以下、本発明に係る表面処理装置の一実施の形態を、図1〜図3の図面を参照して説明する。
表面処理装置1は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に用いられる現像ローラや帯電ローラなどの円筒状の加工対象物2(図1に示す)の外表面を粗面化する装置である。加工対象物2の外径は、17mm〜18mm程度であるのが望ましい。加工対象物2の軸芯P方向の長さは、300mm〜350mm程度であるのが望ましい。
表面処理装置1は、図1に示すように、ベース3と、固定保持部4と、移動手段としての電磁コイル移動部5と、移動保持部6と、移動チャック部7と、磁場発生手段としての電磁コイル8と、収容槽9と、回収部10と、冷却部11と、検出手段としてのリニアエンコーダ75と、制御手段としての制御装置76と、回転速度制御手段の第2磁場発生手段としての第2電磁コイル80a,80bと、を備えている。
ベース3は、平板状に形成されて、工場のフロアやテーブル上等に設置される。ベース3の上面は、水平方向と平行に保たれる。ベース3の平面形状は、矩形状に形成されている。
固定保持部4は、ベース3の長手方向(以下、矢印Xで示す)の一端部から立設した複数の支柱12と、保持ベース13と、立設ブラケット14と、円筒保持部材15と、保持チャック16と、を備えている。
保持ベース13は、平板状に形成され、支柱12の上端に取り付けられている。立設ブラケット14は、平板状に形成され、保持ベース13から立設している。円筒保持部材15は、円筒状に形成され、立設ブラケット14と保持ベース13とに取り付けられている。円筒保持部材15は、その軸芯が水平方向と矢印Xとの双方と平行な状態でかつ前記立設ブラケット14よりベース3の中央部寄りに配置されている。円筒保持部材15は、内側に収容槽9の後述する一端部9aに取り付けられた後述するフランジ部材51b,51c,51d(即ち一端部9a)を収容する。
保持チャック16は、前述した円筒保持部材15即ち保持ベース13の近傍に配され、前述したベース3に取り付けられている。保持チャック16は、円筒保持部材15内に一端部9aが収容された収容槽9をチャックして、該収容槽9の一端部9aを保持する。前述した構成の固定保持部4は、収容槽9の一端部9aを保持する。
電磁コイル移動部5は、一対のリニアガイド17と、電磁コイル保持ベース18と、電
磁コイル移動用アクチュエータ19と、を備えている。リニアガイド17は、レール20と、スライダ21とを備えている。レール20は、ベース3上に設置されている。レール20は、直線状に形成されているとともに、その長手方向がベース3の長手方向即ち矢印Xと平行に配されている。スライダ21は、レール20に該レール20の長手方向即ち矢印Xに沿って移動自在に支持されている。一対のリニアガイド17は、レール20がベース3の幅方向(以下、矢印Yで示す)に沿って互いに間隔をあけて配されている。なお、矢印Xと矢印Yとは、勿論、互いに直交しているとともに、それぞれ水平方向と平行である。
電磁コイル保持ベース18は、平板状に形成され、前述したスライダ21上に取り付けられている。電磁コイル保持ベース18の上面は、水平方向と平行に配されている。電磁コイル保持ベース18は、電磁コイル8と該電磁コイル8の両側に位置する一対の第2電磁コイル80a,80bを表面上に設置する。電磁コイル移動用アクチュエータ19は、ベース3に取り付けられているとともに、前述した電磁コイル保持ベース18を矢印Xに沿って、スライド移動させる。
前述した電磁コイル移動部5は、電磁コイル移動用アクチュエータ19により電磁コイル保持ベース18即ち電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bを矢印Yに沿ってスライド移動させる。また、電磁コイル移動部5による電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bの移動速度は、0mm/秒〜300mm/秒の間で変更可能である。さらに、電磁コイル移動部5の電磁コイル8の移動範囲は、500mm程度である。
移動保持部6は、一対のリニアガイド22と、保持ベース23と、第1アクチュエータ24と、第2アクチュエータ25と、移動ベース26と、軸受け回転部27と、保持チャック28と、を備えている。
リニアガイド22は、レール29と、スライダ30とを備えている。レール29は、ベース3上に設置されている。レール29は、直線状に形成されているとともに、その長手方向が矢印X即ちベース3の長手方向と平行に配されている。スライダ30は、レール29に該レール29の長手方向即ち矢印Xに沿って移動自在に支持されている。一対のリニアガイド22は、レール29が矢印Y即ちベース3の幅方向に沿って互いに間隔をあけて配されている。
保持ベース23は、平板状に形成され、前述したスライダ30上に取り付けられている。保持ベース23の上面は、水平方向と平行に配されている。第1アクチュエータ24は、ベース3に取り付けられているとともに、前述した保持ベース23を矢印Xに沿って、スライド移動させる。
