JP4887405B2 - 孔壁面検査装置及びコンクリート構造物の検査方法 - Google Patents

孔壁面検査装置及びコンクリート構造物の検査方法 Download PDF

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Description

本発明は孔壁面検査装置及びコンクリート構造物の検査方法に係り、コンクリート構造物に小径孔を形成し、該孔壁面の状態を詳細に撮像可能な孔壁面検査装置及び同装置を用いて、コンクリート構造物の劣化および施工不良状態等を簡単かつ精度よく検査できるようにしたコンクリート構造物の検査方法に関する。
高度経済成長期に各地で大量に建設されたコンクリート構造物は、設計上、施工上において種々の問題点を抱え、一般的に耐久性が低いことが指摘されてきた。そして今、それらが建設後約30年が経過しようとしており、構造物としての健全性やコンクリート部の劣化診断を必要とする物件が数多く発生している。特に既設トンネルの覆工コンクリートの一部が剥離し落下するという事故等を契機にコンクリート構造物の耐久性に関する意識が高まり、定期的に構造物の検査および劣化診断が行われるようになってきた。
コンクリート構造物の劣化および施工不良の状態等を検査する場合、コンクリート内部の詳細なデータを得ることが最善である。そのため、一般にはコンクリート構造物の所定位置からコア形状のコンクリートを抜き取り検査する方法が行われる。抜き取ったコアからは、コンクリート構造物における実際の中性化深さや発生ひび割れ等の直接情報を得ることができ、コンクリート構造物の劣化診断として精度の高い情報が得られる。しかし、コア抜き作業は、コア寸法にもよるが、コンクリートを所定直径のコア状に切り取るための専用のカッタ装置を必要とする。そしてカッタ装置をコンクリート構造物の所定位置に固定するための治具やコンクリート切断面への水の供給等、大がかりな設備を必要とし、検査コストが高くなるとともに、作業時間が増すという問題がある。また、精度の高い情報を得るためには、コアもある程度大きな寸法のものを抜き取る必要がある。このため、所定かぶり位置にある鉄筋等を切断してしまうこともあり、構造物に大きな損傷を与えることから検査点数を多く取ることが難しい。
そこで、調査対象物であるコンクリートに所定の小径のボーリング調査孔を削孔し、その調査孔に光ファイバー束からなるマイクロスコープ、CCDカメラを搭載したボアホールカメラ等の撮像装置を挿入して孔壁を撮像し、得られたデータを画像処理により所定の画像として構成する検査手法も開発されている(たとえば、特許文献1,非特許文献1参照)。また、観察の精度を高めるために調査孔内の観察装置として、医療検査分野で利用されている内視鏡と同等機能を有するファイバースコープ型の内視鏡を用い、内視鏡で得られた画像を所定の画像処理装置で処理し、調査孔内部の状況を把握するようになっている(特許文献2参照)。
特開2001−41903公報(第2頁) 特開2001−227925公報(第3頁〜第6頁)
福井次郎他4名,"橋梁基礎構造の調査に関する研究"「第2回構造物の診断に関するシンポジウム論文集」,土木学会,1999年8月,p.137−142
ところで、上述した各手法において、光ファイバー束を用いるマイクロスコープや内視鏡を使用するものでは、比較的小口径の調査孔を削孔することで調査を行える。しかし、先端の撮像プローブの撮影視野角が限られるため、撮像プローブが向いている孔壁部分の状況は把握できるが、撮像プローブが位置する所定深度前後における孔壁面の展開図情報等を得るために、多数の撮像情報を編集しなければならない。このため、各調査孔における計測作業が煩雑になるという問題がある。
