JP4887247B2 - 帯電装置 - Google Patents
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Description
従来、感光体の表面を均一に帯電させるための帯電装置としては、直径60〜80μm程度の細いタングステンワイヤを用いた帯電装置が用いられていたが、所定の放電効率を維持するためにはワイヤに付着したトナーや紙粉等の塵芥を除去する定期的なクリーニングが不可欠であった。
そこで、近年は断線の恐れがない鋸刃状の放電部材が前記ワイヤに代えて用いられるようになっている。しかし鋸刃状の放電部材も、繰り返し使用されると感光体と対向する鋸刃状の先端部にトナーや紙粉等の塵芥が付着することには変わりなく、所定の放電効率を維持するためには定期的なクリーニングが必要である。
しかし、単に清掃ローラを放電部材に沿って移動させるだけでは、常に清掃ローラの同じ部分でクリーニングを行うことになり、清掃ローラが所望のクリーニング性能を発揮する期間、すなわち清掃ローラのライフが短くなるという問題が生じる。
清掃ローラを軸方向に変位させるための構成としては、上述の特許文献1にも記されているように、カムとアームとから構成される駆動機構を設け、スプリングで付勢された清掃ローラの回転軸を前記駆動機構のアームで押すことにより、清掃ローラをその軸方向に変位させる構成が提案されている。
このため、もっと簡易な構成で清掃ローラをその軸方向に変位させることが求められている。
このような構成によれば、清掃ローラが放電部材の端に移動させられてきたときに、放電部材の長手方向に対して傾斜した作用面が清掃ローラの回転軸の軸端に当接することにより、清掃ローラがその軸方向に押されて変位させられる。
よって、カムやアームなどの複雑な駆動機構を用いることなく、放電部材の両端に相当する位置に、放電部材の長手方向に対して傾斜した作用面を配置するという至って簡易な構成で清掃ローラをその軸方向に変位させることができ、帯電装置の小型化を図るうえで非常に好ましい構成となる。
このような構成によれば、第1および第2変位部材が清掃ローラをその軸方向に変位させる変位量を第1および第2調整部によってそれぞれ調整することにより清掃ローラの周面全体を放電部の清掃により有効に利用できるようになる。これにより、清掃ローラが所望の清掃能力を発揮する期間、すなわち清掃ローラのライフをよりいっそう長くすることが可能となる。
清掃ローラが放電部材に沿って移動させられてきたときに、回転軸の軸端と作用面とが接触し始めるタイミングを早めに設定すると、回転ローラの変位量は大きくなり、逆に回転軸の軸端と作用面とが接触し始めるタイミングを遅く設定すると、回転ローラの変位量は小さくなる。
なお、第1調整部を作用面の位置調整機構とし、第2調整部を回転軸の軸長調整機構とすることにより、例えば、この発明による帯電装置が画像形成装置に搭載されたときに、帯電装置の一端が画像形成装置の背面側に位置してしまうような場合でも、画像形成装置の正面側からのメンテナンスで放電部材の両端における清掃ローラの軸方向への変位量を調整できるようになる。
このような画像形成装置によれば、帯電装置のメンテナンスが容易になり、使い勝手のよい画像形成装置を提供できる。
この発明の実施例による帯電器6が搭載された画像形成装置100は、原稿をスキャンして得られた画像データ、或いは、外部から入力された画像データに応じて所定の記録用紙(シート)にモノクロ画像を形成するものである。
図1に示されるように、画像形成装置100は、自動原稿送り装置(ADF)1、画像読取部2、光書込ユニット3、現像器4、感光体5、帯電器6、クリーナユニット7、転写ユニット8、定着ユニット9、用紙搬送路10、給紙トレイ11および排紙トレイ12とから主に構成されている。
ADF1から送られてくる原稿をスキャンする場合、光源ホルダー13およびミラー群14は静止した状態で、原稿の画像をスキャンする。
ADF1から原稿が搬送されてくると、光源ホルダー13の光源から原稿に光が照射され、原稿から反射された光がミラー群14を介して光路変換されCCD15に結像され、電子的な画像データに変換される。