第2アクチュエータ25は、保持ベース23に取り付けられているとともに、移動ベース26を矢印Yに沿って、スライド移動させる。移動ベース26は、平板状に形成され、その上面が水平方向と平行に配されている。
軸受け回転部27は、一対の軸受31と、芯軸としての中空保持部材32と、チャック用シリンダ34とを備えている。一対の軸受31は、矢印Xに沿って、互いに間隔をあけて配置されているとともに、移動ベース26上に設置されている。中空保持部材32は、磁性材料で構成され、かつ円筒状に形成されているとともに、前述した軸受31により軸芯回りに回転自在に支持されている。中空保持部材32は、その軸芯が前述した矢印X即ち固定保持部4の円筒保持部材15の軸芯と平行に配置されている。中空保持部材32は、一端部32aが収容槽9内に位置するように移動ベース26上から固定保持部4に向かって突出した格好で、かつ、他端部32cが移動ベース26上に位置した状態に配されている。中空保持部材32は、図2に示すように、加工対象物2内に通される。
チャック用シリンダ34は、移動ベース26に設置されたシリンダ本体38と、該シリンダ本体38にスライド自在に設けられたチャック軸39とを備えている。チャック軸39は、円柱状に形成されその長手方向が矢印Xと平行に配されている。チャック軸39は、中空保持部材32内に収容されているとともに、該中空保持部材32と同軸に配置されている。チャック軸39には、一対のチャック爪が複数取り付けられている。
前述したチャック用シリンダ34は、チャック軸39がシリンダ本体38に縮小することで、チャック爪をよりチャック軸39の外周方向に突出させて、該チャック爪40を中空保持部材32の外周に取り付けられた加工対象物2の内周面に押圧させて、チャック軸39と中空保持部材32と加工対象物2とを固定する。このとき、勿論、チャック軸39と中空保持部材32と加工対象物2と後述の円筒部材50即ち収容槽9は、同軸になる。
前述したチャック用シリンダ34とチャック爪は、中空保持部材32と収容槽9と同軸となるように加工対象物2を保持する。即ち、チャック用シリンダ34とチャック爪は、加工対象物2を収容槽9の中心に保持する。前述したチャック用シリンダ34とチャック爪40と、中空保持部材32とは、特許請求の範囲に記載された保持手段をなしている。
保持チャック28は、前述した移動ベース26上に設置されている。保持チャック28は、収容槽9の他端部9bに取り付けられた後述のフランジ部材51aをチャックして、該収容槽9の他端部9bを保持する。保持チャック28は、収容槽9がその軸芯回りに回転することを規制する。
前述した構成の移動保持部6は、保持チャック28及び中空保持部材32などをアクチュエータ24,25により互いに直交する矢印X,Yに沿って移動させる。即ち、移動保持部6は、保持チャック28で保持した収容槽9を矢印X,Yに沿って移動させる。
移動チャック部7は、保持ベース41と、リニアガイド42と、保持チャック43とを備えている。保持ベース41は、リニアガイド22のレール29の固定保持部4寄りの端部に固定されている。保持ベース41は、平板状に形成され、その上面が水平方向と平行に配されている。
リニアガイド42は、レール44と、スライダ45とを備えている。レール44は、保持ベース41上に設置されている。レール44は、直線状に形成されているとともに、その長手方向が矢印Y即ちベース3の幅方向と平行に配されている。スライダ45は、レール44に該レール44の長手方向即ち矢印Yに沿って移動自在に支持されている。
保持チャック43は、スライダ45上に設置されている。保持チャック43は、前述した保持チャック16,28間に位置付けられている。保持チャック43は、収容槽9の他端部9b寄りの箇所をチャックして、該収容槽9を保持する。前述した移動チャック部7は、保持チャック43が収容槽9を保持することで、該収容槽9を位置決めする。また、移動チャック部7は、保持チャック43が収容槽9を保持することで、収容槽9が軸芯に沿って移動する際に、前述した保持チャック28と協働して収容槽9を保持して、該収容槽9が軸受け回転部27即ち表面処理装置1から脱落することを防止する。
電磁コイル8は、図2に示すように、円筒状に形成された外皮46と該外皮46内に配された複数のコイル部47とを備えて、全体として円環状に形成されている。電磁コイル8の内径は、収容槽9の外径より大きい。即ち、電磁コイル8の内周面と収容槽9の外周面との間には、空間が形成されている。また、電磁コイル8の軸芯方向の全長は、収容槽9の軸芯方向の全長より十分に短い。電磁コイル8の軸芯方向の全長は、収容槽9の軸芯方向の全長の2/3以下であるのが望ましい。図示例では、電磁コイル8の内径は、90mmであるとともに、電磁コイル8の軸芯方向の長さは、85mmである。
