JP4888513B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気バルブまたは排気バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間で変更する可変機構と、同バルブタイミングを最進角と最遅角との間にある特定の中間角に固定する規制機構と、可変機構の進角室及び遅角室及び規制機構の中間室のそれぞれに対する潤滑油の供給状態を制御する駆動機構とを備える内燃機関の可変動弁装置に関する。
特許文献1に記載の可変動弁装置をはじめとして、従来の上記可変動弁装置においては機関運転の停止にともないベーンロータの規制体をハウジングの規制穴にはめ込むことによりハウジングに対するベーンロータの回転位相を固定するようにしている。これにより、次回の機関始動はバルブタイミングが中間角に固定された状態にあるため、良好な始動性のもとに内燃機関を始動させることができるようになる。
特開2001−50064号公報
ところで、機関停止中には可変機構の進角室及び遅角室の潤滑油が同機構の外部に流れ出るため、次回の機関始動時に進角室及び遅角室は潤滑油により十分に満たされていない状態にある。このため、機関始動完了後にバルブタイミングの変更を行うにあたり、まずは進角室及び遅角室を潤滑油により満たすことが必要となる。
一方、中間ロック機構を備える内燃機関においては、少なくとも機関始動が完了するまではバルブタイミングが中間角に保持されるため、すなわちバルブタイミングを変更する要求が設定されることはないため、進角室及び遅角室への潤滑油の供給が開始される時期は機関始動完了後となる。
他方、上記特許文献1の可変動弁装置では、バルブタイミングを中間角に保持している間は進角室及び遅角室の一方のみにしか潤滑油を供給することができない構造のため、機関始動中は進角室及び遅角室の一方に潤滑油を供給し、機関始動完了後にバルブタイミングの中間角への固定を解除した後に進角室及び遅角室の他方に潤滑油を供給するようにしている。これにより、始動完了後に進角室及び遅角室への潤滑油の供給が開始される従来の可変動弁装置に比べて、特許文献1の可変動弁装置では、機関始動中に進角室及び遅角室の一方に潤滑油を供給することができるためバルブタイミングの変更が可能となる時期を早めることができる。
しかし、この特許文献1の装置においても機関始動完了後にバルブタイミングの変更が可能となる時期は上記他方の室が潤滑油により満たされた後となるため、バルブタイミングの変更要求に速やかに応じることができるとは言い難い。なお、こうした問題は特許文献1の可変動弁装置に限られるものではなく、規制機構によりバルブタイミングを中間角に固定する可変動弁装置であれば概ね共通するものといえる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、規制機構が固定状態にあるときに進角室及び遅角室に潤滑油を供給することのできる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、機関バルブとしての吸気バルブまたは排気バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間で変更する可変機構と、同機関バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間にある特定の中間角に固定する規制機構と、前記可変機構の進角室及び前記可変機構の遅角室及び前記規制機構の中間室のそれぞれに対する潤滑油の供給状態を制御する駆動機構とを備え、前記規制機構は、前記中間室に対する潤滑油の供給状態が第1の供給状態に設定されることに基づいて自身の動作状態が固定状態にあるときに前記機関バルブのバルブタイミングを前記中間角に固定し、前記中間室に対する潤滑油の供給状態が第2の供給状態に設定されることに基づいて自身の動作状態が解除状態にあるときに前記機関バルブのバルブタイミングの前記中間角への固定を解除するものである内燃機関の可変動弁装置において、前記規制機構が固定状態にあるときに連通機構により前記進角室と前記遅角室とが互いに連通されることを要旨としている。
この発明によれば、規制機構が固定状態にあるときに進角室と遅角室とが互いに連通されるため、駆動機構によりこれら進角室及び遅角室の一方に対する潤滑油の供給が行われることにより、他方の室にも潤滑油が供給されるようになる。すなわち、機関始動時において規制機構によりバルブタイミングが中間角に固定された状態のもと、進角室及び遅角室の一方に対して潤滑油が供給されたときにも同様に他方の室に潤滑油が供給されるようになる。従って、規制機構が固定状態にあるときに進角室及び遅角室に潤滑油を供給することができるようになる。
上記発明では、規制機構が解除状態に移行することにともない進角室と遅角室との連通が解除されるため、規制機構が固定状態のときにのみ進角室及び遅角室が連通されるようになる。
上記発明によれば、中間連通路は収容室での位置が突出時位置にあるときに第1連通路及び第2連通路を連通し、収容時位置にあるときに第1連通路及び第2連通路のいずれとも連通しないものであるため、中間連通路が突出状態にあるときにのみ第1連通路及び第2連通路が連通されるようになる。
上記発明によれば、機関始動時における進角室及び遅角室の一方に対する潤滑油の供給量を最も大きいものに設定しているため、潤滑油の供給量を最も大きいものに設定していないときに比べて、進角室及び遅角室の一方に速やかに潤滑油を供給することができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記駆動機構は、前記可変機構の進角室及び前記可変機構の遅角室及び前記規制機構の中間室のそれぞれに対する潤滑油の供給状態を単一の油圧制御弁により制御するものであり、前記油圧制御弁と前記可変機構及び前記規制機構との間で潤滑油を流通させる油路として、前記油圧制御弁及び前記進角室を接続する進角油路と、前記油圧制御弁及び前記遅角室を接続する遅角油路と、前記油圧制御弁及び前記中間室を接続する中間油路とを備えるものであることを要旨としている。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記油圧制御弁は、前記進角室及び前記遅角室及び前記中間室に対する潤滑油の供給状態を設定する動作モードとして、前記進角室に潤滑油を供給し且つ前記遅角室から潤滑油を排出し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードA1と、前記進角室から潤滑油を排出し且つ前記遅角室に潤滑油を供給し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードA2と、前記進角室への潤滑油の供給及び前記進角室からの潤滑油の排出を停止し且つ前記遅角室への潤滑油の供給及び前記遅角室からの潤滑油の排出を停止し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードA3と、前記進角室に潤滑油を供給し且つ前記遅角室から潤滑油を排出し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第1の供給状態に維持するモードA4とを備えるものであり、機関始動中には前記油圧制御弁の動作モードが前記モードA4に維持されることを要旨としている。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記油圧制御弁は、前記進角室及び前記遅角室及び前記中間室に対する潤滑油の供給状態を設定する動作モードとして、前記遅角室に潤滑油を供給し且つ前記進角室から潤滑油を排出し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードB1と、前記遅角室から潤滑油を排出し且つ前記進角室に潤滑油を供給し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードB2と、前記遅角室への潤滑油の供給及び前記遅角室からの潤滑油の排出を停止し且つ前記進角室への潤滑油の供給及び前記進角室からの潤滑油の排出を停止し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードB3と、前記遅角室に潤滑油を供給し且つ前記進角室から潤滑油を排出し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第1の供給状態に維持するモードB4とを備えるものであり、機関始動中には前記油圧制御弁の動作モードが前記モードB4に維持されることを要旨としている。