JP4374786B2 - Cvd装置および薄膜製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に薄膜を堆積させるCVD装置およびこれを用いた薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素や窒化ガリウム等の軽元素を含む半導体は、酸やアルカリ等に対する耐薬品性に優れるとともに、高エネルギー線に対する耐性も強く、耐久性に優れた半導体材料である。また、絶縁破壊電圧が高く高温でも半導体としての性質を失わないので、パワーデバイスや高温デバイスの材料としても利用されている。
【0003】
このような半導体材料を用いたデバイスを作成するためには、大型欠陥(マイクロパイプ等)や積層欠陥等の格子欠陥のない高品質の単結晶薄膜を得る必要があり、一般的にはCVD装置を用いて製造されている。
【0004】
CVD装置としては、例えば、図3に示すような横型ホットゾーンCVD装置90および図4に示すような縦型ホットゾーンCVD装置91がよく知られている。横型ホットゾーンCVD装置90は反応容器70を具備し、この反応容器70の対向する側面の一方にガス導入ノズル15を、他方にガス排出ノズル16を各々備えているとともに、反応容器70内に発熱体13と、反応容器70の外から発熱体13を誘導加熱するRFワークコイル20とを備えている。また、反応容器70内には発熱体13から外部への熱輻射を防ぐ断熱材(断熱手段)12を備えるとともに、反応容器70外には、反応容器70から外部への熱輻射を防ぐ反射板31およびこの反射板31を冷却する冷却管32を備えている。
【0005】
また、縦型ホットゾーンCVD装置91は、横型ホットゾーンCVD装置90を縦置きしたものであり、反応容器70の下部のノズルをガス導入ノズル15とし、上部のノズルをガス排出ノズル16としたものである。
【0006】
そして、例えば、炭化珪素の単結晶薄膜の製造においては、反応容器70内にシランやプロパン等の原料ガスをガス導入ノズル15から導入するとともに、RFワークコイル20によって誘導加熱される発熱体13上で基板14を1200℃以上、通常は1500℃程度にまで加熱し、導入ガスを基板14上で反応させて基板14上に炭化珪素膜を堆積させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなCVD装置を用いて薄膜を堆積させる場合、次のような問題が発生していた。横型ホットゾーンCVD装置90の場合、ガス導入ノズル15から導入されるガスが発熱体13に接近して暖められる際に体積が膨張して密度が減少し、ガスが上昇して図示Aのような自然対流を起こす。また、反応後のガスが発熱体13から離れてガス排出ノズル16に到達するまでの間に、ガスが発熱体13から遠ざかることにより冷やされ、体積が収縮して密度が増加し、ガスは下降して図示Bのような自然対流をおこし、反応容器70内のガス流の乱れを生じていた。
【0008】
また、縦型ホットゾーンCVD装置91の場合でも、反応後のガスが上昇してガス排出ノズル16に到達するまでの間に、同様にガスが冷やされて下降し図示Cのような自然対流をおこし、反応容器70内のガス流の乱れを生じていた。
【0009】
このような、反応容器70内でのガス流の乱れが生じると、原料ガスの基板14への供給が不均一になり、基板14に形成される薄膜が不均一になってしまう。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、反応器内でのガス流の乱れを抑制し、基板上に均一な薄膜を形成することが可能なCVD装置およびこれを用いた薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るCVD装置は、ガスを基板上に輸送して反応させ基板上に薄膜を堆積させるCVD装置であって、ガスが下方から導入される内管と、内管の内側に設置され基板を加熱する発熱体と、発熱体の上方に設置され、発熱体を通り過ぎたガスの上向流を内管の外側に水平以下の方向に導いて排出させ、基板に対しては基板の表面に平行なガスの流れを形成可能とする第1整流手段と、を備え、発熱体は断熱手段を介して内管に設置されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のCVD装置によれば、基板上への薄膜の堆積を行った後のガスが発熱体から遠ざかる際に、第1整流手段によって内管の外側に水平以下の方向に導かれるので、発熱体から遠ざかることにより冷却され密度が上昇するガスが内管内に逆流せず、発熱体近傍での自然対流によるガス流の乱れが抑制されて基板面に平行な流れが形成される。また、発熱体が断熱手段を介して内管に設置されていることによって、発熱体からの熱が内管の外側に伝わらないので、内管外に導かれるガスが加熱されずさらにスムーズに排出される。
