JP2003067712A - Ic実装体 - Google Patents

Ic実装体

Info

Publication number
JP2003067712A
JP2003067712A JP2001260336A JP2001260336A JP2003067712A JP 2003067712 A JP2003067712 A JP 2003067712A JP 2001260336 A JP2001260336 A JP 2001260336A JP 2001260336 A JP2001260336 A JP 2001260336A JP 2003067712 A JP2003067712 A JP 2003067712A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
paper
adhesive
sensitive adhesive
antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001260336A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutake Fujiki
保武 藤木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP2001260336A priority Critical patent/JP2003067712A/ja
Publication of JP2003067712A publication Critical patent/JP2003067712A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 IC実装体内のICモジュールを構成するア
ンテナの腐食を防止し、長寿命化を図ったIC実装体を
提供する。 【解決手段】 ICチップ21とICチップ21に電気
的に接続されたアンテナ22と、これらを保持する表示
用基材11を有し、対象物に貼着可能にする粘着剤層1
2と、粘着剤層12を保護する剥離紙13を有するIC
実装体10を、75℃、90%RHの環境下に7日間曝
露した後の粘着剤層のpHが6〜9。IC実装体10
を、75℃、90%RHの環境下に7日間曝露した後の
表示用基材11のpHが6〜9。IC実装体10におい
て、対象物に貼着可能に粘着剤層12および剥離紙13
を有し、記剥離紙13を75℃、90%RHの環境下に
7日間曝露した後の剥離紙13のpHが6〜9。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種データを記録
するICチップと、このICチップのデータを送受信す
るためのアンテナを内蔵する無線周波数認識システムに
用いられるICカードやICラベルなどのIC実装体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物流、販売などにおける商品管理
には、バーコードを利用した自動認識管理システムが用
いられている。バーコードは、画像(バー)の配列状態
を情報化したものであり、専用のバーコードリーダ(読
取器)でその情報を読みとることが可能である。そのた
め、例えば商品情報を記録したバーコードを当該商品に
添付して商品管理や物流管理が行われている。ところ
が、バーコードは大量の情報を記録させたり、情報の更
新が不可能であり、また、偽造が容易であるという問題
がある。そのため、近年、RFID(Radio Frequency
Identification:無線周波数認識)と称されるシステム
が注目されている。
【0003】このRFIDシステムでは、半導体(I
C)チップと、このICチップに電気的に接続された情
報の送受信を行うループ上に形成された平面状のアンテ
ナと、コンデンサとを備えたICモジュールが用いられ
ている。このICモジュールは、ICカードまたはIC
ラベルとして実用化されている。ICカードは、ICモ
ジュールが硬質プラスチックフィルムなどからなる表示
用基材で挟まれて接着剤により接合、一体化された構造
のものである。このようなICカードが、例えば社員証
として適宜ユーザの携帯に供される。ICラベルは、剥
離紙上に粘着剤を介して、ICモジュールが接続され、
このICモジュールの上に表示用基材が接合された構造
のものである。このようなICラベルが、剥離紙が取り
除かれて、商品、輸送貨物などに貼り付けられ、商品管
理、物流管理などに用いられる。
【0004】また、ICモジュールを構成するアンテナ
を形成する方法としては、ポリエチレンテレフタレート
などのフィルムや、上質紙やコート紙などの紙類からな
る基材の上に、銀や銅などのワイヤーからなるコイルを
貼り付ける方法、銅やアルミニウムなどをコイル状にエ
ッチングする方法、銀ペーストなどの導電性インキなど