一方、ボアホールカメラは撮像プローブ内に収容されたミラーに結像した調査孔の全周方向の輪切り画像をCCDカメラで撮像し、サンプリングされた輪切り情報を画像処理により集成して所定深度範囲の展開画像情報としている。ところがこの種のボアホールカメラは、CCDカメラとミラー光学系を収容した撮像プローブの直径が大きいため、従来のボーリング孔を利用している。このためボーリング孔の削孔設備を必要とするという問題を有する。また、比較的大口径の調査孔内で孔壁画像を撮像プローブ内に収容されたミラー光学系に結像させるために、孔壁を照らす高照度の光源が付加的に必要となる。
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、従来の削孔装置で削孔可能な口径の調査孔で対応することができ、さらに所定深度範囲の孔壁展開図を精度よく、迅速かつ簡単に得ることができる孔壁面検査装置及びコンクリート構造物の検査方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は先端が錘状をなすようにあらかじめ削孔された調査孔内に挿入される円筒状本体の筒先側の一部に、筒長手方向に沿って縮小光学系リニアイメージセンサを内蔵し、該リニアイメージセンサの画像取得面が臨む開口を有する撮像部を前記円筒状本体に形成するとともに、前記円筒状本体に設けられた先端支持ピンによる前記調査孔の先端の錘状部での先端支持と、前記調査孔の孔口に設けられた支持リングでの支持とで、前記円筒状本体を、前記調査孔の孔壁面に対して孔軸と同心円上に保持する筒姿勢保持手段を、前記円筒状本体の一部に設け、該筒姿勢保持手段で前記円筒状本体を支持しながら、前記調査孔内で周方向に所定角度回転させ、該回転に伴って導光体を介して照らされた前記孔壁面を撮像し前記リニアイメージセンサによって取得した画像信号を、インタフェース部を介して外部描画処理手段に出力し、前記孔壁面の展開画像を得るようにしたことを特徴とする。
上記の装置によるコンクリート構造物の検査方法として、前記装置の円筒状本体がわずかな隙間を有して挿入可能な直径で、先端が錘状をなすように調査孔を削孔し、該調査孔内の清掃後に、該調査孔孔壁面の半周位置ごとに画像基準マーカーを貼付し、その後前記装置の撮像部を挿入し、前記筒姿勢保持手段で、前記円筒状本体を、前記調査孔の孔壁面に対して孔軸と同心円上に保持しながら、前記円筒状本体を周方向に所定角度回転させ、該回転に伴って導光体を介して照らされた前記孔壁面を、孔軸方向の走査と周方向との走査とを行うことで撮像し、取得された画像信号を、インタフェース部を介して外部描画処理手段に出力して画像処理することにより、前記画像基準マーカーが写り込まれた前記孔壁面の展開画像を作成して描画し、対象コンクリート孔壁面の劣化および施工不良状態を検査することを特徴とする。
以上に述べたように、本発明の孔壁面検査装置を用いて、コンクリート内部を検査する方法によっても、いままでコア抜きで検査してきた中性化、ひび割れおよび塩化物イオン浸透深さ試験等が同等の精度で可能なことが確認できた。また、コア抜きによる試験と比ベ、コスト、作業性が高いという効果を得ることができる。
本発明による孔壁面検査装置の一実施の形態を示した全体斜視図。 図1に示した孔壁面検査装置の撮像部を拡大して示した部分拡大斜視図。 図2に示したIII-III断面線に沿って示した横断面図。 孔壁面検査装置による孔壁撮像状態を示した状態説明図。 マーカ取付治具とマーカ取付状態を示した状態説明図。 本装置によって得られた孔壁の展開画像の一例を示した模式展開図。 押圧支持手段の変形例を示した装置断面図。 図7に示した押圧支持手段の動作状態を示した状態説明図。 姿勢保持手段によって回転時の装置ブレを防止するようにした孔壁面検査装置の一実施の形態を示した全体斜視図。 姿勢保持手段によって回転時の装置ブレを防止するようにした孔壁面検査装置の他の実施の形態を示した全体斜視図。 本発明のコンクリート検査方法における一連の作業手順を示した説明図(その1)。 本発明のコンクリート検査方法における一連の作業手順を示した説明図(その2)。
