡散及びイオン注入のマスク、表面不活性化と保護などに広く用いられる。また上記プロセス(3)では、ゲート電極、配線のポリシリコン膜へのドーピング、抵抗体やコンタクト部へのドーピングなどに用いられる。また、上記プロセス(4)では、不純物層への不純物を結晶内部に移動させるのに用いられる。
実施の形態2.
実施の形態1では、実プロセス前に補正値を求める場合について説明したが、実プロセス中に直接補正値を求めるようにしても良い。実施の形態2は、実プロセス前に干渉行列Mだけを求め、実プロセスである基板処理中に8枚の熱電対付きウェーハの検出温度と目標温度との誤差P0を取得し、式(20)に代入することによって、カスケード熱電対に対する目標温度の補正値を求めて、この求められた補正値を目標温度に加えて温度制御することができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、熱電対付きウェーハにおいては、熱電対が基板処理中に露出することになるので、金属汚染が生じる虞がある。そこで、熱電対付きウェーハに替えて、炉内にプロファイル熱電対を挿入するようにしても良い。プロファイル熱電対200は、例えば図3に示されるように、石英管またはSiC等のセラミック管201で熱電対を覆っている構造を有するので、熱電対204による金属汚染を低減することができる。セラミック管201の中には、複数(8本)の熱電対204が熱電対封入部202により封入され、その温度検出信号が配線203を介して得られる。各熱電対は実施の形態1に示した熱電対付きウェーハそれぞれに対応する位置(高さ位置)に設けられている。このプロファイル熱電対は、単管で構成され、比較的空間の狭い反応室内に挿入するのに適している。なお、更にこれを複数設けることにより、より多数の位置での温度検出も可能となる。
実施の形態4.
また、実プロセスで検出温度と目標温度との誤差を検出する場合に、図4に示すような、ヒータ熱電対(ヒータ制御用熱電対)300として、カスケード熱電対304を8本設け、このカスケード熱電対の検出温度とその目標温度との差を誤差P0として取得し、式(20)に代入することにより、目標温度の補正値を求め、この求められた補正値を目標温度に加えて温度制御するようにしても良い。なお、図4に示すヒータ制御用熱電対300は、カスケード熱電対304が封入された石英またはSiCのセラミック管301を熱電対封入部305に8本並設し、これを均熱管(図1の12)と反応管(図1の13)との間に湾曲させて挿入できるようにしたものである。このようなカスケード熱電対304は、別々にセラミック管301に封入されているので、カスケード熱電対304相互間の干渉を防止し得る。なお、このような干渉の恐れが無い場合は、一つのセラミック管に複数の熱電対を挿入するようにしても良い。
実施の形態5.
以上に説明した実施の形態は、いずれも実プロセス前に干渉行列Mを求めるようにしたものであるが、基板処理時間が長く、また、干渉行列を求める際の多少の温度昇降をしても支障が生じない半導体装置等の加熱処理をする場合は、実プロセスである基板処理中に干渉行列を求め、更に誤差と補正値を求めて目標温度を補正するようにしても良い。
実施の形態6.