を用いてコイル状の印刷を施す方法、カーボンインキな
どの導電性インキなどを用いて板状の印刷を施す方法、
銅やアルミニウムなどの金属を板状に蒸着する方法、銅
やアルミニウムなどの金属を板状に貼り付ける方法など
によって作製されたものである。また、ICチップは、
ICチップバンプと基材上のアンテナを、導電性粒子を
含有したフィルムやペーストを用いて接合する方法、超
音波を用いた金−金接合する方法、はんだ付けなどによ
ってボンディングする方法などにより接合されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような構造のIC
実装体にあっては、アンテナが直接、粘着剤あるいは接
着剤と接触することになる。ここで使用される接着剤と
しては、例えば、アクリル系ポリマーなどの種々のタイ
プのものが用いられているが、これに含まれる微量の酸
性成分によって、アンテナが腐食するおそれがある。ア
ンテナは上述のように金属であるので、特に、高温、多
湿環境下においては、アルミニウム、銅などの金属は、
酸化物や水酸化物に変化し、電気抵抗値が高くなった
り、アンテナが薄膜の場合には僅かに腐食しても断線す
る危険性がある。また、表示用基材や剥離紙に含まれる
微量の酸性成分が直接または、上記粘着剤あるいは接着
剤に浸透して、アンテナを腐食するおそれがある。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、IC実装体内のICモジュールを構成するアンテナ
の腐食を防止し、長寿命化を図ったIC実装体を提供す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、ICチップ
と、該ICチップに電気的に接続されたアンテナとが、
接着剤層を介して保持されている表示用基材とを有する
IC実装体であって、前記IC実装体を75℃、90%
RHの環境下に7日間曝露した後の接着剤層のpHが6
〜9であるIC実装体によって解決できる。前記課題
は、ICチップと、該ICチップに電気的に接続された
アンテナとが保持されている表示用基材と、対象物に貼
着可能にする粘着剤層と、該粘着剤層を保護する剥離紙
とを有するIC実装体であって、前記IC実装体を、7
5℃、90%RHの環境下に7日間曝露した後の粘着剤
層のpHが6〜9であるIC実装体によって解決でき
る。前記IC実装体を、75℃、90%RHの環境下に
7日間曝露した後の表示用基材のpHが6〜9であるこ
とが好ましい。前記IC実装体を75℃、90%RHの
環境下に7日間曝露した後の剥離紙のpHが6〜9であ
ることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のIC実装体として、ICラベルの一例
を示す断面図である。この例のICラベル10は、表示
用基材11の一方の面11aに粘着剤層12が形成され
ており、この粘着剤層12にICモジュール20が保持
されている。粘着剤層12の露出面12a側、すなわ
ち、表示用基材11が設けられていない面側は、対象物
に貼着できるようになっている。さらに、ICモジュー
ル20の露出面20b側に、粘着剤層12が設けられて
いることが好ましい。このICラベル10においてIC
モジュール20は、粘着剤層12の露出面12a側から
配置されて粘着剤層12に保持されており、ICモジュ
ール20の一方の面20aは、粘着剤層12の表面に密
着している。このようなICラベル10は、通常、対象
物と接触する面、すなわち粘着剤層12の露出面12a
側に、剥離紙13が設けられた状態で保管され、流通さ
れる。
【0009】また、図2は、本発明で用いられるICモ
ジュールの一例を示す平面図である。この例のICモジ
ュール20は、厚さが50〜500μmであり、ICチ
ップ21と、平面ループ状に形成されたアンテナ22と
を備えている。これらICチップ21とアンテナ22と
は、共通のポリエチレンテレフタレート、ポリイミドな
どからなるベースフィルム23上に一体に形成されてお
り、アンテナ22にICチップ21がはんだ付けなどに
よって接合、固定されている。また、アンテナ22の両
端は異方導電性テープ24で接続されていて、ICチッ
プ21とアンテナ22とが導電性を保つようになってい
る。ICチップ21は、各種情報を記憶し、かつその情
報を書き換えることができ、しかもその情報を外部から
受信し、外部へ送信する機能を有する微小な半導体素子
である。また、アンテナ22はアルミニウム、銅、銀な
どの金属薄膜からなり、フォトエッチングによって平面
ループ状に形成されたものである。
【0010】また、上記粘着剤層12を形成する粘着剤
としては、ICラベル10を75℃、90%RHの環境
下に7日間曝露した後、粘着剤層12を形成する粘着剤
のpHが6〜9であるのが好ましい。粘着剤のpHが6
未満では、酸化能力が強く、アンテナ22を形成するア
