JP4887028B2 - 画像形成装置及び静電潜像現像用トナーキット - Google Patents

画像形成装置及び静電潜像現像用トナーキット Download PDF

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本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の静電複写プロセスによるカラー画像を形成する画像形成装置、及びこのカラー画像形成に用いられる静電潜像現像用トナーキットに関するものである。
電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させて可視像を形成した後、該トナー像を紙等の記録媒体に転写し、定着され、出力画像となる。近年、電子写真方式を用いたコピアやプリンターの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行なうものである。従って、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー画像表面をある程度平滑にして光散乱を減少させる必要などがあるほか、色再現性を確保するには、顔料をトナー中に均一に分散させ、かつ分散後の顔料が最凝集せず、微分散を保つことが重要である。
特に人間の肌色などの色を再現するには、イエロートナーと、マゼンタトナーの重ねによる減法混色で色を表現する必要があり、イエロー顔料、マゼンタ顔料、分散母体となる樹脂との最適組み合わせが課題として検討されてきた。
例えば、特許文献1では、有機溶媒中にウレア結合し得る変性されたポリエステル系樹脂を含むトナー組成物を溶解させ、水系媒体中で重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去、洗浄して得られる、少なくとも着色剤を含むトナーであって、該着色剤が所定の化合物である静電荷像現像用マゼンタトナーが開示されている。特許文献2では、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む電子写真用マゼンタトナーにおいて、前記着色剤として少なくとも所定の構造を有するナフトール系顔料を含んでおり、且つ、トナーの形状係数SF1が110〜140で、体積平均粒径2〜9μmである電子写真用マゼンタトナーが開示されている。
しかし、上記手段のみでは、トナー中の顔料の再凝集による色再現性が劣ることを防ぐことができず、画像の色再現性、特に人間の肌色を忠実に再現することができていないのが実情である。
特開2004−77664号公報 特開2003−215847号公報
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、トナー製造時に、一旦樹脂に分散した顔料が再び再凝集し、トナーの色再現性を妨げることがなく、良好のトナー色再現性を実現できる画像形成装置を提供することを目的とする。
特にイエロー、マゼンタ、減法混色による赤色の色再現性を良好に再現できる画像形成装置を提供することを目的とする。
更に、画像形成装置内における機内飛散の少ない画像形成装置を提供することを目的とする。
更にまたこのような画像形成装置に用いられる静電潜像現像用カラートナーキットを提供することを目的とする。
即ち、本発明は下記の(1)〜(20)によって解決される。
(1)「静電潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を被転写体及び/又は記録媒体上に転写する転写装置と、記録媒体上の可視像を定着させる定着装置とを少なくとも備える画像形成装置において、該画像形成装置は、少なくとも3つ以上の現像装置を備え、前記記録媒体上の可視像が、少なくともイエロートナー及びマゼンタトナー及びシアントナーで形成され、該イエロートナーと該マゼンタトナーと該シアントナーに少なくともポリエステル樹脂が含有され、該ポリエステル樹脂が下記一般式(I)または(II)で表わされる少なくとも1種のチタン含有触媒(a)の存在下に形成されてなる樹脂であり、
Figure 0004887028
Figure 0004887028
[式中、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。]
該マゼンタトナーが、下記化学構造式(1)で示される有機顔料を含有し、該イエロートナーが、下記化学構造骨格(A)を分子中に2つ有し、且つハロゲンを有さない有機顔料を含有することを特徴とする画像形成装置。
化学構造式(1)
Figure 0004887028
Figure 0004887028

(ただし、>C=N−NH−は、>CH−N=N−の場合を含む)
(2)「前記化学構造骨格(A)を2つ有す有機顔料が、下記化学構造式(2)及び/又は(3)で示される有機顔料であることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
化学構造式(2)
Figure 0004887028

化学構造式(3)
Figure 0004887028

(3)「前記ポリエステル樹脂が、少なくともビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び/またはこれらの酸無水物を、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)及び/又はチタニルビス(トリエタノールアミネート)からなるチタン含有触媒(a)の存在下に重縮合されてなる樹脂であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成装置」;
(4)「前記画像形成装置は、前記記録媒体上の可視像が、イエロートナーの下にマゼンタトナーの層を形成するものであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(5)「前記シアントナーが、銅フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(6)「前記画像形成装置は、3つの現像装置が、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナーを備える3つの現像装置と、さらに、ブラックトナーを備える現像装置を備えることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(7)「前記画像形成装置は、単色における定着後のL表色系で、観測光D50(JIS Z−8720(1983))での観測視野径2°の条件によるID(画像濃度:−Log反射率)が1.00時、aが55〜75、bが0〜−8の範囲にあるマゼンタトナーを用いることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(8)「前記画像形成装置は、単色における定着後のL表色系で、観測光D50(JIS Z−8720(1983))での観測視野径2°の条件によるID(画像濃度:−Log反射率)が1.00時、aが−2〜−12、bが67〜90の範囲にあるイエロートナーを用いることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(9)「前記画像形成装置は、マゼンタトナーとイエロートナーとの混色における定着後のL表色系で、観測光D50(JIS Z−8720(1983))での観測視野径2°の条件によるID(画像濃度:−Log反射率)が1.00時、aが60〜68、bが45〜55の範囲であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(10)「前記画像形成装置は、離型剤を含有するトナーを用いることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(11)「前記画像形成装置は、平均円形度が0.94以上のトナーを用いることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(12)「前記画像形成装置は、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるトナーを用いることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(13)「前記画像形成装置は、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナーを用いることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(14)「前記画像形成装置は、紡錘形状で、かつ、前記紡錘形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、短軸r2と長軸r1との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあるトナーを用いることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(15)「前記画像形成装置は、少なくとも結着樹脂及び/又は結着樹脂の前駆体、離型剤を、有機溶媒又は重合性単量体に溶解又は分散させて、水系媒体中で粒子を形成することによって得られるトナーを用いることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(16)「前記画像形成装置は、個数平均粒径が80〜500nmの範囲にある外添剤を有するトナーを用いることを特徴とする前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(17)「前記画像形成装置は、像担持体と、少なくとも帯電装置、現像装置、クリ−ニング装置から選択される少なくとも現像装置を含む一以上の装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカ−トリッジを備えることを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれかに記載の画像形成装置」;