また、この実施例では光書込ユニット3として、レーザ照射部16a,16bおよびミラー群17a,17bを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)を用いているが、発光素子をアレイ状に並べたEL書き込みヘッドやLED書き込みヘッドを用いることもできる。
そして、入力された画像データに応じてレーザ照射部16a,16bからレーザ光を照射し、ミラー群17a,17b介して帯電器6によって均一に帯電された感光体5を露光することにより、感光体5の表面に画像データに応じた静電潜像が形成される。
また、感光体5の周囲に配されたクリーナユニット7は、現像・画像転写後に感光体5の表面に残留したトナーを除去・回収するものである。
制御部は、CPU、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM、CPUにワークエリアを提供するRAM、制御データを保持する不揮発性メモリ、画像形成装置100の各部検知手段からの信号が入力される入力回路、画像形成装置100の各部駆動機構を作動させるアクチュエータやモータを駆動させるドライバ回路、レーザ照射部16a,16bを駆動する出力回路などから構成される。
例えば、静電像が(−)極性の電荷を有している場合、転写ユニット8の印加極性は(+)極性となる。
転写ユニット8の転写ベルト19は、駆動ローラ20、従動ローラ21および他のローラで張架され、所定の抵抗値(例えば、1×109〜1×1013Ω・cmの範囲)を有している。
感光体5と転写ベルト19との接触部には導電性を有し転写電界を印加することが可能な弾性導電性ローラ22が配置されている。
定着ユニット9は、加熱ローラ23,加圧ローラ24を備えており、加熱ローラ23の内周部には加熱ローラ23の表面を所定温度(定着温度:概ね160〜200℃)とする熱源が内蔵されている。
他方、加圧ローラ24は、加熱ローラ23に対して所定圧で圧接するようにその両端に図示しない加圧部材が配置されている。
これにより加熱ローラ23と加圧ローラ24との圧接部(定着ニップ部と呼ばれる)において、搬送されてくる記録用紙上の未定着トナーを加熱ローラ23で加熱して溶融させ、圧接部でトナーを記録用紙に押圧して記録用紙上に定着させる。
実施例の画像形成装置100は高速印字処理を目的としているため、各給紙トレイ11には定型サイズの記録用紙を500〜1500枚収納可能な容積が確保されている。
また、画像形成装置100の側面には複数種の記録用紙を多量に収納可能な大容量給紙カセット(LCC)25と、主として不定型サイズの印字等に用いる手差しトレイ26が設けられている。
上述の画像形成装置100に搭載された帯電器6について図2〜6に基づいて説明する。図2は実施例による帯電器の概略的な構成を示す斜視図、図3は第1変位部材が清掃ローラをその軸方向に変位させる作用を説明する説明図、図4は第2変位部材が清掃ローラをその軸方向に変位させる作用を説明する説明図、図5は第1調整部による変位量の調整作用を説明する説明図、図6は第2調整部による変位量の調整作用を説明する説明図である。
放電部材27の両端に設けられた支持部27bは、放電部27aのように鋸刃状とされず、単なる板状に構成されている。
一対の軸支壁35a,35bはその対向間隔が清掃ローラ28の長さよりも長く設定されている。
このため、モータ36により駆動シャフト37が駆動されると、移動部材29は放電部材27の長手方向に延びるようにガイドシャフト37と平行に並んで設けられたガイドレール44に沿って移動する。
前端検知スイッチ38と後端検知スイッチ39は、モータ36を駆動制御する制御部40に接続されており、移動部材29が放電部材27の前端まで移動させられて前端検知スイッチ38がオンになると、制御部40は移動部材29が放電部材27の前端まで移動させられたと判断し、モータ36の正転駆動を停止させる。
また、前端検知スイッチ38がオンになっている状態で、放電部材27の清掃要求がなされると、制御部40は移動部材29が放電部材27の前端に位置していると判断し、移動部材29を放電部材27の後端へ向かって移動させるためにモータ36を逆転駆動させる。
第1および第2変位部材30,31の作用面30a,31bは、放電部材27の長手方向に対して傾斜しており、このため第1および第2変位部材30,31は楔形の形状を呈している。
