JP4891016B2 - 波長多重伝送におけるクロストークの補償 - Google Patents

波長多重伝送におけるクロストークの補償 Download PDF

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本発明は、光波長分割多重(WDM)伝送において線形クロストークを補償することに関する。
従来の光通信におけるWDM伝送システムでは、光送信装置は、それぞれが異なる波長を発振するレーザ、例えば分布帰還型レーザダイオードを個別にチャネル数分だけ用意し、個別の外部光変調器を用いてそれぞれの波長の光を送信データ系列によって変調し、送信している。また、光受信装置は、波長フィルタなどを用いて波長多重された光信号を各波長の光信号へと分波し、それぞれの波長の光信号を個別に復調し、検波している。
変復調方式としては、送信データの0,1を光の強度に符号化して伝送する強度変調−直接検波方式、送信データの0,1を光位相に符号化して伝送する位相変調方式、また、送信データの0,1を光の位相変化として符号化する遅延位相変調方式などがある。
ここで、WDM信号の波長間隔を狭窄化し、波長多重数を増やすことによって周波数利用効率を上げ、光ファイバ1本あたりの伝送容量を拡大することが、波長分割多重伝送システムを経済的に構築する上で重要になる。
M.J. Minardi and M.A. Ingram, "Adaptive crosstalk cancellation in dense wavelength division multiplexing network," Electronics Letter, No.17, Vol.28, p.1621, August 1992
上記のような従来のWDM伝送システムにおいて、各波長を10Gbpsや40Gbpsなどの高速な送信データ系列で符号化する場合、各波長の光信号には符号化による変調速度に相当する周波数帯域程度のスペクトル上の広がりが生じる。そのため、チャネル間の波長間隔を狭窄化していくと、各波長の光スペクトルが互いに重なり、受信装置側の波長分離フィルタにおいて隣接チャネルの光信号を充分に減衰することができず、この漏洩信号によって自チャネルの光信号が影響を受け、線形クロストークが発生する(非特許文献1)。
具体的には、隣接波長の信号と、自波長の信号とによってその周波数差で振動するビートが発生する。各波長の光はそれぞれ、異なる半導体レーザからの出力光であるため、これら波長間の位相関係はランダムである。そのため、発生するビートの位相は時間的にランダムに変動することになる。これにより、検波信号のアイパターンにビートがランダムに重畳し、アイパターンの開口がつぶれ、伝送特性が劣化する。また、受信装置の波長分離フィルタの特性に応じて隣接波長の信号が混入し、検波信号自体の品質が劣化する。このように、波長間での線形クロストークの発生によって、波長間隔の狭窄化が制限され、WDM伝送システムにおけるスペクトル利用効率が制限される。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、波長分割多重伝送における線形クロストークによる信号波形の劣化を補償する技術を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、波長多重伝送システムにおいて、第1チャネルと前記第1チャネルの隣接チャネルである第2チャネルの搬送波の位相を同期して、送信装置から受信装置までの伝送路によって生じる線形クロストークであって、前記第2チャネルの信号の前記第1チャネルの信号に対する線形クロストークによる劣化量を測定または計算して、前記送信装置または前記受信装置において、前記線形クロストークによる劣化量を補償することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の波長多重伝送システムにおいて、前記第1チャネルと同じ光周波数の搬送波を、第2チャネルの送信データ系列により符号化を行い、さらに、第2チャネルの送信器から第1チャネルの受信器までの伝達特性を作用させた補償光を、送信装置または受信装置において、前記第1チャネルの信号に付加することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の波長多重伝送システムにおいて、前記補償光はさらに、第1チャネルの送信器から第1チャネルの受信器までの伝達特性の逆特性をかけた補償光を、送信器において、前記第1チャネルの信号に付加することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の波長多重伝送システムにおいて、前記第1チャネルの光周波数をω、第2チャネルの光周波数をω+Δω、第2チャネルの送信器から第1チャネルの受信器までの伝達特性をH(ω−ω)とすると、前記第1チャネルと同じ光周波数の搬送波を、第2チャネルの送信データ系列により符号化を行った光信号に、さらに、伝達特性H(ω−ω+Δω)を作用させた補償光を、送信装置または受信装置において、前記第1チャネルの信号に付加することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の波長多重伝送システムであって、前記第1チャネルの光周波数をω、第2チャネルの光周波数をω+Δω、第2チャネルの送信器から第1チャネルの受信器までの伝達特性をH(ω−ω)