(18)「静電潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を被転写体及び/又は記録媒体上に転写する転写装置と、記録媒体上の可視像を定着させる定着装置とを少なくとも備える画像形成装置に用いられるトナーにおいて、該トナーは、少なくともイエロートナー及びマゼンタトナー及びシアントナーからなり、該イエロートナーと該マゼンタトナーと該シアントナーに少なくともポリエステル樹脂が含有され、該ポリエステル樹脂が下記一般式(I)または(II)で表わされる少なくとも1種のチタン含有触媒(a)の存在下に形成されてなる樹脂であり、
Figure 0004887028
Figure 0004887028
[式中、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。]
該マゼンタトナーが、下記化学構造式(1)で示される有機顔料を含有し、該イエロートナーが、下記化学構造骨格(A)を分子中に2つ有し、且つハロゲンを有さない有機顔料を含有することを特徴とする少なくともイエロートナーとマゼンタトナーとシアントナーを有する静電潜像現像用トナーキット。
化学構造式(1)
Figure 0004887028
Figure 0004887028

(ただし、>C=N−NH−は、>CH−N=N−の場合を含む)」;
(19)「前記トナーキットにおいて、前記化学構造骨格(A)を2つ有す有機顔料が、下記化学構造式(2)及び/又は(3)で示される有機顔料であることを特徴とする前記(18)に記載の静電潜像現像用トナーキット。
化学構造式(2)
Figure 0004887028

化学構造式(3)
Figure 0004887028
(20)「前記ポリエステル樹脂が、少なくともビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び/またはこれらの酸無水物を、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)及び/又はチタニルビス(トリエタノールアミネート)からなるチタン含有触媒(a)の存在下に重縮合されてなる樹脂であることを特徴とする前記(18)又は(19)に記載の静電潜像現像用トナーキット」。

本発明は、上記解決するための手段によって、イエロー、マゼンタの色再現領域が広くなり、特に、中間色である肌色、赤色の色再現領域を広くすることができ、さらに、マゼンタトナー、イエロートナーの画像形成装置内のトナー飛散を少なくすることができる画像形成装置を提供することができる。
また、本発明は、上記画像形成装置に適した静電潜像現像用トナーキットを提供することができる。
本発明は、特定の新規なチタン含有触媒(a)の存在下に形成させてなるポリエステル樹脂に、特定のイエロー顔料、マゼンタ顔料を分散させることにより、画像の色再現性、特に中間色の赤色の色再現性の向上に非常に有効であるという全く新規な知見を見出した点に特徴を有する。
上記特定原材料のトナー化による色再現性向上の機構が不明であるが、新規なチタン含有触媒(a)が有効な触媒活性を有することに伴い、顔料分散に好適な分子鎖状態及び/または分子量分布状態を達成しているものと推測される。そのためトナー製造時に一旦樹脂に分散した顔料の再凝集するエネルギーが減少し、分散のままの状態の維持が可能となったことと推測され、作像時トナー色再現性の向上につながったものと思われる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の構成を示す概略図である。本発明の画像形成装置は、少なくとも3つ以上の現像装置を備えてカラー画像を形成するものであって、この記録媒体上のカラーの可視像が、少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーで形成され、これらトナーは上記特定のポリエステル樹脂を含有し、そのうちのマゼンタトナーが、上記化学構造式(1)で示される有機顔料を含有し、イエロートナーが、上記化学構造骨格(A)を分子中に2つ有し且つハロゲンを有さない有機顔料、好ましくは上記化学構造式(2)及び/又は(3)で示される有機顔料を含有するトナーを用いる。
このマゼンタトナーの化学構造式(1)に示す有機顔料は、アゾレーキ顔料である。これまで、マゼンタトナー用顔料として、アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料等のアゾ顔料、キナクリドン系の多環式顔料等の有機顔料が用いられていた。アゾ顔料でも、ナフトール系、オキシナフトエ酸系があり、その中でも、ナフトール系顔料として、PR49、PR68、PR184などが、これまで用いられていた。また、キナクリドン系としては、PR122、PR209、PR206などが用いられていた。しかしながら、本発明の画像形成装置に用いるマゼンタトナーとしては、オキシナフトエ酸系の化学構造式(1)に示す有機顔料、C.I.PR269を用いることを特徴とする。この顔料は、500〜600nmの波長領域で狭い吸収域を有することで、鮮やかなマゼンタ色を再現する。
特に、転写紙、フィルムシート等の記録媒体に定着した後のX−RITE938濃度計にて、観測光D50(JIS Z−8720(1983))での観測視野径2°の条件によるID(画像濃度:−Log反射率)が1.00時に、L表色系(CIE1976)でaが55〜75、bが0〜−8の範囲にある。これは、補色フィルターをかけて濃度を測定して、人間に与える濃度を一定状態にすることで統一的な測定を可能にする。そのときに、aが55未満又はbが0未満では、他の色のトナーと混色すると中間色の色再現性が低下し、aが75又はbがー8を越えると顔料の含有量を多くしなければならずトナーの隠蔽力が大きくなり、同様に、他の色のトナーと混食すると中間色の色再現性が低下する。
また、このイエロートナーが、上記化学構造式(2)及び/又は(3)で示される有機顔料を含有し、これは両方とも不溶性アゾ顔料である。これまで、イエロートナーとしては、アセト酢酸アリリドジスアゾ系、アセト酢酸イミダゾロン系のアゾ顔料、キナクリドン系、スレン系の多環式顔料の有機顔料が用いられていた。とくに、アセト酢酸アリリドジスアゾ系のC.I.PY13、PY17が広く用いられていた。しかしながら、本発明の画像形成装置に用いるイエロートナーとしては、化学構造式(2)に示す有機顔料(ジスアゾ系)C.I.PY180及び/又は化学構造式(3)に示す有機顔料(ジスアゾ系)C.I.PY155を用いることを特徴とする。これらの顔料は、ハロゲンフリーであり、400〜500nmの波長領域で狭い吸収域を有することで、鮮やかなイエロー色を再現する。
特に、転写紙、フィルムシート等の記録媒体に定着した後のX−RITE938濃度計にて、観測光D50(JIS Z−8720(1983))での観測視野径2°の条件によるIDが1.00時に、L表色系(CIE1976)でaが−2〜−12、bが67〜90の範囲にある。これは、補色フィルターをかけて濃度を測定して、人間に与える濃度を一定状態にすることで統一的な測定を可能にする。そのときに、aがー2未満又はbが67未満では、他の色のトナーと混色すると中間色の色再現性が低下し、aがー12又はbが90を越えると顔料の含有量を多くしなければならずトナーの隠蔽力が大きくなり、同様に、他の色のトナーと混食すると中間色の色再現性が低下する。
マゼンタトナーとイエロートナーとの混色によって、赤(R)色を再現するが、定着後のL表色系で、X−RITE938にて、観測光D50(JIS Z−8720(1983))での観測視野径2°の条件によるIDが1.00時、aが60〜68、bが45〜55の範囲にする。このときのL表色系における色再現範囲は、マゼンタトナー、イエロートナーの顔料の含有量、トナーの付着量などで調整することができるが、この範囲にすることで、肌色から朱肉までの赤色の再現領域を広くすることができる。aが60未満又はbが45未満では、色再現領域が狭く、種々の中間色の赤色を再現できないし、aが68又はbが55を越えると顔料の含有量を多くしなければならずトナーの隠蔽力が大きくなり、同様に、種々の中間色の赤色を再現できない。赤い色の再現は、人間、その他のものを表現するのに重要な色であるが中間色の再現範囲が狭いために、写真などの印画紙、昇華型に比べて、有機顔料を用いることで透明性が低いために、とくに、隠蔽力の大きい場合には赤色の色再現性が低くなっていた。そこで、本発明の画像形成装置では、マゼンタトナーの有機顔料とイエロートナーの有機顔料との両者の色再現範囲を規定することで、赤色の広い色再現性を得ることができた。
本発明において用いる顔料が樹脂に分散後、再凝集せず、良好の色再現性を保つためには、ポリエステル樹脂の製造時に用いる触媒は、前記特定のチタン含有触媒(a)が必須である。該チタン含有触媒(a)は、前記式(I)または(II)で表わされる化合物であり、2種以上を併用してもよい。該一般式(I)および(II)において、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のH原子を除いた残基であり、窒素原子の数、すなわち1級、2級、および3級アミノ基の合計数は、通常1〜2個、好ましくは1個である。
上記モノアルカノールアミンとしては、エタノールアミン、およびプロパノールアミンなどが挙げられる。ポリアルカノールアミンとしては、ジアルカノールアミン(ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、およびN−ブチルジエタノールアミンなど)、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミン、およびトリプロパノールアミンなど)、およびテトラアルカノールアミン(N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンなど)が挙げられる。
ポリアルカノールアミンの場合、Ti原子とTi−O−C結合を形成するのに用いられるHを除いた残基となるOH基以外にOH基が1個以上存在し、それが同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。重合度が6以上の場合、触媒活性が低下するためオリゴマ一成分が増え、トナーのブロッキング性悪化の原因になる。