第1変位部材30は支持部材32aを貫通するビス43によって支持部材32aに取付けられており、ビス43を時計方向または反時計方向に回転させることにより、支持部材32aと第1変位部材30との間の間隔Dを調整できるように構成されている。
これにより、回転軸33の軸端が第1変位部材30の作用面30aに沿って移動する距離が長くなり、これに伴って清掃ローラ28の軸方向への変位量Mも大きくなる。
つまり、支持部材32aと第1変位部材30との間の間隔Dが小さく設定されるにしたがって、回転軸33の軸端が第1変位部材30の作用面30aに沿って移動する距離も短くなり、これに伴って清掃ローラ28の軸方向への変位量Mも小さくなる。
これにより、回転軸33の軸端が第2変位部材31の作用面31aに沿って移動する距離が長くなり、これに伴って清掃ローラ28の軸方向への変位量Mも大きくなる。
つまり、回転軸33の軸長が短く設定されるにしたがって、回転軸33の軸端が第2変位部材31の作用面31aに沿って移動する距離も短くなり、これに伴って清掃ローラ28の軸方向への変位量Mも小さくなる。
セットスクリュー33aの突出長Lを調整する作業は、清掃ローラ28が放電部材27の前端側に位置しているときに、放電部材27の前端側で実施することができる。
これは、第1および第2調整部41,42による調整作業がいずれも放電部材27の前端側、すなわち帯電器6の正面側で実施可能となることを意味し、画像形成装置100(図1参照)に搭載された状態でのメンテナンス性を良好なものとする。
よって、清掃ローラが所望のクリーニング性能を発揮する期間、すなわち清掃ローラのライフを長くすることができ、良好なメンテナンス性を得ることができる。
2・・・画像読取部
3・・・光書込ユニット
4・・・現像器
5・・・感光体
6・・・帯電器
7・・・クリーナユニット
8・・・転写ユニット
9・・・定着ユニット
10・・・用紙搬送路
11・・・給紙トレイ
12,36・・・排紙トレイ
13・・・光源ホルダー
14,17a,17b・・・ミラー群
15・・・CCD
16a,16b・・・レーザ照射部
19・・・転写ベルト
20・・・駆動ローラ
21・・・従動ローラ
22・・・弾性導電性ローラ
23・・・加熱ローラ
24・・・加圧ローラ
25・・・大容量給紙カセット
26・・・手差しトレイ
27・・・放電部材
27a・・・放電部
28・・・清掃ローラ
29・・・移動部材
30・・・第1変位部材
31・・・第2変位部材
30a,31a・・・作用面
32a,32b・・・支持部材
33・・・回転軸
33a・・・セットスクリュー
34・・・ベース
35a,35b・・・軸支壁
36・・・モータ
37・・・駆動シャフト
38・・・前端検知スイッチ
39・・・後端検知スイッチ
40・・・制御部
41・・・第1調整部
42・・・第2調整部
43・・・ビス
44・・・ガイドレール
100・・・画像形成装置
D・・・間隔
L・・・突出長
M・・・変位量
Claims (6)
- 鋸刃状の放電部を一部に有する細長い放電部材と、弾性を有し放電部に没入しながら転がって放電部を清掃する清掃ローラと、清掃ローラを回転可能に支持し放電部材に沿って移動させる移動部材と、放電部材の両端に相当する位置にそれぞれ配置され清掃ローラが放電部材の端に移動させられてきたときに清掃ローラをその軸方向に押して変位させる第1および第2変位部材とを備える帯電装置。
- 前記清掃ローラは移動部材を貫通する回転軸を有し、前記第1および第2変位部材は、放電部材の端に移動させられてきた清掃ローラの回転軸の軸端に当接して清掃ローラをその軸方向に変位させるために、放電部材の長手方向に対して傾斜した作用面をそれぞれ有する請求項1に記載の帯電装置。
- 清掃ローラの軸方向の変位量を調整する第1および第2調整部をさらに備え、第1および第2調整部は第1および第2変位部材の作用面が回転軸の軸端に当接し始める位置を調整することにより清掃ローラの軸方向の変位量をそれぞれ調整する請求項2に記載の帯電装置。
- 前記第1調整部は、放電部材に対する第1変位部材の作用面の位置を放電部材の長手方向に沿って移動させる位置調整機構である請求項3に記載の帯電装置。
- 前記第2調整部は、回転軸の長さを変化させる軸長調整機構である請求項3に記載の帯電装置。
- 請求項1〜5のいずれか1つに記載の帯電装置を備えた画像形成装置。
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