JP4888414B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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具体的には、金属シリサイド膜を有するゲート電極を形成する場合、金属とシリコンとが反応(シリサイド化)する温度に基板全体を保持させていた(例えば、非特許文献1参照)。
また、ゲート電極にドープする不純物の種類又は濃度を変えることによって、NMOS領域とPMOS領域において仕事関数の異なるゲート電極を作り分けていた(例えば、非特許文献2参照)。
また、ゲート電極を構成する金属シリサイド膜を形成する際に、選択する金属によっては、例えば600℃以上のようにシリサイド反応温度が高いものがある。この場合、シリサイド反応中に不純物拡散層の不純物が不活性化してしまい、トランジスタ能力が劣化してしまうという問題があった。
前記ゲート電極をマスクとして前記基板内に不純物を注入する工程と、
前記不純物の注入後、前記基板上の第1領域にマスク膜を形成する工程と、
前記マスク膜の形成後、前記マスク膜が形成されていない第2領域に光を照射することにより、前記第2領域の前記基板内に注入された不純物を活性化して第1拡散層を形成する第1照射工程と、
前記第1照射工程の後、前記マスク膜を除去する工程と、
前記マスク膜を除去した後、前記第1及び第2領域に光を照射することにより、前記第1領域の前記基板内に注入された不純物を活性化して第2拡散層を形成すると共に、前記第2領域の前記第1拡散層を該第2拡散層とは異なる品質にする第2照射工程とを含むことを特徴とする。
前記マスク膜が、前記可視光を反射する金属膜を含むことが好適である。
前記マスク膜が、前記可視光を吸収する材料からなる膜を含むことが好適である。
さらに、前記可視光の光量を反応対象が反応するために必要な光量未満にまで減衰できる膜厚で、前記マスク膜を形成することが好適である。
前記光の1回の照射時間が、0.1msec〜1.5msecであることが好適である。
本実施の形態1では、NMOS領域とPMOS領域に、異なる仕事関数を有するゲート電極を形成する場合について説明する。
図1〜図9は、本発明の実施の形態1による半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
先ず、図1に示すように、基板1としてのシリコン基板の分離領域に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法を用いて素子分離2を形成する。そして、この素子分離2により分離された活性領域に、NMOS用のウェル領域3と、PMOS用のウェル領域4を形成する。
そして、NMOS領域に形成されたNi膜14を覆うように、シリコン膜15を介して、マスク膜16としての反射膜を形成する。ここで、反射膜16は可視光(後述)を反射する膜である。反射膜16としては、例えば、Pt(白金)膜、Ir(イリジウム)膜、Mo(モリブデン)膜、Ni(ニッケル)膜、Co(コバルト)膜、W(タングステン)膜、Ti(チタン)膜、Hf(ハフニウム)膜、Zr(ジルコニウム)膜、Ta(タンタル)膜、Nb(ニオブ)膜、V(バナジウム)膜等の遷移金属の膜を用いることができる。
さらに、図6に示すように、光源から光を必要回数だけ照射する。このとき、NMOS領域では、反射膜16により光が反射され、シリコン膜15とNi膜14との反応は起こらない。一方、PMOS領域では、反射膜16が形成されていないため、光がシリコン膜15を透過してNi膜14に達し、シリコン膜15とNi膜14とが反応して、Niシリサイド膜17が形成される。ここで、光としては、波長300nm〜800nm程度の可視光が好適であり、光源としては、例えば、ウシオ電機社製のキセノン封入ランプ等を用いることができる。また、1回の光照射時間は、0.1msec〜1.5msecが好適であり、例えば、上記シリサイド反応の場合には、0.8msec〜1.5msecがより好適である。また、光のエネルギーは、10J/cm2〜40J/cm2が好適である。かかる光エネルギーにより、反応材料であるNi膜14が温度上昇を起こす。
図10は、光照射回数別のNiシリサイド膜の相変化を示す図(X線回折結果)である。
図10に示すように、光照射回数が1回又は2回の場合には、NiSi相であるのに対して、光照射回数が4回の場合には、Ni2Si相である。これより、光照射を1回又は2回行うことにより形成されたNiシリサイド膜と、光照射を4回行うことにより形成されたNiシリサイド膜とは、同一材料から形成されたにも関わらず、異なる相を有する。
また、本実施の形態1では、光照射によりNiシリサイド膜17,18を形成するため、シリサイド反応温度が高い金属膜14を使用する場合であっても、光照射中に不純物拡散層10の不純物が不活性化することがない。よって、高温でシリサイド化する場合のようなトランジスタ能力の劣化が起こらない。
また、金属膜の他に、酸化膜や窒化膜についても同様に、特定領域毎に膜構成分子の配向性を変えることができる。
本変形例では、NMOS領域とPMOS領域において、ポリシリコンゲート電極上層とソース/ドレイン領域上層に、異なる品質の金属シリサイド層を形成する場合について説明する。