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項2または3に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記中間室に対する潤滑油の供給状態が前記第1の供給状態に設定されるとき、前記進角室に対する潤滑油の供給状態として、少なくとも2つの供給状態を備え、内燃機関の始動信号が出力されたとき、前記中間室に対する潤滑油の供給状態は前記第1の供給状態に設定されるとともに、前記進角室に対する潤滑油の供給状態は、前記少なくとも2つの供給状態のうち、前記進角室に対する潤滑油の供給量が多い供給状態であることを要旨としている。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項2または4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記中間室に対する潤滑油の供給状態が前記第1の供給状態に設定されるとき、前記遅角室に対する潤滑油の供給状態として、少なくとも2つの供給状態を備え、内燃機関の始動信号が出力されたとき、前記中間室に対する潤滑油の供給状態は前記第1の供給状態に設定されるとともに、前記遅角室に対する潤滑油の供給状態は、前記少なくとも2つの供給状態のうち、前記遅角室に対する潤滑油の供給量が多い供給状態であることを要旨としている。
本発明の内燃機関の可変動弁装置を具体化した第1実施形態について、同装置を備える内燃機関の構成の断面構造を示す断面図。 (A)同実施形態のバルブタイミング可変機構について、その平面構造を示す平面図。(B)同バルブタイミング可変機構について、図2(A)のD−D線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態のバルブタイミング可変機構について、図2(A)のE−E線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態のバルブタイミング可変機構について、図2(A)のE−E線に沿うハウジング及びベーンロータの断面構造を平面上に展開してこれを模式的に示す模式図。 同実施形態の潤滑装置及びバルブタイミング可変機構について、これらの間における潤滑油路の構成を模式的に示す模式図。 (A)同実施形態のオイルコントロールバルブについて、その動作モードとバルブタイミング可変機構に対する潤滑油供給態様との関係を示すテーブル。(B)同オイルコントロールバルブについて、その動作モードとバルブタイミング可変機構の動作態様と中間ロックピンの動作態様と室間連通路の動作態様との関係を示すテーブル。 同実施形態の電子制御装置により実行される「第1潤滑油供給処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 本発明の内燃機関の可変動弁装置を具体化した第2実施形態について、潤滑装置及びバルブタイミング可変機構の間における潤滑油路の構成を模式的に示す模式図。 (A)同実施形態の第1オイルコントロールバルブについて、その動作モードとバルブタイミング可変機構に対する潤滑油供給態様との関係を示すテーブル。(B)同実施形態の第2オイルコントロールバルブについて、その動作モードとバルブタイミング可変機構に対する潤滑油供給態様との関係を示すテーブル。(C)第1オイルコントロールバルブ及び第2オイルコントロールバルブについて、その動作モードとバルブタイミング可変機構の動作態様と中間ロックピンの動作態様と室間連通路の動作態様との関係を示すテーブル。 同実施形態の電子制御装置により実行される「第2潤滑油供給処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 各実施形態のバルブタイミング可変機構の変形例について、ハウジング及びベーンロータの断面構造を平面上に展開してこれを模式的に示す模式図。
(第1実施形態)
図1〜図7を参照して、本発明の内燃機関の可変動弁装置について、これを吸気バルブのバルブタイミングを変更する可変動弁装置として具体化した第1実施形態について説明する。
図1に示されるようにエンジン10には、空気及び燃料からなる混合気の燃焼を通じて動力を得るエンジン本体20と、吸気バルブ31のバルブタイミングを変更するバルブタイミング可変機構40と、エンジン本体20及びバルブタイミング可変機構40に潤滑油を供給する潤滑装置70と、これら装置を統括的に制御する電子制御装置80とが設けられている。
エンジン本体20には、インジェクタ27を介して燃焼室23に供給された燃料と吸気装置を通じて燃焼室23内に供給された空気との混合気を燃焼させるシリンダブロック21が設けられている。このシリンダブロック21には、燃焼室23を形成するシリンダ24が設けられている。このシリンダ24内には、ピストン25が設けられている。このピストン25の往復運動はクランクシャフト26の回転運動に変換される。
シリンダブロック21の下部には、エンジン10の各部位に供給される潤滑油を貯留するオイルパン71が取り付けられている。シリンダブロック21の上部には、動弁系の部品が配置されるシリンダヘッド22が取り付けられている。
シリンダヘッド22には、燃焼室23に対して吸気ポートを開閉する吸気バルブ31と、燃焼室23に対して排気ポートを開閉する排気バルブ33とが設けられている。吸気バルブ31上方には、これを吸気カムにより押し下げる吸気カムシャフト32が設けられている。排気バルブ33上方には、これを排気カムにより押し下げる排気カムシャフト34が設けられている。これら吸気カムシャフト32及び排気カムシャフト34は、タイミングチェーンを介してクランクシャフト26に駆動連結されている。
潤滑装置70は、オイルパン71の潤滑油を潤滑油路74によりエンジン本体20の各潤滑部位に供給する。この潤滑油路74の途中には、オイルパン71から潤滑油を汲み上げてこれを吐出するオイルポンプ72が設けられている。オイルポンプ72により吐出された潤滑油は、潤滑油路74を通過してエンジン10の各部位に供給され、その一部はオイルコントロールバルブ73を介してバルブタイミング可変機構40に供給される。また、エンジン10の各部位を流通した後の潤滑油及びバルブタイミング可変機構40から排出された潤滑油は再びオイルパン71に戻される。なお、本実施形態においては、バルブタイミング可変機構40及びオイルコントロールバルブ73及び電子制御装置80を含めて可変動弁装置が構成されている。
電子制御装置80は、アクセルポジションセンサ81、スロットルポジションセンサ82、クランクポジションセンサ83、及びカムポジションセンサ84をはじめとする各種センサからの信号に基づいて機関運転状態及び車両走行状態及び運転者の要求を把握したうえで、次のような制御を行う。すなわち、吸気流量を調整するスロットル制御、及びインジェクタ27による燃料噴射量を調整する噴射制御、及びオイルコントロールバルブ73の制御を通じて吸気バルブ31のバルブタイミング(以下、「バルブタイミングVT」)を調整するバルブタイミング制御をはじめとする各種の制御を行う。
アクセルポジションセンサ81は、車両のアクセルペダルの踏み込み量に応じた信号を出力する。スロットルポジションセンサ82は、スロットルバルブの開度に応じた信号を出力する。クランクポジションセンサ83は、クランクシャフト26の回転速度(以下、「機関回転速度NE」)に応じた信号を出力する。カムポジションセンサ84は、クランクシャフト26の回転角度に応じた信号を出力する。
ここでバルブタイミング制御においては、機関運転状態に基づいてバルブタイミングVTの目標値(以下、「目標バルブタイミングVTT」)を算出し、またクランクポジションセンサ83及びカムポジションセンサ84の出力に基づいてそのときどきのバルブタイミングVTを算出し、実際のバルブタイミングVTを上記算出した目標バルブタイミングVTTに維持すべくオイルコントロールバルブ73を制御する。
図2を参照して、バルブタイミング可変機構40の構成について説明する。なお図2(A)は、ハウジング41からカバーを取り外した状態での同可変機構40の平面構造を示す。また同図において矢印Xは、吸気カムシャフト32及びバルブタイミング可変機構40の回転方向を示す。また図2(B)は、図2(A)のD−D線に沿う断面構造を平面上に展開したものを示している。
