JP4890755B2 - 半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

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この発明は、半導体レーザおよびその製造方法に関し、特に、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体レーザに適用して好適なものである。
AlGaInN系材料では、混晶組成を制御することにより、紫外から赤外にわたる直接遷移型のバンドギャップエネルギをもつ結晶が得られ、このエネルギに相当する波長域の発光素子に応用できる。実際、この材料系を用い、現在、紫外光、青色光を放出する半導体レーザや、紫外光、青色光、緑色光を放出する発光ダイオード(LED)が実現されている。これらの発光素子の活性層(発光層)は、Inを含むAlGaInN混晶が用いられることが多い。活性層のIn組成を上げると発光波長を長くすることができ、表示デバイスの光源として用いることができ、青色発光半導体レーザも登場するようになった(非特許文献1)。
Jpn. J. Appl. Phys. Vol.40 (2001) p.3075
しかしながら、発光波長の長波長化にともない、下に述べるように、In組成の低い活性層では起こらなかった、格子欠陥に関連した問題が生じる。まず、活性層に含まれるInの組成が比較的低い紫外発光半導体レーザで、欠陥の問題をどのように解決してきたかについて説明する。この半導体レーザは、研究開発の初期の段階では、サファイア基板上に結晶成長が行われ、作製されることが多かった。これはサファイア基板が比較的容易に入手可能であり、材料についての探索的なレベルでの開発には役立ったためである。しかし、実用レベルの半導体レーザを得るためには、成長された結晶中に発生する転位の密度を十分に低減する必要があることが分かってきた。転位の発生を抑制するためには、基板または下地層中の転位密度を十分に下げることが有効である。成長層中には、下地からの転位が伸びていくため、その本数を減らすことができるからである。このような方針のもとに、まず、下地として、横方向成長を利用することにより転位密度を下げることが行われた。たとえば、この横方向成長技術としてELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)と呼ばれる方法が用いられた。この方法により、半導体レーザを形成する半導体層の成長の下地層として、106 cm-2程度の低転位密度のGaN結晶を得ることができるようになった。さらに、低転位密度の領域をもつGaN基板が開発され、半導体レーザのための成長基板として用いられるようになった。上に述べた、転位密度の低減にともない半導体レーザの寿命も長くなった。図5に転位密度と半導体レーザの推定寿命との関係を示す(非特許文献2)。この図は、発振波長405nmの半導体レーザについてのものである。この波長では、基板または下地層の転位密度を下げることにより、活性層中を貫く転位の密度も低減でき、寿命を長くすることが可能となっており、10万時間以上の推定寿命が得られている。
応用物理学会 応用電子物性分科会研究例会「窒化物半導体のニューホライズン」、2003年1月22日(水)、島津製作所・関西支社・マルチホール
特許文献1には、GaN基板の作製法およびこれを用いた半導体レーザが開示されている。特許文献2にはGaN基板の作製法が開示されている。特許文献3には、GaN基板のストライプコア(転位の集中した部分)からレーザストライプを40μm以上離した半導体レーザが開示されている。また、非特許文献3には、低転位密度のGaN基板にレーザ構造を形成するAlGaInN層を成長させ、GaN基板の寿命の観点からの優位性が示されている。
特開2003−124572号公報
特開2003−229639号公報
特開2003−133650号公報
Matsumoto, S. Goto, T. Sasaki, Y. Yabuki, T. Tojyo, S. Tomiya, K. Naganuma, T. Asatsuma, K. Tamamura, S. Uchida, and M. Ikeda, Ext. Abst. SSDM 2002, Nagoya, pp.832(2002)
