JP4890707B2 - スピロ結合を有する三環系化合物 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、医薬、とりわけ活性化血液凝固第X因子(以下FXaと記す)阻害剤として有用であり、強力な抗凝固作用を示す経口投与可能なスピロ結合を有する三環系化合物またはその塩に関する。
並びに、FXaの阻害活性を有する化合物を分子設計的に創製する手法に関する。
背景技術
近年、生活習慣の欧米化、人口の高齢化等に伴い虚血性心疾患をはじめ多くの心・血管病変、とくに心筋梗塞、脳血栓症、肺塞栓症、末梢動・静脈閉塞症等の血栓塞栓性疾患は年々増加し、その治療の社会的重要性は益々高まっている。かかる血栓症の治療および予防において、抗凝固療法は抗血小板療法や線溶療法とともに内科的治療法の一端をになっている。そして、血栓症の治療および予防には、長期投与に耐えうる安全性と確実かつ適切な抗凝固活性の発現が必須である。従来、凝固能亢進に基づく血栓症の予防・治療目的で、ワーファリンやヘパリン等の抗凝固剤が用いられてきたが、出血の危険性や他剤との相互作用等、多くの欠点が指摘されている。とりわけワーファリンは、唯一の経口抗凝固剤として世界中に汎用されているが、作用機序に基づく特性から、薬効発現濃度域が狭いにもかかわらず効果発現までに長時間を要するうえ、血中半減期が36時間と非常に長く、さらに薬効用量の個人差が非常に大きい等の理由から抗凝固能のコントロールが難しく(ニューイングランドジャーナルオブメディスン(N.Eng.J.Med.)324(26)1865−1875,1991)、副作用である出血を防止するために頻繁なモニタリングが必要であり、さらに悪心、嘔吐、下痢、脱毛等の副作用も多いなど、臨床的には非常に使用しづらい薬物である。一方、ヘパリンは、静脈内投与で使用される抗凝固剤として世界中に汎用されているが、直接トロンビンを阻害するため出血の危険性が高く、ワーファリンと同様に頻繁なモニタリングが必要であり、さらに作用機序に基づく特性から、アンチトロンビンIIIが低下している場合、十分な凝固阻害効果が期待されない等、臨床的には非常に使用しづらい薬物である。それゆえ、ワーファリンやヘパリンで認められるような欠点の無い優れた抗凝固剤の登場が望まれていた。
血液凝固カスケードは外因系あるいは内因系凝固カスケードが活性化することにより開始するタンパク質限定分解の連鎖反応であり、いったん活性化されるとこの反応は雪だるま式に増幅する。この血液凝固カスケードの最終段階はトロンビンによるフィブリノーゲンのフィブリンへの転化であるため、近年トロンビン阻害剤の開発も行なわれてきたが、直接トロンビンを阻害する薬物は出血傾向を来す危険のあることが知られている。更に、経口投与でのバイオアベイラビリティーが低く、いまだかつて経口投与可能なトロンビン阻害剤として製品化がなされたものはない。
FXaは凝固カスケードにおいてトロンビンの上流に位置し、外因系および内因系凝固カスケードの合流点に位置するKey Enzymeであり、1分子のFXaが1分間に約100分子のトロンビンを産生することが知られている。このため、FXa阻害剤はトロンビン阻害剤よりも効率的に凝固カスケードを阻害できる可能性があるトロンボシスリサーチ(Thrombosis Research)19巻、339−349頁、1980年;メビオ(Mebio)14巻、8号、1997年)。
FXa阻害作用を示す化合物として、芳香族アミジン誘導体、とりわけアミジノナフチル誘導体を開示した公報として、特開平5−208946号公報やWO96/16940号公報があり、或いはアミジノフェニル基を有する環状ウレア化合物を開示したWO97/38984号公報等がある。しかし、何れも開発中であり、未だ上市されるには至っていない。
また、経口投与におけるバイオアベイラビリティーが低いうえ、トロンビン阻害作用およびトリプシン阻害作用とFXa阻害作用との乖離に改善の余地があることや、アミジノ基にともなう血圧低下および呼吸不全等の副作用が生じないか懸念される。
なお、特開平5−208946号公報の化合物について、FXa阻害作用によるインフルエンザウイルスの増殖阻害活性に基づくインフルエンザウイルスの感染予防・治療剤としての用途が開示されている。
また、FXa阻害剤として1−(4−ピリジル)ピペリジン−4−イル基に代表されるアミノ複素環基を有する化合物を開示した従来技術として、WO96/10022号公報、WO97/28129号公報、WO97/29104号公報、WO98/21188号公報、WO98/54164号公報、WO99/06371号公報或いはWO99/09027号公報等が挙げられる。
これらの化合物は、経口吸収でも有効なFXa阻害剤をめざすものである。しかし、低分子のFXa阻害剤は研究途上であり、未だ医薬品として上市されるには至っていない。
医薬品開発においては、目的とする薬理活性のみでなく、吸収、分布、代謝、排泄等の各種の面で厳しいクライテリアを満たすことが要求される。例えば、薬物相互作用、脱感受性ないし耐性、経口投与時の消化管吸収、小腸内への移行速度、吸収速度と初回通過効果、臓器バリアー、蛋白結合、薬物代謝酵素の誘導、排泄経路や体内クリアランス、適用方法(適用部位、方法、目的)等において種々の検討課題が要求され、これらを満たすものはなかなか見出されない。
抗凝固薬についてもこれらの医薬品開発上の総合的課題は常にある。
そして、FXa阻害剤については、加えて、先述したワーファリンの経口投与時の副作用の問題点や、静注投与のみ可能なヘパリンに見られるトロンビン阻害に基づく出血の危険性の回避が求められているのである。
また、FXaの阻害剤を分子設計的手法により構築する場合、FXaとFXa阻害剤との結合状態が非常に重要な意味をもつ。FXaはその立体構造において、キモトリプシン型セリンプロテアーゼに特徴的な活性部位構造を形成している。
セリンプロテアーゼの活性中心は、複数のサブサイトと呼ばれるポケットから形成されており、Ser195残基と共有結合を形成しない阻害剤のほぼ全ては、これらのポケットに結合することが知られている。その中でもS1ポケットは、セリンプロテアーゼにおいて、基質を結合する、もしくは、基質の選択性を発揮するために最も重要と考えられている。
そして、セリンプロテアーゼ阻害剤においても、その阻害活性と酵素選択性を発揮するために、S1サイトは最も重要と考えられる。S1ポケット内部で最も基質特異性に重要と一般的に考えられている残基は、キモトリプシ番号で189番の残基であるが、FXaではこの残基にAsp(Asp189)を有しており、ポケット内部はマイナスに荷電していると考えられている。
しかし、これは、FXa以外にもトリプシン、トロンビン、プロテインC、ティッシュプラスミノーゲンアクチベーター等のセリンプロテアーゼに共通であり、FXa阻害剤において酵素特異性を難しくしている要因の一つである。酵素全体の基質特異性は、S1ポケットの構造的差異に加えて、S3ポケットなどのサブサイトの構造的差異により決定されるが、その構造の違いを利用することにより、FXaに対して選択的な阻害剤を設計することが可能である。
FXaとFXa阻害剤との結合状態に関しては、これまでのところ特定化合物(DX−9065aおよびFX−2212a)についてのみX線結晶解析の報告がある。
DX−9065aではアミジノ基がFXaのS1ポケットに結合しており、特にAsp189と当該アミジノ基が静電的相互作用かつ、水素結合を介して強固に結合するという、トリプシンやトロンビン阻害剤において一般的に知られている結合様式を取っている。
また、FX−2212aにおいても同様の既存の結合様式でアミジノ基がFXaのS1ポケットに結合していることが判明している(J.Biol.Chem.1996 Nov.22;271(47):29988−92 Brandstetter H.etal.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1998)Jun.9;95(12):6630−5 Kamata K.et al.)。
しかしながら、DX−9065aおよびFX−2212aは、経口投与での有効性が十分でなく、また、アミジノ基やグアニジノ基による副作用が懸念されていた。一方、他の構造のFXa阻害剤については、そうしたX線結晶解析が可能かどうかも明らかでなく、FXaとの結合状態に関しては未だ知られていない。
したがって、アミジノ基やグアニジノ基の有用性については認められてはいるものの、これらの欠点を改善した、タイプの異なるFXa阻害剤を探索/開発する際にどのような構造に注目して取り組むべきかの示唆は、こうしたFXaと既存のFXa阻害化合物との複合体結晶構造データに基づく相互作用情報からの手がかりはなく、切望の極みであった。
発明の開示
かかる状況下において、抗凝固薬として、安全性が高く、有効性が優れかつ使いやすい薬剤が求められている。より具体的には、例えば、他剤との相互作用がなく、出血の危険性の低い等の理由で副作用が少なく、用量反応性に優れている等の点において、少なくともこれらの1つ以上を解決したヒトを含む哺乳動物に対し経口投与可能な薬剤、とりわけ臨床上使い勝手のよい抗凝固薬が切望されている。
また、FXa阻害剤の探索や開発において、トリプシンやトロンビン阻害剤と同様の結合様式を示すDX−9065aなどとは異なるタイプの薬物の創製に応用可能であり、かつ重要な示唆を与えるような、FXaとFXa阻害剤との会合状態に付いての有用なファルマコフォア(Pharmacophore:コンピューターを用いたドラッグデザインにより阻害剤を創製するのに有用な分子設計上のパラメーター)の提示が切望されている。
なお、かかるパラメータを活用することにより、例えば、アミジノ基、グアニジノ基を持たないFXa阻害化合物を創製するにあたり、例えばコンピュータを活用した阻害化合物の検索式の構築と探索、FXaの蛋白質基質の医薬品となりうる化合物への変換、既存の副作用を有するFXa阻害化合物の骨格からの脱却、新規なファルマコフォアに基づいたde novo設計、或いはFXa以外の他のセリンプロテアーゼの阻害剤が有する新規パラメーターに基づいた特異性の変換も可能となる。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、優れたFXa阻害作用を有する化合物の提供を目的として鋭意研究した結果、スピロ骨格を有する式(I)の化合物が、極めて優れたFXa阻害作用を有することを見出して本発明を完成した。
また、併せて、本発明のFXa阻害剤とFXaとの複合体の結晶を得ることに成功し、その解析を通じてDX−9065a等とは異なるタイプのFXa阻害薬を創製するのに有用かつ重要なファルマコフォアを見出し、本発明を完成した。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、後述する式(I)で示されるスピロ結合を有する三環系化合物、それらの合成中間体、およびFXa阻害剤の分子設計に有用なファルマコフォアに関する。
以下本発明の各態様について説明する。なお、本発明化合物において、例えば「C1−6」とは、特に断らない限り、「構成炭素数1ないし6の直鎖または分枝鎖のもの」を意味する。また、環状の基についてはその「環の構成炭素員数」を意味する。
本発明の式(I)の化合物及び式(I’)の化合物の分子量は特には限定されないが、分子量1000以下であることが好ましい。より好ましくは、分子量700以下(もしくは構成炭素原子のみの総数が40未満)である。かかる分子量の限定は、近年のドラッグデザインにおいて、化合物の構造を特定する際、薬理学的な特徴のある基本骨格に加え、他の大きな限定要因として日常的に用いられる。とりわけ薬物の経口吸収性を考慮する場合は、分子量1000以下が好ましい。
[1]本発明の態様1
本発明化合物は、下記式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩である。
(式中、
Aは、水素原子であるか、または
(1)飽和もしくは不飽和の5〜6員の環状炭化水素基、または飽和もしくは不飽和の5〜6員の複素環基、(2)アミノ基、(3)イミドイル基(ここで(1)〜(3)の基は置換基を有していてもよい)から選ばれる基であり、
Bは、単結合、カルボニル基、−S(O)−、もしくは置換されていてもよいC1−2アルキレン基であり、
Dは、水素原子、−CO−R(Rは水素原子もしくは置換基)、もしくは置換されていてもよいC1−6アルキル基であり、
Xは、窒素原子、またはA’−B’−基で置換されていてもよいメチン基(A’はAの定義から、B’はBの定義から選択される基を表す)であり、
Yは、酸素原子、−S(O)−、または置換されていてもよいイミノ基(−NH−)であり、
Zは、メチレン基、カルボニル基、またはチオカルボニル基であり、
Tは、−S(O)−、カルボニル基、または置換されていてもよいC1−2のアルキレン基であり、
Qは、炭化水素基もしくは複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよく、
l、m、n、x、y、zは、それぞれ独立に0、1、2から選択される整数であり、但しl、mは同時に0ではなく、rは0もしくは1の整数であり、
Xを含む環、Yを含む環、Zを含む環の3つの環はそれぞれ置換されていても良く、
Zを含む環中、点線と実線とで表される結合は、単結合、もしくはrが0のときは二重結合を表わす。)
以下に、上記式(I)中の各基について具体的に説明する。
[1−1]式(I)の化合物において、Qは、炭化水素基もしくは複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。Qの定義における「炭化水素基」としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基そしてアリール基等が挙げられ、好ましくはアリール基である。
「脂肪族炭化水素基」の例としては、直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素基、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
「アルキル基」としては、例えば、C1−10(より好ましくはC1−6)のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチル−ヘプチル、n−ノニル等が挙げられる。
「アルケニル基」の例としては、C2−6のアルケニル基、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、2−メチルアリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等が挙げられる。
「アルキニル基」の例としては、C2−6のアルキニル基、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等が挙げられる。
「脂環式炭化水素基」の例としては、飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基を含み、例えば、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、あるいはシクロアルカンジエニル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル等のC3−9のシクロアルキル基が挙げられる。
「シクロアルケニル基」の例としては、1−シクロプロペン−1−イル、1−シクロブテン−1−イル、1−シクロペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、1−シクロヘキセン−1−イル等のC3−6のシクロアルケニル基が挙げられる。
「シクロアルカンジエニル基」の例としては、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イル等のC4−6のシクロアルカンジエニル基が挙げられる。
「アリール基」の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル、フェナンスリル、アセナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレニル(2−イル)等のC6−14アリール基が挙げられるが、フェニル、2−ナフチル、1−ナフチルが好ましい。
Qにおける「置換されていてもよい複素環基」の複素環基の例としては、芳香族複素環基、飽和もしくは不飽和の非芳香族複素環基が挙げられる。これらの環は、炭素原子以外にN、O、Sから選択される少なくとも1つのヘテロ原子(好ましくは1〜4個)を含む5〜14員環、好ましくは5〜12員環を有する環が挙げられる。
「芳香族複素環基」としては、単環式もしくは縮環式のものがあるが、単環式芳香族複素環基としては、環員数5〜6のものが好ましく、例えば、ピロリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,2,5−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、チアジアジニル等が挙げられる。
また、縮環式芳香族複素環基としては、環員数8〜12のものが好ましく、これには上記の5〜6員の芳香環が1ないし複数個(好ましくは1〜2個)の芳香環(例えばベンゼン環等)と縮合して形成された環から任意の水素原子を除いてできる1価の基などが含まれる。
具体的には、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾフラニル(−2−イル)、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル(−2−イル)、イソベンゾチエニル、ベンズインダゾリル、ベンゾオキサゾリル(−2−イル)、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル(−2−イル)、1,2−ベンゾイソチアゾリル、2H−ベンゾピラニル(−3−イル)、(1H−)ベンズイミダゾリル(−2−イル)、1H−ベンゾトリアゾリル、4H−1,4−ベンゾオキサジニル、4H−1,4−ベンゾチアジニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキザリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、ファノキサチニル、チアンスレニル、フェナンスリジニル、フェナンスロリニル、インドリジニル、(4,5,6,7−)テトラヒドロチアゾロ[5,4−c]ピリジル(−2−イル)、(4,5,6,7−)テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジル、(1,2,3,4−)テトラヒドロイソキノリル(−6−イル)、チアゾロ[5,4−c]ピリジル(−2−イル)、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,5−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニル等が挙げられる(括弧内の記載は好ましい態様を示している)。
「非芳香族複素環基」の例としては、3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基が含まれ、例えば、アゼチジニル、オキシラニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、モリホリニル、チオモルホリニル、キヌクリジニル等が挙げられる。
Qにおける「置換されていてもよい炭化水素基」もしくは「置換されていてもよい複素環基」の「置換基」としては、(a)アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、(b)複素環基、(c)アミノ、(d)イミドイル、アミジノ、ヒドロキシ、チオール、オキソ(e)フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ、ニトロ、(f)カルボキシル、(g)カルバモイル、チオカルバモイル、スルホニル、スルフィニル、スルフィドおよびアシル等が挙げられる。上記(a)〜(g)のうち、(e)を除く基はさらに置換基を有していてもよい。
Qの「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」は、これらの置換基で1から5個任意に置換されうる。かかる置換基としての(a)〜(f)を以下に具体的に説明する。
(a)アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニルの各基は、先述のQの「炭化水素基」として例示された「アルキル基」、「アルケニル基」、「アルキニル基」、「アリール基」、「シクロアルキル基」または「シクロアルケニル基」であるが、好ましくは、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C6−14アリール基、C3−7シクロアルキル基またはC3−6シクロアルケニル基である。
これらが更に任意の置換基RI(RIは、C1−6のアルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシル、C1−6アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、ハロゲン、C1−6アルキル、ハロゲン化C1−6アルキル、C1−6アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ、C2−6アルケノイルアミノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノまたはアミジノから選ばれる基を表す)を含んでいてもよい。
(b)複素環基は、先述のQの「複素環基」として例示された「芳香族複素環基」、「非芳香族複素環基」であり、より好ましくは炭素原子以外に窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの、(i)「5〜6員の単環式芳香族複素環基」、(ii)「8〜12員の縮合式芳香族複素環基」、(iii)「3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基」である。
これらが更に任意の置換基RII(RIIは、C1−6アルキル基、C1−6アルカノイル基もしくはベンゾイル基を表す)を含んでいてもよい。
(c)「置換されていてもよいアミノ基」とは、置換基RIII(RIIIは、C1−6アルキル、C1−6アルカノイル、C2−6アルケノイル、ベンゾイル、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシカルボニルから選ばれる基を表す)で1または2個置換されていてもよいアミノ基や、C1−6アルキル、C7−10アラルキルもしくはC6−10アリールから選ばれる基で置換されていてもよい3〜8員の単式環状アミノ基が挙げられる。
(d)「置換されていてもよいイミドイル基、同アミジノ基、同ヒドロキシ基もしくは同チオール基」における置換基としては、上記(c)のRIII(RIIIは、C1−6アルキル、C1−6アルカノイル、C2−6アルケノイル、ベンゾイル、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシカルボニルから選ばれる基を表す)が挙げられる。従って(d)としては、例えばC1−6アルキルイミドイル基、ホルムイミドイル基もしくはアミジノ基、ベンジルオキシ基、C1−6アルカノイルオキシ基ならびにオキソ基等が例示される。
(e)フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基もしくはニトロ基であり、
(f)「置換されていてもよいカルボキシル基」とは、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C7−12アリールオキシカルボニル基もしくはC6−10アリール−C1−4アルコキシカルボニル基等が挙げられる。これら(f)中のアリール基は、更に、置換基RIVで置換されていてもよい。ここでRIVは、上記(b)の置換基RII(RIIは、C1−6アルキル基、C1−6アルカノイル基もしくはベンゾイル基を表す)で1〜2個まで置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、もしくは1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもいアルコキシ基を表す。
(g)「置換されていてもよいカルバモイル基、同チオカルバモイル基、同スルホニル、同スルフィニル、同スルフィドおよび同アシル基」とは、例えば−CONRgRg’、−CSNRgRg’、−SO−Rg、−CO−Rgで示される基であり、ここで、
Rgは、水素原子もしくは置換基RV(RVは、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、C7−10アラルキルもしくは複素環基を表し、当該複素環基は炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基、(iii)3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基の何れかの複素環基であり、これらの各々のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルもしくは複素環基は、更に上述(f)の置換基RIVで置換されていてもよい)を表し、
Rg’は、水素原子もしくはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル基もしくはC7−10アラルキル基から選ばれる基であり、
yは0、1、もしくは2である。
上記式(I)の化合物において、Qは、好ましくは、
[1−1−a]「置換されていてもよい炭化水素基」もしくは「置換されていてもよい複素環基」として、例えば、
(1)C1−10アルキル基、(2)C2−6アルケニル基、または(3)C2−6アルキニル基、(4)C3−9シクロアルキル基、(5)C3−6のシクロアルケニル基、(6)C4−6シクロアルカンジエニル基、(7)C6−14アリール基、(8)炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基、(iii)3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基の何れかの複素環基であり、上記(1)〜(8)のそれぞれの基は、置換されていないかまたは以下に示される(a−1)〜(g−1)から選択されるクラスの置換基で任意に1〜5個置換されていてもよい。 ここで各クラスは、
(a−1):C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C6−14アリール基、C3−7シクロアルキル基またはC3−6シクロアルケニル基であり、これらの各々の置換基は更に、置換基RI(RIは、C1−6のアルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシル、C1−6アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、ハロゲン、C1−6アルキル、ハロゲン化C1−6アルキル、C1−6アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ、C2−6アルケノイルアミノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノまたはアミジノから選ばれる基を表す)で置換されていてもよく、
(b−1):炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基、(iii)3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基の何れかの複素環基であり、これらの各々の複素環基は更に、置換基RII(RIIは、C1−6アルキル、C1−6アルカノイルもしくはベンゾイルから選ばれる基を表す)で置換されていてもよく、
(c−1):置換基RIII(RIIIは、C1−6アルキル、C1−6アルカノイル、C2−6アルケノイル、ベンゾイル、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシカルボニルから選ばれる基を表す)で置換されていてもよいアミノ基、または、C1−6アルキル、C7−10アラルキルもしくはC6−10アリールから選ばれる基で置換されていてもよい3〜8員の単式環状アミノ基であり、
(d−1):イミドイル基、アミジノ基、ヒドロキシ基もしくはチオール基であり、これらの各々の置換基は更に、上記(c−1)の置換基RIIIから選ばれる基で置換されていてもよい、
(e−1):フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基もしくはニトロ基であり、
(f−1):カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C7−12アリールオキシカルボニル基もしくはC6−10アリール−C1−4アルコキシカルボニル基であり;(f−1)中のアリール基は、更に置換基RIV’(RIV’は、上記(c−1)のRIIIから選ばれる基で1〜2個まで置換されていてもよいアミノ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルもしくはC1−6アルコキシ、ハロゲン原子、ヒドロキシ、ニトロ、シアノから選ばれる基を表す)で置換されていてもよい、
(g−1):基−CONRgRg’、−CSNRgRg’、−CO−Rgもしくは−SO−Rgであり、
Rgは、水素原子もしくは置換基RV(RVは、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、C7−10アラルキルもしくは複素環基を表し、当該複素環基は炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基、(iii)3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基の何れかの複素環基であり、これらの各々のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルもしくは複素環基は、更に上述(f−1)の置換基RIVで置換されていてもよい)をあらわし、
Rg’は、水素原子もしくはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル基もしくはC7−10アラルキル基から選ばれる基であり、
yは0、1もしくは2である。
ここで、上記の(a−1)〜(g−1)で示される基において、「特に好ましい基」としては、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン原子、ハロゲン化C1−6アルキル、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、カルバモイル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、C2−6アルキニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、モノ/ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルコキシカルボニル、C2−6アルカノイル、C2−6アルカノイルアミノ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、カルボキシ−C1−6アルキル、C1−6アルコシキカルボニル−C1−6アルキル、カルバモイル−C1−6アルキル、N−(C1−6)アルキルカルバモイル−C1−6アルキル、N,N−ジC1−6アルキルカルバモイル−C1−6アルキル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、ベンジル、ベンゾイル等の置換基が挙げられるが、置換基中の芳香環は更にハロゲン原子、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシル、カルバモイル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ/ジC1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、C1−6アルコキシカルボニル、N−C1−6アルキルカルバモイル、N,N−ジC1−6アルキルカルバモイルおよびC2−6アルケノイルアミノから選ばれる基で1〜3個置換されていてもよい。
[1−1−b]好ましくは、Qは、(1)C1−6アルキル基、(2)C2−6アルケニル基、(7)C6−14アリール基、(8)炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基、(iii)3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基の何れかの複素環基であり、ここで(1)、(2)、(7)および(8)の各基は、更に上述の[1−1](a−1)〜(g−1)から選択されるクラスの置換基(とりわけそこに「特に好ましい基」として列記された基)で任意に1〜2個置換されていてもよい。
[1−1−c]より好ましくは、Qは、(1’)または(2’)として、置換基(a−1)としてC6−14アリール基または置換基(b−1)として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基から選ばれる何れかの芳香環基から選ばれるいずれかの置換基で1つ置換された、
C1−6アルキル基(とりわけC1−2のアルキル基)もしくはC2−6アルケニル基(とりわけC2のアルケニル基)、
或いは(7’)ハロゲン原子で1〜2個置換されていてもよいC6−14アリール基、または、(8’)ハロゲン原子で1〜2個置換されていてもよい炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基、(iii)3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基の何れかの複素環基である。
かかる(1’)もしくは(2’)の置換基中の芳香環は、更にハロゲン原子、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシル、カルバモイル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ/ジC1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルカルバモイル、C1−6アルコキシカルボニル、N−C1−6アルキルカルバモイル、N,N−ジ1−6アルキルカルバモイルおよびC2−6アルケノイルアミノから選ばれる基で1〜3個置換されていてもよい。
また(7’)および(8’)の置換基中の芳香環は、更に上述の(a−1)〜(g−1)から選択されるクラスの置換基(とりわけ「特に好ましい基」として列記された基)で任意に1〜2個置換されていてもよい。
[1−1−d]更に好ましくは、Qは、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾ[b]チエン−2−イル基、インドリル−2−イル基、キノリン−3−イル基、1H−ベンズイミダゾール−2−イル基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、2H−ベンゾピラン−3−イル基、4−ビニルフェニル基、4−ベンゼンスルホニル−チオフェン−2−イル基、5−(2−ピリジル)チオフェン−2−イル基であり、更にそれらの芳香環は、ハロゲン原子(とりわけ塩素原子および臭素原子)もしくはC1−6アルキル基(とりわけメチル基)で1〜2個置換されていてもよい。[1−2]式(I)の化合物において、Aは、水素原子のほか、
(1)置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の5〜6員の環状炭化水素基、または、置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の5〜6員の複素環基であり(2)置換されていてもよいアミノ基または
(3)置換されていてもよいイミドイル基である。
[1−2−a]ここで(1)置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の5〜6員の環状炭化水素基、または、置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の5〜6員の複素環基において、
「飽和もしくは不飽和の5〜6員の環状炭化水素基」とはQにおける「脂環式炭化水素基」および「アリール基」に列挙される環状炭化水素基のうち炭素数5〜6のものが該当する。具体的には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニルおよびフェニル等が例示される。
「飽和もしくは不飽和の5〜6員の複素環基」とは、Qにおける「芳香族複素環基、飽和もしくは不飽和の非芳香族複素環基」に例示される複素環のうち5〜6員の単環式のものが挙げられる。当該環は、炭素原子以外にN、O、Sから選択される少なくとも1つのヘテロ原子(好ましくは1〜4個)を含む。
具体的には、「非芳香族複素環基」の例としては、アゼチジニル、オキシラニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、キヌクリジニル、
「芳香族複素環基」の例としては、ピロリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,2,5−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、チアジアジニル等が挙げられる。
Aにおける環は、何れも更に、Rq(RqはQの置換基(1)〜(8)これらはまた当該置換基(a)〜(f)で置換されていてもよいもの全てを含む)で1〜3個置換されていてもよい。或いはまた、
R1(R1はA群(水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、低級アルカノイル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルフィニル基、モノ−もしくはジ−置換低級アルキルアミノ基、環状アミノ基、低級アルカノイルアミノ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ベンゾイル基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、低級アルキルチオカルボニル基、ヒドロキシ基もしくはモノ−もしくはジ−置換低級アルキルアミノカルボニル基)から任意に選ばれる置換基であるか、環状の窒素原子とNオキシド基を形成する酸素原子か、または、A群の置換基により任意数だけ置換されていてもよい、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基、フェニル基、5〜6員の複素環基である。)から選ばれる基で1〜2個置換されていてもよい。
[1−2−b](2)の置換されていてもよいアミノ基としては、置換基RVII(RVIIは、C1−10アルキル基、ホルムイミド基、アセトイミドイル基、C2−6アルケニル基、C3−6シクロアルケニル基、C3−9シクロアルキル基、C4−6シクロアルカンジエニル基もしくはC6−14アリール基である)で1〜2個置換されていてもよいアミノ基が挙げられる。なお、環状アミノ基は[1−2−a](1)の「飽和もしくは不飽和の5〜6員の複素環基」に含まれることを注記しておく。
[1−2−c]また(3)の置換されていてもよいイミドイル基としては、
基;−C(RVII’)=N−RVII’’
(RVII’およびRVII’’は同一もしくは異なって、水素原子あるいは上述(2)の置換基RVIIから任意に選択される基である)が挙げられる。
なお、環状イミドイル基は[1−2−a](1)の「不飽和の5〜6員の複素環基」に含まれることを注記しておく。
より好ましくは、Aが水素原子のほか、
[1−2−a1]炭素原子以外に1〜4個の窒素原子か1〜3個の酸素原子もしくは硫黄原子を含みうる5員の芳香族の複素単環基、もしくは、下記の基であり
ここで、G,G,G,Gは独立にCHまたはNであり、いずれの環も上述の(a)〜(g)により任意に1〜2個置換されていてもよく、
[1−2−b1]C1−10アルキル基もしくはC6−14アリール基で1〜2個置換されていてもよいアミノ基、ホルムイミドイル−アミノ基、アセトイミドイルアミノ基、または、
[1−2−c1]基:−N(Ra’’)−C(Ra’)=N−Raまたは
基:−C(Ra’)=N−Raであり、
(各々の基において、Ra’’は水素原子もしくC1−6アルキル基であり;
Ra’は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルカノイル基、ベンゾイル基、C1−6アルキル、C1−6アルカノイルもしくはベンゾイルから選ばれる基で1〜2個置換されていてもよいアミノ基、またはC1−6アルコキシ基であり;
Raは水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルカノイル基、またはベンゾイル基であり)、または、それぞれの基の−C(Ra’)=N−Raの部分において、
を形成してもよい。
[1−3]式(I)の化合物において、Bは
[1−3−a]単結合、カルボニル基、−S(O)−(とりわけxは0〜2であり、好ましくは2であり)、もしくは置換(とりわけハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基もしくはハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基で置換)されていてもよいC1−2アルキレン基であり、
[1−3−b]好ましくは、単結合、カルボニル基、−SO−であり、
[1−3−c]より好ましくは単結合である。
[1−4]式(I)の化合物において、Dが、
[1−4−a]水素原子であるか、基−CO−R(Rは水素原子もしくは置換基である)であるか、または、置換(このましくは後述するR15により置換)されていてもよいC1−6アルキル基である。
は、好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニルアルキル基、あるいは、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェノキシ基、同ベンジルオキシ基、または、置換されていてもよいアミノ基とりわけ基−NR(ここでRおよびRは 同一もしくは異なって、水素原子、C1−6アルキル、C4−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、あるいはRとRとはそれらが結合している窒素原子といっしょになって5〜7員の複素環を形成するが当該複素環は更にN,S,Oから選ばれるヘテロ原子を1〜2個含有していてもよい)であるが、これらの置換基Rは更に、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、C1−6アルコキシカルボニル、オキソ、C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、カルボキシC1−6アルキル、C1−6アルキル−C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイルC1−6アルコキシから選ばれる基で置換されていてもよい。
[1−4−b]より好ましくは、Dは、水素原子または、
1)カルボキシル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニルアルキルカルボニル基あるいは、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェノキシカルボニル基もしくは同ベンジルオキシカルボニル基から選ばれる基であるか、