ルミニウム、銅、銀などの金属薄膜が腐食し、断線する
ことがある。粘着剤のpHが9を超えると、アンテナ2
2がアルミニウムで形成されている場合、アルミニウム
は両性金属であるから腐食し、断線することがある。ま
た、表示用基材11として中性紙が用いられている場
合、紙力が低下する場合がある。
【0011】pHを測定する方法としては、粘着剤層1
2の表面にpH試験紙を貼付し、pH試験紙の変色を、
粘着剤層12に貼付する前の色と比較することにより行
なった。ここで、本環境下におけるpH試験紙の変色は
濡れた状態ではないためpH試験紙付属の標準変色表と
も比較しても、実際のpH値を得ることは難しい。そこ
で、あらかじめpH試験紙付属の標準変色表について、
pH試験紙の変色をカラーコンピュータを用いてL**
*表色系にて測定し、その変色の差ΔEとpHの関係
を求めて、検量線を作成する。粘着剤の表面に貼付する
前のpH試験紙の色と、ICラベルの粘着剤の表面に貼
付した後のpH試験紙の色をカラーコンピュータを用い
てL***表色系にて測定し、変色の差ΔEと検量線
から、pHを算出する。同様に、粘着剤の表面にpH試
験紙を貼付したICラベルを75℃、90%RH環境下
に7日間曝露し、曝露前後のpH試験紙のL***
をカラーコンピュータで測定し、変色の差ΔEと検量線
から、pHを算出する。得られたpHの値から、粘着剤
のpHを算出する。なお、本発明において用いたpH試
験紙は、商品名「東洋pH試験紙 WHOLE RAN
GE(pH0〜14)」、東洋濾紙社製のものである。
【0012】粘着剤層12の露出面上におけるpH試験
紙の変色は、カラーコンピュータにて測定した後、変色
の差をΔE値で表す。ΔE値は下記数式にて算出した。 ΔE=((L* 0−L*2+(a* 0−a*2+(b* 0−b
*20.5 (式中、 L* 0:曝露処理前のpH試験紙の明度指数 L* :曝露処理7日後のpH試験紙の明度指数 a* 0:曝露処理前のpH試験紙のクロマティクネス指数 a* :曝露処理7日後のpH試験紙のクロマティクネス
指数 b* 0:曝露処理前のpH試験紙のクロマティクネス指数 b* :曝露処理7日後のpH試験紙のクロマティクネス
指数)
【0013】粘着剤層12を形成する粘着剤としては、
特に限定されるものではないが、例えばアクリル酸とそ
のエステルの共重合体で構成されるアクリル系粘着剤、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体系粘着剤、天然
ゴム系粘着剤、スチレン−ブタジエン共重合体系粘着
剤、ポリウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの
1種または2種以上の混合物が用いられる。中でも、ア
クリル系粘着剤は耐光性、耐久性に優れているので好ま
しく用いられる。また、これら粘着剤に石油樹脂、ロジ
ンなどの粘着付与剤を添加することもできる。また、粘
着剤には、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エ
ポキシ化合物、ポリメタクリル酸化合物などの硬化剤を
添加してもよい。硬化剤を添加することにより、粘着剤
の凝集力や、耐水性を高めることができる。また、粘着
剤は、熱または放射線(紫外線、電子線など)により架
橋可能なものであってもよい。
【0014】また、粘着剤の形態は、溶液型、エマルジ
ョン型、サスペンジョン型、ホットメルト型などのいず
れでもよく、これらを混合した形態のものであってもよ
い。このような粘着剤が、用途に応じて、永久接着用、
強接着用、冷食用、再剥離用などに用いられる。
【0015】75℃、90%RHの環境下に7日間曝露
した後のpHが6〜9の粘着剤を得るための第1の方法
は、粘着剤の出発モノマーとして、アクリル酸などのよ
うな分子内に水素イオンを遊離するカルボキシル基を有
するモノマーを、含まない原料を用いる方法である。例
えば、粘着剤がアクリル系のものであれば、出発モノマ
ーは、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸ペンチルなどのアクリル酸アル
キルエステル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル
酸ヒドロキシメチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸ヒドロキシエチルなどのアクリル酸ヒドロ
キシアルキルエステル、メタクリル酸ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのメタクリル
酸ヒドロキシアルキルエステルを用いることができる。
アクリル系粘着剤は、アクリル酸アルキルエステルの1
種または2種以上と、アクリル酸ヒドロキシアルキルエ
ステルまたはメタクリル酸ヒドロキシプロピルの1種ま