Xとして好ましいものは、ジアルカノールアミン(特にジエタノールアミン)の残基、およびトリアルカノールアミン(特にトリエタノールアミン)の残基であり、特に好ましいものはトリエタノールアミンの残基である。
RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数1〜8のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、β−メトキシエチル基、およびβ−エトキシエチル基などが挙げられる。これらRのうち好ましくは、H、およびエーテル結合を含まない炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくは、H、エチル基、およびイソプロピル基である。
前記一般式(I)中、mは1〜4の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。nは0〜3の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。mとnの和は4である。
前記一般式(II)中、pは1〜2の整数、qは0〜1の整数であり、pとqの和は2である。
mまたはpが2以上の場合、複数存在するXは同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一である方が好ましい。
本発明における、上記チタン含有触媒(a)のうち、一般式(I)で表わされるものの具体例としては、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムトリヒドロキシトリエタノールアミネート、チタニウムジヒドロキシビス(ジエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(モノエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(モノプロパノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(N−メチルジエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(N−ブチルジエタノールアミネート)、テトラヒドロキシチタンとN,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンとの反応生成物、およびこれらの分子内または分子間重縮合物が挙げられる。
一般式(II)で表わされるものの具体例としては、チタニルビス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(ジエタノールアミネート)、チタニルビス(モノエタノールアミネート)、チタニルヒドロキシエタノールアミネート、チタニルヒドロキシトリエタノールアミネート、チタニルエトキシトリエタノールアミネート、チタニルイソプロポキシトリエタノールアミネート、およびこれらの分子内または分子間重縮合物が挙げられる。重縮合物などである。
これらのうちで好ましいものは、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(ジエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)、これらの重縮合物、およびこれらの併用であり、さらに好ましくは、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、その重縮合物、特にチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)である。
これらのチタン含有触媒(a)は、例えば市販されているチタニウムジアルコキシビス(アルコールアミネート;Dupont製など)を、水存在下で70〜90℃にて反応させることで安定的に得ることができる。
本発明のトナーバインダー(A)を構成する前記チタン含有触媒(a)の存在下に形成される重縮合ポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物であるポリエステル樹脂(AX)、(AX)にさらにポリエポキシド(C)などを反応させて得られる変性ポリエステル樹脂(AY)などが挙げられる。(AX)、(AY)などは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて混合物として使用してもよい。
ポリオールとしては、ジオール(g)および3価以上のポリオール(h)が、ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸(i)および3価以上のポリカルボン酸(j)が挙げられ、それぞれ2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂(AX)および(AY)としては、以下のものなどが挙げられ、これらのものを併用することもできる。
(AX1):(g)および(i)を用いた線状のポリエステル樹脂
(AX2):(g)および(i)とともに(h)および/または(j)を用いた非線状のポリエステル樹脂
(AY1):(AX2)に(c)を反応させた変性ポリエステル樹脂
ジオール(g)としては、水酸基価180〜1900(mgKOH/g、以下同様)のものが好ましい。具体的には、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プチレングリコールおよび1,6−ヘキサンジオールなど);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロビレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリプチレングリコールなど);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび水素添加ビスフェノールAなど);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)およびプチレンオキシド(以下BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールSなど)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、POおよびBOなど)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物およびこれらの併用であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、炭素数2〜4のアルキレングリコールおよびこれらの2種以上の併用である。
なお、上記および以下において水酸基価および酸価は、JIS K 0070に規定の方法で測定される。
3価以上(3〜8価またはそれ以上)のポリオール(h)としては、水酸基価150〜1900のものが好ましい。具体的には、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えば、グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、およびジペンタエリスリトール;糖類およびその誘導体、例えば庶糖およびメチルグルコシド;など);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、POおよびBOなど)付加物(付加モル数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、POおよびBOなど)付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラックなど:平均重合度3〜60)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよびノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物(付加モル数2〜30)であり、特に好ましいものはノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物である。
ジカルボン酸(i)としては、酸価180〜1250(mgKOH/g、以下同様)のものが好ましい。具体的には、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、およびセバシン酸など)およびアルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸など);炭素数4〜36の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)など〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、およびメサコン酸など);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。なお、(i)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
3価以上(3〜6価またはそれ以上)のポリカルボン酸(j)としては、酸価150〜1250mgのものが好ましい。具体的には、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など);不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、α−オレフィン/マレイン酸共重合体、スチレン/フマル酸共重合体など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、特に好ましいものはトリメリット酸、およびピロメリット酸である。なお、3価以上のポリカルボン酸(j)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
また、(g)、(h)、(i)および(j)とともに炭素数4〜20の脂肪族または芳香族ヒドロキシカルボン酸(k)、炭素数6〜12のラクトン(l)を共重合することもできる。