バルブタイミング可変機構40は、タイミングチェーンを介してクランクシャフト26と連結されることにより同シャフト26に同期して回転するスプロケット42と、吸気カムシャフト32の端部に固定されることにより同シャフト32に同期して回転するベーンロータ44とにより構成されている。スプロケット42の内側には、これと一体をなす態様で回転するハウジング41が設けられている。
ハウジング41には、径方向においてベーンロータ44に向けて突出する3つの区画壁43が設けられている。またベーンロータ44には、ハウジング41に向けて突出する3つのベーン45が設けられている。隣り合う区画壁43の間にある空間は、対応する一のベーン45により進角室46及び遅角室47に区画されている。
進角室46は、ベーン45を基準としたときにこれよりも吸気カムシャフト32の回転方向後方側に位置するものであり、潤滑装置70による潤滑油の供給状態に応じて容積が変化するものである。一方の遅角室47は、ベーン45を基準としたときにこれよりも吸気カムシャフト32の回転方向前方側に位置するものであり、進角室46と同じく潤滑装置70による潤滑油の供給状態に応じて容積が変化するものである。
バルブタイミング可変機構40は、上記の構成に基づいてハウジング41及びスプロケット42に対するベーンロータ44の回転位相を変更することにより、バルブタイミングVTを変化させる。同可変機構40によるバルブタイミングVTの変更は具体的には以下のように行われる。
進角室46への潤滑油の供給及び遅角室47からの潤滑油の排出により、ベーンロータ44がハウジング41に対して進角側すなわち吸気カムシャフト32の回転方向前方側に回転するとき、バルブタイミングVTは進角側に変化する。ベーンロータ44がハウジング41に対して最大限に進角側に回転したとき、バルブタイミングVTは最も進角側のタイミング(以下、「最進角VTmax」)に設定される。以降では、このときのハウジング41に対するベーンロータ44の回転位相を「最進角位相PH」とする。なお、ベーンロータ44が最大限に進角側に回転したときの位置としては、ベーン45が遅角室47側の区画壁43に突き当てられる位置、あるいはベーン45が遅角室47側の区画壁43付近にある位置を設定することができる。
進角室46からの潤滑油の排出及び遅角室47への潤滑油の供給により、ベーンロータ44がハウジング41に対して遅角側すなわち吸気カムシャフト32の回転方向後方側に回転するとき、バルブタイミングVTは遅角側に変化する。ベーンロータ44がハウジング41に対して最大限に遅角側に回転したとき、バルブタイミングVTは最も遅角側のタイミング(以下、「最遅角VTmin」)に設定される。以降では、このときのハウジング41に対するベーンロータ44の回転位相を「最遅角位相PL」とする。なお、ベーンロータ44が最大限に遅角側に回転したときの位置としては、ベーン45が進角室46側の区画壁43に突き当てられる位置、あるいはベーン45が進角室46側の区画壁43付近にある位置を設定することができる。
進角室46及び遅角室47のそれぞれと潤滑装置70との間における潤滑油の流通が遮断されることにより、すなわち進角室46及び遅角室47のそれぞれに潤滑油が保持されることにより、ハウジング41とベーンロータ44との相対的な回転が不能とされるとき、バルブタイミングVTはそのときのタイミングに維持される。
バルブタイミング可変機構40には、進角室46及び遅角室47の油圧にかかわらずハウジング41に対するベーンロータ44の回転を規制して、バルブタイミングVTを最進角VTmaxと最遅角VTminとの間にある特定のタイミング(以下、「中間角VTmdl」)に固定する中間ロック機構50が設けられている。この中間角VTmdlとしてはエンジン10の始動に適したタイミングが設定されている。すなわち、機関始動時においてバルブタイミングVTを中間角VTmdlに設定した場合とこれよりも遅角側のタイミングに設定した場合とを比較したとき、前者の方がより高い始動性が確保されるようになる。
中間ロック機構50は、潤滑装置70からの潤滑油の供給に基づいて動作し、ハウジング41に対するベーンロータ44の回転位相が中間角VTmdlに対応する回転位相(以下、「中間位相PM」)にあるときに、ハウジング41とベーンロータ44とを互いに固定してバルブタイミングVTを中間角VTmdlに保持する。
図2(B)に示されるように、中間ロック機構50は具体的には、ベーン45に設けられて中間ロックピン51を収容する収容室52と、ベーン45に設けられた中間ロックピン51と、ベーン45に設けられて中間ロックピン51を一方向に押すロックばね53と、収容室52に設けられて潤滑装置70により潤滑油が供給される中間室52Aと、収容室52に設けられてロックばね53を収容するばね室52Bと、中間ロックピン51に設けられた中間連通路52Cと、ハウジング41に設けられた中間ロック穴54とにより構成されている。なお、収容室は、中間室52A及びばね室52B及び中間連通路52Cにより形成されている。また、中間ロックピン51には径の小さい部分(以下、「ピン小径部51A」)と径の大きい部分(以下、「ピン大径部51B」)が設けられている。
中間ロックピン51は、中間室52Aの潤滑油の力とロックばね53の力との関係に基づいて、ベーン45から突出する方向(以下、「突出方向」)とベーン45に引き込む方向(以下、「収容方向」)との間で動作する。中間室52Aの油圧は、中間ロックピン51に対して収容方向に作用し、ロックばね53の力は、中間ロックピン51に対して突出方向に作用する。以降では、中間ロックピン51の位置について、ベーン45から突出して中間ロック穴54にはめ込まれた位置を「突出位置」とし、ベーン45に引き込まれてベーン45に収容された位置を「収容位置」とする。
潤滑装置70により中間室52Aに対して潤滑油が供給されて中間室52Aが潤滑油にて満たされるとき、すなわち中間室52Aに対する潤滑油の供給状態が第2の供給状態にあるとき、中間室52Aの潤滑油による収容方向の力により、中間ロックピン51に対してはこれを収容方向に移動させようとする力が生じるようになる。そして、中間ロックピン51が突出位置のもとで中間ロックピン51に対して収容方向の力が作用するとき、中間ロックピン51が中間ロック穴54から離脱してベーン45内に収容される。これにより、中間ロックピン51と中間ロック穴54との係合によるハウジング41とベーンロータ44との固定が解除されて、ハウジング41に対するベーンロータ44の回転が許容される。
一方、潤滑装置70により中間室52Aから潤滑油が排出されて中間室52Aが潤滑油により満たされないとき、すなわち中間室52Aに対する潤滑油の供給状態が第1の供給状態にあるとき、ロックばね53による突出方向の力が中間室52Aの潤滑油による収容方向の力を上回るようになる。これにより、中間ロックピン51に対してはこれを突出方向に移動させようとする力が生じるようになる。そして、この状態のもとでハウジング41に対するベーンロータ44の回転位相が中間位相PMにあるとき、すなわち中間ロックピン51と中間ロック穴54との周方向の位置が一致しているとき、中間ロックピン51がベーン45から突出して中間ロック穴54にはめ込まれる。これにより、中間ロックピン51と中間ロック穴54との係合を通じてハウジング41とベーンロータ44とが互いに固定されるため、これらの相対的な回転位相は中間位相PMに保持される。
こうした中間ロック機構50を備えるエンジン10においては、次回の機関始動時の始動性を確保するために基本的には今回の機関停止時に中間ロック機構50によるバルブタイミングVTの固定を行う。すなわち、イグニッションスイッチのオンからオフへの切替操作に基づく機関停止要求が検出されたとき、同要求に基づく機関停止動作を開始する前にバルブタイミングVTを中間角VTmdlに設定のうえ、中間ロック機構50によりベーンロータ44の回転位相を固定する。そして、この中間ロック機構50による回転位相の固定が完了した後に機関運転の停止を行う。これにより、次回の機関始動時にはバルブタイミングVTが中間ロック機構50によりすでに中間角VTmdlに維持された状態にあるため、良好な始動性のもとにエンジン10を始動させることができるようになる。