とすると、前記第1チャネルと同じ光周波数の搬送波を、第2チャネルの送信データ系列に、さらに、伝達特性H(ω−ω+Δω)を作用させた電気信号を用いて変調を行い、補償光を発生させ、送信装置または受信装置において、前記第1チャネルの信号に加えることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の波長多重伝送システムにおいて、前記電気信号に、さらに第1チャネルの送信データ系列を加えた第2の電気信号を用いて、第1チャネルの搬送波の変調を行うことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の波長多重伝送システムにおいて、前記受信装置は、チャネル間隔の2倍の自由スペクトル間隔を有するマッハツェンダ遅延干渉計であって、波長多重信号光を奇数チャネルと偶数チャネルを分波するマッハツェンダ遅延干渉計と、前記分波された奇数チャネルまたは偶数チャネルから1つのチャネルを切り出すバンドパスフィルタとを備え、前記補償される線形クロストークによる劣化量は、前記切り出された1つのチャネルの隣接チャネルの信号による線形クロストークによる劣量であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の波長多重伝送システムにおいて、前記受信装置は、チャネル間隔の2倍の自由スペクトル間隔を有するマッハツェンダ遅延干渉計であって、波長多重信号光を奇数チャネルと偶数チャネルに分波するマッハツェンダ遅延干渉計と、前記分波された奇数チャネルまたは偶数チャネルから1つのチャネルを切り出すバンドパスフィルタとを備え、前記補償される線形クロストークによる劣化量は、前記切り出した1つのチャネルが奇数チャネルである場合は、奇数チャネルのなかで前記1つのチャネルに隣接するチャネルの信号による線形クロストークによる劣化量であり、前記切り出した1つのチャネルが偶数チャネルである場合は、偶数チャネルのなかで前記1つのチャネルに隣接するチャネルの信号による線形クロストークによる劣化量であることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれかに記載の波長多重伝送システムに用いられる送信装置であることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1から8のいずれかに記載の波長多重伝送システムに用いられる受信装置であることを特徴とする。
また、請求項1に記載の発明は、波長多重伝送システムにおける方法であって、第1チャネルと前記第1チャネルの隣接チャネルである第2チャネルの搬送波の位相を同期することと、送信装置から受信装置までの伝送路によって生じる線形クロストークであって、前記第2チャネルの信号が前記第1チャネルの信号に対する線形クロストークによる化量を推測することと、送信装置または受信装置において、前記線形クロストークによる劣化量を補償することとを備えることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
WDM伝送システムにおいて、送信装置側では、周波数(波長)の異なる搬送波に異なる送信データ系列をのせ、これら光信号を合波して送信する。受信装置側では、透過帯域の中心波長が各チャネルの中心波長に一致する波長分離フィルタを用いて、合波されたWDM信号を分波して、各チャネルの光信号を個別に受信する。このとき、各チャネルの波長(周波数)間隔が送信データ系列のビットレートの数倍程度にまで小さくなると、波長分離フィルタにおいて、隣接チャネルの光信号が充分に抑圧されず、隣接チャネルの光電界が混入する。そこで、本発明の第1の実施例においては、WDM伝送路の伝達行列の逆行列、もしくはそれに類する補償行列を求め、この逆行列を送信光信号に作用させることで、受信端において隣接チャネルからの光電界の混入による影響を低減する。
図1に、本発明の第1の実施例に係るWDM伝送システムの構成例を示す。このWDM伝送システムは、WDM信号を送信する送信装置110と、WDM信号を伝搬する伝送路120と、WDM信号を受信する受信装置130とから構成されている。送信装置110は、位相が同期した搬送波を発生する位相同期多波長光源112と、搬送波を変調信号で変調するM個の光変調器114−1〜Mと、WDM伝送路の伝達関数の逆関数から各チャネルの送信データ系列について変調信号を生成する擬似逆伝達演算部116と、光変調器からの変調された光信号を合波する波長多重化器118とを備えている。受信装置130は、伝送路からのWDM信号を各チャネルの波長ごとに分離する波長分離フィルタ132と、波長分離した光信号を受信するM個の光受信器134−1〜Mとを備えている。
ここで、位相同期多波長光源から出力される光の各波長はその位相が同期(すなわち、搬送波の光位相が同期)しているが、これは、ある波長の光位相と別の波長の光位相との差が一定の速度で安定にシフトし、光位相が一致するタイミングが一定周期となっていることを意味する。つまり、光周波数がfHzおよびfHzである光に対して、1/(f−f)sec周期で2つの光位相が一致することを意味する。別の言い方をすると、異なる波長の光を光受信器で受光すると、2つの光周波数の差で振動する光電流成分(ビート信号)が発生する。このビート信号の周波数および位相が安定である状態を各波長の光位相が同期している状態と呼ぶ。