外皮46は、その軸芯即ち電磁コイル8自身の軸芯が矢印Xと平行な状態で前述した電磁コイル保持ベース18に取り付けられている。電磁コイル8は、中空保持部材32、チャック軸39及び収容槽9と同軸に配置されている。複数のコイル部47は、外皮46即ち電磁コイル8の周方向に沿って互いに並設されている。コイル部47は、三相交流電源48により印加される。該印加は制御装置76によって制御される。複数のコイル部47には互いに移送のずれた電力が印加されて、これらの複数のコイル部47が互いに位相のずれた磁場を発生する。そして、電磁コイル8は、これらの磁場を合成して形成される該電磁コイル8の軸芯回りの回転方向の磁場(回転磁場)を内側に生じさせる。
第2電磁コイル80a,80bは、上述した電磁コイル8と同様に、円筒状に形成された外皮81と該外皮81内に配された複数のコイル部82とを備えて、全体として円環状に形成されている。第2電磁コイル80a,80bの内径は、収容槽9の外径より大きい。即ち、第2電磁コイル80a,80bの内周面と収容槽9の外周面との間には、空間が形成されている。また、第2電磁コイル80a,80bの軸芯方向の全長は、上述した電磁コイル8の全長よりも十分に短い。
各外皮81は、その軸芯即ち電磁コイル8自身の軸芯が矢印Xと平行な状態で前述した電磁コイル保持ベース18に取り付けられている。第2電磁コイル80a,80bは、中空保持部材32、チャック軸39及び収容槽9と同軸に配置されている。複数のコイル部82は、外皮81即ち第2電磁コイル80a,80bの周方向に沿って互いに並設されている。コイル部82は、三相交流電源48により印加され、該印加は制御装置76によって制御される。
第2電磁コイル80a,80bの電磁力発生方向は、電磁コイル8の電磁力発生方向と反対方向となっており、加工対象物2に付加がかかる構成としていることから、渦電流で回転する回転数を制御することで、加工対象物2の回転速度を自在に制御することができる。よって、電磁コイル8の同期回転速度より低回転領域で制御可能となり、所望の粗面を得ることができる。
なお、本実施形態では、電磁コイル8の長手方向における両側に設ける場合について説明するが、電磁コイル8の回転磁場に影響を及ぼすことなく、線条材65が加工対象物2に衝突する力を制御することができれば、電磁コイル8の何れか一方側のみに設ける実施形態とすることもできる。
前述した電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bは、三相交流電源48から印加されて、回転磁場を発生するとともに、電磁コイル移動部5によりその軸芯即ち収容槽9の長手方向に沿って移動される。そして、電磁コイル8は、前述した回転磁場により、収容槽9内に収容された線条材65を加工対象物2の外周に位置付け、該線条材65を収容槽9及び加工対象物2の軸芯回りに回転(移動)させる。そして、電磁コイル8は、前述した回転磁場により移動させた線条材65を加工対象物2の外表面に衝突させる。また、第2電磁コイル80a,80bは、渦電流に応じた回転磁場により収容槽9内に収容された加工対象物2の回転数を制御する。
また、電磁コイル8にはインバータ49、第2電磁コイル80aにはインバータ83a、第2電磁コイル80bにはインバータ83bがそれぞれ接続されている。各インバータ49、83a,83bは、制御装置76が接続されており、三相交流電源48から印加する電力の周波数、電流値、電圧値を制御装置76からの指示に応じて変更して電磁コイル8又は第2電磁コイル80a,80bに印加することで、回転磁場の強度を変更する。
収容槽9は、図2に示すように、外壁が一重構造(外壁が一枚の壁からなること)の円筒部材50と、複数のフランジ部材51と、一対の削り屑封止ホルダ52と、一対の削り屑封止板53と、一対の位置決め部材54と、複数の仕切部材55と、一対の封止板56とを備えている。
円筒部材50は、円筒状に形成されており、収容槽9の外殻を構成している。このため、収容槽9は、円筒部材50が一重構造に形成されていることで、外壁が一重構造に形成されているとともに、円筒状に形成されている。円筒部材50即ち収容槽9の外径は、40mm〜80mm程度であるのが望ましい。さらに、円筒部材50の肉厚は、0.5mm〜2.0mm程度であるのが望ましい。円筒部材50の軸芯方向の長さは、600mm〜800mm程度であるのが望ましい。円筒部材50は、非磁性体で構成されている。
円筒部材50には、複数の砥粒供給孔57が設けられている。砥粒供給孔57は、勿論、円筒部材50を貫通して、該円筒部材50の内外を連通している。砥粒供給孔57には、封止キャップ58が取り付けられている。砥粒供給孔57は、内側に線条材65を通して、該線条材65を円筒部材50即ち収容槽9に出し入れする。また、封止キャップ58は、砥粒供給孔57を塞いで、線条材65が円筒部材50即ち収容槽9の外部に流出することを規制する。
複数のフランジ部材51は、円環状又は円柱状に形成されている。複数のフランジ部材51のうち一つを除く大多数のフランジ部材51(図示例では、三つ)は、円筒部材50の一端部9aに取り付けられ、一つのフランジ部材51(以下、符号51aで示す)は、円筒部材50の他端部9bに取り付けられている。
