JP4887825B2 - 申込伝票 - Google Patents
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Description
従来の専用紙は、普通紙などで構成されているので、雨天時の屋外などの悪環境下で使用した場合には、水分により歪み、ドットパターンが認識できないなどの問題が発生し、記入情報が正確に又は全く得られないことがある。この対策として、専用紙に耐水性のある熱可塑性樹脂フィルム基材を用いることも考えられるが、上述したように、熱可塑性樹脂フィルム基材に印刷することができるプリンタが限定されてしまう。
本件発明者は、耐水性を有する専用紙を構成するには以下の3要素を同時に満たす必要があることを見出した。
1)耐水性を有する専用紙は、熱可塑性樹脂フィルム基材を用いるのが有効である。
2)ドットパターンの印刷は、熱定着方式のプリンタが必要である。
3)熱可塑性樹脂フィルム基材の印刷は、熱定着方式のプリンタでは困難である。
請求項1の発明は、表面に申込者控え用の第1の申込記入欄と店舗控え用の第2の申込記入欄とを有し、前記第2の申込記入欄に電子ペン(100)で読み取り可能なドットパターン印刷層(23)が形成されたシート状基材(20)を備え、前記シート状基材(20)の裏面には、第1の接着層(24)が形成されており、前記シート状基材の裏面側であって前記第2の申込記入欄に対応する領域には、耐水性基材(30)が前記第1の接着層により剥離不可能に接着され、さらに、前記耐水性基材には、剥離基材が第2の接着層(31)により再剥離可能に接着されており、前記シート状基材の裏面側であって前記第1の申込記入欄に対応する領域には、厚みが均一になるように、厚み調整基材(50)が前記第1の接着層により剥離不可能に接着されており、前記シート状基材には、前記耐水性基材と前記厚み調整基材との境界に合わせて、前記第1の申込記入欄と前記第2の申込記入欄との境界にミシン目(25)が形成されており、前記耐水性基材には、貼り替え防止用のハーフカット(32)が形成されていること、を特徴とする申込伝票(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の申込伝票(10)において、前記耐水性基材(30)は、樹脂シートで構成されており、前記第1の接着層(24)及び前記第2の接着層(31)は、耐水性を有していること、を特徴とする申込伝票(10)である。
(1)シート状基材の裏面に耐水性基材を設けているので、シート状基材が水分などで濡れることにより、歪みを生じることがなくなり、電子ペンの読み取り不良をなくすことができる。
(2)第1の接着層は、溶剤系接着剤若しくは粘着剤、水系接着剤若しくは粘着剤に硬化剤を添加したもの、又は、溶剤系接着剤若しくは粘着剤又は水系接着剤若しくは粘着剤に硬化剤を添加したものを含浸基材に含浸させたものであるので、耐水性基材とともに耐水効果を向上させることができる。
(3)シート状基材の裏面は、耐水性基材と剥離基材との厚みとほぼ同等の厚み調整基材が貼り合わされているので、耐水電子ペン用シートを均一な厚みにすることができ、プリンタなどに挿入しても基材詰まりや印刷仕上りの低下を抑制することができる。
(4)第2の接着層は、溶剤系粘着剤又は水系粘着剤に硬化剤を添加したものであるので、耐水効果を有することができる。
(5)シート状基材は、耐水性基材及び厚み調整基材の間に分離線を備えているので、必要に応じてシート状基材を切り離すことができる。
(6)厚み調整基材は、剥離基材と同等の厚み及び同種の基材で構成されているので、厚み調整用基材の厚みの設定に注意する必要をなくすことができる。
(7)シート状基材は、表面の少なくとも一部に情報を記入する記入枠などで構成された絵柄印刷層を備えているので、シート状基材の表面にドットパターン印刷層の他に、記入枠、機械読取記号、及び、機械読取文字などを構成することができる。