ところで、機関停止中にはバルブタイミング可変機構40の進角室46及び遅角室47の潤滑油が同可変機構40の外部に流れ出るため、多くの場合、次回の機関始動時において進角室46及び遅角室47は潤滑油により十分に満たされていない状態にある。このため、機関始動完了後にバルブタイミングVTの変更を行うにあたり、まずは進角室46及び遅角室47を潤滑油により満たすことが必要となる。
一方、中間ロック機構50を備える当該エンジン10においては、少なくとも機関始動が完了するまではバルブタイミングVTが中間角VTmdlに保持されるため、すなわちバルブタイミングVTを変更する要求が設定されることはないため、格別の制御を行わない限りは進角室46及び遅角室47への潤滑油の供給が開始される時期は機関始動完了後となる。
このため、機関始動完了直後において進角室46及び遅角室47が潤滑油により十分に満たされるまでの期間は、バルブタイミングVTを進角または遅角しようにもこれに応じることができないようになる。
そこで本実施形態では、中間ロックピン51が突出位置にあるときに進角室46と遅角室47とを互いに連通する連通機構をバルブタイミング可変機構40に設けるようにしている。すなわち、この連通機構は中間ロックピン51が突出位置にあるときに単一の通路を形成することにより進角室46と遅角室47とを連通するようになるため、進角室46及び遅角室47の一方に潤滑油が供給される場合において、進角室46及び遅角室47に潤滑油を供給することができるようになる。なお、連通機構は中間ロックピン51の設けられたベーン45と中間ロックピン51により構成される。
図3を参照して、こうした連通機構の構造の詳細について説明する。なお図3は、図2(A)のE−E線に沿う断面構造を平面上に展開したものを示している。
図3に示されるように、中間ロックピン51を有するベーン45には、中間ロックピン51が突出位置のときに進角室46と遅角室47とを連通する室間連通路60が設けられている。この室間連通路60は、遅角室47と収容室52の一部としての中間連通路52Cとを連通する第1連通路61と、進角室46と中間連通路52Cとを連通する第2連通路62と、中間ロックピン51の中間連通路52Cとにより構成される。
図3(A)に示されるように、中間ロックピン51が収容位置のときに同ピン51のピン大径部51Bが第1連通路61及び第2連通路62の間に位置するとき、すなわち、第1連通路61及び第2連通路62の間がピン大径部51Bにより遮断されるとき、進角室46及び遅角室47の間は遮断される。このとき、潤滑油が進角室46及び遅角室47の一方に供給される場合において、第1連通路61及び第2連通路62の一方に供給された潤滑油は中間ロックピン51により遮断されるため他方への流通が禁止される。
一方で、図3(B)に示されるように、中間ロックピン51が突出位置のときに同ピン51のピン小径部51Aが第1連通路61及び第2連通路62の間に位置するとき、すなわち、第1連通路61及び中間連通路52C及び第2連通路62が連通するとき、進角室46及び遅角室47の間が連通される。これにより、潤滑油が進角室46及び遅角室47の一方に供給される場合において、第1連通路61及び第2連通路62の一方に供給された潤滑油は中間連通路52Cを介して他方にも流通して供給されるようになる。
こうした連通機構を備える当該バルブタイミング可変機構40によれば、中間ロックピン51が突出位置にあるときに進角室46と遅角室47とが互いに連通されるため、潤滑装置70によりこれら進角室46及び遅角室47の一方に対する潤滑油の供給が行われることにより、他方の室にも潤滑油が供給されるようになる。すなわち、機関始動時において中間ロック機構50によりバルブタイミングVTが中間角VTmdlに固定された状態のもと、進角室46及び遅角室47の一方に対して潤滑油が供給されたときにも同様に他方の室に潤滑油が供給されるようになる。従って、機関始動中にバルブタイミングVTが中間角VTmdlに維持されるときに進角室46及び遅角室47に潤滑油を供給することができるようになる。
図4に、バルブタイミング可変機構40の断面構造を模式的に示す。なお同図は、図2(A)のE−E線に沿うバルブタイミング可変機構40の断面構造を平面上に展開したものについて、これを模式的に示している。
ハウジング41に対するベーンロータ44の回転位相について、これを図4(A)に示される最進角位相PHから図4(B)に示される最遅角位相PLまでの間にて変更するときには、中間ロックピン51は収容位置に維持される。また、ベーンロータ44の回転位相が中間位相PMにあるときであっても、中間室52Aへの潤滑油の供給にともない中間ロックピン51がベーン45内に収容されている限りは、図4(C)に示されるようにベーンロータ44の回転位相が中間位相PMに固定されることはない。
一方、ベーンロータ44の回転位相が中間位相PMにあるときに、中間室52Aから潤滑油の排出が行われて中間ロックピン51に対して突出方向の力が作用するときには、図4(D)に示されるようにロックばね53の付勢により中間ロックピン51がベーン45から突出して中間ロック穴54にはめ込まれ、これによりベーンロータ44が中間位相PMに保持される。
ここで、図4(A)〜(C)においては、中間ロックピン51が収容位置に維持されていることから第1連通路61及び第2連通路62の間は同ピン51のピン大径部51Bによって遮断される。すなわち、中間ロックピン51の収容位置においては、ベーンロータ44の回転位相がいかなる位相にあるときにでも潤滑油が進角室46と遅角室47との間を流通することが禁止される。一方で、図4(D)において、中間ロックピン51が突出位置に維持されているときには同ピン51のピン小径部51Aが第1連通路61及び第2連通路62の間に位置することから第1連通路61及び中間連通路52C及び第2連通路62が連通され、進角室46及び遅角室47が連通される。すなわち、中間ロックピン51の突出位置においては、ベーンロータ44の回転位相が中間位相PMに固定されるとともに、進角室46及び遅角室47の一方に潤滑油が供給されるとき、第1連通路61及び第2連通路62の一方に供給された潤滑油は中間連通路52Cを介して他方にも流通して供給されるようになる。
図5を参照して、バルブタイミング可変機構40と潤滑装置70との間における潤滑油の流通態様について説明する。なお同図は、これら装置の間における油路の構成を模式的に示している。
潤滑装置70は、オイルパン71及びオイルポンプ72及びオイルコントロールバルブ73と、これらの間で互いに潤滑油を流通させる潤滑油路74とを含めて構成されている。またこの潤滑油路74として、オイルパン71からオイルコントロールバルブ73(図中ではOCVと表記)に潤滑油を供給する供給油路75と、オイルコントロールバルブ73からオイルパン71に潤滑油を還流する排出油路76と、オイルコントロールバルブ73と各進角室46との間で潤滑油を流通する進角油路77と、オイルコントロールバルブ73と各遅角室47との間で潤滑油を流通する遅角油路78と、オイルコントロールバルブ73と中間室52Aとの間で潤滑油を流通する中間油路79とが設けられている。
進角油路77及び遅角油路78及び中間油路79はそれぞれ、オイルコントロールバルブ73と進角室46及び遅角室47及び中間室52Aのいずれか対応するものとを直接的に接続している。すなわち中間油路79は、進角室46及び遅角室47のいずれも介することなく潤滑油をオイルコントロールバルブ73との間で流通させる油路として形成されている。
オイルコントロールバルブ73は、供給油路75及び排出油路76と進角油路77及び遅角油路78及び中間油路79との接続状態を切り替えることにより、進角室46及び遅角室47及び中間室52Aに対する潤滑油の供給状態を第1モード〜第5モードのいずれかに設定することができる。
図6に、オイルコントロールバルブ73の各動作モードと進角室46及び遅角室47及び中間室52Aに対する潤滑油供給態様との関係(図6(A))、並びに各動作モードとバルブタイミング可変機構40(図中ではVVTと表記)及び中間ロックピン51及び室間連通路60の動作態様との関係(図6(B))について、これらのまとめを示す。
第1モードにおいては、オイルポンプ72からの潤滑油が供給油路75及び進角油路77の順に流通して進角室46に供給される。また、遅角室47の潤滑油が遅角油路78及び排出油路76の順に流通してオイルパン71に還流される。また、オイルポンプ72からの潤滑油が供給油路75及び中間油路79の順に流通して中間室52Aに供給される。これにより、中間ロックピン51が収容位置となり、第1連通路61及び第2連通路62の間は同ピン51のピン大径部51Bが位置することにより遮断され進角室46から遅角室47への潤滑油の流通が禁止される。