このような光位相が同期した状態を生成する方法としては、周波数安定度が高くコヒーレンス性の良い単一波長の光源から他の波長の光を生成する方法が挙げられる。単一波長の光を単一周波数で変調することにより他の波長を生成したり、あるいは、非線形光学効果によって他の波長を生成したりすることにより、光位相が同期した多波長の光を得ることができる。
図1に示すWDM伝送システムは、M個のチャネルを有しており、周波数の低いチャネルから順にチャネル番号を付することにする。この場合、あるチャネルkの光電界は、その送信データ系列dk,n(nはビット番号)に依存した包絡線関数E(t,dk,n)を用いてE(t,dk,n)exp[iωt]で表される。ここで、チャネルkの搬送波の光角周波数をω=ω+kΔω、チャネルkの送信データ系列をdk,nとする。これをフーリエ変換すると、周波数スペクトルε(ω−ω)は次式で表される。
Figure 0004891016
図1に示すように、各チャネルに対して定義できるこの光電界を周波数(波長)多重して伝送した後に、分波して受信する。送信装置110のkチャネル目のポートから受信装置130のlチャネル目のポートへの伝達特性は、Hl,k(ω−ω)で表現される。各チャネルの受信電界E’(ω−ω)は、次の行列式で表される。
Figure 0004891016
ここで、連続関数としてフーリエ変換されたある光電界スペクトルF(ω)を、逆フーリエ変換した上で時間間隔ΔTでサンプリングして、再度フーリエ変換する過程を考える。逆フーリエして得られる時間関数f(t)は次式で表される。
Figure 0004891016
この時間関数が時間間隔ΔTでサンプリングされた後にフーリエ変換された関数F(ω)は次式で表現される。
Figure 0004891016
ここで、積分記号内のF(ω’)以外の部分D(ω’−ω)について検討する。D(ω’−ω)は、4π/ΔTの周期関数となるため、−2π/ΔT<ω’−ω≦+2π/ΔTの範囲のみに焦点を絞る。
Figure 0004891016
最初に、2π/ΔT<ω’−ω≦0の範囲に注目すると、分子は4π/(2N+1)ΔTの周期の振幅1の振動関数であり、次の不等式が成立する。
Figure 0004891016
したがって、D(ω’−ω)の振幅は、ω’−ωの反比例関数となり、ω’−ω=0近傍では分母がゼロになる特異点となり、式(5)の不等式の右辺は無限大に発散するが、それ以外では、ω’−ω=0近傍での値以下の有限値となる。ω’−ω=0での極限値を式(4)に戻って求めると、次式のようになる。
Figure 0004891016
一方、0<ω’−ω≦+2π/ΔTの範囲では、次式のように変形できる。
Figure 0004891016
上記の議論と同様にして、ω’−ω=2π/ΔTにて特異点となり、その極限は、Nを無限大としたときの(2N+1)で与えられ、それ以外ではその極限値以下の振幅となる。以上からD(ω’−ω)は、周期2π/ΔTのデルタ関数として扱えることが分かる。
Figure 0004891016
これを式(3)に代入すると、次式が得られる。
Figure 0004891016
以上の議論より、あるスペクトルF(ω)の光電界が与えられた際に、これを時間領域で時間間隔ΔTでサンプリングして求めたフーリエスペクトルF(ω)は、F(ω)を2π/ΔTで繰り返した関数となることが分かる。
以下では、式(2)で表されるWDM伝送システムの周波数特性によるクロストークを補償する送信符号化法を示す。デジタル通信においては、受信端で観測されるビットの中心での値が、送信端から送信された値に等しいことが望まれるため、伝達行列が表す隣接クロストークの影響を受信端で抑圧されていることが望ましい。ここで示す方法の概要は、式(2)に示される行列H(ω)の逆行列を送信スペクトルベクトルに乗じたものを伝送することにある。しかし、そのままではチャネルkの送信端ポートから入力する光信号がω以外の周波数を含むことになってしまうため、現実に則していない。そこで、受信信号のビット中心でサンプリングされた値において、隣接チャネルからのクロストークが補償されていればよいことに注目し、サンプリングされた関数の特徴である2π/ΔTの周期関数になることを利用すると、チャネルkの送信端ポートから入力される光信号を周波数ωの信号のみによってクロストークを補償する方法が導出される。以下ではそれを示す。式(2)をビットの中心でサンプリングして得られる各チャネルのフーリエ変換Fs,k(ω−ω)は、Δω=2π/ΔTの周期関数になるため、次式のように変形することができる。ただし、ここでは、シンボルレート(サンプリングレート)とチャネル間周波数間隔が等しいことを仮定する。
Figure 0004891016
ここで、式(10)の行列をHとする。この式(10)における各チャネルの光電界スペクトルのベクトルは、全てωを中心に分布するスペクトルを有するため、このベクトルにHの逆行列、もしくはそれに類する補償行列Hを乗じたベクトルもωを中心とする光電界となる。
各チャネルの送信光電界スペクトルのベクトルに、Hを作用させたものを補償後の送信信号電界とすると、チャネルkのこの送信電界をチャネルkの送信側ポートから入力した際に、チャネルkの受信側ポートから出力される光電界は、式(10)の行列式Hを作用させて得られる電界となり、HとHが相殺してクロストークが補償されることが分かる。