しかしながら、405nmより長波長で発振する半導体レーザを実現しようとすると、新たな問題が生じる。GaN系半導体レーザでは、活性層としてGaInNが用いられることが多い。発振波長を長くするためには、このGaInNのIn組成を増大させる必要がある。ところが一般に、In組成の高いGaInNは熱力学的に不安定であり、結晶成長中に組成の空間的な不均一性やInドロップレット(droplet)を生じやすく、結晶中に欠陥が生じる可能性が高くなる。したがって、低転位の下地層または基板を用いても活性層付近から結晶欠陥が生じてしまう可能性がある。実際、本発明者らが、純青色発光半導体レーザ(発振波長440nm)をつくるために、GaN基板上に成長を行ったところ、基板の低転位密度領域(この領域の転位密度は105 cm-2程度)の上の部分に、欠陥の生成を確認した。図1は、GaN基板上にレーザ構造を形成するAlGaInN系半導体層を成長させた半導体レーザウェハを蛍光顕微鏡で撮影したフォトルミネッセンス(PL)像であり、活性層からの波長450nmの発光の強度を画像にして空間分布を示したものである。観察の範囲は縦59μm×横79μmである。○で囲まれた部分に暗点が観測されている(すべての暗点にマークを付けてはいない)。このPL像には、暗点が明瞭に観察されており、活性層中に非輻射中心としてはたらく欠陥が生成されていることを示している。しかも、その密度は106 cm-2台であり、基板のもつ転位密度よりも大きい。これらのことより、In組成の高い活性層中には、活性層自身から欠陥が生じていることが分かる。したがって、高信頼性の半導体レーザを作るには、基板や下地層に含まれる転位密度を下げる以外の工夫が必要となる。
したがって、この発明が解決しようとする課題は、低欠点密度領域を有するGaN基板などの窒化物系III−V族化合物半導体基板上に窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させて半導体レーザを作る場合に、レーザストライプの位置を適切に選ぶことにより、長寿命かつ高信頼性で特性も良好な、発振波長が405nmより長い半導体レーザを得ることができる半導体レーザおよびその製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、第1の発明は、
第1の平均欠陥密度を有する結晶からなる第1の領域中に第1の平均欠陥密度より高い第2の平均欠陥密度を有するストライプ状の第2の領域を有する窒化物系III−V族化合物半導体基板上にレーザ構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層が成長された、発振波長が405nmより長い半導体レーザであって、
レーザストライプの端と最近接の第2の領域の端との間の距離が0μm以上60μm以下である
ことを特徴とするものである。
第2の発明は、
第1の平均欠陥密度を有する結晶からなる第1の領域中に第1の平均欠陥密度より高い第2の平均欠陥密度を有するストライプ状の第2の領域を有する窒化物系III−V族化合物半導体基板上にレーザ構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させ、この窒化物系III−V族化合物半導体層にレーザストライプを形成する、発振波長が405nmより長い半導体レーザの製造方法であって、
レーザストライプの端と最近接の第2の領域の端との間の距離が0μm以上60μm以下になるようにした
ことを特徴とするものである。
第1および第2の発明において、第1の平均欠陥密度は、好適には2×106 cm-2以下、より好適には1×106 cm-2以下である。典型的には、活性層はInを含み、そのIn組成が0.1以上である。活性層は典型的にはGaInNからなるが、AlGaInNからなるものであってもよい。この半導体レーザは、好適には、活性層の上下にInを含む光導波層を有し、そのIn組成が0.015以上である。窒化物系III−V族化合物半導体基板の主面は、典型的にはC面であるが、このC面にはこれに対して5〜6°程度までオフしていて実質的にC面とみなすことができる結晶面も含むものとする。
窒化物系III−V族化合物半導体は、最も一般的にはAlX y Ga1-x-y-z Inz Asu 1-u-v v (ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦u≦1、0≦v≦1、0≦x+y+z<1、0≦u+v<1)からなり、より具体的にはAlX y Ga1-x-y-z Inz N(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦x+y+z<1)からなり、典型的にはAlX Ga1-x-z Inz N(ただし、0≦x≦1、0≦z≦1)からなる。窒化物系III−V族化合物半導体の具体例を挙げると、GaN、InN、AlN、AlGaN、InGaN、AlGaInNなどである。
窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方法としては、有機金属化学気相成長(MOCVD)、ハイドライド気相エピタキシャル成長またはハライド気相エピタキシャル成長(HVPE)、分子線エピタキシー(MBE)等を用いることができる。