図1は、本発明による実施例1の耐水電子ペン用シートで構成された申込伝票を示す図である。なお、図1(B)は、図1(A)のB−B断面の模式図である。また、図2は、実施例1の電子ペンの構成を示す模式図である。
インキペン部101は、インキ式の筆記道具であり、例えば、ボールペンである。
赤外線照明部102は、小型カメラ部103で読み取る領域を赤外線で照明するLEDである。
小型カメラ部103は、電子ペン100により筆記した軌跡をドットパターン印刷層23から読み取ることができ、例えば、CMOSカメラである。
メモリ部104は、小型カメラ部103で読み取ったデータを時系列の座標データに変換し、電子データとして記憶しておく回路である。
データ送信部105は、メモリ部104に記憶された電子データを外部端末110に送信する送信機である。
外部端末110は、データ送信部105から発信された電子データを受信及び保存する機能を持つデータベースである。
シート状基材20は、ミシン目25を挟んで申込書21及び申込書お客様控え22で構成される上質紙である。
申込書21は、表面にドットパターン印刷層23、申込記入欄26及び機能欄27が印刷され、裏面に、第1の接着層24を介して耐水性基材30が貼られている。
申込書お客様控え22は、表面に申込記入欄26が印刷され、裏面には厚み調整基材50が第2の接着層31を介して貼られている。
ドットパターン印刷層23は、電子ペン100により認識することができるカーボンを含んだ専用インキからなるドットパターンにより構成されている。
第1の接着層24は、シート状基材20の裏面に構成され、耐水性も備える剥離不可能な溶剤系接着剤である。
ミシン目25は、申込書21及び申込書お客様控え22を切り離すための分離線である。
申込記入欄26は、顧客が商品を注文及び配送を依頼するときに必要な事項を記入する記入枠であり、カーボンを含まないインキで印刷される。
機能欄27は、その欄内に電子ペン100による記入があったときに、予め定義したアクションを実行させるための指示部であり、本実施例では、電子ペン100のメモリ部104に記憶されたデータを外部端末110へ送信させるための送信指令欄であり、カーボンを含まないインキで印刷される。
耐水性基材30は、申込書21と同等の形状であり、PETで構成された38〜100μm程度の厚みの樹脂シートである。
第2の接着層31は、耐水性基材30の裏面に構成され、耐水性及び再剥離可能な特性である硬化剤を添加した5〜20μm程度の厚みの水系粘着材を使用している。
剥離基材40は、第2の接着層31と再剥離可能に接着される50〜100μm程度の厚みの剥離紙である。
厚み調整基材50は、耐水性基材30と剥離基材40との厚みとほぼ同等であり、申込書お客様控え22とほぼ同等の縦横寸法で形成された上質紙である。申込伝票10にドットパターン印刷層23、申込記入欄26、及び、機能欄27などをプリンタで印刷するときに、普通紙の印刷と同じ方法で印刷することができる。すなわち、厚み調整基材50が設けられていることで、申込伝票10の申込書21の厚みのみが厚くなることにより、プリンタへ挿入したときの印字の濃さの変化や、紙詰まりの発生などの問題が解消される。
電子ペン100は、内蔵されている赤外線照明部102により、申込伝票10のドットパターン31を照明し、小型カメラ部103により筆記の軌跡を読み取る。小型カメラ部103は、筆記したインクペン部101のインキを読み取るのではなく、図2に示すように、筆記場所の近傍の赤外線照明部102により照明された領域のカーボンを含んだ専用インキで印刷されたドットパターン印刷層23のみを読み取る。
ドットパターン印刷層23のドットは、図3に示すように、各ドットの位置が座標データ(0〜3)に対応付けされており、例えば、図4(A)に示すようなドットパターン印刷層23のドットを電子ペン100が読み取ったときは、図3にある変換則により、図4(B)に示すように、座標データへと変換される。座標データは、筆記中に連続的にメモリ部104へ記憶され、時系列の座標データとなる。なお、インクペン部101に筆圧を感知できる圧力計(図示せず)を備えるなどして、筆記の開始、終了を検知し、電子ペン100のメモリ部104の記憶開始、終了のON/OFFのスイッチとする。