たは2種以上とを、通常の方法、たとえば、乳化重合、
溶液重合、塊状重合、懸濁重合などにより共重合させて
調製することができる。
【0016】アクリル酸アルキルエステルの1種または
2種以上と、アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルま
たはメタクリル酸ヒドロキシプロピルの1種または2種
以上とを重合してアクリル系粘着剤を調製する場合、ア
クリル酸アルキルエステルの配合割合は通常80〜99
重量%、好ましくは85〜95重量%であり、アクリル
酸ヒドロキシアルキルエステルまたはメタクリル酸ヒド
ロキシプロピルの配合割合は、通常1〜20重量%、好
ましくは5〜15重量%である。アクリル酸ヒドロキシ
アルキルエステルまたはメタクリル酸ヒドロキシプロピ
ルの配合割合が1重量%未満では、粘着剤の凝集力が低
下し、20重量%を超えると、耐水性が低下する。
【0017】これらの方法によれば、出発モノマーとし
て、カルボキシル基を有するカルボン酸が用いられてい
ないから、重合後の粘着剤内にカルボキシル基が残留す
ることがないため、上記粘着剤のpHを6〜9とするこ
とができ、結果としてアンテナが腐食することがない。
【0018】上記pHが6〜9の粘着剤を得るための第
2の方法は、粘着剤の重合後の分子内に残留しているカ
ルボキシル基を反応させて、カルボキシル基以外の官能
基に変換する方法である。カルボキシル基を他の官能基
に変換する方法としては、カルボン酸を酸塩化物に変換
する方法、エステルに変換する方法、アミドに変換する
方法、還元する方法などが挙げられる。
【0019】カルボン酸を酸塩化物に変換する方法は、
カルボン酸と塩化チオニル(SOCl2)、三塩化リン
(PCl3)、五塩化リン(PCl5)などを反応させ
て、カルボン酸のカルボキシル基の−OHを−Clに置
換して、酸塩化物を合成する。カルボン酸をエステルに
変換する方法は、上記の酸塩化物とアルコールを反応さ
せる方法、カルボン酸とアルコールを少量の鉱酸(通
常、濃硫酸または乾燥塩化水素)の存在下で加熱する方
法がある。カルボン酸をアミドに変換する方法は、上記
の酸塩化物とアンモニアを反応させて、カルボン酸のカ
ルボキシル基の−OHを−NH3に置換して、アミドを
合成する。カルボン酸を還元する方法は、カルボン酸と
水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)を反応さ
せてアルコキシドを生成し、このアルコキシドを加水分
解してアルコールとする。
【0020】これらの方法によれば、粘着剤重合後にカ
ルボキシル基の含有量を減らすことができるから、従来
用いられているアクリル系粘着剤をそのまま使用するこ
とができるため、新しい粘着剤を製造する必要がなくな
り、低コストでアンテナの腐食を防止することができ
る。
【0021】上記pHが6〜9の粘着剤を得るための第
3の方法は、重合後の粘着剤内に残留しているカルボン
酸を真空吸引して除去する方法である。具体的には、粘
着剤を重合する際に、重合材料を重合反応器に入れて、
反応器の内部圧力を、例えば、0.5〜1mmHg・a
bs程度のほぼ完全な真空にして、内容物温度で、例え
ば、70〜80℃程度に加熱させて重合させる方法があ
る。これらの方法によれば、粘着剤重合後に、真空吸引
するだけでカルボキシル基の含有量を減らすことができ
る。したがって、この方法は、特別な装置を必要とせ
ず、いかなる粘着剤にも適用することができる。
【0022】また、粘着剤層12には、これを形成する
粘着剤に隠蔽剤を添加し、隠蔽性を付与することができ
る。これにより、ICラベル10は、使用する表示用基
材11の不透明性が低い場合でも、隠蔽性を高めること
ができる。ICラベル10の隠蔽性が高いと、ICモジ
ュール20の存在箇所を外部から判別しにくくなり、I
Cモジュール20の偽装などの不正行為を防止できる。
隠蔽剤としては、アルミニウム粉、酸化チタン、カーボ
ンブラックなどの無機系顔料、有機顔料、染料などが用
いられる。
【0023】また、表示用基材11は、ICラベル10
を75℃、90%RHの環境下に7日間曝露した後のp
Hが6〜9が好ましい。表示用基材11のpHが6未満
では、酸化能力が強く、表示用基材11に含まれる微量
の酸性成分が直接または、粘着剤層12に浸透してアン
テナ22を形成するアルミニウム、銅、銀などの金属薄
膜を腐食することがある。表示用基材11のpHが9を
超えると、アンテナ22がアルミニウムで形成されてい
る場合、アルミニウムは両性金属であるから腐食するこ
とがある。
【0024】表示用基材11としては、セロハン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質
ポリ塩化ビニル、ポリエステル(例えば、ポリエチレン