2)モノ−もしくはジ−C1−6アルキル置換されていてもよいカルバモイル基、C1−6アルコキシカルバモイル基、C1−6アルコキシカルボニルアルキルカルバモイル基、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシルで置換されていてもよい環状アミノカルボニル基(とりわけピロリジン−1−イルカルボニル基、ピペリジン−1−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、4−モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、1,1−ジオキソ−4−チオモルホリノカルボニル)、或いは、N−フェニルカルバモイル基もしくは式−CONH(CHS(O)10または−CONH(CHNR1112で示される基から選ばれる基(式中R10、R11およびR12は独立に水素原子、C1−6アルキル基、フェニル基、C1−6アルキルフェニル基、pは0〜4の整数、qは0〜2の整数、tは1〜4の整数である)であるか、または、
3)R15で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくはメチル、エチル)である(R15はカルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルカノイルオキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−置換C1−6アルキルアミノ基、C1−6アルカノイルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシルで置換されていてもよい5〜6員の環状アミノ基(とりわけピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、4−モルホリノ、チオモルホリノ、1,1−ジオキソ−4−チオモルホリノ)あるいはN−ヒドロキシイミノ基(アルドキシム基)を表す)。
[1−4−c]更に好ましくは、Dは水素原子、
1)カルボキシル基、C1−2アルキルカルボニル基、C1−2アルコキシカルボニル基、C1−2アルコキシカルボニルアルキルカルボニル基から選ばれる基であるか、あるいは、C1−2アルキル、C1−2アルコキシ、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェノキシカルボニル基もしくは同ベンジルオキシカルボニル基から選ばれる基であるか
2)モノ−もしくはジ−C1−2アルキル置換されていてもよいカルバモイル基、C1−2アルコキシカルバモイル基、C1−2アルコキシカルボニルアルキルカルバモイル基、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシルで置換されていてもよい環状アミノカルボニル基(とりわけピロリジン−1−イルカルボニル基、ピペリジン−1−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、4−モルホリノカルボニル基、チオモルホリノカルボニル基、1,1−ジオキソ−4−チオモルホリノカルボニル基)または、
3)R15’で置換されていてもよいメチル基もしくはエチル基である(R ’は、カルボキシル基、C1−2アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、C1−2アルコキシ基、C1−3アルカノイルオキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−置換C1−2アルキルアミノ基、C1−2アルカノイルアミノ基、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシルで置換されていてもよいピロリジン−1−イル基、同ピペリジン−1−イル基、同ピペラジン−1−イル基、同4−モルホリノ基、同チオモルホリノ基もしくは同1,1−ジオキソ−4−チオモルホリノ基を表す)が好ましい。
[1−5]式(I)において、Xは、
[1−5−a]A’−B’−で置換されていてもよいメチン基(A’はAの定義から、B’はBの定義から選択される基を表す)、または窒素原子であり、
[1−5−b]好ましくは、メチン基もしくは窒素原子であり、
[1−5−c]より好ましくは窒素原子である。
[1−6]式(I)において、Yは、
[1−6−a]酸素原子、−S(O)−(yは0〜2の整数であり)、置換されていてもよいイミノ基(−NH−)であり、イミノ基の置換基としては、上述[4]のDとして説明された、1)−CO−R(Rは上述の定義から選択される基である)、2)R15で置換されていてもよいC1−6アルキル基(R15は上述の定義から選択される基である)、3)C1−6のアルキル、C1−6アルコキシもしくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、あるいは4)N−オキシド基である。
[1−6−b]好ましくは、Yは酸素原子が好ましく、
[1−6−c]次いで−S(O)−(yは0〜2の整数であり、とりわけ0であり)が好ましく、もしくは
[1−6−d]無置換のイミノ基(−NH−)が好ましい。
[1−7]式(1)において、Zは、
[1−7−a]メチレン基、カルボニル基、チオカルボニル基であり、
[1−7−b]好ましくは、カルボニル基である。
[1−8]式(I)において、Tは、
[1−8−a]−S(O)−(zは0〜2の整数であり、とりわけ2であり)、カルボニル基、置換(とりわけハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基もしくはハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基で置換)されていてもよいC1−2のアルキレン基であり、
[1−8−b]好ましくは、−SO−もしくは−CH−である。
[1−9]式(I)において、l、m、n、は、
[1−9−a]それぞれ独立に0、1、2から選択される整数であり、但しl、mは同時に0ではなく、
[1−9−b]より好ましくは、lが1、mが0もしくは1、nは1である。
[1−10]式(I)において、rは0または1である。また、点線と実線とで表される結合は、単結合、もしくはrが0のときは二重結合を表わす。
[1−11]Xを含む環、Yを含む環、Zを含む環のそれぞれの環における置換基としては、オキソ基(=O)、ヒドロキシイミノ基(=N〜OH),アルコキシイミノ基(=N〜ORi:Riは置換基(好ましくはハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシから選ばれる基)で置換されていても良いC1−6アルキル基)である他、[1−4]のDで示される基が例示されるが、好ましくはオキソ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1−6のアルキル基、C2−6のアルケニル基、C2−6のアルキニル基が挙げられる。C1−6のアルキル基、C2−6のアルケニル基、C2−6のアルキニル基については、これらが更に置換基RI(RIは、C1−6のアルコキシ、C1−6のアルコキシカルボニル、カルボキシル、C1−6アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイル、ハロゲン、C1−6アルキル、ハロゲン化C1−6アルキル、C1−6アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ、C2−6アルケノイルアミノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミジノから選ばれる基を表す)で置換されていても良い。とりわけ好ましくは、オキソ基、C1−6のアルコキシ基、もしくはカルボキシル基が挙げられる。
好ましくは、
[1−11−a]Xを含む環の置換基としては、オキソ基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシアルキル基が好ましく、
[1−11−b]Yを含む環の置換基としては、オキソ基、ヒドロキシイミノ基、置換アルコキシイミノ基(=N〜ORi:Riは置換基(好ましくはハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシから選ばれる基)で置換されていても良いC1−6アルキル基)が好ましく、
[1−11−c]Zを含む環の置換基としては、オキソ基、ヒドロキシイミノ基、置換アルコキシイミノ基(=N〜ORi:Riは置換基(好ましくはハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシから選ばれる基)で置換されていても良いC1−6アルキル基)が好ましく、置換の位置としては、Zとして規定されるカルボニルをヒドロキシイミノ基、置換アルコキシイミノ基に変換したものも含まれる。
式(I)の化合物において、好ましい化合物は、上記[1−1]〜[1−11]の任意の組み合わせによって設定しうる。具体的な組み合わせをもった化合物の例としては、[1−12]に例示される。
[1−12]
式(I)において、
Qが、(1)C1−10アルキル基、(2)C2−6アルケニル基、(3)C2−6アルキニル基、(4)C3−9シクロアルキル基、(5)C3−6のシクロアルケニル基、(6)C4−6シクロアルカジエニル基、(7)C6−14アリール基、(8)炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基、(iii)3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基の何れかの複素環基であり、上記(1)〜(8)のそれそれの基は、置換されていないかまたは以下の(a)〜(g)から選択されるクラスの置換基で任意に1〜5個置換されていてもよく、
(a)C1−6アルキル基もしくはC6−14アリール基でありこれらは更に置換基RI(RIは、C1−6のアルコキシ基、ハロゲン、C1−6アルキル基、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基もしくはアミジノ基を表す)で置換されていてもよく、
(b)炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基、(iii)3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基の何れかの複素環基であり、これらの各々の複素環基は更に、置換基RII(RIIは、C1−6アルキル基、C1−6アルカノイル基もしくはベンゾイル基を表す)で置換されていてもよく、
(c)置換基RIII(RIIIは、C1−6アルキル基、C1−6アルカノイル基、ベンゾイル基もしくはハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルイミドイル基、ホルムイミドイル基もしくはアミジノ基を表す)から選ばれる基で置換されていてもよいアミノ基、
(d)イミドイル基、アミジノ基、ヒドロキシ基もしくはチオール基であり、これらの各々の置換基は更に、C1−6アルキル基、C1−6アルカノイル基、ベンゾイル基もしくはハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル基から選ばれる基で置換されていてもよい、
(e)ハロゲン原子、シアノ基もしくはニトロ基、
(f)カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C7−12アリールオキシカルボニル基もしくはC6−10アリール−C1−4アルコキシカルボニル基であり、これらのアリール基は更に置換基RIV(RIVは、ヒドロキシ、上記(c)の置換基RIIIから選ばれる基で1〜2個まで置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、もしくは1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルコシキ基を表す)で置換されていてもよい、
(g)−CO−RVであり、RVは、C1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C6−10アリール基、C7−10アラルキル基もしくは複素環基を表し、当該複素環基は炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基、(iii)3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基の何れかの複素環基であり、
Tが、−S(O)−(zは0〜2の整数であり、とりわけ2であり)、カルボニル基、置換(とりわけハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基もしくはハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基で置換)されていてもよいC1−2のアルキレン基であり、好ましくは、−SO−もしくは−CH−であり、
Aが、水素原子または、
(1)炭素原子以外に1〜4個の窒素原子か1〜3個の酸素原子もしくは硫黄原子を含みうる5〜6員の芳香族もしくは非芳香族の複素単環基であり、
これらの環は、更に以下の(a)〜(d)の置換基で置換されていてもよく、
(a)ハロゲン原子、(b)アミノ基、(c)ハロゲン、アミノ、カルボキシルもしくはヒドロキシからなる置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、(d)カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C7−12アリールオキシカルボニル基、C1−6アリール−C1−4アルコキシカルボニル基、これらのアリールは更に置換基RIV(RIVは、ヒドロキシ、置換基RII(C1−6アルキル、C1−6アルカノイルもしくはベンゾイルから選ばれる基)で1〜2個まで置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル基、もしくは1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基を表す)で置換されていてもよく、
(2)C1−10アルキル基もしくはC6−14アリール基で1〜2個置換されていてもよいアミノ基、もしくは、
(3)基:−N(Ra’’)−C(Ra’)=N−Raまたは基:−C(Ra’)=N−Raであり、
Ra’’は水素原子もしkはC1−6アルキル基であり、
Ra’は水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルカノイル基、ベンゾイル基、C1−6アルキル、C1−6アルカノイルもしくはベンゾイルから選ばれる基で1〜2個置換されていてもよいアミノ基、またはC1−6アルコキシ基であり、
Raは水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルカノイル基、またはベンゾイル基であり、
またはそれぞれの−C(Ra’)=N−Raの部分が、
を形成してもよく、
Bが、単結合、−SO−もしくは置換されていてもよいC1−2アルキレンであり、
Dが、水素原子、基−CO−R(Rは水素原子もしくは置換基である)または、置換(このましくは後述するR15により置換)されていてもよいC1−6アルキル基である。
は、好ましくは、水素原子、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニルアルキル、または置換されていてもよいアミノ基とりわけ基−NR(ここでRおよびRは同一もしくは異なって、水素原子、C1−6アルキル、C4−7シクロアルキル、C2−6アルケニルあるいはそれらが結合している窒素原子といっしょになって5〜7員の複素環を形成するが当該複素環は更にN,S,Oから選ばれるヘテロ原子を1〜2個含有していてもよい)であるがこれらの置換基Rは更に、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、C1−6アルコキシカルボニル、オキソ、C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、カルボキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキル−C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル−C1−6アルコキシから選ばれる基で置換されていてもよい。
より好ましくはDは、水素原子または、
1)カルボキシル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニルアルキルカルボニル基から選ばれる基であるか、
2)モノ−もしくはジ−C1−6アルキル置換されていてもよいカルバモイル基、C1−6アルコキシカルバモイル基、C1−6アルコキシカルボニルアルキルカルバモイル基、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシルで置換されていてもよい環状アミノカルボニル基(とりわけピロリジン−1−イルカルボニル基、ピペリジン−1−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、4−モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、1,1−ジオキソ−4−チオモルホリノカルボニル)、或いは、N−フェニルカルバモイル基もしくは式−CONH(CHS(O)10または−CONH(CHNR1112で示される基から選ばれる基(式中R10、R11およびR12は独立に水素原子、C1−6アルキル基、フェニル基、C1−6アルキルフェニル基、pは0〜4の整数、qは0〜2の整数、tは1〜4の整数である)であるか、または、
3)R15で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくはメチル、エチル)である(R15はカルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルカノイルオキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−置換C1−6アルキルアミノ基、C1−6アルカノイルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシルで置換されていてもよい5〜6員の環状アミノ基(とりわけピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、4−モルホリノ、チオモルホリノ、1,1−ジオキソ−4−チオモルホリノ)あるいはN−ヒドロキシイミノ基(アルドキシム基)を表す)。
XがCHもしくはNであり、
Yが、酸素原子、−S(O)−(yは0〜2の整数、とりわけ0である)もしくはNHであり、
Zがメチレン基、カルボニル基もしくはチオカルボニル基(とりわけカルボニル基)であり、
l、m、n、はそれぞれ独立に0,1,2から選択される整数であり、但しl、mは同時には0ではなく、rは0もしくは1の整数であり、点線と実線で表される結合は、単結合、もしくはrが0のときは二重結合を表わす。
[1−13]
更に上記の範囲において、より好ましい化合物例として式(Im)の化合物が挙げられる。
式(Im)において、X,Y,Z,D,Q,l,m,n,rの定義は[1−12]の定義と同じであり、Tは−SO−もしくは−CH−であり、Aが、炭素原子以外に1〜4個の窒素原子か1〜3個の酸素原子もしくは硫黄原子を含みうる5員の芳香族の複素単環基(とりわけ
ここで、G,G,G,Gは独立にCHまたはNであり、少なくとも1つがNであるものが好ましい。より好ましくはGがNで、G,G,GがCHであるもの;GがNで,G,G,GがCHであるもの;GがNで、G,G,GがCHであるもの;G、GがNで、G,GがCHであるもの;G,GがNで、G,GがCHであるもの;G,G,GがNで、GがCHであるもの;G,G,GがNで、GがCHのものであり、さらには、GがNであり、G,G,GがCHであるもの;G,GがNであり、G,GがCHであるもの;G,G,GがNで、GがCHであるものがより好ましい。
より具体的には4−ピリジル、3−ピリジル、2−ピリジル、4−ピリミジニル、3−ピリミジニル、4−ピリダジニルが挙げられる。とりわけ好ましくは、4−ピリジル、4−ピリミジニルである。
なお、上記のいずれのG〜GのNにおいてもN−オキシドを形成しうるが、GのN−オキシドが好ましい(とりわけ少なくともGがNであるものが好ましく)。また、いずれの5〜6員の環も上述のAの置換基(a)〜(d)で任意に1〜2個置換されていてもよい。
とりわけAとして、無置換もしくは、ハロゲン原子、アミノ基、メチル基、エチル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基で1つ置換された4−ピリジル基が好ましく、なかでも無置換の4−ピリジル基が好ましい。
好ましい化合物を以下に例示する。
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルメトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−((E)−4−クロロスチリルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン;
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(イソプロポキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−6−(プロポキシカルボニル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
(−)−6−(アリルオキシカルボニル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
(−)−1,4−ジアザ−6−(t−ブトキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
アンモニウム 1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−6−カルボキシレート;
(+)−アンモニウム 1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−6−カルボキシレート;
(−)−アンモニウム 1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−6−カルボキシレート;
4−[1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−2−オキソスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−1’−イル]ピリジン 1−オキシド;
1’−アセトイミドイル−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
6−(アミノメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルアミノメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(モルホリノメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−メチル−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
アンモニウム 4−[1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−6−イル]ブチレート;
1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−メチル−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(7−クロロ−2H−ベンゾピラン−3−イルスルホニル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(7−クロロ−2H−ベンゾピラン−3−イルメチル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロベンゾチオフェン−2−イルスルホニル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロベンゾチオフェン−2−イルメチル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(5−クロロベンゾフラン−2−イルスルホニル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(5−クロロベンゾフラン−2−イルメチル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
1,4−ジアザ−4−(6−クロロベンゾフラン−2−イルスルホニル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
或いはこれらの(+)もしくは(−)光学異性体、およびそれらの製薬学的に許容される塩(例えばメタンスルホン酸塩(モノ塩もしくはジ塩))が挙げられる。
[2]本発明の第2の態様は、式(I)で示される化合物または製薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物である。
[2−a]より詳細には、当該医薬組成物が、
1)抗凝固剤、血栓または塞栓によって引き起こされる疾病の予防及び/または治療剤、
2)抗凝固剤の有効な疾患の予防及び/または治療剤、FXa阻害が有効な疾病の予防及び/または治療剤、
3)心房細動・人工弁あるいは心臓弁膜症に伴う塞栓(好ましくはこれらの疾患に伴う脳塞栓症発症)の予防剤、一過性脳虚血発作予防及び/または治療剤(とくに再発予防剤)、
4)DICの予防及び/または治療剤、インフルエンザウイルス感染症の予防及び/または治療剤或いは深部静脈血栓症の予防及び/または治療剤のいずれかである。
[3]本発明の第3の態様は、式(I)で示される化合物または製薬学的に許容される塩を含有することを特徴とするFXa阻害剤である。
[3−a]より詳しくは、式(I)で示される化合物または製薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とした、特異的なFXa阻害剤である。また、経口投与可能なFXa阻害剤であり、さらに経口投与可能な特異的なFXa阻害剤である。
[3−b]式(I)で示される化合物または製薬学的に許容される塩を用いることを特徴とする試薬である。当該試薬には、FXa阻害作用を利用した、哺乳動物の血液凝固能の異常を診断するための試薬、生理学的実験において定量的なFXa阻害作用を利用した試薬等が例示される。
[4]本発明の態様4は、式(V)の化合物である。
(式中、A,B,X,Y,l,mの定義および好ましい態様は、式(I)と同一であり、Xを含む環およびYを含む環はそれぞれ置換されていても良く、Rは、水素原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、または、2つのRが結合してC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロゲン原子で置換されていてもよいC2−4のアルキレン基を形成してもよい)
式(V)の化合物は、式(I)の合成上の中間体として有用な新規化合物である。なお、A,B,X,Y,l、mの好ましい範囲は式(I)の好ましい説明に基づく。Rは好ましくはメチル基、エチル基、1,2−エチレン基もしくは1,3−プロピレン基が挙げられる。
[5]本発明の態様5は、式(VI)の化合物である。
(式中、A,B,X,Y,Z,T,Q,l,m,nの定義および好ましい態様は、式(I)と同一であり、Xを含む環、Yを含む環はそれぞれ置換されていても良く、nが1以上のときZに結合するアルキレンは置換されていても良く、Rは、水素原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、または、2つのRが結合してC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロゲン原子で置換されていてもよいC2−4のアルキレン基を形成してもよい。)
式(VI)の化合物は、同じく式(I)の合成上の中間体として有用かつ新規な化合物である。なお、A,B,X,Y,l、mの好ましい範囲は式(I)の好ましい説明に基づく。Rは好ましくはメチル基、エチル基、1,2−エチレン基もしくは1,3−プロピレン基が挙げられる。
[6]本発明の第6の態様は、 式(Ik)の化合物である。
(式中、P,Pは各々独立に水素原子もしくはイミノ基の保護基を表わし、Y,Z,D,l,m,n,rの定義および好ましい態様は、式(I)と同一であり、3つの環はそれぞれ置換されていても良い。)。ここで、イミノ保護基としては、例えばベンジル基等のアラルキル基、アセチル基等のアシル基、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基などが挙げられるが、その他例えばProtective Groups in Organic Synthesis第2版、1991年、ジョンウィリー アンド サンズ等の精著に解説されるイミノ保護基が参照される。
[7]本発明の第7の態様は、式(I−a’)の化合物である。
(式中、A,B,D,X,Y,Z,Q,T,l,m,n,rの定義および好ましい態様は、式(I)と同一であり、Wは脱離基もしくは脱離基に変換可能な基であり、Xを含む環、Yを含む環はそれぞれ置換されていても良く、nが1以上のときZに結合するアルキレンは置換されていてもよい。)。ここで脱離基としては、例えばハロゲン原子、アセチルオキシ等のアシルオキシ基、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ基等の置換スルホニルオキシ基等が例示されるが、その他必要に応じ有機化学の一般的教科書が参照されうる。
[8]態様の8は、分子内に式(I’’)の部分構造をもち、FXa阻害活性を有する化合物もしくはその塩である。
(式中、−X=は、−CH=もしくは−N=であり、Xを含む環、Yを含む環、Zを含む環の3つの環はそれぞれ置換されていても良く、Y,Z,D,T,Q,l,m,n,rの定義および好ましい態様は式(I)のものと同一である)。
式(I’’)の部分構造は、化合物がFXa阻害活性を発現する際に非常に有用かつ新規な部分構造である。
[9]第9の態様は、分子内に式(I’’’)の部分構造をもち、FXa阻害活性を有する化合物もしくはその塩である。
(式中、Xはメチン基もしくは窒素原子であり、Xを含む環、Yを含む環、Zを含む環の3つの環はそれぞれ置換されていても良く、A,B,Y,Z,D,l,m,n,rの定義および好ましい態様は式(I)のものと同一である)。
式(I’’’)の部分構造は、化合物がFXa阻害活性を発現する際に非常に有用かつ新規な部分構造である。
[10]第10の態様は、
[10−a]下記式(I’)で表されるFXa阻害活性を有する化合物またはその製薬学的に許容される塩:
(式中、Dは、水素原子、−CO−R(Rは水素原子もしくは置換基)、もしくは置換されていてもよいC1−6アルキル基であり、
Xは、メチン基または窒素原子であり
Yは、酸素原子、−S(O)−、または置換されていてもよいイミノ基(−NH−)であり、
Yを含む環は置換基としてオキソ基を有していてもよく、
Zは、メチレン基、カルボニル基、またはチオカルボニル基であり、
l、m、n、yは、それぞれ独立に0、1、2から選択される整数であり、但しl、mは同時に0ではなく、rは0もしくは1の整数であり、
点線と実線とで表される結合は、単結合、もしくはrが0のときは二重結合を表わし、
LaおよびLbは、式(I’)の化合物がFXaに結合する際に、
Laは、FXaのS3ポケット[少なくともTrp215、Phe174、Tyr99、Thr98、Glu97、Lys96のアミノ酸残基によって形成される空間]と会合する塩基性部分を有する基を表し、
Lbは、FXaのS1ポケット[少なくともVal213、Ser214、Trp215、Gly216、Glu217、Gly218、Cys220、Asp189、Ala190、Cys191、Gln192、Gly193、Asp194、Ser195、Gly226、Ile227、Tyr228のアミノ酸残基によって形成される空間]と結合する疎水性部分を有し、かつS1ポケット内のTyr228側鎖と相互作用をするが、活性中心のSer195とは共有結合をしない基を表す。(ここでFXaのアミノ酸番号は、Protein Data Bank(PDB)の登録ID:1FAX(J.Biol.Chem.1996 Nov.22;271(47):29988−92)に記載されたキモトリプシンナンバーで記載する))である。
なお、このキモトリプシンナンバーに対応するFXaのアミノ酸番号を表にして図42に示す。
[10−b]好ましくは、式(I’)の化合物においてFXaに結合する際に、LbとTyr228との相互作用が、Lbの疎水性部分の一部であるハロゲン原子、メチル基、エチル基もしくはメトキシ基(好ましくは塩素原子もしくは臭素原子)を介した相互作用であるものである。例えば、Lbの好ましい例として、態様[1−1−d]のQと[1−8−a]のTとの組合わせで表される基が挙げられる。
[10−c]より好ましくは、式(I’)の化合物において本化合物がFXaに結合し、Lbの疎水性部分がTyr228と相互作用する際、Lbの疎水性部分の中点(部分構造に含まれる全ての重原子のX、Y、Z座標をそれぞれ平均して得られる座標、以下単に中点と記す)とTyr228側鎖の中点の間の距離が、6.9〜7.9Åにある。
[10−d]また、上記[10−a]〜[10−c]において、更に以下の条件1)〜3)の少なくとも1つを満たすFXa阻害性化合物である。
1)FXaに結合する際に、Lbの疎水性部分が一部もしくは全体としてもS1ポケットのAsp189と静電的相互作用しない。
2)FXaに結合する際に、Lbの疎水性部分の中点の位置が、S1ポケットにおいて以下の条件の2つ以上を満たす。
i)Cys191の主鎖Cα原子から3.6−4.6Åの距離にある。
ii)Ser195の主鎖Cα原子から6.2−7.2Åの距離にある。
iii)Ser214の主鎖Cα原子から5.5−6.5Åの距離にある。
iv)Trp215の主鎖Cα原子から3.6−4.6Åの距離にある。
v)Glu217の主鎖Cα原子から6.7−7.7Åの距離にある。
vi)Cys220の主鎖Cα原子から5.8−6.8Åの距離にある。
3)FXaに結合する際に、Laの塩基性部位を有する部分構造の中点の位置がS3ポケットにおいて以下の条件の2つ以上を満たす。
i)Tyr99側鎖の中点から4.1−5.5Åの距離にある。
ii)Phe174側鎖の中点から3.1−4.5Åの距離にある。
iii Trp215側鎖の中点から4.1−5.5Åの距離にある。
iv)Lys96主鎖カルボニル酸素原子から4.1−6.3Åの距離にある。
v)Glu97主鎖カルボニル酸素原子から3.5−5.1Åの距離にある。
4)Laが置換されていても良い5〜6員環の芳香族複素単環基を有する。
[11]本発明の態様11は、態様[10−a]〜[10−d]の何れかの結合条件をFXaとの複合体の結晶状態においてみたすFXa阻害活性を有する化合物である。好ましくは[10−d]の結合状態を満たすものである。
[12]第12の態様は、以下の条件をすべて満たす化合物である。
▲1▼FXaと当該化合物との結合体の結晶状態において、FXaのS3ポケット[少なくともTrp215、Phe174、Tyr99、Thr98、Glu97、Lys96のアミノ酸残基によって形成される空間]と会合する塩基性部分を有する基を有する、
▲2▼当該結合体の結晶状態において、FXaのS1ポケット[少なくともVal213、Ser214、Trp215、Gly216、Glu217、Gly218、Cys220、Asp189、Ala190、Cys191、Gln192、Gly193、Asp194、Ser195、Gly226、Ile227、Tyr228のアミノ酸残基によって形成される空間]と結合する疎水性部分を有する、
▲3▼当該結合体の結晶状態において、当該疎水性部分がS1ポケット内のTyr228側鎖と相互作用をするが、活性中心のSer195とは共有結合をしない、および、
▲4▼FXa阻害活性を有する。
[13]態様13は、有効成分としての態様8〜態様12の少なくとも1つの化合物もしくはその塩を含有することを特徴とする組成物である。かかる組成物は、FXa阻害活性を有するため、一つには医薬組成物とりわけ態様2で説明される疾病の予防もしくは治療剤として有用であり、また態様3で説明されるFXa阻害剤としての用途を有する。
[14]第14の態様は、有効成分として態様8〜12記載の少なくとも1つの化合物を含有することを特徴とする医薬組成物である。
[15]第15の態様は、FXaの阻害を必要とする哺乳動物に、態様14の医薬組成物を投与することを特徴とするFXaの阻害方法である。好ましくは経口投与することを特徴とするFXaの阻害方法である。
[16]第16の態様は、FXaと態様8〜12の少なくとも1つの化合物もしくはその塩との結合体の結晶である。
なお、以上の[10]〜[16]において言及されているFXa阻害活性については、各々FXaに対する生物学的アッセイによるIC50値で1μM以下、好ましくは0.5μM以下、更には0.1μM以下、とりわけ0.01μM以下の阻害活性を有することが好ましい選択技として付加されうる。
[17]第17の態様は、
[17−a]FXaまたはそのフラグメントの活性部位に競合的に結合する阻害剤を同定もしくは設計するのに有用なファルマコフォアであって以下の(a)〜(c)の全てを満たすものである。
(a)阻害剤が、その疎水性部分でFXaのS1ポケットに結合する際に、その結合様式を規定する立体構造上のパラメーターであり、かつ、S1ポケット内のTyr228側鎖と相互作用をもたらすものである。
(b)阻害剤が、その塩基性部分でFXaのS3ポケットに結合する際に、その結合様式を規定する立体構造上のパラメーターである。
(c)活性中心のSer195とは共有結合を形成しない
なお、FXaのアミノ酸番号は、Protein Data Bank(PDB)の登録ID:1FAX(J.Biol.Chem.1996 Nov.22;271(47):29988−92)に記載されたキモトリプシンナンバーで記載する)を表す。
ここで、本発明のファルマコフォアが規定するS1ポケットに対して結合する化合物の部分構造は、先に報告されているDX−9065a等について報告されている部分構造とは、Tyr228との相互作用を必須とし、Asp189との静電的相互作用の存在を前提としていない点において明確に異なる。
[17−b]また、[17−a]のファルマコフォアであって、
[17−b1]Tyr228との相互作用が、当該疎水性部分の一部であるハロゲン原子、メチル基、エチル基もしくはメトキシ基(好ましくは塩素原子もしくは臭素原子)を介した相互作用を介するもの。
[17−b2]Tyr228と相互作用において、当該疎水性部分の中点とTyr228側鎖の中点の間の距離が、6.9−7.9Åにあるもの。
[17−b3]以下の条件1)〜3)の少なくとも1つを満たすもの。
1)FXaに結合する際に、疎水性部分が一部もしくは全体としてもS1ポケットのAsp189と静電的相互作用しない。
2)FXaに結合する際に、疎水性部分の中点の位置が、S1ポケットにおいて以下の条件の2つ以上を満たす。
i)Cys191の主鎖Cα原子から3.6−4.6Åの距離にある。
ii)Ser195の主鎖Cα原子から6.2−7.2Åの距離にある。
iii)Ser214の主鎖Cα原子から5.5−6.5Åの距離にある。
iv)Trp215の主鎖Cα原子から3.6−4.6Åの距離にある。
v)Glu217の主鎖Cα原子から6.7−7.7Åの距離にある。
vi)Cys220の主鎖Cα原子から5.8−6.8Åの距離にある。
3)FXaに結合する際に、Laの塩基性部位を有する部分構造の中点の位置がS3ポケットにおいて以下の条件の2つ以上を満たす。
i)Tyr99側鎖の中点から4.1−5.5Åの距離にある。
ii)Phe174側鎖の中点から3.1−4.5Åの距離にある。
iii Trp215側鎖の中点から4.1−5.5Åの距離にある。
iv)LYS96主鎖カルボニル酸素原子から4.1−6.3Åの距離にある。
v)Glu97主鎖カルボニル酸素原子から3.5−5.1Åの距離にある。
或いは、
[17−b4]上記[17−b3]の条件1)〜3)を全てを満たすもの。
[18]第18の態様は、
[18−a]FXaまたはそのフラグメントの活性部位に競合的に結合する阻害剤を同定もしくは設計する方法であって、その活性部位の3次元構造情報をコンピューターシステムに供し、
(a)疎水性部分でS1ポケットと会合し、かつ、Tyr228と相互作用する。
(b)塩基性部分で活性部位のS3ポケット内と会合する。
(c)Ser195とは共有結合を形成しない。
の各条件を全て満たす形で結合すると想定される化合物を同定し、その化合物をFXa阻害活性を測定する生物学的アッセイに供し、該化合物が該アッセイにてFXa阻害活性を有するかどうかを決定することからなる阻害剤のスクリーニング方法である。
[18−b]好ましくは、態様[18−a]において、後述の表A(図33〜図36)の座標により規定される活性部位を含むFXa分子の3次元構造情報をコンピュータシステムに供し、該コンピュータシステムにてその活性部位の3次元構造を描写し、該活性部位の3次元構造に対して試験化合物の3次元構造を重ねる際に、該試験化合物の3次元構造が、
(a)その疎水性部分をTyr228と相互作用可能な様にS1ポケットに配置する
(b)その塩基性部分をS3ポケットに配置する
(c)Ser195とは共有結合を形成しない
の各条件を全て満たす形で配置した上で、該試験化合物の3次元構造が空間的にその活性部位に適合するか否かを評価し、その活性部位に空間的に適合する試験化合物を調整し、その試験化合物をFXa阻害活性を測定する生物学的アッセイに供し、該試験化合物が該アッセイにてFXa阻害活性を有するか否かを決定することを特徴とする阻害剤の同定方法である。
[18−c]或いは、FXaまたはそのフラグメントの3次元構造情報を用い、
(a)疎水性部分でS1ポケットと会合し、かつ、Tyr228と相互作用する
(b)塩基性部分でS3ポケット内と会合する
(c)Ser195とは共有結合を形成しない
という会合条件を満たす化合物をコンピューターを用いて評価することを特徴とする薬物設計の方法である。
[18−d]態様[18−a]〜[18−c]において、
更に、
[18−d1]Tyr228との相互作用が、当該疎水性部分の一部であるハロゲン原子、メチル基、エチル基もしくはメトキシ基(好ましくは塩素原子もしくは臭素原子)を介するという条件に基づいて同定もしくは分子設計する方法。
[18−d2]Tyr228との相互作用において、当該疎水性部分の中点とTyr228側鎖の中点の間の距離が、6.9−7.9Åにあるという条件に基づいてFXa阻害性化合物を同定もしくは分子設計する方法。
[18−d3]以下の条件1)〜3)の少なくとも1つを満たすFXa阻害性化合物を同定もしくは分子設計する方法。
1)FXaに結合する際に、疎水性部分が一部もしくは全体としてもS1ポケットのAsp189と静電的相互作用しない。
2)FXaに結合する際に、疎水性部分の中点の位置が、S1ポケットにおいて以下の条件の2つ以上を満たす。
i)Cys191の主鎖Cα原子から3.6−4.6Åの距離にある。
ii)Ser195の主鎖Cα原子から6.2−7.2Åの距離にある。
iii)Ser214の主鎖Cα原子から5.5−6.5Åの距離にある。
iv)Trp215の主鎖Cα原子から3.6−4.6Åの距離にある。
v)Glu217の主鎖Cα原子から6.7−7.7Åの距離にある。
vi)Cys220の主鎖Cα原子から5.8−6.8Åの距離にある。
3)FXaに結合する際に、Laの塩基性部位を有する部分構造の中点の位置が、S3ポケットにおいて以下の条件の2つ以上を満たす;
i)Tyr99側鎖の中点から4.1−5.5Åの距離にある。
ii)Phe174側鎖の中点から3.1−4.5Åの距離にある。
iii Trp215側鎖の中点から4.1−5.5Åの距離にある。
iv)LYS96主鎖カルボニル酸素原子から4.1−6.3Åの距離にある。
v)Glu97主鎖カルボニル酸素原子から3.5−5.1Åの距離にある。
或いは、
[18−d4]態様[18−d3]において、条件1)〜3)を全てみたすという条件に基づいて同定もしくは分子設計する方法。
[18−e]態様[18−a]〜[18−d]の阻害剤の同定方法もしくは薬物設計方法において、S1ポケットとS3ポケットとにバインドするそれぞれの基(例えば式(I’)におけるLaとLbと)を繋ぐ架橋基を設定する際に、当該架橋基自身のコンフォーメーション変化を制限する手段として、架橋基内にスピロ結合を有する環を設ける方法。