第2モードにおいては、進角室46の潤滑油が進角油路77及び排出油路76の順に流通してオイルパン71に還流される。また、オイルポンプ72からの潤滑油が供給油路75及び遅角油路78の順に流通して遅角室47に供給される。また、オイルポンプ72からの潤滑油が供給油路75及び中間油路79の順に流通して中間室52Aに供給される。これにより、中間ロックピン51が収容位置となり、第1連通路61及び第2連通路62の間は同ピン51のピン大径部51Bが位置することにより遮断され進角室46から遅角室47への潤滑油の流通が禁止される。
第3モードにおいては、オイルポンプ72からオイルコントロールバルブ73を介しての進角室46への潤滑油の流れ、及び進角室46からオイルコントロールバルブ73を介してのオイルパン71への潤滑油の流れはいずれも遮断される。また、オイルポンプ72からオイルコントロールバルブ73を介しての遅角室47への潤滑油の流れ、及び遅角室47からオイルコントロールバルブ73を介してのオイルパン71への潤滑油の流れはいずれも遮断される。一方、中間室52Aについては、オイルポンプ72からの潤滑油が供給油路75及び中間油路79の順に流通して供給される。これにより、中間ロックピン51が収容位置となり、第1連通路61及び第2連通路62の間は同ピン51のピン大径部51Bが位置することにより遮断され進角室46及び遅角室47間の潤滑油の流通が禁止される。
第4モードにおいては、オイルポンプ72からの潤滑油が供給油路75及び進角油路77の順に流通して進角室46に供給される。また、遅角室47の潤滑油が遅角油路78及び排出油路76の順に流通してオイルパン71に還流される。また、中間室52Aの潤滑油が中間油路79及び排出油路76の順に流通してオイルパン71に還流される。これにより、中間ロックピン51が突出位置となり、第1連通路61及び第2連通路62の間は同ピン51のピン小径部51Aが位置することにより連通され、すなわち、第1連通路61及び中間連通路52C及び第2連通路62により単一の通路である室間連通路60が形成され、進角室46から遅角室47への潤滑油の流通が許容される。
第5モードにおいては、オイルポンプ72からの潤滑油が供給油路75及び進角油路77の順に流通して進角室46に供給される。また、遅角室47の潤滑油が遅角油路78及び排出油路76の順に流通してオイルパン71に還流される。また、中間室52Aの潤滑油が中間油路79及び排出油路76の順に流通してオイルパン71に還流される。また、進角室46への潤滑油の供給量は第1モード及び第4モードでの供給量よりも大きくなる。すなわち、進角室46に対する潤滑油の供給量は複数あるモードのうち最大となる。そして当該モードによれば、第4モードと同様に中間ロックピン51が突出位置となり、第1連通路61及び第2連通路62の間は同ピン51のピン小径部51Aが位置することにより連通され、すなわち、第1連通路61及び中間連通路52C及び第2連通路62により単一の通路である室間連通路60が形成され、進角室46から遅角室47への潤滑油の流通が許容される。
図7を参照して、始動時に進角室46及び遅角室47に潤滑油を供給するための処理である「第1潤滑油供給処理」について、その処理手順の詳細を説明する。なお、この処理は、エンジン10の運転中において電子制御装置80により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
当該処理ではまず、ステップS110においてイグニッションスイッチのオフからオンへの切替操作が行われた旨判定したとき、すなわちエンジン10の始動要求が検出されたとき、ステップS120にてオイルコントロールバルブ73(図中ではOCVと表記)の動作モードを第5モードに設定する。これにより、進角室46への潤滑油の供給が最大供給量にて開始される。
そして、次のステップS130により機関始動が完了した旨判定し、且つステップS140により目標バルブタイミングVTTが中間角VTmdlとは別のものに設定されている旨判定したとき、ステップS150にてバルブタイミングVTを目標バルブタイミングVTTに向けて変更する。すなわち、目標バルブタイミングVTTが中間角VTmdlよりも進角側にあるときにはオイルコントロールバルブ73を第1モードに設定し、目標バルブタイミングVTTが中間角VTmdlよりも遅角側にあるときにはオイルコントロールバルブ73を第2モードに設定する。
ステップS160においてイグニッションスイッチのオンからオフへの切替操作が行われた旨判定したとき、すなわちエンジン10の停止要求が検出されたとき、ステップS170にてバルブタイミングVTを中間角VTmdlに向けて変更する。すなわち、バルブタイミングVTが中間角VTmdlよりも進角側にあるときにはオイルコントロールバルブ73を第2モードに設定してバルブタイミングVTを中間角VTmdlよりも遅角側のところまで変更し、その後にオイルコントロールバルブ73を第4モードもしくは第5モードに設定してバルブタイミングVTを中間角VTmdlに向けて変更する。一方、バルブタイミングVTが中間角VTmdlよりも遅角側にあるときには、オイルコントロールバルブ73を第4モードもしくは第5モードに設定してバルブタイミングVTを中間角VTmdlに向けて変更する。そして、いずれの場合にも中間ロックピン51が突出方向に移動しようとした状態にあることにより、バルブタイミングVTが中間角VTmdlと一致するときに中間ロックピン51が収容位置から突出位置に移行して中間ロック穴54にはめ込まれる。
そして、ステップS180においてバルブタイミングVTが中間角VTmdlに固定された旨判定したとき、ステップS190にてイグニッションスイッチの切替操作による停止要求に基づいてエンジン10の運転を停止する。これにより、次回の機関始動はバルブタイミングVTが中間角VTmdlに固定された状態のもとで行われる。
本実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、中間ロックピン51が突出位置にあるときに進角室46と遅角室47とが互いに連通されるため、潤滑装置70により進角室46に対する潤滑油の供給が行われることにより、遅角室47にも潤滑油が供給されるようになる。すなわち、機関始動時において中間ロック機構50によりバルブタイミングVTが中間角VTmdlに固定された状態のもと、進角室46に対して潤滑油が供給されたときにも同様に遅角室47に潤滑油が供給されるようになる。従って、中間ロックピン51が突出位置にあるときに進角室46及び遅角室47に潤滑油を供給することができるようになる。
(2)本実施形態では、オイルコントロールバルブ73の動作モードが第4モード及び第5モードに設定されるときに進角室46と遅角室47とが互いに連通されるため、進角室46に潤滑油の供給が行われることにより、遅角室47にも潤滑油が供給されるようになる。従って、オイルコントロールバルブ73の動作モードが第4モード及び第5モードに設定されているときに進角室46及び遅角室47に潤滑油を供給することができるようになる。
(3)本実施形態では、機関始動時におけるバルブタイミング可変機構40に対する潤滑油の供給モードを第5モードに設定しているため、すなわち、進角室46への潤滑油の供給量が最大となる供給モードに設定しているため、潤滑油の供給量が最大となる供給モードに設定していないときに比べて、進角室46に速やかに潤滑油を供給することができるようになる。
(4)本実施形態では、バルブタイミングVTが中間角VTmdlに固定された状態にあるときに進角室46及び遅角室47に潤滑油を供給することができるようになる。これにより、機関始動完了後にバルブタイミングVTを速やかに変更することができるようになる。
(第2実施形態)
図8〜図10を参照して、本発明の内燃機関の可変動弁装置について、これを吸気バルブのバルブタイミングを変更する可変動弁装置として具体化した第2実施形態について説明する。