【0013】
ここで、第1整流手段は、下方に延在し内管よりも大径かつ内管と所定の距離離間して内管をガスの上向流に対向して覆う外管を形成することが好ましい。これにより、内管と外管との隙間を介してガスがさらに好適に排出される。
【0014】
また、発熱体は、内管の上部の内面に内管と平行に設置されるとともに、基板を内管と平行となるように保持することが好ましい。これによって、簡易な構成で上記機能が十分に発揮される。
【0016】
また、発熱体は基板と接触する面が内管に対して垂直を含む所定の角度を有し、さらにガスが基板上を平行に流れるべく整流する第2整流手段を内管内に備えることが好ましい。
【0017】
これにより、基板が内管に対して垂直を含む角度を有して設置された場合でも、ガスが基板と平行に流れるので、基板付近でのガスの余分な乱れが抑制されるとともに、基板にガスが効率よく供給される。
【0018】
また、発熱体は貫通孔が形成された水平板であるとともに、貫通孔にガスを導入する導入管が貫通孔の下部に連結され、第2整流手段は、導入管、貫通孔を介して導入されるガスを水平設置される基板に対して平行流とすべく上記導入されるガスに対向して配置される整流体を含むことが好ましい。
【0019】
発熱体が水平であるので発熱体上に多くの基板を設置することが容易にされるとともに、導入管によってガスが基板と整流体との間に容易に導入され、さらに、整流体によって基板に平行なガス流が好適に形成される。
【0020】
また、発熱体を水平方向に回転させる回転手段を備えることが好ましい。これにより、発熱体上の基板に供給されるガスが均一化され、さらに均一に薄膜を堆積させることが可能とされる。
【0021】
また、導入管は、さらにガスを予熱することが好ましい。これによって、基板に到達する前のガスが予熱されるので、基板近傍での原料ガスの温度上昇が少なくされ、さらに基板近傍でのガスの余分な乱れが抑制される。
【0022】
また、発熱体は、外部からの高周波誘導、または、通電によって発熱するものであることが好ましい。これによって、CVD装置が簡易に構成されるとともに、発熱による基板の加熱が好適に行われる。
【0023】
また、本発明に係る薄膜の製造方法は、上述のCVD装置を用いて、炭化珪素または窒化物半導体の薄膜を基板上に堆積することを特徴とする。本発明の製造方法によれば、本発明にかかるCVD装置を用いるので、均一な炭化珪素または窒化物半導体の薄膜が容易に得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係るCVD装置およびこれを用いた薄膜の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0025】
図1は、第1実施形態のCVD装置100を示す断面図である。このCVD装置100は、原料ガスを基板14近傍で反応させて基板14の表面に半導体等の薄膜を析出させるものであり、基板14を加熱する発熱体13と、発熱体13が設置される内管11と、内管11を外側から覆う外管(第1整流手段)10と、発熱体13を外管10の外部から高周波誘導加熱するRFワークコイル20とを備えている。
【0026】
内管11は、垂直に配置された石英製の円管であり、上端が開口されている一方、下端はガス導入ノズル15を備える下部フランジ18により閉じられている。
【0027】
外管10は、上端がドーム状に閉じられた、内管11よりも径の大きい石英製の円管である。そして、この外管10は、内管11との間に半径方向に所定の隙間19を有して内管11を上部から覆うとともに、下端が下部フランジ18に固定されている。また、内管11と外管10との各々の下端部によって、ガス排出ノズル16が形成されている。
【0028】
発熱体13は、炭化珪素コーティングされたグラファイト製の板であり、外部のRFワークコイル20によって誘導加熱される。この発熱体13は、発熱体13の熱を内管11側に伝えないようにする断熱材(断熱手段)12を介して内管11の内面の上部に固定されている。そして、基板14は、発熱体13の表面に基板14の表面が内管11と平行になるように密着保持されている。