[18−f]態様[18−a]〜[18−e]の阻害剤の同定方法もしくは薬物設計方法により同定もしくは設計された或いは当該設計方法に合致する(当該設計方法により同定もしくは設計されうる)化合物で、生物学的アッセイによるIC50値で1μM以下のFXa阻害活性を有する化合物であり、かつ、本願出願時に未知の化合物。
[18−g]態様[18−a]〜[18−e]の阻害剤の同定方法もしくは薬物設計方法により同定もしくは設計された或いは当該設計方法に合致する化合物で、生物学的アッセイによるIC50値で1μM以下のFXa阻害活性を有する化合物であり、かつ、▲1▼本願出願時に未知であった化合物もしくは▲2▼既知であったがこれまで生物学的活性が知られていなかった化合物、あるいはそれらの製薬学的に許容される塩の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物。
[18−h]態様[18−a]〜[18−e]の阻害剤の同定方法もしくは薬物設計方法により同定もしくは設計された化合物、或いは当該設計方法に合致する化合物で、生物学的アッセイによるIC50値で1μM以下のFXa阻害活性を有する化合物であり、かつ、▲1▼本願出願時に未知であった化合物もしくは▲2▼既知であったがこれまでFXa阻害活性が知られていなかった化合物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とするFXa阻害剤である。
なお、[18−f]〜[18−h]のそれぞれの態様において、好ましくは、IC50値で0.5μM以下、更に好ましくは0.1μM以下、とりわけ0.01μM以下のFXa阻害活性を有する化合物に係るものが好ましい。
以上の全ての態様において、「化合物」の文言を用いるとき、「その製薬学的に許容される塩」についても言及するものとする。
また、本発明化合物は不斉炭素を有する場合があり、本発明化合物には、幾何異性体、互変異性体、光学異性体などの各種の立体異性体の混合物や単離されたものが含まれる。かかる立体異性体の単離、精製は、優先晶出やカラムクロマトグラフィーを用いた光学分割あるいは不斉合成を通じて当業者が通常の技術により為し得ることができる。
本発明化合物(I)は、酸付加塩を形成する場合がある。また、置換基の種類によっては塩基との塩を形成する場合もある。かかる塩としては、製薬学的に許容しうる塩であれば特に限定されないが、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸類、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、ギ酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マンデル酸等の有機カルボン酸類、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸等の有機スルホン酸類、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸類等との酸付加塩;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、ピリジン、リジン、アルギニン、オルニチン等の有機塩基との塩や、アンモニウム塩等が挙げられる。
また、本発明化合物の塩には、モノ塩、ジ塩もしくはトリ塩が含まれる。或いは本発明化合物は側鎖の置換基によっては、酸付加塩と塩基との塩との両方を同時に形成しうる。
更に本発明は、化合物(I)の水和物、製薬学的に許容可能な各種溶媒和物や結晶多形のもの等も含まれる。なお、当然ながら本発明は、後述実施例に記載された化合物に限定されるものではなく、式(I)で示されるスピロ結合を有する三環系化合物または製薬学的に許容される塩の全てを包含するものである。
また、これらの状況は式(I’)、(Im)、(V)、(VI)、(Ik)、(I−a’)、(I’’)、(I’’’)等の化合物についても該当しうることは理解される。
[製造法]
本発明の式(1)ならびに関連化合物は、以下に示される製造法により得ることができる。
以下の<製造法1>、<製造法2>、<製造法3>あるいは<製造法4>、および説明中の式(I)、式(I−a)、式(I−a’)、式(I−a−1)、式(I−a−2)、式(I−b)、式(Ik)、式(Ik’)、式(II)、式(II−a)、式(II−b)、式(II−c)、式(II−d)、式(II−e)、式(IIk)、式(II−1)、式(II−2)、式(II−3)、式(II−4)、式(II−5)、式(II−6)、式(II−7)、式(II−8)、式(II−9)、式(II−10)、式(II−11)、式(II−12)、式(III)、式(IIIk)、式(III−1)、式(III−2)、式(III−3)、式(III−4)、式(III−5)、式(IIIk−1)、式(IIIk−2)、式(IIIk−3)、式(IIIk−4)、式(IIIk−5)、式(IIIk−6)、式(IIIk−7)、式(IIIk−8)、式(IIIk−9)、式(IV)、式(V)あるいは式(VI)で表される化合物またはその塩、さらに式中におけるA、B、D、Q、T、X、Y、Z、l、m、n、rの定義は、特に断らない限り、式(I)の各々に記載された先の定義と同一である。また上記の各化合物の側鎖もしくは環中のアルキレン基については式(I)に関して定義される置換基を有していても良い。
また、製造法中におけるWの定義は、特に断らない限り、前述の脱離基、または脱離基に変換可能な基を表す。Iの定義は、例えばp−メトキシベンジル基などのチオール保護基を表す。式(Ik)〜式(IIIk−9)等のkが付された中間体化合物のPおよびPは、各々独立に水素原子あるいはイミノ基(−NH−)の保護基を表す。イミノ基(−NH−)の保護基としては、例えばベンジル基等のアラルキル基、アセチル基等のアシル基、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基などが挙げられる。また、P、Pがイミノ基(−NH−)の保護基である場合には、保護基の種類や脱保護の条件を選択する事により各々独立にあるいは同時に脱保護することが可能であり、また、必要に応じて前述した保護基等の再導入も可能である。
製造法中の反応条件については、特に断らない限り、以下の如きとする。反応温度は、−78℃から溶媒が還流する温度の範囲であり、反応時間は、反応が十分進行する時間である。また、反応に関与しない溶媒とは、例えばトルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒、水、メタノール、DMF、DMSOなどの極性溶媒、トリエチルアミン、ピリジンなどの塩基性溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンに代表されるハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、もしくはこれらの混合溶媒であるが、反応条件により適宜選択される。塩基とは、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、あるいはトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジアルキルアニリン、リチウムジイソプロピルアミド等の有機塩基であり、酸とは、塩酸、硫酸等の鉱酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸である。ただし、上記に記載したものに必ずしも限定されるわけではない。
本発明化合物である式(1)および式(Ik)で表される化合物およびその塩の合成は、文献公知または市販の化合物から容易に製造することが可能である式(II)、式(IIk)、式(III)、式(IIIk)、式(III−3)、式(IIIk−4)、式(IIIk−6)、式(IV)、式(V)あるいは式(VI)で表される化合物またはその塩から<製造法1>、<製造法2>、<製造法3>あるいは<製造法4>により製造することができる。
以下に製造方法を説明するが、本発明はこの方法に何ら限定されるものではない。
<製造法1>
(式中におけるA、B、D、Q、T、X、Y、Z、l、m、nの定義はおよび各アルキレン鎖の置換については前記と同一であり、rは1である。)で表される化合物またはその塩は、以下の方法により製造される。
市販品あるいは市販品より容易に誘導可能な式(II)および式(III)
(各式中におけるA、B、D、Q、T、X、Y、l、m、n、Wの定義および各アルキレン鎖の置換については前記と同一であり、rは1である。また、Zはカルボニル基あるいはチオカルボニル基を表す)で表される化合物またはその塩を用い、文献公知の方法、例えば[ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)第19巻、436頁、1976年]、[ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティ(Journal of American Chemical Society)第107巻、7776頁、1985年]、または[ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)第63巻、1732頁、1998年]などに記載された方法に準じて、好ましくはトルエンを溶媒として、酸触媒存在下あるいは非存在下、好ましくはp−トルエンスルホン酸存在下に反応を行う。0℃から溶媒が還流する温度で、好ましくは還流温度で、反応が十分進行する時間、好ましくは2時間から6時間で反応を行い、式(I−a)で表される化合物またはその塩を製造することができる。また、置換基Zは、必要に応じて公知の方法、例えば[新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応[III]、1817頁、1978年、丸善]などに記載された方法に準じて、カルボニル基とチオカルボニル基間の相互変換、あるいはメチレン基へも変換され得る。
次に、原料化合物である式(II)および式(III)の代表的な製造法を以下に示す。
<1>式(II)の製造法
(式中におけるA、B、X、Y、l、mの定義および各アルキレン鎖の置換については前記と同一である)
1−1)l=1、m=0である場合
YがO(酸素原子)の場合には、例えば次に示す製造法が挙げられる。
<工程II−1−1>
市販品あるいは市販品より容易に誘導可能な式(II−1)の化合物またはその塩を用い、文献公知の方法、例えば[新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応[III]、1455頁、1978年、丸善]などに記載された方法に準じて、式(II−2)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程II−1−2>
次に、<工程II−1−1>で得られた式(II−2)で表される化合物またはその塩を用い、文献公知の方法、例えば[新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応[III]、1332頁、1978年、丸善]などに記載された方法に準じて還元反応を行うことにより、式(II−a)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
次に、式(II−a)で表される化合物またはその塩を製造するための別法を示す。
<工程II−2−1>
式(II−1)で表される化合物またはその塩を用い、文献公知の方法、例えば[新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応[I]、594頁、1977年、丸善]などに記載された方法に準じて、式(II−3)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程II−2−2>
次に、<工程II−2−1>で得られた式(II−3)で表される化合物またはその塩を用い、文献公知の方法、例えば[シンセシス(Synthesis)、629頁、1984年]などに記載された方法に準じて、式(II−a)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
また、YがS(イオウ原子)の場合には、例えば次に示す製造法が挙げられる。
<工程II−3−1>
市販品あるいは市販品より容易に誘導可能な式(II−4)の化合物またはその塩(Rはメチル、エチル、プロピル、t−ブチル等のC1−6アルキル基あるいはベンジル基等のアラルキル基に代表される炭化水素基)を用い、文献公知の方法、例えば[JP09510700]などに記載された方法に準じて、式(II−5)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
(式中におけるRは(II−4)のRと同一、Jは、例えばp−メトキシベンジル基などの保護基を表す)
<工程II−3−2>
次に、<工程II−3−1>で得られた式(II−5)で表される化合物またはその塩と、アンモニアあるいは保護されていてもよいアミンを用いて、通常のアミド形成反応を行うことにより、式(II−6)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程II−3−3>
次に、<工程II−3−2>で得られた式(II−6)で表される化合物またはその塩を用い、文献公知の方法、例えば[新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応[III]、1332頁、1978年、丸善]などに記載された方法に準じて還元反応を行うことにより、式(II−7)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程II−3−4>
次に、<工程II−3−3>で得られた式(II−7)で表される化合物またはその塩を用い、通常のチオール保護基の脱保護反応を行うことにより、式(II−b)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
1−2)l=0、1、2、m=1、2である場合
YがO(酸素原子)の場合には、例えば次に示す製造法が挙げられる。
<工程II−4−1>
市販品あるいは市販品より容易に誘導可能な式(II−8)の化合物またはその塩
を用い、文献公知の方法、例えば[新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応[I]、331頁、1977年、丸善]などに記載された方法に準じて反応を行うことにより、式(II−9)で表される反応性誘導体またはその塩を製造することができる。
<工程II−4−2>
次に、<工程II−4−1>で得られた式(II−9)で表される化合物またはその塩を用い、反応に関与しない溶媒中、塩基存在下、シアノ酢酸エチル、ニトロ酢酸エチル、マロン酸エチルモノアミドあるいはシアノプロピオン酸エチルなどの活性メチレン化合物と反応させることにより、式(II−10)で表される化合物またはその塩を製造することができる。(式中Eは、ニトロ基、シアノ基、アミド基を表す。Rは式(II−4)のRと同一。)
<工程II−4−3>
次に、<工程II−4−2>で得られた式(II−10)で表される化合物またはその塩を用い、文献公知の方法、例えば[新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応[III]、1332頁、1978年、丸善]などに記載された方法に準じて還元反応を行うことにより、式(II−c)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
また、Yがイミノ基(−NH−)の場合には、例えば次に示す製造法が挙げられる。
<工程II−5−1>
<工程II−4−3>で得られた式(II−c)で表される化合物またはその塩を用いて、反応に関与しない溶媒中、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等のリン化合物とアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)に代表されるアゾジカルボン酸エステル類を用いて水酸基を活性化し、フタルイミドと反応させることにより、式(II−11)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程II−5−2>
次に、<工程II−5−1>で得られた式(II−11)で表される化合物またはその塩を用い、脱保護反応を行うことにより、式(II−d)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
また、Yがイミノ基(−NH−)の場合には、例えば次に示す別法が挙げられる。
<工程II−6−1>
式(II−2)で表される化合物またはその塩を用い、文献公知の方法、例えば[シンセシス(Synthesis)、832頁、スキーム2、1994年]などに記載された方法に準じて、式(II−12)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程II−6−2>
<工程II−6−1>で得られた式(II−12)で表される化合物またはその塩を用い、<工程II−1−2>に準じて還元反応を行うことにより、式(II−e)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
次に、式(II−12)で表される化合物またはその塩を製造するための別法を示す。
<工程II−6−3>
式(II−1)で表される化合物またはその塩を用い、文献公知の方法、例えば[DE4405140のスキーム1(反応i)]などに記載された方法に準じて、式(II−12)で表される化合物またはその塩を製造することもできる。
以上の工程において、アルキレン鎖における置換基の導入は、例えば出発原料(II−1)あるいは(II−8)において対応する置換基を有する市販品を用いるかもしくは一般的合成方法で各々の出発原料に当該置換基を導入するか、<工程II−4−1>の活性メチレン化合物を適当な置換誘導体に変換して反応させるか、(II−2)あるいは(II−4)のシアノ基をアミド基に還元した後、当該カルボニル基を適宜変換/修飾することにより、或いは、必要に応じ式(II)の化合物に直接置換基を導入する事により為し得る。
好ましい置換基としてのDについてはまた、後述されるDの合成方法に準じて導入されうる。
<2>式(III)の製造法
<工程III−1−1>
市販品あるいは市販品より容易に誘導可能な式(III−1)で表される化合物またはその塩、
(n=1、2)
および、市販品あるいは市販品より容易に誘導可能な式(III−2)で表される化合物またはその塩
(式中におけるW,Q,Tの定義は前記と同一である)
を用いて縮合反応を行うことにより、式(III−3)で表される化合物またはその塩を製造することができる。例えば、Tがスルホニル基、Wが塩素原子である場合には、トリエチルアミン存在下、塩化メチレン中、0℃から室温にて、好ましくは室温にて、2時間から12時間で反応を行う。
<工程III−1−2>
次に、<工程III−1−1>で得られた式(III−3)で表される化合物またはその塩を用い、反応に関与しない溶媒中、塩基存在下、式(III−4)で表されるアルキル化剤と反応させることにより、式(III)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
次に、式(III)で表される化合物またはその塩を製造するための別法を示す。
<工程III−2−1>
市販品として入手可能な式(III−1)で表される化合物またはその塩、
(n=1、2)
を用い、<工程III−1−2>の方法に準じて反応を行うことにより、式(III−5)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程III−2−2>
次に、<工程III−2−1>で得られた式(III−5)で表される化合物またはその塩を用い、<工程III−1−1>の方法に準じて、式(III−2)で表される化合物またはその塩を用いて縮合反応を行うことにより、式(III)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
なお、式(III)中のカルボニル基は、必要に応じて適宜保護されていてもよく、また、適当な段階で当該保護基を除去することもできる。
また、以上の式(III)の化合物の製造工程において、アルキレン鎖における置換基の導入は、例えば出発原料(III−1)あるいは(III−4)において対応する置換基を有する市販品を用いるかもしくは文献公知の方法で各々の出発原料に当該置換基を導入する事ができる。
<製造法2>
(式中におけるA、B、Q、T、X、Y、Z、l、m、nの定義は前記と同一である)で表される化合物またはその塩は、以下の方法により製造される。
<工程1>
<製造法1>で示した方法により用意される式(II)、および市販品あるいは市販品から容易に誘導可能な式(IV)
(各式中におけるA、B、X、Y、l、m、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一である。また、Rは、例えば、水素原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロゲン原子で置換されていても良いC1−6アルキル基(とりわけメチル基、エチル基)、または、2つのRが結合してC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロゲン原子で置換されていても良いC2−4のアルキレン基(とりわけ1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基)を形成してもよい)で表される化合物またはその塩を用い、<製造法1>と同様の方法に従って反応を行い、式(V)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
(式中におけるA、B、X、Y、l、m、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一である。また、Rは、式(IV)におけるRの定義と同一である。)<工程2>
次に、<工程1>で得られた式(V)で表される化合物またはその塩と、<製造法1>で示した方法により用意される式(III−3)
(式中におけるQ、T、W、Z、n、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一である)で表される化合物またはその塩を用いて反応させることにより、式(VI)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
式(III−3)で表される化合物あるいはその塩が、Zがカルボニル基あるいはチオカルボニル基であり、Wがハロゲン原子、水酸基あるいはアルコキシ基である場合には、通常のペプチドにおけるアミド形成反応を行う。例えばWが水酸基である場合には、2,4,5−トリクロロフェノール、ペンタクロロフェノール、2−ニトロフェノールあるいは4−ニトロフェノール等のフェノール類、またはN−ヒドロキシスクシニイミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−エンド−2,3−ジカルボキシイミドあるいはN−ヒドロキシピペリジン等のN−ヒドロキシ化合物をN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮合試薬の存在下に縮合させ、活性エステル体に変換した後に反応させることが可能である。
また、イソブチルクロロホルメート等のハロゲン化アシル化合物と反応させることによって混合酸無水物を得た後に反応させることも可能である。また、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルリン酸アジドあるいはシアノリン酸ジエチル等のペプチド縮合試薬を単独で用いて反応させることも可能である。
また、式(III−3)で表される化合物あるいはその塩が、Zがメチレン基である場合には、反応に関与しない溶媒中、通常のN−アルキル化反応を行うことにより、式(VI)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
さらにWが水酸基である場合には、トリフェニルホスフィンあるいはトリブチルホスフィン等のリン化合物とアゾジカルボン酸ジエチルに代表されるアゾジカルボン酸エステル類を用いて、式(III−3)で表される化合物を活性化した後、反応に関与しない溶媒中で反応を行うことも可能である。
(式中におけるA、B、Q、T、X、Y、Z、l、m、n、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一である。また、Rは、式(IV)のRの定義と同一である。)
<工程3>
次に、<工程2>で得られた式(VI)(式中におけるA、B、Q、T、X、Y、Z、l、m、n、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一である。また、Rは式(IV)のRの定義と同一である)で表される化合物またはその塩を用い、 文献公知の方法、例えば、
[JP09316059]に記載された方法に準じて、反応に関与しない溶媒、好ましくはトルエンを溶媒として、酸触媒存在下、好ましくはp−トルエンスルホン酸存在下に反応を行うことにより、式(I−b)で表される化合物またはその塩を製造することができる。反応温度は70℃から80℃であることが好ましく、反応時間は1時間から2時間であることが好ましい。また、置換基Zは、必要に応じて公知の方法、例えば[新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応[III]、1817頁、1978年、丸善]などに記載された方法に準じて、カルボニル基とチオカルボニル基間の相互変換、あるいはメチレン基へも変換され得る。
(式中におけるA、B、Q、T、X、Y、Z、l、m、nの定義は前記と同一である)
<製造法3>
以下に、式(I−a)で表される化合物またはその塩を製造するための別法を示す。
<製造法2>で得られた式(I−b)
(式中におけるA、B、Q、T、X、Y、Z、l、m、nの定義は前記と同一である)で表される化合物またはその塩を用い、式中の二重結合に対する還元反応を行うことにより、式(I−a)で表される化合物またはその塩を製造することができる。還元反応として、例えばナトリウム、カルシウムあるいはアルミニウム等の金属および金属塩による還元反応、水素化ジイソプロピルアルミニウムなどの金属水素化物による還元反応、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素化錯化合物による還元反応、ジボランまたは置換ボランによる求電子的還元反応、あるいは金属触媒を用いた接触水素添加反応等が挙げられる。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、メタノール等反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、−78℃から還流温度で、反応が十分進行する時間で反応を行う。
(式中におけるA、B、D、Q、T、X、Y、Z、l、m、n、rの定義は前記と同一である)
<製造法4>
(式中におけるD、P、P、Y、Z、l、m、n、r、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一である)で表される化合物あるいはその塩は、以下の方法により製造される。
<1>式(Ik)の製造法(骨格形成反応)
<工程1>
市販品あるいは市販品より容易に誘導可能な式(IIk)および式(IIIk)
(式中におけるD、P、P、W、Y、Z、l、m、n、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一であり、rは1である)で表される化合物またはその塩を用い、<製造法1>に準じて、式(Ik)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
また、式(Ik)で表される化合物またはその塩を製造するための別法を示す。
<工程2>
<工程1>に準じて反応を行う。反応溶媒としては<製造法1>に準ずる他、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、好ましくはクロロホルムを溶媒として反応を行い、式(Ik’)(D、P、P、W、Y、Z、l、m、n、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一であり、rは1である)を製造することができる。
<工程3>
次に、<工程2>で得られた式(Ik’)で表される化合物またはその塩を用い、<製造法2><工程2>に準じて縮合反応を行うことにより式(Ik)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
次に、原料化合物である式(IIk)および式(IIIk)の代表的な製造法を以下に示す。
<2>式(IIk)の製造法
(式中におけるP、Y、l、m、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一である)
<製造法1><式(II)の製造法>に準じて、式(IIk)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<3>式(IIIk)の製造法
(式中におけるD、P、W、Z、n、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一であり、rは1である)
<製造法1><式(III)の製造法>に準じて、式(IIIk)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
また、式(IIIk)を製造するための別法を示す。
<工程IIIk−1−1>
市販品もしくは市販品から容易に誘導可能な式(III−1)および式(IIIk−1)
(n=1、2)
で表される化合物またはその塩を用い、エポキシドの開環を伴う求核付加反応を行うことにより、式(IIIk−2)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程IIIk−1−2>
次に、<工程IIIk−1−1>で得られた式(IIIk−2)で表される化合物またはその塩を用い、通常のイミノ基(−NH−)への保護基Pの導入を行うことにより、式(IIIk−3)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程IIIk−1−3>
次に、<工程IIIk−1−2>で得られた式(IIIk−3)で表される化合物またはその塩を用い、反応に関与しない溶媒中、二酸化マンガン酸化、酸化クロム(VI)や二クロム酸塩等を用いるクロム酸酸化、四酢酸鉛酸化、酸素酸化、活性化DMSO酸化、デスマーチン(Dess−Martin)試薬等に代表される高原子価ヨウ素酸化、次亜ハロゲン酸やその塩等を用いるハロゲン類での酸化反応をおこない、式(IIIk)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程IIIk−2−1>および<工程IIIk−2−2>
また、式(III−1)で表される化合物またはその塩を用いて、<工程IIIk−1−2>と<工程IIIk−1−1>の順で、式(IIIk−4)で表される化合物またはその塩を経由して、式(IIIk−3)で表される化合物またはその塩を製造することも可能である。
<工程IIIk−3−1>および<工程IIIk−3−2>
また、式(IIIk−2)で表される化合物またはその塩を用いて、<工程IIIk−1−3>と<工程IIIk−1−2>の順で、式(IIIk−5)で表される化合物またはその塩を経由して、式(IIIk)で表される化合物またはその塩を製造することも可能である。
<工程IIIk−4−1>
市販品もしくは市販品より容易に誘導可能な式(IIIk−6)で表される化合物またはその塩を用いて、<製造法1><工程III−1−2>に準じて、式(IIIk−7)で表される化合物またはその塩を製造することができる。
<工程IIIk−4−2>
次に、<工程IIIk−4−1>で得られた式(IIIk−7)で表される化合物またはその塩と、市販品もしくは市販品より容易に誘導可能な式(IIIk−8)
(式中におけるW、Z、nの定義は前記と同一であり、WはWに定義された基から本反応において選択的にWのみ置換されることを目的として選択される基である)で表される化合物またはその塩を用い、<工程IIIk−4−1>の方法に準じて縮合反応を行うことにより、式(IIIk)で表される化合物またはその塩を製造することも可能である。
<工程IIIk−5−1>、<工程IIIk−5−2>および<工程IIIk−5−3>
また、式(IIIk−6)で表される化合物またはその塩を用いて、<工程IIIk−1−1>と<工程IIIk−1−2>に準じて、式(IIIk−9)で表される化合 物またはその塩を経由して、式(IIIk−3)で表される化合物またはその塩を製造することも可能である。また、式(IIIk−9)を用いて、<工程IIIk−1−3>に準じて、酸化反応を行うことにより、式(IIIk−7)で表される化合物またはその塩を製造することも可能である。
また、−Pの代わりに−T−Qを有する化合物、例えば式(IIIk−6)で−Pが−T−Qである化合物、または式(IIIk−4)で−Pが−T−Qである化合物を用い、この別法に準じて式(III)で表される化合物またはその塩を製造することも可能である。
<製造法4>において、PまたはPをそれぞれ最もふさわしい段階で脱保護し、次いでA−BまたはT−Qに変換することも可能である。A−BおよびT−Qへの変換については後述する。
さらに<製造法4>に準ずれば、P−=A−B−、−P=−T−Qである場合の式(I−a)で表される化合物またはその塩は、式(I−a’)
(各式中におけるA、B、D、Q、T、X、Y、l、m、n、W、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一であり、rは1である。また、Zはカルボニル基あるいはチオカルボニル基を表す)で表される化合物またはその塩を製造し、次いで縮合反応を行うことにより製造することも可能である。
以上、本発明化合物の骨格に関する製造方法の詳細を説明した。
次に、置換基D、A−B、T−Qの変換について説明する。
置換基D、A−B、T−Qの変換は、<製造法1>、<製造法2>、<製造法3>、<製造法4>のいずれの反応段階においても、もしくは各々の原料化合物の段階、あるいはこれらの原料化合物を製造するいずれの反応段階においても実施可能である。
当業者は、本発明化合物(I)の合成にあたり、最もふさわしい段階で置換基変換を選択することができる。
参考の為、以下に置換基D、A−B、T−Qの変換例を示すが、これらに限定されるものではない。
例えば、式(I−a)で表される化合物またはその塩を用いた場合、置換基Dの変換は以下の如く行われる(m=1の例で説明する)。
<工程D−1>
<製造法1>で示した方法により用意される式(II−a)および式(III−a−1)で表される化合物またはその塩
(各式中におけるA、B、Q、T、X、n、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一である。Acはアセチル基を表す)を用い、<製造法1>に準じて、式(1−a−1)で表される化合物またはその塩を得る。
(式中におけるA、B、Q、T、X、n、Ac、アルキレン鎖の置換の定義は前記と同一である)
<工程D−2>
次に、<工程D−1>で得られた式(I−a−1)で表される化合物またはその塩を用い、例えば、メタノール中、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、室温にて反応させることにより、式(I−a−2)で表される化合物またはその塩を得る。
(式中におけるA、B、Q、T、X、n、アルキレン鎖の置換についての定義は前記と同一である)
次に、側鎖を適当な前駆体D’から、例えばD’が−CHOH(例えば式(1−a−2)の化合物)から、置換基Dへと変換する代表的な製造法を示す。
1)D’が−CHOHから変換可能な置換基D
1−1)Dが−CH−OR’(R’は置換されていても良いC1−6アルキル基)の化合物またはその塩の製造
1−1−1)R’−Wを用いる製造法
D’が−CHOHの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒、好ましくは塩化メチレンと水の混合溶媒を用いて、塩基の存在下、好ましくは水酸化ナトリウムを用いて、4級アンモニウム塩やクラウンエーテルなどの相間移動触媒存在下あるいは非存在下、好ましくはベンジルトリエチルアンモニウムクロリド存在下、−78℃から還流温度で、好ましくは0℃で、式R’−Wで表わされる化合物と、反応が十分進行する時間、好ましくは2時間反応をおこない、Dが−CH−OR’の化合物またはその塩へ変換することができる。
1−1−2)R’−OHを用いる製造法
D’が−CHOHの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等のリン化合物とアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)に代表されるアゾジカルボン酸エステル類を用い活性化された式R’−OHで表される化合物と反応をおこない、Dが−CH−OR’の化合物またはその塩へ変換することができる。
1−2)Dが−CH−O−CO−R’’(R’’は置換されていても良いC1−6アルキル基)の化合物またはその塩の製造
D’が−CHOHの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、塩基の存在下あるいは非存在下、もしくは酸の存在下あるいは非存在下、R’’−CO−Wと反応をおこない、Dが−CH−O−CO−R’’の化合物またはその塩へ変換することができる。
1−3)Dが−CH−NR’R’’(−NR’、R’’は、例えば−NRで示されるアミノ基(ここでRおよびRは、同一もしくは異なって、水素原子、C1−6アルキル、C4−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、あるいはRとRとはそれらが結合している窒素原子と一緒になって5〜7員の複素環を形成するが当該複素環は更にN、S、Oから選ばれるヘテロ原子を1〜2個含有していてもよく、RおよびRは更に適当な置換基を有していてもよい)である)の化合物またはその塩の製造
D’が−CHOHの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、塩基の存在下あるいは非存在下、もしくは酸の存在下あるいは非存在下、塩化チオニル、メタンスルホニルクロリドあるいはp−トルエンスルホニルクロリド等と反応をおこない、D’が−CH−Wの化合物またはその塩へ変換することができる。更に、D’が−CH−Wの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、銅粉、酸化銅または鉄粉の存在下あるいは非存在下、塩基の存在下あるいは非存在下、もしくは酸の存在下あるいは非存在下、HNR’R’’のアミン(例えばHNR、NRの定義は前記と同一)と反応をおこない、Dが−CH−NR’R’’の化合物またはその塩へ変換することができる。場合によっては、銅、パラジウム、クロムやビスマス等の金属により、式D’が−CH−Wで表わされる化合物との錯体を形成し、活性を高め反応に用いてもよい。
また、D’が−CHOHの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等のリン化合物とアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)に代表されるアゾジカルボン酸エステル類を用い水酸基を活性化し、式NHR’R’’で表される化合物と反応をおこない、Dが−CH−NR’R’’の化合物またはその塩へ変換することができる。
ここで得たDが−CH−NR’R’’の化合物またはその塩を、R’’が水素の場合、反応に関与しない溶媒中、塩基の存在下あるいは非存在下、もしくは酸の存在下あるいは非存在下、R’’’−CO−W(Wは前述と同様の定義であり、R’’’は置換されていても良いC1−6アルキル基)と反応をおこない、Dが−CH−NR’−CO−R’’’の化合物またはその塩へ変換することができる。R’’’−CO−WをR’’’−S(O)−W(W、R’’’、zは前述と同様の定義)に変え反応をおこなうと、Dが−CH−NR’−S(O)−R’’’の化合物またはその塩へ変換することができる。
また、ここで得たDが−CH−NR’R’’の化合物またはその塩を、R’’が水素の場合、反応に関与しない溶媒中、塩基の存在下あるいは非存在下、もしくは酸の存在下あるいは非存在下、R’’’−W(R’’’は置換されていても良いC1−6アルキル基)でアルキル化し、Dが−CH−NR’R’’’の化合物またはその塩へ変換することができる。
また、ここで得たDが−CH−NR’R’’の化合物またはその塩を、R’’が水素の場合、反応に関与しない溶媒中、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤の存在下、式Rd1−CO−Rd2(Rd1、Rd2は、同一または異なって、水素原子、置換されていても良いC1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基、N、O、Sから選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む5〜6員の環状複素環基、もしくは、d1、d2およびケトンの炭素原子とで、N、O、Sから選ばれるヘテロ原子を1つ以上含んでいてもよい5〜6員の環状基を形成する)で表わされるケトン類もしくはアルデヒド類と還元的アミノ化反応をおこない、Dが−CH−NR’−CHRd1d2の化合物またはその塩へ変換することができる。
1−4)Dが−CHOの化合物またはその塩の製造
D’が−CHOHの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、二酸化マンガン酸化、酸化クロム(VI)や二クロム酸塩等を用いるクロム酸酸化、四酢酸鉛酸化、酸素酸化、活性化DMSO酸化、次亜ハロゲン酸やその塩等を用いるハロゲン類での酸化反応をおこない、Dが−CHOの化合物またはその塩へ変換することができる。
1−5)Dが−COHの化合物またはその塩の製造
D’が−CHOHの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、二酸化マンガン酸化、酸化クロム(VI)や二クロム酸塩等を用いるクロム酸酸化、四酢酸鉛酸化、酸素酸化、活性化DMSO酸化、次亜ハロゲン酸やその塩等を用いるハロゲン類での酸化反応をおこない、Dが−COHの化合物またはその塩へ変換することができる。
また、Dが−COHの化合物またはその塩を、1−4)で合成したDが−CHOの化合物またはその塩を二酸化マンガン酸化、酸化クロム(VI)や二クロム酸塩等を用いるクロム酸酸化、四酢酸鉛酸化、酸素酸化、活性化DMSO酸化、次亜ハロゲン酸やその塩等を用いるハロゲン類での酸化反応に付す事によっても製造することができる。
2)Dが−CHOから変換可能な置換基D
2−1)Dが−CH(OH)−Rd3(Rd3は前記D中のR15から選ばれる適当な基である)の化合物またはその塩の製造
1−4)で合成したDが−CHOの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、メチルリチウムやフェニルリチウムなどの求核試薬と反応をおこない、Dが−CH(OH)Rd3の化合物またはその塩へ変換することができる。
ここで得たDが−CH(OH)Rd3の化合物またはその塩を、1−1と同様の方法で、Dが−CH(OR’)Rd3の化合物またはその塩へ、1−2と同様の方法で、Dが−CH(O−CO−R’)Rd3の化合物またはその塩へ、1−3と同様の方法で、Dが−CH(NR’R’’)Rd3の化合物またはその塩へ変換する事が出来る(NR’R’’の定義は前出と同義)。
さらに、Dが−CH(OH)Rd3の化合物またはその塩を、1−4と同様の方法で、Dが−CO−Rd4(Rd4は例えばR15から適宜選ばれるアルキル基である)へ変換する事が出来る。ここで得た Dが−CO−Rd4の化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、式PhP=ORd5d6で表わされるアルキリデンホスホラン類と反応をおこない、Dが−CRd4=CRd5d6の化合物またはその塩へ変換する事が出来る。さらにDが−CRd4=CRd5d6の化合物またはその塩を、活性炭−パラジウム等の触媒を用い水素添加する事で、Dが−CHRd4−CHRd5d6の化合物またはその塩へ変換する事が出来る(Rd5、Rd6は例えばC1−6のアルキル基である)。