以上に述べた実施の形態は加熱ゾーンが縦方向に分割される縦型装置について説明したが、一枚から数枚までのウェーハを処理し、加熱ゾーンがウェーハ面内方向に分割される枚葉装置にも本発明は適用できる。
図5はこの枚葉装置を示すものであり、(a)は側面図、(b)は複数のゾーンを示す平面図である。この場合、熱電対付きウェーハによる温度検出に替えて放射温度計を用いると非接触で測定でき、金属汚染を防止することが容易となる。図5に示す枚葉装置は、処理室である反応管1aを有する加熱炉1にウェーハ(基板2)を載置するサセプタ4が設けられ、加熱炉1内を所定の温度に加熱しつつ反応ガスを供給して基板2上に薄膜を形成する。加熱源であるヒータ3は加熱ゾーンとして(1)、(2)、(3)の3ゾーンを有し、各ゾーンからの熱は、主として熱容量のある基板2を支持するサセプタ4及び基板2、そしてガス管5より流入される反応ガスに吸収される。
制御用のセンサとしては、各加熱ゾーン((1)、(2)、(3))毎に2個の放射温度計(赤外線放射温度計:第2の温度検出器)6A〜6F及びヒータモニタ用又はヒータ制御用として使用され、縦型装置のカスケード温度計に対応するヒータ熱電対7A〜7Cが設けられている。温度調節器AD変換部8では、熱電対信号をAD変換し、温度調節器制御部9に温度デジタルデータを送信する。放射温度計6A〜6Fも同様に、センサ信号をAD変換し、温度調節器制御部9に温度デジタルデータを送信する。温度調節器制御部9は、受け取った温度デジタルデータを用い、制御(PIDなど)演算を行い、ヒータパワー値(0〜100%)を決定する。このPID制御において用いられる目標温度が既述の補正値により補正される構成となっている。なお、サイリスタ制御器410は、温度調節器制御部9からの電気信号(0〜100%)を受け取り、サイリスタ点弧により、ヒータを加熱する。なお、温度調節器制御部9には、交流電源411を介してメインコントローラ412が接続されると共に温度調節器表示操作部413が接続されている。また、交流電源414が放射温度計6及び温度調節器制御部9に接続されている。
本実施の形態における放射温度計6A〜6Fは、被測定物としてのサセプタ4の温度を正確に測定し、サセプタ4の温度を制御するために、反応管1a内に設置される。温度センサとして放射温度計が使われるのは、非接触で測定でき、且つ応答性が良いためである。また、放射温度計を熱電対とすると、その測定原理から該熱電対をサセプタに取付ける必要があり、従ってこの場合には、サセプタ4を回転させることができなくなるからである。このように、枚葉装置は縦型装置とゾーン数が異なり、対応するヒータ熱電対(第1の温度検出器)及び放射温度計(第2の温度検出器)の数も適宜変更される。
このような枚葉装置においても、本発明を適用することにより、ウェーハの面内方向への温度均一性を向上させることができる。
なお、縦型装置において説明した熱電対付きウェーハにおいて、更に同一ウェーハ面内に複数の熱電対を設けることにより、縦型装置においても、面内方向への温度均一性を向上させることも可能である。
以上において、本発明による、被処理体の領域における温度制御方法の実施の形態について説明したが、これらの手順を実行することによって、熟練した作業者でなくとも、早く確実に、被処理体の領域における均熱調整を行うことができるものである。また、以上の手順をコンピュータによりプログラム化し、温度コントローラ等にソフトウェアとして組み込むことによって、熟練作業者の介入を必要としない、被処理体の領域における自動均熱調整を行うことができる。例えば、上述のコンピュータ化により、図9で示したような結果をもたらすカスケード熱電対に対する目標温度の設定が自動的に可能となる。なお、上記の例では、8枚の熱電対付きウェーハを使用したが、もっと多くの熱電対付きウェーハを使用する方法、また最上部ウェーハから最下部ウェーハの横を上下に移動する機構をもつ熱電対を用いて、同様の手段を用いることにより、より広い領域をより細かい単位で、均一な温度範囲に調整することもできる。また、以上の例では、カスケード熱電対を制御に使用した場合を説明したが、カスケード熱電対を常時設置できない構造の場合には、ヒータ熱電対を代わりに使用して、同様に調整を行うこともできる。また、熱電対付きウェーハに代わり、放射温度計を用いることも可能である。
6A〜6F 放射温度計、10 縦型拡散炉、11 外壁、12 均熱管、13 反応管、14 ヒータ、7A〜7C,15a,15b,15c,15d ヒータ熱電対、16a,16b,16c,16d、304 カスケード熱電対、17 ボート、18a,18a’,18b,18b’,18b”,18c,18c’,18d 熱電対付きウェーハ、19 温度コントローラ、200 プロファイル熱電対、201 セラミック管、300 ヒータ制御用熱電対(ヒータ熱電対)。

Claims (5)

  1. 処理室と、
    少なくとも1つの加熱ゾーンを有し、前記処理室内に設けられた被処理物を加熱する加熱装置と、
    前記加熱装置による加熱温度を第1の所定位置にて検出するため、各加熱ゾーンに対向して少なくとも1つ設けた第1の温度検出器と、
    前記第1の温度検出器により検出される第1の所定位置における検出温度と前記第1の所定位置における検出温度についての第1の目標温度とに基づいて前記加熱装置を制御する制御装置と、