テレフタレートや、エチレングリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールおよびテレフタル酸を重合して
得られ、ポリマー中のジアルコール残基において、エチ
レングリコール残基が80〜95モル%、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール残基が5〜20モル%であるポ
リエステル樹脂など)、ポリスチレン、ポリウレタンな
どの樹脂を主成分とするフィルム、これらの樹脂を主成
分とし、発泡剤を配合して発泡させた発泡フィルム、こ
れらの樹脂を主成分とし、無機および/または有機顔料
を配合し、延伸処理によりボイドを形成した多孔質フィ
ルムなどのフィルム類、合成紙類、不織布類、あるいは
上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、クラフ
ト紙、ポリエチレンラミネート紙、含浸紙、発泡紙、水
溶性紙などの紙類、さらには、感熱記録紙、インクジェ
ット記録用紙、熱転写受容シートなどの記録シートなど
絶縁性の公知のシート類が挙げられ、これらを単独で使
用しても、または、これらのうちの複数を適宜積層させ
て使用してもよい。上記pHが6〜9の表示用基材11
を得るための方法としては、表示用基材11を形成する
プラスチックの出発モノマーとして、アクリル酸などの
ような分子内に水素イオンを遊離するカルボキシル基を
有するモノマーを、含まない原料を用いる方法が好まし
い。また、表示用基材が紙類では、中性抄紙法により得
ることが好ましい。
【0025】また、表示用基材11の外表面には、所定
の意匠効果をもたらすように、あるいは、必要な情報を
記載するために印刷を施して、対象物に関する情報など
を印刷して表示できるようにすることが好ましい。特
に、表示用基材11に各種プリンターで印字可能な領域
を設けるとコンピューターなどによる個々の情報が印字
できるので好ましい。例えば、表示用基材11の少なく
とも一部分領域を感熱記録紙として、感熱プリンタで印
字可能としたり、表示用基材11の少なくとも一部分領
域に所定のインク受容性をもたせて、インクジェットプ
リンタで印字可能とすればよい。また、熱転写受容層を
設けて溶融熱転写、昇華熱転写方式で印字してもよい。
特に、可逆感熱記録紙などのリライタブル記録紙を形成
すれば表示情報が更新できるので好ましい。表示用基材
11の厚さは通常30〜300μmである。
【0026】また、剥離紙13は、ICラベル10を7
5℃、90%RHの環境下に7日間曝露した後のpHが
6〜9が好ましい。剥離紙13のpHが6未満では、酸
化能力が強く、剥離紙13に含まれる微量の酸性成分が
アンテナ22を形成するアルミニウム、銅、銀などの金
属薄膜を腐食することがある。剥離紙13のpHが9を
超えると、アンテナ22がアルミニウムで形成されてい
る場合、アルミニウムは両性金属であるから腐食するこ
とがある。
【0027】剥離紙13としては、グラシン紙のような
高密度紙、クレーコート紙、クラフト紙、上質紙などに
ポリエチレンなどの樹脂フィルムをラミネートした、い
わゆるポリラミ紙、あるいはクラフト紙や上質紙など
に、ポリビニルアルコール、澱粉などの水溶性高分子な
どと顔料とを主成分とする目止め層を設けた樹脂コーテ
ィング紙、あるいはポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレートなどのフィルムなどにエマルジョン型、溶剤
型あるいは無溶剤型のシリコーン樹脂やフッ素樹脂など
を乾燥重量で0.05〜3g/m2 程度になるように塗
布後、熱硬化、電子線硬化、紫外線硬化などによって剥
離剤層を形成したものなどが適宜使用される。剥離紙1
3の厚さに制限はないが、通常30〜300μmであ
る。
【0028】図3は、本発明のIC実装体として、IC
カードの一例を示す断面図である。このICカード30
は、一方の表示用基材31の一方の面31aに第1の接
着剤層33が形成されており、この第1の接着剤層33
にデータ記憶素子20が保持されている。さらに、第1
の接着剤層33の露出面33a側、すなわち、表示用基
材31が設けられていない面側が、他方の表示用基材3
2の一方の面32aに形成された第2の接着剤層34に
貼着されている。
【0029】表示用基材31、32としては、ICラベ
ル10の表示用基材11をなすものが同様に用いられ
る。また、表示用基材31、32の他方の面31b、3
2bには、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷など
により所望の絵柄、説明文字などを印刷してもよい。I
Cカードは、これを構成する各層が積層された後、打ち
抜きによりカードに成形されるが、表示用基材31、3
2への印刷は打ち抜きの前後のどちらで行なってもよ
い。
【0030】また、第1の接着剤層33および第2の接
着剤層34を形成する接着剤としては、熱接着、圧接