2−2)Dが−CH=CRd5d6の化合物またはその塩の製造
1−4)で合成したDが−CHOの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、式PhP=CRd5d6で表わされるアルキリデンホスホラン類と反応をおこない、Dが−CH=CRd5d6の化合物またはその塩へ変換する事が出来る。
ここで得たDが−CH=CRd5d6の化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、活性炭−パラジウム等の触媒を用い水素添加する事で、Dが−CH−CHRd5d6の化合物またはその塩へ変換する事が出来る。
2−3)Dが−CH−NR’R’’の化合物またはその塩の製造
1−4)で合成したDが−CHOの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤の存在下、前出の式HNR’R’’で表わされるアミン類と還元的アミノ化反応をおこない、Dが−CH−NR’R’’の化合物またはその塩へ変換することができる。
3)Dが−COHから変換可能な置換基D
3−1)Dが−COR’の化合物またはその塩の製造
1−5で合成したDが−COHの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、カルボジイミダゾールなどの縮合剤の存在下あるいは非存在下、R’−OH(R’は置換されていても良いC1−6アルキル基)と反応をおこない、Dが−COR’の化合物またはその塩へ変換する事が出来る。また、Dが−COHの化合物またはその塩を、塩化チオニル等を用いてDが−COClへと変換後、R’−OHと反応をおこない、Dが−COR’の化合物またはその塩へ変換する事も出来る。
3−2)Dが−CO−NR’R’’(NR’R’’の定義は前出と同義)の化合物またはその塩の製造
1−5で合成したDが−COHの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、カルボジイミダゾールなどの縮合剤の存在下あるいは非存在下、NHR’R’’(前出)と反応をおこない、Dが−CO−NR’R’’の化合物またはその塩へ変換する事が出来る。ここで得たDが−CO−NR’R’’の化合物またはその塩を、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤と反応をおこない、Dが−CHOの化合物またはその塩へ変換する事が出来る。また、ここで得たDが−CO−NR’R’’の化合物またはその塩を、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤と反応をおこない、Dが−CH−NR’R’’の化合物またはその塩へ変換する事が出来る。
3−3)Dが−CO−Rの化合物またはその塩の製造
1−5で合成したDが−COHの化合物またはその塩を、反応に関与しない溶媒中、メチルリチウムやフェニルリチウムなどの求核試薬と、反応をおこない、Dが−CO−Rの化合物またはその塩へ変換することができる。求核試薬との反応は、3−1で得たDが−COR’の化合物またはその塩、もしくは3−2で得たDが−CO−NR’R’’の化合物またはその塩を用いておこなう事も出来る。
次に、置換基A−B,T−Qの変換例を以下に示す。
なお、製造方法のほとんどは、先に記載した置換基Dの変換における製造過程に含まれるものである。
例えば、置換基BもしくはTが、カルボニル基の場合は、上記1−2に記載の方法に従い、A−CO−WあるいはQ−CO−Wと反応に関与しない溶媒中、塩基の存在下あるいは非存在下、もしくは酸の存在下あるいは非存在下反応を行うか、3−2に記載されたA−COH、あるいはQ−COHを用いた縮合反応で導くことが可能である。
置換基BもしくはTが、−S(O)−の場合は、上記1−2に記載の方法に従い、A−S(O)−WあるいはQ−S(O)−Wと反応に関与しない溶媒中、塩基の存在下あるいは非存在下、もしくは酸の存在下あるいは非存在下反応を行うことにより導くことが可能である。
また、置換基BもしくはTが置換されていても良いC1−2のアルキレン基の場合には、上記1−3に示した方法に従い、対応するアルコール体のヒドロキシ部分を脱離基に変換した後に求核置換反応を用いるか、対応するアルデヒド体を上記2−3に示した還元的アミノ化反応を用いるか、あるいは先に示したカルボニルを介した結合を還元することにより、導くことが可能である。
さらに置換基Bが単結合の場合は、A−Wを用いて上記1−3に示した金属を用いたカップリング反応を行うかあるいは、DMF、2−エトキシエタノール、エタノール、水等の極性溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基あるいは、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基と溶媒還流温度あるいは、封管中加熱することにより導くことが可能である。
なお、以上の<製造法1>、<製造法2>、<製造法3>あるいは<製造法4>の合成化合物中に置換基として水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基等の反応性基がある場合には、各反応工程においてこれらの基を適宜保護し、適当な段階で当該保護基を除去することもできる。こうした保護基の導入・除去の方法は、保護される基あるいは保護基のタイプにより適宜行われるが、例えば[プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第2版、1991年、ジョン ウィリー アンド サンズ]の総説に記載の方法により行うことができる。
また、本発明化合物には、Xがメチン炭素である場合あるいは置換基Dが存在する場合には、幾何異性体、互変異性体あるいは光学異性体等の各種の立体異性体が存在しうる。これらの個々の異性体およびこれらの混合物のいずれも本発明の範囲に含まれる。かかる立体異性体の単離、精製は、通常の分離精製操作、例えば再結晶あるいは各種クロマトグラフィー等の操作により為し得る。また、不斉合成等を通じてこれらの異性体を個別に製造することもできる。
<本発明のファルマコフォアならびにその活用例>
本発明のファルマコフォアは先述の態様17に示されるものであり、より詳細には[17−a]〜[17−e]に解説されるものであるが、これらを用いることで、FXaの活性部位に対し可逆的に結合して競合的阻害活性を示すFXa選択的阻害剤を設計および/もしくはスクリーニングすることが可能である。特に、本ファルマコフォア情報をコンピューターシステムに供することにより、大量の化合物を迅速に評価することが可能であり、多大な費用と時間のかかる生物学的試験を大幅に効率化することができる。そのうえ、実際に合成する化合物を限定することができ、合成プロセスも大幅に効率化することができる。
FXaの活性部位に結合し、これを阻害する化合物の設計および/もしくはスクリーニングには2つのファクターを考慮する必要がある。第1は、化合物は物理的・構造的にFXaの活性部位に結合できなければならない。一般的に、タンパク質と阻害剤との非共有結合には、静電相互作用、水素結合、ファンデアワールス相互作用、疎水性相互作用が含まれる。第2は、化合物はFXaの活性部位に結合できるコンホメーションをとることができなければならない。これらの条件と、本発明のファルマコフォアの両者を満たす化合物を選択することで効率的な阻害剤の設計および/もしくはスクリーニングが可能である。
上述のファクターを満たすFXa阻害化合物を創製するにあたって、FXaの立体構造情報と、種々のコンピュータープログラムやデータベースを利用可能である。本発明のファルマコフォアを満足させる化合物を以下の方法で選択した後に、購入もしくは合成するなどして入手し、標準的方法を用いてFXa阻害活性について試験することで、FXa阻害活性を示す化合物を検出することができる。
方法1)
FXaの活性部位に対して低分子化合物をドッキングさせる。FXaの立体構造はPDBで公開されており、その活性部位の構造を入手することが出来る。ドッキングは種々のコンピュータープログラムを用いて行うことが可能である。3次元化合物のコンピューターデータベースを利用することで、数百万化合物から数千万化合物をスクリーニング可能であるし、実在していない化合物のスクリーニングも可能である。FXaの活性部位に対して形状的に相補性を示す化合物を選択した後、本発明のファルマコフォアを満足させる結合様式を示す化合物を抽出する。結合様式の確認は、種々の分子表示ソフトウエアを用いて行うことが可能である。
方法2)
最初に疎水性部位と塩基性部位の両方を持つ化合物をデータベースから選出する。この時、実在していない化合物をデータベースに含ませておくことも可能である。その後、選出した化合物の3次元構造をFXaの活性部位に対して低分子化合物をドッキングさせ、発明のファルマコフォアを満足させる結合様式を示す化合物を抽出する。ドッキングは種々のコンピュータープログラムを用いて行うことが可能であるし、結合様式の確認は、種々の分子表示ソフトウエアを用いて行うことが可能である。
方法3)
FXaのS1ポケットならびにS3ポケットに対して、それぞれ低分子化合物を本発明のファルマコフォアを満足させる様にドッキングさせる。この時、化合物は3次元化合物のコンピューターデータベースを利用することも可能であるし、任意の化合物もしくはフラグメントを用いることも可能である。その後、S1、S3各ポケットに結合した2つの化合物を、空間的な相対位置を変化させない適当な骨格でつなぎあわせて一つの化合物とする。この作業も種々のコンピュータープログラムを用いて行うことが可能である。
方法4)
キモトリプシン型セリンプロテアーゼとその基質、もしくは阻害剤との複合体構造を用意する。該当するプロテアーゼの立体構造とFXaの立体構造を、キモトリプシン型セリンプロテアーゼファミリーの構造保存領域で重ねあわせすることで、該当する基質もしくは阻害剤とFXaとの架空の結合モデルを構築する。この後、本発明のファルマコフォアを満足させる様に、該当する基質もしくは阻害剤の構造変換を行う。この作業も種々のコンピュータープログラムを用いて行うことが可能である。
上述した化合物のデザインおよび/またはスクリーニングには、Insight II、Cerius2、Sybylとそのモジュール群といった、いわゆる分子設計支援統合コンピューターシステムを利用することが可能である。Insight IIとCerius2はMolecular Simulations Inc.San Diego,CA,USAから市販されており、SybylはTripos Inc.St.Louis,MO,USAから市販されている。そのほかにも、機能を特化したコンピュータープログラムは、活性部位構造に適合する低分子化合物を検出する/または、適当なファルマコフォアを満たす化合物を検出する/または、低分子化合物を活性部位構造に対してドッキングさせるプロセスにおいて有用である。これらのプログラムには以下のものが含まれる。
・DOCK[I.D.Kuntz et al,”A Geometric Approach to Macromolecule−Ligand Interactions”,J.Mol.Biol.,161:269−288(1982)]。DOCKはUniversity of California,San Francisco,CA,USAから市販されている。
・Catalyst[Green,J.et al,”Chemical Function Queries for 3D Database Search.”J.Chem.Inf.Comput.Sci.34,1297−1308(1994)]。CatalystはMolecular Simulations Inc.San Diego,CA,USAから市販されている。
・Ludi[Bohm,H.J.”LUDI:rule−based automatic design of new substituents for enzyme inhibitor or leads.”J.Comput.Aided Mol.Des.,6:593−606(1992)]。LudiはMolecular Simulations Inc.San Diego,CA,USAから市販されている。
・C2−LigandFit。C2−LigandFitはMolecular Simulations Inc.San Diego,CA,USAから市販されている。
・FlexX[Rarey,M.et al.”A fast flexible docking method using an incremental construction algorithm.”J.Mol.Biol.,261:470−489(1996)]。FlexXはTripos Inc.St.Louis,MO,USAから市販されている。
また、本明細書記載の化合物設計/スクリーニング法および、コンピューターシステム以外の方法でFXa阻害活性を有する化合物を設計したり探索することも可能である。
本発明のファルマコフォアの活用の具体例として、本発明の態様10〜18に示される様に、
FXaまたはそのフラグメントの活性部位に競合的に結合する阻害剤を同定する方法において、FXaの活性部位の3次元構造情報(後述する方法によって入手可能)をコンピューターシステムに供し、
本発明のファルマコフォア、即ち、
(a)疎水性部分でS1ポケット[S1ポケットの定義は第10或いは17の態様のものと同一である]と会合し、かつ、Tyr228と相互作用する。
(b)塩基性部分で活性部位のS3ポケット[S3ポケットの定義は第10或いは17の態様のものと同一である]内と会合する。
(c)Ser195とは共有結合を形成しない
の各条件を全て満たす形で結合すると想定される化合物を同定し、その化合物をFXa阻害活性を測定する生物学的アッセイに供し、該化合物が該アッセイにてFXa阻害活性を有するかどうかを決定することにより、目的とするFXa阻害剤を同定することができる。
更に詳細には、後述の表Aの座標により規定される活性部位を含むFXa分子の3次元構造情報をコンピュータシステムに供し、該コンピュータシステムにてその活性部位の3次元構造を描写し、該活性部位の3次元構造に対して試験化合物の3次元構造を重ねる際に、該試験化合物の3次元構造が、
(a)その疎水性部分をTyr228と相互作用可能な様にS1ポケットに配置する
(b)その塩基性部分をS3ポケットに配置する
(c)Ser195とは共有結合を形成しない
の各条件を全て満たす形で配置した上で、該試験化合物の3次元構造が空間的にその活性部位に適合するか否かを評価し、その活性部位に空間的に適合する試験化合物を調整し、その試験化合物をFXa阻害活性を測定する生物学的アッセイに供し、該試験化合物が該アッセイにてFXa阻害活性を有するか否かを決定することができる。
或いは、FXaまたはそのフラグメントの3次元構造情報を用い、
(a)疎水性部分でS1ポケットと会合し、かつ、Tyr228と相互作用する
(b)塩基性部分でS3ポケット内と会合する
(c)Ser195とは共有結合を形成しない
という会合条件を満たす化合物をコンピューターを用いて評価することを利用した薬物設計の方法である。
更に、本発明のファルマコフォアとして、Tyr228との相互作用が、当該疎水性部分の一部であるハロゲン原子、メチル基もしくはエチル基(好ましくは塩素原子もしくは臭素原子)介するという条件を付加することにより、より具体的なFXa阻害剤の同定もしくは分子設計ができる。
また、Tyr228との相互作用において、当該疎水性部分の中点とTy228側鎖の中点の間の距離が、6.9−7.9Åにあるという条件を付加することによってFXa阻害性化合物を同定もしくは分子設計することができる。
或いはまた、ファルマコフォアとして、更に以下の条件1)〜3)の少なくとも1つを満たすことを付加することによりFXa阻害性化合物を同定もしくは分子設計することができる。
1)FXaに結合する際に、疎水性部分が一部もしくは全体としてもS1ポケットのAsp189と静電的相互作用しない。
2)FXaに結合する際に、疎水性部分の中点の位置が、S1ポケットにおいて以下の条件の2つ以上を満たす。
i)Cys191の主鎖Cα原子から3.6−4.6Åの距離にある。
ii)Ser195の主鎖Cα原子から6.2−7.2Åの距離にある。
iii)Ser214の主鎖Cα原子から5.5−6.5Åの距離にある。
iv)Trp215の主鎖Cα原子から3.6−4.6Åの距離にある。
v)Glu217の主鎖Cα原子から6.7−7.7Åの距離にある。
vi)Cys220の主鎖Cα原子から5.8−6.8Åの距離にある。
3)FXaに結合する際に、Laの塩基性部位を有する部分構造の中点の位置が、S3ポケットにおいて以下の条件の2つ以上を満たす;
i)Tyr99側鎖の中点から4.1−5.5Åの距離にある。
ii)Phe174側鎖の中点から3.1−4.5Åの距離にある。
iii)Trp215側鎖の中点から4.1−5.5Åの距離にある。
iv)Lys96主鎖カルボニル酸素原子から4.1−6.3Åの距離にある。
v)Glu97主鎖カルボニル酸素原子から3.5−5.1Åの距離にある。
或いは、上記条件1)〜3)を全てみたすことを付加してFXa阻害剤の同定もしくは分子設計をすることができる。
更には、前出の態様[18−e]の架橋基のコンホーメーション変化を制御する手段を付加してFXa阻害剤の分子設計を行う事ができる。
こうして同定もしくは設計された化合物を、購入もしくは合成するなどにより入手し、例えば本発明実施例に記載された生物学的アッセイにかけ、その具体的な薬理活性、例えばin vitroにおけるIC50値を求めることができる。
本発明化合物においては、当該IC50値が1μM以下のFXa阻害活性を有する化合物であり、かつ、本願出願時に未知の化合物であることが好ましい。
本発明はまた、上記の同定方法もしくは薬物設計方法により同定もしくは設計された化合物で、生物学的アッセイによるIC50値で1μM以下のFXa阻害活性を有する化合物であり、かつ、▲1▼本願出願時に未知であった化合物もしくは▲2▼既知であったがこれまで生物学的活性が知られていなかった化合物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物である。かかる医薬組成物の有用性は、態様の2または後述の本発明の化合物を含有する組成物の詳細な説明を参照できる。
或いは、本発明は、生物学的アッセイによるIC50値で1μM以下のFXa阻害活性を有する化合物であり、かつ、▲1▼本願出願時に未知であった化合物もしくは▲2▼既知であったがこれまでFXa阻害活性が知られていなかった化合物の少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とするFXa阻害剤であり、かかるFXa阻害剤の有用性は、態様の3または後述の本発明の化合物を含有する組成物の詳細な説明を参照できる。
なお、これら同定もしくは設計された本発明化合物において、FXa阻害活性は、好ましくは、IC50値で0.5μM以下、更に好ましくは0.1μM以下、とりわけ0.01μM以下のFXa阻害活性を有する化合物に係るものが好ましい。
なお、かかる化合物の同定もしくは設計を行う際に、本発明のファルマコフォアに対し、一般式(I’)のLaもしくはLbのどちらか一方あるいは両方を除いたスピロ骨格の部分構造を有することを前提とすることにより、相手方のLbもしくはLaのいずれか一方、もしくは両方を規定することができる。
かかる手法において、例えば、特定のLaとして式(I)のA−B−に示される基、例えば、態様10−dの4)「Laが5〜6員環の置換されていても良い芳香族複素単環基を有する」との条件を付すことができるし、とりわけ4−ピリジル基を用いて、他方のLbを規定する方法が挙げられる。一方、特定のLbとして式(I)の−T−Qに示される基、好ましくはQが、態様[1−1−d]、Tが[1−8−b]である基、とりわけp−ハロゲノスチリルスルホニル基、6−ハロゲノナフタレン−2−イルスルホニル基あるいは、7−ハロゲノ−2H−ベンゾピラン−3−インスルホニル基を用いて、他方のLaを規定する方法があることが理解される。
次に、本発明の治療、予防剤および医薬組成物について説明する。本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの式(I)もしくは式(I’)、式(V)、式(VI)、式(Ik)、式(I−a’)、式(I’)、式(I’’)(各々の式の定義は前記に同じ)で示される化合物を有効成分として含有していればよく、薬学的に許容される担体を含有していることができる。式(I)の化合物の好ましい例は、前記と同じである。
本発明化合物のFXa阻害作用について
本発明の化合物は強力なFXa阻害活性を有している。すなわち、本発明の組成物は強力なFXa阻害剤である。より詳しくは、他の酵素を阻害しない特異的なFXa阻害剤である。
また、経口投与可能なFXa阻害剤であり、さらに経口投与可能な特異的なFXa阻害剤である。本発明の化合物は、数多くあるセリンプロテアーゼの中で特異的にFXa活性を強力に阻害する。即ち、トリプシンやキモトリプシンはまったく阻害しないばかりか、同じ血液凝固系のセリンプロテアーゼであるトロンビンをも全く阻害しない。このことは、前記のトロンビン阻害剤が有する出血傾向等の問題を克服している。さらに、本発明の化合物は経口投与による消化管からの吸収性に優れ、吸収に伴う活性減弱がなく、良好な吸収、分布、代謝、排泄等の特性を有する。そして経口投与剤としての利用価値も高い。
本発明の化合物を含有する組成物は、FXa阻害剤が有効な疾患の予防及び/または治療剤である。また、本発明の化合物を含有する組成物は、抗凝固剤であり、抗凝固剤の有効な疾患の予防及び/または治療剤である。
即ち、これらの剤は、血栓または塞栓によって引き起こされる疾病の予防及び/または治療に有効であり、具体的な疾患名としては、脳血栓、脳梗塞、脳塞栓、一過性脳虚血発作(TIA)、くも膜下出血後の脳血管れん縮等の虚血性脳血管障害における疾病、アルツハイマー病、脳血管性痴呆、無症候性脳血管障害、急性及び慢性心筋梗塞、心筋梗塞後後遺症、不安定狭心症、狭心症、冠動脈血栓溶解等の虚血性心疾患における疾病、人工血管の術後・人工弁置換後の血栓形成症、冠動脈バイパス術後における再閉塞及び再狭窄、PTCAまたはPTCA術後或いはステント留置後における再閉塞及び再狭窄、肺梗塞、肺血栓・肺塞栓、肺血管障害を伴う疾病(たとえば薬剤惹起性肺炎)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、急性腎炎、急性進行性腎炎、慢性腎炎(たとえば糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、IgA腎症)、さらに急性動脈閉塞症、閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)、閉塞性動脈硬化症、末梢動脈閉塞症、末梢静脈閉塞症、深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、汎発性血管内凝固症候群(DIC)、ショック又はDICの進行によって生じる各種臓器不全、血栓性微小血管症(TMA)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症候群(HUS)、体外循環時の血栓形成症等の各種血管障害における疾病、大手術時の血小板減少、動脈硬化、癌転移、移植時の拒絶反応、移植時の臓器保護又は機能改善が挙げられる。或いは、糖尿病に伴う血管内皮細胞障害の予防、移植もしくは活性化プロテインC(APC)レジスタンスに伴う凝固亢進状態、或いはまた、血管疾患、術後外傷、並びに肥満、妊娠、経口避妊薬の使用、持続性運動抑制、ヘパリン起因性血小板減少症、膠原病(たとえば抗リン脂質抗体症候群、多発動脈炎、全身性エリテマトーデス)、ベーチェット病、虚血再潅流障害、もしくは癌等に付随した過剰な血液凝固、また妊娠中毒症などが挙げられる。
またとりわけ、心房細動・人工弁あるいは心臓弁膜症に伴う塞栓、好ましくは脳塞栓症発症の予防に、一過性脳虚血発作とくに再発予防剤に、深部静脈血栓症にあるいはDICの予防・治療に使用される。
これらの疾患のうち、本発明の剤は、医薬として用いる場合、特に予防的投与が推奨され特に重要である。本剤は直接の血栓溶解剤ではないし、直接の血小板凝集抑制剤でもない。すなわち、血栓傾向の患者あるいは、血栓・塞栓症の危険因子(リスクファクター)を有する患者に対して、血栓・塞栓の予防的投与が好ましい。特に、心房細動・人工弁あるいは心臓弁膜症の患者はその病変部・移植部で血栓ができ易く、それが引き金となり脳梗塞を屡々誘発し、致死的な発作となることも少なくない。このような患者の誘発される血栓・塞栓、特に好ましくは脳塞栓症発症の予防に極めて有用な薬剤となりうる。
これらの治療は長期に渡り行われる。本発明の剤は、経口投与が可能であり、出血等の副作用が少なく、頻繁なモニタリングの必要もなく、長期間安心して使えるものである。
さらに換言すれば、本発明の剤は、心房細動・人工弁あるいは心臓弁膜症に伴う塞栓予防及び/または治療剤である。好ましくはこれらの疾患に伴う脳塞栓症発症の予防剤でる。一過性脳虚血発作予防及び/または治療剤である。とくに再発予防剤である。そして、深部静脈血栓症或いはDICの予防及び/または治療剤である。
また、本発明化合物の中にはDの置換基により薬物の吸収、分泌の経過を通じて容易に代謝を受けるものがある。そしてこれらの代謝物のうち本発明の化合物式(I)に含まれるものも存在し、強力なFXa阻害活性を有し薬理学的/薬物動態学的にきわめて興味深い知見を与える。
本発明の化合物を有効成分として含有する組成物は、動物用薬としても有効であり、利用価値が高い。また、血液凝固の各種機能測定における、或いは実験室における試薬としても使用し得る。
更に、本発明化合物のFXa阻害作用により、インフルエンザウイルスの増殖阻害活性に基づくインフルエンザウイルスの感染予防・治療剤、歯周病の予防・治療剤としても可能である。
次に本発明の実験例、実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
本発明化合物の優れたFXa阻害活性は、以下に示す試験により確認される。1)酵素阻害作用の測定
a)ヒトFXa阻害作用の測定
in vitroにおけるFXa阻害活性はケトナーら(ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー、265巻、18289〜18297頁、1990年)の方法に準じて測定される。すなわち、ヒトFXa(エンザイムリサーチ社(Enzyme Research Laboratories,Inc.)製、0.019U/ml)をジメチルスルホオキシド(DMSO)にて種々の濃度に希釈した検体および合成基質S−2222(Chromogenix AB、0.4mM)と混合しTris−塩酸緩衝液(pH7.5)で37℃にてインキュベートする。検体のFXa阻害活性は405nmの吸光度を連続的に観察し、初速度を検体非存在下における初速度と比較することにより算出される。
なお、検体のFXa阻害活性は通常IC50値として表記される。
本発明化合物は、上記の方法によりFXa阻害活性を測定すると、IC50値で0.1nM〜1μMの強度を示す。具体例を表1に示した。
2)抗凝固活性の測定(in vitro)
内因系凝固時間の測定
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を種々の濃度に希釈した検体存在下において測定する。すなわち、DMSOにて種々の濃度に希釈した検体とヒト血漿およびAPTT試薬を混合し、37℃にて2分間インキュベートした後、塩化カルシウム(25mM)を添加し凝固時間を測定する。なお、検体の抗凝固活性は検体非存在下における凝固時間を2倍に延長するのに必要な濃度で記載する。本試験において、本発明化合物は良好なAPTT時間の延長作用を認める。本発明化合物の効果を表2に示す。
3)抗凝固活性の特性(ex vivo)
a)ラットを用いたex vivoでの凝固時間測定試験(静脈内投与)
12時間以上絶食した雄性ウイスターラット(200g〜300g、SLC社)に対し、生理食塩水(または10%DMSO溶液)にて溶解した薬剤3〜30mg/kgを大腿静脈より単回投与し、経時的に採血(3.8%クエン酸ナトリウム1/10容)し、3000rpm10分の遠心分離により血漿を分離する。この血漿を用いて以下の方法に従い外因系凝固時間(PT)の測定を行う。
上記血漿50μlを37℃にて3分間インキュベートした後、トロンボプラスチン溶液100μlを添加することにより凝固反応を開始し、凝固時間を測定する。本試験により、本発明化合物は静脈内投与において酵素阻害に応じた良好なPT時間の延長作用を認める。
b)ラットを用いたex vivoでの凝固時間測定法(経口投与)
上記a)の試験で大腿静脈の単回投与の代わりに経口ゾンデを用いて強制経口投与し、経時的に3.8%クエン酸ナトリウム1/10容にて一定容採血し、上記a)の試験と同様に外因系凝固時間および内因系凝固時間を測定する。
本試験の結果においても、本発明化合物は10〜100mg/kgで経口投与においても凝固時間の延長作用が認められる。
なお、以上のラットのex vivoの試験において、安全性面での異常は観察されない。
本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの式(I)(式の定義は前記に同じ)で示される化合物又はその塩を有効成分として含有していればよく、薬学的に許容される担体を含有していることができる。式(I)の化合物の好ましい例は、前記と同じである。
以上のように本発明の化合物は強力なFXa活性阻害作用を示し、トリプシン、キモトリプシン、トロンビンの阻害活性をもたず、その特異性は高い。さらに、本発明の化合物はラットに0.1〜10mg/kgの範囲で経口投与、もしくは0.01〜1mg/kgの範囲の静脈内投与することにより抗血栓作用を示す。
一方、本発明の化合物はラットに10mg/kgの用量で経口投与、もしくは1mg/kgの用量で静脈内投与しても出血時間の延長は認められない。したがって、本発明の化合物は公知の抗凝固剤であるヘパリンやワーファリンとは異なり出血傾向を示す恐れがなく抗凝固作用を発揮する。さらに、本発明化合物は経口吸収性に優れ、適当な作用持続性があり、そして安全性も高い。
本発明化合物は、また、先述の予防・治療対象の疾病に対して、単独で投与されるかあるいは他の薬理活性成分と併用されることもできる。かかる薬理活性成分とは、例えば公知の血液溶解剤(例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)ならびにそれらの誘導体(改変体あるいはいわゆる第二世代といわれるものも含む)、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ)、あるいは公知の抗凝固剤(例えばワーファリン、ヘパリン、トロンボモジュリン等)、公知の血小板凝集抑制剤(例えばアスピリン、トロンボキサンアンタゴニスト、トロンボキサン合成阻害剤、GPIIb/III a阻害剤)、公知の高脂血症治療剤(例えばクロフィブラート系薬物、HMG−CoA阻害剤、EPA−E)或いは公知の抗高血圧剤(例えばニフェジピンやジルチアゼム等)などが挙げられる。
ここで併用とは、本発明化合物と当該薬理活性成分とをともに含む合剤を投与する他、本発明化合物と当該薬理活性成分とがそれぞれ別個の製剤として一時期にもしくは時間をずらして投与される場合をも含み、患者の血中において同時に存在する限りにおいて投与の形態は問われない。
本発明化合物ならびにその製薬学的に許容される塩の一種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、通常用いられる製剤用の担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて、カプセル剤、丸剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤の他、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤、エリキシル剤、シロップ剤等の内用液剤、注射剤、経鼻吸収剤、坐剤、軟膏、貼付剤等に調製され、人間その他の動物に対して経口的又は非経口的に投与される。
本発明化合物のヒトに対する臨床投与量は適用される患者の症状、体重、年齢や性別等を考慮して適宜決定されるが、通常成人1日当たり経口で0.1mg〜1000mg、好ましくは1mg〜300mg、非経口で0.01〜300mg、好ましくは0.1mg〜100mgであり、これを1回あるいは数回に分けて投与する。投与量は種々の条件で変動するので、上記投与量範囲より少ない量で十分な場合もある。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、カプセル剤、丸剤、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な担体と組み合わせてつくられる。より詳細には、賦形剤(例えば乳糖、白糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、メタケイ酸)、結合剤(例えば結晶セルロース、糖類、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク)、崩壊剤(例えばトウモロコシデンプン、カルボキシメチルセルロース、繊維素グリコール酸カルシウム)、安定化剤(例えばラクトース等の糖アルコールや糖)、可溶化ないしは溶解補助剤(例えばコレステロール、トリエタノールアミン、グルタミン酸、アスパラギン酸)、着色剤、香味剤、防腐剤、等張化剤、分散剤、酸化防止剤(例えばアスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール)、緩衝剤、保存剤(例えばパラベン、ベンジルアルコール)を含みうる。
なお、錠剤、丸剤、顆粒剤等は、必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの胃溶性あるいは腸溶性のフィルムコーティングを施してもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶解剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の担体としては、例えば注射用蒸留水、生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の担体としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エチルアルコールのようなアルコール類、ポリソルベート80(TM)等がある。
こうした組成物は、更に上述の等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、可溶化剤もしくは溶解補助剤等の添加剤を含みうる。これらは例えばメンブランフィルターによる濾過、殺菌剤の配合又は紫外線照射等によって無菌化される。
これらはまた無菌の固体組成物を製造し、用時溶解、乳濁または懸濁して用いる注射剤とすることもできる。本発明化合物の溶解性が低い場合には、可溶化処理を施してもよい。
当該処理としては、医薬製剤に適用できる公知の方法、例えば界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類等)を添加する方法、薬物と可溶化剤例えば高分子(ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)等の水溶性高分子、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、メタアクリル酸メチル−メタアクリル酸共重合体(オイドラギットL,S(TM);ローム・アンド・ハース社製)等の腸溶性高分子)との固体分散体を形成する方法が挙げられる。さらに必要により、α−、β−或いはγ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン等を用いて包接化合物を形成させる方法も挙げられる。また、「薬学モノグラフNo.1,生物化学利用能」永井恒司等、ソフトサイエンス社、78−82(1988)或いは「最近の製剤技術とその応用」、内海勇等、医薬ジャーナル157−159(1983)などを参考に、目的とする薬物に応じて、可溶化の手法を適宜変更することも可能である。これらのうち、好ましくは薬物と可溶化剤との固体分散体を形成させ溶解性を改善する方法が採用され得る(特開昭56−49314号、FR2460667号)。
<製剤の実施例>
以下に、本発明の医薬組成物の例を挙げる。ここで、化合物Mとは、式(I)の本発明化合物およびその製薬学的に許容される塩であり、詳細には、実施例化合物から選択されるいずれかの化合物である。
(a)錠剤 (1mg)
化合物M 1.0g
乳糖 90.0g
カルボキシメチルセルロースナトリウム 7.0g
コーンスターチペースト(5%W/Vペースト) 1.0g
ステアリン酸マグネシウム 1.0g
上記の成分を秤量し、常法により打錠し、100mgの錠剤とした。
(b)錠剤 (10mg)
化合物M 10g
乳糖 150g
クロスカルメロースナトリウム 6.0g
コーンスターチ 28.5g
ポリビニルピロリドン 2.5g
ステアリン酸マグネシウム 3g
上記の成分を秤量し、常法により打錠して200mgの錠剤としたのち、酢酸フタル酸セルロースで被覆し腸溶剤となした。
(c)錠剤 (100mg)
化合物M 100g
乳糖 180g
クロスカルメロースナトリウム 13g
コーンスターチ(5%W/Vペースト) 4g
ステアリン酸マグネシウム 3g
上記の成分を秤量し、常法により300mgの錠剤に打錠した。
(d)カプセル剤 (50mg)
化合物M 100g
ラクトース 395.5g
ステアリン酸マグネシウム 4.5g
上記成分をそれぞれ秤量したのち均一に混合し、混合粉体を局方No.1のハードカプセルに250mgずつ封入した。
(e)注射剤 (0.1mg/ml)
化合物M 0.1%W/V
りん酸ナトリウム緩衝液 2.3%W/V
クエン酸 0.4%
マクロゴール400 3.5%
注射用蒸留水 適量加えて100%とする。
上記の成分を混合して溶液となし、1mlずつ注射用アンプルに封入して注射剤を作成した。
(f)注射剤 (1.0mg/ml)
化合物M 1.0%W/V
りん酸ナトリウム緩衝液 3.6%W/V
1M水酸化ナトリウム水溶液 15% W/V
注射用蒸留水 適量加えて100%とする。
上記の成分を混合して溶液となし、1mlずつ注射用アンプルに封入して注射剤を作成した。
<合成実施例>
つぎに、本発明をさらに詳細に説明するために合成実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定にはジェオルJNM−EX270(JEOLJNM−EX270)FT−NMR(日本電子(株)製)またはジェオルJNM−LA300(JEOLJNM−LA300)FT−NMR(データに*を表示、日本電子(株)製)を用い、赤外吸収スペクトル(IR)の測定にはホリバFT−200(HORIBAFT−200)FT−IR(データに*を表示、(株)堀場製作所製)またはホリバFT−720(HORIBAFT−720)FT−IR((株)堀場製作所製)を用い、高分解能質量分析スペクトル(HRMS)の測定にはジェオルJMS−GCMATE(JEOLJMS−GCMATE)(日本電子(株)製)を用い、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の測定には、島津LC−10A((株)島津製作所製)をそれぞれ用いた。
(実施例1)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程A−1>
エチル 2−[(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)アミノ]アセテートの合成
塩酸グリシンエチルエステル(9.88g)を塩化メチレン(500ml)に懸濁し、氷冷下、トリエチルアミン(20.2ml)次いで、6−クロロナフタレン−2−スルホニルクロリド(17.6g)を加えた。室温で1時間攪拌した後、1規定塩酸を加えpH2に調節し、塩化メチレンにて抽出した。塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた結晶をn−ヘキサン中で洗浄後濾取して風乾することにより表題化合物(22.4g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.43−8.40(1H,m)、7.95−7.87(4H,m)、7.57(1H,dd,J=2,9Hz)、5.22−5.15(1H,m)、4.01(2H,q,J=7Hz),3.82(2H,d,J=6Hz),1.11(3H,t,J=7Hz)
<工程A−2>
エチル 2−[(3−アセトキシ−2−オキソプロパン−1−イル)(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)アミノ]アセテートの合成
工程A−1で得られた化合物(2.50g)のN,N−ジメチルホルムアミド(25ml)溶液に、炭酸カリウム(1.58g)とよう化ナトリウム(1.14g)を加え、1−アセトキシ−3−クロロアセトン(1.72g)のN,N−ジメチルホルムアミド(7ml)溶液を室温で滴下した。反応液を室温にて1.5時間攪拌した後、水を加え、ジエチルエーテルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をジエチルエーテル中で結晶化させ、濾取、風乾することにより表題化合物(2.72g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.42−8.37(1H,m),7.98−7.85(3H,m),7.80(1H,dd,J=2,9Hz),7.57(1H,dd,J=2,9Hz),4.84(2H,s),4.31(2H,s),4.15(2H,s),4.06(2H,q,J=7Hz),2.16(3H,s),1.17(3H,t,J=7Hz)
<工程A−3>
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ [4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程A−2で得られた化合物(1.6g)および4−(アミノメチル)−1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン(800mg)のトルエン(200ml)溶液中にp−トルエンスルホン酸一水和物(34.0mg)を加え、ディーン・スタークを用いて1時間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル)にて精製することにより、表題化合物(1.08g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.36(1H,s),8.02−7.88(3H,m),7.78(1H,d,J=9Hz),7.60(1H,d,J=9Hz),7.36−7.19(5H,m),4.48−4.14(5H,m),3.46(2H,s),3.34(1H,d,J=17Hz),3.08(1H,d,J=12Hz),2.62−2.21(4H,m),2.33(1H,d,J=12Hz),2.11(3H,s),1.93−1.72(2H,m),1.53−1.34(2H,m)
<工程A−4>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程A−3で得られた化合物(425mg)のメタノール(11ml)溶液中、氷冷下、1規定水酸化ナトリウム水溶液(2.8ml)を加えた。反応液を室温にて1時間攪拌した後、減圧下溶媒を留去した。残渣に水を加え洗浄した後濾取し、減圧乾燥することにより表題化合物(365mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.40−8.33(1H,m),8.01−7.90(3H,m),7.82−7.76(1H,m),7.65−7.58(1H,m),7.35−7.21(5H,m),4.50−4.31(2H,m),4.24(1H,d,J=12Hz),3.89(1H,d,J=12Hz),3.62(1H,d,J=12Hz),3.47(2H,s),3.35(1H,d,J=17Hz),3.07(1H,d,J=12Hz),2.66−2.07(4H,m),2.26(1H,d,J=12Hz),1.97−1.75(2H,m),1.57−1.36(2H,m)