本実施形態の可変動弁装置は、前記第1実施形態の構成に対して次の変更を加えたものとなっている。すなわち本実施形態の可変動弁装置には、単一のオイルコントロールバルブ73を有する前記第1実施形態の潤滑装置70に代えて、第1オイルコントロールバルブ91A及び第2オイルコントロールバルブ91Bを有する潤滑装置90が設けられている。第1オイルコントロールバルブ91Aとしては、進角室46及び遅角室47への潤滑油の供給または排出を行うものが、また第2オイルコントロールバルブ91Bとしては、中間室52Aへの潤滑油の供給または排出を行うものが設けられている。以下、この変更にともない生じる前記第1実施形態の構成からの詳細な変更について説明する。なお、前記第1実施形態と共通する構成については同一の符合を付してその説明を省略する。
そして、本実施形態の可変動弁装置においては、バルブタイミング可変機構40に先の第1実施形態にて説明した連通機構を設けるようにしているため、2つのオイルコントロールバルブを搭載する構成を採用したうえで進角室46及び遅角室47の双方に速やかに潤滑油を供給することができるようになる。
図8を参照して、バルブタイミング可変機構40と潤滑装置90との間における潤滑油の流通態様について説明する。なお同図は、これら装置の間における油路の構成を模式的に示している。
潤滑装置90は、オイルパン71及びオイルポンプ72及び第1オイルコントロールバルブ91A(図中ではOCV1と表記)及び第2オイルコントロールバルブ91B(図中ではOCV2と表記)と、これらの間で互いに潤滑油を流通させる潤滑油路92とを含めて構成されている。また、この潤滑油路92として、オイルパン71から第1オイルコントロールバルブ91Aに潤滑油を供給する第1供給油路93と、第1オイルコントロールバルブ91Aからオイルパン71に潤滑油を還流する第1排出油路94と、第1オイルコントロールバルブ91Aと各進角室46との間で潤滑油を流通する進角油路97と、第1オイルコントロールバルブ91Aと各遅角室47との間で潤滑油を流通する遅角油路98とが設けられている。また、オイルパン71から第2オイルコントロールバルブ91Bに潤滑油を供給する第2供給油路95と、第2オイルコントロールバルブ91Bからオイルパン71に潤滑油を還流する第2排出油路96と、第2オイルコントロールバルブ91Bと中間室52Aとの間で潤滑油を流通する中間油路99とが設けられている。
第1オイルコントロールバルブ91Aが第1供給油路93及び第1排出油路94と進角油路97及び遅角油路98との接続状態を切り替えることにより、進角室46及び遅角室47に対する潤滑油の供給状態を第1モード〜第3モードのいずれかに設定することができる。また、第2オイルコントロールバルブ91Bが第2供給油路95及び第2排出油路96と中間油路99との接続状態を切替えることにより、中間室52Aに対する潤滑油の供給状態を第1モードまたは第2モードに設定することができる。
図9に第1オイルコントロールバルブ91A(図中ではOCV1と表記)の各動作モードと進角室46及び遅角室47に対する潤滑油供給態様との関係(図9(A))、並びに第2オイルコントロールバルブ91B(図中ではOCV2と表記)の各動作モードと中間室52Aに対する潤滑油供給態様との関係(図9(B))、並びに第1オイルコントロールバルブ91Aの各動作モードと第2オイルコントロールバルブ91Bの各動作モードとバルブタイミング可変機構40(図中ではVVTと表記)及び中間ロックピン51及び室間連通路60の動作態様との関係(図9(C))について、これらのまとめを示す。
図9(C)について、第1モードにおいては、オイルポンプ72からの潤滑油が第1供給油路93及び進角油路97の順に流通して進角室46に供給される。また、遅角室47の潤滑油が遅角油路98及び第1排出油路94の順に流通してオイルパン71に還流される。また、オイルポンプ72からの潤滑油が第2供給油路95及び中間油路99の順に流通して中間室52Aに供給される。これにより、中間ロックピン51が収容位置となり、第1連通路61及び第2連通路62の間は同ピン51のピン大径部51Bが位置することにより遮断され進角室46から遅角室47への潤滑油の流通が禁止される。
図9(C)について、第2モードにおいては、進角室46の潤滑油が進角油路97及び第1排出油路94の順に流通してオイルパン71に還流される。また、オイルポンプ72からの潤滑油が第1供給油路93及び遅角油路98の順に流通して遅角室47に供給される。また、中間室52Aの潤滑油が中間油路99及び第2排出油路96の順に流通してオイルパン71に還流される。これにより、中間ロックピン51が突出位置となり、第1連通路61及び第2連通路62の間は同ピン51のピン小径部51Aが位置することにより連通され、すなわち、第1連通路61及び中間連通路52C及び第2連通路62により単一の通路である室間連通路60が形成され、進角室46から遅角室47への潤滑油の流通が許容される。
図9(C)について、第3モードにおいては、オイルポンプ72からの潤滑油が第1供給油路93及び進角油路97の順に流通して進角室46に供給される。また、遅角室47の潤滑油が遅角油路98及び第1排出油路94の順に流通してオイルパン71に還流される。また、中間室52Aの潤滑油が中間油路99及び第2排出油路96の順に流通してオイルパン71に還流される。これにより、中間ロックピン51が突出位置となり、第1連通路61及び第2連通路62の間は同ピン51のピン小径部51Aが位置することにより連通され、すなわち、第1連通路61及び中間連通路52C及び第2連通路62により単一の通路である室間連通路60が形成され、進角室46から遅角室47への潤滑油の流通が許容される。
図9(C)について、第4モードにおいては、オイルポンプ72から第1オイルコントロールバルブ91Aを介しての進角室46への潤滑油の流れ、及び進角室46から第1オイルコントロールバルブ91Aを介してのオイルパン71への潤滑油の流れはいずれも遮断される。また、オイルポンプ72から第1オイルコントロールバルブ91Aを介しての遅角室47への潤滑油の流れ、及び遅角室47から第1オイルコントロールバルブ91Aを介してのオイルパン71への潤滑油の流れはいずれも遮断される。一方、中間室52Aについては、オイルポンプ72からの潤滑油が第2供給油路95及び中間油路99の順に流通して供給される。これにより、中間ロックピン51が収容位置となり、第1連通路61及び第2連通路62の間は同ピン51のピン大径部51Bが位置することにより遮断され進角室46から遅角室47への潤滑油の流通が禁止される。
図10を参照して、始動時に進角室46及び遅角室47に潤滑油を供給するための処理である「第2潤滑油供給処理」について、その処理手順の詳細を説明する。なお、この処理は、エンジン10の運転中において電子制御装置80により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
当該処理ではまず、ステップS210においてイグニッションスイッチのオフからオンへの切替操作が行われた旨判定したとき、すなわちエンジン10の始動要求が検出されたとき、ステップS220にて第1オイルコントロールバルブ91A(図中ではOCV1と表記)の動作モードを第1モード及び第2モードのいずれかに設定し、第2オイルコントロールバルブ91B(図中ではOCV2と表記)の動作モードを第1モードに設定する。これにより、進角室46及び遅角室47のいずれかへの潤滑油の供給が開始される。
そして、次のステップS230により機関始動が完了した旨判定し、且つステップS240により目標バルブタイミングVTTが中間角VTmdlとは別のものに設定されている旨判定したとき、ステップS250にてバルブタイミングVTを目標バルブタイミングVTTに向けて変更する。すなわち、目標バルブタイミングVTTが中間角VTmdlよりも進角側にあるときには第1オイルコントロールバルブ91Aの動作モードを第1モードに設定し、第2オイルコントロールバルブ91Bの動作モードを第2モードに設定する。目標バルブタイミングVTTが中間角VTmdlよりも遅角側にあるときには第1オイルコントロールバルブ91Aの動作モードを第2モードに設定し、第2オイルコントロールバルブ91Bの動作モードを第2モードに設定する。