【0029】
RFワークコイル20は高周波の磁束を発生するものであり、これによって発熱体13内に渦電流を誘導させ、渦電流によるジュール熱によって発熱体13を発熱させる。そして、発熱体13は、熱伝導によって発熱体13上の基板14を最高温度2200℃程度まで加熱する。このRFワークコイル20の出力は、図示しない放射温度計によって測定される基板14および発熱体13の温度に基づいて制御され、基板14の温度が所望の温度に維持される。
【0030】
RFワークコイル20の外側には、外管10を透過して外側に放射される輻射熱を逃がさないようにするための反射板31と、反射板31の外側に設置され、反射板31を水冷する冷却管32を備えている。また、外管10の上方には、外管10を冷却するファン35を備えている。
【0031】
次に、本実施形態のCVD装置100による作用について説明する。
【0032】
まず、ガス導入ノズル15からキャリアガスを流しながら、RFワークコイル20を駆動して発熱体13を加熱し、発熱体13上の基板14の温度を所定のエッチング温度にする。そして、エッチング温度に達したらガス導入ノズル15からエッチングガスを流して基板14の表面のエッチングを行う。その後、さらに基板14を所定の堆積温度にまで上昇させ、ガス導入ノズル15から原料ガスを導入する。
【0033】
導入された原料ガスは、内管11を下方から上昇し所定の温度に加熱されている発熱体13に接近する。このとき、ガスが加熱されて膨張し、密度が低下して浮力により上昇しようとするが、この方向は内管11内のガスの流れる方向と同じなので、内管11内の発熱体13の下部付近のガス流れをほとんど乱さない。そして、原料ガスは加熱されて反応を起こし、基板14上に所望の物質の薄膜を形成する。
【0034】
反応後のガスはさらに上方に流れ、基板14から遠ざかって発熱体13の近傍の領域を通過する。発熱体13から離れたガスは、加熱源を失うとともに外管10のドーム状部分と接近することにより冷却されるが、ガスは外管10のドーム状部分によって下向きに向きを変えられ、外管10と内管11との間の隙間19に導かれ、この隙間19を通って下降し、さらに冷却されながらスムーズにガス排出ノズル16から排出される。このため、内管11内に冷却されたガスが密度の低下によって下降・逆流することによって起こる、発熱体13上部付近での自然対流によるガス流の乱れが抑制されて基板14上に平行なガスの流れが形成される。これによって、原料ガスが均一に基板14に供給されて反応することとなるので、基板14上に薄膜が均一に堆積される。
【0035】
また、発熱体13と内管11との間に断熱材12を備えていて、発熱体13の熱が内管11を介して隙間19側に伝達されないので、隙間19を下降するガスが再加熱されることも防止され、さらにスムーズに排出される。
【0036】
なお、基板の温度は特に限定されないが、例えば、窒化物半導体の場合は900℃以上が好ましく、また炭化珪素の場合には1300℃以上が好ましく1500℃以上が一層好ましい。このような高温CVDの場合熱対流がさらに顕著になるが、本実施形態のCVD装置100によればガス流の乱れが充分効果的に抑制されるので、均一な薄膜を得ることが可能である。
【0037】
つぎに、第2実施形態のCVD装置200について図2を参照しながら説明する。第2実施形態のCVD装置200が第1実施形態のCVD装置100と違うところは、基板14を水平に保持しつつ基板14を加熱する水平発熱体(発熱体)41と、水平発熱体41を回転させる軸となるとともに、原料ガスを基板14に導く導入路となり、さらに原料ガスを予熱する管軸(導入管)40と、管軸40を水平回転させる駆動装置(回転手段)50と、管軸40によって導入されるガスを水平設置される基板14に平行に流すとともに水平発熱体41と同様にRFワークコイル20によって誘導加熱される整流体(第2整流手段)36と、基板14近傍の熱が下方に輻射することを防ぐべく水平発熱体41の下に設置された第2断熱材37と、基板14近傍の熱が上方に輻射することを防ぐべく整流体36の上に設置された第2断熱材38とを備えている点である。
【0038】