<工程A−5>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程A−4で得られた化合物(100mg)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(4.0mg)および硫酸ジメチル(0.018ml)の塩化メチレン(2ml)溶液中、氷冷下激しく攪拌しながら、50%水酸化ナトリウム水溶液(0.6ml)をゆっくりと加えた。反応液を室温にて2時間攪拌した後、氷冷下にて水を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:4〜1:6)にて精製することにより、表題化合物(48.0mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.36−8.33(1H,m),7.97−7.92(3H,m),7.80−7.75(1H,m),7.63−7.57(1H,m),7.33−7.20(5H,m),4.40−4.30(2H,m),4.18(1H,d,J=12Hz),3.64(1H,d,J=10Hz),3.54(1H,d,J=10Hz),3.46(2H,s),3.41(3H,s),3.32(1H,d,J=17Hz),3.10(1H,d,J=12Hz),2.67−2.18(4H,m),2.24(1H,d,J=12Hz),1.99−1.75(2H,m),1.53−1.33(2H,m)
<工程A−6>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン塩酸塩の合成
工程A−5で得られた化合物(45.0mg)の1,2−ジクロロエタン(2ml)溶液中、クロロギ酸1−クロロエチル(0.021ml)を加え、30分間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧下溶媒を留去し、残渣にメタノール(2ml)を加え、30分間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化した。上清を傾瀉により除去し、減圧下溶媒を留去することにより、表題化合物(39.5mg)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d)δppm:8.89−8.75(1H,brs),8.73−8.58(1H,brs),8.61(1H,s),8.33−8.13(3H,m),7.93−7.84(1H,m),7.77−7.69(1H,m),4.17−4.02(3H,m),3.57−2.80(7H,m),3.28(3H,s),3.18(1H,d,J=12Hz),2.62(1H,d,J=11Hz),2.00−1.83(2H,m),1.70−1.54(2H,m)
<工程A−7>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程A−6で得られた化合物(35.0mg)および4−クロロピリジン塩酸塩(10.2mg)の2−エトキシエタノール(2ml)懸濁液中、ジイソプロピルエチルアミン(0.041ml)を加え2時間加熱還流した。放冷後、反応液に炭酸カリウム(56mg)を加え30分間攪拌した。不溶物を濾去、濾液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=10:1)にて精製することにより、表題化合物(9.6mg)を得た。
HRMS:C2729ClNS(M):計算値556.1547実測値556.1540
さらに、得られた化合物をHPLC[ウォーターズデルタプレップ4000(WatersDeltaPrep4000)(ウォーターズ社製)、装着カラム;ダイセルキラルセルOD(DaicelChiralcelOD)(ダイセル化学工業(株)製)2cm×25cm、溶出溶媒;n−ヘキサン:エタノール:ジエチルアミン=60:40:1、流速;10ml/min、検出波長;254nm]により光学分割し、(+)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン[保持時間;43.5min、[α]25 +48.8(c1.247、クロロホルム)、[α]33 +91.3(c1.000、メタノール)、>99%ee]、および(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン[保持時間;63.0min、[α]25 −48.4(c1.175、クロロホルム)、[α]33 −9 0.7(c1.000、メタノール、>99%ee]をそれぞれ得た。
また、表題化合物のラセミ体(50.9mg)と(+)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸(32.7mg)を混合し、メタノール(6.6ml)を加え攪拌後不溶物を濾取および真空乾燥することにより得た結晶(20mg)を飽和重曹水を用い脱塩することにより、光学純度94.6%ee、(+)体の表題化合物を得た。また、同様の方法により、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸を用いて(−)体の表題化合物を得た。
<工程B−1>
1,4−ジアザ−1’−(ベンジルオキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程A−3>で得られた化合物(70.0g)および1,8−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ナフタレン(5.00g)を1,2−ジクロロエタン(700ml)に溶解し、内温を0度に保ちながらクロロぎ酸ベンジル(33.4ml)を滴下した。反応液を室温にて2時間攪拌した後、氷冷下飽和重曹水を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を、メタノール(1.331)と塩化メチレン(1.331)の混合液に溶解し、氷冷下1規定水酸化ナトリウム水溶液(140ml)を滴下した。室温にて30分攪拌した後、減圧下溶媒を留去した。残渣に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=40:1〜30:1)にて精製することにより、表題化合物(64.6g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.37−8.33(1H,m),7.97−7.91(3H,m),7.80−7.74(1H,m),7.63−7.58(1H,m),7.39−7.25(5H,m),5.10(2H,s),4.46−4.32(2H,m),4.22(1H,d,J=12Hz),3.96−3.85(1H,m),3.76−3.53(3H,m),3.52−3.40(1H,m),3.36(1H,d,J=17Hz),3.37−3.24(1H,m),3.15(1H,J=12Hz),2.41(1H,brs),2.28(1H,d,J=12Hz),1.89−1.68(2H,m),1.48−1.34(2H,m)
<工程B−2>
1,4−ジアザ−1’−(ベンジルオキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程A−5>と同様の方法で、工程B−1で得られた化合物(30.0g)および大過剰量の硫酸ジメチル(62.4ml)を用いることにより、表題化合物(26.4g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.34(1H,s),7.99−7.91(3H,m),7.80−7.74(1H,m),7.64−7.58(1H,m),7.38−7.25(5H,m),5.09(2H,s),4.42−4.29(2H,m),4.16(1H,d,J=11Hz),3.41(3H,s),3.65(1H,d,J=10Hz),3.59(1H,d,J=10Hz),3.74−3.13(6H,m),2.25(1H,d,J=12Hz),1.94−1.66(2H,m),1.46−1.31(2H,m)
<工程B−3>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程B−2で得られた化合物(76.5g)のアセトニトリル(1.531)溶液に、氷冷下よう化トリメチルシリル(32ml)を加えた。氷冷下45分間攪拌した後、反応液を氷冷下1規定塩酸にあけ、n−ヘキサンを加え攪拌後分層した。水層をn−ヘキサンで洗浄後、塩化メチレンを加え、氷冷下攪拌しながら2規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH11に調節した。塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下溶媒を留去することにより、表題化合物(55.9g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.38−8.32(1H,m),7.99−7.91(3H,m),7.82−7.74(1H,m),7.61(1H,dd,J=2,9Hz),4.41−4.29(2H,m),4.21(1H,d,J=1 2Hz),3.65(1H,d,J=10Hz),3.58(1H,d,J=10Hz),3.41(3H,s),3.32(1H,d,J=17Hz),3.20−3.04(2H,m),3.01−2.74(3H,m),2.25(1H,d,J=12Hz),1.98−1.82(2H,m),1.58−1.38(2H,m)
<工程B−4>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程B−3で得られた化合物(7.50g)および4−クロロピリジン塩酸塩(2.34g)のエタノール(150ml)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1 3.6ml)を加え、封管中150℃にて15時間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=100:1〜メタノール)にて精製することにより、表題化合物(1.85g)を得た。
<工程C−1>
エチル 2−[[[2−(アセトキシメチル)−3,8−ジアザ−1−オキサ−8−ベンジルスピロ[4.5]デカン−2−イル]メチル](6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)アミノ]アセテートの合成
工程A−2で得られた化合物および(200mg)および4−(アミノメチル)−1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン(140mg)の塩化メチレン(7.5ml)溶液中に、3Aモレキュラーシーブス(400mg)を加え室温下攪拌後、0.09規定酢酸−塩化メチレン溶液(0.50ml)を加え、3.5時間加熱還流した。放冷、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=19:1)にて精製することにより、表題化合物(142mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.37−8.32(1H,m),7.94−7.76(4H,m),7.55(1H,dd,J=2,9Hz),7.33−7.22(5H,m),4.44(2H,s),4.14(1H,d,J=12Hz),4.02(1H,d,J=12Hz),3.95−3.77(2H,m),3.60(1H,d,J=15Hz),3.50(1H,d,J=15Hz),3.49(2H,s),3.38−3.23(1H,m),3.11−2.85(2H,m),2.62−2.20(4H,m),2.04(3H,s),1.82−1.54(4H,m),1.06(3H,t,J=7Hz)
<工程C−2>
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程C−1で得られた化合物(125mg)のトルエン溶液を2.5時間加熱還流した後、放冷、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:8)にて精製することにより表題、表題化合物(97.3mg)を得た。
<工程D−1>
エチル 2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピルアミノ)アセテートの合成グリシジルメチルエーテル(1.00g)、グリシンエチルエステル(5.91g)のエタノール溶液を終夜攪拌後、減圧下濃縮することにより表題化合物(2.17g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:4.19(2H,q,J=7Hz),3.87−3.78(1H,m),3.39(3H,s),3.50−3.35(4H,m),2.81−2.62(2H,m),1.29(3H,t,J=7Hz)
<工程D−2>
エチル 2−[(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル)アミノ]アセテートの合成
工程D−1で得られた化合物(1.60g)および6−クロロナフタレン−2−スルホニルクロリド(2.20g)の塩化メチレン(30ml)溶液に、トリエチルアミン(1.17ml)を0℃で滴下した。室温で終夜攪拌した後、反応液を塩酸酸性とし、酢酸エチルで抽出、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、表題化合物(800mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.38(1H,s),7.88(1H,d,J=9Hz),7.87−7.81(3H,m),7.50(1H,dd,J=2,9Hz),4.22(2H,s),4.05(2H,q,J=7Hz),4.06−3.97(1H,m),3.33(3H,s),3.56−3.31(4H,m),1.14(3H,t,J=7Hz)
<工程D−3>
エチル 2−[(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)(3−メトキシ−2−オキソプロピル)アミノ]アセテートの合成
工程D−2で得られた化合物(220mg)の塩化メチレン(5ml)溶液に、室温でデス・マーチン(Dess−Martin)試薬(336mg)を加え、終夜攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和硫酸水素ナトリウム水溶液の1:1混合液を加え、攪拌後、塩化メチレンにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、表題化合物(190mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.38(1H,s)7.93−7.77(4H,m),7.54−7.48(1H,m),4.44(2H,s),4.20(2H,s),4.13(2H,s),4.02(2H,q,J=7Hz),3.39(3H,s),1.13(3H,t,J=7Hz)
<工程D−4>
エチル 2−[[[3,8−ジアザ−2−(メトキシメチル)−1−オキサ−8−ベンジルスピロ[4.5]デカン−2−イル]メチル](6−クロロ−2−ナフタレン−2−イルスルホニル)アミノ]アセテート
工程C−1と同様の方法に従い、工程D−3で得られた化合物(100mg)を用いて、表題化合物(145mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.37−8.32(1H,m),7.96−7.77(4H,m),7.56−7.50(1H,m),7.35−7.22(5H,m),4.53−4.37(2H,m),3.93−3.81(2H,m),3.59−3.54(2H,m),3.50−3.44(4H,m),3.34(3H,s),2.94(1H,d,J=12Hz),2.86(1H,d,J=12Hz),2.68−2.34(4H,m),1.88−1.53(4H,m),1.05(3H,t,J=7Hz)
<工程D−5>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程C−2と同様の方法に従い、工程D−4で得られた化合物(72.5mg)を用いて、表題表題化合物(67.0mg)を得た。
<工程E>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程A−5>と同様の方法に従い、実施例3<工程A−2>で得られた化合物(70mg)を用いて、表題表題化合物(38.7mg)を得た。
<工程F−1>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−4>と同様の方法で、実施例7<工程B−1>で得られた化合物(938mg)を用いて、表題化合物(626mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDOD)δppm:8.52−8.47(1H,m),8.16−8.04(3H,m),7.87(1H,dd,J=2,9Hz),7.65(1H,dd,J=2,9Hz),4.32−4.19(2H,m),4.16(1H,d,J=12Hz),3.78−3.68(2H,m),3.48(1H,d,J=17Hz),3.35−3.25(1H,m),3.23−3.11(1H,m),3.08−2.83(3H,m),2.58(1H,d,J=12Hz),2.06−1.79(2H,m),1.66−1.35(2H,m)
<工程F−2>
1,4−ジアザ−1’−(ベンジルオキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程F−1で得られた化合物(3.29g)を水(132ml)に懸濁し、炭酸ナトリウム(1.80g)を加えた後、氷冷下攪拌しながらクロロぎ酸ベンジル(1.21ml)を滴下した。氷冷下1時間攪拌後、水を加え、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=40:1)にて精製することにより、表題表題化合物(3.82g)を得た。
(実施例2)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−[2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル]スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−6>で得られた化合物(200mg)および4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン(0.049ml)のイソアミルアルコール(2ml)懸濁液に、炭酸水素ナトリウム(87.5mg)を加え、1.5時間加熱還流した。放冷後反応液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=50:1)にて精製して油状物を得た後、n−ヘキサン中で固化させ濾取することにより、表題化合物(63.2mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.36(1H,s),8.07−7.90(4H,m),7.84−7.74(1H,m),7.67−7.58(1H,m),6.16(1H,d,J=6Hz),4.44−4.29(2H,m),4.24−4.14(1H,m),3.95−3.28(6H,m),3.43(3H,s),3.35(1H,d,J=17Hz),3.28−3.17(1H,m),2.46(3H,s),2.29(1H,d,J=12Hz),2.01−1.73(2H,m),1.53−1.40(2H,m)
<工程2>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
エタノールで洗浄したラネーニッケル(アルドリッチ社製、50%水溶液、0.2m2001)を工程1で得られた化合物(58.0mg)のエタノール(1ml)溶液に加え、1時間加熱還流した。反応液を放冷後、触媒を濾別し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=50:1)で精製し、表題化合物(23.0mg)を得た。HRMS:C2628ClNS(M):計算値557.1499、実測値557.1520
(実施例3)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程A−1>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン塩酸塩の合成
実施例1<工程A−6>と同様の方法で、実施例1<工程A−3>で得られた化合物(584mg)を用いて、表題化合物(430mg)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d)δppm:8.77(1H,brs),8.68−8.52(2H,m),8.34−8.14(3H,m),7.93−7.86(1H,m),7.74(1H,dd,J=2,9Hz),5.32−5.22(1H,m),4.17−3.97(3H,m),3.63−2.80(7H,m),3.21(1H,d,J=12Hz),2.63(1H,d,J=12Hz),2.04−1.84(2H,m),1.69−1.53(2H,m)
<工程A−2>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ「ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−7>と同様の方法で、工程A−1で得られた化合物(370mg)を用い合成を行い、表題化合物(30.0mg)を得た。
HRMS:C2627ClNS(M):計算値542.1390、実測値542.1421
<工程B>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例7<工程A−4>で得られた化合物(30.0mg)のエタノール溶液(1ml)にヒドラジン一水和物(0.04ml)を加え、30分間加熱還流した。反応液を放冷後減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=8:1)で精製し、表題化合物(20.7mg)を得た。
(実施例4)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルメトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程A−1>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルメトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−4>で得られた化合物(1.0g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(41mg)およびブロモ酢酸エチル(259ml)の塩化メチレン(20ml)溶液に、氷冷下激しく攪拌しながら、50%水酸化ナトリウム水溶液(6ml)をゆっくりと加えた。
反応液を氷冷下1.5時間攪拌した後、ブロモ酢酸エチル(120ml)を追加し、さらに30分間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンにて抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=50:1)にて精製することにより、表題化合物(413mg)を得た。
NMRスペクトル(CDCl)δppm:8.37−8.32(1H,m),7.97−7.90(3H,m),7.80−7.73(1H,m),7.60(1H,dd,J=2,9Hz),7.34−7.18(5H,m),4.42−4.08(7H,m),3.90−3.73(2H,m),3.47(2H,s),3.31(1H,d,J=17Hz),3.18(1H,d,J=12Hz),2.68−2.19(4H,m),2.27(1H,d,J=12Hz),2.07−1.79(2H,m),1.66−1.33(2H,m),1.33−1.22(3H,m)
<工程A−2>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルメトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン塩酸塩の合成
実施例1<工程A−6>と同様の方法で、工程A−1で得られた化合物(300mg)を用い合成を行い、表題化合物(276mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:9.65−9.45(2H,brs),8.33(1H,s),8.00−7.90(3H,m),7.80−7.73(1H,m),7.65−7.58(1H,m),4.40−4.05(7H,m),3.90(1H,d,J=10Hz),3.77(1H,d,J=10Hz),3.42−3.01(6H,m),2.37−2.09(2H,m),2.26(1H,d,J=12Hz),2.05−1.91(1H,m),1.58−1.45(1H,m),1.29(3H,t,J=7Hz)
<工程A−3>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルメトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−7>と同様の方法で、工程A−2で得られた化合物(200mg)を用い合成を行い、表題化合物(11.4mg)を得た。
HRMS:C3033ClNS(M):計算値628.1758、実測値628.1802
<工程B>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルメトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例4<工程A−1>と同様の方法で、実施例3<工程A−2>で得られた化合物(300mg)を用い合成を行い、表題化合物(168mg)を得た。
(実施例5)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(カルボキシメトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程A>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(カルボキシメトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例4<工程A−3>で得られた化合物(10.0mg)のエタノール(320ml)溶液に2規定水酸化カリウム水溶液(32.0ml)を加え、室温にて20分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えpH5に調整した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=4:1)にて精製し、表題化合物(3.3mg)を得た。
IR(*KBr)cm−1:3412,3149,1998,1744,1647,1402
<工程B−1>
1,4−ジアザ−6−(t−ブトキシカルボニルメトキシメチル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例3<工程A−2>で得られた化合物(85.0mg)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(3.57mg)およびブロモ酢酸t−ブエチル(0.03ml)の塩化メチレン(1.4ml)溶液に、氷冷下激しく攪拌しながら、50%水酸化ナトリウム水溶液(0.43ml)をゆっくりと加えた。反応液を氷冷下40分間攪拌した後、反応液に水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=20:1〜15:1)にて精製することにより、表題化合物(53.5mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.38−8.32(1H,m),8.28−8.17(2H,m),8.00−7.89(3H,m),7.83−7.74(1H,m),7.66−7.58(1H,m),6.66−6.56(2H,m),4.42−4.28(2H,m),4.19(1H,d,J=11Hz),4.12(1H,d,J=17Hz),4.02(1H,d,J=17Hz),3.96−3.88(1H,m),3.81−3.72(1H,m),3.53−3.17(4H,m),3.35(1H,d,J=17Hz),3.30(1H,d,J=11Hz),2.32(1H,d,J=12Hz),2.16−2.04(1H,m),1.96−1.82(1H,m),1.78−1.41(2H,m),1.50(9H,s)
<工程B−2>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(カルボキシメトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程B−1で得られた化合物(48mg)をぎ酸(1.0ml)に溶解し、室温下終夜攪拌した。ジエチルエーテルを加え固化させ、上清を傾瀉により除去し、真空乾燥することにより表題表題化合物(35.3mg)を得た。
(実施例6)
1,4−ジアザ−6−(メトキシメチル)−4−(2−ナフタレンスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−7>で得られた化合物(12.0mg)のメタノール(1ml)溶液に10%パラジウム−活性炭素(6.0mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて3日間攪拌した。反応液を濾過した後、濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ChromatorexNHTM(クロマトレックスNHTM)](溶出溶媒;n−ヘキサン:酢 酸エチル=1:1)にて精製し、表題化合物(8.6mg)を得た。
HRMS:C2730S(M):計算値522.1937、実測値522.1949
(実施例7)
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程A−1>
4−[4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)メチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル]ピリジン1−オキシドの合成
既知化合物である4−[(t−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−4−ヒドロキシピペリジン(2.00g)および4−クロロピリジン1−オキシド(1.12g)のイソアミルアルコール(35ml)懸濁液に、炭酸水素ナトリウム(1.75g)を加え、4時間加熱還流した。放冷後反応液に水を加え、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=9:1〜4:1)にて精製することにより、表題化合物(1.03g)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d)δppm:7.90−7.83(2H,m),6.92−6.84(2H,m),6.78−6.70(1H,m),4.58(1H,brs),3.64−3.50(2H,m),3.17−3.04(2H,m),2.92(2H,d,J=6Hz),1.60−1.30(4H,m),1.35(9H,s)
<工程A−2>
4−[(t−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−4−ヒドロキシ−1−(4−ピリジル)ピペリジンの合成
文献[落合英二著「アロマティックアミンオキシド」189頁、1967年、エルセヴィアー出版社]記載の方法により調製したラネーニッケル(触媒量)を工程A−1で得た化合物(300mg)のメタノール(3ml)溶液に加え、水素雰囲気下室温にて3.5時間攪拌した。触媒を濾別、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=4:1)にて精製し、表題化合物(214mg)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d)δppm:8.10(2H,d,J=7Hz),6.87(2H,d,J=7Hz),6.76−6.68(1H,m),4.55(1H,brs),3.78−3.65(2H,m),3.24−3.11(2H,m),2.92(2H,d,J=6Hz),1.58−1.30(4H,m),1.35(9H,s)
<工程A−3>
4−(アミノメチル)−4−ヒドロキシ−1−(4−ピリジル)ピペリジン塩酸塩の合成
工程A−2で得た化合物(175mg)を10%塩化水素−メタノール溶液(2ml)に溶解し、室温にて2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣にジエチルエーテルを加え固化させた後、十分に粉砕し、減圧下溶媒を留去することにより、表題化合物(160mg)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d)δppm:13.68(1H,brs),8.20(2H,d,J=8Hz),8.13(2H,brs),7.22(2H,d,J=8Hz),5.43(1H,s),4.08−3.96(2H,m),3.52−3.32(2H,m),2.80(2H,brs),1.77−1.46(4H,m)
<工程A−4>
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−3>と同様の方法で、4−(アミノメチル)−1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジンの代わりに工程A−3で得られた化合物を、トルエンの代わりにクロロホルム−エタノールを用いて、表題化合物を得た。
HRMS:C2829ClNS(M):計算値584.1496、実測値584.1459
<工程B−1>
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−3>で得られた化合物(4.00g)の1,2−ジクロロエタン(42ml)溶液に、1,8−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ナフタレン(287mg)、クロロぎ酸1−クロロエチル(1.82ml)を加え、1時間加熱還流した。放冷後、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=8:1)にて精製することにより得られた固体(4.29g)をメタノール(43ml)に溶解し、30分間加熱還流した。反応液を濃縮して得られた残渣に、1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより表題化合物(3.47g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.38−8.34(1H,m),7.99−7.92(3H,m),7.82−7.76(1H,m),7.65−7.58(1H,m),4.43(1H,d,J=12Hz),4.45−4.30(2H,m),4.27(1H,d,J=12Hz),4.19(1H,d,J=12Hz),3.34(1H,d,J=17Hz),3.08(1H,d,J=12Hz),3.04−2.82(2H,m),2.77−2.61(2H,m),2.33(1H,d,J=12Hz),2.12(3H,s),1.86−1.67(2H,m),1.47−1.29(2H,m)
<工程B−2>
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−7>と同様の方法で、工程B−1で得られた化合物(2.60g)を用いて表題表題化合物(240mg)を得た。
(実施例8)
1,4−ジアザ−4−[6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル]−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.4.0]デカン−9,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.4.0]デカン−9,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−2>で得られた化合物(3.77g)および既知化合物である4−(アミノメチル)−1−ベンジル−4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン(2.00g)のトルエン(1l)溶液中にp−トルエンスルホン酸一水和物(162mg)を加え、ディーン・スタークを用いて1時間加熱還流した。反応液を放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=40:1)にて精製することにより、表題化合物(1.53g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.35(1H,s),7.97−7.90(3H,m),7.82−7.76(1H,m),7.63−7.56(1H,m),7.33−7.18(5H,m),5.03(1H,d,J=13Hz),4.68(1H,d,J=14Hz),4.32−4.20(2H,m),4.06(1H,d,J=13Hz),3.67(1H,d,J=12Hz),3.54−3.43(1H,m),3.46(2H,s),3.32(1H,d,J=16Hz),2.54(1H,d,J=14Hz),2.46(1H,d,J=12Hz),2.45−2.35(2H,m),2.32−2.19(2H,m),2.13(3H,s),1.54−1.24(4H,m)
<工程2>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.4.0]デカン−9,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程1で得られた化合物(76.6mg)のメタノール(2ml)溶液に、室温下、1規定水酸化ナトリウム水溶液(2.84ml)を加えた。反応液を室温にて20分間攪拌しにた後、減圧下溶媒を留去した。残渣に水を加え、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下溶媒を留去し、表題化合物(63.1mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.36−8.32(1H,m),7.96−7.90(3H,m),7.81−7.75(1H,m),7.63−7.57(1H,m),7.32−7.18(5H,m),4.73−4.62(1H,m),4.34−4.15(3H,m),3.90−3.80(1H,m),3.68−3.44(2H,m),3.46(2H,s),3.34(1H,d,J=17Hz),2.51(1H,d,J=14Hz),2.47−2.36(3H,m),2.32−2.20(2H,m),2.14−2.07(1H,m),1.58−1.28(4H,m)
<工程3>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.4.0]デカン−9,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程2で得られた化合物(1.20g)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(39.0mg)および硫酸ジメチル(260ml)の塩化メチレン(30ml)溶液に、氷冷下激しく攪拌しながら、50%水酸化ナトリウム水溶液(7.5ml)をゆっくりと加えた。反応液を室温にて45分間攪拌した後、氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えpH9に調節し、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=30:1)にて精製することにより、表題化合物(541mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.34(1H,s),7.96−7.89(3H,m),7.81−7.75(1H,m),7.62−7.56(1H,m),7.35−7.17(5H,m),4.67(1H,d,J=14Hz),4.35−4.23(2H,m),4.04(1H,d,J=11Hz),3.69−3.42(5H,m),3.47(3H,s),3.29(1H,d,J=17Hz),2.55(1H,d,J=14Hz),2.49−2.19(5H,m),1.58−1.23(4H,m)
<工程4>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.4.0]デカン−9,4’−ピペリジン]−2−オン塩酸塩の合成
工程3で得られた化合物(200mg)、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(15.0mg)の1,2−ジクロロエタン(10ml)懸濁液中、クロロギ酸1−クロロエチル(92.0ml)を加え、30分間加熱還流した。反応液を放冷後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=20:1)にて精製した。減圧下溶媒を留去し、残渣にメタノール(10ml)を加え、30分間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化した。上清を傾瀉により除去し、減圧下溶媒を留去することにより、表題化合物(167mg)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d)δppm:8.71(2H,brs),8.60(1H,s),8.35−8.14(3H,m),7.94−7.83(1H,m),7.80−7.68(1H,m),4.36(1H,d,J=14Hz),4.21−4.09(2H,m),3.98−3.88(2H,m),3.77−2.72(7H,m),3.32(3H,s),2.79(1H,d,J=14Hz),2.67(1H,d,J=12Hz),1.62−1.42(4H,m)
<工程5>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.4.0]デカン−9,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程4で得られた化合物(50.0mg)および4−クロロピリジン塩酸塩(14mg)の2−エトキシエタノール(3ml)懸濁液中、ジイソプロピルエチルアミン(57.0ml)を加え4時間加熱還流した。放冷後、反応液に炭酸カリウム(78.0mg)を加え1時間攪拌した。不溶物を濾去、濾液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=10:1〜5:1)にて精製した。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[ChromatorexNHTM(クロマトレックスNHTM)](溶出溶媒;酢酸エチル)にて精製することにより、表題化合物(7.4mg)を得た。
HRMS:C2831ClNS(M):計算値570.1703、実測値570.1658
(実施例9)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
エチル 2−[(2,2−ジエトキシエチル)アミノ]アセテートの合成
塩酸グリシンエチルエステル(1.00g)、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(1.08ml)のN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)懸濁液に、炭酸セシウム(4.67g)、よう化ナトリウム(107mg)を加え、100℃にて4時間攪拌した。反応液に1規定塩酸を加えpH2に調節し、酢酸エチルにて洗浄後、水層に1規定水酸化ナトリウム水溶液にてpH11とし、塩化メチレンにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより、表題化合物(860mg)を得た。
NMRスペクトル(CDCl)δppm:4.63−4.57(1H,m),4.24−4.14(2H,m),3.78−3.64(2H,m),3.61−3.48(2H,m),3.44(2H,s),2.76(2H,d,J=6Hz),1.32−1.15(9H,m)
<工程2>
エチル 2−[(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)(2,2−ジエトキシエチル)アミノ]アセテートの合成