以下、本発明の孔壁面検査装置及びコンクリート構造物の検査方法の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は孔壁面検査装置1の一実施の形態を示した斜視図である。孔壁面検査装置は、円筒状の外殻13をなし、筒先端の所定範囲に撮像部11を備えた装置本体10と、装置本体10の後端から導出された信号線12からの画像信号を、画像描画用信号に変換して公知のパーソナルコンピュータ2に出力するためのインタフェース部20とから構成されている。
装置本体10は、本実施の形態では外径21mm、全長550mmの鋼管パイプを外殻13とした円筒形状をなし、先端に撮像部11が備えられている。撮像部11は図2に拡大して示したように、先端に細長四角形状をなす開口14が形成され、この開口14から所定長さの画像取得面15が臨むように、内部にリニアイメージセンサ16が収容されている。本実施の形態では、リニアイメージセンサ16としてLED(図示せず)を光源とし、導光体1対1の等倍光学系を用いて結像を読み取る公知の密着型センサが用いられている。このリニアイメージセンサ16は、撮像部11の長手方向の主走査方向と、撮像部11の円筒軸線周りに回転させる副走査方向とに走査させることで2次元の展開画像を取得することができる。本実施の形態では、副走査方向への移動(回転)は、その移動距離をエンコーダで計測しながら走査情報を取得することで精度の高いサンプリングを行っている。
ここで、リニアイメージセンサは、たとえば受光素子を線状(リニア)に配列し、受光素子の配列方向および所定の方向への走査を行うことで2次元画像を取得することのできるセンサをさし、上述した等倍光学系のいわゆる密着型センサのほか、合焦機能を有する縮小光学系CCDセンサ等をリニアに配列した受光部としてセンサを構成したもの等、リニアに受光部が構成されているイメージセンサを広くさしている。
また、この撮像部11には、走査時(回転時)の装置本体10の安定性を確保するために、装置本体10の支持手段が備えられている。この種の密着型センサは焦点距離が約1mm以下であるため、孔壁面5とセンサの画像取得面15との距離が1mm以上になるとシャープな画像が得られないおそれがある。そこで、本発明の装置本体10には画像取得面15を孔壁5に押しつける押圧支持手段30が備えられている。本実施の形態では、装置本体10の回転方向に対して画像取得面15の背面位置の、画像取得面15の全長にわたり、ほぼ等間隔に3箇所に押圧支持手段としての可動支持ローラ31が取り付けられている。各可動支持ローラ31は図2,図3に示したように、装置本体10内に配置された1本の回転軸(図示せず)に関して回転可能に同軸支持された軸受部材32と、軸受部材32に軸支されたゴムローラ33と、ゴムローラ33を孔壁5に押圧ように付勢するトーションスプリング34とから構成されている。回転軸の端部は図1に示したように、装置本体10から突出し、操作ノブ35により所定の回転を外部から付与できるようになっている。したがって、装置本体10を調査孔に挿入する際に、外側に突出している可動支持ローラ31を、操作ノブ35を用いてトーションスプリング34の付勢力に抗するように、装置本体10内に一時的に収容させて調査孔4(図1)内への挿入を容易に行えるようになっている。
さらに、装置本体10の滑らかな回転を保持するために、独立ローラ36とスペーサ37とが撮像部11の開口14の縁近傍に設けられている。独立ローラ36は図2に示したように、画像取得面15の後端側に、長手方向に所定間隔をあけて配設され、各ローラが独立して回転することができる。一方、画像取得面15の前端側には所定厚さのスペーサ37が貼着されている。装置本体10をこのスペーサ37位置で摺動させることにより、所定の焦点距離を確保するように、画像取得面15と孔壁5との離れを保持することができる。さらに装置本体10の回転移動量を検知するために、エンコーダ(図示せず)のローラ17の一部が外殻13から突出するように取り付けられている。
