JP2011256641A - 壁体の診断方法および壁体診断報告書 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】躯体2および躯体2の表面に設けた仕上げ材3からなる建築物の壁体1に生じた空隙部6,7の状態を、カメラユニット11を用いて診断する壁体1の診断方法であって、空隙部6,7が生じた壁体1の要診断箇所に、仕上げ材3を貫通し躯体2に達する診断用穴8を穿孔する穿孔工程と、診断用穴8にカメラユニット11の鏡筒15を挿入し、診断用穴8における空隙部6,7を撮像する撮像工程と、撮像工程の撮像結果に基づいて、空隙部6,7の状態を診断する診断工程と、を備えたものである。
【選択図】図6
Description
この探査方法は、ハンマー等を用いて壁体を打診し、その打診音に基づいて壁体の要補修箇所を決定し、前記要補修箇所に補修用のアンカーピンを挿填するための挿填穴を形成した後、専用の探査治具を挿填穴に挿入することで行われる。
この探査治具は、挿填穴に挿填される棒状の手持ち部の先端側にフック部を有しており、挿填穴の穴壁をなぞることでフック部が浮き部に引っ掛かることで、浮き部を検出する。このときに、挿填穴の開口部における手持ち部の位置を記録マーキングし、フック部からの距離を測定することで、挿填穴の開口部から浮き部までの距離や浮き部の幅を測定するようにしている。また、挿填穴の深さ方向に複数の浮き部が生じている場合も、同様の方法で探査を行う。
しかしながら、従来の探査治具を用いた探査方法を浮き部の診断方法として利用しても、空隙部の位置や数は把握できるものの、空隙部が浮き部なのが施工時の気泡の痕なのか、或いは浮き部に穿孔時の粉塵が残っている等の把握まではできず、補修の必要性や的確な補修方法を決定するのに十分ではなかった。
その際、アタッチメントを装着した鏡筒を周方向に回転させて、空隙部の複数箇所を撮像することが好ましい。
なお、この壁体1の診断方法は、装飾材5およびモルタル4を貫通し、且つコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔した診断用穴8に、後述するカメラユニット11および探査治具71を差し込んで行われる。そこで、先ずカメラユニット11および探査治具71から説明する。
一方、鏡筒15は、先端側からミラー21を備えた筒状の側視用アタッチメント16を差し込むようにして装着可能に構成されている。側視用アタッチメント16を装着した状態でCCDカメラ13は、鏡筒15を介して診断用穴8内の側方(B)、すなわち診断用穴8の内側面を撮像する。この場合、上記の第1空隙部6や第2空隙部7は、略直線状の暗部として撮像される。また、側視用アタッチメント16を装着した状態で、内視鏡本体12(或いは側視用アタッチメント16)を回転させれば、診断用穴8の内側面を周方向に撮像することができる。
この診断方法は、ハンマー等を用いて壁体1を打診し、その打診音に基づいて壁体1の要補修箇所を探査し、診断用穴8の穿孔位置を決定する。これに続いて、穿孔位置に適宜、マーキングが行われる。本実施形態の診断方法は、補修を行うことを前提とし補修方法の詳細を決定するために行うため、診断用穴8と補修時のアンカーピンの挿填穴を兼ねるべく、装飾材5の中心位置にマーキングが行われる。なお、補修が必要であるか否かの診断では、装飾材5の目地部分にマーキングを行う(診断用穴8を穿孔する)ことも可能である。
なお、作業を簡素化するために探査工程を省略してもよい。
その後、コンクリート躯体2の切粉等を診断用穴8内から除去すべくブロア等で噴気、または真空集塵機等で吸引、清掃し除去する(図示省略)。もっとも、冷却水を用いる穿孔であって、冷却水と共に切粉が流出する場合には、この除去工程は省略される。
また、側視用アタッチメント16を周方向に回転させることで、第1・第2各空隙部6,7の複数箇所(診断用穴8の内面に沿って周方向にずれた部位:2から4箇所)の撮像を行う(図6(g)参照)。この工程を、探査工程にて探査した全ての空隙部に対して行う。
なお、診断用穴8内における第1・第2各空隙部6,7の全体像を映し出すことができるように、側視用アタッチメント16を取り外した状態で撮像してもよい。
なお、撮像工程にて撮像した診断部の画像データーおよび診断結果を、コンピューターにて編集しまとめておくことが好ましい。これにより、診断した結果を撮像した画像と共にデーターとして残しておくことが可能となり、必要に応じてプリントアウトすることもできる。
また、必要に応じ(顧客への報告)、これら診断結果に基づいて、後述するように壁体診断報告書40を作成する。