工程1で得られた化合物(504mg)を塩化メチレン(20ml)に懸濁し、氷冷下、トリエチルアミン(336ml)、次いで、6−クロロナフタレン−2−スルホニルクロリド(600mg)を加えた。室温で終夜攪拌した後、飽和食塩水を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜4:1)にて精製することにより表題化合物(750mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.40(1H,s),7.93−7.82(4H,m),7.55(1H,dd,J=2,9Hz),4.68−4.63(1H,m),4.33(2H,s),3.96(2H,q,J=7Hz),3.77−3.64(2H,m),3.60−3.47(2H,m),3.37(2H,d,J=6Hz),1.23−1.13(6H,m),1.12−1.04(3H,m)
<工程3>
エチル 2−[(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)(ホルミルメチル)アミノ]アセテートの合成
トリフルオロ酢酸(5ml)、クロロホルム(1.5ml)、水(2.5ml)の混合液に、氷水冷下、工程2で得られた化合物(560mg)のクロロホルム(1ml)溶液を加えた。氷水冷下1.5時間攪拌した後、反応液に飽和重曹水を加えpH8に調節し、ジエチルエーテルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜2:1)にて精製することにより、表題化合物(240mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:9.74−9.70(1H,m),8.39(1H,s),7.98−7.85(3H,m),7.85−7.78(1H,m)7.62−7.53(1H,m),4.24−4.03(6H,m),1.21−1.13(3H,m)
<工程4>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程3で得られた化合物(200mg)および4−(アミノメチル)−1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン(119mg)のトルエン(25ml)溶液中にp−トルエンスルホン酸一水和物(5.0mg)を加え、ディーン・スタークを用いて1時間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=50:1)にて精製することにより、表題化合物(200mg)を得た。
NMRスペクトル(CDCl)δppm:8.36−8.32(1H,m),7.97−7.88(3H,m),7.81−7.74(1H,m),7.60 (1H,dd,J=2,9Hz),7.37−7.21(5H,m),5.17−5.10(1H,m),4.41−4.24(2H,m),3.65(1H,d,J=12Hz),3.49(2H,s),3.28(1H,d,J=17Hz),3.16(1H,d,J=12Hz),2.60−2.32(5H,m),1.92−1.58(4H,m)
<工程5>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン塩酸塩の合成
実施例1<工程A−6>と同様の方法に従い、工程4で得られた化合物(180mg)を用いて表題化合物(162mg)を得た。
NMRスペクトル(DMSO−d)δppm:9.00−8.57(3H,m),8.33−8.13(3H,m),7.98−7.87(1H,m),7.75(1H,dd,J=2,9Hz),5.16(1H,dd,J=4,8Hz),4.22−4.08(1H,m),4.05(1H,d,J=16Hz),3.81−3.69(1H,m),3.62−2.78(6H,m),2.78−2.64(1H,m),2.05−1.58(4H,m)
<工程6>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−7>と同様の方法に従い、工程5で得られた化合物(100mg)を用いて表題化合物(3.8mg)を得た。
HRMS:C2525ClNS(M):計算値512.1285、実測値512.1310
(実施例10)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−[2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル]スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例2<工程1>と同様の方法に従い、実施例9<工程5>で得られた化合物(450mg)を用いて表題化合物(293mg)を得た。
NMRスペクトル(CDCl)δppm:8.42−8.35(1H,m),8.07−7.92(3H,m),8.02(1H,d,J=6Hz),7.84−7.76(1H,m),7.68−7.58(1H,m),6.21(1H,d,J=6Hz),5.21(1H,dd,J=4,9Hz),4.45−4.34(1H,m),4.33(1H,d,J=17Hz),4.12−3.93(2H,m),3.80−3.71(1H,m),3.52−3.27(2H,m),3.32(1H,d,J=17Hz),3.23−3.15(1H,m),2.48(3H,s),2.57−2.39(1H,m),2.23−1.80(1H,m),1.80−1.57(3H,m)
<工程2>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例2<工程2>と同様の方法に従い、工程1で得られた化合物(290mg)を用いて表題化合物(15.0mg)を得た。
HRMS:C2424ClNS(M):計算値513.1237、実測値513.1276
(実施例11)
1,4−ジアザ−4−((E)−4−クロロスチリルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
エチル 2−[((E)−4−クロロスチリルスルホニル)(2,2−ジエトキシエチル)アミノ]アセテートの合成
実施例9<工程1>で得られた化合物(2.46g)を塩化メチレン(90ml)に懸濁し、氷冷下、トリエチルアミン(1.56ml)、次いで、(E)−4−クロロスチリルスルホニルクロリド(2.26g)を加えた。室温下4時間攪拌した後、水を加えて塩化メチレンにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製することにより表題化合物(2.03g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:7.48−7.35(5H,m),6.96−6.88(1H,m),4.64(1H,t,J=5Hz),4.29(2H,s),4.17(2H,q,J=7Hz),3.78−3.47(4H,m),3.24(2H,d,J=5Hz),1.32−1.14(9H,m)
<工程2>
エチル 2−[((E)−4−クロロスチリルスルホニル)(ホルミルメチル)アミノ]アセテートの合成
工程1で得られた化合物(2.00g)、クロロホルム(9.5ml)、水(9.5ml)の混合溶液に、氷水冷下トリフルオロ酢酸(13.5ml)を加えた。室温にて4時間攪拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH8に調節し、塩化メチレンにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製することにより、表題化合物(1.27g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl)δppm:9.68(1H,s),7.50−7.35(5H,m),6.82(1H,d,J=15Hz),4.25−4.10(6H,m),1.32−1.21(3H,m)
<工程3>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−((E)−4−クロロスチリルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程2で得られた化合物(1.27g)および4−(アミノメチル)−1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン(810mg)のトルエン(175ml)溶液中にp−トルエンスルホン酸一水和物(35.0mg)を加え、ディーン・スタークを用いて1時間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=50:1)にて精製することにより、表題化合物(1.08g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl)δppm:7.48(1H,d,J=15Hz),7.49−7.37(4H,m),7.37−7.22(5H,m),6.63(1H,d,J=15Hz),5.13(1H,dd,J=4,9Hz),4.32−4.18(2H,m),3.74(1H,d,J=12Hz),3.56(1H,d,J=17Hz),3.51(2H,s),3.20(1H,d,J=12Hz),2.75−2.64(1H,m),2.61−2.36(4H,m),1.94−1.66(4H,m)
<工程4>
1,4−ジアザ−4−((E)−4−クロロスチリルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン塩酸塩の合成
実施例1<工程A−6>と同様の方法に従い、工程3で得られた化合物(1.00g)を用いて表題化合物(914mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:9.68(2H,brs),7.49(1H,d,J=15Hz),7.58−7.31(4H,m),6.66(1H,d,J=15Hz),5.21−5.12(1H,m),4.33−4.14(2H,m),3.93(1H,d,J=12Hz),3.59(1H,d,J=17Hz),3.54−3.10(4H,m),3.23(1H,d,J=12Hz),2.80−2.68(1H,m),2.35−2.00(2H,m),1.92−1.65(2H,m)
<工程5>
1,4−ジアザ−4−((E)−4−クロロスチリルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−7>と同様の方法に従い、工程4で得られた化合物(350mg)を用いて表題化合物(46.0mg)を得た。
HRMS:C2325ClNS(M):計算値488.1285、実測値488.1306
(実施例12)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例1で得られた化合物(111mg)のメタノール(0.4ml)溶液にメタンスルホン酸(0.01313.6ml)を加え、30分攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化させた。上清を傾瀉により除去し、減圧下溶媒を留去し、表題化合物(119mg)を得た。
(実施例13)
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法にて、実施例1<工程A−7>記載の光学分割法により得られた(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン(111mg)を用いて、表題化合物(119mg)を得た。
(実施例14)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例3<工程A−2>で得られた化合物(33.0mg)を用いて、表題化合物(38.0mg)を得た。
(実施例15)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルメトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例4<工程A−3>で得られた化合物(40.0mg)を用いて、表題化合物(43.0mg)を得た。
(実施例16)
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例7<工程A−4>で得られた化合物(33.0mg)を用いて、表題化合物(34.2mg)を得た。
(実施例17)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例9<工程6>で得られた化合物(27.8mg)を用いて、表題化合物(30.0mg)を得た。
(実施例18)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例10<工程2>で得られた化合物(31.2mg)を用いて、表題化合物(34.0mg)を得た。
(実施例19)
1,4−ジアザ−4−((E)−4−クロロスチリルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン スタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例11<工程5>で得られた化合物(30.6mg)を用いて、表題化合物(31.5mg)を得た。
(実施例20)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
1,4−ジアザ−1’−(ベンジルオキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルメトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例4<工程A−1>と同様の方法で、実施例1<工程B−1>で得られた化合物(4.00g)を用い、表題化合物(3.90g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.36−8.31(1H,m),7.98−7.90(3H,m),7.81−7.74(1H,m),7.65−7.57(1H,m),7.40−7.24(5H,m),5.10(2H,s),4.40−4.06(7H,m),3.89(1H,d,J=10Hz),3.78(1H,d,J=10Hz),3.82−3.20(6H,m),2.29(1H,d,J=12Hz),2.03−1.91(1H,m),1.84−1.70(1H,m),1.46−1.24(5H,m)
<工程2>
1,4−ジアザ−1’−(ベンジルオキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−ヒドロキシエトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
テトラヒドロフラン(1ml)−エタノール(1ml)混合液に、工程1で得られた化合物(100mg)を溶解し、塩化リチウム(18.6mg)、水素化ほう素ナトリウム(16.5mg)を加えた。室温にて3時間攪拌後、氷冷下、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=40:1〜20:1)にて精製することにより、表題化合物(86.4mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.37−8.33(1H,m),7.98−7.92(3H,m),7.78(1H,dd,J=2,9Hz),7.64−7.58(1H,m),7.39−7.24(5H,m),5.10(2H,s),4.50(1H,d,J=12Hz),4.38(1H,d,J=17Hz),4.21(1H,d,J=12Hz),3.86(1H,d,J=10Hz),3.83−3.26(9H,m),3.60(1H,d,J=10Hz),3.13(1H,d,J=12Hz),2.40−2.33(1H,m),2.24(1H,d,J=12Hz),1.90−1.70(2H,m),1.46−1.33(2H,m)
<工程3>
1,4−ジアザ−1’−(ベンジルオキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程B−2>と同様の方法で、工程2で得られた化合物(50mg)を用いて、表題化合物(35mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.36−8.32(1H,m),7.98−7.90(3H,m),7.80−7.74(1H,m),7.61(1H,dd,J=2,9Hz),7.40−7.26(5H,m),5.10(2H,s),4.40−4.26(2H,m),4.13(1H,d,J=11Hz),3.36(3H,s),3.82−3.20(12H,m),2.27(1H,d,J=12Hz),1.98−1.66(2H,m),1.46−1.30(2H,m)
<工程4>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程B−3>と同様の方法で、工程3で得られた化合物(2.00g)を用いて、表題化合物(1.54g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.38−8.32(1H,m),7.99−7.91(3H,m),7.81−7.75(1H,m),7.64−7.58(1H,m),4.39−4.16(3H,m),3.80−3.66(4H,m),3.60−3.51(2H,m),3.37(3H,s),3.31(1H,d,J=17Hz),3.17(1H,d,J=11Hz),3.10−2.99(1H,m),2.96−2.84(1H,m),2.76−2.60(2H,m),2.27(1H,d,J=12Hz),1.96−1.62(2H,m),1.48−1.27(2H,m)
<工程5>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程4で得られた化合物(700mg)および4−クロロピリジン塩酸塩(201mg)のエタノール(14mg)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.17ml)を加え、封管中150℃にて15時間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=20:1〜10:1)にて精製することにより、表題化合物(140mg)を得た。
HRMS:C2933ClNS(M):計算値600.1809、実測値600.1785
(実施例21)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例20<工程5>で得られた化合物(50.0mg)を用いて、表題化合物(59.3mg)を得た。
(実施例22)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−ヒドロキシエトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例20<工程2>と同様の方法で、実施例4<工程A−3>で得られた化合物(50.0mg)を用いて、表題化合物(39.2mg)を得た。
HRMS:C2831ClNS(M):計算値586.1652、実測値586.1685
(実施例23)
4−[1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−2−オキソスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン−1’−イル]]−1−メチルピリジニウムp−トルエンスルホネートの合成
メタノール(2ml)−クロロホルム(1ml)混合液に実施例1<工程A−7>で得られた化合物(50.0mg)を溶解し、シリカゲル(50mg)およびp−トルエンスルホン酸メチル(36.8mg)を加えた後、終日加熱還流した。反応液を減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=10:1〜5:1)にて精製することにより、表題化合物(65.3mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:3435,3066,1657,1554,1205,1122
(実施例24)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]の合成
実施例1<工程A−7>で得られた化合物(100mg)のテトラヒドロフラン(2ml)懸濁液に、氷冷下、ボラン−テトラヒドロフラン錯体(1.0規定テトラヒドロフラン溶液、0.54ml)を加えた。氷冷下1時間攪拌した後、10%塩酸−メタノール溶液を加え、氷冷下15分間攪拌した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣に、飽和重曹水を加えpH9に調節後、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;塩化メチレン:メタノール=10:1)にて精製することにより、表題化合物(14.6mg)を得た。
(実施例25)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
1,4−ジアザ−1’−(ベンジルオキシカルボニル)−6−カルボキシ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程B−1>で得られた化合物(6834.0g)の塩化メチレン(68340ml)溶液に、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルベンゾエート,フリーラジカル(314mg)を加え、氷冷下攪拌しながら5%重曹水(1.36ml)を滴下し、さらし粉(54.0g)を加えた。氷冷下1.5時間激しく攪拌後、1規定塩酸を用いpH1に調節し、塩化メチレンで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去することにより表題化合物(62.7g)を得た。
NMRスペクトル(*CDOD)δppm:8.52−8.44(1H,m),8.15−7.97(3H,m),7.83(1H,dd,J=2,9Hz),7.63(1H,dd,J=2,9Hz),7.41−7.25(5H,m),5.08(2H,s),4.69−4.61(1H,m),4.18(1H,d,J=17Hz),4.03(1H,d,J=12Hz),3.82−3.64(2H,m),3.57−3.17(3H,m),3.44(1H,d,J=17Hz),2.79−2.66(1H,m),1.87−1.39(4H,m),
<工程2>
1,4−ジアザ−1’−(ベシジルオキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程1で得られた化合物(62.7g)のピリジン(640ml)溶液に、エタノール(58.4ml)を加え、氷冷下攪拌しながらp−トルエンスルホニルクロリド(97.3g)をゆっくり加えた後、室温下4時間攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1〜2:1)にて精製することにより、表題化合物(40.1g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.35(1H,s),7.99−7.87(3H,m),7.80−7.72(1H,m),7.65−7.56(1H,m),7.40−7.28(5H,m),5.10(2H,s),4.75(1H,d,J=12Hz),4.38−4.18(3H,m),4.07(1H,d,J=12Hz),3.81−3.58(2H,m),3.48−3.22(4H,m),2.45(1H,d,J=12Hz),1.75−1.60(2H,m),1.56−1.42(2H,m),1.39−1.30(3H,m)
<工程3>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程B−3>と同様の方法で、工程2で得られた化合物(40.0g)を用いて、表題化合物(29.7g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl)δppm:8.38−8.31(1H,m),8.01−7.85(3H,m),7.77(1H,dd,J=2,9Hz),7.61(1H,dd,J=2,9Hz),4.74(1H,d,J11=Hz),4.38−4.17(3H,m),4.11(1H,d,J=12Hz),3.41−3.26(2H,m),3.16−2.77(4H,m),2.45(1H,d,J=11Hz),1.90−1.45(4H,m),1.34(3H,t,J=7Hz)
<工程4>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例20<工程5>と同様の方法で、工程3で得られた化合物(30.0g)を用いて、表題化合物(14.2g)を得た。
HRMS:C2829ClNS(M):計算値584.1496、実測値584.1532
(実施例26)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例25<工程4>で得られた化合物(56.0mg)を用いて、表題化合物(58.9mg)を得た。
(実施例27)
1,4−ジアザ−6−カルボキシ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例25<工程4>で得られた化合物(400mg)のメタノール(9.6ml)溶液に、氷冷下1規定水酸化ナトリウム水溶液(2.74ml)を加え、室温下1時間攪拌した。1規定塩酸でpH4に調節後、析出した固体を濾取し、水で洗浄後、真空乾燥することにより表題化合物(335mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:1666,1647,1537,1460,1350,1169,698
(実施例28)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例27で得られた化合物(20.0mg)のピリジン(0.20ml)溶液に、メタノール(0.015ml)を加え、p−トルエンスルホニルクロリド(34.2mg)をゆっくり加えた後、室温下0.5時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=15:1〜10:1)にて精製することにより、表題化合物(17.1mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:1751,1678,1597,1350,1165,1080
(実施例29)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(イソプロポキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例28と同様の方法で、実施例27で得られた化合物(20mg)を用い、メタノールの代わりにイソプロピルアルコール(0.028ml)を用いて、表題化合物(18.1mg)を得た。
HRMS:C2931ClNS(M):計算値598.1652、実測値598.1668
(実施例30)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−6−(プロポキシカルボニル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例28と同様の方法で、実施例27で得られた化合物(20mg)を用い、メタノールの代わりにn−プロピルアルコール(0.026ml)を用いて、表題化合物(15.3mg)を得た。
HRMS:C2931ClNS(M):計算値598.1652、実測値598.1625
(実施例31)
6−(アリルオキシカルボニル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例28と同様の方法で、実施例27で得られた化合物(20mg)を用い、メタノールの代わりにアリルアルコール(0.025ml)を用いて、表題化合物を得た。
IR(KBr)cm−1:1747,1678,1597,1350,1167,972
(実施例32)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例28と同様の方法で、実施例27で得られた化合物(20mg)を用い、メタノールの代わりに2−メトキシエタノール(0.028ml)を用いて、表題化合物(13.1mg)を得た。
HRMS:C2931ClNS(M):計算値614.1602、実測値614.1597
(実施例33)
1,4−ジアザ−6−(t−ブトキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
−20℃の冷浴中で固化させたジオキサン(1.0ml)に濃硫酸(0.1ml)を加え、室温まで昇温し均一溶液とした後、再び−20℃の冷浴中で固化させ、実施例27で得られた化合物(18.0mg)を加えた。室温まで昇温し均一溶液としてから、−20℃の冷浴中で固化させ、液体のイソブチレン(0.7ml)を加えた後、封管中で室温下5時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、塩化メチレンで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=15:1)にて精製することにより、表題化合物(17.1mg)を得た。
HRMS:C3033ClNS(M):計算値612.1809、実測値612.1786
(実施例34)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−[1−(エトキシカルボニルオキシ)エトキシカルボニル]−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例27で得られた化合物(42.0mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.1ml)溶液に、トリエチルアミン(0.063ml)および1−ヨードクロロエチルエチルカーボネート(0.0164ml)を加え、室温下2日間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=15:1)にて精製することにより、表題化合物(11.6mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:1765,1670,1645,1599,1543,1167
(実施例35)
(+)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンおよび(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例25<工程4>で得られた化合物をHPLC(装着カラム;ダイセルキラルセルOD0.46cmX 25cm(DaicelChiralcelOD)(ダイセル化学工業(株)製)、溶出溶媒;n−ヘキサン:エタノール=1:1、流速;1.0ml/min、検出波長;254nm]により光学分割し、(+)体の表題化合物[保持時間12.7min、[α]33 +99.7(c1.000、エタノール)]および(−)体の表題化合物[保持時間14.9min、[α]33 −99.3(c1.000、エタノール)]をそれぞれ得た。
また、実施例25<工程4>で得られた化合物(845mg)のメタノール(20ml)溶液に(−)−O,O’−ジベンゾイル−LD−酒石酸(543mg)を加え、室温下1時間攪拌した。析出物を濾取し、風乾することにより得られた結晶(598mg)をメタノール(15ml)に懸濁し、10分間加熱還流した。放冷後、析出物を濾取し、風乾することにより得られた結晶(386mg)を飽和重曹水に溶解し、塩化メチレンにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより、(−)体の表題化合物(230mg、97.2%ee)を得た。また、同様の方法で(+)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸を用いて、(+)体の表題化合物を得た。
(+)体:HRMS:C2829ClNS(M):計算値584.1496、実測値584.1462
(−)体:HRMS:C2829ClNS(M):計算値584.1496、実測値584.1540
(実施例36)
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例35で得られた(−)体の化合物(100mg)を用いて、表題化合物(104mg)を得た。
(実施例37)
(−)−1,4−ジアザ−6−カルボキシ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例27と同様の方法で、実施例35で得られた化合物(1.80g)を用いて、表題化合物(1.63g)を得た。
IR(KBr)cm−1:1664,1647,1543,1460,1350,1169
(実施例38)
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例28と同様の方法で、実施例37で得られた化合物(160mg)を用いて、表題化合物(153mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:1749,1678,1599,1349
(実施例39)
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(イソプロポキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例28と同様の方法で、実施例37で得られた化合物(150mg)を用い、メタノールの代わりにイソプロピルアルコール(0.206ml)を用いて、表題化合物(147.7mg)を得た。
HRMS:C2931ClNS(M):計算値598.1652、実測値598.1667
(実施例40)
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−6−(プロポキシカルボニル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例28と同様の方法で、実施例37で得られた化合物(170mg)を用い、メタノールの代わりにn−プロピルアルコール(0.023ml)を用いて、表題化合物(158mg)を得た。
HRMS:C2931ClNS(M):計算値598.1652、実測値598.1666
(実施例41)
(−)−6−(アリルオキシカルボニル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例28と同様の方法で、実施例37で得られた化合物(160mg)を用い、メタノールの代わりにアリルアルコール(0.196ml)を用いて、表題化合物(158mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:1747,1678,1597,1419,1352(実施例42)
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例28と同様の方法で、実施例37で得られた化合物(180mg)を用い、メタノールの代わりに2−メトキシエタノール(0.255ml)を用いて、表題化合物(178.6mg)を得た。
HRMS:C2931ClNS(M):計算値614.1602、実測値614.1572
(実施例43)
(−)−1,4−ジアザ−6−(t−ブトキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例33と同様の方法で、実施例37で得られた化合物(160mg)を用いて、表題化合物(146mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:1738,1678,1597,1352,1157,1132
(実施例44)
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例38で得られた化合物(110mg)を用いて、表題化合物(12mg)を得た。
(実施例45)
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(イソプロポキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例39で得られた化合物(110mg)を用いて、表題化合物(125mg)を得た。
(実施例46)
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−6−(プロポキシカルボニル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例40で得られた化合物(110mg)を用いて、表題化合物(126mg)を得た。
(実施例47)
(−)−6−(アリルオキシカルボニル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例41で得られた化合物(110mg)を用いて、表題化合物(129mg)を得た。
(実施例48)
(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例42で得られた化合物(110mg)を用いて、表題化合物(127mg)を得た。
(実施例49)
(−)−1,4−ジアザ−6−(t−ブトキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例43で得られた化合物(119mg)を用いて、表題化合物(137mg)を得た。
(実施例50)
アンモニウム 1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−6−カルボキシレートの合成
実施例25<工程4>で得られた化合物(100mg)のメタノール(2.4ml)溶液に、室温下1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.684ml)を加え、1時間攪拌した。1規定塩酸でpH2〜3に調節後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣をメタノール(5ml)に溶解し、イオン交換樹脂MSC−1(100−200メッシュ、H−フォーム、室町化学社製、2.0g)を加え、30分間攪拌した。樹脂を濾取し、メタノールで洗浄後、2規定アンモニア−メタノール溶液(5ml)に加え30分間攪拌した。樹脂を濾別して得られた溶液を減圧下濃縮することにより、表題化合物(54.8mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:1657,1628,1601,1396,1348,1169
(実施例51)
(+)−アンモニウム 1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−6−カルボキシレートおよび(−)−アンモニウム 1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−6−カルボキシレートの合成
実施例50と同様の方法により、実施例35で得られた化合物の(+)体(40.0mg)を用いて、(+)体の表題化合物(20.5mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:1626,1603,1398,1348,1169 さらに、実施例50と同様の方法により、実施例35で得られた化合物の(−)体(55.0mg)を用いて、(−)体の表題化合物(28.3mg)を得た。IR(KBr)cm−1:1657,1626,1603,1396,1348,1169
(実施例52)
4−[1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−2−オキソスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−1’−イル]−1−エチルピリジニウムp−トルエンスルホネートの合成
実施例23と同様の方法で、実施例35で得られた(−)体の化合物およびp−トルエンスルホン酸メチルの代わりにp−トルエンスルホン酸エチルを用いて表題化合物を得た。
IR(KBr)cm−1:3064,1676,1649,1349,1221,1192,1169,1124,1012
なお、実施例35で得られた(+)体を用いることにより、実施例36および実施例52と同様の方法で、各々の(+)体を得ることができる。また、実施例37および実施例38〜49と同様の方法で、各々の(+)を得ることができる。
(実施例53)
1’−(4−アミジノフェニル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−1’−(4−シアノフェニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程B−3>で得られた化合物(50.0mg)の1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン(1ml)溶液に、4−フルオロベンゾニトリル(18.9mg)およびジイソプロピルエチルアミン(20.2mg)を加え、150℃〜160℃で4時間加熱攪拌した。放冷後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=25:1)にて精製することにより、表題化合物(25.0mg)を得た。
NMRスペクトル(CDCl)δppm:8.36(1H,s),7.99−7.90(3H,m),7.82−7.74(1H,m),7.65−7.56(1H,m),7.45(2H,d,J=9Hz),6.81(2H,d,J=9Hz),4.42−4.29(2H,m),4.21(1H,d,J=12Hz),3.67(1H,d,J=10Hz),3.61(1H,d,J=10Hz),3.43(3H,s),3.50−3.16(5H,m),3.21(1H,d,J=12Hz),2.31(1H,d,J=12Hz),2.08−1.80(2H,m),1.58−1.46(2H,m)
<工程2>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−1’−(4−エトキシイミドイルフェニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程1で得られた化合物(24.0mg)を20%塩酸−エタノール溶液(2ml)に溶解し、室温下3時間攪拌後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣に飽和重曹水を加え、塩化メチレンで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=25:1)にて精製することにより、表題化合物(16.8mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.38−8.33(1H,m),7.99−7.91(3H,m),7.82−7.76(1H,m),7.66−7.58(3H,m),6.87−6.80(2H,m),4.42−4.18(5H,m),3.67(1H,d,J=10Hz),3.61(1H,d,J=10Hz),3.43(3H,s),3.48−3.16(6H,m),2.29(1H,d,J=12Hz),2.08−1.84(2H,m),1.58−1.50(2H,m),1.44−1.36(3H,m)
<工程3>
1’−(4−アミジノフェニル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程2で得られた化合物(16.8mg)のエタノール(2ml)溶液に過剰量の酢酸アンモニウムを加え、室温下13時間加熱還流した。攪拌後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣に飽和重曹水を加え、塩化メチレンで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣を塩化メチレンに懸濁し、吸引濾過した後、濾液を減圧下濃縮することにより、表題化合物(4.7mg)を得た。