ヒドロキシカルボン酸(k)としては、ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸などが挙げられる。ラクトン(l)としては、カプロラクトンなどが挙げられる。
ポリエポキシド(c)としては、ポリグリシジルエーテル〔エチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラック(平均重合度3〜60)グリシジルエーテル化物など〕;ジエンオキサイド(ペンタジエンジオキサイド、ヘキサジエンジオキサイドなど)などが挙げられる。これらの中で好ましくは、ポリグリシジルエーテルであり、さらに好ましくは、エチレングリコールジグリシジルエーテルおよびビスフェノールAジグリシジルエーテルである。
(c)の1分子当たりのエポキシ基数は、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。
(c)のエポキシ当量は、好ましくは50〜500である。下限は、さらに好ましく70、特に好ましくは80であり、上限は、さらに好ましく300、特に好ましくは200である。エポキシ基数とエポキシ当量が上記範囲内であると、現像性と定着性が共に良好である。上述の1分子当たりのエポキシ基数およびエポキシ当量の範囲を同時に満たせばさらに好ましい。
ポリオールとポリカルボン酸の反応比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、特に好ましくは1.3/1〜1/1.2である。また使用するポリオールとポリカルボン酸の種類は、最終的に調整されるポリエステル系トナーバインダーのガラス転移点が45〜85℃となるよう分子量調整も考慮して選択することが好ましい。
本発明においてトナーバインダー(A)として用いるポリエステル樹脂は、通常のポリエステルの製造法と同様にして製造することができる。例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、チタン含有触媒(a)の存在下、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、特に好ましくは170〜240℃で反応させることにより行なうことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行なう観点から、好ましくは30分以上、特に2〜40時間である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧する(例えば1〜50mmHg)ことも有効である。
該チタン含有触媒(a)の添加量としては、重合活性などの観点から、得られる重合体の重量に対して、好ましくは0.0001〜0.8重量%、さらに好ましくは0.0002〜0.6重量%、特に好ましくは0.0015〜0.55重量%である。
また、該チタン含有触媒(a)の触媒効果を損なわない範囲で他のエステル化触媒を併用することもできる。他のエステル化触媒の例としては、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、該(a)以外のチタン含有触媒(例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタニルカリウム、およびテレフタル酸チタン)、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、ゲルマニウム含有触媒、アルカリ(土類)金属触媒(例えばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のカルボン酸塩:酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、および安息香酸カリウムなど)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの他の触蝶の添加量としては、得られる重合体に対して、0〜0.6重量%が好ましい。0.6重量%以内とすることで、ポリエステル樹脂の着色が少なくなり、カラー用のトナーに用いるのに好ましい。添加された全触媒中の該チタン含有触媒(a)の含有率は、50〜100重量%が好ましい。
線状のポリエステル樹脂(AX1)の製造方法としては、例えば、得られる重合体の重量に対して0.0001〜0.8重量%の該チタン含有触蝶(a)と、必要により他の触媒の存在下、ジオール(g)、およびジカルボン酸(i)を、180℃〜260℃に加熱し、常圧および/または減圧条件で脱水縮合させて、(AX1)を得る方法が挙げられる。
非線状のポリエステル樹脂(AX2)の製造方法としては、例えば、得られる重合体の重量に対して0.0001〜0.8重量%の該チタン含有触媒(a)と、必要により他の触媒の存在下、ジオール(g)、ジカルボン酸(i)、および3価以上のポリオール(h)を、180℃〜260℃に加熱し、常圧および/または減圧条件で脱水縮合させた後、さらに3価以上のポリカルボン酸(j)を反応させて、(AX2)を得る方法が挙げられる。(j)を、(g)、(i)および(h)と同時に反応させることもできる。
変性ポリエステル樹脂(AY1)の製造方法としては、ポリエステル樹脂(AX2)にポリエポキシド(c)を加え、180℃〜260℃でポリエステルの分子伸長反応を行なうことで、(AY1)を得る方法が挙げられる。
該(c)と反応させる該(AX2)の酸価は、好ましくは1〜60、さらに好ましくは5〜50である。酸価が1以上であると、該(c)が未反応で残存して樹脂の性能に悪影響を及ぼす恐れがなく、60以下であると、樹脂の熱安定性が良好である。
また、該(AY1)を得るのに用いる該(c)の量は、低温定着性および耐ホットオフセット性の観点から、該(AX2)に対して、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。
また、本発明のトナーバインダー(A)中に、上記重縮合ポリエステル樹脂以外に、必要により、他の樹脂などを含有させることもできる。
他の樹脂としては、スチレン系樹脂[スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等]、エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル開環重合物等)、ウレタン樹脂(ジオールおよび/または3価以上のポリオールとジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
トナーバインダー(A)における他の樹脂の含有量は、好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
ポリエステル樹脂を2種以上併用する場合、および少なくとも1種のポリエステル樹脂と他の樹脂を混合する場合、予め粉体混合または溶融混合してもよいし、トナー化時に混合してもよい。溶融混合する場合の温度は、好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜170℃、とくに好ましくは120〜160℃である。
混合温度が低すぎると充分に混合できず、不均一となることがある。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、混合温度が高すぎると、エステル交換反応による平均化などが起こるため、トナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できなくなる場合がある。
溶融混合する場合の混合時間は、好ましくは10秒〜30分、さらに好ましくは20秒〜10分、とくに好ましくは30秒〜5分である。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、混合時間が長すぎると、エステル交換反応による平均化などが起こるため、トナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できなくなる場合がある。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽などのバッチ式混合装置、および連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンテイニアスニーダー、3本ロールなどが挙げられる。これらのうちエクストルーダーおよびコンテイニアスニーダーが好ましい。
粉体混合する場合は、通常の混合条件および混合装置で混合することができる。
粉体混合する場合の混合条件としては、混合温度は、好ましくは0〜80℃、さらに好ましくは10〜60℃である。混合時間は、好ましくは3分以上、さらに好ましくは5〜60分である。混合装置としては、へンシェルミキサー、ナウターミキサー、およびバンパリーミキサー等が挙げられる。好ましくはへンシェルミキサーである。
また、本発明において、記録媒体上の可視像では、イエロートナーの下にマゼンタトナーの層を形成することが好ましい。本発明のトナーに用いるイエロー顔料である化学構造式(2)、化学構造式(3)で示される有機顔料は、隠蔽力が低いので下層にある有機顔料を隠蔽することがない。特に、化学構造式(2)、化学構造式(3)で示される有機顔料は光の吸収領域が狭いので、下層にあるマゼンタ顔料によるマゼンタトナーとの赤色再現を阻害しない。さらに、そのイエロートナーの下に、化学構造式(1)で示されるマゼンタ顔料を含有するマゼンタトナーを用いることで赤色の広い色再現性を得ることができる。
また、本発明の画像形成装置では、離型剤を含有するトナーを用いることが好ましい。
本発明のトナーにワックスを含有させることによって、画像表面がゆず肌に見え、結果的に乱反射成分が増え、イエロートナーの場合、波長500〜700nmでの分光反射率、マゼンタトナーの場合は、波長400〜500nmの分光反射率、シアントナーの場合は、波長400〜600nmの分光反射率がそれぞれ向上される。すなわちそれぞれのトナーが減法混色で色を再現時、吸収すべきではない波長領域での反射率が向上したことにより、色再現性が改善される。