図11及び図12は、本発明の実施の形態1の変形例を説明するための図である。
次に、図11に示すように、シリコン基板1全面に、金属膜24としてのNi膜を形成する。そして、NMOS領域に形成されたNi膜24を覆うように、マスク膜25としての反射膜を形成する。続いて、光源から可視光を必要回数だけ照射する。このとき、PMOS領域ではNi膜24とシリコン(7,1)との反応が起こり、ゲート電極7上層とソース/ドレイン領域10上層とにNiシリサイド層26が形成される。一方、NMOS領域では反射膜25により可視光が反射されるため、Niシリサイド層のような金属シリサイド層は形成されない。
以上説明したように、本変形例では、可視光を透過しない反射膜25を用いて、NMOS領域とPMOS領域とで光照射回数が異なるようにした。本変形例によれば、PMOS領域とNMOS領域とに、同一の材料を用いて異なる品質のNiシリサイド層26,27を形成することができる。よって、NMOS領域とPMOS領域とに、仕事関数の異なるゲート電極を作り分けることができる。
本実施の形態2では、NMOS領域とPMOS領域に、異なる品質のソース/ドレイン領域を形成する場合について説明する。
図13〜図14は、本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
先ず、前述した実施の形態1の図1から図3に示す工程を行う。
よって、ソース/ドレイン領域10a,10bにおいて、領域毎に異なるイオン種に対して活性化率を最大にできる。または、ソース/ドレイン領域10a,10bにおいて、拡散深さを制御できる。
本実施の形態3では、NMOS領域とPMOS領域に、異なる品質のゲート絶縁膜を形成する場合について説明する。
図15は、本発明の実施の形態3による半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。
先ず、前述した実施の形態1の図1に示す工程を行う。
次に、図16に示すように、反射膜29をエッチングにより選択的に除去した後に、再度光源から可視光を必要回数だけ照射する。これにより、NMOS領域のシリコン基板1上にゲート酸化膜5bが形成される。このとき、PMOS領域にも可視光が照射されるため、ゲート酸化膜5aの膜厚が増大する。
2 素子分離
3 ウェル領域
4 ウェル領域
5,13 ゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)
6 シリコン膜
7 ゲート電極
8 浅い拡散層(エクステンション)
9 サイドウォール
10 深い拡散層(ソース/ドレイン領域)
11 絶縁膜
12 溝
14,24 金属膜(Ni膜)
15 シリコン膜
16,25,28,29 マスク膜(反射膜)
17,18 金属シリサイド膜(Niシリサイド膜)
20 導電膜(金属膜)
21 絶縁膜
22 コンタクト
23 配線
26,27 金属シリサイド層(Niシリサイド層)
Claims (6)
- 基板上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして前記基板内に不純物を注入する工程と、
前記不純物の注入後、前記基板上の第1領域にマスク膜を形成する工程と、
前記マスク膜の形成後、前記マスク膜が形成されていない第2領域に光を照射することにより、前記第2領域の前記基板内に注入された不純物を活性化して第1拡散層を形成する第1照射工程と、
前記第1照射工程の後、前記マスク膜を除去する工程と、
前記マスク膜を除去した後、前記第1及び第2領域に光を照射することにより、前記第1領域の前記基板内に注入された不純物を活性化して第2拡散層を形成すると共に、前記第2領域の前記第1拡散層を該第2拡散層とは異なる品質にする第2照射工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法において、
前記光が可視光であり、
前記マスク膜が、前記可視光を反射する金属膜を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法において、
前記光が可視光であり、
前記マスク膜が、前記可視光を吸収する材料からなる膜を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項3に記載の製造方法において、
前記可視光の光量を反応対象が反応するために必要な光量未満にまで減衰できる膜厚で、前記マスク膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の製造方法において、
前記第1又は第2照射工程で、前記光を複数回照射することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1から5の何れか1項に記載の製造方法において、
前記光のエネルギーが、10J/cm2〜40J/cm2であり、
前記光の1回の照射時間が、0.1msec〜1.5msecであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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