第3の発明は、
第1の平均欠陥密度を有する結晶からなる第1の領域中に第1の平均欠陥密度より高い第2の平均欠陥密度を有するストライプ状の第2の領域を有する窒化物系III−V族化合物半導体基板上にレーザ構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層が成長された半導体レーザであって、
レーザストライプの端と最近接の第2の領域の端との間の距離が10μm以上50μm以下である
ことを特徴とするものである。
第4の発明は、
第1の平均欠陥密度を有する結晶からなる第1の領域中に第1の平均欠陥密度より高い第2の平均欠陥密度を有するストライプ状の第2の領域を有する窒化物系III−V族化合物半導体基板上にレーザ構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させ、この窒化物系III−V族化合物半導体層にレーザストライプを形成する半導体レーザの製造方法であって、
レーザストライプの端と最近接の第2の領域の端との間の距離が10μm以上50μm以下になるようにした
ことを特徴とするものである。
第3および第4の発明においては、その性質に反しない限り、第1および第2の発明に関連して説明したことが成立する。
上述のように構成されたこの発明においては、レーザストライプの端と最近接の第2の領域の端との間の距離を0μm以上60μm以下あるいは10μm以上50μm以下とすることにより、活性層のIn組成を例えば0.1以上に高くしても、レーザストライプに含まれる結晶欠陥を大幅に低減することができる。
この発明によれば、活性層のIn組成を例えば0.1以上に高くしても、レーザストライプに含まれる結晶欠陥を大幅に低減することができることにより、長寿命かつ高信頼性で特性も良好な、発振波長が405nmより長い半導体レーザを得ることができる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
図2Aは、GaN基板上に、発振波長445nmのレーザ構造を形成するAlGaInN系半導体層を成長させた半導体レーザウェハのPL像を示し、撮影している領域は隣接する2本のストライプマスクにはさまれた領域である。これは波長445nmでの発光強度の分布を示している。観察している領域は縦方向(ストライプマスクの方向)に59μm、横方向に400μmである。図2Bは図2Aに示すPL像に対応するグラフで、暗点の密度の場所依存性を示す。横軸はストライプマスクに直交する方向の座標の値を示し、0μmおよび400μmはストライプマスクの中央の位置に対応する。図2Bより、位置が60μm以下の領域および440μm以上の領域で、暗点の密度が激減していることが分かる。この暗点が少ない領域はレーザストライプを形成するのに好適な領域である。
そこで、この発明の一実施形態においては、この暗点が少ない領域にレーザストライプを形成する。
この一実施形態においては、まず、次のようにして単結晶GaN基板を作製する(特許文献2参照)。
単結晶GaNの基本的な結晶成長メカニズムは、ファセット面からなる斜面を有して成長し、そのファセット面斜面を維持して成長することで、転位を伝播させ、所定の位置に転位を集合させる。このファセット面により成長した領域は、転位の移動により、低欠陥領域となる。一方、そのファセット面斜面下部には、明確な境界を持った高密度の欠陥領域を有して成長が行われ、転位は、高密度の欠陥領域の境界あるいはその内部に集合し、ここで消滅あるいは蓄積する。この高密度の欠陥領域の形状によって、ファセット面の形状も異なる。欠陥領域がドット状の場合は、そのドットを底として、ファセット面が取り巻き、ファセット面からなるピットを形成する。また、欠陥領域がストライプ状の場合は、ストライプを谷底として、その両側にファセット面傾斜面を有し、横に倒した3角形のプリズム状のファセット面となる。この高密度の欠陥領域は、周りの低欠陥領域に対して、結晶の極性が反転している。こうして、この高密度の欠陥領域は、明確な境界を有しており、周りと区別される。この高欠陥密度領域を有して成長することにより、その周りのファセット面を埋め込むことなく、ファセット面を維持して成長を進行することができる。その後、GaN成長層の表面に研削、研磨を施すことにより表面を平坦化し、基板として使用できる形態とすることができる。高密度の欠陥領域を形成する方法は、下地基板上に、GaNを結晶成長する際に、高密度欠陥領域を形成する場所に、種を予め形成しておくことにより、発生させることができる。その種としては、種となる微小領域に非晶質、あるいは多結晶の層を形成する。その上から、GaNを成長することで、丁度その種の領域に、高密度の欠陥領域を形成することができる。