また、画像形成プロセスの定着工程で問題となるトナーのホットオフセットを防止する手段として、トナーに離型剤を含有させる方法が挙げられる。トナーに含有された離型剤は、定着時に熱と圧力を受けてトナーが変形するのに伴い、トナーの表面に出て定着部材との離型性を発現する。このような離型剤は、トナー表面に露出することなく内包されていることが好ましい。表面に露出したワックスは、磁性キャリア等の摩擦帯電部材表面に付着してトナーの摩擦帯電性を低下させたり、凝集性を示してトナー流動性を悪化させたりするからである。
ワックスとしては、融点が60〜100℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラ等の定着部材とトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなくホットオフセットに対し効果を示す。
このようなワックスとしては、カルナウバワックスがより好ましいが、その他として、ライスワックス及び/又はエステルワックスを含有することが好ましい。カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。ライスワックスは米糠から抽出される米糠油を精製する際に、脱ろうまたはウィンタリング工程で製出される粗ろうを精製して得られる天然ワックスである。エステルワックスは単官能直鎖脂肪酸と単官能直鎖アルコールからエステル反応で合成される。
また、この他のワックス成分、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス等も使用することができる。
これらのワックス成分は単独または併用して使用される。
ワックスの添加量は、トナー粒子100重量部に対して3〜8重量部が好ましい。ワックスの添加量が3重量部未満では、トナー中に含有されるワックス量が少ないために、定着工程において充分な離型効果を得ることができない。また、8重量部を超えると、トナー中に含有されるワックス量が多くなるために、トナーの耐熱保存性の低下や感光体上でのフィルミング発生を招くので好ましくない。ワックスの添加量は、より好ましくは、4〜6重量部である。
また、本発明の画像形成装置は、平均円形度が0.94以上のトナーを用いることが好ましい。平均円形度は、0.94以上であることがドット再現性に優れ、特に画像の細線部の色再現性のバラツキを削減できる点で好ましい。
また、転写性も良好なことから高画質を得られる観点から好ましい。また、平均円形度が高いことでトナーが均一に現像、転写されて、ハーフトーン部、ベタ部でトナーが塊になって付着することが少なく、一様に分布する。これによって、トナーが積層して色重ねしたときに、色の偏在の少ない一様な中間色を再現することができる。平均円形度が0.94未満でトナーが球形から離れた形状である場合は、充分な転写性又はチリのない高品位の画像が得られにくい。このような不定形の粒子は感光体等への平滑性媒体への接触点が多く、また突起先端部に電荷が集中することからファンデルワールス力や鏡像力が比較的球形な粒子よりも付着力が高い。そのため静電的な転写工程においては、不定形粒子と球形の粒子の混在したトナーでは球形の粒子が選択的に移動し、文字部やライン部画像抜けが起こる。また残されたトナーは次の現像工程のために除去しなければならず、クリーニング装置が必要であったり、トナーイールド(画像形成に使用されるトナーの割合)が低かったりする不具合点が生じる。
また、トナーの円形度が0.93未満のトナー粒子の割合が30%以下であることが好ましい。上記割合が30%を超えるような円形度のばらつきが大きいトナーでは、帯電速度、レベルに広がりが生じ、帯電量分布が広くなるため好ましくない。
トナーの円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行なう。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5mLを加え、さらに、測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定する。
また、本発明の画像形成装置は、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるトナーを用いることが好ましい。より好適には体積平均粒径3.0〜6.0μm、Dv/Dn1.00〜1.15であり、このようなトナーとすることにより、フルカラー画像で、中間色の再現領域が広く、また、吸収領域の狭い鮮やかな色の画像が得られる。
トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、この範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分系現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分系現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は微粉の含有率が大きく関係し、特にトナーの粒子径が3μm以下の粒子が10個数%を超えると、磁性キャリアへの付着や高いレベルで帯電の安定性を図る場合支障となる。
逆に、トナーの体積平均粒子径がこの範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなる。また、カラー画像において、中間色の再現性が低下し、粒状性が大きくなり、カラー画像の品質が低下する。
また、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定することができる。本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用い個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)に接続し、測定した。
また、本発明の画像形成装置は、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナーを用いることが好ましい。
図1は、トナーの形状を模式的に表わした図であり、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するための図である。
また、本発明のトナーの実質的な球形形状とは、形状係数SF−1で表わされ、このSF−1の値が100〜180の範囲にあることが好ましい。ここで、形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表わされる。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
Figure 0004887028
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。SF−1の値が180を越えると、クリーニング性は向上するが、球形形状が大きくはずれるために、帯電量分布が広くなり地かぶりが多くなり画像品位が低下する。また、移動における空気の抵抗で、電界による現像・転写が電気力線に忠実でなくなるために、細線間にトナーが現像され画像均一性、色再現性安定性が低下し、画像品位が低下する。特に、カラー画像の再現においては、ハーフトーン部、ベタ部のカラーのむらが多くなり、また、粒状性も大きくなりカラー画像の品位が低下する。
また、本発明のトナーは、トナー表面の凸凹状態が、形状係数SF−2で表わされ、このSF−2の値が100〜180の範囲にあることが好ましい。ここで、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表わされる。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
Figure 0004887028
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。SF−2の値が180を越えると、クリーニング性は向上するが、トナー表面の凸凹が大きくなり、帯電量分布が広くなり地かぶりが多くなり画像品位が低下する。また、カラー画像の再現においては、ハーフトーン部、ベタ部のカラーのむらが多くなり、また、粒状性も大きくなりカラー画像の品位が低下する。SF−2の値が100で表面が滑らかであっても、上述したトナーでは、ブレードクリーニング方式でもクリーニングが可能となり、また、帯電量分布が狭いことから高品位の画像を得ることができる。
また、本発明の画像形成装置は、紡錘形状で、かつ、前記紡錘形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、短軸r2と長軸r1との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあるトナーを用いることが、色再現性の安定に好ましい。
図2は、このトナ−の形状を模式的に示す図である。(a)において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、短軸と長軸との比(r2/r1)((b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)((c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
ここで用いられるトナーは、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等による重合系トナー、乾式溶融混練法による粉砕系トナーを用いることができる。粉砕系の一例としては、まず、結着樹脂、着色剤被覆離型剤、電荷制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却後、切断を行なう。切断後のトナー混練物は破砕を行ない、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、さらに、ジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。その後、混合機により無機微粒子を外添して、混合しトナーとする。
以下に、トナーの構成材料及び好適な製造方法について説明する。
(帯電制御剤)
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
(外添剤)