円筒部材50の一端部9aに取り付けられた複数のフランジ部材51のうち一つのフランジ部材51(以下、符号51bで示す)は、円環状に形成され、かつ円筒部材50の外周に嵌合している。他の一つのフランジ部材51(以下、符号51cで示す)は、円環状に形成され、かつ前述したフランジ部材51bの外周に嵌合している。残りのフランジ部材51(以下、符号51dで示す)は、円環状のリング部59と、円柱状の円柱部60とを一体に備えている。リング部59は、円柱部60の外縁から立設した格好となっている。フランジ部材51dは、リング部59がフランジ部材51cの外周に嵌合している。
前述したフランジ部材51dには、軸受74により従動軸73が回転自在に支持されている。従動軸73は、円柱状に形成され、かつ収容槽9の円筒部材50と同軸に配されている。従動軸73は、端面に中空保持部材32が押し付けられる。従動軸73は、中空保持部材32とともに回転するとともに、該中空保持部材32の自由端としての一端部32aを支持する。
前述した一つのフランジ部材51aは、円環状に形成され、かつ円筒部材50の他端部9bの外周に嵌合している。フランジ部材51aは、内側に中空保持部材32を通している。なお、円筒部材50の一端部9aは、収容槽9の一端部をなしているとともに、円筒部材50の他端部9bは、収容槽9の他端部をなしている。
一対の削り屑封止ホルダ52は、それぞれ、円環状に形成されている。一方の削り屑封止ホルダ52は、円筒部材50の一端部9aの内周に嵌合し、他方の削り屑封止ホルダ52は、円筒部材50の他端部9bの内周に嵌合している。該他方の削り屑封止ホルダ52は、内側に中空保持部材32を通している。
一対の削り屑封止板53は、それぞれ、メッシュ状に形成されている。一方の削り屑封止板53は、円板状に形成され、かつ円筒部材50の一端部9aの内周に配されているとともに、前述した一方の削り屑封止ホルダ52に取り付けられている。さらに、一方の削り屑封止板53は、内側に従動軸73を通している。他方の削り屑封止板53は、円環状に形成され、かつ円筒部材50の他端部9bの内周に配されているとともに、前述した他方の削り屑封止ホルダ52に取り付けられている。他方の削り屑封止板53は、内側に中空保持部材32を通している。削り屑封止板53は、後述の線条材65が現像スリーブ1
32の外表面に衝突して、該加工対象物2から削りとられて形成される削り屑が円筒部材50即ち収容槽9外に漏れ出ることを規制する。
一対の位置決め部材54は、円筒状に形成されている。一方の位置決め部材54は、中空保持部材32の自由端である一端部32aの外周に嵌合している。他方の位置決め部材54は、円筒部材50内に位置しかつ他端部9b寄りの中空保持部材32の中央部32bの外周に嵌合している。一対の位置決め部材54は、互いに間に加工対象物2を挟んで、該加工対象物2を中空保持部材32に位置決めする。なお、一端部32aは、中空保持部材32の固定保持部4寄りでかつ移動保持部6から離れた側の端部をなしている。中央部32bは、収容槽9内でかつ中空保持部材32の固定保持部から離れた側であるとともに移動保持部6寄りの端部をなしている。
仕切部材55は、円環状に形成された本体部61と、メッシュ部62とを備えている。本体部61即ち仕切部材55は、円筒部材50の内周に嵌合して、該円筒部材50に取り付けられているとともに、内側に中空保持部材32を通している。本体部61即ち複数の仕切部材55は、一対の削り屑封止板53間に配されている。また、本体部61即ち複数の仕切部材55は、円筒部材50の軸芯P即ち長手方向に沿って、互いに間隔をあけて、並設されている。図示例では、仕切部材55は、7つ設けられている。
本体部61には、貫通孔63が設けられている。メッシュ部62は、貫通孔63を塞ぐ格好で本体部61に取り付けられている。メッシュ部62は、メッシュ状に形成されており、気体と削り屑が通ることを許容するとともに、線条材65が通ることを規制する。
前述した複数の仕切部材55は、円筒部材50内即ち収容槽9内の空間を、該円筒部材50即ち収容槽9の軸芯即ち加工対象物2の軸芯Pに沿って、仕切っている。また、軸芯Pは、収容槽9の軸芯と中空保持部材32の軸芯との双方をなしているとともに、収容槽9の長手方向をなしている。即ち、軸芯Pと収容槽9の長手方向とは、互いに平行である。さらに、前述した本体部61とメッシュ部62との双方即ち仕切部材55は、非磁性体で構成されている。
一対の封止板56は、円環状に形成されている。また、封止板56は、メッシュ状に形成されているとともに、気体と削り屑が通ることを許容するとともに、線条材65が通ることを規制する。一方の封止板56は、最も一端部9a寄りの仕切部材55に取り付けられているとともに、他方の封止板56は、最も他端部9b寄りの仕切部材55に取り付けられている。封止板56は、内側に加工対象物2の両端に取り付けられた後述するキャップ64を通す。封止板56は、仕切部材55間に位置付けられた線条材65を通すことを規制して、該線条材65の円筒部材50即ち収容槽9の外部への流出を規制する。
