JP4889551B2 - 薄板鋼板の肌付治具 - Google Patents
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Description
このとき、薄板といえども人の力の数倍の力で肌付けしなければならないことがある。例えば、薄板鋼板が大きい場合や平板同士以外の3次元的に曲げ加工されたもの同士のときには、数倍の力での肌付けが必要となる。
また、3次元的に曲げ加加工により成型されたコルゲーションを有する鋼板の肌付作業を行う場合にはある程度の力が必要であり、てこの原理を利用した薄板鋼板の肌付治具にて押し付けることもある。
かかる薄板鋼板の肌付治具は、定盤又は下板側の鋼板に支点の部分を固定し、力点となるバール先端を人が押さえつけることで、棒の途中に設けられた作用点である押付部分で上板の所定位置に対して必要な力を加えて肌付けするようにしたものである。
これら従来の棒状の肌付治具を用いた薄板鋼板の肌付け作業では、溶接作業者とは別途に1〜2名程度肌付け作業者が必要となることが多い。
なお、本発明の先行技術の文献を調査したが発見できませんでした。
また、てこの原理を利用した棒等の薄板鋼板の肌付治具では、バールが長いために使い易いとはいえず、さらに 肌付作業はバールの先端を押さえ続けなければならず、ハンドリング性もあまり良くないという問題があった。
そこで、本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、小型、軽量で、ワンタッチの手動操作で鋼板に対して押し付け状態を維持して肌付作業が行えるようにした薄板鋼板の肌付治具を得ることを目的とする。
さらに、反力スタンドが伸縮バーの他端部から垂下して設けられているので、型押しロッドの肌付け型が肌付けすべき部分を押当し、その反力で型押しロッドが取り付けられている伸縮バーが傾こうとするが、反力スタンドの下端が重ね継手の下側鋼板と当接しているため、伸縮バーは傾くことはなく、肌付け型の肌付けすべき部分に対する押付力が弱まることはないという効果もある。
図において、本発明の実施の形態1に係る薄板鋼板の肌付治具は、長さが調節可能な伸縮バー1と、伸縮バー1の略中央部から垂下して設けられ、薄板の重ね継手における下側鋼板のコルゲーションクロス部51を把持固定する支点クランプ3を下端に有する支点ロッド2と、伸縮バー1の一端部に上下方向に可動可能に取り付けられたロッド本体34と、伸縮バーの一端部に取り付けられ、操作レバー37の操作によりロッド本体34を上下方向に可動させることができる型押しトグル機構6と、ロッド本体34の下端に着脱自在に取り付けられ、薄板の重ね継手におけるコルゲーション50を肌付けする肌付け型5とを有してなる型押しロッド4と、伸縮バー1の他端部から垂下して設けられ、重ね継手の下側鋼板に下部が押し付けられる反力スタンド7とで主に構成されている。
支点ロッド2は伸縮バー1の外鋼管8から垂下して設けられている。その支点ロッド2は外鋼管2aと、その外鋼管2a内に進退自在に挿入された所定長さの角形の内鋼管2bと、これら外鋼管2aと内鋼管2bとにそれぞれ間隔を置いて設けられた位置調節用穴(図示省略)に適宜に挿入することにより、支点ロッド2の長さを調整することができる位置決めピン2cとを有している。
また、く字状で一対の平行な第2連結リンク25の一端は支点クランプ本体11に取り付けられた支持アーム20に対して第2連結ピン26により回動可能に連結され、中間部は第1連結リンク23の他端部に第3連結ピン27により回動可能に連結されている。さらに、第2連結リンク25には、操作レバー28がビス29により固定されている。
そして、操作レバー28を図3の(a)〜(c)に示すように、時計回りに回動操作すると、クランプロッド2が前進(図3において左方)へ移動され、クランプロッド22に接続された可動半割クロス部型13が固定半割クロス部型12に向けて移動し、固定半割クロス部型12と可動半割クロス部型13とで薄板の重ね継手におけるコルゲーションクロス部51を把持固定する。
また、型押しロッド4の上端に取り付けられた型押しトグル機構6は、伸縮バー1の可動内鋼管9の外端に取り付けられたL型金具31のネジ孔31aに螺合するネジ筒32を下部に有するU字状の支持片33と、ネジ筒32及び支持片33の底部を貫通して上下方向に進退自在なロッド本体34と、そのロッド本体34の先端には第1連結ピン36により回動可能に連結されている一対の平行な第1連結リンク35とを有している。