水平発熱体41は炭化珪素コーティングされたグラファイト製の円盤であって、内管11内に水平配置されている。この水平発熱体41は複数の基板14をその上に水平に載置可能であって、垂直等に基板14を保持する場合と比べて1度に多くの枚数の基板14が処理可能とされている。またこの水平発熱体41は、RFワークコイル20によって誘導加熱され基板14を加熱する。さらに、水平発熱体41はその中心に垂直貫通孔が形成され、この貫通孔を介して下方から原料ガスを導入する管軸40が水平発熱体41から垂直下方に接続されている。
【0039】
管軸40の下端は下部フランジ18を貫通するとともに、回転可能に下部フランジ18に軸支されている。管軸40は図示しないヒーターを備えていて、内部を通る原料ガスを適切な温度に予熱しつつ水平発熱体41の貫通孔へ到達させる。さらに、管軸40で下部フランジ18よりも下方の部分は駆動装置50に接続されており、所定速度で管軸40を回転することにより、基板14を載置する水平発熱体41が回転運動する。
【0040】
整流体36は、内管11内で水平発熱体41に対向するとともに、内管11の内面に断熱材12を介して固定されている発熱体13との間に隙間を有する箱状のものであり、水平発熱体41の貫通孔から導入される原料ガスの流れの向きを、基板14の表面と平行に流れるように変えるとともに、基板14を通過したガスが発熱体13に沿って内管11を上昇して外管10のドーム状部分に向かうように変える。
【0041】
このようなCVD装置200においては、ガス導入ノズル15から導入される原料ガスは管軸40中で予熱された後、水平発熱体41の貫通孔でさらに加熱されて上昇する。そして、原料ガスは整流体36に当たって流れの方向が変えられ、基板14上を流れて基板14上に薄膜を堆積させる。その後、ガスは発熱体13によって再び流れの向きを変えられ、発熱体13と整流体36の隙間を通って上方に流れ、内管11よりも上に出たガスは外管10のドーム状部分によって向きを変えられ、隙間19を介して排出される。
【0042】
このとき、第1実施形態のCVD装置100と同様に、排出されるガスが冷却による密度の低下によって内管11内に戻って逆流等をおこさず、内管11内でのガス流の乱れが抑制されているので、基板14上に整流体36による平行な流れが形成され、基板14上に均一な薄膜を形成することが可能とされている。
【0043】
また、必要に応じて駆動装置50を駆動して水平発熱体41を回転させることにより、基板14が動かされてガス濃度の更なる均一化が図られ、さらに均一な薄膜の析出が可能とされている。
【0044】
また、管軸40によって導入されるガスが予熱されるので、水平発熱体41の貫通孔付近でのガスの温度変動が緩和されてガス流の乱れがさらに抑制されている。
【0045】
また、発熱体13および発熱する整流体36を備えていて内管11と整流体36との間を上昇するガスが冷却されないので、ガス流の乱れがさらに抑制されている。なお、内管11と整流体36との間を上昇する距離が短い場合は、発熱体13を備えなくても構わない。
【0046】
以下、上記実施形態のCVD装置100,200の効果を確認すべく、本発明者が実施した実施例、比較例について述べる。
【0047】
(実施例1)
第1実施形態のCVD装置100を用いて、以下の手順で基板14上に炭化珪素薄膜のエピタキシャル成長を行った。
【0048】
まず、50mmφの4H−SiC{0001}基板の調製を行った。この基板は、改良レーリー法により成長させたインゴットをスライスし、鏡面研磨することにより作成したものであり、ショットキー障壁の容量―電圧特性から求めた実効ドナー密度は1〜3×1018cm-3、厚さは330μmであった。そして、この基板を溶融水酸化カリウムで500℃、10分間エッチングした。その結果、マイクロパイプ密度10〜100cm-2、らせん転位密度5×103〜2×104cm-2程度の欠陥が存在することが分かった。そして、基板を再研磨し、鏡面仕上げし、さらに有機溶媒、王水およびフッ酸で順に洗浄した後、脱イオン水でリンスして、基板14とした。
【0049】
つぎに、この基板14上に薄膜を堆積させた。まず、基板14を発熱体13上にセットし、ガス置換と高真空排気を数回繰り返した。つぎに、キャリアガスである水素を導入しながら1300℃まで基板14を昇温したのち、塩化水素/水素ガスによって基板14を所定時間気相エッチングした。つぎに、基板温度を1500℃にし、原料ガスとしてシランとプロパンガスをガス導入ノズル15を介して導入し次のように薄膜を2層堆積させた。まず、実効ドナー密度3〜4×1017cm-3のn型SiCバッファ層を2.6μm堆積させ、つぎに、実効ドナー密度1〜2×1016cm-3のn型活性層を12μm堆積させた。ここで、n型伝導性の制御は堆積中に窒素ガスを添加することにより行った。成長条件の詳細を表1に示す。