前述した構成の収容槽9は、複数の仕切部材55間に磁性体で構成される線条材65を収容するとともに、中空保持部材32に取り付けられた加工対象物2を円筒部材50内に収容する。即ち、収容槽9は、加工対象物2と線条材65との双方を収容する。また、線条材65は、前述した回転磁場により加工対象物2の外周を回転(移動)するなどして、加工対象物2の外表面に衝突する。線条材65は、加工対象物2の外表面に衝突して、加工対象物2の外表面から該加工対象物2の一部を削り取り、該加工対象物2の外表面を粗面化する。
線条材65は、磁性砥粒であり、例えば、オーステナイト系のステンレス鋼又はマルチンサイト系のステンレス鋼などの磁性材料で構成された円柱状単線を備えている(よりなる)。円柱状単線即ち線条材65は、円柱状に形成されている。線条材65は、その外径が0.5mm以上でかつ1.2mm以下に形成されている。線条材65は、その全長をLとし、その外径をDとすると、L/Dが4以上でかつ10以下に形成されている。
さらに、線条材65の両端の外縁部は、全周に亘って、断面円弧状の面取り加工が施されている。外縁部の曲率半径Rは、0.05mm以上でかつ0.2mm以下に形成されている。
前述した線条材65は、前述した回転磁場によりその長手方向の中央を中心に回転(自転)されながら、前述した収容槽9と加工対象物2の周方向に回転(公転)される。
回収部10は、図2に示すように、気体流入管66と、気体排出用孔67と、メッシュ部材68と、気体排出用ダクト69(図1に示す)と、集塵機70(図1に示す)とを備えている。気体流入管66は、他方の削り屑封止ホルダ52より円筒部材50即ち収容槽9の端(移動保持部6)寄りに設けられ、円筒部材50即ち収容槽9の内部に開口している。気体流入管66は、図示しない加圧気体供給源から加圧された気体などが供給される。気体流入管66は、加圧された気体を円筒部材50即ち収容槽9内に導く。
気体排出用孔67は、円筒部材50を貫通して、収容槽9の内外を連通しているとともに、一方の削り屑封止ホルダ52より円筒部材50即ち収容槽9の端寄り(移動保持部6から離れた側)に設けられている。メッシュ部材68は、気体排出用孔67を塞いだ格好で、円筒部材50に取り付けられている。メッシュ部材68は、削り屑と気体とが通ることを許容し、線条材65が通ることを規制する。メッシュ部材68は、線条材65が円筒部材50即ち収容槽9の外部に流出することを規制する。
気体排出用ダクト69は、配管であるとともに、気体排出用孔67の近傍に取り付けられている。気体排出用ダクト69は、気体排出用孔67の外縁を囲んでいる。気体排出用孔67及び気体排出用ダクト69は、気体流入管66から円筒部材50即ち収容槽9内に供給された気体を、円筒部材50即ち収容槽9の外部に導く。
集塵機70は、気体排出用ダクト69に接続しているとともに、該気体排出用ダクト69内の気体を吸引する。集塵機70は、気体排出用ダクト69内の気体を吸引することで、円筒部材50即ち収容槽9内の気体を前述した削り屑とともに吸引する。集塵機70は、削り屑を回収する。前述した回収部10は、気体流入管66を通して円筒部材50即ち収容槽9内に気体を供給し、該気体と集塵機70により気体排出用孔67と気体排出用ダクト69を通して、削り屑を円筒部材50即ち収容槽9の外部に導く。そして、回収部10は、集塵機70に削り屑を回収する。
冷却部11は、図1に示すように、冷却用ファン71と、冷却用ダクト72とを備えている。冷却用ファン71は、加圧された気体を冷却用ダクト72に供給する。冷却用ダクト72は、配管である。冷却用ダクト72は、冷却用ファン71から供給された加圧された気体を電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bに導く。冷却用ダクト72は、冷却用ファン71から供給された加圧された気体を、電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bに吹き付ける。冷却部11は、加圧された気体を電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bに吹き付けて、該電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bを冷却する。
リニアエンコーダ75は、図2に示すように、本体部77と、該本体部77に移動自在に設けられた検出子78とを備えている。本体部77は、直線状の延在しており、ベース3に取り付けられている。本体部77は、レール20と平行に、該一対のレール20間に配置されている。本体部77の全長は、前述した収容槽9より長い。本体部77は、長手方向の両端部が前述した収容槽9より該収容槽9の長手方向に沿って外側に突出した位置
に配置されている。
検出子78は、本体部77則ち収容槽9の長手方向に沿って移動自在に設けられている。検出子78は、電磁コイル保持ベース18に取り付けられている。則ち、検出子78は、電磁コイル保持ベース18を介して、電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bに取り付けられている。