商品販売において、顧客が店頭で商品を注文し、併せて自宅への配送の依頼をするときに、店の販売員は、図1に示すような申込伝票10を顧客へ渡し、必要事項の記入を依頼する。
顧客は、販売員より手渡された電子ペン100を使って、申込伝票10の申込書21及び申込書お客様控え22の申込記入欄26に必要事項を記入する。顧客の記入した内容は、電子ペン100のインキペン部101により申込伝票10に筆跡を残し、同時に、記入内容の筆記軌跡が、電子ペン100の小型カメラ部103により読み取られ、メモリ部104で時系列の座標データに変換し、電子データとして記憶される。仮に、販売場所が街頭などの屋外で雨天時であっても、電子ペンの読み取り領域である申込書21は、裏面が耐水性基材30で貼り合わされており、水分により歪むことがないので、電子ペンは筆跡を正確に読み取ることができる。
商品の配送担当者は、外部端末110に保存された電子データを見て、顧客から指定された商品の在庫確認から配送の手続きまでを迅速に行なうことができる。申込書21は、裏面の剥離基材40が剥がされ、店頭で保管される販売記録簿に貼り付けられるので、顧客からの問い合わせなどにも迅速に対応することができる。従来は1枚ずつ手作業にて行なわれていた申込書の伝票処理が、電子データによる処理へと変わり、処理時間及び手間を大幅に軽減することができ、また、顧客への荷物の配送も迅速化し、顧客の満足度を向上することができる。
(1)シート状基材20の裏面に耐水性基材30を設けているので、シート状基材20が水分などで濡れることにより、歪みを生じることがなくなり、電子ペン100の読み取り不良をなくすことができる。
(2)第1の接着層24は、溶剤系接着剤若しくは粘着剤、水系接着剤若しくは粘着剤に硬化剤を添加したもの、又は、溶剤系接着剤若しくは粘着剤又は水系接着剤若しくは粘着剤に硬化剤を添加したものを含浸基材に含浸させたものであるので、耐水性基材30とともに耐水効果を向上させることができる。
(3)シート状基材20の裏面は、耐水性基材30と剥離基材40との厚みとほぼ同等の厚み調整基材50が貼り合わされているので、耐水電子ペン用シート10を均一な厚みにすることができ、プリンタなどに挿入しても基材詰まり及び印刷仕上りの低下を抑制することができる。
(4)第2の接着層31は、溶剤系粘着剤又は水系粘着剤に硬化剤を添加したものであるので、耐水効果を有することができる。
(5)シート状基材20は、耐水性基材30及び厚み調整基材50の間にミシン目25を備えているので、必要に応じてシート状基材20を切り離すことができる。
(6)シート状基材20は、表面の少なくとも一部に情報を記入する記入枠などで構成された絵柄印刷層を備えているので、シート状基材20の表面にドットパターン印刷層23とともに、申込記入欄26、及び、機能欄27などを構成することができる。
なお、前述した実施例1と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
実施例2の申込伝票10−2は、図5に示すように、以下の相違点を除き、実施例1の申込伝票10と同様の構成となる。
耐水性基材30は、申込書21と同等の形状のPETで構成される樹脂シートであり、ハーフカット32により2分割された構成となる。
厚み調整基材50は、剥離基材40と同等の厚みであり、また、同種の剥離紙であり、剥離基材40とは表裏反対にして第1の接着層と貼り合わされる。これにより厚み調整基材50は、シート状基材20と同形状の剥離紙を用意し、それを剥離基材40と分離させることで得られるので、基材の準備の手間が減少する。耐水性基材30は約38μm、第2の接着層31は約5μm、また、剥離紙(剥離基材40及び厚み調整基材50)は約100μmであり、耐水性基材30及び第2の接着層31の厚みは、剥離紙の厚みに比べ小さいので、申込伝票10の厚みをほぼ均一にすることができ、プリンタへも問題なく使用できる。