ステップS260においてイグニッションスイッチのオンからオフへの切替操作が行われた旨判定したとき、すなわちエンジン10の停止要求が検出されたとき、ステップS270にてバルブタイミングVTを中間角VTmdlに向けて変更する。すなわち、バルブタイミングVTが中間角VTmdlよりも進角側にあるときには第1オイルコントロールバルブ91Aの動作モードを第2モードに設定し、第2オイルコントロールバルブ91Bの動作モードを第1モードに設定する。バルブタイミングVTが中間角VTmdlよりも遅角側にあるときには、第1オイルコントロールバルブ91Aの動作モードを第1モードに設定し、第2オイルコントロールバルブ91Bの動作モードを第1モードに設定する。そして、いずれの場合にも中間ロックピン51が突出方向に移動しようとした状態にあることにより、バルブタイミングVTが中間角VTmdlと一致するときに中間ロックピン51が収容位置から突出位置に移行して中間ロック穴54にはめ込まれる。
そして、ステップS280においてバルブタイミングVTが中間角VTmdlに固定された旨判定したとき、ステップS290にてイグニッションスイッチの切替操作による停止要求に基づいてエンジン10の運転を停止する。これにより、次回の機関始動はバルブタイミングVTが中間角VTmdlに固定された状態のもとで行われる。
本実施形態の内燃機関の可変動弁装置によれば、以下の効果に加えて先の第1実施形態による前記(1)及び(4)の効果に準じた効果を奏することができる。
(5)本実施形態では、第2オイルコントロールバルブ91Bの動作モードが第1モードに設定されるときに進角室46と遅角室47とが互いに連通されるため、第1オイルコントロールバルブ91Aの動作モードが第1モードまたは第2モードに設定されるときに進角室46または遅角室47に潤滑油の供給が行われることにより、進角室46及び遅角室47に潤滑油を供給することができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。
・上記第1実施形態のオイルコントロールバルブ73に対して、さらに次の動作モードを加えることもできる。すなわち、進角室46に潤滑油を供給し且つ遅角室47への潤滑油の供給及び遅角室47からの潤滑油の排出を停止し且つ中間室52Aから潤滑油を排出する第6モードを備えることもできる。
・上記第1実施形態では、エンジン10の始動要求が検出されたときにオイルコントロールバルブ73の動作モードを第5モードに設定したが、始動要求が検出されたときのオイルコントロールバルブ73の動作モードの設定はこれに限られるものではない。すなわち、第4モードに設定することもできる。
・上記各実施形態では、連通機構として、ベーン45内部に第1連通路61及び第2連通路62が設けられるとともに中間ロックピン51に中間連通路52Cが設けられる構成としたが、連通機構の構成はこれに限られるものではない。例えば図11に示されるように、連通機構としては、中間ロックピン101の先端部をはめ込むことができる中間連通路104と遅角室47とを連通する第1連通路102と、中間連通路104と進角室46とを連通する第2連通路103とがハウジング41に設けられる構成としてもよい。この構成を採用した場合においても、図11(A)に示されるように中間ロックピン101が収容位置のときには、第1連通路102及び中間連通路104及び第2連通路103により形成される単一の通路により進角室46と遅角室47とが互いに連通される。一方、図11(B)に示されるように、中間ロックピン101が突出位置のときには、中間ロックピン101により第1連通路102及び中間連通路104及び第2連通路103が遮断されるため進角室46及び遅角室47の間が遮断される。要するに、中間ロックピンが突出位置のときに、進角室及び遅角室を連通することのできる構成であればよい。
・上記各実施形態では、中間ロック機構50の構成として、ベーンロータ44に中間室52A及びばね室52B及び中間連通路52Cにより構成される収容室52と、中間ロックピン51と、ロックばね53と、連通機構とを設けるとともにハウジング41に中間ロック穴54を設ける構成を採用したが、中間ロック機構の構成はこれに限られるものではない。例えば、ハウジング41に収容室52と、中間ロックピン51と、ロックばね53と、連通機構とを設け、ベーンロータ44に中間ロック穴54を設けることもできる。
・上記各実施形態では、中間ロックピン51に対する中間室52Aの油圧が解除されるときに同ピン51がベーン45から突出し得る状態に維持される構成としたが、中間室52Aとロックばね53との関係を上記各実施形態とは反対のものに設定することもできる。すなわち、中間室の油圧により中間ロックピン51を突出方向に動作させるとともに、ロックばね53の力により中間ロックピン51を収容方向に動作させる構成に変更することもできる。
・上記各実施形態では、吸気バルブ31のバルブタイミング可変機構40を備える可変動弁装置に対して本発明を適用したが、排気バルブのバルブタイミング可変機構を備える可変動弁装置に対しても上記実施形態に準じた態様をもって本発明を適用することはできる。
・バルブタイミング可変機構40及び中間ロック機構50の構成をはじめとして本発明の適用対象となる可変動弁装置の構成は上記各実施形態にて例示した内容に限られるものではない。要するに、バルブタイミングを変更するバルブタイミング可変機構と、中間ロックピンによりバルブタイミングを特定の中間角に固定する中間ロック機構と、これら機構に対する潤滑油の供給状態を制御する潤滑装置とを備えるものであれば、いずれの可変動弁装置に対しても本発明を適用することは可能であり、その場合にも上記各実施形態の作用効果に準じた作用効果を奏することはできる。
10…エンジン、20…エンジン本体、21…シリンダブロック、22…シリンダヘッド、23…燃焼室、24…シリンダ、25…ピストン、26…クランクシャフト、27…インジェクタ、31…吸気バルブ、32…吸気カムシャフト、33…排気バルブ、34…排気カムシャフト、40…バルブタイミング可変機構、41…ハウジング(入力側回転体、(係合側回転体))、42…スプロケット、43…区画壁、44…ベーンロータ(出力側回転体)、45…ベーン(収容側回転体)、46…進角室、47…遅角室、50…中間ロック機構(規制機構)、51…中間ロックピン(規制体)、51A…ピン小径部、51B…ピン大径部、52…収容室、52A…中間室、52B…ばね室、52C…中間連通路、53…ロックばね、54…中間ロック穴(規制穴)、60…室間連通路、61…第1連通路、62…第2連通路、70…潤滑装置(駆動機構)、71…オイルパン、72…オイルポンプ、73…オイルコントロールバルブ(油圧制御弁)、74…潤滑油路、75…供給油路、76…排出油路、77…進角油路、78…遅角油路、79…中間油路、80…電子制御装置、81…アクセルポジションセンサ、82…スロットルポジションセンサ、83…クランクポジションセンサ、84…カムポジションセンサ、90…潤滑装置、91A…第1オイルコントロールバルブ、91B…第2オイルコントロールバルブ、92…潤滑油路、93…第1供給油路、94…第1排出油路、95…第2供給油路、96…第2排出油路、97…進角油路、98…遅角油路、99…中間油路、100…連通機構、101…中間ロックピン、102…第1連通路、103…第2連通路、104…中間連通路。

Claims (6)

  1. 機関バルブとしての吸気バルブまたは排気バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間で変更する可変機構と、同機関バルブのバルブタイミングを最進角と最遅角との間にある特定の中間角に固定する規制機構と、前記可変機構の進角室及び前記可変機構の遅角室及び前記規制機構の中間室のそれぞれに対する潤滑油の供給状態を制御する駆動機構とを備え、
    前記規制機構は、前記中間室に対する潤滑油の供給状態が第1の供給状態に設定されることに基づいて自身の動作状態が固定状態にあるときに前記機関バルブのバルブタイミングを前記中間角に固定し、前記中間室に対する潤滑油の供給状態が第2の供給状態に設定されることに基づいて自身の動作状態が解除状態にあるときに前記機関バルブのバルブタイミングの前記中間角への固定を解除するものである内燃機関の可変動弁装置において、
    前記規制機構が固定状態にあるときに連通機構により前記進角室と前記遅角室とが互いに連通され
    前記規制機構が固定状態から解除状態に移行することにともない前記連通機構による前記進角室と前記遅角室との連通が解除され、
    前記可変機構は、内燃機関のクランクシャフトから伝達される力により回転する入力側回転体と、この入力側回転体から伝達される力により前記機関バルブのカムシャフトとともに回転する出力側回転体とを含めて構成され、これら入力側回転体及び出力側回転体の間に互いに区画されて前記進角室及び前記遅角室が設けられるものであり、