    前記加熱ゾーンの数より多く、各加熱ゾーンに対向して前記第1の所定位置より前記被処理物に近い第2の所定位置での前記加熱装置による加熱温度と前記第2の所定位置以外の所望の位置での前記加熱装置による加熱温度とをそれぞれ検出する第2の温度検出器を備えた熱処理装置であって、
    前記制御装置は、
    前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置における検出温度と前記第2の所定位置における第2の目標温度とを比較した差を小さくするだけでなく、前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置以外の所望の位置における検出温度と前記第2の目標温度とを比較した差を小さくするようにして、前記第2の温度検出器で検出される検出温度と前記第2の目標温度の差の平均値が最小となるように前記加熱装置を制御することにより、前記第1の目標温度の補正値を取得し、前記補正値により前記第1の目標温度を補正して温度制御を行うことを特徴とする熱処理装置。
  2. 少なくとも1つの加熱ゾーンに対向するよう設けられ、被処理基板を加熱する加熱装置による加熱温度を検出する第1の温度検出器と、前記第1の温度検出器により検出される第1の所定位置における検出温度と該検出温度についての第1の目標温度とに基づいて温度制御する温度制御方法であって、
    前記加熱ゾーンの数より多く、各加熱ゾーンの前記第1の所定位置より前記被処理物に近い第2の所定位置での前記加熱装置による加熱温度と前記第2の所定位置以外の所望の位置での前記加熱装置による加熱温度とをそれぞれ検出する第2の温度検出器を備え、
    前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置における検出温度と前記第2の所定位置についての第2の目標温度とを比較した差を小さくするだけでなく、前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置以外の所望の位置における検出温度と前記第2の目標温度とを比較した差を小さくするようにして、前記第2の温度検出器で検出される検出温度と前記第2の目標温度の差の平均値が最小となるように前記加熱装置を制御することにより、前記第1の目標温度の補正値を取得し、前記補正値により前記第1の目標温度を補正して温度制御を行うことを特徴とする温度制御方法。
  3. 少なくとも1つの加熱ゾーンに対向するよう設けられ、被処理基板を加熱する加熱装置を制御して、前記加熱温度を検出する第1の温度検出器と、前記第1の温度検出器により検出される第1の所定位置における検出温度と該検出温度についての第1の目標温度に基づいて温度制御する制御装置により、被処理基板に加熱処理を施す半導体装置の製造方法であって、
    前記加熱ゾーンの数より多く、各加熱ゾーンの前記第1の所定位置より前記被処理物に近い第2の所定位置での前記加熱装置による加熱温度と前記第2の所定位置以外の所望の位置での前記加熱装置による加熱温度とをそれぞれ検出する第2の温度検出器を備え、
    前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置における検出温度と前記第2の所定位置についての第2の目標温度とを比較した差を小さくするだけでなく、前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置以外の所望の位置における検出温度と前記第2の目標温度とを比較した差を小さくするようにして、前記第2の温度検出器で検出される検出温度と前記第2の目標温度の差の平均値が最小となるように前記加熱装置を制御することにより、前記第1の目標温度の補正値を取得し、前記補正値により前記第1の目標温度を補正して温度制御を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 少なくとも1つの加熱ゾーンに対向するよう設けられ、被処理基板を加熱する加熱装置による加熱温度を検出する第1の温度検出器と、前記第1の温度検出器により検出される第1の所定位置における検出温度と該検出温度についての第1の目標温度とに基づいて温度制御する際に、前記第1の温度の補正値を取得する補正値取得方法であって、
    前記加熱ゾーンの数より多く、各加熱ゾーンの前記第1の所定位置より前記被処理物に近い第2の所定位置での前記加熱装置による加熱温度と前記第2の所定位置以外の所望の位置での前記加熱装置による加熱温度とをそれぞれ検出する第2の温度検出器を備え、
    前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置における検出温度と前記第2の所定位置についての第2の目標温度とを比較した差を小さくするだけでなく、前記第2の温度検出器により検出される前記第2の所定位置以外の所望の位置における検出温度と前記第2の目標温度とを比較した差を小さくするようにして、前記第2の温度検出器で検出される検出温度と前記第2の目標温度の差の平均値が最小となるように前記加熱装置を制御することにより、前記第1の目標温度の補正値を取得することを特徴とする補正値取得方法。
  5. 前記補正値の取得は、実際に被処理物を処理する実プロセスの前に行われることを特徴とする請求項4に記載の補正値取得方法。
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