前述したリニアエンコーダ75は、本体部77則ち収容槽9に対する検出子78の位置を検出して、該検出した結果を制御装置76に向かって出力する。このように、リニアエンコーダ75は、電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bの収容槽9則ち加工対象物2に対する相対的な位置を検出して、検出結果を制御装置76に向かって出力する。
制御装置76は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータである。制御装置76は、電磁コイル移動部5と、移動保持部6と、移動チャック部7と、電磁コイル8と、インバータ49,83a,83bと、回収部10と、冷却部11と、リニアエンコーダ75などと接続しており、これらを制御して、表面処理装置1全体の制御を司る。
制御装置76は、リニアエンコーダ75の検出した電磁コイル8の加工対象物2に対する相対的な位置に応じた電磁コイル8の回転磁場の強さを記憶している。則ち、制御装置76は、電磁コイル8の加工対象物2に対する相対的な位置に応じたインバータ49が電磁コイル8に印加する電力を記憶している。また、制御装置76は、前述した電力を加工対象物2の品番毎に記憶している。
図示例では、制御装置76は、電磁コイル8が加工対象物2の長手方向(軸方向)の中央部から両端部に向かうにしたがって、インバータ49が電磁コイル8、インバータ83aが第2電磁コイル80a、インバータ83bが第2電磁コイル80bにぞれぞれ印加する電力を徐々に大きくするパターンを予め記憶している。そして、制御装置76は、予め記憶した前述した電力のパターン通りにインバータ49に電磁コイル8の発生する回転磁場の強さを変更させるとともに、インバータ83a,83bに第2電磁コイル80a,80bの発生する回転磁場の強さを変更させる。
このように、図示例では、制御装置76は、加工対象物2の両端部を加工する際の回転磁場が、加工対象物2の中央部を加工する際の回転磁場より強くなるように、インバータ49に電磁コイル8の発生する磁場の強さを変更させる。前述したように、制御装置76は、リニアエンコーダ75が検出した電磁コイル8の収容槽9則ち加工対象物2に対する相対的な位置に基づいて、インバータ49に電磁コイル8の発生する回転磁場の強さを変更させる。
また、図1に示す回転検知センサ90は、反射式光学センサで構成している。回転検知センサ90は、中空保持部材32の内部に設けられ、加工対象物2の内部の長手方向における中央付近に位置付けられている。回転検知センサ90は、中空保持部材32及びチャック用シリンダ34の内部を通って後述する回転検知装置91に接続されている。そして、加工対象物2の内面には、加工対象物2の回転数と同期した反射光量の変化を発生させる印字が施されており、回転検知センサ90はその反射光量の変化に応じた回転信号を回転計測手段としての回転検知装置91に出力する。
回転検知装置91は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータである。回転検知装置91は、回転検知センサ90から入力される回転信号に基づいて、加工対象物2の回転を計測し、その回転数又は回転速度等を示す回転データを周知であるパーソナル・コンピュータ(PC)92に出力する。
なお、回転検知装置91は、加工対象物2の表面処理中に計測を行う。表面処理中であるか否かについては、制御装置76からのそれらを判定する例えば状態情報等を取得して判定を行う。また、化加工対象物2が回転しているか否かに基づいて判定することもできる。
PC92は、内蔵の記憶媒体に加工対象物2の回転数、回転速度を監視する回転数監視プログラムを記憶している。PC92は、回転数監視プログラムを実行することで、回転検知装置91から入力される回転データが所定の回転速度であるか否かを判定して、加工対象物2の回転数、回転速度を監視する。そして、所定の回転速度でなくなったと判定すると、加工対象物2が所定の回転速度とする回転磁場強度を算出し、その算出結果に基づいて第2電磁コイル80a,80bに印加する電力の周波数、電流値、電圧値の変更を要求する変更要求情報を上述した制御装置76に出力する。
制御装置76は、PC92から変更要求情報が入力されると、該変更要求情報に基づいて三相交流電源48から第2電磁コイル80a,80bに印加する電力を変更する。その結果、加工対象物2の周知に発生する回転磁場の強さが変更され、加工対象物2の回転数が所定の回転速度となるように制御される。よって、長時間に亘って表面処理装置1を連続稼働する場合でも、その稼働中に加工対象物2の回転数、回転速度等が変化しても補正することができるため、表面粗さの加工精度のばらつきを解消して加工精度の向上を図ることができ、大量生産にも容易に対応することができる。