ここで、Hとして逆行列を乗じて生成した補償送信ベクトルは理想の補償解であるが、現実的な送信信号光とならない可能性がある。なぜなら、隣接チャネルからのクロストークを補償するだけでなく、自身の分波フィルタ特性による波形歪をも補償することになるからである。従って、クロストークによる波形変化の補償のみを対象として補償行列Hを生成し、元の送信信号光に乗じて補償信号光を生成する場合も考えられる。クロストークのみの補償を目的とした補償行列Hとしては、例えば、H・HがHk,k(ω−ω)をk行k列の対角成分とし、対角線上の成分以外が全て0である対角行列となるようなHがあげられる。つまり、HにHを作用させた際に、対角線上の成分以外が全て0である特徴が、クロストークの補償を実現する上で必要となる。Hを作用させた生成したkチャネル目の補償送信信号光をETx,k(ω−ω)とすると、次式で示される。
Figure 0004891016
ここで、式(11)の全てのチャネルの送信光はωを中心に分布しており、このままではWDM信号光の送信信号ではない。なぜなら、その送信信号光の周波数分布はωを中心に分布している必要があるためである。そこで、サンプリング関数のフーリエスペクトルの特徴であるΔω=2π/ΔTの周期性を利用して、スペクトルがωを中心に分布するように式(11)を変形する。式(11)の送信信号光のあるあるチャネルk成分ETx−C,k(ω−ω)に注目すると、スペクトルがωを中心に分布するように、kΔωだけシフトさせる。したがって、次式のように表される。
Figure 0004891016
ただし、H(H11(ω−ω),・・・・・)は逆伝達関数行列Hの補償行列を表す。また、式(12)への変形では送信電界ベクトルのkチャネル成分をkΔωだけシフトさせたため、これに伴い作用する式(10)の伝達行列Hのk列目もkΔωだけシフトさせる必要がある。シフトさせた伝達行列式、補償送信信号光を用いて、受信信号光は次式で表される。
Figure 0004891016
式(12)で表される補償送信信号光を送信すれば、伝達行列が掛けられて得られるスペクトルが受信端ポートから出力され、サンプリングポイントであるビットの中心での値においては隣接チャネルからのクロストークが補償される。
実際には、光電変換した後にサンプリングされるが、そのサンプリングにおける電気帯域は光電変換や閾値判定回路によって制限されるため、サンプリングした際にはある応答関数で畳み込み積分した値が出力される。従って、その分を加味して、式(12)で表される補償方式を補正する必要がある可能性がある。
また、ここでは、データのシンボルレートとチャネル搬送波間の周波数差が等しい場合で説明したが、両者が逓倍の関係にあっても同様の説明が可能である。チャネル間隔がシンボルレートのA倍の場合には、式(10)から式(13)のΔωをAΔωで置換すればよい。また、逓倍の関係でない場合でも、チャネル間隔の逓倍からのずれを一定の位相回転として式(1)で定義される光電界包絡線E(t,dk,n)に含ませることで、上記の説明が適用できるため、補償法としては式(12)に示すものとなる。この際には、一定の位相回転をE(t,dk,n)に含ませたことで、各チャネルのスペクトルE(ω−ω)が上記とは異なり、逆伝達演算が複雑になる。
図1に構成を示す逆伝達演算部116では、式(12)に基づいて各波長の搬送波を変調するための変調器駆動波形を生成する。
また、受信端に入力される信号光をチャネルの周波数間隔Δωの電気信号で変調することで、隣接チャネルの信号光の搬送波光周波数をチャネル間隔Δωだけシフトさせた信号光を発生させることができる。隣接チャネルから自信チャネルへの伝達特性による時間波形の変化が小さい場合、この周波数シフト信号光を補償光として用いることもできる。また、さらに隣接チャネルから自信チャネルへの伝達特性で隣接チャネル信号光の包絡線が受ける波形変化を再現するような光フィルタを用いれば、所望の補償光をえることができる。また、これと同様な処理は、受光器で光電気変換して電気信号に変換した後に、アナログ電気信号処理回路、デジタル電気信号処理回路を用いて電気的に行うことも可能である。
また、隣接するチャネルの搬送波光位相を同期させることを前提としているが、同期によって波形劣化を決定論的にすることが目的である。従って、非同期の場合においても隣接するチャネルの搬送波位相関係を検出する機能を設けることで、位相関係を元に波形劣化を推測できるので、非同期の場合でも補償することも可能である。
本発明の第2の実施例においては、光信号として補償光を生成する。この補償光を送信光信号または受信光信号に付加することにより、隣接チャネルからの光電界の混入による影響を低減することができる。
図2に、本発明の第2の実施例に係るWDM伝送システムの模式図を示す。図2は、図1とは異なり、WDM伝送システムにおける信号に着目して必要な機能を表現した模式図である。したがって、本実施例を説明する上で必要のない構成要素または機能は省略している。図2に示すように、本実施例に係るWDM伝送システムは、各チャネルの送信光信号を出力する送信器211−1〜Mと、各チャネルの送信光信号に補償光を付加する加算器213−1〜Mと、各チャネルの光信号を波長多重したWDM信号を伝搬するWDM伝送路220と、WDM信号を各チャネルの光信号に波長分離して受信する受信器234−1〜Mとを備えている。
各送信器は、所定の搬送波を送信データ系列で変調した送信光信号を出力する。各加算器は、送信光信号に以下で説明する補償光を加算する。補償光が加算された送信光信号は、WDM伝送路を介してWDM信号として伝送される。各受信器は、WDM伝送路からのWDM信号をチャネルごとに波長分離して受信する。