着、湿潤接着することのできる接着剤を用いて積層一体
化する。中でも、シート状接着剤を用い、熱圧接着する
と、強固な接着のカードとなるので好ましい。熱圧接着
するためのシート状接着剤としては、ホットメルト接着
剤が好適である。ホットメルト接着剤としては、ベース
ポリマー別にポリエステルまたはエチレン−酢酸ビニル
共重合体またはポリアミドまたは熱可塑性ゴムを主成分
とするものなどが挙げられ、これにロジン、ロジン誘導
体、ピネン系樹脂などの粘着付与剤と、ポリエチレンワ
ックス、パラフィンワックスなどのワックス類と、各種
可塑剤、充填剤、熱安定剤などが添加されて調製され
る。ポリエステル系は、例えば、テレフタル酸、エチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、イソフタル
酸、セパシン酸、ドデカン酸、ポリテトラメチレンエー
テルグリコールなどの中から選ばれる成分の共重合体な
どであり、ポリアミド系はダイマー酸とジアミンの重縮
合反応による生成物、熱可塑性ゴム系はポリスチレン−
ポリブタジエン−ポリスチレンのブロック共重合体など
が挙げられる。その他、シート状接着剤以外でも、製造
工程に応じたポットライフが確保できれば、熱硬化型、
紫外線硬化型、2液硬化型などの公知の接着剤を塗布す
ることなどで使用することが可能である。
【0031】[実施例]以下、具体的な実施例を示して
本発明の効果を明らかにする。 (実施例1)メタクリル酸共重合体を主成分とするエマ
ルジョン型アクリル系粘着剤(試作品名;K−061
7、BASFディスパージョン社製)を市販のポリエチ
レンラミネート剥離紙(商品名;ENクリーム3、王子
製紙社製)に乾燥重量で20g/m2になるように塗布
し、110℃で1分30秒乾燥させた後、表示用基材と
して厚さ50μmのアルミニウム蒸着ポリエステルフィ
ルム(商品名;メタライトSGマット、帝人社製)と貼
り合わせてICラベルを得た。
【0032】(実施例2)厚さ50μmの2軸延伸ポリ
プロピレンフィルム(商品名:PY−101、王子製紙
社製)にアルミニウム蒸着フィルム(I)を形成した。
また、表示用基材として、厚さ163μmの上質紙(商
品名:OKプリンス、秤量127.9g/m2、王子製
紙社製)に、エマルジョン型アクリル系接着剤(試作品
名:G−0415、BASFディスパージョン社製)を
乾燥重量で15g/m2になるように塗布し、乾燥させ
た後、アルミニウム蒸着フィルム(I)を挟み込むよう
に貼り合せ、ICカードを得た。
【0033】(実施例3)表示用基材として、厚さ50
μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名;PY
−101、王子製紙社製)にアルミニウム蒸着を施した
ものを用いた以外は、実施例1と同様にしてICラベル
を得た。
【0034】(比較例1)エマルジョン型アクリル系粘
着剤(商品名;L−145、日本カーバイド工業社製)
を用いた以外は、実施例1と同様にしてICラベルを得
た。
【0035】(比較例2)エマルジョン型アクリル系粘
着剤(試作品名;F−0401、BASFディスパージ
ョン社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてIC
ラベルを得た。
【0036】上記実施例1ないし3で得られたICラベ
ルやICカードおよび比較例1および2で得られたIC
ラベルおよびICカードについて、以下に示す評価を行
なった。 (1)pHの測定 まず、pH試験紙付属の標準変色表について、pH試験
紙(商品名;東洋pH試験紙WHOLE RANGE
(pH0〜14)、東洋濾紙社製)の変色をカラーコン
ピュータ(SMカラーコンピュータ SM−4、スガ試
験機社製)を用いてL***表色系にて測定し、その
変色の差ΔEとpHの関係を求めて、検量線を作成し
た。ICラベルの粘着剤の表面に貼付する前のpH試験
紙の色と、ICラベルの粘着剤の表面に貼付した後のp
H試験紙の色をカラーコンピュータを用いてL***
表色系にて測定し、変色の差ΔEと検量線から、pHを
算出した。同様に、粘着剤の表面にpH試験紙を貼付し
たICラベルを75℃、90%RH環境下に7日間曝露
し、曝露前後のpH試験紙のL***値をカラーコン
ピュータで測定し、変色の差ΔEと検量線から、pHを
算出した。また、ICカードの表示用基材を剥がした接
着剤の表面に貼付したpH試験紙の色の変化から前記と
同様にして、pHを算出した。結果を表1に示す。
【0037】(2)アルミニウム蒸着膜の変色および透
明化の評価 ICラベルの剥離紙を剥した状態のサンプルおよびIC
カードの表示用基材を剥がした状態のサンプルを、75
℃、90%RH環境下に7日間曝露し、曝露後のアルミ
ニウム蒸着面の変色および透明化の状態を目視評価し