特に図示しないが、例えば、表紙には、診断報告書(調査報告書)である旨の表示、診断対象とした建物名、報告書作成年月日、報告者等が記載される。また、フロントページには、診断物件(調査物件)の概要として、物件名称、所在地、建物用途、診断日(調査日)等の他、診断物件(診断壁面)の全景写真が掲載される。さらに、2ページ目には、壁面の位置(東西南北)、階数、装飾材5の種別により特定した診断箇所、装飾材5の詳細、診断目的、診断方法等が簡単に記載される他、矢印で診断箇所を示した全景写真を掲載される。
調査結果記載欄42には、第1・第2各空隙部6,7の位置が記載されると共に、第1・第2各空隙部6,7の位置をマーキングした探査治具71およびスケールの写真が掲載される。すなわち、測定した第1・第2各空隙部6,7の位置等の情報を掲載される。
空隙部写真欄43には、第1空隙部6の位置が記載されると共に、第1空隙部6の写真(上記の撮像結果)が掲載される。同様に、第2空隙部7の位置が記載されると共に、第2空隙部7の写真(上記の撮像結果)が掲載される。
補修方法図解欄45には、調査結果図解欄44と同様に診断結果から作成した壁体1の断面図を用い、壁体の補修方法(補修結果)が掲載される。なお、壁体1の断面図と共に、補修に最適なアンカーピンの形状や、接着剤の種類等も記載しておくことが好ましい。
Claims (8)
- 躯体および前記躯体の表面に設けた仕上げ材からなる建築物の壁体に生じた空隙部の状態を、カメラユニットを用いて診断する壁体の診断方法であって、
前記空隙部が生じた前記壁体の要診断箇所に、前記仕上げ材を貫通し前記躯体に達する診断用穴を穿孔する穿孔工程と、
前記診断用穴に前記カメラユニットの鏡筒を挿入し、前記診断用穴における前記空隙部を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程の撮像結果に基づいて、前記空隙部の状態を診断する診断工程と、を備えたことを特徴とする壁体の診断方法。 - 前記穿孔工程と前記撮像工程との間に、
前記空隙部に引っ掛かるように構成したフック部を有する探査用治具を用い、
前記診断用穴の内面をなぞって、前記診断用穴内おける前記空隙部の位置を計測する探査工程を、更に備え、
前記撮像工程では、前記探査工程で計測した位置を目標に前記鏡筒を挿入して撮像を実施することを特徴とする請求項1に記載の壁体の診断方法。 - 前記撮像工程では、前記空隙部がリング状の暗部として撮像されるように、前記空隙部を手前位置から撮像することを特徴とする請求項1または2に記載の壁体の診断方法。
- 前記撮像工程では、前記鏡筒に側視用のアタッチメントを装着して、前記空隙部を撮像することを特徴とする請求項1または2に記載の壁体の診断方法。
- 前記アタッチメントを装着した前記鏡筒を周方向に回転させて、前記空隙部の複数箇所を撮像することを特徴とする請求項4に記載の壁体の診断方法。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の壁体の診断方法による診断結果を明記した壁体診断報告書であって、
診断を行った前記壁体を含む建物外観の写真を掲載する調査対象写真欄と、
前記壁体の診断結果を記載した調査結果記載欄と、
撮像した前記空隙部の写真を掲載する空隙部写真欄と、
を備えたことを特徴とする壁体診断報告書。 - 前記壁体の診断結果を図解した調査結果図解欄、を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の壁体診断報告書。
- 前記壁体の診断結果に応じた前記壁体の補修方法を図解した補修方法図解欄、を更に備えたことを特徴とする請求項6または7に記載の壁体診断報告書。
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JP2010133189A JP2011256641A (ja) | 2010-06-10 | 2010-06-10 | 壁体の診断方法および壁体診断報告書 |
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Cited By (3)
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JP2014148847A (ja) * | 2013-02-01 | 2014-08-21 | East Japan Railway Co | コンクリート構造物補修方法、コンクリート構造物補修構造、及びコンクリート構造物補修システム |
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2010
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