ここで、あるチャネルkの受信器で受信される光信号として、自チャネルの光信号電界をE(t)、隣接チャネルからのクロストークによる光信号電界をΔE(t)とする。WDMのチャネル間隔をΔωとし、簡単のため、隣接チャネルの一方からのクロストークのみを想定する。
ここで、チャネルkの送信器の光信号出力を、搬送波の光角周波数ωとしてE(t,d)exp[iωt+φ]、チャネルk+1の送信器の光信号出力を、搬送波の光角周波数ω+ΔωとしてEk+1(t,dk+1)exp[i(ω+Δω)t+φk+1]とする。また、チャネルkの送信器からチャネルkの受信器までの自チャネルの伝達特性(伝達関数)をH(ω−ω)とし、チャネルk+1の送信器からチャネルkの受信器までの伝達特性をΔHXT(ω−ω)とする。チャネルkの送信光信号の光電界スペクトルは、フーリエ変換により次式で表される。
Figure 0004891016
また、チャネルkの受信端での光電界スペクトルは、次式のように表される。
Figure 0004891016
同様に、隣接チャネルk+1の送信光信号の光電界スペクトルは、次式で表される。
Figure 0004891016
ここで、隣接チャネルk+1の光信号が自チャネルkの受信器に入力されるまでに受ける、波長多重化器、WDM伝送路および波長分離フィルタなどのクロストーク成分の伝達関数をHxt(ω−ω)とすると、クロストーク成分の光電界スペクトルは、次式のようになる。
Figure 0004891016
さらに、チャネルkの受信器に次式で定義される補償光の光電界が入力されるとする。
Figure 0004891016
そうすると、チャネルkの受信器には、これらすべての光電界成分が入力されるため、式(15)、式(17)および式(18)を合計して、次式が得られる。
Figure 0004891016
式(19)を逆フーリエ変換して、時間の関数に変換すると、次式が得られる。
Figure 0004891016
この式は、チャネルkの搬送波の光電界振動を表しており、右辺の大括弧は光電界振動の包絡線を表している。この包絡線部分に注目すると、送信データ系列のシンボルレートとチャネルの周波数間隔が等しいときには、シンボルの時間間隔Δtは、Δt=Δω/2πを満たすため、データシンボルの中央における電界は、t=nΔtを代入して次式で表される。
Figure 0004891016
したがって、φk+1−θ=πを満たす場合には、式(21)の第2項がゼロとなり、あらゆる伝送路特性および波長多重化器/波長分離フィルタの特性に対して、クロストーク成分が補償されることが分かる。
図3に、式(18)に示した補償光を生成する方法の一例を示す。また、図4は、図3の各点でのスペクトルを示し、図4(a)は、図3のa点、図4(b)は、図3のb点、図4(c)は、図3のc点、図4(d)は、図3のd点、図4(e)は、図3のe点でのスペクトルをそれぞれ示している。
図3を参照して、チャネルkの搬送波が光変調器214aによりチャネルkの送信データ系列で変調される(図4(a))。また、チャネルkの搬送波は、光変調器214bにより隣接チャネルk+1の送信データ系列で変調され(図4(b))、さらに伝達特性演算部215でクロストークの包絡線が受ける特性と同様の特性を作用させ、補償光が生成される(図4(c))。ここで、伝達特性演算部215は、隣接チャネルk+1の光信号がチャネルkの受信器に入力されるまでに受ける伝達特性Hxt(ω−ω)をチャネル間隔Δω(=ωk+1−ω)だけ低周波数側にシフトした特性Hxt(ω−ω+Δω)を有している。このような特性は、予め測定しておくことができる。また、隣接チャネルからパイロット信号を送って、チャネルkの受信器に入力される信号光を測定することで伝達特性を推定できる。また、伝送路や合分波器の温度、応力などの状態によって、伝達特性が変化する可能性があり、その変化を伝送信号やパイロット信号の変化からモニタリングして、補償行列、補償光の生成部にフィードバックする方法もある。生成した補償光は、加算器213によりチャネルkの変調光信号と加算し(図4(d))、波長多重化器218を介して伝送路に送信する(図4(e))。このような構成により、図2に示す補償光を生成し、送信光信号と加算して伝送することができる。
また、図5に示すように、受信端で光電気変換される前に、クロストークとなる隣接チャネルの受信光電界をチャネル間の搬送波周波数間隔だけシフトさせて補償光とすることもでき、これを自チャネルの光信号電界に付加して、クロストーク成分を補償することもできる。
本発明の第2の実施例においては、自チャネルの伝達特性による影響を考慮していない。そこで、本発明の第3の実施例では、自チャネルの伝達特性の逆特性を補償光に作用させることにより、自チャネルの伝達特性を考慮した補償を可能にする。
図6に、本発明の第3の実施例に係るWDM伝送システムの模式図を示す。図6は、図2の構成に加えて、補償光に各チャネルの伝達特性の逆特性を作用させる逆伝達特性演算部314−1〜Mを備えている。逆伝達特性演算部314は、波長多重化器および波長分離フィルタを含むWDM伝送路の自チャネルの伝達特性H(ω−ω)の逆伝達特性H −1(ω−ω)を、そのチャネルの補償光と作用させる。この特性を作用させた補償光を送信光信号に付加することにより、受信端では、自チャネルの伝達特性による影響が補償され、受信端では式(18)のより理想的な光波形が入力されることになり、さらなる補償効果が期待できる。