(実施例54)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジルメチル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程B−3>で得られた化合物(50.0mg)の塩化メチレン(1.0ml)溶液に、3Aモレキュラーシーブス(15mg)、4−ピリジンカルボキサアルデヒド(12.2mg)および酢酸(18.1mg)を加え、室温下30分間攪拌後、氷冷下トリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム(55.1mg)を加え、室温下8時間攪拌した。反応液に10%塩酸−メタノールを加え、10分間攪拌後、飽和重曹水を加えpH9に調節した。不溶物を濾過により除去してから、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ChromatorexNHTM(クロマトレックスNHTM)](溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=400:1)にて精製することにより、表題化合物(51.2mg)を得た。
HRMS:C2831ClNS(M):計算値570.1703、実測値570.1716
(実施例55)
4−[1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−2−オキソスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−1’−イル]ピリジン1−オキシドの合成
実施例1<工程B−3>で得られた化合物(50.0mg)のエタノール(1ml)溶液に4−クロロピリジン−N−オキシド(16.2mg)およびジイソプロピルエチルアミン(26.9mg)を加え、封管中150〜160℃にて18時間加熱攪拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=10:1)にて精製することにより、表題化合物(8.7mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:2925,1658,1506,1346,1165(実施例56)
1’−アセトイミドイル−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程B−3>で得られた化合物(100mg)のエタノール(4ml)溶液にエチルアセチミデート塩酸塩(60.9mg)およびトリエチルアミン(0.093ml)を加え、室温下終夜攪拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=10:1)にて精製することにより、表題化合物(97mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:3422,2817,1670,1454,1419,1350,1169
(実施例57)
1’−アセトイミドイル−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例56で得られた化合物(40.0mg)を用いて、表題化合物(43.7mg)を得た。
(実施例58)
6−(アミノメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−6−(フタルイミドイルメチル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
フタルイミド(4.88g)およびトリフェニルホスフィン(8.69g)の塩化メチレン(150ml)溶液に、氷冷下、ジエチルアゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、10.0ml)を滴下した後、実施例3<工程A−2>で得られた化合物(3.0g)を加え、室温下終夜攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、塩化メチレンで抽出後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=19:1)にて精製することにより、表題化合物(2.5g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.44−8.41(1H,m),8.25−8.18(2H,m),8.00−7.75(8H,m),7.62(1H,dd,J=2,9Hz),6.65−6.51(2H,m),4.58−4.51(1H,m),4.39−4.24(2H,m),4.19(1H,d,J=15Hz),4.09(1H,d,J=15Hz),3.44(1H,d,J=17Hz),3.44−3.16(4H,m),3.04(1H,d,J=12Hz),2.45−2.38(1H,m),1.89−1.62(2H,m),1.47−1.40(2H,m)
<工程2>
6−(アミノメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程1で得られた化合物(2.45g)のエタノール(50ml)懸濁液に、ヒドラジン一水和物(0.37ml)を加え、16時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=4:1)にて精製することにより、表題化合物(1.432.5g)を得た。
IR(KBr)cm−1:3395,2920,2360,1666,1597,1348,1167
(実施例59)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルアミノメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例58<工程2>で得られた化合物(50.0mg)およびトリエチルアミン(0.02ml)の塩化メチレン(1ml)溶液に、氷冷下、クロロぎ酸エチル(12mg)を加え、室温下2日間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、塩化メチレンで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=50:1)にて精製することにより、表題化合物(49.4mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:3419,2941,1718,1672,1599,1350,1242,1169
(実施例60)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルメチルアミノメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
二塩化オキサリル(0.16ml)の塩化メチレン(7ml)溶液に、ジメチルスルホキシド(0.29ml)の塩化メチレン(7ml)溶液を−75〜−70℃でゆっくり滴下した後、同温で実施例3<工程A−2>で得られた化合物(500mg)の塩化メチレン(7ml)溶液をゆっくり加えた。反応液を−60〜−50℃で4時間攪拌後、トリエチルアミン(0.77ml)を滴下し、室温まで昇温してから水を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去することにより得たアモルファス(450mg)を塩化メチレン(1.3ml)に溶解し、塩酸グリシンエチルエステル(50.4mg)および酢酸(0.03ml)を加えた後、氷冷下トリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム(127mg)を加え、室温下8時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え塩化メチレンで抽出後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=19:1)にて精製することにより、表題化合物(17.8mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:3360,2854,1736,1670,1597,1348,1169
(実施例61)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(モルホリノメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)−6−(p−トルエンスルホニルオキシメチル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例3<工程A−2>で得られた化合物(200mg)の塩化メチレン(4ml)溶液に、氷冷下トリエチルアミン(0.146ml)およびp−トルエンスルホニルクロリド(120mg)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、塩化メチレンで抽出後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=19:1)にて精製することにより、表題化合物(234mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.36−8.31(1H,m),8.28−8.20(2H,m),8.00−7.92(3H,m),7.85−7.72(3H,m),7.63(1H,dd,J=2,9Hz),7.44−7.37(2H,m),6.68−6.63(2H,m),4.31−4.17(5H,m),3.64−3.37(3H,m),3.34−3.17(3H,m),2.49(3H,s),2.32(1H,d,J=12Hz),2.10−1.98(1H,m),1.94−1.81(1H,m),1.58−1.43(2H,m)
<工程2>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(モルホリノメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程1で得られた化合物(171mg)のモルホリン(1.7ml)溶液を18時間加熱還流した。放冷後、反応液に水を加え、塩化メチレンにて抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ChromatorexNHTM(クロマトレックスNHTM)](溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜1:2)にて精製することにより、表題化合物(88.8mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:2951,2852,1670,1597,1350,1167
(実施例62)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(モルホリノメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン二メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例61<工程2>で得られた化合物(50.9mg)を用いて、表題化合物(50.8mg)を得た。
(実施例63)
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−1’−(2−クロロピリミジン−4−イル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例7<工程B−1>で得られた化合物(300mg)および2,4−ジクロロピリミジン(88mg)のイソアミルアルコール(4ml)懸濁液に、炭酸水素ナトリウム(174mg)を加え、70℃で1.5時間攪拌した。放冷後反応液に水を加え、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=125:1〜100:1))にて精製することにより、表題化合物(237mg)を得た。
(実施例64)
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(2−ナフタレンスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例63で得られた化合物(110mg)をエタノール(6ml)に溶解し、5%パラジウム−炭酸バリウム(1.65g)を加え、水素雰囲気下室温で15時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、減圧下溶媒を留去することにより得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン:アセトン=1:1)で精製することにより、表題化合物(5.5mg)を得た。
HRMS:C2729S(M):計算値551.1838、実測値551.1804
(実施例65)
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例7<工程B−1>で得られた化合物(100mg)および炭酸水素ナトリウム(49.6mg)のイソアミルアルコール(5ml)懸濁液に、WO98/21188記載の方法により合成した4−クロロピリミジン塩酸塩(29.7mg)を加え、80℃で4時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=19:1))にて精製することにより、表題化合物(37.0mg)を得た。HRMS:C2728ClNS(M):計算値585.1448、実測値585.1497
(実施例66)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−1’−[2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル]−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例2<工程1>と同様の方法で、実施例7<工程B−1>で得られた化合物(930mg)を用いて、表題化合物(480mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.41−8.34(1H,m),8.04−7.89(4H,m),7.79(1H,dd,J=2,9Hz),7.62(1H,dd,J=2,9Hz),6.17(1H,d,J=6Hz),4.50−4.32(2H,m),4.25(1H,d,J=12Hz),4.01−3.30(6H,m),3.38(1H,d,J=17Hz),3.20(1H,d,J=12Hz),2.76−2.60(1H,m),2.45(3H,s),2.33(1H,d,J=12Hz),2.00−1.67(2H,m),1.56−1.36(2H,m)
また、この時、6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−1’−[2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル]−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン(228mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.38(1H,s),8.01(1H,d,J=6Hz),8.01−7.90(3H,m),7.84−7.78(1H,m),7.66−7.60(1H,m),6.16(1H,d,J=6Hz),4.51(1H,d,J=12Hz),4.48−4.32(2H,m),4.26(1H,d,J=12Hz),4.18(1H,d,J=12Hz),4.00−3.80(2H,m),3.51−3.30(2H,m),3.37(1H,d,J=17Hz),3.18(1H,d,J=12Hz),2.46(3H,s),2.36(1H,d,J=12Hz),2.14(3H,s),1.97−1.40(4H,m)
<工程2>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例2<工程2>と同様の方法で、<工程1>で得られた化合物(300mg)を用いて、表題化合物(197mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:3400,1666,1595,1348,1169(実施例67)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−1’−[2−(メチルチオ)ピリミジニル−4−イル]−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例2<工程1>と同様の方法で、実施例25<工程3>で得られた化合物(390mg)を用いて、表題化合物(363mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.36(1H,s),8.02(1H,d,J=6Hz),7.99−7.92(3H,m),7.81−7.75(1H,m),7.65−7.59(1H,m),6.18(1H,d,J=6Hz),4.77(1H,d,J=11Hz),4.38−4.22(3H,m),4.10(1H,d,J=12Hz),4.00−3.80(2H,m),3.58−3.34(3H,m),3.35(1H,d,J=17Hz),2.53−2.43(1H,m),2.47(3H,s),1.83−1.51(4H,m),1.36(3H,t,J=7Hz)
<工程2>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例2<工程2>と同様の方法で、工程1で得られた化合物(360mg)を用いて、表題化合物(41mg)を得た。
HRMS:C2728ClNS(M):計算値585.1448、実測値585.1456
(実施例68)
1,4−ジアザ−6−カルボキシ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例27と同様の方法で、実施例67<工程2>で得られた化合物(10mg)を用いて、表題化合物(1.9mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:3400,1657,1599,1346,1169(実施例69)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−メチル−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
エチル 2−[(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)(2−オキソプロパン−1−イル)アミノ]アセテートの合成
実施例1<工程A−2>と同様の方法で、実施例1<工程A−1>で得られた化合物(1.0g)を用い、1−アセトキシ−3−クロロアセトンの代わりにクロロアセトン(0.368ml)を用いて、表題化合物(1.08g)を得た。NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.40−8.38(1H,m),7.93−7.86(3H,m),7.83−7.78(1H,m),7.56(1H,dd,J=2,9Hz),4.29(2H,s),4.17(2H,s),4.04(2H,q,J=7Hz),2.19(3H,s),1.16(3H,t,J=7Hz)
<工程2>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−メチル−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−3>と同様の方法で、工程1で得られた化合物(870mg)を用いて、表題化合物(150mg)を得た。
NMRスペクトル(CDCl)δppm:8.33(1H,s),7.97−7.88(3H,m),7.80−7.73(1H,m),7.60(1H,dd,J=2,9Hz),7.34−7.18(5H,m),4.37−4.26(1H,m),4.25−4.08(2H,m),3.46(2H,s),3.32−3.22(1H,m),3.04(1H,d,J=12Hz),2.65−2.20(4H,m),2.33(1H,d,J=11Hz),1.90−1.73(2H,m),1.59(3H,s),1.47−1.37(2H,m)
<工程3>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−メチル−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例7<工程B−1>と同様の方法で、工程2で得られた化合物(195mg)を用いて、表題化合物(142mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.36−8.33(1H,m),7.97−7.92(3H,m),7.80−7.76(1H,m),7.61(1H,dd,J=2,9Hz),4.38−4.29(1H,m),4.24(1H,d,J=12Hz),4.14(1H,d,J=11Hz),3.32−3.23(1H,m),3.08−2.98(1H,m),3.04(1H,d,J=12Hz),2.92−2.82(1H,m),2.78−2.61(2H,m),2.34(1H,d,J=11Hz),1.85−1.69(2H,m),1.61(3H,s),1.44−1.27(2H,m)
<工程4>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−メチル−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例20<工程5>と同様の方法で、工程3で得られた化合物(130mg)を用いて、表題化合物(95mg)を得た。
HRMS:C2627ClNS(M):計算値526.1441、実測値526.1408
(実施例70)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−メチル−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例69<工程4>で得られた化合物(35.0mg)を用いて、表題化合物(37.9mg)を得た。
(実施例71)
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(3−メトキシカルボニルプロピル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
エチル 2−[(5−メトキシカルボニル−2−オキソペンタン−1−イル)(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)アミノ]アセテートの合成
実施例1<工程A−2>と同様の方法で、メチル6−ブロモ−5−オキソヘキサノエート(10.8g)を用いて、表題化合物(11.4g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.39(1H,s),7.95−7.84(3H,m),7.84−7.77(1H,m),7.60−7.52(1H,m),4.27(2H,s),4.17(2H,s),4.04(2H,q,J=7Hz),3.66(3H,s),2.55(2H,t,J=7Hz),2.31(2H,t,J=7Hz),1.96−1.83(2H,m),1.15(3H,t,J=7Hz)
<工程2>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(3−メトキシカルボニルプロピル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程1で得られた化合物(5.56g)に実施例1<工程C−1>と同様の方法を用いることにより得られた化合物を原料とし、実施例1<工程C−2>と同様の方法で合成を行い、表題化合物(1.50g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.39−8.31(1H,m),8.00−7.87(3H,m),7.78(1H,dd,J=2,9Hz),7.60(1H,dd,J=2,9Hz),7.36−7.17(5H,m),4.39−4.13(3H,m),3.69(3H,s),3.47(2H,s),3.30(1H,d,J=17Hz),3.04(1H,d,J=12Hz),2.67−2.12(6H,m),2.22(1H,d,J=12Hz),2.12−1.53(6H,m),1.53−1.30(2H,m)
<工程3>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(3−メトキシカルボニルプロピル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例7<工程B−1>と同様の方法で、工程2で得られた化合物(0.53g)を用いて、表題化合物(0.30g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.35(1H,s),8.02−7.92(3H,m),7.83−7.74(1H,m),7.61(1H,dd,J=2,9Hz),4.40−4.17(3H,m),3.70(3H,s),3.31(1H,d,J=17Hz),3.11−2.97(1H,m),3.04(1H,d,J=12Hz),2.97−2.79(1H,m),2.79−2.68(2H,m),2.48−2.30(2H,m),2.24(1H,d,J=12Hz),2.12−1.67(6H,m),1.45−1.30(2H,m)
<工程4>
1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(3−メトキシカルボニルプロピル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例20<工程5>と同様の方法で、工程3で得られた化合物(420mg)を用いて、表題化合物(90mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:3442,2949,1732,1666,1597,1348,1167
(実施例72)
アンモニウム 4−[1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−6−イル]ブチレートの合成
実施例50と同様の方法で、実施例71<工程4>で得られた化合物(90mg)を用いて、表題化合物(70mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:3445,2949,1666,1599,1348,1167
(実施例73)
1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
6−(アセトキシメチル)−1,4,7−トリアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−3>と同様の方法で、実施例1<工程A−2>で得られた化合物(10.3g)および4−アミノ−4−(アミノメチル)−1−ベンジルピペリジン(5.26g)を用いることにより、表題化合物(7.76g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.37−8.32(1H,m),7.97−7.89(3H,m),7.80−7.74(1H,m),7.59(1H,dd,J=2,9Hz),7.35−7.17(5H,m),4.36−4.12(5H,m),3.45(2H,s),3.33(1H,d,J=17Hz),2.88(1H,d,J=12Hz),2.63−2.40(2H,m),2.31(1H,d,J=12Hz),2.37−1.93(2H,m),2.11(3H,s),1.80−1.65(2H,m),1.40−1.25(2H,m)
<工程2>
1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程1で得られた化合物(5.00g)および1,8−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ナフタレン(2.15g)の1,2−ジクロロエタン(50ml)溶液に、氷冷下、クロロギ酸1−クロロエチル(2.28ml)を加え、室温にて30分間攪拌し、次いで2時間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧下溶媒を留去し、残渣にメタノール(50ml)を加え、1時間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化した。上清を傾瀉により除去し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をメタノール(50ml)に溶解し、室温にて、1規定水酸化ナトリウム水溶液(33.5ml)を加え、室温にて、1時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、塩化メチレンで洗浄することにより、表題化合物(3.30g)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d)δppm:8.60−8.55(1H,m),8.30(1H,d,J=9Hz),8.27−8.24(1H,m),8.17(1H,d,J=9Hz),7.87(1H,dd,J=2,9Hz),7.73(1H,dd,J=2,9Hz),5.26−5.18(1H,m),4.01(1H,d,J=17Hz),4.00−3.89(2H,m),3.58−3.30(3H,m),2.78(1H,d,J=11Hz),2.85−2.25(4H,m),2.36(1H,d,J=12Hz),1.99(1H,brs),1.60−1.44(2H,m),1.20−1.04(2H,m)
<工程3>
1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例20<工程5>と同様の方法で、工程2で得られた化合物(3.30g)を用いることにより、表題化合物(2.50g)を得た。
IR(KBr)cm−1:3336,2939,1657,1601,1454,1421,1346,1167
(実施例74)
1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−メチル−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例73<工程3>で得られた化合物(1.00g)の塩化メチレン(10ml)溶液に、室温にて、酢酸(0.42ml)およびパラホルムアルデヒド(0.12g)を加え、30分間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム(1.56g)を加え、室温にて、6日間攪拌した。その後、8時間加熱還流した。反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ChromatorexNHTM(クロマトレックスNHTM)](溶出溶媒;塩化メチレン〜1%メタノール/塩化メチレン)にて精製し、表題化合物(0.45g)を得た。
IR(KBr)cm−1:3444,2943,1657,1599,1456,1348,1167
(実施例75)
1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−メチル−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−5>と同様の方法で、実施例7466で得られた化合物(0.34g)を用いることにより、表題化合物(0.14g)を得た。
IR(KBr)cm−1:3446,2930,1662,1597,1454,1348,1167
(実施例76)
1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−メチル−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン二メタンスルホン酸塩の合成
実施例12と同様の方法で、実施例75で得られた化合物(0.13g)を用いることにより、表題化合物(0.17g)を得た。
(実施例77)
1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−5>と同様の方法で、実施例73<工程3>で得られた化合物(1.50g)を用いることにより、表題化合物(0.75g)を得た。
IR(KBr)cm−1:3435,2939,1662,1597,1454,1421,1350,1167
(実施例78)
7−アセチル−1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
<工程1>
1,4,7−トリアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−4>と同様の方法で、実施例73<工程1>で得られた化合物(2.00g)を用いることにより、表題化合物(1.75g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.35−8.32(1H,m),7.96−7.88(3H,m),7.80−7.73(1H,m),7.60(1H,dd,J=2,9Hz),7.34−7.19(5H,m),4.37−4.20(2H,m),4.17−4.08(1H,m),4.00−3.93(1H,m),3.55−3.47(1H,m),3,46(2H,s),3.32(1H,d,J=17Hz),2.93(1H,d,J=12Hz),2.64−2.40(2H,m),2.35−2.15(2H,m),2.25(1H,d,J=12Hz),1.80−1.71(2H,m),1.44−1.35(2H,m)
<工程2>
1,4,7−トリアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例1<工程A−5>と同様の方法で、工程1で得られた化合物(1.72g)を用いることにより、表題化合物(1.43g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.35−8.31(1H,m),7.97−7.88(3H,m),7.80−7.74(1H,m),7.59(1H,dd,J=2,9Hz),7.34−7.19(5H,m),4.31(1H,d,J=17Hz),4.22−4.08(2H,m),3.70(1H,d,J=10Hz),3.49−3.38(1H,m),3.45(2H,s),3.42(3H,s),3.27(1H,d,J=17Hz),2.88(1H,d,J=12Hz),2.60−2.40(2H,m),2.31−2.10(2H,m),2.21(1H,d,J=12Hz),1.80−1.65(2H,m),1.40−1.21(2H,m)
<工程3>
7−アセチル−1,4,7−トリアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程2で得られた化合物(0.30g)およびトリエチルアミン(0.11ml)の塩化メチレン(3ml)溶液に、氷冷下、塩化アセチル(56μl)を加え、室温にて、2時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:メタノール=19:1)にて精製し、表題化合物(0.31g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.35−8.31(1H,m),7.98−7.88(3H,m),7.77(1H,dd,J=2,9Hz),7.59(1H,dd,J=2,9Hz),7.35−7.20(5H,m),5.16(1H,d,J=13Hz),4.54(1H,d,J=11Hz),4.42(1H,d,J=17Hz),4.37−4.29(1H,m),3.90−3.83(1H,m),3.47(2H,s),3.37−3.25(2H,m),3.32(3H,s),2.94−2.75(2H,m),2.55−2.25(2H,m),2.29(1H,d,J=13Hz),2.28(3H,s),2.18−2.00(2H,m),1.95−1.80(1H,m),1.28−1.13(1H,m)
<工程4>
7−アセチル−1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程3で得られた化合物(0.28g)および1,8−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ナフタレン(20mg)の1,2−ジクロロエタン(3ml)溶液に、氷冷下、クロロギ酸1−クロロエチル(0.13ml)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を放冷後、減圧下溶媒を留去し、残渣にメタノール(3ml)を加え、1時間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣に水を加え、ジエチルエーテルで洗浄した。水層を炭酸カリウムでpH10に調整し、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ChromatorexNHTM(クロマトレックスNHTM](溶出溶媒;塩化メチレン〜2%メタノール/塩化メチレン)にて精製し、表題化合物(0.15g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.34(1H,s),8.00−7.88(3H,m),7.81−7.74(1H,m),7.60(1H,dd,J=2,9Hz),5.16(1H,d,J=12Hz),4.61(1H,d,J=11Hz),4.42(1H,d,J=17Hz),4.34(1H,d,J=10Hz),3.87(1H,d,J=10Hz),3.40−3.27(2H,m),3.34(3H,s),3.15−2.97(2H,m),2.80−2.65(1H,m),2.55−2.44(1H,m),2.43−2.23(2H,m),2.28(3H,s),2.03−1.85(2H,m),1.30−1.17(1H,m)
<工程5>
7−アセチル−1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例20<工程5>と同様の方法で、工程4で得られた化合物(110mg)を用いることにより、表題化合物(78mg)を得た。
IR(KBr)cm−1:3435,2920,1666,1639,1597,1383,1346,1167
(実施例79)
1,4,7−トリアザ−4−(2−ナフタレンスルホニル)−6−(メトキシメチル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例77で得られた化合物(200mg)のメタノール(4ml)溶液に、1規定塩酸(1.8ml)次いで10%パラジウム−活性炭素(40mg)を加え、水素雰囲気下室温にて4日間攪拌した。反応液をセライト濾過後、減圧下濃縮して得られた残渣に、重曹水を加えpH10に調節した後、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ChromatorexNHTM(クロマトレックスNHTM)](溶出溶媒;塩化メチレン〜塩化メチレン:メタノール=199:1)にて精製することにより表題化合物(140mg)を得た。
(実施例80)
1,4,7−トリアザ−4−(2−ナフタレンスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−メチル−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例79と同様の方法で、実施例75で得られた化合物(130mg)を用いることにより、表題化合物(69.0mg)を得た。
(実施例81)
(+)−1,4−ジアザ−6−(メトキシメチル)−4−(2−ナフタレンスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例79と同様の方法で、(+)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン(100mg)を用いることにより、表題化合物(90.7mg)を得た。
(実施例82)
(−)−1,4−ジアザ−6−(メトキシメチル)−4−(2−ナフタレンスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
実施例79と同様の方法で、(−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン(100mg)を用いることにより、表題化合物(84.1mg)を得た。
以下に、本発明の中間体化合物の合成実施例を参考例として示す。
(参考例1)
<工程1>
エチル 2−[(2−ニトロベンゼンスルホニル)アミノ]アセテートの合成
グリシンエチルエステル塩酸塩(9.45g)の塩化メチレン(100ml)懸濁液中、氷冷下、トリエチルアミン(18.9ml)、2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(10.0g)を順次加え、室温にて2日間攪拌した。氷冷下、反応液に1規定塩酸を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、析出した結晶をn−ヘキサン−ジエチルエーテル混合溶媒で洗浄し、濾取、風乾することにより表題化合物(10.8g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.14−8.06(1H,m),7.98−7.91(1H,m),7.80−7.71(2H,m),6.06(1H,brs),4.06(2H,q,J=7Hz),4.01(2H,s),1.20−1.13(3H,m)
<工程2>
エチル 2−[(3−アセトキシ−2−オキソプロパン−1−イル)(2−ニトロベンゼンスルホニル)アミノ]アセテートの合成
工程1で得られた化合物(10.0g)、炭酸カリウム(7.20g)およびよう化ナトリウム(5.2g)のN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)懸濁液に、氷冷下、1−アセトキシ−3−クロロアセトン(7.84g)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20ml)を加え、室温にて2時間攪拌した。氷冷下、反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣にヘキサンを加えて、攪拌し、上清を傾瀉により取り除き、次いでジエチルエーテルを加えて結晶化し、濾取、風乾することにより、表題化合物(9.36g)を得た。NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.10−8.02(1H,m),7.76−7.62(3H,m),4.73(2H,s),4.53(2H,s),4.24(2H,s),4.15(2H,q,J=7Hz),2.16(3H,s),1.24(3H,t,J=7Hz)
<工程3>
エチル 2−[(3−アセトキシ−2−オキソプロパン−1−イル)(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]アセテートの合成
工程21で得られた化合物(5.0g)のアセトニトリル(75ml)溶液に、氷冷下、チオフェノール(1.40ml)および炭酸セシウム(12.1g)を加え、室温下1時間攪拌した。さらにチオフェノール(1.0ml)を加え室温攪拌した後、反応液をセライト濾過し、セライトを塩化メチレン(500ml)で洗浄後、氷冷下、濾液にトリエチルアミン(5.20ml)、次いでクロロぎ酸ベンジル(4.68ml)を加え、室温下終夜攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜2:1))にて精製することにより、表題化合物(1.41g)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d,100℃)δppm:7.38−7.24(5H,m),5.08(2H,s),4.75(2H,s),4.25(2H,s),4.10(2H,q,J=7Hz),4.03(2H,s),2.07(3H,s),1.17(3H,t,J=7Hz)
<工程4>
エチル 2−[[2−(アセトキシメチル)−3,8−ジアザ−8ベンジル−1−オキサスピロ[ビシクロ[4.5]デカン−2−イル]メチル](ベンジロキシカルボニル)アミノ]アセテートの合成