た。評価基準を、下記の通りとした。 ○:蒸着面が変色および透明化していない。 △:蒸着面が若干、変色および透明化しているが、実用
上問題のないレベル。 ×:蒸着面が変色および透明化しているため、実用上問
題となるレベル。 結果を表1に示す。
【0038】(3)通信特性試験 ICラベルおよびICカードの共振周波数を測定した。
ネットワークアナライザ(型式R3754B、アドバン
テスト社製)に、直径5cmのループアンテナを接続し
た測定器によってICラベルの共振周波数を測定した。
次に、パソコンに接続したリーダ・ライタ(シーメンス
社製)により、ICラベルの通信距離を測定した。結果
を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果から、粘接着剤のpHが6〜9
であれば、粘着剤中の酸性成分による影響が少ないた
め、アルミニウム蒸着膜が酸化して、変色したり透明化
することがない。また、ICラベルやICカードに要求
される通信特性である、共振周波数13.56MHz、
通信距離90mmを満たしていることが確認された。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のIC実装
体は、ICチップと、該ICチップに電気的に接続され
たアンテナとが、接着剤層を介して保持されている表示
用基材とを有するIC実装体であって、前記IC実装体
を75℃、90%RHの環境下に7日間曝露した後の接
着剤層のpHが6〜9であるから、アンテナを形成する
アルミニウム、銅、銀などの金属薄膜が腐食し、断線す
ることがない。また、本発明のIC実装体は、ICチッ
プと、該ICチップに電気的に接続されたアンテナとが
保持されている表示用基材と、対象物に貼着可能にする
粘着剤層と、該粘着剤層を保護する剥離紙とを有するI
C実装体であって、前記IC実装体を、75℃、90%
RHの環境下に7日間曝露した後の粘着剤層のpHが6
〜9であるから、アンテナを形成するアルミニウム、
銅、銀などの金属薄膜が腐食し、断線することがない。
したがって、本発明のIC実装体は、通信特性が劣化す
ることなく、長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のIC実装体として、ICラベルの一
例を示す断面図である。
【図2】 ICモジュールの一例を示す平面図である。
【図3】 本発明のIC実装体として、ICカードの一
例を示す断面図である。
【符号の説明】
10…ICラベル、11…表示用基材、12…粘着剤
層、13…剥離紙、20…ICモジュール、21…IC
チップ、22…アンテナ、23…ベースフィルム、33
…第1の接着剤層、34…第2の接着剤層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 3/10 G06K 19/00 H Fターム(参考) 2C005 MA31 MA32 MB06 NA09 PA18 RA22 4J040 BA202 CA011 CA071 CA081 DB051 DE011 DF031 DF061 DF081 DN032 EC002 EF001 EF282 EK001 GA05 HA026 HA066 HA136 KA16 KA26 KA42 LA06 LA07 LA09 MA02 MA04 MA10 MB03 NA20 PA21 5B035 BA03 BB09 CA01 CA23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ICチップと、該ICチップに電気的に
    接続されたアンテナとが、接着剤層を介して保持されて
    いる表示用基材とを有するIC実装体であって、 前記IC実装体を75℃、90%RHの環境下に7日間
    曝露した後の接着剤層のpHが6〜9であることを特徴
    とするIC実装体。
  2. 【請求項2】 ICチップと、該ICチップに電気的に
    接続されたアンテナとが保持されている表示用基材と、
    対象物に貼着可能にする粘着剤層と、該粘着剤層を保護
    する剥離紙とを有するIC実装体であって、 前記IC実装体を、75℃、90%RHの環境下に7日
    間曝露した後の粘着剤層のpHが6〜9であることを特
    徴とするIC実装体。
  3. 【請求項3】 前記IC実装体を、75℃、90%RH
    の環境下に7日間曝露した後の表示用基材のpHが6〜
    9であることを特徴とする請求項1または2記載のIC
    実装体。
  4. 【請求項4】 前記IC実装体を75℃、90%RHの
    環境下に7日間曝露した後の剥離紙のpHが6〜9であ
    ることを特徴とする請求項2記載のIC実装体。
