JP4888219B2 - 膜形成装置および炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents
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炭化珪素基板上に炭化珪素膜をエピタキシャル成長する場合、従来のCVD装置においては、炭化珪素基板の炭化珪素膜をエピタキシャル成長する面を上面にして炭化珪素基板を炭素製のサセプタ上に置き、反応炉の周りに巻かれた高周波誘導加熱用コイルを用いた高周波誘導加熱により炭素製のサセプタを加熱する。このように炭素製のサセプタを加熱しながら原料ガスを供給することにより炭化珪素膜を成長させる(例えば特許文献1)。
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における、炭化珪素基板上に炭化珪素膜をエピタキシャル成長する膜形成装置であるCVD装置の構成を示す模式図であり、図2は図1に示した膜形成装置であるCVD装置の成膜部1の断面模式図である。
サセプタ11には、膜を形成する炭化珪素基板よりわずかに径の大きな開口部15が設けられており、開口部15の最下部は炭化珪素基板よりわずかに径が小さくなっている。サセプタ11の開口部15の上方から膜形成面を下方側にして炭化珪素基板をはめ込むことができ、また、炭化珪素基板の上の炭化珪素基板の膜形成面の反対側の面には赤外線吸収粒子を載せることができる。
サセプタ11に設けられた熱電対によって測定される温度が室温近傍にまで低下した後に、図1に示したガス流動機構2からのキャリアガスの流動および図1に示した排気機構3による排気を停止し、反応管12からサセプタ11を取り出す。反応管12から取り出したサセプタ11から、炭化珪素基板10上の赤外線吸収粒子20を図示しない吸引器により吸引し、つづいて、炭化珪素基板10を取り出す。
炭化珪素膜エピタキシャル成長の条件は、圧力:2.5×105Pa、サセプタ11の温度:1600℃、炭化珪素膜の原料ガスはSiH4、C3H8とした。
また、炭化珪素基板10の温度および原料ガスを変更することにより、炭化珪素基板10上に他の膜を堆積できる。例えば、原料ガスをSiH4とN2Oとすることにより、酸化珪素膜を炭化珪素基板10上に形成することができる。温度の変更は、誘導加熱機構13に流す交流電流の電流量を変更することによって行なう。キャリアガスとしては水素ガスの例を示したが、窒素ガス、Arガス、Heガスなどであればいずれのガスであってもよい。
さらに、本実施の形態においては、誘導加熱される導電層14として炭素層の例を、サセプタ11として炭素製のサセプタ11の例をそれぞれ示したが、導電層およびサセプタ11の材料としては高融点の導電体であればよく、高融点金属などであってもよい。
また、導電層14が反応管12の内部に反応管12と離間して設けられた例を示したが、導電層14の位置は、反応管12の内側に接して設けられてもよい。
また、本実施の形態における炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、上記のように炭化珪素基板10上に均一な膜厚で均一な膜質の炭化珪素エピタキシャル成長膜を形成できるため、この膜を形成した炭化珪素半導体装置はその電気的特性が面内でそろったものとなる。
図8は、この発明を実施するための実施の形態2における膜形成装置および炭化珪素半導体装置の製造方法において、炭化珪素基板上に炭化珪素膜をエピタキシャル成長するための膜形成装置(CVD装置)の成膜部の膜形成時における断面模式図を示すものである。図8において、炭化珪素基板10をはめ込んだサセプタ11が、炭化珪素基板10の膜形成面が石英製の反応管12の原料ガスのガス流動方向18の上流側に向けて傾けて設けられており、炭化珪素基板10上には赤外線吸収粒子20である炭素粒子が炭素粒子の直径分の厚さ分、つまり1層分載せられていること以外は、実施の形態1における図6と同様であるので説明を省略する。図8において、反応管12の側壁に対する炭化珪素基板10の膜形成面の角度は約15°であったが、この角度は5〜45°など赤外線吸収粒子20がこぼれ落ちない角度であればよい。
また、本実施の形態における炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、上記のように均一な膜厚で均一な膜質の膜を形成できるため、電気的特性が均一な炭化珪素半導体装置を得ることができる。
図9は、この発明を実施するための実施の形態3における炭化珪素半導体装置を示す断面図であり、炭化珪素MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)の例を示したものである。
図9において、n型炭化珪素基板30の膜形成面にエピタキシャル成長したn型炭化珪素ドリフト層31の中に、イオン注入により形成されたp型ベース領域32およびn型ソース領域33が設けられ、n型ソース領域33の上にソース電極36が、イオン注入されていないn型炭化珪素ドリフト層31の上にゲート絶縁膜34およびゲート電極35が設けられている。また、n型炭化珪素基板30の膜形成面の反対側の面にはドレイン電極37が設けられている。
まず、実施の形態1に示した炭化珪素基板への膜形成工程である炭化珪素膜のエピタキシャル成長工程により、n型炭化珪素基板30上に厚さ5〜50μmのn型炭化珪素ドリフト層31を形成する。続いて、n型炭化珪素ドリフト層31中の所定の間隔に離間した部位に、フォトリソグラフィー技術を用いて注入マスクを形成し、アルミニウム(Al)をイオン注入して、一対のp型ベース領域32を形成する。p型ベース領域32の厚さはn型炭化珪素ドリフト層31の厚さを超えないものとし、注入したAlの濃度はn型炭化珪素ドリフト層31中のn型の不純物濃度を超えるものとする。
さらに、n型ソース領域33の形成に用いるイオン注入マスクを形成し、n型不純物の窒素(N)イオン注入を行ない、n型ソース領域33を形成する。このとき、n型ソース領域33の厚さはp型ベース領域32の厚さを超えないものとする。また、n型ソース領域33中のn型の不純物濃度は、例えば1×1018〜1×1021cm−3であればよい。
Claims (5)
- サセプタの開口部に炭化珪素基板を配置し膜形成面を露出させる基板配置工程と、
前記膜形成面と反対側の表面に赤外線吸収粒子を配置して粒子層を形成する粒子配置工程と、
導電層を備えた反応管の中に前記サセプタを導入するサセプタ導入工程と、
前記反応管に原料ガスを流し、前記導電層を誘導加熱して前記導電層から赤外線を放射させ前記赤外線を前記赤外線吸収粒子に吸収させることにより前記赤外線吸収粒子を加熱し前記赤外線吸収粒子の熱を前記炭化珪素基板に伝達して前記炭化珪素基板を加熱し、膜形成する膜形成工程とを備えたことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。 - 粒子層の厚さは、赤外線吸収粒子の平均粒径であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
- サセプタは、炭化珪素基板の膜形成面を原料ガスの流動方向の上流側に向けて傾斜させて配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
- 開口部を有し、膜形成面を露出させて前記開口部に炭化珪素基板を配置し、前記膜形成面と反対側の前記炭化珪素基板の表面に赤外線吸収粒子を配置するサセプタと、
前記サセプタを内部に導入する、導電層を具備する反応管と、
前記導電層を誘導加熱して前記赤外線吸収粒子に吸収させる赤外線を放射させるための誘導加熱機構と、
前記反応管に原料ガスを流動させるガス流動機構とを備えたことを特徴とする膜形成装置。 - サセプタは、炭化珪素基板の膜形成面を原料ガスの流動方向の上流側に向けて傾斜して前記炭化珪素基板を配置することを特徴とする請求項4に記載の膜形成装置。
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