なお、本実施形態では、制御装置76の他に、回転検知装置92とPC93を用いる場合について説明したが、回転検知装置92とPC93の各機能を制御装置76に組み込んで制御装置76で全ての回転数、回転速度を監視するような実施形態とすることもできる。
次に、前述した構成の表面処理装置1を用いて加工対象物2の外表面を処理(粗面化)した場合の表面粗さと表面反射率と加工対象物2の回転速度との関係を以下説明する。
まず、上述した表面処理装置1において、加工対象物2の回転速度とその表面粗さと表面反射率との関係を測定した結果、図3のグラフで示す関係を得ることができた。なお、電磁コイル8による回転磁場の回転速度[rpm]は一定となっている。
また、図3中で縦軸は表面粗さ[μm]及び表面反射率[%]、横軸は加工対象物2の回転速度[rpm]をそれぞれ示している。図3中の実線で示す波形G1は表面粗さ、図3中の一点破線で示す波形G2は表面反射率G2をそれぞれ示している。範囲E1は狙いの表面粗さ範囲、範囲E2は狙いの表面反射率範囲をそれぞれ示している。
表面粗さと反射率の関係は表1で表すことができる。回転速度R1よりも低い回転速度範囲W1は、表面粗さは範囲E1から外れ、表面反射率は範囲E2も外れている。回転速度R1以上回転数R2以下の回転速度範囲W2は、表面粗さは範囲E1内であり、表面反射率も範囲E2内となっている。回転速度R2よりも高い回転速度範囲W3は、表面粗さは範囲E1から外れ、表面反射率は範囲E2も外れている。
よって、回転速度範囲W2の範囲内で加工対象物2の回転速度、回転数を設定することで、所望の表面粗さ及び表面反射率を得ることができるため、本実施形態では加工対象物2の品番などに対応する所定の回転速度を回転速度範囲W2内で設定している。
次に、前述した構成の表面処理装置1を用いて加工対象物2の外表面を処理(粗面化)して、加工対象物2を製造する工程を、以下説明する。
まず、制御装置76に入力装置から加工対象物2の品番などを入力する。そして、加工対象物2の長手方向(軸方向)の両端の外周に円筒状のキャップ64を嵌合させる。そして、前述した他方の位置決め部材54を中空保持部材32の外周に嵌合させる。そして、両端にキャップ64が取り付けられた加工対象物2内に中空保持部材32を通す。その後、前述した一方の位置決め部材54を中空保持部材32の外周に嵌合させる。そして、チャック用シリンダ34のチャック軸39を縮小させて、中空保持部材32に加工対象物2を固定する。このとき、中空保持部材32と加工対象物2などが同軸になる。こうして、加工対象物2を中空保持部材32に取り付ける。
そして、収容槽9内に加工対象物2及び中空保持部材32を収容するとともに、収容槽9の円筒部材50内に線条材65を供給する。こうして、収容槽9内に線条材65及び加工対象物2を収容する。さらに、収容槽9を保持チャック28,43でチャックする。こうして、移動保持部6に加工対象物2と収容槽9とを取り付ける。すると、収容槽9の円筒部材50と中空保持部材32と加工対象物2などが同軸になる。
前述した作業は、勿論、アクチュエータ24,25で移動ベース26の位置を調整しながら行われる。さらに、前述した作業は、勿論、保持ベース41の位置を調整しながら行われる。保持チャック16で収容槽9の一端部9aをチャックさせるなどして、固定保持部4に収容槽9の一端部9aを保持させる。
そして、回収部10の気体流入管66を通して収容槽9内に気体を供給するとともに、集塵機70で収容槽9内の気体を吸引するとともに、冷却部11に加圧された気体を電磁コイル8に吹き付けさせる。
そして、第2電磁コイル80a,80bに三相交流電源48からの電力を印加して、第2電磁コイル80a,80bに回転磁場を発生させることで、加工対象物2を上述した所定の回転速度で軸芯P回りに回転させる。その後、電磁コイル8に三相交流電源48からの電力を印加して、電磁コイル8に回転磁場を発生させる。すると、電磁コイル8の内側に位置する線条材65が自転しながら軸芯P回りに公転(回転即ち移動)して、該線条材65が加工対象物2の外表面に衝突して、該加工対象物2の外表面を粗面化する。
そして、電磁コイル移動部5が、適宜、電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bを軸芯Pに沿って移動する。すると、電磁コイル8の内側に侵入した線条材65が前述した回転磁場により移動(自転及び公転)するとともに、電磁コイル8の内側から抜け出た線条材65が停止する。また、仕切部材55が収容槽9内の空間を仕切っているので、線条材65が仕切部材55を越えて移動することが規制され、電磁コイル8の内側から抜け出た線条材65が前述した回転磁場内から抜け出ることとなる。さらに、電磁コイル移動部5が予め定められた所定の回数電磁コイル8を矢印Xに沿って往復移動させると、加工対象物2の外表面の粗面化が終了する。