工程3で得られた化合物(1.0g)および4−(アミノメチル)−1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン(879mg)の塩化メチレン(50ml)溶液に、酢酸(0.1ml)、3Aモレキュラーシーブス(2.0g)を加え、2時間加熱還流した。放冷後、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=100:0〜50:1〜20:1)にて精製することにより、表題化合物を定量的に得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d,100℃)δppm:7.37−7.16(10H,m),5.07(2H,s),4.21−3.88(6H,m),3.54−3.34(2H,m),3.44(2H,s),3.30−3.20(1H,m),2.90−2.76(2H,m),2.52−2.38(2H,m),2.34−2.22(2H,m),1.94(3H,s),1.65−1.45(4H,m),1.16(3H,t,J=7Hz)
<工程5>
6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−ベンジルオキシカルボニル−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成の合成
工程43で得られた化合物(1.60g)のトルエン(32ml)溶液を、封管中180℃で2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=50:1〜20:1))にて精製することにより、表題化合物(890mg)を得た。NMRスペクトル(*DMSO−d,100℃)δppm:7.38−7.16(10H,m),5.11(2H,s),4.38(1H,d,J=13Hz),4.30−3.99(4H,m),3.82(1H,d,J=18Hz),3.47(2H,s),3.09(1H,d,J=11Hz),3.00(1H,d,J=13Hz),2.58−2.22(4H,m),1.94(3H,s),1.80−1.72(2H,m),1.56−1.50(2H,m)
<工程6>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(ベンジルオキシカルボニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程5で得られた化合物(400mg)のエタノール(8ml)溶液に、氷冷下、ヒドラジン一水和物(0.38ml)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=50:1〜25:1)にて精製することにより、表題化合物(329mg)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d,100℃)δppm:7.38−7.16(10H,m),5.10(2H,s),4.76−4.67(1H,m),4.29(1H,d,J=13Hz),4.17(1H,d,J=18Hz),4.10(1H,d,J=11Hz),3.81(1H,d,J=18Hz),3.47(2H,s),3.44−3.35(2H,m),3.09(1H,d,J=11Hz),2.99−2.91(1H,m),2.59−2.42(2H,m),2.37−2.24(2H,m),1.86−1.72(2H,m),1.58−1.42(2H,m)
<工程7>
1,4−ジアザ−4−(ベンジルオキシカルボニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程6で得られた化合物(100mg)および1,8−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ナフタレン(9.2mg)の1,2−ジクロロエタン(3ml)溶液に、氷冷下、クロロぎ酸1−クロロエチル(58μl)を加え、室温にて1時間攪拌した。次いで、反応液にメタノール(3ml)を加え、外温70℃にて加熱攪拌した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣に1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルにてベンジルクロリドを抽出した。さらにジエチルエーテル層を1規定塩酸にて抽出し、先の水層と合わせた。氷冷下、水層を炭酸ナトリウムでpH9に調整し、塩化メチレンにて抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[Chromatorex NHTM(クロマトレックス NHTM)](溶出溶媒;塩化メチレン:メタノール=50:1〜25:1にて精製することにより、表題化合物を定量的に得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d,100℃)δppm:7.38−7.26(5H,m),5.11(2H,s),4.69(1H,brs),4.30(1H,d,J=13Hz),4.18(1H,d,J=18Hz),4.12(1H,d,J=11Hz),3.81(1H,d,J=18Hz),3.40(2H,s),3.06(1H,d,J=11Hz),2.94(1H,d,J=13Hz),3.02−2.74(2H,m),2.62−2.50(2H,m),1.72−1.66(2H,m),1.44−1.36(2H,m)
<工程8>
1,4−ジアザ−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程7で得られた化合物(4.5mg)のメタノール(1ml)溶液中、10%パラジウム−活性炭素(2mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて2時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、メタノールにて洗浄、濾液を濃縮することにより、表題化合物を定量的に得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:4.42(1H,d,J=12Hz),3.77−3.58(4H,m),3.50(1H,d,J=18Hz),3.05(1H,d,J=12Hz),3.10−2.94(2H,m),2.82−2.70(2H,m),2.67(1H,d,J=12Hz),1.90−1.46(4H,m)
(参考例2)
<工程1>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
参考例1<工程6>で得られた化合物(25.0mg)のアセトニトリル(1ml)溶液に、氷冷下、よう化トリメチルシラン(20μl)を加え、氷冷下30分間攪拌、次いで室温にて3日間攪拌した。さらによう化トリメチルシラン(0.2ml)を追加し、室温にて終夜攪拌した。氷冷下、反応液に1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルにてよう化ベンジルを抽出、有機層を1規定塩酸にて抽出し、先の水層と合わせて、氷冷下、炭酸ナトリウムにてpH9に調整した後、水層を濃縮した。得られた残渣に塩化メチレンを加え、不溶物を濾去、塩化メチレンにて洗浄し、濾液を濃縮することにより、表題化合物(18.3mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:7.36−7.22(5H,m),4.37(1H,d,J=12Hz),3.76−3.42(5H,m),3.51(2H,s),3.05(1H,d,J=12Hz),2.70−2.48(3H,m),2.46−2.29(2H,m),1.94−1.73(2H,m),1.70−1.50(2H,m)
<工程2>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程1で得られた化合物(13.5mg)およびトリエチルアミン(9μl)の塩化メチレン(0.5ml)溶液に、氷冷下、6−クロロナフタレン−2−スルホニルクロリド(12mg)を加え、室温にて5日間攪拌した。氷冷下、反応液に水を加え、塩化メチレンにて抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;塩化メチレン:メタノール=20:1)にて精製することにより、表題化合物(2.8mg)を得た。
(参考例3)
<工程1>
エチル 2−[(ベンジルオキシカルボニル)(2,2−ジエトキシエチル)アミノ]アセテートの合成
アミノアセトアルデヒドジエチルアセタール(43.6ml)に、氷冷下ブロモ酢酸エチル(34.5ml)を滴下し、N,N−ジメチルホルムアミド(150ml)、炭酸セシウム(97.7g)、よう化ナトリウム(4.5g)を加え、室温下終夜攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、塩酸でpH1とし、酢酸エチルで抽出した。水層を炭酸ナトリウムでpH10とし、塩化メチレンで抽出後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去することにより得られた残渣を塩化メチレン(200ml)に溶解し、トリエチルアミン(16.1ml)を加えた後、氷冷下、クロロぎ酸ベンジル(16.5ml)の塩化メチレン(20ml)溶液を30分間で滴下した。反応液を氷冷下30分間、次いで室温下1時間攪拌した後、1規定塩酸で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:ジエチルエーテル=2:1〜1:1)にて精製することにより、表題化合物(28.9g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:7.42−7.25(5H,m),5.24−5.08(2H,m),4.62−4.44(1H,m),4.23−4.07(4H,m),3.78−3.36(6H,m),1.30−1.11(9H,m)
<工程2>
エチル 2−[(ベンジルオキシカルボニル)(ホルミルメチル)アミノ]アセテートの合成
工程1で得られた化合物(14.1g)のクロロホルム(120ml)溶液に、水(60ml)を加えた後、氷冷下トリフルオロ酢酸(153ml)を2時間で滴下し、氷冷下1時間、室温下1.5時間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出した後、有機層を、10%炭酸カリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより表題化合物(10.3g)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:9.70−9.56(1H,m),7.40−7.26(5H,m),5.23−5.11(2H,m),4.25−4.01(6H,m),1.32−1.18(3H,m)
<工程3>
2−[[(3,8−ジアザ−8−ベンジル−1−オキサスピロ[4.3.0]デカン−2−イル)メチル](ベンジルオキシカルボニル)アミノ]酢酸の合成
工程2で得られた化合物(1.35g)のメタノール(25ml)溶液に、氷冷下水酸化リチウム一水和物(0.24g)の水(10ml)溶液を加え、氷冷下10分間、室温下40分間攪拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を6規定塩酸でpH2とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより得られた化合物(1.21g)の塩化メチレン(40ml)溶液に、トルエン(40ml)、4−(アミノメチル)−1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジン(1.06g)、硫酸マグネシウム(2.90g)を加え、室温下終夜攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧下濃縮することにより得られた残渣に、ジエチルエーテルを加え固化させた後、固体を濾取し、真空乾燥することにより表題化合物(2.05g)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d,100℃)δppm:7.39−7.15(10H,m),5.15−4.98(2H,m),4.62−4.57(1H,m),4.13−3.91(2H,m),3.67−3.25(4H,m),2.88−2.60(2H,m),2.56−2.26(4H,m),1.65−1.33(4H,m)
<工程4>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(ベンジルオキシカルボニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程3で得られた化合物(1.61g)の塩化メチレン(30ml)溶液に、氷冷下、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.81g)を加え、氷冷下30分間、室温下終夜攪拌した後、不溶物を濾過により除去した。反応液を減圧下濃縮することにより得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:メタノール=9:1)にて精製することにより、表題化合物(0.63g)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d,100℃)δppm:7.40−7.15(10H,m),5.12(2H,s),5.00(1H,dd,J=4,9Hz),4.35−4.27(1H,m),4,21(1H,d,J=18Hz),3.76(1H,d,J=18Hz),3.70(1H,d,J=11Hz),3.48(2H,s),3.10(1H,d,J=11Hz),3.00−2.88(1H,m),2.57−2.32(4H,m),1.84−1.55(4H,m)
<工程5>
1,4−ジアザ−4−(ベンジルオキシカルボニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
参考例1<工程7>と同様の方法で、工程4で得られた化合物(1.00g)を用いて、表題化合物(0.57g)を得た。
NMRスペクトル(*DMSO−d,100℃)δppm:7.38−7.27(5H,m),5.12(2H,s),5.01(1H,dd,J=4,9Hz),4.36−4.27(1H,m),4.26−4.17(1H,m),3.81−3.65(2H,m),3.12−3.06(1H,m),2.98−2.74(3H,m),2.64−2.54(2H,m),1.67−1.60(2H,m),1.55−1.47(2H,m)
<工程6>
1,4−ジアザ−4−(ベンジルオキシカルボニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
工程5で得られた化合物(0.1g)および4−クロロピリジン(0.33g)のエタノール(2.9ml)溶液に、N−エチルジイソプロピルアミン(56μl)を加え、封管中、150〜160℃にて加熱攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[Chromatorex NHTM(クロマトレックス NHTM)](溶出溶媒;酢酸エチル:メタノール=98:2〜95:5)にて精製した。目的物を含むフラクションを減圧下濃縮し、n−ヘキサン−ジエチルエーテルで結晶化、濾取、風乾することにより表題化合物(60mg)を得た。
NMRスペクトル(DMSO−d,100℃)δppm:8.13(2H,dd,J=2,5Hz),7.40−7.25(5H,m),6.76(2H,dd,J=2,5Hz),5.13(2H,s),5.07(1H,dd,J=4,9Hz),4.38−4.28(1H,m),4.23(1H,d,J=18Hz),3.84−3.73(2H,m),3.52−3.23(4H,m),3.17(1H,d,J=11Hz),3.04−2.92(1H,m),1.90−1.60(4H,m)
<工程7>
1,4−ジアザ−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
参考例1<工程8>と同様の方法により、工程6で得られた化合物(100mg)を用いてのメタノール(2.4ml)溶液に、10%パラジウム−炭素(20mg)を加え、水素雰囲気下室温で1時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を減圧下濃縮することにより得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ChromatorexNHTM(クロマトレックスNHTM)](溶出溶媒;酢酸エチル:メタノール=9:1)にて精製し、表題化合物(60mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:8.31−8.22(2H,m),6.72−6.63(2H,m),5.00(1H,dd,J=4,8Hz),3.96−3.88(1H,m),3.65−3.28(7H,m),3.19−3.10(1H,m),2.66(1H,dd,J=8,13Hz),2.00−1.55(4H,m)
(参考例4)
<工程1>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
参考例2<工程1>と同様の方法で、参考例3<工程4>で得られた化合物(50mg)を用いて、表題化合物(15mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:7.40−7.25(5H,m),4.94(1H,dd,J=4,8Hz),3.83(1H,d,J=11Hz),3.62−3.37(5H,m),3.14(1H,d,J=11Hz),2.62(1H,dd,J=8,13Hz),2.65−2.35(4H,m),1.95−1.53(4H,m)
<工程2>
1,4−ジアザ−1’−ベンジル−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
参考例2<工程2>と同様の方法で、工程1で得られた化合物(10.0mg)を用いて、表題化合物を定量的に得た。
<工程3>
実施例1<工程A−1>と同様の方法で、工程1で得られた化合物(10mg)を用いて、表題化合物(22mg)を得た。
(参考例5)
1,4−ジアザ−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オンの合成
参考例1<工程8>と同様の方法で、参考例3<工程5>で得られた化合物(10.0mg)を用いて、表題化合物(6.0mg)を得た。
NMRスペクトル(*CDCl)δppm:4.97(1H,dd,J=4,8Hz),3.87(1H,d,J=12Hz),3.59(1H,d,J=18Hz),3.51−3.38(2H,m),3.15(1H,d,J=12Hz),3.15−2.97(2H,m),2.94−2.77(2H,m),2.63(1H,dd,J=8,13Hz),1.88−1.63(4H,m)
上記の実施例で得られた本発明化合物の構造を図1〜9に示す。図11〜20には、本発明化合物の合成ルートを示す。
またこれら実施例のNMRスペクトルデータを図21〜32に示す。
また、以下に示す化合物も、前記実施例と同様にして合成される。
<X線結晶構造解析の実施例>
A.FXaと本発明実施例1の(−)の光学異性体(以下化合物Aと記す)とのX線結晶構造解析
(A−1)ヒトGlaドメイン除去FXa(以下、Des−Gla−FXa)の精製および結晶化
ヒトFXaは、Enzyme Research Laboratories,Inc.より精製標品を購入した。J.Biol.Chem.,271,16614−16620,(1996)を参照し、Glaドメイン(1−44(キモトリプシンナンバー))を除くために、プロテアーゼによる消化を行った。Des−Gla−FXaは、Mono−P(amershampharmacia biotech社)を用いて精製した。結晶化はハンギングドロップ蒸気拡散法で行った。
濃縮標品と26%(w/v)PEG1500とを当量混合して作成したドロップを、26%(w/v)PEG1500溶液に対して蒸気拡散を行うことで良好な結晶が得られた。
複合体結晶は、−180℃の低温下で回折計R−AXIS(リガク(株))を用いたX線回折実験を行い、分解能2.8Åのデータセットを収集した。複合体結晶は、orthorhombicで空間群はP2、格子定数はa=72.7、b=78.17、c=56.04Åであった。この結晶は非対称単位に1分子を含み、Vm値は2.2Å/Daltonであった。
構造は結晶解析用パッケージングプログラムXsight(MSI社)に含まれるREPLACE(Tong,1993)を用いた分子置換法により解析した。初期構造モデルにはプロテインデータバンクの1hcgを用いた。
(A−2)結晶構造の構築および精密化
上記の手法によって得た3次元電子密度マップを用いて、FXaの、A鎖Ile16〜The244およびB鎖Lys877〜Leu137(キモトリプシンナンバー)の詳細なフィッティングを行った。
これらの作業はパッケージングプログラムXtalView(McRee,1993)に含まれるモデル構築プログラムXfitを用いたマニュアル操作で行った。
これらの原子座標の結晶学的構造精密化はX−PLOR(Brunger,1987)を用いて行った。精密化はR因子が最小になるようにX−PLORによる計算とマニュアル操作による原子位置の調整を繰り返し行い、20%近傍の値を得るまで精密化を進めた。
精密化の終了したFXaと化合物Aの複合体結晶構造の座標データ(PDB形式)を表Aに示す。
各カラムは1列目;PDBファイルのレコードID、2列目;PDBファイル内の座標の通し番号、3列目;原子名、4列目;アミノ酸残基名、5列目;アミノ酸残基番号(キモトリプシン番号)、6列目;原子のX座標、7列目;原子のY座標、8列目;原子のZ座標、9列目;占有率(1.0に固定)、10列目;温度因子である。
化合物Aのアミノ酸残基名は、便宜上M32としてある。座標データ中の水素原子はプログラムX−PLORでの計算過程で発生させたものであり、正確な水素原子の位置を示すものではない。
これらのデータをもとにFXaの構造(リボン図)を図37に、FXaと化合物Aとの複合体結晶の構造(リボン図)を図38に示した。
図37および図38はプログラムMOLSCRIPT(Kraulis,P.,J.Appl.Crystallogr.,24,946−950(1991))を用いて作成した。
ヒトFXaの活性部位を図39に示した。
ヒトFXa−化合物A複合体の活性部位を図40に示した。
図の理解のため本発明のファルマコフォアに関するS1ポケットとS3ポケットに相当する領域を点線で囲んだ。
ヒトFXa−化合物A複合体の活性部位のステレオ図を、図41に示した。図はプログラムMOLSCRIPTを用いて作成した。
X線結晶解析の結果、化合物Aのナフタレン環部分はFXaのS1ポケットと疎水性相互作用をして、S1ポケットに結合している。ナフタレンに付加された塩素原子はS1ポケット内部でTyr228側鎖のベンゼン環部分と相互作用している。S1ポケット内部において、化合物AはFXaのAsp189との静電相互作用はしておらず、S1ポケットに対する結合様式は、既知FXa阻害剤で複合体構造が解明されているDX−9065aおよび、FX−2212aのものとは全く異なっている。
さらに、化合物Aはトリプシンに対し著しく高い選択性を有しているが、化合物AのS1ポケットに対する結合様式は、トリプシンに対してはそのSer190との立体障害を引き起こすため、高い選択性を発揮する要因になっていると考えられる。
化合物Aの4−アミノピリジン部分は、これの塩基性部分とS3ポケットの電気的にマイナスな環境との相互作用によりS3ポケットに結合しており、化合物Aのトリプシン、トロンビン、プロテインC、ティッシュプラスミノーゲンアクチベーターに対する選択性発揮に寄与すると考える。
さらに、化合物Aのカルボニル酸素原子は、Gly218の主鎖のNH基と水素結合を形成している。なお、理論に拘束されることを好まないが、本発明化合物の構造活性相関から、この結合はFXa阻害に必須なものではないが、2次的な効果、例えば、FXa阻害活性を上昇させるなどの効果を与えていると考えられる。
化合物とFXaとの複合体モデル構造の構築
以下に示される、InsightII、Discover、SearchCompareはコンピュータープログラムの名称であり、いずれもMolecular Simulations Inc.San Diego,CA,USAから市販されている。
2つの参考化合物
化合物B:4−[3−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホンアミド)−2−[1−(4−ピリジル)ピペリジン−4−イルメチル]アミノプロピオニル]−1,1−ジオキソチオモルホリン(特願平11−180909号実施例8の化合物)、および
化合物C:(R)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−エトキシカルボニル−1−[1−(4−ピリジル)ピペリジン−4−イルメチル]ピペラジン−2−オン(WO99/33805の実施例60の化合物(なお、各々の化合物調整はそれぞれの明細書を参照できる。構造式を図10に示した。)の3次元モデル構造をInsightII上で作成し、Discoverを用いた力場計算により、モデル構造を最適化した。その後、InsightII上におけるマニュアル操作により、化合物BおよびCのハロゲノナフタレン部分を、本発明実施例の結晶構造解析で 得られた複合体結晶構造中の化合物Aのハロゲノナフタレン部分に重ねあわせ、FXaと化合物B、Cとの複合体モデル初期構造を構築した。
化合物のコンホメーション検索
化合物B、Cのハロゲノナフタレン部分をS1ポケット内に固定したまま、その他の部分のコンホメーションを、Search Compareを用いて探索した。
コンホメーションは、化合物B、C部の内部の回転可能と考えられる結合をシステマティックに回転させることにより発生させた。結合の回転角度は、Sp3原子間の結合は2面角が60度から120度刻みで300度まで、Sp3原子とSp2原子間の結合は2面角が0度から30度刻みで330度までとした。これは、過去にMSI社が化合物の安定コンホメーションを発生させるために検索条件として推奨したものである。
結果の解析
コンホメーション探索の結果、化合物Bにおいて、その塩基性部分である4−アミノピリジン部分はS3ポケットに結合可能と考えられた。この時、化合物BのFXaに対する結合条件は、態様「17−b」の全ての項目を満たしていた。化合物Cにおいても、その塩基性部分である4−アミノピリジン部分はS3ポケットに結合可能であり、この時、化合物CのFXaに対する結合条件は、態様「17−b」の全ての項目を満たしていた。
活性測定
本発明実験例1のa)に示されるの生物学的アッセイ手法にて、化合物Bは0.031mMのIC50値を示し、化合物Cは0.028mMのIC50値を示した。
本発明のファルマコフォアは、斬新なスピロ結合を有する三環系化合物によって導き出されたものである。当該化合物は、3つの環の立体配置が固定されていることにより、従来のFXaでは報告されていなかった新規なファルマコフォアを見出すうえで大きな役割を果たした。そして、その結果導き出されたファルマコフォアは、意外にもこの骨格を持たない化合物、とりわけ分子の立体配置がフレキシブルな化合物に対しても分子設計的手法により、十分に応用が可能かつ重要であることが確認された。
産業上の利用可能性
本発明の化合物は、FXaを特異的に阻害し、強力な抗凝固作用を有する。また経口吸収性に優れているため使いやすく、適当な作用持続性があり、安全性も高い。従って、本発明の化合物は抗凝固薬として非常に有用である。
また、本発明の化合物により導き出された本発明のファルマコフォアは、FXaまたはそのフラグメントの活性部位に競合的に結合する阻害剤の同定もしくは設計に有用な情報を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の化合物の構造式を表わした図である。
図2は、本発明の化合物の構造式を表わした図である。
図3は、本発明の化合物の構造式を表わした図である。
図4は、本発明の化合物の構造式を表わした図である。
図5は、本発明の化合物の構造式を表わした図である。
図6は、本発明の化合物の構造式を表わした図である。
図7は、本発明の化合物の構造式を表わした図である。
図8は、本発明の化合物の構造式を表わした図である。
図9は、本発明の化合物の構造式を表わした図である。
図10は、参考化合物B,Cの構造式を表わした図である。
図11は、本発明化合物の合成ルートを表わした図である。
図12は、本発明化合物の合成ルートを表わした図である。
図13は、本発明化合物の合成ルートを表わした図である。
図14は、本発明化合物の合成ルートを表わした図である。
図15は、本発明化合物の合成ルートを表わした図である。
図16は、本発明化合物の合成ルートを表わした図である。
図17は、本発明化合物の合成ルートを表わした図である。
図18は、本発明化合物の合成ルートを表わした図である。
図19は、本発明化合物の合成ルートを表わした図である。
図20は、本発明化合物の合成ルートを表わした図である。
図21は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図22は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図23は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図24は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図25は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図26は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図27は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図28は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図29は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図30は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図31は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図32は、本発明化合物の物性データ(NMRスペクトル)を示す図である。
図33は、本発明化合物の物性データ(X線チャート表)を示す図である。
図34は、本発明化合物の物性データ(X線チャート表)を示す図である。
図35は、本発明化合物の物性データ(X線チャート表)を示す図である。
図36は、本発明化合物の物性データ(X線チャート表)を示す図である。
図37は、ヒトFXa(Des−GlaDomain)のリボン図である。
図38は、ヒトFXa(Des−GlaDomain)−化合物A複合体のリボン図である。
図39は、ヒトFXaの活性部位の図である。
図40は、ヒトFXa−化合物A複合体の活性部位の図である。
図41は、ヒトFXa−化合物A複合体の活性部位のステレオ図である。
図42は、FXaのセリンプロテアーゼドメインのアミノ酸配列における、キモトリプシン番号に対応するFXaのセリンプロテアーゼドメイン残基の通し番号を表で示す図である。

Claims (8)

  1. 式(I)の化合物またはその製薬学的に許容される塩:
    (I)
    (式中、
    Aは、水素原子であるか、または
    (1)飽和もしくは不飽和の5〜6員の環状炭化水素基、または飽和もしくは不飽和の5〜6員の複素環基、(2)アミノ基、(3)イミドイル基(ここで(1)〜(3)の基は置換基を有していてもよい)から選ばれる基であり、
    Bは、単結合、カルボニル基、−S(O)x−、もしくは置換されていてもよいC1−2アルキレン基であり、
    Dは、水素原子、−CO−R5(R5は水素原子もしくは置換基)、もしくは置換されていてもよいC1−6アルキル基であり、
    Xは、窒素原子であり、
    Yは、酸素原子、または、−CO−R15(R15はC1−6アルキル基)もしくはC1−6アルキル基で置換されていてもよいイミノ基(−NH−)であり、
    Zは、カルボニル基であり、
    Tは、−S(O)z−であり、
    Qは、1)置換基(a−1):C6−14アリール基または置換基(b−1):炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基から選ばれる何れかの芳香環基から選ばれるいずれかの置換基で1つ置換された、C1−6アルキル基(とりわけC1−2のアルキル基)もしくはC2−6アルケニル基(とりわけC2のアルケニル基)、または、
    2)ハロゲン原子で1〜2個置換されていてもよいC6−14アリール基、もしくは、ハロゲン原子で1〜2個置換されていてもよい炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子から選択されるヘテロ原子1〜4個を含むところの(i)5〜6員の単環式芳香族複素環基、(ii)8〜12員の縮環式芳香族複素環基、(iii)3〜8員の飽和もしくは不飽和非芳香族複素環基の何れかの複素環基、であって、
    1)の置換基中の芳香環は、更にハロゲン原子、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシル、カルバモイル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ/ジC1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルカルバモイル、C1−6アルコキシカルボニル、N−C1−6アルキルカルバモイル、N,N−ジ1−6アルキルカルバモイルおよびC2−6アルケノイルアミノから選ばれる基で1〜3個置換されていてもよく、
    2)の置換基中の芳香環は、更に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロゲン原子、ハロゲン化C1−6アルキル、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、カルバモイル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、C2−6アルキニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、モノ/ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルコキシカルボニル、C2−6アルカノイル、C2−6アルカノイルアミノ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、カルボキシ−C1−6アルキル、C1−6アルコシキカルボニル−C1−6アルキル、カルバモイル−C1−6アルキル、N−(C1−6)アルキルカルバモイル−C1−6アルキル、N,N−ジC1−6アルキルカルバモイル−C1−6アルキル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、ベンジル、ベンゾイルからなる置換基で置換されていても良いが、これらの置換基中の芳香環は更にハロゲン原子、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシル、カルバモイル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、モノ/ジC1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルカルバモイル、C1−6アルコキシカルボニル、N−C1−6アルキルカルバモイル、N,N−ジC1−6アルキルカルバモイルおよびC2−6アルケノイルアミノから選ばれる基で1〜3個置換されていてもよく、
    lは1であり、mは0または1であり、nは1であり、xは0、1、2から選択される整数であり、zは2であり、rは0もしくは1の整数であり、Zを含む環中、点線と実線とで表される結合は、単結合、もしくはrが0のときは二重結合を表わす。)
  2. 以下の化合物、その(+)または(−)光学異性体、もしくはそれらの製薬学的に許容される塩:
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    (−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(ヒドロキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4’−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルメトキシメチル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    6−(アセトキシメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリミジニル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−((E)−4−クロロスチリルスルホニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシメチル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン メタンスルホン;
    (−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    (−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシカルボニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    (−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(イソプロポキシカルボニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    (−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−6−(プロポキシカルボニル)−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    (−)−6−(アリルオキシカルボニル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    (−)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(2−メトキシエトキシカルボニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    (−)−1,4−ジアザ−6−(t−ブトキシカルボニル)−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    アンモニウム 1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−6−カルボキシレート;
    (+)−アンモニウム 1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−6−カルボキシレート;
    (−)−アンモニウム 1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1'−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−6−カルボキシレート;
    4−[1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−オキサ−2−オキソスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−1’−イル]ピリジン 1−オキシド;
    1’−アセトイミドイル−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    6−(アミノメチル)−1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(エトキシカルボニルアミノメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(モルホリノメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−メチル−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    アンモニウム 4−[1,4−ジアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−7−オキサ−2−オキソ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−6−イル]ブチレート;
    1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−7−メチル−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4,7−トリアザ−4−(6−クロロナフタレン−2−イルスルホニル)−6−(メトキシメチル)−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(7−クロロ−2H−ベンゾピラン−3−イルスルホニル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(7−クロロ−2H−ベンゾピラン−3−イルメチル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロベンゾチオフェン−2−イルスルホニル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロベンゾチオフェン−2−イルメチル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(5−クロロベンゾフラン−2−イルスルホニル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン;
    1,4−ジアザ−4−(5−クロロベンゾフラン−2−イルメチル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン、および
    1,4−ジアザ−4−(6−クロロベンゾフラン−2−イルスルホニル)−(6−メトキシメチル)−7−オキサ−1’−(4−ピリジル)スピロ[ビシクロ[4.3.0]ノナン−8,4'−ピペリジン]−2−オン。
  3. 請求項1に示される化合物または製薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物。
  4. 請求項1に示される化合物または製薬学的に許容される塩を含有することを特徴とするFXa阻害剤。
  5. 式(V)の化合物またはその塩。
    (V)
    (式中、A,B,X,Y,l,mの定義は、請求項1の記載と同一であり、Rは、水素原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、または、2つのRが結合してC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロゲン原子で置換されていてもよいC2−4のアルキレン基を形成してもよい。)
  6. 式(VI)の化合物またはその塩。
    (VI)
    (式中、A,B,X,Y,Z,T,Q,l,m,nの定義は、請求項1の記載と同一であり、Rは、水素原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、または、2つのRが結合してC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシもしくはハロゲン原子で置換されていてもよいC2−4のアルキレン基を形成してもよい。)
  7. 式(Ik)の化合物またはその塩。
    (Ik)
    (式中、P1,P2は各々独立に水素原子もしくはイミノ基の保護基を表わし、Y,Z,D,l,m,n,rの定義は、請求項1の記載と同一である。)
  8. 式(I−a’)の化合物またはその塩。
    (I−a’)
    (式中、A,B,D,X,Y,Z,Q,T,l,m,n,rの定義は、請求項1の記載と同一であり、Wは脱離基である。)
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