リニアイメージセンサ16で取得される画像信号の取り扱いについて図1他を参照して説明する。装置本体10の手元にあるスイッチをONし、LED光源(図示せず)のRGB色を順に発光させ、導光体を介して孔壁5を照らして反射させ、光学系を介して画像取得面15位置のリニアイメージセンサ16の受光面に到達する各色の光量をアナログ信号としてサンプリングする。1次配列された受光素子(図示せず)で得られた画像信号は、増幅器を介してアナログ信号で所定クロックに同期させて信号線12を介して順次出力される。そしてこの出力画像データ信号は、画像信号変換手段としての規格化されたPCカード20に入力され、所定の画像信号処理がなされ、PCカード20を装着したパーソナルコンピュータ2において、所定の展開画像として描画させることができる。
図1に概略機能構成が示されているように、インタフェース部20としてのPCカード20では、まず入力されたアナログ信号がA/D回路21においてディジタル信号に変換され、次いでスキャナ制御部22において、取得された画像信号が集成され、実際の孔壁データに対応した画像信号が生成される。さらにインターフェース制御部23において、パーソナルコンピュータ2での描画処理のための引き渡し情報として変換され、パーソナルコンピュータ2において、所定の描画処理がなされる。パーソナルコンピュータ2のインターフェースとしては上述のPCカード仕様の他、USB端子,IEEE1394端子等を介しての接続が可能なことはいうまでもない。
パーソナルコンピュータ2には画像処理、描画処理部に加えて前処理部を設けることが好ましく、この前処理部では、撮像部を回転させる際の回転速度のムラ、孔軸方向へのブレ、回転軸の倒れ等のために取得画像信号に生じた歪み等を、補完演算して整形することができる。画像データベースは、圧縮データとして逐次蓄積させることができ、蓄積された多数のデータを統計処理してマッピング情報として編集し、対象構造物全体の劣化および施工不良状態の診断を行うようにしてもよい。その際、画像データを加工し、設計、施工データ等の付加情報を重ねることで診断作業の精度を高めることが好ましい。
図4は、孔壁面検査装置により調査孔4の孔壁5を撮像している状態を説明するために示した断面図である。同図(a)に示したように、撮像時には、装置本体10の撮像部11を調査孔4内において、スペーサ37、独立ローラ36、エンコーダ用ローラ17および可動支持ローラ31が孔壁5に接触した状態で矢印方向に回転させればよい。各ローラが装置本体10の回転を安定して支持するため、内蔵されたリニアイメージセンサ(図示せず)の画像取得面15を孔壁5から一定距離を保持させながら、装置本体10を回転させることができる。特に可動支持ローラ31は、トーションスプリング34(図3)の付勢力によって常にゴムローラ33を孔壁5に押圧させることができるので、同図(b)のように画像取得面15が上方を向いているような回転位置でも確実に画像取得面15を孔壁5に押しつけるようにできる。
本実施の形態では、図4各図に示したように、得られた展開画像上での縮尺の把握のために、孔壁5にシール状のマーカ6が貼着されている。このマーカ6は孔壁面5の対向位置に貼着されているので、展開画像を得たときに半周ごとに画像上に現れることになる。このマーカ6を孔壁に貼着するための治具およびその貼着方法について図5を参照して説明する。図5(a)に示したマーカ取付治具40は筒状本体41と、本体内に収容されたリンク機構(図示せず)の動作により孔壁方向に所定量だけ突出するマーカ貼着突起42とを備えている。このマーカ貼着突起42は、筒状本体41の手元側でのリンク機構の操作により、孔壁5側に向けて突出し、先端が孔壁5に当接することができる。このとき突起先端に、糊面を外側に向けたシール状のマーカ6を仮留めしておくことで、突起42を孔壁5に当接させた際にマーカ6を孔壁5の所定位置に貼着させることができる。また筒状本体41には長手方向に目盛44が設けられているので、図5(b)に示したように、所定深度にマーカ6を貼着させることができる。