また、本発明の画像形成装置は、個数平均粒径が80〜500nmの範囲にある外添剤を有するトナーを用いることが好ましい。トナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に80nm〜500nmであることが好ましい。添加量は、0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。この他 高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
また、このような流動化剤は表面処理を行なって、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
その他に、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、重量平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
また、外添剤を調製する際には、現像剤にさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合する。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
本発明の画像形成装置は、以上説明したトナーを用いるものである。図3は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中符号(100)は複写装置本体、(200)はそれを載せる給紙テーブル、(300)は複写装置本体(100)上に取り付けるスキャナ、(400)はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体(100)には、潜像担持体としての感光体(40)の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段(18)を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置(20)が備えられている。
また、タンデム型画像形成装置(20)の上部には、画像情報に基づいて感光体(40)をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置(21)が設けられている。また、タンデム型画像形成装置(20)の各感光体(40)と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト(10)が設けられている。中間転写ベルト(10)を介して感光体(40)と相対する位置には、感光体(40)上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト(10)に転写する一次転写手段(62)が配置されている。
また、中間転写ベルト(10)の下方には、中間転写ベルト(10)上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル(200)より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置(22)が配置されている。二次転写装置(22)は、2つのローラ(23)間に、無端ベルトである二次転写ベルト(24)を掛け渡して構成され、中間転写ベルト(10)を介して支持ローラ(16)に押し当てて配置し、中間転写ベルト(10)上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置(22)の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置(25)が設けられている。定着装置(25)は、無端ベルトである定着ベルト(26)に加圧ローラ(27)を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置(22)は、画像転写後の転写紙をこの定着装置(25)へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置(22)として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置(22)および定着装置(25)の下に、上述したタンデム画像形成装置(20)と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置(28)を備える。
画像形成手段(18)の現像装置(4)には、トナーを含んだ現像剤を用いる。現像装置(4)は、現像剤担持体が現像剤を担持、搬送して、感光体(40)との対向位置において交互電界を印加して感光体(40)上の潜像を現像する。交互電界を印加することで現像剤を活性化させ、トナーの帯電量分布をより狭くすることができ、現像性を向上させることができる。この画像形成手段(18)は、図3中の左側から、ブッラクトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーを収納している。したがって、フルカラー画像形成時は、中間転写ベルト上に、下からブッラクトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの層が形成される。ブラックトナーは縁取りによって、フルカラー画像の画質を引き締める。ただし、二次転写で転写紙に転写することで、反転するために、転写紙上では、上からブッラクトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの層が形成される。これによって、イエロートナーは、マゼンタトナーの上に層が形成される。
また、上記現像装置(4)は、感光体(40)と共に一体に支持され、画像形成装置本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。これにより、交換性、利便性を図り、画像形成装置のメンテナンスを容易にすることができる。
上記の画像形成装置の動作は以下のとおりである。
初めに、原稿自動搬送装置(400)の原稿台(30)上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス(32)上へと移動して後、他方コンタクトガラス(32)上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ(300)を駆動し、第一走行体(33)および第二走行体(34)を走行する。そして、第一走行体(33)で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体(34)に向け、第二走行体(34)のミラーで反射して結像レンズ(35)を通して読み取りセンサ(36)に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ(14、15、16)の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト(10)を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段(18)でその感光体(40)を回転して各感光体(40)上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト(10)の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト(10)上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル(200)の給紙ローラ(42)の1つを選択回転し、ペーパーバンク(43)に多段に備える給紙カセット(44)の1つからシートを繰り出し、分離ローラ(45)で1枚ずつ分離して給紙路(46)に入れ、搬送ローラ(47)で搬送して複写機本体(100)内の給紙路(48)に導き、レジストローラ(49)に突き当てて止める。
または、給紙ローラ(50)を回転して手差しトレイ(51)上のシートを繰り出し、分離ローラ(52)で1枚ずつ分離して手差し給紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト(10)上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転し、中間転写ベルト(10)と二次転写装置(22)との間にシートを送り込み、二次転写装置(22)で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、二次転写装置(22)で搬送して定着装置(25)へと送り込み、定着装置(25)で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)で排出し、排紙トレイ(57)上にスタックする。または、切換爪(55)で切り換えてシート反転装置(28)に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ(56)で排紙トレイ(57)上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト(10)は、中間転写ベルトクリーニング装置(17)で、画像転写後に中間転写ベルト(10)上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置(20)による再度の画像形成に備える。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、下記において「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。
[チタン含有触媒(a)の合成]
冷却管、撹拝機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、チタニウムジイソプロプキシビス(トリエタノールアミネート)の1700部とイオン交換水130部を入れ、窒素にて液中バブリング下、90℃まで徐々に昇温し、90℃で4時間反応(加水分解)させることで、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を得た。