単結晶GaN基板の具体的な製造方法は、次のとおりである。まず、GaN層を成長させる下地基板を用いる。下地基板は、種々のものを用いることができ、一般的なサファイア基板でも良いが、後工程で下地基板を除去することを考慮すると、GaAs基板等が好ましい。下地基板の上に、例えば、SiO2 層からなる種を周期的に形成する。種の形状は、ストライプ状である。その後、例えばハイドライド気相エピタキシー(Hydride Vapor Phase Epitaxy,HVPE)にて、GaNを厚膜成長する。成長後、表面には、ストライプ状の種に対応したプリズム状のファセット面が形成される。GaN層を成長させた後、下地基板を除去し、さらにGaNの厚膜層を研削加工、研磨加工して表面を平坦化する。それによって、GaN基板を製造することができる。GaN基板の厚さは自由に設定することができる。
図3に、このようにして得られるGaN基板1の構造を模式的に示す。このGaN基板1はC面が主面であり、その中に、所定のサイズのストライプ状の高欠陥密度領域2が規則正しく形成された基板となっている。高欠陥密度領域2以外の単結晶領域は、高欠陥密度領域2に比べて転位密度が著しく低い低欠陥密度領域3となっている。高欠陥密度領域2の幅は例えば20μm程度、周期は例えば400μmである。
このGaN基板1を用いてAlGaInN系半導体レーザを製造する方法について説明する。
図4に示すように、まず、GaN基板1の表面をサーマルクリーニングなどにより清浄化した後、その上に有機金属化学気相成長(MOCVD)法により、n型GaN層11、n型AlGaNクラッド層12、n型GaN光導波層13、アンドープGaInN光導波層14、アンドープのGa1-x Inx N/Ga1-y Iny N多重量子井戸構造の活性層15、アンドープGaInN光導波層16、p型AlGaNキャップ層17、p型GaN光導波層18、p型AlGaNクラッド層19、p型GaNコンタクト層20およびp型GaInNコンタクト層21を順次エピタキシャル成長させる。
ここで、n型GaN層11は厚さが例えば4000nmであり、n型不純物として例えばシリコン(Si)がドープされている。n型AlGaNクラッド層12は厚さが例えば1500nmであり、n型不純物として例えばSiがドープされ、Al組成は例えば0.065である。n型GaN光導波層13は厚さが例えば100nmであり、n型不純物として例えばSiがドープされている。アンドープGaInN光導波層14は厚さが例えば100nmであり、In組成は例えば0.02である。アンドープInx Ga1-x N/Iny Ga1-y N多重量子井戸構造の活性層15は、発振波長が例えば445nmの場合、井戸層としてのInx Ga1-x N層の厚さが3nmでx=0.16、障壁層としてのIny Ga1-y N層の厚さが6nmでy=0.02、井戸数が3である。アンドープGaInN光導波層16は厚さが例えば100nmであり、In組成は例えば0.02である。p型AlGaNキャップ層17は厚さが例えば10nmであり、p型不純物として例えばマグネシウム(Mg)がドープされ、Al組成は例えば0.18である。p型GaN光導波層18は厚さが例えば65nmであり、p型不純物として例えばMgがドープされている。p型AlGaNクラッド層19は厚さが例えば400nmであり、p型不純物として例えばMgがドープされ、Al組成は例えば0.06である。p型GaNコンタクト層20は厚さが例えば50nmであり、p型不純物として例えばMgがドープされている。p型GaInNコンタクト層21は厚さが例えば2nmであり、In組成は例えば0.16である。
また、Inを含まない層であるn型GaN層11、n型AlGaNクラッド層12、n型GaN光導波層13、p型AlGaNキャップ層17、p型GaN光導波層18、p型AlGaNクラッド層19およびp型GaNコンタクト層20の成長温度は例えば1000℃程度とし、Inを含む層であるアンドープGaInN光導波層14、活性層15、アンドープGaInN光導波層16およびp型GaInNコンタクト層21の成長温度は例えば700〜800℃、例えば730℃とする。
これらのGaN系半導体層の成長原料は、例えば、Gaの原料としてはトリメチルガリウム((CH3 3 Ga、TMG)あるいはトリエチルガリウム((C2 5 3 Ga、TEG)、Alの原料としてはトリメチルアルミニウム((CH3 3 Al、TMA)、Inの原料としてはトリメチルインジウム((CH3 3 In、TMI)を、Nの原料としてはNH3 を用いる。また、キャリアガスとしては、例えば、H2 を用いる。ドーパントについては、n型ドーパントとしては例えばモノシラン(SiH4 )を、p型ドーパントとしては例えばビス=メチルシクロペンタジエニルマグネシウム((CH3 5 4 2 Mg)あるいはビス=シクロペンタジエニルマグネシウム((C5 5 2 Mg)を用いる。