    前記規制機構は、前記入力側回転体及び前記出力側回転体の一方である収容側回転体の収容室に設けられて同収容室から突出した状態と同収容室に収容された状態との間で動作する規制体と、前記収容室の一部として設けられて前記駆動機構からの潤滑油が供給される前記中間室とを含めて構成されるものであり、
    前記規制体が突出した状態にあるときに前記連通機構により前記進角室と前記遅角室とが前記収容室を介して互いに連通され、
    前記連通機構は、前記規制体が突出した状態にあるときに前記遅角室と前記収容室とを互いに連通する第1連通路、及び前記規制体が突出した状態にあるときに前記進角室と前記収容室とを互いに連通する第2連通路を含めて構成され、
    前記連通機構は、前記収容室に設けられて前記規制体が突出した状態にあるときに前記第1連通路と前記第2連通路とを互いに接続する中間連通路を含めて構成されるものであり、前記規制体が突出した状態にあるときに前記第1連通路及び前記中間連通路及び前記第2連通路により形成される単一の通路により前記進角室と前記遅角室とを互いに連通するものであり、
    前記中間連通路は、前記規制体が前記収容室から突出した状態と前記収容室に収容された状態との間で切り替えられることにともない前記中間室内での位置が突出時位置と収容時位置との間で変化するものであり、突出時位置にあるときに前記第1連通路及び前記第2連通路の双方と連通し、収容時位置にあるときに前記第1連通路及び前記第2連通路のいずれとも連通しないものであり、
    前記進角室及び前記遅角室及び前記収容室は前記中間連通路のみを介して連通される、すなわち前記中間連通路により前記第1連通路と前記第2連通路とが互いに接続されるときに限り前記進角室及び前記遅角室及び前記収容室の間での潤滑油の流通が許容され、
    前記規制機構は、前記中間室に対する潤滑油の供給状態が前記第1の供給状態に設定されることに基づいて前記規制体を前記収容室から突出させるものであり、この突出した規制体が前記入力側回転体及び前記出力側回転体の他方である係合側回転体の規制穴にはめ込まれることにより前記機関バルブのバルブタイミングを前記中間角に固定する前記固定状態を維持するものであり、前記中間室に対する潤滑油の供給状態が前記第2の供給状態に設定されることに基づいて前記規制体を前記規制穴から離脱させて前記収容室に収容するものであり、この規制体の収容により前記バルブタイミングの中間角への固定を解除する前記解除状態を維持するものであり、
    機関始動時に前記規制機構によりバルブタイミングが中間角に固定され、且つこのバルブタイミングの固定中に前記進角室または前記遅角室への潤滑油の供給が行われ、
    機関始動が完了するまでは前記規制機構によりバルブタイミングが中間角に固定された状態に維持され、
    機関始動動作の開始にともない前記駆動機構による前記可変機構についての潤滑油の供給モードが前記進角室及び前記遅角室のいずれか一方のみに対して潤滑油を供給する供給モードに設定され、
    前記駆動機構は、前記進角室及び前記遅角室のいずれか一方のみに潤滑油を供給する供給モードとして複数のモードを有するものであり、
    機関始動動作の開始にともない設定される前記供給モードは、前記複数の供給モードのうち前記進角室及び前記遅角室の一方に対する潤滑油の供給量が最も大きいものである
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記駆動機構は、前記可変機構の進角室及び前記可変機構の遅角室及び前記規制機構の中間室のそれぞれに対する潤滑油の供給状態を単一の油圧制御弁により制御するものであり、前記油圧制御弁と前記可変機構及び前記規制機構との間で潤滑油を流通させる油路として、前記油圧制御弁及び前記進角室を接続する進角油路と、前記油圧制御弁及び前記遅角室を接続する遅角油路と、前記油圧制御弁及び前記中間室を接続する中間油路とを備えるものである
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記油圧制御弁は、前記進角室及び前記遅角室及び前記中間室に対する潤滑油の供給状態を設定する動作モードとして、
    前記進角室に潤滑油を供給し且つ前記遅角室から潤滑油を排出し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードA1と、
    前記進角室から潤滑油を排出し且つ前記遅角室に潤滑油を供給し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードA2と、
    前記進角室への潤滑油の供給及び前記進角室からの潤滑油の排出を停止し且つ前記遅角室への潤滑油の供給及び前記遅角室からの潤滑油の排出を停止し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードA3と、
    前記進角室に潤滑油を供給し且つ前記遅角室から潤滑油を排出し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第1の供給状態に維持するモードA4とを備えるものであり、
    機関始動中には前記油圧制御弁の動作モードが前記モードA4に維持される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  4. 請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記油圧制御弁は、前記進角室及び前記遅角室及び前記中間室に対する潤滑油の供給状態を設定する動作モードとして、
    前記遅角室に潤滑油を供給し且つ前記進角室から潤滑油を排出し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードB1と、
    前記遅角室から潤滑油を排出し且つ前記進角室に潤滑油を供給し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードB2と、
    前記遅角室への潤滑油の供給及び前記遅角室からの潤滑油の排出を停止し且つ前記進角室への潤滑油の供給及び前記進角室からの潤滑油の排出を停止し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第2の供給状態に維持するモードB3と、
    前記遅角室に潤滑油を供給し且つ前記進角室から潤滑油を排出し且つ前記中間室に対する潤滑油の供給状態を前記第1の供給状態に維持するモードB4とを備えるものであり、
    機関始動中には前記油圧制御弁の動作モードが前記モードB4に維持される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  5. 請求項2または3に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記中間室に対する潤滑油の供給状態が前記第1の供給状態に設定されるとき、前記進角室に対する潤滑油の供給状態として、少なくとも2つの供給状態を備え、
    内燃機関の始動信号が出力されたとき、前記中間室に対する潤滑油の供給状態は前記第1の供給状態に設定されるとともに、前記進角室に対する潤滑油の供給状態は、前記少なくとも2つの供給状態のうち、前記進角室に対する潤滑油の供給量が多い供給状態である
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  6. 請求項2または4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記中間室に対する潤滑油の供給状態が前記第1の供給状態に設定されるとき、前記遅角室に対する潤滑油の供給状態として、少なくとも2つの供給状態を備え、
    内燃機関の始動信号が出力されたとき、前記中間室に対する潤滑油の供給状態は前記第1の供給状態に設定されるとともに、前記遅角室に対する潤滑油の供給状態は、前記少なくとも2つの供給状態のうち、前記遅角室に対する潤滑油の供給量が多い供給状態である
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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