以降の実施例についても同様の合成法にて、それぞれ本発明に用いるチタン含有触媒(a)を得ることができる。
[線状ポリエステル樹脂の合成1]
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物430部、ビスフェノールAのPO3モル付加物300部、テレフタル酸257部、イソフタル酸65部、無水マレイン酸10部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(AX1−1)を得た。
(AX1−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は7、水酸基価は12、Tgは60℃、Mnは6940、Mpは19100であった。分子量1500以下の成分の比率は1.2%であった。
[非線状ポリエステル樹脂の合成1]
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのEO2モル付加物350部、ビスフェノールAのPO3モル付加物326部、テレフタル酸278部、無水フタル酸40部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非線状ポリエステル樹脂(AX2−1)を得た。
(AX2−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は35、水酸基価は17、Tgは69℃、Mnは3920、Mpは11200であった。分子量1500以下の成分の比率は0.9%であった。
[トナーバインダーの合成1]
(AX1−1)400部と(AX2−1)600部をコンテイニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本発明のトナーバインダー(樹脂A)を得た。
[比較用線状ポリエステル樹脂の合成2]
重縮合触媒をチタンテトライソプロポキシドに代える以外は合成例1の(AX1−1)と同様に反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でチタンテトライソプロポキシド2部を4回追加し、比較用線状ポリエステル樹脂(CAX1−1)を得た。
(CAX1−1)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は7、水酸基価は12、Tgは58℃、Mnは6220、Mpは18900であった。分子量1500以下の成分の比率は2.2%であった。
[比較用非線状ポリエステル樹脂の合成2]
重縮合触媒をチタンテトライソプロポキシドに代える以外は合成例1の(AX2−1)と同様に反応させた。常圧下で16時間、減圧下で8時間反応させた。反応速度が遅かったため、反応途中でチタンテトラプロポキシド2部を3回追加し、比較用非線状ポリエステル樹脂(CAX2−1)を得た。
(CAX2−1)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は34、水酸基価は16、Tgは68℃、Mnは3420、Mpは12100であった。分子量1500以下の成分の比率は2.1%であった。
[比較トナーバインダーの合成2]
(CAX1−1)400部と(CAX2−1)600部をコンテイニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して比較トナーバインダー(樹脂B)を得た。(樹脂B)は強い紫褐色をした樹脂であった。
[線状ポリエステル樹脂の合成3]
重縮合触媒をチタニルビス(トリエタノールアミネート)に代える以外は合成例1の(AX1−1)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(AX1−2)を得た。
(AX1−2)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は8、水酸基価は10、Tgは60℃、Mnは6820、Mpは20180であった。分子量1500以下の成分の比率は1.1%であった。
[非線状ポリエステル樹脂の合成3]
重縮合触媒をチタニルビス(トリエタノールアミネート)に代える以外は合成例1の(AX2−1)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(AX2−2)を得た。
(AX2−2)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は33、水酸基価は14、Tgは70℃、Mnは4200、Mpは11800であった。分子量1500以下の成分の比率は0.8%であった。
[トナーバインダーの合成3]
(AX1−2)500部と(AX2−2)500部をへンシェルミキサーにて5分間粉体混合して本発明のトナーバインダー用樹脂(樹脂C)を得た。
(トナーの製造例)
[トナーAの製造例]
処方:
樹脂A 100部
マゼンタ顔料(Pigment Red 269) 5部
帯電制御剤(オリエント化学工業社製E−84) 2部
上記材料のうち、顔料とポリエステル樹脂および純水を、1:1:0.5の割合で混合し、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行ない、その後、ロール温度を120℃まで上げて水を蒸発させ、マスターバッチを作製した。
作製したマスターバッチを使用して、上記処方と同じになるように材料を混ぜ、2本ロールにより50℃で40分溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕した後、エアージェット粉砕機で微粉砕し、得られた微粉末を分級して重量平均粒径(D4)6.8μmのトナー母体を得た。さらに、ステアリン酸亜鉛(堺化学工業社製)0.15部、疎水性シリカ(クラリアントジャパン社製)を1重量部、疎水性酸価チタン(テイカ社製)を1重量部を添加し、ミキサーで混合し、重量平均粒径6.8μmのトナーAを得た。
[トナーBの製造例]
トナーAの製造例において、マゼンタ顔料を以下のものに変更した以外は、トナーA製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーBを得た。
イエロー顔料[Pigment Yellow 180] 5部
[トナーCの製造例]
トナーAの製造例において、マゼンタ顔料を以下のものに変更した以外は、トナーA製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーCを得た。
イエロー顔料[Pigment Yellow 155] 5部
[トナーDの製造例]
トナーAの製造例において、マゼンタ顔料を以下のものに変更した以外は、トナーA製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーDを得た。
マゼンタ顔料[Pigment Red 184
(Pigment Red 146と
Pigment Red 147の混合体)] 5部
[トナーEの製造例]
トナーAの製造例において、マゼンタ顔料を以下のものに変更した以外は、トナーA製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーEを得た。
イエロー顔料[Pigment Yellow 17] 5部
[トナーFの製造例]
トナーAの製造例において、マゼンタ顔料を以下のものに変更した以外は、トナーA製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーFを得た。
シアン顔料[Pigment Blue 15:2] 5部
[トナーGの製造例]
トナーAの製造例において、樹脂Aを以下のものに変更した以外は、トナーA製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーGを得た。
樹脂B 100部
[トナーHの製造例]
トナーBの製造例において、樹脂Aを以下のものに変更した以外は、トナーB製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーHを得た。
樹脂B 100部
[トナーJの製造例]
トナーAの製造例において、以下のようにワックスを追加した以外は、トナーA製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーJを得た。
カルナウバワックス 5部
[トナーKの製造例]
トナーBの製造例において、以下のようにワックスを追加した以外は、トナーB製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーKを得た。
カルナウバワックス 5部
[トナーLの製造例]
トナーFの製造例において、以下のようにワックスを追加した以外は、トナーF製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーLを得た。
カルナウバワックス 5部
[トナーMの製造例]
トナーAの製造例において、樹脂Aを以下のものに変更した以外は、トナーA製造例と同様にして重量平均粒径6.8μmのトナーMを得た。
樹脂C 100部
<評価方法>
(1)L表色系色差
画像形成装置の評価機を用い、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の単色モードで100%画像面積の画像濃度、青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の中間色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)が50%ずつ混色させたときのそれぞれの画像濃度をX−Rite938(X−Rite社製)により、観測光D50(JIS Z−8720(1983))での観測視野径2°の条件で測定して、画像濃度ID(−Log反射率)が「1.0」の画像部のa、bを測定した。この結果を図4〜図8に示す。なお図6は図5の1部拡大図であり、図8は図7の1部拡大図である。
トナー2色を重なる場合、紙上一番紙に近い層はマゼンタ、その次シアン、その次イエローの順で重なって作像する。
実施例及び比較例のトナーの評価に使うトナーリストは表1に示す。
評価結果は表2、表3及び図4〜図8に示す。