本発明の第4の実施例では、マッハツェンダ変調器を利用して補償光を生成する。2つの光強度変調器が並列に集積された変調器や、強度変調器と位相変調器を直列配置した変調器では、光の同相成分と直交成分を独立に変調することができるため、任意の光電界振幅および位相波形を生成することができる。そこで、式(18)の光電界時間波形を逆フーリエ変換して、その時間波形を求めると次式のようになる。
Figure 0004891016
したがって、この時間波形を同相成分と直交成分に分解すると、次式のように表される。
Figure 0004891016
Figure 0004891016
ここで、H’xt(ω−ω)は、クロストーク成分に対する伝達関数Hxt(ω−ω)、自チャネルの逆伝達関数H−1(ω−ω)などの伝送路伝達特性であって、光領域で補償光を生成する際に用いた伝達特性を表す。この光領域の伝達特性を用いて、補償光の光波形は式(23)および式(24)で表される。
これら2式における搬送波の位相回転を除いた包絡線部分は実数であり、それぞれ同相成分および直交成分の光電界振幅を表している。そのため、補償光を生成するには、これら同相成分および直交成分を、位相差90度の光路長差を有して並置される2つの光強度変調器のそれぞれに入力し、自チャネルの搬送波を変調する。
図7に、このような2つの光強度変調器が並列に配置された集積型変調器を用いて補償光を生成するための構成例を示す。図に示すように、2つの変調器413aおよび413bに式(23)および式(24)の包絡線の波形を入力して、自チャネルの搬送波光信号を変調し、90度の位相差で足し合わせることによって、補償光を生成することができる。また、H’XT(ω)は、角周波数ω=0を中心に分布する関数であるため、式(23)、式(24)が示す包絡線はチャネル間隔、または、その倍程度の周波数成分を有する。このよな帯域の電気信号は生成可能であり、補償光を生成する際に必要な光信号処理を電気信号のアナログ、デジタル演算によっても実現できる。これにより生成された電気信号で変調器を駆動すれば、所望の補償光が直接生成される。
また、本実施例において、2つの変調器413aおよび413bへの変調入力信号に対して、実施例3のように、自チャネルの伝達特性の逆特性を作用させて、自チャネルの伝達特性を考慮した補償光を生成するようにしてもよい。ここでは、補償光のみを電気信号処理で生成する方法を説明したが、補償光と主信号を加えた最終的な送信信号光を生成する際にも、電気信号処理による実現が可能である。実施例1の式(12)で示されるような補償後の信号光は、主信号と補償光の両方を含む形で表現されている。このような光信号であっても、実施例4の式(22)、式(23)、(24)に示したように、時間波形に戻した後に、光の同相成分と直交成分に分解することができるため、式(12)に含まれる伝達関数Hk,l(ω)を用いて電気信号処理が記述されるからである。同相成分、直交成分の振幅は、式(23)、式(24)のような形式で与えられ、これを用いて2つの変調器を駆動することで、補償後の送信波形を直接生成することが可能である。
また、以上では、変調器に入力した駆動電圧に線形に比例した振幅の光信号が出力されることを想定したが、非線形な応答を示す場合には、その特性をあらかじめ考慮して駆動波形を生成する必要がある。
チャネル間の周波数間隔とビットレートが同程度まで近接している場合であっても、受信端でWDM光信号を波長分離する際に、1ビット遅延マッハツェンダ干渉計を作用させると、自チャネルのスペクトル広がりに比較して、透過帯域が狭いにも関わらず、その波形劣化を抑えながらも、隣接チャネルの光電界を除去できるので、隣接チャネルによるビート信号を抑えることができる。このような構成を図8に示す。
遅延マッハツェンダ干渉計531の後にバンドパスフィルタ(BPF)や波長分離フィルタ132a,132bなどを用いて、さらにチャネルごとに分波する。この後段のチャネルごとに分波するためのフィルタ幅には、最適値がある。
図9は、図8の構成におけるフィルタ幅と受信光信号の品質(Q値)の関係を示すグラフである。これは、チャネル間隔12.5GHz、ビットレート12.5Gbpsの遅延四値位相変調(DQPSK)信号を受信した場合の結果である。チャネル1の受信光信号の品質について、チャネル2をOFFとし、チャネル3をONにした場合(黒い丸のプロット)と、チャネル2をONとし、チャネル3をOFFにした場合(黒い四角のプロット)とが示されている。ここで、チャネル2は、チャネル1から1チャネル分だけ離れた隣接チャネルであり、チャネル3は、チャネル1から2チャネル分だけ離れた隣接チャネルである。チャネル2およびチャネル3の両方をONにした場合の最適点は、両プロットの交差近辺にBPF幅の最適点があると考えられる。交差する点のBPF幅から少しずれてはいるが、チャネル2、チャネル3の両方がONの場合のQ値の計算結果を三角印で示した。
本実施例は、上述した第1から第4の実施例のいずれと組み合わせることができる。すなわち、図10に示すように、受信端で遅延マッハツェンダ干渉計531を前置し、波長分離フィルタ132a,132bを介して、各チャネルの受信光信号を各受信器134で受信するように構成することができる。