次に、上述のようにしてGaN系半導体層を成長させたGaN基板1をMOCVD装置から取り出す。そして、p型GaNコンタクト層13の全面に例えばCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより例えば厚さが0.1μmのSiO2 膜(図示せず)を形成した後、このSiO2 膜上にリソグラフィーによりリッジ部の形状に対応した所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして、例えばフッ酸系のエッチング液を用いたウエットエッチング、または、CF4 やCHF3 などのフッ素を含むエッチングガスを用いたRIE法によりSiO2 膜をエッチングし、リッジ部に対応する形状とする。
次に、このSiO2 膜をマスクとしてRIE法によりp型AlGaNクラッド層19の厚さ方向の所定の深さまでエッチングを行うことにより、例えば〈1−100〉方向に延在するリッジ22、すなわちレーザストライプを形成する。このRIEのエッチングガスとしては例えば塩素系ガスを用いる。このリッジ22の幅は例えば3μmである。
ここで重要なことは、このリッジ22、すなわちレーザストライプの端とGaN基板1の高欠陥密度領域2の端との間の距離dを0μm以上60μm以下、好適には10μm以上50μm以下とすることである。
次に、エッチングマスクとして用いたSiO2 膜をエッチング除去した後、基板全面に例えばCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより例えば厚さが0.3μmのSiO2 膜のような絶縁膜23を成膜する。この絶縁膜23は電気絶縁および表面保護のためのものである。
次に、リソグラフィーによりp側電極形成領域を除いた領域の絶縁膜23の表面を覆うレジストパターン(図示せず)を形成する。
次に、このレジストパターンをマスクとして絶縁膜23をエッチングすることにより、開口23aを形成する。
次に、レジストパターンを残したままの状態で、基板全面に例えば真空蒸着法により例えばPd膜およびPt膜を順次形成した後、レジストパターンをその上に形成されたPd膜およびPt膜とともに除去する(リフトオフ)。これによって、絶縁膜23の開口23aを通じてp型GaInNコンタクト層21にコンタクトしたp側電極24が形成される。ここで、このp側電極24を構成するPd膜およびPt膜の厚さは例えばそれぞれ10nmおよび100nmとする。次に、p側電極24をオーミック接触させるためのアロイ処理を行う。次に、同様にして、p側電極24およびその両側の部分の絶縁膜23を覆うようにパッド電極25を形成する。
次に、GaN基板1の裏面に例えば真空蒸着法により例えばTi膜、Pt膜およびAu膜を順次形成し、Ti/Pt/Au構造のn側電極26を形成する。ここで、このn側電極26を構成するTi膜、Pt膜およびAu膜の厚さは例えばそれぞれ10nm、50nmおよび100nmとする。次に、n側電極26をオーミック接触させるためのアロイ処理を行う。
次に、上述のようにしてレーザ構造が形成されたGaN基板1のスクライビングを劈開により行ってレーザバーに加工して両共振器端面を形成する。次に、これらの共振器端面に端面コーティングを施す。この場合、リア側の端面には例えばAl2 3 /TiO2 膜をコーティングし、フロント側の端面には例えばAl2 3 膜をコーティングする。この後、再びこのレーザバーのスクライビングを劈開などにより行ってチップ化する。
以上により、目的とするAlGaInN系半導体レーザが製造される。
以上のように、この一実施形態によれば、発振波長が例えば445nmと長波長のAlGaInN系半導体レーザにおいて、リッジ22、すなわちレーザストライプの端とGaN基板1の高欠陥密度領域2の端との間の距離dを0μm以上60μm以下としていることにより、図2から分かるように、レーザストライプ中の半導体結晶に含まれる結晶欠陥の密度を1×106 cm-2以下に低減することができ、レーザの寿命を長くすることができる。このレーザストライプの結晶欠陥低減の効果は、レーザストライプが広いAlGaInN系半導体レーザを製造する場合に有利であり、レーザストライプ中に含まれる欠陥総数を少なくすることができ、それによってレーザの長寿命化を実現することができる。また、レーザストライプにおいて非輻射中心として働く結晶欠陥の密度を低減することができるため、AlGaInN系半導体レーザのしきい値電流密度が下がり、スロープ効率を高くすることができるとともに、一定の光出力を得るために電流を注入したときの活性層15の温度上昇を抑えることができため、光出力を変化させたときの、発振波長の変化を小さくすることができる。