図6は、コンクリートに削孔された調査孔の状態を撮像し、得られた展開画像の一例を模式的に示した展開図である。同図に示したように、展開図上には周方向に180°の間隔で、深度方向に設定間隔Pでマーカ6が写し出されている。本実施の形態ではマーカ6として直径5mmの1mm方眼シールが用いられている。この方眼を利用して展開図上に現れたクラックCの幅、長さ、空隙Vの大きさ、中性化の範囲等を容易かつ高精度に定量把握できる。
図7,図8は本実施の形態の押圧支持手段の変形例を示した断面図である。本変形例では、図7に示したように、可動支持ローラに代えて片持ち形状の板バネ部材45が外殻13の一部にネジ46によって固定されている。この板バネ部材45は所定厚の板バネ鋼47とテフロン(登録商標;商品名)板等からなる摩擦低減板48とを積層したもので、調査孔内に装置本体10が挿入された際に、図8に示したように、孔直径に応じて板バネ部材45のフリー端側45aが変形し、その変形量に応じた押圧力で孔壁5を押圧するようになっている。これにより筒の対向位置にある画像取得面15が孔壁5に確実に押しつけられ、内蔵されたリニアイメージセンサの焦点距離が確保される。
次に、上述の押圧支持手段に代えて姿勢保持手段を用いて孔壁の画像の取得を行えるようにした孔壁面検査装置の構成について、図9,図10を参照して説明する。
図9,図10に示した孔壁面検査装置では、リニアイメージセンサとして合焦距離の比較的大きい縮小光学系CCDセンサを線状に配列したタイプを使用している。このリニアイメージセンサでは画像取得面と孔壁との間を密着させる必要がなく、また多少の距離のバラツキがあっても焦点が合うため鮮明な画像を得ることができる。このため、円筒状の装置本体が調査孔内で、回転軸をほぼ保持し、孔軸方向(孔深度方向)に関しても保持された状態で回転ができれば、その間の孔壁展開画像を得ることができる。
図9は、孔軸方向のブレを、軸方向姿勢保持手段としての先端ピンで防止するようにした装置を示している。同図に示したように、調査孔4の先端(最深部)はあらかじめ錘状に尖った形状をなし、その中心頂点部分4aに先端ピン71の先端が保持されるようになっている。これにより装置本体10が回転する際に孔軸方向に前後したり、撮像部11の画像取得面15がブレたりするのを防止するようになっている。このとき、孔口元位置の装置本体10と孔壁5との隙間にはスペーサリング72が装着されており、回転軸(孔軸)xの倒れ等が防止されるようになっている。また、孔外にはエンコーダ74およびエンコーダを保持するリング73とが取り付けられており、高精度で装置本体10の回転状態を検出でき、装置の回転角と取得画像との整合を果たすデータが得られるようになっている。
図10は、回転時における回転軸xに対する装置の倒れを孔4内の撮像部11において軸方向に所定箇所に取り付けた周方向姿勢保持手段としてのローラ支持部75で防止し、孔軸方向のブレをリング73によって規制するようにした装置を示している。本装置によっても孔軸方向、回転軸の倒れを確実に防止することができる。
次に、調査孔の削孔から孔壁撮像までの一連の作業について図11,図12を参照して説明する。
本発明の検査方法において、鮮明な画像を取得するためには、削孔した調査孔4の真円度および直線性も重要な要件となる。そこで、本発明では孔の真円度、直線性の精度を上げるために、図11(a)に示したような削孔ガイド50にドリル53を搭載して削孔を行った。
削孔ガイド50は、削孔装置としてのドリル53の直進性を保持するスライドバー51と、削孔ガイド50をコンクリート面の削孔位置に保持する押圧板52と、押圧板52でドリルビット53aを保持するガイドブッシュ54と、ドリル53の操作安定性及び押圧板の密着性を高めるための付勢スプリング55とから構成されている。同図(a)はドリル53による削孔開始直後を示している。このときドリル53の上面にはスライドバー51がスライダ56を介して支持されている。またスライダ56とスライドバー51との間には初期短縮状態の付勢スプリング55が装着されている。スライドバー51の先端には押圧板52が取り付けられており、押圧板52の中央位置に設けられたガイドブッシュ54を介してドリルビット53aが保持されている。この状態から同図(b)に示したように、矢印方向にドリル削孔を行うと、付勢スプリング55が伸張し、これによりスライドバー51、押圧板52をコンクリート表面に押しつける力が増加し、押圧板52の密着性を高め、ドリル操作時の安定性を増すことができる。