具体例として、図11に、光フィルタを用いて補償光を生成し、自チャネルの送信光信号に付加する送信装置と遅延マッハツェンダ干渉計をWDM分波部に有する受信装置とを組み合わせたWDM伝送システムの構成例を示す。ここで、チャネルkの送信光信号に着目して説明する。波長λの搬送波が、光変調器514−kによりチャネルkの送信データ系列で変調される一方、波長λの搬送波は、光変調器514a−kおよび514b−kによりそれぞれ隣接チャネルk−1およびk+1の送信データ系列で変調される。隣接チャネルの送信データ系列で変調された光信号は、所望の補償光となるようにそれぞれ光フィルタ517a,517bで処理され、波長多重化器118によりチャネルkの送信データ系列で送信された光信号と合波されて、伝送路120を介して受信装置130に送信される。受信端において、受信したWDM光信号は遅延マッハツェンダ干渉計531を介して奇数チャネルと偶数チャネルに分離され、BPF533によりさらにチャネルごとの受信光信号に分離される。
ここでは、光フィルタを用いて光信号処理によって補償光を生成する場合に、遅延マッハツェンダ干渉計を有する受信装置を使う実施例を説明したが、電気信号処理によって補償光を生成する場合や、電気信号処理によって補償後の送信波形を直接生成する方法など、実施例1から実施例4までに示した全ての補償信号生成法と組み合わせて利用できる。
図12に、このWDM伝送システムにおけるチャネルk+1からチャネルkに混入するクロストークを補償するための補償光生成方法を示す。図12(a)の中塗りの半楕円で示した図形はチャネルk+1のデータでチャネルkの搬送波を変調した信号光のスペクトルであり、これに実線と点線で示した補償光を生成するための光フィルタを作用させて、補償光を生成する。破線はBPF、実線は遅延マッハツェンダ干渉計のフィルタリング波形である。図12(b)は、チャネルkの補償光を遅延マッハツェンダ干渉計およびBPFによる処理後の補償光のスペクトル波形を示している。この場合、この補償光は、受信端において隣接チャネルから混入する光信号と逆位相で足しあわされて、隣接チャネルからの混入光信号の影響を低減する。
図13に、この構成例における補償効果の計算結果の一例を示す。この結果は、チャネル間隔12.5GHz、ビットレート12.5Gbpsの遅延四値位相変調(DQPSK)信号を受信した場合において、BPFの透過幅を横軸にとり、受信信号品質(Q値)を計算したものである。チャネル1の受信光信号の品質について、チャネル2をOFFとし、チャネル3をONにした場合(黒い丸のプロット)と、チャネル2をONとし、チャネル3をOFFにした場合(黒い四角のプロット)とが示されている。ここで、チャネル2は、チャネル1から1チャネル分だけ離れた隣接チャネルであり、チャネル3は、チャネル1から2チャネル分だけ離れた隣接チャネルである。チャネル2およびチャネル3の両方をONにした場合の最適点は、両プロットの交差近辺にBPF幅の最適点があると考えられ、このときのQ値は、14dB程度である。
一方、グレーの丸い点は、BPF幅をビットレートの2倍程度に設定し、図11で示した方法で補償光を生成して主信号に付加し、隣接チャネルからのクロストークを補償した場合の値を示している。この場合、隣接チャネルであるチャネル2および3の両方がONの場合でもQ値が16〜17dB程度まで向上しており、補償による効果を確認することができた。
以上、本発明について、具体的にいくつかの実施例について説明したが、本発明の原理を適用できる多くの実施可能な形態に鑑みて、ここに記載した実施例は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、本発明の実施例は、強度変調や磯変調などに関わらず任意の変調方式に適用することができる。このように、ここに例示した実施例は、本発明の趣旨から逸脱することなくその構成と詳細を変更することができる。さらに、説明のための構成要素および手順は、本発明の趣旨から逸脱することなく変更、補足、またはその順序を変えてもよい。
本発明の第1の実施例に係るWDM伝送システムの構成例を示す模式図である。 本発明の第2の実施例に係るWDM伝送システムの一例を示す模式図である。 本発明の第2の実施例に係るWDM伝送システムの受信装置の構成例を示す模式図である。 図3の構成例における各点でのスペクトルを示す図である。 本発明の第2の実施例に係るWDM伝送システムの別の例を示す模式図である。 本発明の第3の実施例に係るWDM伝送システムの一例を示す模式図である。 本発明の第4の実施例に係るWDM伝送システムにおいてマッハツェンダ変調器を利用して補償光を生成する構成例を示す模式図である。 本発明の第5の実施例に係るWDM伝送システムの構成例を示す模式図である。 図8の構成例におけるフィルタ幅と受信光信号品質(Q値)の関係を示すグラフである。 本発明の第5の実施例に係るWDM伝送システムの受信装置の構成例を示す模式図である。 本発明の第5の実施例と他の実施例を組み合わせて構成したWDM伝送システムの一例を示す模式図である。 図11の構成例における各点でのスペクトルを示す図である。 図13の構成例におけるフィルタ幅と受信光信号品質(Q値)の関係を示すグラフである。
符号の説明
110 送信装置
112 位相同期多波長光源
114 光変調器
116 擬似逆伝達演算部
118 波長多重化器
120 伝送路
130 受信装置
132 波長分離フィルタ
134 受信器
211 送信器
213 加算器
214 光変調器
215 伝達特性演算部
218 波長多重化器
220 伝送路
233 加算器