以上により、発振波長が例えば445nmと長波長で長寿命かつ高信頼性で特性も良好なAlGaInN系半導体レーザを実現することができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、材料、構造、形状、基板、原料、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、構造、形状、基板、原料、プロセスなどを用いてもよい。
GaN基板上にレーザ構造を形成するAlGaInN系半導体層を成長させた半導体レーザウェハのPL像を示す図面代用写真である。 GaN基板上にレーザ構造を形成するAlGaInN系半導体層を成長させた半導体レーザウェハのPL像を示す図面代用写真および暗点密度の場所依存性を示す略線図である。 この発明の一実施形態において用いるGaN基板を示す平面図および断面図である。 この発明の一実施形態によるAlGaInN系半導体レーザを示す断面図である。 GaN基板の転位密度とAlGaInN系半導体レーザの推定寿命との関係を示す略線図である。
符号の説明
1…GaN基板、2…高欠陥密度領域、3…低欠陥密度領域、11…n型GaN層、12…n型AlGaNクラッド層、13…n型GaN光導波層、14…アンドープGaInN光導波層14、15…活性層、16…アンドープGaInN光導波層、17…p型AlGaNキャップ層、18…p型GaN光導波層、19…p型AlGaNクラッド層、20…p型GaNコンタクト層、21…p型GaInNコンタクト層、22…リッジ、23…絶縁膜、24…p側電極、25…パッド電極、26…n側電極

Claims (7)

  1. 2×106 cm-2以下の第1の平均欠陥密度を有する結晶からなる第1の領域中に上記第1の平均欠陥密度より高い第2の平均欠陥密度を有するストライプ状の第2の領域を有するGaN基板であって、下地基板上の上記第2の領域を形成する場所に非晶質または多結晶の層からなる種を形成し、この種が形成された上記下地基板上に単結晶GaN層をファセット面からなる斜面を維持して成長させることにより転位を伝播させ、上記種の領域に集合させた後、上記下地基板を除去し、さらに上記単結晶GaN層の表面を平坦化することにより製造されたものの上に、レーザ構造を形成し、GaInNからなる活性層を有する窒化物系III−V族化合物半導体層が成長され、
    レーザストライプの最近接の上記第2の領域側の端と最近接の上記第2の領域の上記レーザストライプ側の端との間の距離が10μm以上50μm以下であり、上記レーザストライプ中の上記活性層の暗点密度が1×10 6 cm -2 以下であり、発振波長が440nm以上の半導体レーザ。
  2. 発振波長が445nm以上である請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 上記半導体レーザはAlGaInN系半導体レーザである請求項1または2記載の半導体レーザ。
  4. 上記第1の平均欠陥密度が1×10 6 cm -2 以下である請求項1〜3のいずれか一項記載の半導体レーザ。
  5. 2×10 6 cm -2 以下の第1の平均欠陥密度を有する結晶からなる第1の領域中に上記第1の平均欠陥密度より高い第2の平均欠陥密度を有するストライプ状の第2の領域を有するGaN基板であって、下地基板上の上記第2の領域を形成する場所に非晶質または多結晶の層からなる種を形成し、この種が形成された上記下地基板上に単結晶GaN層をファセット面からなる斜面を維持して成長させることにより転位を伝播させ、上記種の領域に集合させた後、上記下地基板を除去し、さらに上記単結晶GaN層の表面を平坦化することにより製造されたものの上に、レーザ構造を形成し、GaInNからなる活性層を有する窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させ、この窒化物系III−V族化合物半導体層にレーザストライプを形成する、発振波長が440nm以上の半導体レーザを製造する場合に、
    レーザストライプの最近接の上記第2の領域側の端と最近接の上記第2の領域の上記レーザストライプ側の端との間の距離が10μm以上50μm以下になるようにし、上記レーザストライプ中の上記活性層の暗点密度が1×10 6 cm -2 以下になるようにした半導体レーザの製造方法。
  6. 発振波長が445nm以上である請求項5記載の半導体レーザの製造方法。
  7. 上記半導体レーザはAlGaInN系半導体レーザである請求項5または6記載の半導体レーザの製造方法。
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