JP2001260336A 2001-08-29 2001-08-29 Ic実装体 Withdrawn JP2003067712A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001260336A JP2003067712A (ja) 2001-08-29 2001-08-29 Ic実装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001260336A JP2003067712A (ja) 2001-08-29 2001-08-29 Ic実装体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003067712A true JP2003067712A (ja) 2003-03-07

Family

ID=19087555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001260336A Withdrawn JP2003067712A (ja) 2001-08-29 2001-08-29 Ic実装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003067712A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007216533A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Dainippon Printing Co Ltd 耐水電子ペン用シート
JP2017528337A (ja) * 2014-07-08 2017-09-28 ザイレコ,インコーポレイテッド プラスチック系製品のマーキング

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007216533A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Dainippon Printing Co Ltd 耐水電子ペン用シート
JP2017528337A (ja) * 2014-07-08 2017-09-28 ザイレコ,インコーポレイテッド プラスチック系製品のマーキング
US10410453B2 (en) 2014-07-08 2019-09-10 Xyleco, Inc. Marking plastic-based products

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4289152B2 (ja) 手荷物タグ及び手荷物タグの使用方法
KR100859105B1 (ko) 비접촉 ic 카드
EP0297705A2 (en) Imagable clean release laminate construction
JP2003209421A (ja) 透明アンテナを有するrfidタグ、及びその製造方法
TW200813852A (en) Forgery prevention IC label
JP2004094522A (ja) Icチップ実装体
JP4029681B2 (ja) Icチップ実装体
TW442769B (en) Adhesive label
JP2003067712A (ja) Ic実装体
US9324018B2 (en) Method of producing radio-frequency identification elements and radio-frequency identification elements capable of being obtained by such a method
TWI285153B (en) Security film system with reactive adhesives
JP2007094621A (ja) 非接触icタグラベル
JP2003132319A (ja) Icカード、その製造方法およびicカード用の紫外線硬化型インキ
JP2003067713A (ja) Ic実装体
CN107690682A (zh) 用于高温应用的标签和标记
JP2002072883A (ja) データ記憶素子保持ラベル
JP3923781B2 (ja) Rfidタグ付き圧着はがき、およびrfidタグ付き圧着はがき用フォーム
JP3941362B2 (ja) 電子タグとそれを用いた電子標識
JP2003067714A (ja) Ic実装体
JP5375649B2 (ja) 非接触icラベル
JP5569347B2 (ja) Rfidラベル
JP2002279380A (ja) Icカード記録媒体及びその製造方法
JP2003067706A (ja) 非接触icカード記録媒体及びその製造方法
JP2002334315A (ja) Ic実装体
JP5375648B2 (ja) 非接触icラベル

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081104