所定深度までの削孔が完了したら、孔内の清掃を行う。同図(c)に示したように、送風機60のノズル61を孔内に挿入し、送風するとともにノズル61の筒先で孔内に溜まった大量のドリル粉を掻き出すようにすると効率よくドリル粉を除去することができる。さらに同図(d)に示したように、ブラシ62を用いて調査孔4内を水洗して孔壁5に付着しているドリル粉を除去する孔内清掃を行う。孔内を乾燥機等(図示せず)で乾燥させた後に、必要に応じて、図12(e)に示したように、マーカ取付治具40を用いて調査孔4内の所定位置にマーカ6を貼着する。そして同図(f)に示したように、パーソナルコンピュータ2に接続された孔壁面検査装置1により、調査孔内の孔壁5の所定範囲の撮像を行うことができる。取得された画像情報は、携帯したパーソナルコンピュータ2でリアルタイムで描画させてもよいし、データとして図示しない記憶媒体に蓄積しておいて、後に一括して描画、確認することもできる。
本検査方法で取得した画像のひずみや色調の変化を調べるために、内径22.8mmの丸パイプの内面に1mm方眼紙を貼付して、対象面をスキャニングし、画像精度、品質等の検討を行った。その結果、1mm方眼紙の罫線も明瞭に確認でき、パイプの長手方向および周方向のいずれにおいても画像にひずみが生じていない。また、色調もほぼ実際の色調と同じであった。また、画像データの圧縮、欠陥(画像のトビ)も生じておらず、1mm以下の対象物も確認できるシャープな画像が得られた。
1 孔壁面検査装置
2 パーソナルコンピュータ
5 孔壁
10 装置本体
11 撮像部
12 信号線
15 画像取得面
16 リニアイメージセンサ
17 ローラ
20 インタフェース部
31 可動支持ローラ
36 独立ローラ
37 スペーサ
40 マーカ取付治具
50 削孔ガイド

Claims (2)

  1. 先端が錘状をなすようにあらかじめ削孔された調査孔内に挿入される円筒状本体の筒先側の一部に、筒長手方向に沿って縮小光学系リニアイメージセンサを内蔵し、該リニアイメージセンサの画像取得面が臨む開口を有する撮像部を前記円筒状本体に形成するとともに、前記円筒状本体に設けられた先端支持ピンによる前記調査孔の先端の錘状部での先端支持と、前記調査孔の孔口に設けられた支持リングでの支持とで、前記円筒状本体を、前記調査孔の孔壁面に対して孔軸と同心円上に保持する筒姿勢保持手段を、前記円筒状本体の一部に設け、該筒姿勢保持手段で前記円筒状本体を支持しながら、前記調査孔内で周方向に所定角度回転させ、該回転に伴って導光体を介して照らされた前記孔壁面を撮像し前記リニアイメージセンサによって取得した画像信号を、インタフェース部を介して外部描画処理手段に出力し、前記孔壁面の展開画像を得るようにしたことを特徴とする孔壁面検査装置。
  2. 請求項1に記載の前記装置の円筒状本体がわずかな隙間を有して挿入可能な直径で、先端が錘状をなすように調査孔を削孔し、該調査孔内の清掃後に、該調査孔孔壁面の半周位置ごとに画像基準マーカーを貼付し、その後前記装置の撮像部を挿入し、前記筒姿勢保持手段で、前記円筒状本体を、前記調査孔の孔壁面に対して孔軸と同心円上に保持しながら、前記円筒状本体を周方向に所定角度回転させ、該回転に伴って導光体を介して照らされた前記孔壁面を、孔軸方向の走査と周方向との走査とを行うことで撮像し、取得された画像信号を、インタフェース部を介して外部描画処理手段に出力して画像処理することにより、前記画像基準マーカーが写り込まれた前記孔壁面の展開画像を作成して描画し、対象コンクリート孔壁面の劣化および施工不良状態を検査することを特徴とするコンクリート構造物の検査方法。
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