そして、操作レバー37を図4の(a)〜(c)に示すように、時計回りに回動操作すると、ロッド本体34がが下降し、ロッド本体34の下端に取り付けられている肌付け型5は重ね継手のコルゲーション50に向けて移動し、肌付け型5がコルゲーション50を押圧する。
上述の如く構成された実施の形態1に係る薄板鋼板の肌付治具は、全体の高さ寸法が1500mm、全長が2000〜3000mmと小型で軽量に構成されている。なお、支点ロッド2の下端に設けられた支点クランプ3の高さが400mm、全長が500mmである。
例えば、薄板の重ね継手における溶接前の肌付け作業を行う場合、まず、重ね継手の下板側鋼板のコルゲーションクロス部51に支点ロッド2の下端に設けられた支点クランプ3の固定半割クロス部型12と可動半割クロス部型13が接触するように支点クランプ3を設置する。このとき、支点クランプ3の固定半割クロス部型12はコルゲーションクロス部51の半分に接触しているが、可動半割クロス部型13はコルゲーションクロス部51の半分に接触しておらず離れている。
かかる支点トグル機構14はその操作レバー28の片手での回動操作により、支点クランプ3がコルゲーションクロス部51を一旦クランプすると、その状態を保持できる機能を有するものである。
そして、型押しロッド4の肌付け型5が重ね継ぎ手近傍の押し付けたい位置にきたとろで長さ調整ネジ10を螺回操作して可動内鋼管9を固定し、伸縮バー1が所望の長さとなって肌付け型5を肌付け位置に載せることができる。
この実施の形態では図1に示すようなコルゲーション部50に載せるが、高さが合わないときには、型押しロッド4の上端の型押しトグル機構6の操作レバー37を水平方向に旋回させ、伸縮バー1のL型金具31のネジ孔31に対して型押しトグル機構6のネジ筒32を上下方向に進退させて肌付け型5の高さの微調整を行って高さを合わせる。
かかる型押しトグル機構6はその操作レバー37の操作により、肌付け型5がコルゲーション部50を一旦押当すると、その状態を保持できる機能を有するものである。
型押しロッド4の肌付け型5がコルゲーション部50を押当すると、その反力で型押しロッド4が取り付けられている伸縮バー1の右端部が上動して伸縮バー1が傾き、その伸縮バー1の左端部が下動しようとするが、伸縮バー1の左端部から垂下する反力スタンド7の支持脚43が薄板の下側鋼板の平面部と当接しているため、伸縮バー1は傾くことはなく、肌付け型5のコルゲーション部50に対する押付力が弱まることはない。
さらに、反力スタンド7が伸縮バー1の他端部から垂下するように設けられているので、型押しロッド4の肌付け型5が肌付けすべきコルゲーション50の部分を押当し、その反力で型押しロッド4が取り付けられている伸縮バー1が傾こうとするが、反力スタンド7の下端が薄板の下側鋼板と当接しているため、伸縮バー1は傾くことはなく、肌付け型5の肌付けすべきコルゲーション50の部分に対する押付力が弱まることはないという効果もある。
Claims (2)
- 長さが調節可能な伸縮バーと、
前記伸縮バーの略中央部から垂下して設けられ、重ね継手の下側鋼板の凸部又は凹部を把持固定する支点クランプを下端に有する支点ロッドと、
前記伸縮バーの一端部に上下方向に可動可能に取り付けられたロッド本体と、前記伸縮バーの一端部に取り付けられ、操作レバーの操作により前記ロッド本体を上下方向に可動させることができる型押しトグル機構と、前記ロッド本体の下端に着脱自在に取り付けられ、重ね継手における各種形状の肌付けすべき部分に対応した形状の肌付け型とを有してなる型押しロッドと、
前記伸縮バーの他端部から垂下して設けられ、重ね継手の下側鋼板に下部が押し付けられる反力スタンドと、
を備え、
前記支点クランプは、方形の支点クランプ本体と、該支点クランプ本体の一端側に設けられ、重ね継手の下側鋼板の凸部又は凹部に対応した固定半割型と、前記支点クランプ本体の他端側に可動可能に設けられ、重ね継手の下側鋼板の凸部又は凹部に対応した可動半割型と、前記支点クランプ本体に取り付けられ、操作レバーの操作により前記可動半割型を前記固定半割型に向けて可動させることができる支点トグル機構とを有してなることを特徴とする薄板鋼板の肌付治具。 - 前記型押しロッドを前記伸縮バーの一端部に対して上下方向に位置調整を行うことができる位置調整機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の薄板鋼板の肌付治具。
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