【表1】
Figure 0004374786
【0050】
(比較例1)
外管10を備えず、ガスが下から上に流通する従来の縦型ホットゾーンCVD装置91(図4参照)用いた以外は、実施例1と同様に基板14上に炭化珪素薄膜のエピタキシャル成長を行った。
【0051】
ここで、成長させた炭化珪素単結晶薄膜の表面を微分干渉光学顕微鏡で観察したところ、実施例1で得た薄膜の表面は全面が鏡面状態となっていた。これに対して、比較例1で得た薄膜の表面は、ガスの出口側において表面の曇りが見られた。また、薄膜の膜圧の均一性を比較したところ、実施例1で得た薄膜の膜厚の水平方向のばらつきは3%以内であったのに対し、比較例1で得た薄膜の膜厚の水平方向のばらつきは7%以上であった。
【0052】
これによって、本願発明により、CVD装置内でのガス流の乱れを抑制し、基板14に均一な薄膜を形成することが可能なCVD装置を提供できることが確認された。
【0053】
(実施例2)
第2実施形態のCVD装置200を用い、表2に示す条件の下、実施例1と同様に用意した50mmφの4H−SiC{0001}基板を6枚同時に設置した以外は実施例1と同様に、かつ、水平発熱体41を回転させないで炭化珪素薄膜のエピタキシャル成長を行った。
【表2】
Figure 0004374786
【0054】
(比較例2)
内管11を備えず、ガスが水平方向に流通する従来の横型ホットゾーンCVD装置90(図3参照)を用いた以外は、実施例2と同様に炭化珪素薄膜のエピタキシャル成長を行った。
【0055】
その結果、堆積した薄膜の中心部は、実施例2、比較例2ともに鏡面であった。しかし、実施例2で得られた6枚の基板の中心部の薄膜の膜厚のばらつきは5%以下であったのに対し、比較例2で得られた6枚の基板の中心部の薄膜の膜厚のばらつきは10%であった。
【0056】
これによっても、本願発明により、CVD装置内でのガス流の乱れを抑制し、基板14に均一な薄膜を形成することが可能なCVD装置を提供できることが確認された。
【0057】
(実施例3)
水平発熱体41を管軸40の回転により1分間に10回転させる以外は、実施例2と同様に炭化珪素薄膜のエピタキシャル成長を行った。実施例2で得られた6枚の基板の中心部の膜厚のばらつきは5%以下であったのに対し、実施例3で得られた6枚の基板の中心部の膜厚のばらつきは3%以下であった。これによって、基板14を回転することにより、さらに均一な薄膜の堆積が可能であることが確認された。
【0058】
なお、本発明に係るCVD装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形態様をとることが可能である。
【0059】
例えば、第1および第2実施形態では、外管10によってガスを内管11外にかつ下方に排出させているがこれに限られない。例えば、内管11の上方に平板を配置して、ガスを内管11の外に水平に排出させても構わない。
【0060】
また、第1および第2実施形態では、内管11を垂直に設置しているが、これに限られず、例えば、垂直に対して±30度程度傾けて設置しても、ほぼ同様の作用効果が得られる。
【0062】
また、第2実施形態では、基板14を水平に配置しているが、斜めに配置しても構わない。この場合は、ガスが、斜めに配置された基板と平行に流れるように整流体の形状を変えて構成する必要がある(例えば、下方から導入されるガス流に対向するクサビ形状を有し、このクサビ形状に従って斜めの基板上にガスが平行に流れるようにする整流体)。
【0063】
また、第1および第2実施形態では、発熱体13、水平発熱体41あるいは第2断熱材38は外部のRFワークコイル20からの高周波誘導によって発熱するが、これに限られず、通電等によって発熱するものであってもよい。
【0064】
また、第2実施形態では、管軸40がヒーターを備えこれによってガスが予熱されるが、これに限られず、管軸40の一部をグラファイト素材としRFワークコイル20によって予熱してもよいし、水平発熱体41の熱を伝達させて管軸40を予熱してもよい。さらに、管軸40に導入される前のガスを他の予熱手段で予熱してもよい。また、基板14の温度が低い等の場合は、予熱しなくても構わない。