表色系色素におけるaをプロットした図においては、Y/R/M/B/C/Gの6色で囲まれた範囲が広いことは色再現性に優れていることを意味する。
図5及び図6から、実施例1、4は、比較例1、2に対して、明らかにRとMの色再現領域が広い。特に、Rでの色再現領域の広さに優れている。
これに対して比較例1はG/Cの比較的広い色再現領域を有すが、R/Mが狭い。比較例2はMは広いが、G/Y/Rで狭いのが目立つ。
このように、本発明の実施例1、4は全域で広い色再現領域を有し、特にRが広いことが明らかである。
また図7及び図8から、実施例2は特にRの領域が他の領域を犠牲にせずに広く、実施例3はRに関しては実施例2ほどの色再現領域の広さではないが、M/Bの色再現領域が広いことが明らかである。
(画像評価)
上記のようにして作製したトナー5重量%と、シリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%とを混合し、得られた二成分現像剤を用いて、リコー社製複写機imagio Neo C385改造機にて肌色が含む原稿写真で、フルカラー写真モード、400dpiで1000枚現像を行ない、50人に目視評価してもらい、下記基準にランク付けを行なった。
以上の人間目視評価による肌色画像のよさの評価結果を次の5段階でランク付けした。
肌色写真官能評価基準:100点満点、最低0点、50人の平均点でそれぞれランク付けた。
◎:大変良い 80点以上
○:良い 60〜79
□:普通 40〜59
△:悪い 20〜39
×:大変悪い 19点以下
評価結果を表2に示す。
Figure 0004887028
Figure 0004887028
Figure 0004887028
トナーの形状を模式的に表わした図である。 トナーの形状を模式的に表わした図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 実施例及び比較例のトナーについてL表色系色差におけるa及びbの測定値をプロットしたグラフである。 実施例1、4及び比較例1、2のトナーについてL表色系色差におけるa及びbの測定値をプロットしたグラフである。 図5の1部拡大図である。 実施例2、3及び比較例3、4のトナーについてL表色系色差におけるa及びbの測定値をプロットしたグラフである。 図7の拡大図である。
符号の説明
4 現像装置
10 中間転写ベルト(中間転写体)
14、15、16 支持ローラ
18 画像形成手段
20 タンデム型画像形成装置
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
32 コンタクトガラス
33 第一走行体
34 第二走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
40 感光体(静電潜像担持体)
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置





Claims (16)

  1. 静電潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を被転写体及び/又は記録媒体上に転写する転写装置と、記録媒体上の可視像を定着させる定着装置とを少なくとも備える画像形成装置において、該画像形成装置は、少なくとも3つ以上の現像装置を備え、前記記録媒体上の可視像が、少なくともイエロートナー及びマゼンタトナー及びシアントナーで形成され、該イエロートナーと該マゼンタトナーと該シアントナーに少なくともポリエステル樹脂が含有され、該ポリエステル樹脂が、少なくともビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び/またはこれらの酸無水物を、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)及び/又はチタニルビス(トリエタノールアミネート)からなるチタン含有触媒(a)の存在下に重縮合されてなる樹脂であり、該マゼンタトナーが、下記化学構造式(1)で示される有機顔料を含有し、該イエロートナーが、下記化学構造式(2)及び/又は(3)で示される有機顔料を含有することを特徴とする画像形成装置。
    化学構造式(1)
    Figure 0004887028
    化学構造式(2)
    Figure 0004887028

    化学構造式(3)
    Figure 0004887028
  2. 前記画像形成装置は、前記記録媒体上の可視像が、イエロートナーの下にマゼンタトナーの層を形成するものであることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記シアントナーが、銅フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像形成装置は、3つの現像装置が、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナーを備える3つの現像装置と、さらに、ブラックトナーを備える現像装置を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記画像形成装置は、単色における定着後のL表色系で、観測光D50(JIS Z−8720(1983))での観測視野径2°の条件によるID(画像濃度:−Log反射率)が1.00時、aが55〜75、bが0〜−8の範囲にあるマゼンタトナーを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成装置は、単色における定着後のL表色系で、観測光D50(JIS Z−8720(1983))での観測視野径2°の条件によるID(画像濃度:−Log反射率)が1.00時、aが−2〜−12、bが67〜90の範囲にあるイエロートナーを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記画像形成装置は、マゼンタトナーとイエロートナーとの混色における定着後のL表色系で、観測光D50(JIS Z−8720(1983))での観測視野径2°の条件によるID(画像濃度:−Log反射率)が1.00時、aが60〜68、bが45〜55の範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記画像形成装置は、離型剤を含有するトナーを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記画像形成装置は、平均円形度が0.94以上のトナーを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記画像形成装置は、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるトナーを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記画像形成装置は、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナーを用いることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記画像形成装置は、紡錘形状で、かつ、前記紡錘形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、短軸r2と長軸r1との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあるトナーを用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 前記画像形成装置は、少なくとも結着樹脂及び/又は結着樹脂の前駆体、離型剤を、有機溶媒又は重合性単量体に溶解又は分散させて、水系媒体中で粒子を形成することによって得られるトナーを用いることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 前記画像形成装置は、個数平均粒径が80〜500nmの範囲にある外添剤を有するトナーを用いることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 前記画像形成装置は、像担持体と、少なくとも帯電装置、現像装置、クリ−ニング装置から選択される少なくとも現像装置を含む一以上の装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカ−トリッジを備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 静電潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を被転写体及び/又は記録媒体上に転写する転写装置と、記録媒体上の可視像を定着させる定着装置とを少なくとも備える画像形成装置に用いられるトナーにおいて、該トナーは、少なくともイエロートナー及びマゼンタトナー及びシアントナーからなり、該イエロートナーと該マゼンタトナーと該シアントナーに少なくともポリエステル樹脂が含有され、該ポリエステル樹脂が、少なくともビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び/またはこれらの酸無水物を、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)及び/又はチタニルビス(トリエタノールアミネート)からなるチタン含有触媒(a)の存在下に重縮合されてなる樹脂であり、該マゼンタトナーが、下記化学構造式(1)で示される有機顔料を含有し、該イエロートナーが、下記化学構造式(2)及び/又は(3)で示される有機顔料を含有することを特徴とする少なくともイエロートナーとマゼンタトナーとシアントナーを有する静電潜像現像用トナーキット。
    化学構造式(1)
    Figure 0004887028
    化学構造式(2)
    Figure 0004887028

    化学構造式(3)
    Figure 0004887028
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