234 受信器
314 逆伝達特性演算部
413 変調器
514 変調器
517 光フィルタ
531 遅延マッハツェンダ干渉計

Claims (11)

  1. 波長多重伝送システムにおいて、
    第1チャネルと前記第1チャネルの隣接チャネルである第2チャネルの搬送波の位相を同期して、送信装置から受信装置までの伝送路によって生じる線形クロストークであって、前記第2チャネルの信号の前記第1チャネルの信号に対する線形クロストークによる劣化量を測定または計算して、前記送信装置または前記受信装置において、前記線形クロストークによる劣化量を補償することを特徴とする波長多重伝送システム。
  2. 請求項1に記載の波長多重伝送システムにおいて、
    前記第1チャネルと同じ光周波数の搬送波を、第2チャネルの送信データ系列により符号化を行い、さらに、第2チャネルの送信器から第1チャネルの受信器までの伝達特性を作用させた補償光を、送信装置または受信装置において、前記第1チャネルの信号に付加することを特徴とする波長多重伝送システム。
  3. 請求項2に記載の波長多重伝送システムにおいて、
    前記補償光はさらに、第1チャネルの送信器から第1チャネルの受信器までの伝達特性の逆特性をかけた補償光を、送信器において、前記第1チャネルの信号に付加することを特徴とする波長多重伝送システム。
  4. 請求項1または2に記載の波長多重伝送システムにおいて、
    前記第1チャネルの光周波数をω、第2チャネルの光周波数をω+Δω、第2チャネルの送信器から第1チャネルの受信器までの伝達特性をH(ω−ω)とすると、前記第1チャネルと同じ光周波数の搬送波を、第2チャネルの送信データ系列により符号化を行った光信号に、さらに、伝達特性H(ω−ω+Δω)を作用させた補償光を、送信装置または受信装置において、前記第1チャネルの信号に付加することを特徴とする波長多重伝送システム。
  5. 請求項1または2に記載の波長多重伝送システムであって、
    前記第1チャネルの光周波数をω、第2チャネルの光周波数をω+Δω、第2チャネルの送信器から第1チャネルの受信器までの伝達特性をH(ω−ω)とすると、前記第1チャネルと同じ光周波数の搬送波を、第2チャネルの送信データ系列に、さらに、伝達特性H(ω−ω+Δω)を作用させた電気信号を用いて変調を行い、補償光を発生させ、送信装置または受信装置において、前記第1チャネルの信号に加えることを特徴とする波長多重伝送システム。
  6. 請求項5に記載の波長多重伝送システムにおいて、
    前記電気信号に、さらに第1チャネルの送信データ系列を加えた第2の電気信号を用いて、第1チャネルの搬送波の変調を行うことを特徴とする波長多重伝送システム。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の波長多重伝送システムにおいて、
    前記受信装置は、
    チャネル間隔の2倍の自由スペクトル間隔を有するマッハツェンダ遅延干渉計であって、波長多重信号光を奇数チャネルと偶数チャネルに分波するマッハツェンダ遅延干渉計と、
    前記分波された奇数チャネルまたは偶数チャネルから1つのチャネルを切り出すバンドパスフィルタとを備え、
    前記補償される線形クロストークによる劣化量は、前記切り出された1つのチャネルの隣接チャネルの信号による線形クロストークによる劣量であることを特徴とする波長多重伝送システム。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の波長多重伝送システムにおいて、
    前記受信装置は、
    チャネル間隔の2倍の自由スペクトル間隔を有するマッハツェンダ遅延干渉計であって、波長多重信号光を奇数チャネルと偶数チャネルに分波するマッハツェンダ遅延干渉計と、
    前記分波された奇数チャネルまたは偶数チャネルから1つのチャネルを切り出すバンドパスフィルタとを備え、
    前記補償される線形クロストークによる劣化量は、
    前記切り出した1つのチャネルが奇数チャネルである場合は、奇数チャネルのなかで前記1つのチャネルに隣接するチャネルの信号による線形クロストークによる劣化量であり、
    前記切り出した1つのチャネルが偶数チャネルである場合は、偶数チャネルのなかで前記1つのチャネルに隣接するチャネルの信号による線形クロストークによる劣化量であることを特徴とする波長多重伝送システム。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の波長多重伝送システムに用いられる送信装置。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載の波長多重伝送システムに用いられる受信装置。
  11. 波長多重伝送システムにおける方法であって、
    第1チャネルと前記第1チャネルの隣接チャネルである第2チャネルの搬送波の位相を同期することと、
    送信装置から受信装置までの伝送路によって生じる線形クロストークであって、前記第2チャネルの信号の前記第1チャネルの信号に対する線形クロストークによる劣化量を測定または計算することと、
    送信装置または受信装置において、前記線形クロストークによる劣化量を補償することと
    を備えることを特徴とする方法。
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