【0065】
また、第2実施形態では、水平発熱体41上を回転させるための駆動装置50を備えているが、これを備えなくてもよい。
【0066】
また、本発明の実施例では、炭化珪素薄膜の製造を行っているが、他の物質の薄膜、例えば、窒化物半導体等の薄膜の製造においても同様の作用効果を得ることができるのは言うまでもない。
【0067】
【発明の効果】
本発明のCVD装置によれば、基板上への薄膜の堆積を行った後のガスが発熱体から遠ざかる際に、整流手段によってガスが内管の外側に水平以下の方向に導かれ、発熱体から遠ざかることにより冷却され密度が上昇するガスが内管内に逆流せず、発熱体近傍での自然対流によるガス流の乱れが抑制され基板面に平行な流れが形成される。これによって、基板への均一なガスの供給が可能になるので基板上に均一な薄膜を形成することが可能となる。また、発熱体が断熱手段を介して内管に設置されていることによって、発熱体からの熱が内管の外側に伝わらないので、内管外に導かれるガスが加熱されずさらにスムーズに排出される。
【0068】
また、本発明の薄膜の製造方法によれば、本発明のCVD装置によって炭化珪素や窒化物系半導体の均一な薄膜を容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のCVD装置を示す模式図である。
【図2】第2実施形態のCVD装置を示す模式図である。
【図3】従来の横型ホットゾーンCVD装置を示す模式図である。
【図4】従来の縦型ホットゾーンCVD装置を示す模式図である。
【符号の説明】
10…外管(第1整流手段)、11…内管、12…断熱材(断熱手段)、13…発熱体、14…基板、19…隙間、36…整流体(第2整流手段)、40…管軸(導入管)、41…水平発熱体(発熱体)、50…駆動装置(回転手段)、100,200…CVD装置。

Claims (9)

  1. ガスを基板上に輸送して反応させ前記基板上に薄膜を堆積させるCVD装置であって、
    前記ガスが下方から導入される内管と、
    前記内管の内側に設置され前記基板を加熱する発熱体と、
    前記発熱体の上方に設置され、前記発熱体を通り過ぎたガスの上向流を前記内管の外側に水平以下の方向に導いて排出させ、前記基板に対しては前記基板の表面に平行なガスの流れを形成可能とする第1整流手段と、を備え
    前記発熱体は断熱手段を介して前記内管に設置されていることを特徴とする、CVD装置。
  2. 前記第1整流手段は、下方に延在し前記内管よりも大径かつ前記内管と所定の距離離間して前記内管を前記ガスの上向流に対向して覆う外管を形成することを特徴とする、請求項1に記載のCVD装置。
  3. 前記発熱体は、前記内管の上部の内面に内管と平行に設置されるとともに、前記基板を前記内管と平行となるように保持することを特徴とする、請求項1または2に記載のCVD装置。
  4. 前記発熱体は前記基板と接触する面が前記内管に対して垂直を含む所定の角度を有し、さらに前記ガスが前記基板上を平行に流れるべく整流する第2整流手段を前記内管内に備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のCVD装置。
  5. 前記発熱体は貫通孔が形成された水平板であるとともに、前記貫通孔に前記ガスを導入する導入管が前記貫通孔の下部に連結され、前記第2整流手段は前記導入管、前記貫通孔を介して導入されるガスを水平設置される基板に対して平行流とすべく前記導入されるガスに対向して配置される整流体を含むことを特徴とする、請求項に記載のCVD装置。
  6. 前記発熱体を水平方向に回転させる回転手段を備えることを特徴とする、請求項に記載のCVD装置。
  7. 前記導入管は、さらに前記ガスを予熱することを特徴とする、請求項または6に記載のCVD装置。
  8. 前記発熱体は、外部からの高周波誘導、または、通電によって発熱するものであることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載のCVD装置。
  9. 請求項1〜のCVD装置を用いて、炭化珪素または窒化物半導体の薄膜を前記基板上に堆積することを特徴とする、薄膜の製造方法。
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