なお、加工対象物2の表面処理中は、加工対象物2の回転を回転検知装置91で検出し、PC92はその検出結果に基づいて加工対象物2の回転速度、回転数を監視している。そして、その回転速度が所定の回転速度からずれている場合は、第2電磁コイル80a,80bに印加する電力の周波数、電流値、電圧値の変更を要求する変更要求情報を制御装置76に出力する。その結果、制御装置76は第2電磁コイル80a,80bに印加する電力を変更することで、加工対象物2の回転速度が上述した所定の回転速度となるように調整を行う。
さらに、電磁コイル8が加工対象物2の中央部から両端部に向かうにしたがって、電磁コイル8の発生する回転磁場が強くなる。回転磁場が強くなるにしたがって、線条材65の動きが激しくなる。すると、回転磁場が強くなるのにしたがって、線条材65がより勢い良く加工対象物2に衝突して、該加工対象物2の外表面の表面粗さがより粗くなる。
前述した加工対象物2の外表面の粗面化が終了すると、電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bへの電力の印加を停止する。さらに、回収部10と冷却部11とを停止する。そして、固定保持部4の保持チャック16の収容槽9の保持を解除するとともに、移動チャック部7の保持チャック43と移動保持部6の保持チャック28とが収容槽9を保持したまま、第1アクチュエータ24で移動ベース26を矢印Xに沿って固定保持部4から離す。すると、収容槽9が固定保持部4から離れる。そして、収容槽9内から外表面の粗面化が終了した加工対象物2を取り出して、新たな加工対象物2を収容槽9内に収容する。こうして、加工対象物2の外表面の粗面化を行って、外表面の表面粗さが中央部から両端部に向かうにしたがって徐々に粗くなる所望の加工対象物2が得られる。
また、前述した回転磁場によって、線条材65が、長手方向が収容9及び加工対象物2の径方向などに沿う状態で長手方向の中央部を中心として自転しながら、加工対象物2の外周を公転する。このため、加工対象物2の外表面に線条材65の外縁部が衝突する。そして、加工対象物2の外表面に略楕円(長円)形状の凹みが、ランダムに多数形成される。そして、加工対象物2の外表面に形成された略楕円(長円)形状の凹みは、長手方向が加工対象物2の軸方向に沿うものが該加工対象物2の周方向に沿うものより多い。
以上説明した表面処理装置1によれば、回転磁場を発生させる電磁コイル8を使い、磁場と磁性砥粒との間に働く電磁力によって、線条材65をランダムに励磁させて、加工対象物2に衝突させる表面粗面化装置1において、加工対象物2が所定の回転速度を制御することができるため、加工対象物2に対する表面粗さ、表面反射率等の表面処理の制御及び加工効率を向上させることができる。従って、連続加工しても所望の表面処理を施すことができるため、大量生産を前提とした量産装置として生産が可能となる。
また、電磁コイル8の両側に磁場を発生する第2電磁コイル80a,80bを設けることで、加工対象物2の磁場による電磁力で所定の回転速度を制御可能となり、表面粗さの制御及び加工効率・表面光沢状態を向上させることが可能となる。また、電磁コイル8と第2電磁コイル80a,80bを独立に制御可能となり、加工対象物2の形状又は加工条件の最適化が可能となり、表面粗さの制御及び加工効率を向上させることが可能となる。
電磁コイル8及び第2電磁コイル80a,80bを加工対象物2の長手方向に移動させるようにしたことから、電磁コイル8の小型化を図ることが可能となるため、電磁コイル8の消費電力を抑えることができる。
また、電磁コイル8が発生する磁場の強度を任意に可変するように、電磁コイル8の駆動を制御するようにすれば、磁場を発生させる強さを任意に変更することで、加工対象物2の粗面状態の円周方向、長手方向の均一性が向上することが可能となる。また、磁場の強さを次第に強くしたり、次第に弱くすることが可能となり、加工対象物の振れ精度を保つことが可能となる。
加工対象物2の回転速度を回転検出装置91にて計測し、加工対象物2の加工条件の安定化が可能となり、加工対象物2の形状に最適な加工条件設定が可能となり、表面粗さの制御及び加工効率を向上させることが可能となり、電磁コイル8への通電時間さらに消費電力を抑えることができ、品質の向上、連続加工時の信頼性が向上し、大量生産を前提とした量産装置として生産が可能となる。
加工対象物2の回転を制御及び停止させることが可能となり、加工対象物2の形状に最適な加工条件設定が可能となり、表面粗さの制御及び加工効率を向上させることが可能となり、電磁コイル8への通電時間さらに消費電力を抑えることができ、品質の向上、連続加工時の信頼性が向上し、大量生産を前提とした量産装置として生産が可能となる。また、加工中の加工対象物の回転を停止することが可能となり、加工対象物の振れ精度を保つことが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。即ち、第2電磁コイル80a,80bを回転速度制御手段として機能させる場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば上述した中空保持部材32を回転させる駆動機構を設けて、その駆動機構によって加工対象物2の回転速度を制御するなど種々異なる実施形態とすることができる。