申込書21は、申込伝票10から切り離したあとに、裏面の剥離基材40が剥がされ、店頭で保管される販売記録簿に貼り付けられる。仮に、販売員以外の第三者が、店頭に侵入し販売記録簿に貼り付けられた申込書21を剥がして持ち出そうと試みても、耐水性基材30にハーフカット32が設けられているので、申込書21はハーフカット32で破れ、申込書21に記載された顧客の個人情報を守ることができる。
(1)厚み調整基材50は、剥離基材40と同等の厚み及び同種の剥離紙で構成されているので、厚み調整用基材50の厚みの設定に注意する必要をなくすことができる。また、シート状基材20と同形状の剥離紙を用意し、それを剥離基材40と分離させることで厚み調整基材50を得られるので、基材の準備の手間を減少させることができる。
(2)耐水性基材30は、ハーフカット32を設けているので、申込書21の貼り替え及び持ち出し防止の機能を備えることができる。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)実施例1及び実施例2では、ドットパターン印刷層23及び耐水性基材30は、申込書21に構成されていたが、その他の領域に構成されていてもよい。例えば、シート状基材20の全面に設けることや、申込書お客様控え22に設けることも可能である。
(2)実施例1及び実施例2では、絵柄印刷層として申込記入欄26及び機能欄27を構成していたが、その他の絵柄を印刷してもよい。例えば、バーコード、OCR文字、偽造防止用のセキュリティインキ及び潜像などを印刷することも可能である。
(3)実施例2では、ハーフカット32は直線で構成されていたが、曲線など様々な形状で構成されてもよい。
20 シート状基材
23 ドットパターン印刷層
24 第1の接着層
30 耐水性基材
31 第2の接着層
40 剥離基材
50 厚み調整基材
100 電子ペン
Claims (4)
- 表面に申込者控え用の第1の申込記入欄と店舗控え用の第2の申込記入欄とを有し、前記第2の申込記入欄に電子ペンで読み取り可能なドットパターン印刷層が形成されたシート状基材を備え、
前記シート状基材の裏面には、第1の接着層が形成されており、
前記シート状基材の裏面側であって前記第2の申込記入欄に対応する領域には、耐水性基材が前記第1の接着層により剥離不可能に接着され、さらに、前記耐水性基材には、剥離基材が第2の接着層により再剥離可能に接着されており、
前記シート状基材の裏面側であって前記第1の申込記入欄に対応する領域には、厚みが均一になるように、厚み調整基材が前記第1の接着層により剥離不可能に接着されており、
前記シート状基材には、前記耐水性基材と前記厚み調整基材との境界に合わせて、前記第1の申込記入欄と前記第2の申込記入欄との境界にミシン目が形成されており、
前記耐水性基材には、貼り替え防止用のハーフカットが形成されていること、
を特徴とする申込伝票。 - 請求項1に記載の申込伝票において、
前記耐水性基材は、樹脂シートで構成されており、
前記第1の接着層及び前記第2の接着層は、耐水性を有していること、
を特徴とする申込伝票。 - 請求項1又は請求項2に記載の申込伝票において、
前記第1の接着層は、溶剤系接着剤、溶剤系粘着剤、水系接着剤若しくは水系粘着剤に硬化剤を添加したもの、又は、溶剤系接着剤若しくは溶剤系粘着剤又は水系接着剤若しくは水系粘着剤に硬化剤を添加したものを含浸基材に含浸させたものであること、
を特徴とする申込伝票。 - 請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の申込伝票において、
前記第2の接着層は、溶剤系粘着剤又は水系粘着剤に硬化剤を添加したものであること、
を特徴とする申込伝票。
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